JP2000217408A - 自走式肥料散布機 - Google Patents

自走式肥料散布機

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JP2000217408A
JP2000217408A JP11022149A JP2214999A JP2000217408A JP 2000217408 A JP2000217408 A JP 2000217408A JP 11022149 A JP11022149 A JP 11022149A JP 2214999 A JP2214999 A JP 2214999A JP 2000217408 A JP2000217408 A JP 2000217408A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肥料タンクの底部における肥料落下調節板機
構に対する清掃を容易化できる自走式肥料散布機の提
供。 【解決手段】 自走式肥料散布機は、散布軸7に固定さ
れた回転式散布板9と、タンク台板10上に設置される
底無し肥料タンク25と、このタンク25内で散布軸7
の回動に伴って底部を這うように水平回動する攪拌部材
12と、その底部下に設置された肥料落下調節板機構7
0とを備えている。タンク25は、底抜け開口部25a
を有し、その開口部25aが肥料落下調節板機構70に
重合する状態の起立姿勢とその開口部25aが肥料落下
調節板機構70から離反する状態の横倒し姿勢との間で
旋回可能にタンク台板10に蝶着されて成る。清掃時に
は、タンク25を横倒し姿勢に簡単に変更できるため、
台板10側に残置して露顕した肥料落下調節板機構70
に対し真近にアクセスでき、掃除が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転式散布板の遠
心力で肥料を散布する自走式肥料散布機に関し、特に、
肥料タンクの底部に肥料落下調節板機構を具備する肥料
散布装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自走しながら肥料を遠心力で散布
する自走式肥料散布機は、例えば図5に示すように、左
右一対の前輪である駆動輪1a(1b)及び操縦輪であ
る尾輪1cを備えた車体フレーム1と、この車体フレー
ム1の後部に搭載された小型エンジン2と、起立した垂
直フレーム3から後方に延びた操縦用二叉ハンドル3a
(3b)と、車体フレーム1の前部に搭載された肥料散
布装置4とを有しており、小型エンジン2からの駆動力
はVベルト(図示せず)を経て駆動輪1a(1b)間の
トランスミッション部5(図6参照)へ伝達され、その
トランスミッション部5から水平軸の走行用車軸6と垂
直軸の散布軸7にそれぞれ伝達されるようになってい
る。アクセルレバー7cの操作でエンジン回転数が変化
し、肥料散布機の走行速度を可変できるようになってい
る。
【0003】また、肥料散布装置4は、図6に示すよう
に、散布軸7にボス部7aを介して固定され、複数の散
布羽根9aを有する回転式散布板9と、この上方のタン
ク台板10の上に固定された肥料タンク(ホッパ)15
と、肥料タンク15の底板15aを貫通した散布軸7の
先端部に締め付けボルト(図示せず)を以て固定されて
水平回転する棒状攪拌部材12と、肥料タンク15の底
板15aに形成された1又は2以上の肥料落とし孔15
bと、これらの肥料落とし孔15bと揃い合う肥料落と
し孔11aを有し、肥料タンク15aの底板15aの裏
面に重ね合わせられて軸受7bの周りに回動可能の円板
状シャッタ板11とを備えて成る。底板15aとシャッ
タ板11とが肥料落下調節板機構を構成している。
【0004】散布軸7の回転と共に肥料タンク15内の
攪拌部材12もその底板15aを這うように回転するた
め、肥料タンク15内に堆積した肥料(図示せず)は片
