JP2000203824A - ホスゲンの製造方法 - Google Patents

ホスゲンの製造方法

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JP2000203824A
JP2000203824A JP11003054A JP305499A JP2000203824A JP 2000203824 A JP2000203824 A JP 2000203824A JP 11003054 A JP11003054 A JP 11003054A JP 305499 A JP305499 A JP 305499A JP 2000203824 A JP2000203824 A JP 2000203824A
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phosgene
carbon monoxide
chlorine
bis
hydroxyphenyl
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English (en)
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Akiyoshi Manabe
昭良 真鍋
Tatsumi Horie
辰見 堀江
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産効率が良く、液化ホスゲンの色相が良好
で、ホスゲンを製造、貯蔵する装置の腐蝕が極めて少な
いホスゲンの製造方法を提供する。 【解決手段】 一酸化炭素と塩素を反応させてホスゲン
を製造する方法において、露点が−30℃以下である一
酸化炭素を用いることを特徴とするホスゲンの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産効率が良く、
ホスゲン中の腐蝕性物質の極めて少ないホスゲンの製造
方法に関する。更に詳しくは液化ホスゲンの色相が良好
で、ホスゲンを製造、貯蔵する装置内壁の腐蝕が極めて
少ないホスゲンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ホスゲンは医薬分野、染料分
野、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂等プラスチック分野等各種分野の原料として多用され
ている。このホスゲンの製造は反応熱を除去するための
機能を有し、活性炭触媒を充填した反応槽に一酸化炭素
(以下COと略称することがある)と塩素(以下Cl2
と略称することがある)を若干CO過剰(モル比で1.
000〜1.004の範囲)で通気して反応せしめて得
られたホスゲンを凝縮器で凝縮せしめて液化ホスゲンを
得る。凝縮器を出た未凝縮ガス(余剰COを主成分とし
たもの、未凝縮のホスゲンガスや副生不純物ガスを含
む。)はホスゲン吸収塔で処理されて放出される。この
吸収塔には活性炭またはラシヒリングを充填した塔が使
用され、これにか性ソーダ水溶液を通してホスゲンを分
解する方法が一般的に採用されている。しかし、この方
法によって得られたホスゲン中には、副生不純物として
四塩化炭素や塩素分子が存在することが知られている。
この副生不純物が存在することで色相の良いポリカーボ
ネート樹脂が得られない。そのため、このホスゲン中の
四塩化炭素や塩素分子を少なくする方法が提案されてい
る。例えば、特公昭55−14044号公報においては
COとCl2をモル比で等量反応せしめて、四塩化炭素
含有量250ppm程度のホスゲンを製造する方法、特
開昭62−297320号公報において四塩化炭素50
0ppm含有するホスゲンを蒸留してホスゲン中の四塩
化炭素5ppmにする方法や特開平10−226724
号公報においては、ホスゲンを活性炭吸着する方法によ
ってにホスゲン中の塩素分子が除去する方法等が開示さ
れている。
【0003】しかし、ホスゲン中の四塩化炭素や塩素分
子を減少させても、ポリカーボネート樹脂の色相は改善
されるもののホスゲンの色相改善が十分とはいえず、そ
の上ホスゲンを製造、貯蔵する装置が腐蝕する現象が依
然として残っていた。
【0004】また、特開平10−120410号公報に
は、CO中の水素と水を特定範囲に抑えることで色相の
よいホスゲンの製造方法が提案されている。この方法で
はホスゲンの色相改善はなされるているが、しかし、ポ
リカーボネート樹脂の増産にともないホスゲンの扱い量
が増加し、ホスゲンを製造、貯蔵する装置の腐蝕に対し
ては更に耐性の向上が要求されるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、COと
Cl2を反応せしめてホスゲンを製造する方法において
ホスゲンの色相が悪化したり、ホスゲンを製造、貯蔵す
る装置が腐蝕することがあり、この原因はホスゲンの製
造過程において腐食性の強い塩化水素が生成したものと
推定し、この点に着目し、更に鋭意検討した結果、驚く
べきことに、露点が−30℃以下のCO用いることによ
って装置の腐蝕がなくなることを見出した。また、反応
させるCOとCl2の割合が、Cl2が1モルに対して
COを1.020モル以上とし、且つ活性炭を充填した
反応塔の二箇所以上の塩素導入口から塩素を導入するこ
とでホスゲン中の四塩化炭素や塩素分子を少なくするこ
とが、この効果を更に向上させることを見出した。更
に、余剰(過剰)のCOをリサイクルすることによって
排ガスの少ない効率の良いホスゲンの製造方法を究明
し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決をするための手段】本発明の目的は、一酸
化炭素と塩素を反応させてホスゲンを製造する方法にお
いて、露点が−30℃以下である一酸化炭素を用いるこ
とを特徴とするホスゲンの製造方法によって達成され
る。
【0007】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明のホスゲンの製造に用いるCOは露点−30℃以下で
あり、−50℃以下が特に好ましい。COの露点が−3
0℃を越えると腐蝕原因物質である塩化水素の生成量が
多くなるとともにホスゲンの色相が悪化するので本発明
の目的を達し得ない。
【0008】露点−30℃以下のCOを得る方法は1例
として、コークスと酸素を反応させて得られたCOを熱
交換器を用いて5℃に冷却せしめ、次に活性アルミナ充
填槽を通気せしめる方法によって効率的に得られる。ま
た、この方法の熱交換器を用いて5℃に冷却せしめる前
