JP2000211252A - 画像形成材料及び画像形成方法 - Google Patents

画像形成材料及び画像形成方法

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JP2000211252A
JP2000211252A JP11018564A JP1856499A JP2000211252A JP 2000211252 A JP2000211252 A JP 2000211252A JP 11018564 A JP11018564 A JP 11018564A JP 1856499 A JP1856499 A JP 1856499A JP 2000211252 A JP2000211252 A JP 2000211252A
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Naoyo Suzuki
直代 鈴木
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成材料の耐久性向上、特に市場で要求
される机やシャーカステンなどの面に対する擦れや突起
物に対する擦れに強く、フィルムクリーナー耐性があ
り、且つ画質の劣化や必要露光エネルギーの増大による
装置の大型化、高価格化を避けられる画像形成材料及び
それを用いて画像形成する方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に画像形成層を有し、該画像形
成層は露光光源の波長光を吸収できる色材が樹脂バイン
ダー中に分散され、且つ高密度エネルギー光の露光によ
りアブレーションを起こす画像形成材料において、該画
像形成層上に保護層が積層され、該画像形成層の乾燥膜
厚(d1)と該保護層の乾燥膜厚(d2)がd1<d2
であることを特徴とする画像形成材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像耐久性及びフ
ィルムクリーナー耐性に優れ、高感度かつ画像品質に優
れた画像形成材料、及び該画像形成材料を用いる画像形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザー光線などの光エネル
ギーを集束させ、記録を行わせる材料に光照射して、材
料の一部を融解変形させたり、飛散、燃焼或いは蒸発除
去する記録方法が知られている。この方法は、薬品など
の処理液を必要としないドライタイプであることや、光
照射部のみを融解変形、或いは飛散又は蒸発除去するこ
とから、高コントラストが得られるという利点を有して
いる。そのために、この記録方法を用いた種々の材料が
提案され、レジスト材料や光ディスクなどの光学的記録
材料、更にはそれ自身を可視化画像としてみる画像形成
材料などに利用されている。これらの画像形成方法はア
ブレーションと呼ばれている。アブレーションによる画
像形成方法は例えば、特開昭59−5447号、同59
−105638号、同62−115153号等には、パ
ターン露光によりバインダー樹脂を光分解させてレジス
トパターンを形成する方法とそのための材料が、特開昭
55−132536号、同57−27788号、同57
−103137号等には蒸着法により設けた無機化合物
薄膜に露光して膜の融解変形により情報を記録すること
が、又、特開昭64−56591号、特開平1−998
87号、同6−40163号等には、光熱変換により着
色バインダー層を除去して情報記録するための材料が、
米国特許第4,245,003号等にはグラファイト又
はカーボンブラックを含有する画像形成層を有する画像
形成材料が、それぞれ記載されている。
【0003】又、特表平4−506709号、特開平6
−43635号、米国特許第5,156,938号、同
5,171,650号、同5,256,506号等に
は、レーザー光を吸収して熱エネルギーに変換する光熱
変換物質と熱により分解し得るバインダー樹脂を必須成
分とする画像形成層を備えた画像形成材料が記載されて
おり、このうち特表平4−506709号、米国特許第
5,156,938号、同5,171,650号、同
5,256,506号のものは、バインダー樹脂が分解
して飛ばされる画像形成層を被転写シートで受容するも
のであり、これらによれば、空気中へのアブレーション
により飛散した画像形成層の微細粉末の飛散は改善され
る。しかしながら、従来の被転写シートを用いる場合、
被転写シート自体が上記アブレーション現象を抑制する
作用を有しているため、結果十分な画像濃度と解像度を
得るためにはかなり高照度の露光エネルギーを必要とす
ることとなり画像形成装置の大型化や製造費用の増大が
問題となっていた。又特開平4−327982号、同4
−329783号には支持体上にレーザー光を吸収して
熱エネルギーに変換する物質を含有する光熱変換層、及
び着色剤を含有する層を順次積層した画像形成材料にレ
ーザー光を照射した後、表面に熱融着層を有する受像体
を貼着して引き剥がすことにより画像を形成する方法が
記載されている。このような受像体を用いた場合、レー
ザー露光後に受像体を剥離する際に熱融着層の粘着性物
質の一部がアブレーションした画像形成層と一緒に支持
体上に残留することで画像形成材料に汚れが発生すると
いう問題があった。更に、画像形成後の画像形成材料の
表面は、画像形成材料同士の摩擦により画像形成層に傷
等の画像欠陥が発生したり、印刷用フィルムクリーナー
等の有機溶剤の付着によって画像形成層成分が溶出して
乱れるという重大な欠点を有している。
【0004】特開昭60−255491号等に記載され
るように、画像の耐久性を上げるためには画像記録層の
上に画像保護層を設ける技術が知られているが、画像保
護層膜厚を厚くしていくと画像耐久性は向上する半面、
画像記録に要する必要エネルギーが高くなり、又解像度
も低下するという欠点があった。又、特公平7−252
02号(支持体/記録層/画像保護層)では熱可塑性ポ
リエステル樹脂を特定の溶剤溶液で塗布して設けること
によって画像耐久性が改良されることが記載されている
が、感度低下の問題は解決されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、画像形成材料の
耐久性向上、特に市場で要求される机やシャーカステン
などの面に対する擦れや突起物に対する擦れに強く、フ
ィルムクリーナー耐性があり、且つ画質の劣化や必要露
光エネルギーの増大による装置の大型化、高価格化を避
けられる画像形成材料及びそれを用いて画像形成する方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。
【0007】1.支持体上に画像形成層を有し、該画像
形成層は露光光源の波長光を吸収できる色材が樹脂バイ
ンダー中に分散され、且つ高密度エネルギー光の露光に
よりアブレーションを起こす画像形成材料において、該
画像形成層上に保護層が積層され、該画像形成層の乾燥
膜厚(d1)と該保護層の乾燥膜厚(d2)がd1<d
2であることを特徴とする画像形成材料。
【0008】2.画像形成層の乾燥膜厚(d1)が0.