寄り無く連続的に底板15aの肥料落とし孔15bへ供
給されて掻き落され、シャッタ板11の肥料落とし孔1
1aを介して回転する散布板9上に落下し続けるので、
散布板9の遠心力により前方扇状の所定散布範囲(散布
角内)に肥料が連続的に撒き散らされる。シャッタ操作
レバー7dを操作すると、シャッタ11が回動してその
肥料落とし孔11aと底板15aの肥料落とし孔15b
との開口度(孔重なり度合い)を絞り調整することがで
きるため、肥料タンク10a内から回転式散布板9上へ
落下する肥料の流量を加減できるので、肥料の厚撒き・
薄撒きが可能となっている。また、一方のハンドル3a
(3b)に設けたアクセルレバー7cの操作で散布軸7
の回転速度を可変できるようになっており、回転式散布
板9の遠心力を増減でき、肥料の飛ばし距離の長短調整
が可能となっている。
【0005】なお、本出願人が既に開示した特開平7−
298741号公報に記載の肥料散布装置の肥料落下調
節板機構のように、シャッタ板11の下に肥料落とし孔
を持つ第2のシャッタ板を重ねて設け、この第2のシャ
ッタ板の回動位置を調節することにより、肥料の散布方
向を変更できるように構成しても良い。この肥料落下調
節板機構は2枚のシャッタ板で肥料の落下流量と落下位
置とを変更することで肥料の散布範囲と散布方向を調節
できるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】肥料散布後において
は、肥料タンク15の底板15aに残る肥料を取り出
し、掃除を行う必要がある。底板15aとシャッタ板1
1との合わせ隙間に詰まった肥料(化学肥料等)粒を放
置すると、肥料の潮解性や粘性によりシャッタ板11が
殆ど動かなくなってしまうからである。しかし、底板1
5a上に付着した肥料はタンク15内に手を伸ばすと払
拭又は洗浄により除去できるものの、底板15aとシャ
ッタ板11との合わせ隙間に詰まった肥料粒は殆ど除去
し難い。シャッタ板11の回動調節の際、合わせ隙間内
へ肥料を食い込むような作用も働いているため、合わせ
隙間の奥にまで肥料粒がどうしても進入してしまう。
【0007】ここで仮に、底板15aとシャッタ板11
の面精度を平滑にして合わせ隙間を僅少に設定した場合
は、シャッタ板11の回動調節自体が不自由になってし
まう。特に、第2のシャッタ板をも重ね持つ肥料落下調
節板機構にあっては、合わせ間隙が2重になるため、肥
料粒の詰まり障害が大きな問題となる。いずれにして
も、肥料タンク15自体が邪魔になり肥料落下調節板機
構の掃除がやり難く、またシャッタ板11の上にはこの
底板15aが重なっているため、シャッタ板11やその
下の第2のシャッタ板自体の掃除は不可能となってい
る。
【0008】そこで、上記問題点に鑑み、本発明の第1
の課題は、肥料タンクの底部における肥料落下調節板機
構に対する清掃を容易化できる自走式肥料散布機を提供
することにある。
【0009】また本発明の第2の課題は、肥料落下調節
板機構の板合わせ隙間の肥料詰まりを簡単に除去できる
自走式肥料散布機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るため、本発明の講じた第1の手段は、分解容易な肥料
散布装置を実現するため、タンク台側に肥料落下調節板
機構の一部又は全部を残置するように肥料タンクを起立
姿勢と横倒し姿勢との間で旋回可能に蝶着したことにあ
る。
【0011】即ち、本発明は、散布軸に固定された回転
式散布手段と、タンク台上に設置され、上記回転式散布
手段へ貯留肥料を落とし続けるための肥料タンクと、上
記肥料タンクの底部下に設置され、肥料落とし孔を持つ
肥料落下調節板機構とを備えた自走式肥料散布機におい
て、上記肥料タンクは、上記底部が上記肥料落下調節板
機構に重合する状態の起立姿勢と上記底部が前記肥料落
下調節板機構から離反する状態の横倒し姿勢との間で旋
