JP2000211911A - ホスゲンの製造方法 - Google Patents

ホスゲンの製造方法

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JP2000211911A JP11014140A JP1414099A JP2000211911A JP 2000211911 A JP2000211911 A JP 2000211911A JP 11014140 A JP11014140 A JP 11014140A JP 1414099 A JP1414099 A JP 1414099A JP 2000211911 A JP2000211911 A JP 2000211911A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含有不純物(四塩化炭素、塩素分子等)の少
ないホスゲンを効率良く製造する方法を提供する。 【解決手段】 一酸化炭素と塩素を反応させてホスゲン
を製造する方法において、活性炭の総比表面積の異なる
多段反応槽を用いることを特徴とするホスゲンの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含有不純物(四塩
化炭素、塩素分子等)の少ないホスゲンを効率良く製造
する方法に関する。更に詳しくは活性炭の総比表面積の
異なる多段反応槽の総比表面積の一番小さい槽から一酸
化炭素(以下、COと略称することがある。)と塩素
(以下、Cl2と略称することがある。)を通気させる
方法によって、含有不純物の少ないホスゲンを製造する
方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ホスゲンは医薬分野、染料分
野、ポリカーボネート樹脂・ウレタン樹脂・エポキシ樹
脂等プラスチック分野等各種分野の原料として多用され
ている。このホスゲンの製造は反応熱を除去するための
機能を有し、活性炭触媒を充填した反応槽に一酸化炭素
/塩素(以下、CO/Cl2と略称することがある。)
のモル比を1.000〜1.018で通気して反応せし
めて、得られたホスゲンを凝縮器で凝縮せしめて液化ホ
スゲンを得る。凝縮器を出た残余のCO及び未凝縮のホ
スゲンガスはホスゲン中和塔(吸収塔)を経て放出され
る。この中和塔(吸収塔)には活性炭またはラシヒリン
グを充填した塔が使用され、これにか性ソーダ水溶液を
通してホスゲンを分解する方法が一般的に採用されてい
る。この方法によって得られたホスゲンは不純物として
四塩化炭素100〜250ppm、塩素分子数千〜数万
pppmと多量に含有し色相も悪い。また、このホスゲ
ンを原料として製造された製品は良品質のものが得られ
ない等のことから、このホスゲン中の四塩化炭素や塩素
分子を少なくする方法が提案されている。
【0003】例えば、特公昭55−14044号公報に
おいてはCO/Cl2のモル比を1.000程度で反応
せしめて、四塩化炭素含有量250ppm程度のホスゲ
ンを製造する方法、特開昭62−297320号公報に
おいて四塩化炭素500ppm含有するホスゲンを蒸留
してホスゲン中の四塩化炭素5ppmにする方法や特開
平10−226724号公報においては塩素分子含有量
500〜10000ppmのホスゲンを活性炭吸着する
方法によってにホスゲン中の塩素分子が除去する方法が
開示されている。しかし、何れの方法においても四塩化
炭素と塩素分子含有量を各々単独で低減する方法であっ
て、両者を同時に効率よく低減することはできなかっ
た。また、蒸留で残った四塩化炭素の処理や塩素分子を
吸着した活性炭を処理することが必須になり経済的にも
負担が多く、地球環境への負荷も大きい。即ち、この様
な不純物(四塩化炭素や塩素分子)の発生の少ない新し
いホスゲンの製造方法が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決すべく鋭意検討した結果、驚くべきことに、C
OとCl2を反応せしめてホスゲンを製造する方法にお
いて、活性炭の総比表面積の異なる多段反応槽を用い、
総比表面積の小さい反応槽から順に通気して反応せしめ
ることによって含有不純物が少なくなることを見出し
た。また、未凝縮ガス中に含まれる余剰COをホスゲン
の原料としてリサイクルすることによってCOの原単位
が向上すると共に未凝縮ホスゲンの中和設備を極小化で
き、また、か性アルカリの使用量も少なくでき、しかも
COリサイクルなしと同等の品質のホスゲンが得られ
る。更に、金属アンチモンや活性炭を充填した槽を通気
または通液する方法で塩素分子10ppb以下まで効率
的に少なくせしめることができることを究明し、本発明
を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、四塩化
炭素、塩素分子含有量の少ないホスゲンを効率良く製造
する方法を提供するものである。即ち、本発明は、一酸
化炭素と塩素を反応させてホスゲンを製造する方法にお
いて、活性炭の総比表面積の異なる多段反応槽を用いる
ことを特徴とするホスゲンの製造方法によって達成され
る。
【0006】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明のホスゲンの製造に用いるCOは露点−5℃以下、好
ましくは−30℃以下、且つ硫黄成分が少なく、純度が
高い程好ましい。露点−5℃以下、硫黄成分5ppm以
下のCOを得る方法は1例として、コークスと酸素を反
応させて得られたCOをか性アルカリ水溶液と向流接触
せしめ後、このCOを熱交換器を用いて5℃程度に冷却
せしめ、次に活性アルミナ充填槽を通気せしめる方法に
よって効率的に得られる。また、この方法によればCO
中の炭酸ガスの含有量も極めて少なくすることができ
る。
【0007】本発明のホスゲンはCOとCl2とを反応
させる方法において、活性炭の総比表面積の異なる多段
反応槽と、多段反応槽の最終反応槽の後に−5〜−25
℃のブラインを通液したコンデンサーと液化ホスゲン貯