4〜1.0μmであることを特徴とする前記1記載の画
像形成材料。
【0009】3.保護層の乾燥膜厚(d2)が0.41
〜2.00μmであることを特徴とする前記1記載の画
像形成材料。
【0010】4.保護層のバインダーは2種類のポリマ
ーを併用することを特徴とする前記1〜3のいずれか1
項記載の画像形成材料。
【0011】5.保護層のバインダーはフェノキシ樹脂
とポリエステル樹脂を併用することを特徴とする前記1
〜4のいずれか1項記載の画像形成材料。
【0012】6.保護層に滑剤を含有することを特徴と
する前記1〜5のいずれか1項記載の画像形成材料。
【0013】7.保護層に微粒子を含有することを特徴
とする前記1〜6のいずれか1項記載の画像形成材料。
【0014】8.保護層に硬化剤を含有することを特徴
とする前記1〜7のいずれか1項記載の画像形成材料。
【0015】9.保護層に着色剤を含有することを特徴
とする前記1〜8のいずれか1項記載の画像形成材料。
【0016】10.前記1〜9のいずれか1項記載の画
像形成材料に高密度エネルギー光を露光することにより
照射部の支持体と画像形成層との結合力を低下させ、照
射部の画像形成層を除去することにより画像形成を行う
ことを特徴とする画像形成方法。
【0017】本発明を更に詳しく説明する。以下、本発
明を画像形成材料、画像形成方法の順に詳述する。
【0018】画像形成材料 本発明の画像形成材料は支持体上に色材を有する画像形
成層と、該画像形成層上に積層された保護層より構成さ
れる。更に支持体上に受像層を有する被転写シートを用
いて画像を形成することもできる。
【0019】〈画像形成層〉本発明の画像形成層は、露
光光源の波長光を吸収できる色材とそれを保持するため
のバインダー樹脂を有する。
【0020】本発明に用いられる色材は露光光源の波長
光を吸収可能なものであり、例えばカーボンブラック等
は紫外線領域から可視、赤外線領域まで広く吸収を有す
る色材であるので好ましく用いることができる。その他
には無機或いは有機の顔料、染料が用いられ、単色、2
色混合、3色混合の顔料系化合物で構成される。
【0021】無機顔料としては、二酸化チタン、カーボ
ンブラック、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミ
ウム、酸化鉄並びに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウム
のクロム酸塩などが挙げられる。有機顔料としては、ア
ゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアン
スロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染
料顔料、フタロシアニン顔料(銅フタロシアニン及びそ
の誘導体)、キナクリドン顔料などが挙げられる。又、
有機染料としては、酸性染料、直接染料、分散染料など
が挙げられる。
【0022】露光光源の波長が近赤外線の場合、近赤外
光吸収剤としては、シアニン系、ポリメチン系、アズレ
ニウム系、スクワリウム系、チオピリリウム系、ナフト
キノン系、アントラキノン系色素等の有機化合物、フタ
ロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体な
どが好適に用いられ、具体的には特開昭63−1391
91号、同64−33547号、特開平1−16068
3号、同1−280750号、同1−293342号、
同2−2074号、同3−26593号、同3−309
91号、同3−34891号、同3−36093号、同
3−36094号、同3−36095号、同3−422
81号、同3−97589号、同3−103476号等
に記載の化合物が挙げられる。
【0023】本発明の効果を更に発揮する色材として金
属原子含有粒子を好ましく用いることが出来る。該金属
原子含有粒子を用いた場合、感度、解像度、露光部の透
過濃度の改善においてより一層効果が顕著となる。
【0024】上記金属原子含有粒子とは鉄、クロム、マ
ンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、チタン、銀、
アルミニウム、金、白金等の金属又はその酸化物等の化
合物を総称している。
【0025】本発明に好ましく用いられる金属原子含有
粒子は、強磁性酸化鉄粉末、強磁性金属粉末、立方晶板
状粉末等が挙げられ、中でも、強磁性金属粉末を好適に
用いることができる。
【0026】強磁性酸化鉄としては、γ−Fe23、F
34、又はこれらの中間酸化鉄でFeOx(1.33
<x<1.50)で表されるものを挙げることができ
る。強磁性金属粉末としては、Fe、Coを始め、Fe
−Al系、Fe−Al−Ni系、Fe−Al−Zn系、
Fe−Al−Co系、Fe−Al−Ca系、Fe−Ni
系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni−Co系、Fe−
Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、Fe−Ni−Si
系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、Fe−Ni−S
i−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−Al−Co系、
Fe−Al−Si系、Fe−Al−Zn系、Fe−Co
−Ni−P系、Fe−Co−Al−Ca系、Ni−Co
系、Fe、Ni、Co等を主成分とするメタル磁性粉末
等の強磁性金属粉末が挙げられ、中でもFe系金属粉末
が好ましく、例えばCo含有γ−Fe23、Co被着γ
−Fe23、Co含有Fe34、Co被着Fe34、C
o含有磁性FeOx(4/3<x<3/2)粉末等のコ
バルト含有酸化鉄系磁性粉末が挙げられる。又、耐蝕性
及び分散性の点から見ると、Fe系金属粉末の中で、F
e−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−Ni
系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−
Ni−Si−Al−Co系、Fe−Co−Al−Ca系
等のFe−Al系強磁性粉末が好ましく、更にこの中で
は、強磁性粉末に含有されるFe原子とAl原子との含