回可能に蝶着されて成ることを特徴とする。
【0012】肥料散布後、肥料タンクの底部を清掃する
場合、肥料タンク内に残る肥料を取り出しから、起立姿
勢の肥料タンクを押し倒すと、横倒し姿勢に変更できる
ため、タンク台側に残置した肥料落下調節板機構が露顕
する。このため、肥料タンクが邪魔にならず、露顕した
肥料落下調節板機構に対し真近にアクセスできるため、
タンク底部は勿論のこと、肥料落下調節板機構の掃除を
容易且つ入念に行うことが可能となる。
【0013】なお、肥料落下調節板機構は肥料タンクの
底板と1又は2以上のシャッタ板との重ね合わせで構成
でき、また、無底の肥料タンクの場合は、別体の底板と
1又は2以上のシャッタ板との重ね合わせ、若しくは1
又は2以上のシャッタ板と受板部とも構成できる。
【0014】自然落下、又は振動式肥料落下のように、
タンク内に攪拌部材を具備しない散布装置にあっては、
肥料タンクは肥料落とし孔を具備する有底ホッパでも構
わないが、肥料タンクが底部を底抜け開口部とした無底
ホッパとした場合には、肥料タンク内に攪拌部材が配置
されている肥料散布装置にあっても、攪拌部材が干渉す
ること無く、底抜け開口部をすり抜けることができるの
で、肥料タンクを横倒し姿勢に変更することができる。
【0015】肥料タンクの起立姿勢で肥料タンクをタン
ク台側に固定するための止め具を有することが好まし
い。肥料タンクの起立姿勢を固定でき、散布稼働中のタ
ンク振れを防止できる。
【0016】また、肥料タンクは底部から外周へ張り出
た据え置き基部を有して成ることが好ましい。肥料タン
クが起立姿勢の場合、張り出た据え置き基部がタンク台
の面上に衝合するので、荷重耐力が強く、また姿勢安定
化を図ることができる。
【0017】肥料タンクの旋回軸は運行前進方向の左右
一方側においてタンク台と据え置き基部と間に設けられ
ており、前記止め具はその他方側においてタンク台と据
え置き基部と間に設けられている場合、肥料タンクを左
右のいずれかに横倒しすることができる。勿論、進行方
向に横倒しできるように、旋回軸は進行方向の前方位置
に設け、止め具を進行方向の後方位置に設けても構わな
い。
【0018】据え置き基部よりも上部レベルで肥料タン
クの後部位置とハンドル部側との間に第2の止め具を設
けることが好ましい。前述の止め具(第1の止め具)に
よる肥料タンクの固定の外、第2の止め具による肥料タ
ンクの固定も加わるので、固定力が増強し、姿勢安定化
に寄与する。特に、第2の止め具は第1の止め具から肥
料タンクの中心に対して略直角方向に位置し、また止め
位置の高さも変えてあるため、タンクの横揺れや縦揺れ
を効果的に抑制できる。
【0019】次に、上記第2の課題を解決するため、本
発明の講じた手段は、肥料落下調節板機構を分解容易と
すべく、肥料落下調節板機構を構成する調節板にそれ自
身が攪拌部材に対して軸方向に通過可能な大きさのすり
抜け孔を設けたことにある。
【0020】即ち、本発明は、散布軸に固定された回転
式散布手段と、タンク台上に設置され、上記回転式散布
手段へ貯留肥料を落とし続けるための肥料タンクと、上
記肥料タンクの底部下に設置され、肥料落とし孔を持つ
肥料落下調節板機構とを備えた自走式肥料散布機におい
て、上記肥料タンクは、底抜け開口部を有し、上記底抜
け開口部が上記肥料落下調節板機構に被さる状態と上記
底抜け開口部が上記肥料落下調節板機構から離反する状
態の間で移動可能に前記タンク台に取り付けられてお
り、上記肥料落下調節板機構は、上記散布軸が貫通する
軸受を持ち、上記タンク台に固定された受板部と、この
受板部上に重ね合わされて上記軸受の周りに回動可能な
1又は2以上のシャッタ板とから成り、上記散布軸の上
記軸受から上記タンク内への突出部に固定されて回動す
る攪拌部材を有しており、上記シャッタ板はそれ自身が
上記攪拌部材に対して軸方向に通過可能な大きさのすり
