JP2000211924A - 磁性顔料およびその製造方法 - Google Patents

磁性顔料およびその製造方法

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JP2000211924A
JP2000211924A JP11011270A JP1127099A JP2000211924A JP 2000211924 A JP2000211924 A JP 2000211924A JP 11011270 A JP11011270 A JP 11011270A JP 1127099 A JP1127099 A JP 1127099A JP 2000211924 A JP2000211924 A JP 2000211924A
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/44Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids
    • H01F1/445Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids the magnetic component being a compound, e.g. Fe3O4

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジエツト、バブルジエツトなどの印刷
の磁気インク用として、長時間放置しても沈降しないで
安定な分散状態を維持できるインク特性と、磁気印刷物
としてのすぐれた磁気特性とを有し、しかも通常のカラ
―印刷物と比べて遜色のない黒色(や茶色)以外の色調
を有する磁性顔料を提供する。 【解決手段】 一般式:Y3 Fe5 12で表されるイツ
トリウム鉄ガ―ネツトを基本組成とし、平均粒子サイズ
が50〜500nm、保磁力が30〜200エルステツ
ド、飽和磁化が15〜30emu/gであり、かつ黄色
または黄緑色の色調を有することを特徴とする磁性顔
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イツトリウム鉄ガ
―ネツトを基本組成とした磁気インク用の磁性顔料およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気インクの代表的なものとして、磁気
バ―コ―ド用の磁気インクがよく知られている。この磁
気インクは、オフセツト印刷、スクリ―ン印刷、グラビ
ヤ印刷などにより、各種の媒体に印刷され、最適な印刷
特性を得るため、粒子サイズが0.5μmから数μmの
大きさの黒色の磁性顔料を使用している。
【0003】近年、安価なプリンタの急速な普及によ
り、インクジエツト、バブルジエツトなどの方式で磁気
印刷を行うニ―ズが高まつている。この種の印刷方式で
は、オフセツト印刷、スクリ―ン印刷、グラビヤ印刷な
どの従来の印刷方式に比べて、低い粘度の磁気インクが
要求される。したがつて、上記従来の方式に使用されて
きた磁性顔料では、粒子サイズが大きすぎて、インク中
で顔料が沈降しやすく、ノズルからインクがスム―ズに
排出されなかつたり、インクを長時間放置しておくと磁
性顔料が沈降してノズルの目詰まりを引き起こす。さら
に、近年、カラ―プリンタの急速な普及に伴い、磁気イ
ンクにおいても、白黒印刷用の黒色以外の色調を有する
磁気インクのニ―ズが高まつている。
【0004】インクジエツト、バブルジエツトなどの印
刷方式には、マグネタイトやコバルトフエライトの微粒
子を使用した黒色の磁気インクが、実用に供されつつあ
る。これ以外の色調を有する磁気インクは、上記微粒子
に着色剤を添加して着色されるが、黒色の微粒子と混合
するため、全体の色調が暗く、これらの磁気インクを用
いた印刷物は、磁気特性を満たしても、カラ―印刷物と
しては満足できない。また、磁性体粒子は、通常、粒子