有量比が原子数比でFe:Al=100:1〜100:
20であり、かつ強磁性粉末のESCA(X線光電子分
光分析法)による分析深度で100Å以下の表面域に存
在するFe原子とAl原子との含有量比が原子数比でF
e:Al=30:70〜70:30である構造を有する
もの、或いはFe原子とNi原子とAl原子とSi原
子、更にCo原子とCa原子の少なくとも1つとが強磁
性粉末に含有され、Fe原子の含有量が90原子%以
上、Ni原子の含有量が1〜10原子%、Al原子の含
有量が0.1〜5原子%、Si原子の含有量が0.1〜
5原子%、Co原子又はCa原子の含有量(両者を含有
する場合は合計量)が0.1〜13原子%であり、かつ
強磁性粉末のESCA(X線光電子分光分析法)による
分析深度で100Å以下の表面域に存在するFe原子と
Ni原子とAl原子とSi原子と、Co原子及び/又は
Ca原子との含有量比が原子数比でFe:Ni:Al:
Si:(Co及び/又はCa)=100:(4以下):
(10〜60):(10〜70):(20〜80)であ
る構造を有するものが好ましい。尚、強磁性粉末の形状
は、長軸径が好ましくは0.30μm以下、更に好まし
くは0.20μm以下である。このような強磁性粉末に
よれば画像形成層の表面性が向上する。六方晶板状粉末
としては、バリウムフェライトやストロンチウムフェラ
イト等の六方晶系フェライトを挙げることができ、鉄元
素の一部が他の原子(Ti、Co、Zn、In、Mn、
Ge、Hb等)で置換されていてもよく、このようなフ
ェライト磁性体はIEEE transon MAG,
p18,16(1982)に記載されたものを挙げるこ
とができる。この中で、バリウムフェライト磁性粉末の
例としては、Feの一部が少なくともCo及びZnで置
換された平均粒径(六方晶系フェライトの板面の対角線
の高さ)が400〜900Åであり、板状比(六方晶系
フェライトの板面の対角線の長さを板厚で除した値)が
2.0〜10.0である。又、バリウムフェライト磁性
粉末は、更にFeの一部をTi、In、Mn、Cu、G
e、Sn等の遷移金属で置換されていてもよい。
【0027】立方晶系の磁性粉末を製造する方法は、例
えば、目的とするバリウムフェライトを形成するのに必
要な各原子の酸化物、炭酸化物を、硼酸の様なガラス形
成物質とともに溶融し、得られた融液を急冷してガラス
を形成し、次いでこのガラスを所定温度で熱処理して目
的とするバリウムフェライトの結晶粉末を析出させ、最
後にガラス成分を熱処理によって除去するという方法の
ガラス結晶化法の他、共沈−焼成法、水熱合成法、フラ
ックス法、アルコキシド法、プラズマジェット法等があ
る。
【0028】本発明の画像形成層に含有される金属原子
含有粒子の含有量は、画像形成層形成成分の50〜99
重量%程度、好ましくは60〜95重量%である。
【0029】バインダー樹脂は、露光光源の波長光を吸
収可能な金属粉体色剤を十分に保持できるものであれば
特に制限無く用いることができる。このようなバインダ
ー樹脂としては、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビ
ニル系共重合体等の塩化ビニル系樹脂が代表的なもので
あり、これらの樹脂は−SO3M、−OSO3M、−CO
OM及び−PO(OM12〔Mは水素原子又はアルカリ
金属を、M1は水素原子、アルカリ金属又はアルキル基
を表す。〕から選ばれる少なくとも1種の極性基を有す
る繰り返し単位を含むことが好ましく、このような極性
基を導入した樹脂を用いることにより、金属粉体色剤の
分散性を向上させることができる。尚、この極性基の各
樹脂中の含有比率は0.1〜8.0モル%程度、好まし
くは0.2〜6.0モル%である。
【0030】バインダー樹脂は、1種単独でも2種以上
を組み合わせて用いてもよく、2種以上混合して用いる
場合、例えばポリウレタン及び/又はポリエステルと塩
化ビニル系樹脂との比は、90:10〜10:90であ
り、好ましくは70:30〜30:70である。極性基
含有塩化ビニルとしては、例えば、塩化ビニル−ビニル
アルコール共重合体等水酸基を有する樹脂と、Cl−C
2CH2SO3M、Cl−CH2CH2OSO3M、Cl−
CH2C02M、Cl−CH2P(=O)(OM12等の
極性基及び塩素原子を有する化合物との付加反応により
合成することができる。1例を以下に示す。
【0031】 −CH2C(OH)H− + Cl−CH2CH2SO3
a →−CH2C(OCH2CH2SO3Na)H− 極性基含有塩化ビニル系樹脂は、極性基を含む繰り返し
単位が導入される不飽和結合を有する反応性モノマーを
所定量オートクレーブ等の反応容器に仕込み、ベンゾイ
ルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の一
般的なラジカル重合開始剤や、レドックス重合開始剤、
カチオン重合開始剤等を用いて重合することにより得る
ことができ、スルホン酸又はその塩を導入するための反
応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p−スチレン
スルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの
塩を挙げることができる。又、カルボン酸もしくはその
塩を導入するときには、例えば(メタ)アクリル酸やマ
レイン酸を用い、リン酸もしくはその塩を導入するとき
には(メタ)アクリル−2−リン酸エステルを用いれば
よい。
【0032】更に、バインダー樹脂の熱安定性を向上さ
せるためには、塩化ビニル系共重合体にエポキシ基を導
入することが好ましい。この場合、エポキシ基を有する
繰り返し単位の共重合体中における含有率は1〜30モ
ル%程度、好ましくは1〜20モル%であり、エポキシ
基を導入するためのモノマーとしてはグリシジルアクリ
レート等を挙げることができる。
【0033】極性基を有するポリエステルは、ポリオー
ルと一部に極性基を有する多塩基酸との脱水縮合反応に
より合成することができ、極性基を有する多塩基酸とし
ては5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル
酸、4−スルホイソフタル酸、3−スルホフタル酸、5
−スルホイソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタ
ル酸ジアルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、
3−スルホフタル酸ジアルキル及びこれらのアルカリ金
属塩等が挙げられ、ポリオールとしてはトリメチロール
プロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリス
リトール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができ
る。
【0034】極性基を有するポリウレタンは、ポリオー
ルとポリイソシアネートとを反応させることにより合成
することができ、具体的には、ポリオールとしてポリオ
ールと一部に極性基を有する多塩基酸との反応によって
得られるポリエステルポリオールを原料とすることによ
り合成する。又、ポリイソシアネートとしては、ジフェ
ニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、リジン
イソシアネートメチルエステル等を挙げることができ
る。尚、極性基を有するポリウレタンの他の合成法とし
ては、水酸基を有するポリウレタンと極性基及び塩素原
子を有するCl−CH2CH2SO3M、Cl−CH2CH
2OSO3M、Cl−CH2CO2M、Cl−CH2P(=
O)(OM12等の化合物との付加反応も有効である。
【0035】その他のバインダー樹脂として、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体等のポリオレフィン系
樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール
系樹脂、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメ
チルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリアミド、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等を併
用してもかまわないが、これらを併用する場合は全バイ
ンダー樹脂の20重量%以下とするのが好ましい。
【0036】本発明の画像形成層中のバインダー樹脂の
含有率は、画像形成層成分中の1〜50重量%程度、好
ましくは5〜40重量%である。
【0037】本発明の画像形成層には、本発明の効果を
阻害しない範囲で、耐久性向上剤、分散剤、帯電防止
剤、フィラー、硬化剤等の添加剤を含有せしめてもよ
い。
【0038】耐久性向上剤としてはポリイソシアネート
等を挙げることができる。分散剤としては、ラウリル酸
やステアリン酸等の炭素原子数12〜18の脂肪酸やそ
れらのアミド、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩;
ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸塩、レシチ
ン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第4級アンモニ
ウム塩;カルボキシル基及びスルホン基を有するアゾ系
化合物等を挙げることができ、帯電防止剤としては、カ
チオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子等の他
「11290の化学商品」化学工業日報社、p.875
〜876等に記載の化合物、等を挙げることができる。
【0039】フィラーとしては、カーボンブラック、グ
ラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgC
3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、
MgO、SnO2、Al23、α−Fe23、α−Fe
OOH、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、B
C、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイア
モンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケ
イソウ土、ドロマイト等の無機フィラーやポリエチレン
樹脂粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アク
リル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子
等の有機フィラーを挙げることができる。フィラーとし
ては、無機微粒子や有機樹脂粒子を挙げることができ、
これらは離型剤を兼ねても良い。この無機微粒子として
はシリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白
土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微
粒子としてはフッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、ア
クリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙
げることができる。これらの無機・有機樹脂粒子は比重
により異なるが、0.1〜70重量%の添加が好まし
い。
【0040】硬化剤は画像形成層を硬化できるものであ
れば特に制限なく用いることができ、このようなものと
しては、例えば、前述のバインダー樹脂の中のポリウレ
タンを合成する際に用いられるポリイソシアネートなど
を挙げることができる。このような硬化剤を添加して画
像形成層を硬化させることにより、形成された画像の耐
久性を高めるだけではなく、アブレーションを生じせし
めた部分の地汚れをなくすことができる。更には、溶剤
に対する耐久性を向上させることができるために、保護
層を塗布する際に有機溶剤を用いたとしても画像形成層
を損傷することなしに保護層を積層することができる。
その結果、水溶性もしくは水分散性樹脂からなる保護層
よりも更に耐久性の優れた保護層を設けることができ
る。これら添加剤の添加量は0〜20重量%程度、好ま
しくは0〜15重量%である。
【0041】本発明の画像形成層の膜厚は0.4〜1.