抜け孔を有して成ることを特徴とする。
【0021】無底の肥料タンクの場合、第1の手段のよ
うに、肥料タンクが旋回可能の蝶着されている場合に限
らず、横ずらし等により、底抜け開口部が肥料落下調節
板機構に被さる状態と底抜け開口部が肥料落下調節板機
構から離反する状態の間で移動可能な構成を採用できる
が、タンクを底抜け開口部が肥料落下調節板機構から離
反させた状態まで移動させると、タンク台側に残置した
肥料落下調節板機構が露顕するので、攪拌部材を取り外
さずとも、操作部に繋がる連接リンク等との連結を外
し、シャッタ板のすり抜け孔と攪拌部材とを合わせて軸
方向へ引く抜くことにより、シャッタ板同士又は受板部
から訳なく分離して取り外すことができる。従って、シ
ャッタ板や受板部の個別的な清掃が可能となり、肥料落
下調節板機構の板合わせ隙間の肥料詰まりを簡単に解消
することができる。なお、シャッタ板の組付けも容易で
ある。
【0022】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を添付図面
に基づいて説明する。
【0023】図1は本発明の実施形態に係る自走式肥料
散布機における肥料散布装置を示す正面図、図2は同肥
料散布装置において肥料タンクの横倒し姿勢を示す部分
斜視図、図3は同肥料散布装置を示す右側面図、図4は
同肥料散布装置における肥料落下調節板機構の分解状態
を示す右側面図である。なお、図1及び図2において図
5及び図6に示す部分と同一部分には同一参照符号を付
し、その説明は省略する。
【0024】本例の自走式肥料散布機は、散布軸7に固
定された回転式散布板9と、タンク台板10上に設置さ
れ、底抜け開口部25aを有する底無し肥料タンク25
と、この底無し肥料タンク25内で散布軸7の回動に伴
って底部を這うように水平回動する攪拌部材12と、タ
ンク25の底部下でタンク台板10上に設置された肥料
落下調節板機構70とを具備している。
【0025】本例の肥料タンク25は、底抜け開口部2
5aを有し、底抜け開口部25aが肥料落下調節板機構
70に重合する状態の起立姿勢と底抜け開口部25aが
肥料落下調節板機構70から離反する状態の横倒し姿勢
との間で旋回可能にタンク台板10に蝶番30を以て蝶
着されて成る。肥料タンク25は底抜け開口部25aか
ら外周へ広く張り出た据え置き基板25bを有してい
る。
【0026】本例では、蝶番30は運行前進方向の左側
においてタンク台板10の縁に設けられており、肥料タ
ンク25の起立姿勢で据え置き基板25bの縁をタンク
台板10に固定するための第1のフック掛止具40が運
行前進方向の右側に設けられている。また、据え置き基
板25bよりも上部レベルで肥料タンク25の後部位置
とハンドル部側との間に第2のフック掛止具50が設け
られている。本例では、このフック掛止具40,50と
して被掛止部に爪金を掛止してトグル機構で固定する俗
称「パッチン錠」と呼ばれるものを用いた。しかし、こ
れに限らず、止め具(固定手段)としては種々のものを
用いても良い。ただ、フック掛止具40,50によれ
ば、止着又はその解除操作が簡単である。
【0027】肥料落下調節板機構70は、図3に示す如
く、タンク台板10を浅く凹まして散布軸7が貫通する
軸受7bが熔接され、肥料落とし孔72aを有する受板
部72と、この受板部72上に重ね合わされて軸受7b
の周りに回動可能で、肥料落とし孔74aを有する第1
のシャッタ板74と、この第1のシャッタ板74上に重
ね合わされて軸受7bの周りに回動可能で、肥料落とし
孔76aを有する第2のシャッタ板76とから成る。第
1のシャッタ板74は、肥料落とし孔74aの外、それ
自身が軸方向に攪拌部材12を通過可能の形状・大きさ
のすり抜け孔74bを備えている。また第2のシャッタ
板76も、肥料落とし孔76aの外、それ自身が軸方向
に攪拌部材12を通過可能の形状・大きさのすり抜け孔