サイズが大きいと赤褐色や茶色の粒子が得られるが、粒
子サイズが小さくなると黒色になるため、磁気インク用
の微粒子顔料としては、これまで、黒色や黒茶色の微粒
子しか得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に照らし、インクジエツト、バブルジエツトなどの印刷
方式の磁気インク用として使用したとき、長時間放置し
ても沈降しないで安定な分散状態を維持できるインク特
性と、磁気印刷物としてのすぐれた磁気特性とを示し、
しかも通常のカラ―印刷物と比較しても遜色のない黒色
(や茶色)以外の色調を有する磁性顔料を得ることを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】磁性顔料の材料には、金
属、合金、酸化物などがある。金属や合金では、インク
ジエツト、バブルジエツトなどの磁気インク用として使
用するために、微粒子にすると、酸化などにより磁気特
性などが劣化し、また溶媒として水を使用できないなど
の問題がある。これに対し、酸化物には、γ−酸化鉄、
マグネタイト、コバルト含有酸化鉄などのフエライト
や、バリウムフエライト、ストロンチウムフエライトな
どのマグネタイトプラムバイトがあり、これらは上記問
題がなく、磁気特性も満足するが、黒色や茶色の色調と
なる。これとは別に、淡色の色調を示す酸化物として、
希土類鉄ガ―ネツト粒子が知られている。
【0007】たとえば、特開平8−176485号公報
には、ビスマスで置換した希土類鉄ガ―ネツト粒子の淡
色を利用して、この粒子と各種の着色インクを混合して
カラフルな色調の着色印刷を施すことが、特開平8−8
0694号公報には、同じくビスマスで置換した希土類
鉄ガ―ネツト粒子を用いた磁気インクでカ―ドなどに印
刷を施し、この粒子の磁気光学効果を利用してレ―ザ―
光により非接触で印刷物の情報を読み取ることが、特開
平6−263448号公報には、各種の元素で置換した
希土類鉄ガ―ネツト粒子をバインダ中に分散させた磁性
塗料をガラス基板上に塗布して光磁気記録媒体を得るこ
とが、提案されている。
【0008】本発明者らは、このような希土類鉄ガ―ネ
ツト粒子に着目し、この粒子を磁性顔料とした磁気イン
クを用いて磁気印刷し、これを特殊なセンサによらない
で、磁気ヘツドを使用した汎用のセンサにより印刷情報
を正しく検出するためには、上記粒子として、できる限
り大きな飽和磁化を示すものを用いる必要があるものと
考え、このような粒子を得るため、鋭意検討した。
【0009】希土類鉄ガ―ネツトは、一般式:M3 Fe
5 12で表される構造式を有し、Mとして周期率表のL
aからLuまでのランタン系列元素とYを使用できるこ
と、またこれらの元素を基本に、各種の元素で置換でき
ることもよく知られている。とくにMとしてBiと希土
類元素を使用すると、光磁気効果が増大するために、こ
れらの単結晶はレ―ザ―光を使つた光通信用の素子に実
用化されており、またこれらの薄膜は光磁気記録用の媒
体として実用化検討がなされている。
【0010】ここで、MとしてY以外の他の希土類元素
を用いると、飽和磁化が低下する傾向にある。飽和磁化
の低下は、光通信用の素子や光磁気記録用の媒体には問
題にならず、とくに光磁気媒体用としては飽和磁化が小
さい方が垂直磁化媒体になりやすい。つまり、前記従来
の技術では、飽和磁化をむしろ小さくするため、Biな
どを積極的に添加することが一般的となつていたのであ
る。ところが、本発明では、磁気ヘツドを用いた汎用の
センサによる読み取りを可能とするため、上記のような
飽和磁化の低下は望ましくない。
【0011】本発明者らは、この観点より検討を続け、
MとしてとくにYを選択し、置換元素を皆無とするか、
あるいは少量に抑えた、一般式:Y3 Fe5 12で表さ
れるイツトリウム鉄ガ―ネツトを基本組成とした粒子に
よれば、最も大きな飽和磁化が得られ、この粒子はイン