0μm程度、好ましくは0.6〜0.9μmの範囲であ
る。又、該画像形成層は単層で構成しても組成の異なる
多層で構成してもよいが、多層で構成される場合、支持
体に近い側の層中に露光光源の波長光を吸収可能な金属
粉体色材をより多く含有させることが好ましい。又、支
持体から遠い側の層中に露光光源の波長光以外の波長光
を吸収可能な色材を添加してもよい。
【0042】本発明の画像形成層は、色材、バインダー
樹脂及び必要に応じて耐久性向上剤、分散剤、帯電防止
剤、充填剤、フィラー、硬化剤等と溶媒とを混練して塗
料を調製し、次いでこの塗料を希釈して、支持体上に塗
布し乾燥させて形成することができる。
【0043】溶媒としては、アルコール類(エタノー
ル、プロパノール等)、セロソルブ類(メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ)、芳香族類(トルエン、キシレ
ン、クロルベンゼン等)、ケトン類(アセトン、メチル
エチルケトン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸
ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等)、ハロゲン系溶剤(クロロホルム、ジクロルベ
ンゼン等)、アミド系溶剤(例えばジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等)、等を用いることができ
る。
【0044】又、画像形成層成分の混練分散には、二本
ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミ
ル、コボルミル、トロンミル、サンドミル、サンドグラ
インダー、Sqegvariアトライター、高速インペ
ラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディ
スパー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散
機、オープンニーダー、連続ニーダー等を用いることが
できる。
【0045】支持体上への画像形成層の形成は、例え
ば、エクストルージョン方式の押し出しコータにより塗
布乾燥して行う。必要に応じて金属粉体色材(磁性粉
末)の配向を揃えたり、画像形成層の表面性を均一にす
るためにカレンダー処理を行ってもよい。特に高解像度
の画像を得るためには、磁性粉末を配向させる方が、層
内の凝集力をコントロールすることが容易になって好ま
しい。
【0046】尚、画像形成層の上に保護層を設けるに
は、各層毎に塗布乾燥を繰り返してもよいが、ウェット
−オン−ウェット方式で重層塗布して乾燥させてもよ
い。その場合、リバースロール、グラビアロール、エア
ドクターコータ、ブレードコータ、エアナイフコータ、
スクイズコータ、含浸コータ、バーコータ、トランスフ
ァロールコータ、キスコータ、キャストコータ或いはス
プレーコータ等と押し出しコータとの組み合わせにより
塗布することができる。尚、ウェット−オン−ウェット
方式における重層塗布においては、下側の層が湿潤状態
になったままで上側の層を塗布するので、上下層間の接
着性が向上する。
【0047】本発明において画像形成層は、画像形成層
の表面をカレンダー処理することにより本発明の効果を
一層顕著に発揮することができる。本発明におけるカレ
ンダー処理とは画像形成層を支持体上に積層した後に、
通常直径1cmから100cmの平滑性の高いニップロ
ーラーとそれに対面する加熱可能なローラーの間を温度
と圧力をかけて処理することで、画像形成層塗工液の塗
布、乾燥工程などで生じる画像形成層の空隙を減少さ
せ、画像形成層自体の密度を高める工程をいう。カレン
ダー処理する際の条件としては、画像形成層の空隙率を
低下させる為には通常線圧として2〜100kg/c
m、好ましくは5〜50kg/cmのニップ圧を掛けて
処理することが好ましい。加熱温度としては、通常40
℃から200℃、好ましくは50℃から120℃である
が最適な加熱温度は搬送速度によって異なるため通常は
カレンダー処理時に画像形成層が昇温する最大瞬間温度
が30℃から100℃程度になるのを目安に設定され
る。カレンダー処理の線圧及び加熱温度がこの範囲より
も低い場合は本発明の目的とする効果が少なく、高い場
合は画像形成材料の支持体や画像形成層自体に変形、ひ
び割れなどの欠陥を生じるようになるため好ましくな
い。カレンダー処理は画像形成層の硬化処理の有無に関
わらず画像形成層塗布直後に行われることが好ましいが
必要に応じて保護層まで塗布積層した後にカレンダー処
理しても差し支えない。
【0048】〈保護層〉本発明の保護層は前記画像形成
層上に積層されている。
【0049】保護層の乾燥総膜厚は通常0.41〜2.
00μmであり、好ましくは0.5〜1.5μmであ
る。
【0050】バインダー樹脂は、2種類以上のポリマー
を併用することが好ましい。また、微粒子及び滑剤など
を添加する場合にはそれらを十分に保持できるものであ
れば制限無く用いることができる。このようなバインダ
ー樹脂としては、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビ
ニル系共重合体等の塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、
ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹
脂、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、スチレン
−ブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメチル
メタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリアミド、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニ
ルホルマール等のアセタール系樹脂、及びポリビニルア
ルコール、ゼラチン等の水溶性樹脂等が挙げられる。バ
インダー樹脂を2種類併用する好ましい組合せの1例と
しては、フェノキシ樹脂とポリエステル樹脂が挙げられ
る。
【0051】本発明の保護層中のバインダー樹脂の含有
率は、保護層形成成分中の10〜100重量%程度、好
ましくは40〜100重量%である。
【0052】又該保護層の耐久性を高めるためにポリイ
ソシアネートなどの硬化剤を添加してもよい。該保護層
を硬化するときに選択されるバインダーとしては分子内
に硬化剤と架橋反応し得る官能基を有している樹脂を用
いることが好ましい。具体的には、硬化剤としてイソシ
アネート系硬化剤を用いる場合はフェノキシ系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、
アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、
ポリエステル系樹脂などを用いることが好ましい。
【0053】また、本発明の保護層には微粒子を添加し
てもよい。微粒子としては、例えばカーボンブラック、
グラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgCO
3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、Mg
O、SnO2、Al23、α−Fe2O3、α−FeOO
H、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、BC、
WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモン
ド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソ
ウ土、ドロマイト等の無機フィラーやポリエチレン樹脂
粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル
樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等の
有機フィラーを挙げることができる。
【0054】前記微粒子は離型剤を兼ねても良い。この
離型剤を兼ねる無機微粒子としてはシリカゲル、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性白土、アルミナ
等を挙げることができ、有機微粒子としてはフッ素樹脂
粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコ
ーン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げることができる。これ
らの無機微粒子や有機微粒子は比重により異なるが、
0.1〜70重量%の添加量が好ましい。又前記微粒子
においては粒度分布が狭く粒径が均一であるものが好ま
しい。具体的には、東芝シリコーン(株)製、シリコー
ン樹脂微粒子(製品名トスパール)や総研化学(株)
製、架橋アクリル微粉体MRシリーズ、架橋ポリスチレ
ン微粉体SGPシリーズ、アクリル超微粉体MPシリー
ズなどが挙げられる。
【0055】本発明の前記微粒子の平均粒径は好ましく
は0.3以上20μm以下であり、より好ましくは0.