槽及び未凝縮ホスゲン中和装置を直列に接続した構成が
挙げられ、多段反応槽の第1槽からCOとCl2を通
気、反応させて得られる。
【0008】この多段反応槽は反応熱を除去する機能を
有した装置であり、2〜10段が好ましく、2〜6段が
より好ましく、3〜5段が更に好ましい。第1反応槽の
活性炭の総比表面積は反応槽1槽のみでホスゲンを製造
する方法の活性炭の最低必要総比表面積に対し10〜6
0%に、第2反応槽以降の活性炭の総比表面積は総比表
面積は反応槽1槽のみでホスゲンを製造する方法の活性
炭の最低必要総比表面積に対し、10〜100%がよい
が、各反応槽の活性炭の総比表面積は最終反応槽より総
比表面積を小さくすることが望ましく、その反応槽4段
の1例として、第1反応槽の活性炭の総比表面積は第4
反応槽の総比表面積に対し10〜60%程度、第2反応
槽のは第4反応槽の総比表面積に対し20〜70%程
度、第3反応槽の活性炭の総比表面積は第4反応槽の総
比表面積に対し20〜80%程度とし、全反応槽の活性
炭の総比表面積合計は反応槽1槽のみでホスゲンを製造
する方法の活性炭の最低必要総比表面積に対し1.1〜
5倍程度が好ましく、1.1〜3倍程度がより好まし
い。全反応槽の活性炭の総比表面積合計が1倍以下の場
合はホスゲン中の塩素分子が多くなり、5倍以上になる
と品質的には問題ないが、装置が極大化するので好まし
くない。
【0009】反応槽内の活性炭の総比表面積は一例とし
て活性炭と陶磁器製、ガラス製、金属製等のビーズやラ
シヒリングとの混合比を変える方法や比表面積の異なる
活性炭を用いる方法で調整できる。
【0010】COとCl2はCO/Cl2のモル比が
1.020以上になるように第1反応槽から通気するこ
とが好ましい。CO/Cl2のモル比は高い方が塩素分
子含有量少なくできるがCO/Cl2のモル比が高過ぎ
ると収率が低下すると共にホスゲン中和塔が極大化す
る。また、余剰のCOをリサイクルする方法において余
剰のCOリサイクル量が多くなるので好ましくない。ま
た、CO/Cl2のモル比が1.020未満では塩素分
子含有量が多くなりホスゲンの色相が悪くなるので、C
O/Cl2のモル比は1.020〜1.150の範囲が
好ましく、1.020〜1.080の範囲がより好まし
く、1.030〜1.060の範囲が更に好ましく、
1.030〜1.045の範囲が最も好ましい。
【0011】本発明の余剰のCOをリサイクルする方法
は、上述した装置の構成において、液化ホスゲン貯槽の
出口のガスを直接第1反応槽入口から最終反応槽の何れ
かに投入する方法またはホスゲン中和塔出口のガスを冷
却したり、シリカゲル、塩化カルシュウム、活性アルミ
ナ等で除湿して第1反応槽入口から最終反応槽の何れか
に投入する方法によって行える。
【0012】更に塩素分子含有量を10ppb以下まで
効率良く低くする方法は反応熱を除去する機能を有した
金属アンチモン充填槽をホスゲンの最終反応槽の後に、
または液化ホスゲン貯槽の後に付設しする。この金属ア
ンチモン槽に本発明で得られたホスゲンを通気または通
液することによって塩素を低減することができる。ま
た、活性炭充填槽を液化ホスゲン貯槽の後に付設し、こ
の活性炭充填槽に液化ホスゲンを通液する方法等によっ
て達成できるが、金属アンチモン槽が最も好ましい。ま
た、更に四塩化炭素含有量を5ppm以下まで低くする
方法は本発明で得られたホスゲンを多段蒸留装置や充填
塔蒸留装置を用いて蒸留することによって得られる。
【0013】本発明の方法で得られたホスゲンは、品質
に優れているので、ポリカーボネート樹脂やイソシアネ
ート及び染料・医薬品等の原料に用いると極めて品質の
良い製品が得られる。特にポリカーボネート樹脂の製造
に好適に用いることができる。特に本発明のホスゲンを
用いて製造したポリカーボネート樹脂は色相等品質に優
れているので広範囲の分野、特に光学分野に用いれば効
果も顕著に表れる。
【0014】かかるポリカーボネート樹脂は通常二価フ
ェノールとホスゲンとを溶液法で反応させて得られるも
のである。ここで使用される二価フェノールの代表的な
例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビ
ス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}
プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒ
ドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−
ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジ
メチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレ
ン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−
ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,
α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプ
ロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
ケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルお
よび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等があ
げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用で
きる。
【0015】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選
ばれた少なくとも1種の二価フェノールより得られる単
独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノ
ールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベ
ンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
【0016】上記二価フェノールとホスゲンを溶液法に
よって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当
っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノー
ルの酸化防止剤等を使用する。またポリカーボネート樹
脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分
岐ポリカーボネート樹脂にすることもできる。
【0017】二価フェノールとホスゲンとの反応には、
酸結合剤および有機溶媒の存在させる。酸結合剤として
は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用
いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。ま
た、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ
−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブ
チルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級
アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触
媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜
40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpH
は9以上に保つのが好ましい。
【0018】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール
又は低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式
(1)で表される単官能フェノール類を示すことができ
る。
【0019】
【化1】
【0020】[式中、Aは水素原子、炭素数1〜9の直
鎖又は分岐のアルキル基、或いはフェニル基置換アルキ
ル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数であ
る。]
【0021】上記単官能フェノール類の具体例として
は、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノー
ル、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノー
ル等1ケの水酸基を有するフェノール化合物がが挙げら
れる。
【0022】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換
基として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を
使用することができ、これらを用いてポリカーボネート
共重合体の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤また
は分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶融
流動性が改良され、成形加工が容易になるばかりでな
く、基板としての物性、特に樹脂の吸水率を低くする効
果があり、また、基板の複屈折が低減される効果もあり
好ましく使用される。なかでも、下記一般式(2)およ
び(3)で表される長鎖のアルキル基を置換基として有
するフェノール類が好ましく使用される。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】[式中、Xは−R−O−、−R−CO−O
−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合ま
たは炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族
炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。]
【0026】かかる式(2)の置換フェノール類として
はnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、
その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシル
フェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフ
ェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノ
ール、ドコシルフェノール及びトリアコンチルフェノー
ル等を挙げることができる。
【0027】このようにして縮重合反応によって得られ
るポリカーボネート溶液は電解物質が無くなるまで有機
相を洗浄し、最終的には有機相から溶媒を除去して、粒
状体、フレーク等の固形物とし、この固形物を乾燥して
ポリカーボネート樹脂が得られるが一般的には乾燥した
固形物を溶融押出しし、ペレット化した物を成形用に好
ましく供される。
【0028】成形用に供されるポリカーボネート樹脂の
粘度平均分子量は10,000〜100,000程度で
あり、好ましくは11,000〜45,000程度であ
り、光ディスク用のポリカーボネート樹脂の分子量は、
粘度平均分子量で10,000〜22,000が好まし
く、12,000〜20,000がより好ましく、13,
000〜18,000が特に好ましい。かかる粘度平均
分子量を有するポリカーボネート樹脂は、光学用材料と