にCOをか性ソーダ水溶液と向流接触せしめれば硫黄化
合物1ppm以下に、また、炭酸ガスの含有量を極めて
少なくすることが出来るので、このCOを用いればホス
ゲン中の硫黄化合物や炭酸ガスの含有量も少なくするこ
とが出来る。
【0009】装置を腐食する副次的な要因であるホスゲ
ン中の四塩化炭素や塩素分子を少なくする方法として
は、反応させるCl2とCOの割合が、Cl2が1モル
に対してCOを1.020モル以上とし、且つ活性炭を
充填した反応塔の二箇所以上の塩素導入口からCl2を
導入することによって得られる。
【0010】反応塔は反応熱を除去するための機能を有
し、且つ、反応塔の周方向に1箇所以上、及び反応塔の
高さ位置の異なる2箇所以上の箇所に塩素導入口を設け
る。周方向の塩素導入口は1箇所以上であるが1〜10
箇所が好ましく、2〜5箇所がより好ましい。導入箇所
10箇所以内にすると装置が簡便で経済的に有利であ
る。また、反応塔の高さ位置の異なる塩素導入口は2箇
所以上であるが、3〜10箇所が好ましく、3〜6箇所
がより好ましい。
【0011】Cl2が1モルに対してCOは1.020
モル以上が好ましく、1.020〜1.150モルがよ
り好ましく、1.020〜1.080モルが更に好まし
く、生産効率的に1.030〜1.060モルが最も好
ましい。COが1.020モル以上の場合は色相の良い
ホスゲンが得られ、また、リサイクルする場合は1.2
00以下がCOのリサイクル量が少なく、装置が小型化
できる。また、COのリサイクルすると未凝縮ホスゲン
が少なくなりので吸収塔が小型化できるとともにCOの
ロス量が少なくなるので有利となる。
【0012】本発明のCOをリサイクルする方法におい
て、COのリサイクル量は未凝集ガス(残余ガス)の5
〜99.5容量%が好ましいが、10〜90容量%がよ
り好ましい。5容量%以上の場合はリサイクル効果がよ
く、99.5容量%以下ではCO中の炭酸ガス等の不純
物が蓄積することなく好ましい。
【0013】本発明の方法で得られたホスゲンは品質に
優れているので、ポリカーボネート樹脂やイソシアネー
ト及び染料等の製造に好適に用いることができ、特にポ
リカーボネート樹脂の製造に極めて好適である。
【0014】かかるポリカーボネート樹脂は通常二価フ
ェノールとホスゲンとを溶液法で反応させて得られるも
のである。ここで使用される二価フェノールの代表的な
例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビ
ス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}
プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒ
ドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−
ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジ
メチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレ
ン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−
ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,
α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプ
ロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
ケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルお
よび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等があ
げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用で
きる。
【0015】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選
ばれた少なくとも1種の二価フェノールより得られる単
独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノ
ールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベ
ンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
【0016】上記二価フェノールとホスゲンを溶液法に
よって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当
っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノー
ルの酸化防止剤等を使用する。またポリカーボネート樹
脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分
岐ポリカーボネート樹脂にすることもできる。
【0017】二価フェノールとホスゲンとの反応には、
酸結合剤および有機溶媒の存在させる。酸結合剤として
は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用
いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。ま
た、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ
−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブ
チルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級
アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触
媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜
40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpH
は9以上に保つのが好ましい。
【0018】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール
又は低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式