76bを備えている。このすり抜け孔は肥料落とし孔自
体の機能を乱さない位置に開口している。第1のシャッ
タ板74は張り出し片74cを備えており、張り出し片
74cでネジ74dを以てねじ留されたリンク板74e
はシャッタ操作レバー7dに連繋するアーム74fの植
立ピン74gに抜き差し自在に回り対偶で連結されてい
る。同様に、第2のシャッタ板76も張り出し片76c
を備えており、張り出し片76cでネジ76dを以てね
じ留されたリンク板76eはシャッタ操作レバー7dに
連繋するアーム76fの植立ピン76gに抜き差し自在
に回り対偶で連結されている。なお、本例の第2(上
側)のシャッタ板76は散布方向を変更でき、第1(下
側)のシャッタ板74は散布範囲を変更できるようにな
っている。
【0028】このような構成の肥料散布機において、肥
料散布後、肥料タンク25の底部及び肥料落下調節板機
構70を清掃する場合、肥料タンク25内に残る肥料を
取り出してから、フック掛止具40,50を外し、起立
姿勢の肥料タンク25をゆっくり倒すと、タンク25の
底抜け開口部25aが攪拌部材12をすり抜けるため、
図2の二点鎖線で示す如く肥料タンク25を簡単に横倒
し姿勢とすることができる。なお、図示してないが、本
例では肥料タンク25の横倒し姿勢を保持するストッパ
が設けられている。
【0029】かかる状態では、タンク台板10側に残る
肥料落下調節板機構70に対し肥料タンク25が邪魔に
ならず真近にアクセスできる。このため、タンク底部及
び肥料落下調節板機構70の掃除を容易且つ入念に行う
ことが可能となる。
【0030】また、肥料落下調節板機構70を構成する
シャッタ板76,74はすり抜け孔76b,74bを具
備しているため、植立ピン76g,74gからシャッタ
板76,74を抜き外し、すり抜け孔76b,74bが
攪拌部材12の真下に合う位置まで回し、軸方向へ引き
抜くことにより、攪拌部材12を取り外さなくても、図
4に示す如く、シャッタ板76,74を受板部72から
分離させて取り外すことができる。従って、受板部72
及びシャッタ板74,76をそれぞれ分離させてそっく
り取り外すことができるため、個別的な清掃が可能とな
り、板合わせ隙間の肥料詰まりを簡単に解消することが
できる。なお、組付けは上記手順を逆順で行えば良いの
で、組付けも容易である。
【0031】本例では、肥料タンク25は底抜け開口部
25aから外周へ一体的に張り出た据え置き基板25b
を有しているため、肥料タンク25の起立姿勢が安定す
ることは勿論、荷重耐力を強くできる。また、蝶番30
の取り付けのためにも役立っている。
【0032】第2のフック掛止具50は第1のフック掛
止具40の位置からタンク中心に対して約90°の位置
となっているため、起立姿勢のタンク25のタンク台板
10上でのズレを効果的に防止できる。また、第2のフ
ック掛止具50は第1のフック掛止具40の位置よりも
上部レベルにあるため、タンク25の横振れを抑制でき
る。
【0033】なお、本例は肥料散布に用いる肥料散布機
を説明してあるが、肥料散布ばかりでなく、路上に融雪
剤又は凍結防止剤を散布する場合等にも用いることがで
きることは言う迄もない。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、タンク
台側に肥料落下調節板機構の一部又は全部を残置するよ
うにして肥料タンクを起立姿勢と横倒し姿勢との間で旋
回可能に蝶着したことを特徴とする。
【0035】 起立姿勢の肥料タンクを押し倒にする
ことができるため、タンク台側に残置した肥料落下調節
板機構が露顕し、肥料タンクが邪魔にならず、肥料落下
調節板機構に対し真近にアクセスできるので、タンク底
部は勿論のこと、肥料落下調節板機構の掃除を容易且つ
入念に行うことが可能となる。
【0036】 肥料タンクが底部を底抜け開口部とし