8以上4.5μm以下である。該微粒子の単位面積当た
りの存在量、いわゆる付き量は5以上150mg/m2
以下であり、好ましくは10以上100mg/m2以下
である。該微粒子の表面が重合可能な官能基を有する場
合、保護層の硬化時に保護層と微粒子の接着性が向上す
るために、更に画像耐久性が向上する。具体的には
(株)日本触媒製FX−GSZ−07などが挙げられ
る。
【0056】本発明の保護層の好ましい形態としては、
画像形成層と接しない保護層の最上層面のスムースター
値が23℃・48%RHで0以上200mmHg以下で
あり、更に好ましくは5以上100mmHg以下であ
る。
【0057】本発明の画像形成材料の保護層には滑剤が
含有されることが好ましく、例えばワックス、シリコー
ン系化合物及びフッ素系化合物が挙げられる。
【0058】ワックスとして具体的な化合物は、蜜ロ
ウ、キャンデリラワックス、パラフィンワックス、エス
テルワックス、モンタンロウ、カルナバワックス、アミ
ドワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス等の固形ワックス類が挙げられる。
【0059】シリコーン系化合物(ワックス状のものを
含む)として具体的な化合物は、ジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイド
ロジェンシリコーンオイル等のストレートシリコーンオ
イル、オレフィン変性シリコーンオイル、ポリエーテル
変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイ
ル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、ア
ルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーン
オイル、アミノ変性シリコーンオイル、フェノール変性
シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、
カルボキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリ
コーンオイル、カルナバ変性シリコーンオイル、アミド
変性シリコーンオイル、(メタ)アクリル変性シリコー
ンオイル等のラジカル反応性シリコーンオイル、シリコ
ーンジオールや、シリコーンジアミン等の末端反応性シ
リコーンオイル、ハロゲン基、アルコキシ基、エステル
基、アミド基、イミド基等で変性された有機変性シリコ
ーンオイル等を挙げることができる。
【0060】フッ素系化合物としては、例えばポリテト
ラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン共重合体
(例えばアルキルビニルエーテル、エチレン等)、ポリ
ビニリデンフルオライド、フルオロアルキルメタクリレ
ート、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、パーフルオロポリ
エーテル油、フッ素アルコール、フッ素カルボン酸、パ
ーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキ
ル第4級アンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイ
ン、パーフルオロアルキルエチレンオキシド(付加
物)、パーフルオロアルキルオリゴマー等の低分子量フ
ッ素化合物等を挙げることができる。これらの素材の個
々の添加量は、好ましくは保護層中の固形分の0.1〜
30重量%であり、更に好ましくは0.5〜20重量%
である。複数添加する場合はこの倍数となる。
【0061】更に画像耐久性を向上させるために、潤滑
剤及び研磨剤を添加してもよい。
【0062】潤滑剤としては脂肪酸または脂肪酸エステ
ルが挙げられる。脂肪酸としては一塩基酸であっても二
塩基酸であってもよく、炭素数は6〜30が好ましく、
12〜22の範囲がより好ましい。具体的には、ステア
リン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン
酸、リノレン酸、オレイン酸、エライジン酸、ベヘン
酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,
1,2−ドデカンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸
等が挙げられる。
【0063】脂肪酸エステルとしては、オレイルオレー
ト、イソスチルステアレート、ジオレイルアレート、ブ
チルステアレート、ブチルパルミテート、ブトキシエチ
ルステアレート、ブトキシエチルパルミテート、ブチル
ミリステート、オクチルミリステート、オクチルパルミ
テート、ペンチルステアレート、ペンチルパルミテー
ト、イソブチルオレート、ステアリルステアレート、ラ
ウリルオレート、オクチルオレート、イソブチルオレー
ト、エチルオレート、イソトリデシルオレート、2−エ
チルヘキシルステアレート、2−エチルヘキシルパルミ
テート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリ
ステート、ブチルラウレート、セチル−2−エチルヘキ
サレート、ジオレイルアジペート、ジエチルアジペー
ト、ジイソブチルアジペート、ジイソデシルアジペー
ト、オレイルステアレート、2−エチルヘキシルミリス
テート、イソペンチルミリステート、イソペンチルステ
アレート、ジエチレングリコール−モノ−ブチルエーテ
ルパルミテート、ジエチレングリコール−モノ−ブチル
エーテルパルミテート等が挙げられる。
【0064】研磨剤としては、アルミナ、酸化クロム、
炭化珪素、窒化珪素、酸化鉄、硫酸バリウム、酸化亜
鉛、酸化錫、人造ダイヤモンドなどが挙げられるが、実
用上の観点から見てアルミナ、酸化クロム、炭化珪素、
窒化珪素、酸化鉄が好ましい。
【0065】また、研磨剤は保護層中に一次粒子として
存在することが好ましく、混錬分散には二本ロールミ
ル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、コボル
ミル、トロンミル、サンドミル、サンドグラインダー、
Sqegvariアトライター、高速インペラー分散
機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、
高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、オープ
ンニーダー、連続ニーダー等を適時選択して用いること
ができる。
【0066】研磨剤の平均粒径は好ましくは0.01μ
m以上1μm以下であり、より好ましくは0.05μm
以上0.5μm以下である。研磨剤は保護層に0.3〜
10重量%添加することが好ましい。
【0067】更に商品価値(見た目の美しさ)を向上さ
せるために着色剤を添加してもよい。着色剤としては、
無機又は有機の顔料、染料が用いられ、単色、2色混
合、3色混合;例えばイエロー、マゼンタ、シアンの顔
料系化合物で構成される。より好ましくは単色または2
色以上の混合で黒色系となるものが良い。
【0068】無機顔料としては、二酸化チタン、カーボ
ンブラック、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミ
ウム、酸化鉄ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウ
ムのクロム酸塩などが挙げられる。