クジエツト、バブルジエツトなどの印刷に適した微粒子
状としても上記良好な磁気特性を保て、それにより長時
間放置しても沈降しないで安定な分散状態を維持でき、
また上記微粒子状として通常のカラ―印刷物と比較して
も遜色のない黄色または黄緑色の色調が得られ、さらに
このような磁気特性とインク特性を有する特定色調の磁
性顔料が、融剤を使用した特定の手法により容易に製造
できることを見い出した。
【0012】すなわち、本発明は、一般式:Y3 Fe5
12で表されるイツトリウム鉄ガ―ネツトを基本組成と
し、平均粒子サイズが50〜500nm、保磁力が30
〜200エルステツド、飽和磁化が15〜30emu/
gであり、かつ黄色または黄緑色の色調を有することを
特徴とする磁性顔料(請求項1)と、このような磁性顔
料の製造方法として、a)イツトリウムと鉄を含む酸性
水溶液とアルカリ水溶液とを混合してイツトリウムと鉄
の共沈物を得る工程、b)この共沈物に水の存在下で融
剤を加えて懸濁液を得る工程、c)この懸濁液から水を
除去して共沈物と融剤の混合物を得る工程、d)この混
合物を600〜1,200℃で加熱処理してイツトリウ
ム鉄ガ―ネツトの微粒子を析出させる工程、およびe)
この析出後に融剤を水洗除去して上記微粒子を取り出す
工程を具備することを特徴とする磁性顔料の製造方法
(請求項2)に係るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の磁性顔料は、一般式:Y
3 Fe5 12で表されるイツトリウム鉄ガ―ネツトを基
本組成とし、必要によりYの一部を他の元素で置換した
り、Feの一部をCo、Ti、V、Ni、Zn、Al、
Si、Ge、Sn、Zrなどの各種の金属元素で置換し
たものであつてもよい。ただし、これらの置換の程度
は、飽和磁化の低下を招来することのない量に抑えるべ
きであり、一般に、Yの一部を他の元素で置換する場合
の置換量は、Yの20原子%以下、好ましくは15原子
%以下、Feの一部を上記各種の金属元素で置換する場
合の置換量は、Feの10原子%以下、好ましくは5原
子%以下に抑えるのが望ましい。また、この磁性顔料
は、磁気インクに使用したとき、インクの流動性を良好
にする球状の粒子形状を有しているのが好ましい。
【0014】このような磁性顔料は、インクジエツト、
バブルジエツトなどの印刷に適した微粒子状とされる
が、その程度は、磁気特性およびインク特性の両面よ
り、平均粒子サイズが50〜500nm、好ましくは1
00〜300nmに設定される。粒子サイズが小さくな
ると一般に飽和磁化などの磁気特性が劣化してくるが、
平均粒子サイズを50nm以上にすると、バルクのイツ
トリウム鉄ガ―ネツトと同等の飽和磁化を維持できる。
また、粒子サイズが大きくなるとインクジエツトやバブ
ルジエツトなどの印刷に適さなくなるが、平均粒子サイ
ズを500nm以下にすると、磁気インクを長時間放置
していても磁性顔料が沈降してノズル中でインクが目詰
まりするといつた問題を生じることはない。
【0015】また、このような磁性顔料は、イツトリウ
ム鉄ガ―ネツトを基本組成として、かつ上記特定の平均
粒子サイズを有していることにより、飽和磁化が、バル
クのイツトリウム鉄ガ―ネツトと同等の、15〜30e
mu/g、好ましくは18〜30emu/gの範囲にあ
り、また保磁力が、30〜200エルステツド、好まし
くは50〜200エルステツドの範囲にある。よつて、
これを使用した磁気印刷物は、磁気ヘツドを用いた汎用
のセンサによる読み取りが可能である。
【0016】本発明において、このような磁性顔料は、
a)イツトリウムと鉄を含む酸性水溶液とアルカリ水溶
液とを混合してイツトリウムと鉄の共沈物を得る工程、
b)この共沈物に水の存在下で融剤を加えて懸濁液を得
る工程、c)この懸濁液から水を除去して共沈物と融剤
の混合物を得る工程、d)この混合物を600〜1,2