(1)で表される単官能フェノール類を示すことができ
る。
【0019】
【化1】
【0020】[式中、Aは水素原子、炭素数1〜9の直
鎖又は分岐のアルキル基、或いはフェニル基置換アルキ
ル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数であ
る。]
【0021】上記単官能フェノール類の具体例として
は、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノー
ル、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノー
ル等1ケの水酸基を有するフェノール化合物がが挙げら
れる。
【0022】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換
基として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を
使用することができ、これらを用いてポリカーボネート
共重合体の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤また
は分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶融
流動性が改良され、成形加工が容易になるばかりでな
く、基板としての物性、特に樹脂の吸水率を低くする効
果があり、また、基板の複屈折が低減される効果もあり
好ましく使用される。なかでも、下記一般式(2)およ
び(3)で表される長鎖のアルキル基を置換基として有
するフェノール類が好ましく使用される。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】[式中、Xは−R−O−、−R−CO−O
−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合ま
たは炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族
炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。]
【0026】かかる式(2)の置換フェノール類として
はnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、
その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシル
フェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフ
ェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノ
ール、ドコシルフェノール及びトリアコンチルフェノー
ル等を挙げることができる。
【0027】このようにして縮重合反応によって得られ
るポリカーボネート溶液は電解物質が無くなるまで有機
相を洗浄し、最終的には有機相から溶媒を除去して、粒
状体、フレーク等の固形物とし、この固形物を乾燥して
ポリカーボネート樹脂が得られるが一般的には乾燥した
固形物を溶融押出しし、ペレット化した物を成形用に好
ましく供される。
【0028】成形用に供されるポリカーボネート樹脂の
粘度平均分子量は10,000〜100,000程度で
あり、好ましくは11,000〜45,000程度であ
り、光ディスク用のポリカーボネート樹脂の分子量は、
粘度平均分子量で10,000〜22,000が好まし
く、12,000〜20,000がより好ましく、13,
000〜18,000が特に好ましい。かかる粘度平均
分子量を有するポリカーボネート樹脂は、光学用材料と
して十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も
良好であり成形歪みが発生せず好ましい。
【0029】シリコンウエハー等の精密機材収納容器に
用いられるポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均
分子量で14,000〜30,000が好ましく、1
4,500〜25,000がより好ましく、15,00
0〜24,000がさらに好ましい。かかる粘度平均分
子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、一定の機
械的強度を有し成形時の流動性も良好であり好ましい。
【0030】上記ポリカーボネート樹脂に離型剤、帯電
防止剤、増白剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤
(耐候剤)、抗菌剤等の改質改良剤を適宜添加して用い
ることができる。
【0031】
【実施例】以下実施例に従って、本発明を具体的に説明
するが本発明の要旨を越えない限り、これらの実施例に
よって限定されるものではない。 1)COの露点測定 露点計(桜測器(株)製WTY180)を用いて測定し
た。 2)CO中の硫黄含有量 ガスクロマトグラフ装置(日立製作所製)にCOを注入
し測定した。 3)ホスゲン中の四塩化炭素含有量の測定 得られた液化ホスゲン1μlを電子捕獲型検出器付きガ
スクロマトグラフ装置(日立製作所製263型)に注入
し測定した。 4)ホスゲンの色相 得られた液化ホスゲンをサンプリングし、JISK69
01のハーゼン色数法で評価した。 5)腐蝕評価 100mlのねじ口透明ビンに得られた液化ホスゲン1
00gをサンプリングし、鏡面仕上げしたSUS304
のテストピースを浸積させて密栓し、その容器を−15
℃の冷凍庫に保管し、10日毎に腐蝕の有無を確認し1
00日で終了した。
【0032】[実施例1]コークスと酸素を反応させて
得られたCOをか性ソーダ水溶液と向流接触せしめた
後、熱交換器を用いて5℃に冷却せしめ、次に活性アル
ミナ充填槽を通気させて、硫黄化合物0.5ppm、露
点−30℃のCOを得た。このCOを用いて次の方法で
ホスゲンを製造した。
【0033】ホスゲンの製造は、反応温度除去する機能
と高さ位置の異なる4箇所に塩素導入口を付設した10
本のフィン付きチューブを設け、且つ、シェル側に10
℃の冷水を通水し、チューブ側に活性炭を充填した反応
塔とこの反応塔の後に−25℃のブラインを通液したコ
ンデンサーと液化ホスゲン貯槽と未凝縮ガス中のホスゲ
ンを中和除害せしめるラシヒリングを充填し、か性ソー
ダ水溶液を通液したホスゲン中和除害塔を設け、これら
の装置を直列に接続し、反応塔の下部からCOを10.