【0069】有機顔料としては、アゾ系、チオインジゴ
系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェ
ンジオキサン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニ
ン顔料(銅フタロシアニン及びその誘導体)、キナクリ
ドン顔料などが挙げられる。又、有機染料としては、酸
性染料、直接染料、分散染料などが挙げられる。着色剤
は保護層に0.3〜15重量%添加することが好まし
い。
【0070】〈保護層の製造方法〉本発明の保護層の塗
布では塗布方式は特に限定されない。1例として減圧押
出しコーターによる塗布が挙げられる。この際画像形成
層が積層された支持体はバックロールに抱かれている事
が必要で、画像形成層が積層された支持体とコーターエ
ッジの間のギャップは、50〜500μmで有ることが
好ましく、更には75〜300μmが好ましい。ここで
用いる塗布液の粘度は、0.1〜50cpsが好まし
い。ここでの塗布液は、B型粘度計での測定粘度が1〜
200cpsが好ましい。測定条件は10cps以下の
場合はBLローターを用い、10cpsを超える場合、
No.1ローターを用いる。ローターの回転数はいずれ
も60rpmで1分後の値を測定する。ウエット膜厚は
5〜50μmが好ましい。塗布液の粘度、ウエット膜厚
をこの範囲にすることにより、上述の支持体とコーター
の間隙で良好なビードが形成でき、安定した塗布が可能
となる。
【0071】〈支持体〉画像形成材料に用いる支持体と
しては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、
ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ナイロン、芳香族ポリアミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等
の各樹脂フィルム、更には前記樹脂を2層以上積層して
なる樹脂フィルム等の透明支持体を挙げることができ
る。画像形成材料に用いる支持体は露光光源波長の光を
50%以上透過可能な支持体であり、フィルム状に延伸
しヒートセットしたものが寸法安定性の点で好ましい。
又、本発明の効果を阻害しない範囲で酸化チタン、酸化
亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等のフィラーを添
加してもよい。支持体の厚みは10〜500μm程度、
好ましくは25〜250μmである。
【0072】〈バックコート層〉本発明の画像形成材料
では、支持体の画像形成層とは反対面にバックコート層
を設けることがより好ましい。バックコート層は、帯電
防止性、搬送性を向上させる目的で設けられる。
【0073】バインダー樹脂としては、帯電防止剤を相
溶あるいは分散できる樹脂であれば、特に限定されな
い。樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸エス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、芳香族
ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アル
キド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹
脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン変性シリ
コーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂な
どが挙げられる。
【0074】滑剤として、ワックス、シリコーン系化合
物及びフッ素系化合物などが添加されることが好まし
い。
【0075】ワックスとして具体的な化合物は、蜜ロ
ウ、キャンデリラワックス、パラフィンワックス、エス
テルワックス、モンタンロウ、カルナバワックス、アミ
ドワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス等の固形ワックス類が挙げられる。
【0076】シリコーン系化合物(ワックス状のものを
含む)として具体的な化合物は、ジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイド
ロジェンシリコーンオイル等のストレートシリコーンオ
イル、オレフィン変性シリコーンオイル、ポリエーテル
変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイ
ル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、ア
ルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーン
オイル、アミノ変性シリコーンオイル、フェノール変性
シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、
カルボキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリ
コーンオイル、カルナバ変性シリコーンオイル、アミド
変性シリコーンオイル、(メタ)アクリル変性シリコー
ンオイル等のラジカル反応性シリコーンオイル、シリコ
ーンジオールや、シリコーンジアミン等の末端反応性シ
リコーンオイル、ハロゲン基、アルコキシ基、エステル
基、アミド基、イミド基等で変性された有機変性シリコ
ーンオイル等を挙げることができる。
【0077】フッ素系化合物としては、例えばポリテト
ラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン共重合体
(例えばアルキルビニルエーテル、エチレン等)、ポリ
ビニリデンフルオライド、フルオロアルキルメタクリレ
ート、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、パーフルオロポリ
エーテル油、フッ素アルコール、フッ素カルボン酸、パ
ーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキ
ル第4級アンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイ
ン、パーフルオロアルキルエチレンオキシド(付加
物)、パーフルオロアルキルオリゴマー等の低分子量フ
ッ素化合物等を挙げることができる。滑剤の総添加量
は、好ましくはバックコート層中の固形分の0.1〜3
0wt%であり、さらに好ましくは0.5〜15wt%
である。
【0078】バックコート層は帯電防止性を付与するた
めに帯電防止剤を含有することがより好ましい。また、
更に導電性微粒子を併用してもよい。
【0079】帯電防止剤としては第4級アンモニウム
塩、ポリアミン誘導体などの陽イオン型界面活性剤、ア
ルキルホスフェートなどの陰イオン型界面活性剤、ベタ
イン型などの両面イオン型界面活性剤、もしくは脂肪酸
エステルなどの非イオン型界面活性剤、更にポリシロキ
サン系のものが使用できる。また、両性イオン型、もし
くは陽イオン型の水溶性アクリル樹脂はバインダーなし
に単独でバックコートすることができる。
【0080】導電性微粒子としては、導電性を有すれば
良く例えば酸素不足酸化物、金属過剰酸化物、金属不足
酸化物、酸素過剰酸化物等の不定比化合物を形成しやす
い金属酸化物微粒子等が挙げられる。この中で本発明に