00℃で加熱処理してイツトリウム鉄ガ―ネツトの微粒
子を析出させる工程、およびe)この析出後に融剤を水
洗除去して上記微粒子を取り出す工程により、工業的に
容易にかつ確実に製造することができる。
【0017】a工程においては、イツトリウムと鉄を含
む酸性水溶液、すなわち、一般式:Y3 Fe5 12で表
されるイツトリウム鉄ガ―ネツトを構成する基本元素を
含む酸性水溶液と、アルカリ水溶液とを混合して、イツ
トリウムと鉄の共沈物、つまり、イツトリウム鉄ガ―ネ
ツトを構成する基本元素の共沈物を得る。ここで、上記
の酸性水溶液は、イツトリウムと鉄とを基本成分とした
金属の酸性塩の水溶液であり、酸性塩の種類はとくに限
定されないが、水洗後に不純物が残留しにくい硝酸塩や
塩化物などを使用するのが好ましい。
【0018】また、アルカリ水溶液としては、NaO
H、KOH、アンモニアなどのアルカリ水溶液が用いら
れる。YおよびFeイオンはともに3価であるため、共
沈物を生成させるには、アルカリイオンは最低3倍モル
当量必要である。しかしながら、最終的に飽和磁化の大
きいイツトリウム鉄ガ―ネツト微粒子を得るためには、
4倍モル当量以上の過剰アルカリイオンの存在下で共沈
物を生成させるのが好ましい。アルカリイオンの上限は
とくにないが、濃度が高すぎると水洗時の効率が悪くな
るため、12倍モル当量以下とするのが好ましい。
【0019】b工程においては、上記の共沈物を十分に
水洗して、余剰のアルカリイオンなどを除去したのち、
融剤が溶解できる程度に水を残留させた状態で融剤を加
え、この融剤を撹拌溶解させて、融剤と共沈物の均一懸
濁液を得る。攪拌溶解が十分でないと、次工程で共沈物
と融剤との均一混合物を得にくい。融剤には、Na、
K、Liなどのアルカリ金属の塩化物、臭化物、ヨウ化
物、フツ化物などが好ましく用いられる。融剤の使用量
は、最終的に得られるイツトリウム鉄ガ―ネツトに対
し、100重量%以上、好ましくは200重量%以上で
あるのがよく、これにより上記磁性顔料の粒子サイズの
均一性に好結果が得られる。
【0020】c工程においては、上記の懸濁液から水を
除去して共沈物と融剤との均一混合物を得るものであ
る。水の除去方法としては、たとえば、空気中で直接加
熱乾燥して水だけを蒸発除去する方法などがある。d工
程においては、上記の混合物を加熱処理して、融剤中に
イツトリウム鉄ガ―ネツトの微粒子結晶を析出させる。
加熱処理温度は、融剤の融点以上の温度として、600
〜1,200℃の範囲において、融剤の種類に応じた適
宜の温度を選択すればよい。加熱処理に先立ち、上記の
混合物をあらかじめプレスなどにより成形しておくと、
YとFeが融剤中で反応しやすくなり、飽和磁化の増大
化に寄与させることができる。
【0021】e工程においては、上記のイツトリウム鉄
ガ―ネツトの微粒子結晶の析出後、融剤を水洗除去し
て、微粒子結晶を取り出すものである。この取り出し
後、乾燥して得られる微粒子顔料は、一般式:Y3 Fe
5 12で表されるイツトリウム鉄ガ―ネツトを基本組成
とし、平均粒子サイズが50〜500nm、保磁力が3
0〜200エルステツド、飽和磁化が15〜30emu
/gであり、かつ黄色または黄緑色の色調を有してお
り、インクジエツト、バブルジエツトなどの印刷用の磁
気インクに適した磁性顔料として利用することができ
る。なお、上記の製造工程において、たとえば、融剤を
全く使用しなかつたり、微粒子結晶を析出させるための
加熱処理温度が適正範囲から逸脱したりすると、上記の
ような磁気特性とインク特性にすぐれた磁性顔料が得る
ことが難しくなる。
【0022】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例により
なんら限定されるものではない。
【0023】実施例1 硝酸イツトリウム0.078モルと硝酸鉄0.131モ
ルとを2,090mlの水に溶解したのち、12Nの硝