た無底ホッパとした場合には、肥料タンク内に攪拌部材
が配置されている肥料散布装置にあっても、攪拌部材が
干渉すること無く、底抜け開口部をすり抜けることがで
きるので、肥料タンクを横倒し姿勢に変更することがで
きる。
【0037】 肥料タンクの起立姿勢で肥料タンクを
タンク台側に固定するための止め具を有することが好ま
しい。肥料タンクの起立姿勢を固定でき、散布稼働中の
タンク振れを防止できる。
【0038】 肥料タンクは底部から外周へ張り出た
据え置き基部を有して成ることが好ましい。肥料タンク
が起立姿勢の場合、張り出た据え置き基部がタンク台の
面上に衝合するので、荷重耐力が強く、また姿勢安定化
を図ることができる。
【0039】 肥料タンクの旋回軸は運行前進方向の
左右一方側においてタンク台と据え置き基部と間に設け
られており、上記止め具はその他方側においてタンク台
と据え置き基部と間に設けられている場合、肥料タンク
を左右のいずれかに横倒しすることができる。
【0040】 据え置き基部よりも上部レベルで肥料
タンクの後部位置とハンドル部側との間に第2の止め具
を設けることが好ましい。上記の止め具(第1の止め
具)による肥料タンクの固定の外、第2の止め具による
肥料タンクの固定も加わるので、固定力が増強し、姿勢
安定化に寄与する。特に、第2の止め具は第1の止め具
から肥料タンクの中心に対して略直角方向に位置し、ま
た止め位置の高さも変えてあるため、タンクの横揺れや
縦揺れを効果的に抑制できる。
【0041】 また本発明は、肥料落下調節板機構を
構成するシャッタ板等の調節板にそれ自身が攪拌部材に
対して軸方向に通過可能な大きさのすり抜け孔を設けた
ことを特徴とする。攪拌部材を取り外さずとも、操作部
に繋がる連接リンク等との連結を外し、シャッタ板のす
り抜け孔と攪拌部材とを合わせて軸方向へ引く抜くこと
により、シャッタ板同士又は受板部から訳なく分離して
取り外すことができる。
【0042】従って、シャッタ板や受板部の個別的な清
掃が可能となり、肥料落下調節板機構の板合わせ隙間の
肥料詰まりを簡単に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自走式肥料散布機にお
ける肥料散布装置を示す正面図である。
【図2】同肥料散布装置機において肥料タンクの横倒し
た姿勢を示す部分斜視図である。
【図3】同肥料散布装置を示す右側面図である。
【図4】同肥料散布装置における肥料落下調節板機構の
分解状態を示す右側面図である。
【図5】従来の自走式肥料散機の全体的外観を示す右側
面図である。
【図6】従来の自走式肥料散機における肥料散布装置を
示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…車体フレーム 1a,1b…駆動輪 1c…尾輪 2…小型エンジン 3…垂直フレーム 3a,3b…操縦用二叉ハンドル 4…肥料散布装置 5…トランスミッション部 6…走行用車軸 7…散布軸 7a…ボス部 7b…軸受 7c…アクセルレバー 7d…シャッタ操作レバー 8…クラッチレバー 9…回転式散布板 9a…散布羽根 10…タンク台板 11…シャッタ板 11a…肥料落とし孔 12…棒状攪拌部材 15…肥料タンク(ホッパ) 15a…底板 15b…肥料落とし口 25…底無し肥料タンク 25a…底抜け開口部 25b…据え置き基板 30…蝶番 40…第1のフック掛止具 50…第2のフック掛止具 70…肥料落下調節板機構 72…受板部 74…第1のシャッタ板 74a,76a…肥料落とし孔 74b,76b…すり抜け孔 74c,76c…張り出し片 74d,76d…ネジ 74e,76e…リンク板 74f,76f…アーム 74g,76g…植立ピン 76…第2のシャッタ板。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 散布軸に固定された回転式散布手段と、