して十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も
良好であり成形歪みが発生せず好ましい。
【0029】シリコンウエハー等の精密機材収納容器に
用いられるポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均
分子量で14,000〜30,000が好ましく、1
4,500〜25,000がより好ましく、15,00
0〜24,000がさらに好ましい。かかる粘度平均分
子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、一定の機
械的強度を有し成形時の流動性も良好であり好ましい。
【0030】上記ポリカーボネート樹脂に離型剤、帯電
防止剤、増白剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤
(耐候剤)、抗菌剤等の改質改良剤を適宜添加して用い
ることができる。
【0031】
【実施例】以下実施例に従って、本発明を具体的に説明
するが本発明の要旨を越えない限り、これらの実施例に
よって限定されるものではない。
【0032】(1)CO中の硫黄含有量 ガスクロマトグラフ装置(日立製作所製)にCOを注入
し測定した。
【0033】(2)露点の測定 露点計(桜測器(株)製WTY180)を用いて測定し
た。
【0034】(3)ホスゲン中の四塩化炭素含有量の測
定 得られた液化ホスゲン1μlを電子捕獲型検出器付きガ
スクロマトグラフ装置(日立製作所製263型)に注入
し測定した。
【0035】(4)ホスゲン中の塩素分子含有量の測定 得られた液化ホスゲンを100gサンプリングし、これ
を気化させて、NaOH溶液に吸収させて、NaClO
として酸化還元滴定しその絶対量を測定して、ホスゲン
中の塩素分子含有量とした。
【0036】(5)ホスゲンの色相 得られた液化ホスゲンをサンプリングし、JISK69
01のハーゼン色数法で評価した。
【0037】(6)CO中の硫黄含有量 ガスクロマトグラフ装置(日立製作所製)にCOを注入
し測定した。
【0038】(7)腐蝕評価 100mlのねじ口透明ビンに得られた液化ホスゲン1
00gをサンプリングし、鏡面仕上げしたSUS304
のテストピースを浸積させて密栓し、その容器を−15
℃の冷凍庫に保管し、10日毎に腐蝕の有無を確認し1
00日で終了した。
【0039】[比較例1]反応熱を除去する機能を有し
た多管式反応槽のシェル側に10℃の冷水を通水し、チ
ューブ側に活性炭50kgを充填した反応槽の後に−2
5℃のブラインを通液したコンデンサーと重量測定装置
を付設した液化ホスゲン貯槽を設け、これらの装置を直
列に接続し、反応槽から、CO/Cl2のモル比1.0
18になるようにCOを10.18Nm3/HrとCl
2を10.00Nm3/Hr通気して液化ホスゲン10
0kg得た。このホスゲン中の四塩化炭素含有量150
ppm、塩素分子含有量5000ppbであった。
【0040】[実施例1]コークスと酸素を反応させて
得られたCOをか性ソーダ水溶液と向流接触せしめた
後、熱交換器を用いて5℃に冷却せしめ、次に活性アル
ミナ充填槽を通気させて、硫黄化合物0.5ppm、露
点−30℃のCOを得た。このCOを用いて次の方法で
ホスゲンを製造した。
【0041】ホスゲンの製造は、反応熱を除去する機能
を有した多管式反応槽のシェル側に10℃の冷水を通水
し、チューブ側に活性炭15kgと直径3mmのガラス
玉の混合物を充填した第1反応槽、多管式反応槽のシェ
ル側に10℃の冷水を通水し、チューブ側に活性炭25
kgと直径3mmのガラス玉の混合物を充填した第2反
応槽、多管式反応槽のシェル側に10℃の冷水を通水
し、チューブ側に活性炭35kgと直径3mmのガラス
玉の混合物を充填した第3反応槽、多管式反応槽のシェ
ル側に10℃の冷水を通水し、チューブ側に活性炭50
kg充填した第4反応槽、(4基とも同じ容積)と第4
反応槽の後に−20℃のブラインを通液したコンデンサ
ーと液化ホスゲン貯槽及び未凝縮ホスゲン中和装置を設
け、これらの装置を直列に接続し第1反応槽下部からC
O/Cl2のモル比が1.040になるようにCOを1
0.40Nm3/HrとCl2を10.00Nm3/Hr
通気して液化ホスゲンを得た。該ホスゲン中の四塩化炭
素35ppm、塩素分子85ppbであり、色相は無色
透明であった。
【0042】次に、かかるホスゲンを用いてポリカーボ
ネート樹脂を製造した。温度計、撹拌機及び還流冷却器
付き反応器にイオン交換水219.4部、48%水酸化
ナトリウム水溶液40.2部を仕込み、これに2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン57.5部
(0.252モル)およびハイドロサルファイト0.1
2部を溶解した後、塩化メチレン181部を加え、撹拌
下15〜25℃で上記ホスゲン28.3部を40分要し
て吹込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナ
トリウム水溶液7.2部およびp−tert−ブチルフ
ェノール2.42部を加え、撹拌を始め、乳化後トリエ
チルアミン0.06部を加え、さらに28〜33℃で1
時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化
メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、
水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところ
で、軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けたニー
ダーにて塩化メチレンを蒸発して、粘度平均分子量1
5,100のポリカーボネート樹脂パウダーを得た。こ
のパウダーを145℃、6時間乾燥し、トリス(2,4
−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.