酸溶液90mlを加えた。この硝酸水溶液を、2.49
8モルの水酸化ナトリウムを2,090mlの水に溶解
した水溶液に、この水溶液を撹拌しながら滴下して、イ
ツトリウムと鉄の共沈物を生成させた。この共沈物を中
性付近になるまで水洗したのち、ろ過して共沈物を取り
出した。この共沈物を別の容器に入れ、これに融剤とし
て臭化カリウム(KBr)0.336モルと水100m
lを加え、上記融剤が水に溶解するまで十分撹拌混合
し、共沈物を融剤水溶液中に均一に分散させた懸濁液を
得た。
【0024】つぎに、この懸濁液をバツトに取り出し、
30℃で約10時間乾燥させて、水を除去することによ
り、共沈物と融剤との均一混合物を得た。この均一混合
物を解砕したのち、軽くプレス成形し、この成形物をル
ツボに入れて、850℃で4時間加熱処理することによ
り、融剤中にイツトリウム鉄ガ―ネツトの微粒子結晶を
析出させた。最後に、この加熱処理物を水洗して、融剤
であるKBrを溶解除去し、イツトリウム鉄ガ―ネツト
微粒子を取り出した。
【0025】このようにして得られたイツトリウム鉄ガ
―ネツト微粒子は、平均粒子サイズが120nmの球状
で、保磁力が65エルステツド、飽和磁化が22.6e
mu/gであり、黄緑色の色調を有していた。これを磁
性顔料として、常法により、磁気インクを調製し、イン
クジエツト、バブルジエツトなどの印刷方式によつて基
板上に磁気印刷したところ、通常のカラ―印刷物と比べ
てなんら遜色のない黄緑色の印刷物が得られた。この印
刷物は、磁気ヘツドを用いた汎用のセンサにより十分に
読み取り可能であつた。また、上記磁気インクを長時間
放置したときでも磁性顔料の沈降はみられず、安定な分
散状態を維持しており、ノズルが目詰まりするなどの問
題を引き起こすことはなかつた。
【0026】実施例2 微粒子結晶を析出させるための加熱処理温度を、1,0
00℃で2時間に変更した以外は、実施例1と同様にし
て、イツトリウム鉄ガ―ネツト微粒子を得た。この微粒
子は、平均粒子サイズが230nmの球状で、保磁力が
55エルステツド、飽和磁化が24.8emu/gであ
り、黄色に近い黄緑色の色調を有していた。これを磁性
顔料として、実施例1と同様にして、磁気インクの調製
および印刷を行つたところ、黄色に近い黄緑色の印刷物
が得られ、磁気ヘツドを用いた汎用のセンサにより十分
に読み取り可能であつた。また、磁気インクを長時間放
置したときでも磁性顔料の沈降はみられず、安定な分散
状態を維持しており、ノズルが目詰まりするなどの問題
を引き起こすことはなかつた。
【0027】実施例3 融剤として、臭化カリウム(KBr)の代わりに、ヨウ
化カリウム(KI)を0.370モル使用した以外は、
実施例1と同様にして、イツトリウム鉄ガ―ネツト微粒
子を得た。この微粒子は、平均粒子サイズが130nm
の球状で、保磁力が59エルステツド、飽和磁化が2
1.1emu/gであり、黄緑色の色調を有していた。
これを磁性顔料として、実施例1と同様にして、磁気イ
ンクの調製および印刷を行つたところ、黄緑色の印刷物
が得られ、磁気ヘツドを用いた汎用のセンサにより十分
に読み取り可能であつた。また、磁気インクを長時間放
置したときでも磁性顔料の沈降はみられず、安定な分散
状態を維持しており、ノズルが目詰まりするなどの問題
を引き起こすことはなかつた。
【0028】比較例1 水洗、ろ過して取り出したイツトリウムと鉄の共沈物
を、融剤を加えずに乾燥し、加熱処理以降の条件を実施
例1と同様にして、イツトリウム鉄ガ―ネツト粒子を得
た。これは、複数個の球状粒子が焼結した形状を有し、
平均粒子サイズが550nmの棒状で、保磁力が42エ
ルステツド、飽和磁化が25.1emu/gであり、黄
緑色の色調を有していた。実施例1と同様にして、磁気
インクの調製および印刷を行つたところ、黄緑色の印刷
物が得られ、磁気ヘツドを用いた汎用のセンサにより読