    タンク台上に設置され、前記回転式散布手段へ貯留肥料
    を落とし続けるための肥料タンクと、前記肥料タンクの
    底部下に設置され、肥料落とし孔を持つ肥料落下調節板
    機構とを備えた自走式肥料散布機において、 前記肥料タンクは、前記底部が前記肥料落下調節板機構
    に重合する状態の起立姿勢と前記底部が前記肥料落下調
    節板機構から離反する状態の横倒し姿勢との間で旋回可
    能に蝶着されて成ることを特徴とする自走式肥料散布
    機。
  2. 【請求項2】 請求項2において、前記肥料タンクは前
    記底部を底抜け開口部とした無底ホッパであることを特
    徴とする自走式肥料散布機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記肥
    料タンクの起立姿勢で前記肥料タンクを前記タンク台側
    に固定するための止め具を有することを特徴とする自走
    式肥料散布機。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    おいて、前記肥料タンクは前記底部から外周へ張り出た
    据え置き基部を有して成ることを特徴とする自走式肥料
    散布機。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記肥料タンクの旋
    回軸は運行前進方向の左右一方側において前記タンク台
    と前記据え置き基部と間に設けられており、前記止め具
    はその他方側において前記タンク台と前記据え置き基部
    と間に設けられていることを特徴とする自走式肥料散布
    機。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    おいて、前記据え置き基部よりも上部レベルで前記肥料
    タンクの後部位置とハンドル部側との間に第2の止め具
    を有して成ることを特徴とする自走式肥料散布機。
  7. 【請求項7】 請求項2乃至請求項5のいずれか一項に
    おいて、前記肥料落下調節板機構は、前記散布軸が貫通
    する軸受を持ち、前記タンク台に固定された受板部と、
    この受板部上に重ね合わされて前記軸受の周りに回動可
    能な1又は2以上のシャッタ板とから成り、 前記散布軸の前記軸受から前記タンク内への突出部に固
    定されて回動する攪拌部材を有しており、 前記シャッタ板はそれ自身が前記攪拌部材に対して軸方
    向に通過可能な大きさのすり抜け孔を有して成ることを
    特徴とする自走式肥料散布機。
  8. 【請求項8】 散布軸に固定された回転式散布手段と、
    タンク台上に設置され、前記回転式散布手段へ貯留肥料
    を落とし続けるための肥料タンクと、前記肥料タンクの
    底部下に設置され、肥料落とし孔を持つ肥料落下調節板
    機構とを備えた自走式肥料散布機において、 前記肥料タンクは、底抜け開口部を有し、前記底抜け開
    口部が前記肥料落下調節板機構に被さる状態と前記底抜
    け開口部が前記肥料落下調節板機構から離反する状態の
    間で移動可能に前記タンク台に取り付けられており、 前記肥料落下調節板機構は、前記散布軸が貫通する軸受
    を持ち、前記タンク台に固定された受板部と、この受板
    部上に重ね合わされて前記軸受の周りに回動可能な1又
    は2以上のシャッタ板とから成り、 前記散布軸の前記軸受から前記タンク内への突出部に固
    定されて回動する攪拌部材を有しており、 前記シャッタ板はそれ自身が前記攪拌部材に対して軸方
    向に通過可能な大きさのすり抜け孔を有して成ることを
    特徴とする自走式肥料散布機。
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