50Nm3/HrとCl2を2.0Nm3/Hrを導入
し、高さ位置の異なる4箇所の塩素導入口の各箇所から
Cl2を2.0Nm3/Hr導入して、液化ホスゲンを
得た。このホスゲンの評価結果を表1に示す。
【0034】次に、かかるホスゲンを用いてポリカーボ
ネート樹脂を製造した。温度計、撹拌機及び還流冷却器
付き反応器にイオン交換水219.4部、48%水酸化
ナトリウム水溶液40.2部を仕込み、これに2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン57.5部
(0.252モル)およびハイドロサルファイト0.1
2部を溶解した後、塩化メチレン181部を加え、撹拌
下15〜25℃で上記ホスゲン28.3部を40分要し
て吹込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナ
トリウム水溶液7.2部およびp−tert−ブチルフ
ェノール2.42部を加え、撹拌を始め、乳化後トリエ
チルアミン0.06部を加え、さらに28〜33℃で1
時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化
メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、
水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところ
で、軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けたニー
ダーにて塩化メチレンを蒸発して、粘度平均分子量1
5,100のポリカーボネート樹脂パウダーを得た。こ
のパウダーを145℃、6時間乾燥し、トリス(2,4
−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.
004重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.06
重量%加えた。次に、かかるパウダーをベント式二軸押
出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダ
ー温度240℃、ベントガス吸引度−5mmHgで脱気
しながら溶融混練し、ペレットを得た。このペレットは
ASTM−E1925に準じて測定したYI値が0.8
8で、比較例1のホスゲンを用いて実施例1と同様に製
造したポリカーボネート樹脂よりもYIが約1低く、色
相に優れていた。
【0035】[実施例2]ホスゲンを製造する方法にお
いて、未凝縮ガスを0.3Nm3/Hr反応塔の下部か
ら導入する方法に変更した以外は実施例1と同じ方法で
行った。その結果を表1に示す。
【0036】[実施例3]Cl2を反応塔の下部から
4.0Nm3/Hrを、高さ位置の異なる塩素導入口の
2箇所からCl2を各3.0Nm3/Hr導入する方法
に変更した以外は実施例1と同じ方法で行った。その結
果を表1に示す。
【0037】[実施例4]露点−40℃のCOを用いた
以外は実施例1と同じ方法で行った。その結果を表1に
示す。
【0038】[実施例5]反応塔の下部のみからCl2
を10.00Nm3/Hr導入する方法に変更した以外
は実施例1と同じ方法で行った。その結果を表1に示
す。
【0039】[比較例1]コークスと酸素を反応させて
得られたCOをか性ソーダ水溶液と向流接触せしめた
後、熱交換器を用いて5℃に冷却せしめ、次にシリカゲ
ル充填槽を通気させて、硫黄含有量2ppm、露点−2
5℃のCOを得た。このCOを用いて次の方法でホスゲ
ンを製造した。
【0040】ホスゲンの製造は、10本のフィン付きチ
ューブを設け、且つ、シェル側に10℃の冷水を通水
し、チューブ側に活性炭を充填した反応塔とこの反応塔
の後に−25℃のブラインを通液したコンデンサーと液
化ホスゲン貯槽と未凝縮ガス中のホスゲンを中和除害せ
しめるラシヒリングを充填し、か性ソーダ水溶液を通液
したホスゲン中和除害塔を設け、これらの装置を直列に
接続し、反応塔の下部からCOを10.04Nm3/H
rとCl2を10.00Nm3/Hrを導入し、液化ホ
スゲンを得た。このホスゲンは、四塩化炭素含有量15
0ppm、塩素分子含有量5000ppb含有してい
た。このホスゲンの評価結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明は、装置の腐蝕主原因物質(塩化
水素)の極めて少なく、且つ、色相の良いホスゲンを製
造する方法及び余剰のCOをリサイクルしてホスゲンを
製造する方法を提供するものである。このホスゲンは腐
蝕主原因物質や副原因物質の四塩化炭素や塩素分子の含
有量が少なく色相等品質に優れているので、色相の良好
なポリカーボネート樹脂、イソシアネート、染料等の製
造に好適であり、特にポリカーボネート樹脂の製造に極
めて好適に用いることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素と塩素を反応させてホスゲン
    を製造する方法において、露点が−30℃以下である一
    酸化炭素を用いることを特徴とするホスゲンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 反応させる一酸化炭素と塩素の割合が、
    塩素1モルに対して一酸化炭素を1.020〜1.08
    0モルとし、且つ活性炭を充填した反応塔の二箇所以上
    の塩素導入口から塩素を導入する請求項1記載のホスゲ
    ンの製造方法。
  3. 【請求項3】 過剰の一酸化炭素をリサイクルする請求
    項1記載のホスゲンの製造方法。
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