み取りできたが、長時間放置後に磁性顔料が沈降し、安
定な分散状態を維持できず、ノズルが目詰まりするなど
の問題があつた。
【0029】比較例2 微粒子結晶を析出させるための加熱処理温度を、550
℃で4時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、
イツトリウム鉄ガ―ネツト微粒子を得た。この微粒子
は、平均粒子サイズが110nmの球状で、保磁力が7
5エルステツド、飽和磁化が8.4emu/gであり、
橙色の色調を有していた。実施例1と同様にして、磁気
インクの調製および印刷を行つたところ、橙色の印刷物
が得られ、また長時間放置後に磁性顔料が沈降してノズ
ルが目詰まりするといつた問題を生じることはなかつた
が、磁気特性として飽和磁化が低すぎるため、磁気ヘツ
ドを用いた汎用のセンサによる読み取りがやや困難であ
つた。
【0030】比較例3 微粒子結晶を析出させるための加熱処理温度を、1,2
50℃で2時間に変更した以外は、実施例1と同様にし
て、イツトリウム鉄ガ―ネツト微粒子を得た。この微粒
子は、平均粒子サイズが850nmの球状で、保磁力が
25エルステツド、飽和磁化が23.6emu/gで、
黄緑色の色調を有していた。実施例1と同様にして、磁
気インクの調製および印刷を行つたところ、黄緑色の印
刷物が得られたが、粒子サイズが大きすぎるため、長時
間放置後に磁性顔料が沈降して、安定な分散状態を維持
できず、ノズルが目詰まりするなどの問題があつた。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明は、一般式:Y3
Fe5 12で表されるイツトリウム鉄ガ―ネツトを基本
組成として、特定の粒子サイズ、保磁力および飽和磁化
を有する黄色または黄緑色の微粒子を使用したことによ
り、インクジエツト、バブルジエツトなどの印刷によつ
て、通常のカラ―印刷物と比べて遜色のない上記色調の
印刷物を得ることができ、この印刷物は磁気ヘツドを用
いた汎用のセンサによる読み取りが可能で、また磁気イ
ンクを長時間放置しても沈降しないで安定な分散状態を
維持できる磁性顔料を提供することができる。また、本
発明においては、アルカリ金属の塩化物などからなる融
剤を使用した特定の手法を採用したことにより、上記の
黄色または黄緑色の微粒子からなる磁性顔料を容易にか
つ確実に得ることのできる工業的に有用な製造方法を提
供できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:Y3 Fe5 12で表されるイツ
    トリウム鉄ガ―ネツトを基本組成とし、平均粒子サイズ
    が50〜500nm、保磁力が30〜200エルステツ
    ド、飽和磁化が15〜30emu/gであり、かつ黄色
    または黄緑色の色調を有することを特徴とする磁性顔
    料。
  2. 【請求項2】 a)イツトリウムと鉄を含む酸性水溶液
    とアルカリ水溶液とを混合してイツトリウムと鉄の共沈
    物を得る工程、b)この共沈物に水の存在下で融剤を加
    えて懸濁液を得る工程、c)この懸濁液から水を除去し
    て共沈物と融剤の混合物を得る工程、d)この混合物を
    600〜1,200℃で加熱処理してイツトリウム鉄ガ
    ―ネツトの微粒子を析出させる工程、およびe)この析
    出後に融剤を水洗除去して上記微粒子を取り出す工程に
    より、一般式:Y3 Fe5 12で表されるイツトリウム
    鉄ガ―ネツトを基本組成とし、平均粒子サイズが50〜
    500nm、保磁力が30〜200エルステツド、飽和
    磁化が15〜30emu/gであり、かつ黄色または黄
    緑色の色調を有する磁性顔料を製造することを特徴とす
    る磁性顔料の製造方法。
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