004重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.06
重量%加えた。次に、かかるパウダーをベント式二軸押
出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダ
ー温度240℃、ベントガス吸引度−5mmHgで脱気
しながら溶融混練し、ペレットを得た。このペレットは
ASTM−E1925に準じて測定したYI値が0.9
2で、比較例1のホスゲンを用いて実施例1と同様に製
造したポリカーボネート樹脂よりもYIが約1低く、色
相に優れていた。
【0043】[実施例2]ホスゲンを製造するにおい
て、COとCl2を第2反応槽から投入する方法に変更
した以外は実施例1と同じ方法で行った。該ホスゲン中
の四塩化炭素50ppm、塩素分子90ppbであり、
色相は無色透明であった。
【0044】[実施例3]ホスゲンを製造するにおい
て、CO10.40Nm3/HrとCl2ガス10.0
0Nm3/Hr第1反応槽下部から通気し、液化ホスゲ
ン貯槽の出口から余剰ガス0.3Nm3/Hr抜き取り
第1反応槽下部から投入しながら、第1反応槽下部から
通気しているCOを10.10Nm3/Hrに変更した
以外は実施例1と同じ方法で行った。該ホスゲン中の四
塩化炭素40ppm、塩素分子80ppbであり、色相
は無色透明であった。
【0045】[実施例4]第4反応槽の後に内部冷却管
を有し10℃の冷水を通水した金属アンチモン槽を設け
た以外は実施例1と同じ方法で行った。該ホスゲン中の
四塩化炭素35ppm、塩素分子は検出できなかった。
また、ホスゲンの色相は無色透明であった。
【0046】[実施例5]第4反応槽の後に内部冷却管
を有し10℃の冷水を通水した金属アンチモン槽を設け
た以外は実施例3と同じ方法で行った。該ホスゲン中の
四塩化炭素35ppm、塩素分子は検出できなかった。
また、ホスゲンの色相は無色透明であった。
【0047】[実施例6]実施例1で得られたホスゲン
を連続式多段蒸留塔で精留した以外は実施例1と同じ方
法で行った。該ホスゲン中の四塩化炭素0.3ppm、
塩素分子75ppbであり、色相は無色透明であった。
【0048】[実施例7]実施例4で得られたホスゲン
を連続式多段蒸留塔で精留した以外は実施例1と同じ方
法で行った。該ホスゲン中の四塩化炭素0.4ppm、
塩素分子は検出できなかった。また、ホスゲンの色相は
無色透明であった。
【0049】[実施例8]実施例5で得られたホスゲン
を連続式多段蒸留塔で精留した以外は実施例1と同じ方
法で行った。該ホスゲン中の四塩化炭素0.3ppm、
塩素分子は検出できなかった。また、ホスゲンの色相は
無色透明であった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明は含有不純物(四塩化炭素、塩素
分子等)が少なく色相等品質に優れたホスゲンを効率良
く製造できるので、ポリカーボネート樹脂、イソシアネ
ート、医薬及び染料等広範囲の分野の原料として好適で
ある。特に、このホスゲンを原料として得られたポリカ
ーボネート樹脂を光学分野に用いれば効果も顕著に表れ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素と塩素を反応させてホスゲン
    を製造する方法において、活性炭の総比表面積の異なる
    多段反応槽を用いることを特徴とするホスゲンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 余剰の一酸化炭素をリサイクルする請求
    項1記載のホスゲンの製造方法。
  3. 【請求項3】 ホスゲン中の塩素分子を除去する装置と
    して金属アンチモン槽を付設した請求項1記載のホスゲ
    ンの製造方法。
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