最も好ましい化合物は製造方法などが多様な方式をとる
ことが可能な金属酸化物微粒子である。
【0081】例えば、結晶性の金属酸化物粒子が一般的
であり、例えばZnO、TiO2、SnO2、Al23
In23、SiO2、MgO、B2O、MoO3、及びこ
れらの複合酸化物を挙げることができるが、これらの中
でも特にZnO、TiO2、SnO2が好ましく、複合
酸化物としてはZnOに対してAl、In等、TiO2
に対しては、Nb、Ta等、SnO2に対してはSb、
Nbハロゲン元素等の異種元素を0.01〜30mol
%含むものが好ましく、特に0.1〜10mol%含む
ものが好ましい。またこれらの導電性微粒子の体積抵抗
率は107Ω/cm以下、特に105Ω/cm以下であ
ることが好ましい。結晶内に酸素欠陥を有するもの、及
び前記金属酸化物に対していわゆるドナーとなる異種原
子を少量含む場合には導電性が向上するので好ましい。
この様な導電性微粒子の製造についての詳細は例えば特
開昭56−143430号に記載されている。
【0082】この導電性微粒子に用いる導電層のバイン
ダーとしてはゼラチン、誘導体ゼラチン、コロイド状ア
ルブミン、カゼイン等の蛋白質;カルボキシルメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ジアセチルセ
ルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース化合
物;寒天、アルギニン酸ソーダ、でんぷん誘導体等の糖
誘導体;合成親水性コロイド例えばポリビニルアルコー
ル、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸共重
合体、ポリアクリルアミド又はこれらの誘導体、及び部
分加水分解物、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリアクリル酸エステル等のビニル重合体及びその
共重合体、ロジン、シェラックなどの天然物及びその誘
導体、その他多くの合成樹脂類が用いられる。又、スチ
レン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸エステル及びその誘導体、ポリ酢酸ビニル、酢酸
ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリオレフィ
ン、オレフィン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン
も使用することが出来る。その他、カーボネート系、ポ
リエステル系、ウレタン系、エポキシ系樹脂、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、及びポリピロールの如き
有機半導体を使用することも出来る。これらのバインダ
ーは、2種以上を混合して使用することも出来る。
【0083】製造時の取り扱い容易性や製品性能の観点
から、これらのバインダーの中でも特に、ポリアクリル
酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリ
ロ、ポリアクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリ
エステル、ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデンが好
ましい。
【0084】また、導電層と支持体の間に接着性を良好
なものとするために、導電層に支持体を膨潤させる化合
物を含有せしめることが出来る。
【0085】支持体を膨潤させる化合物としては、例え
ば、レゾルシン、クロルレゾルシン、メチルレゾルシ
ン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、フェノール、o−クロルフェノール、p−クロルフ
ェノール、ジクロルフェノール、トリクロルフェノー
ル、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸、
トリフロロ酢酸、泡水クロラール等を挙げることができ
るが、特にレゾルシン及びp−クロルフェノールが好ま
しい。
【0086】導電性微粒子の割合は体積含有率で10%
〜70%、より好ましくは15%〜50%であり、その
使用量は0.05g/m2〜5.0g/m2、好ましくは
0.1g/m2〜2.0g/m2である。
【0087】支持体を膨潤せしめる化合物は0.01g
/m2〜5.0g/m2、好ましくは0.05g/m2
1.0g/m2である。
【0088】前記の帯電防止剤及び導電性微粒子は前記
バインダーを溶解させた有機溶剤中または水溶液中に溶
解もしくは分散させて使用する。
【0089】バックコート層の塗布に際しては、溶剤を
適宜選択して塗布液を調製する。溶剤の選択は当業者で
あれば容易に行なうことができる。塗布方法としては通
常の塗布方式、例えばブレードコーター、ロールコータ
ー、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコータ
ーや、押出しラミネーション法、貼合法などの公知の方
法の中から任意の方法を選択して採用することができ
る。また、塗布に際しては、サポニン、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸等の公知の塗布助剤や硬膜剤、着色材、紫
外線吸収剤、熱線カット剤等を適宜必要に応じて塗布液
に添加することができる。また、支持体とバックコート
層との間の接着性を向上させるために、両者の間に下引
き層を設けても良い。
【0090】バックコート層の表面比抵抗値は、バック
コート層中の帯電防止剤及び導電性微粒子の体積含有率
を調整することにより及び/又はバックコート層の厚み
を調整することができる。前記調整により表面比抵抗値
は1011Ω/cm2以下にすることが好ましい。しか
しながら、バックコート層としての強度を十分に持たせ
るためには、バインダー樹脂の量は5重量%を下まわら
ないことが好ましい。帯電防止剤の場合、帯電防止剤の
割合は0.5〜30重量%、より好ましくは1〜10重
量%でありその使用量は0.001〜1g/m2、好ま
しくは0.002〜0.05g/m2であり、導電性微
粒子の場合、体積含有率で10〜70%、より好ましく
は15〜50%でありその使用量は0.01〜5g/m
2、好ましくは0.1〜2g/m2である。
【0091】この他に、帯電防止層に塗布性を改善させ
るための添加剤、例えば界面活性剤等を必要に応じて含
有することができる。
【0092】また、バックコート層はスムースター値が
7〜200mmHgとなるように設けられることが好ま
しい。前記スムースター値を得るためには、バックコー
ト層の表面を粗面化する手段が最も最適である。スムー
スター値は、真空型の空気マクロメーター(東栄電気工
業社製:スムースターSM−6B)を用いて、23℃5
5%RH条件下で、測定ヘッドに吸着された被測定面の
粗さに応じて流入する空気量を圧力mmHgの変化とし
て測定する。スムースター値は表面マット度と相関して
おり、圧力値が高くなるほどマット度は高くなる。
【0093】粗面化の手段としては、バックコート層塗
工液にマット材を添加する、バックコート層をエンボス
化工する、凹凸のある支持体上にバックコート層を設け
る、粗面化ロールでバックコート層面に凹凸をつけるな
どの方法が挙げられるが、バックコート層表面が粗面化
できればどのような方法でも適用できる。特にバックコ
ート層塗工液にマット材を添加する方法が、最も簡便且
つ有効で好ましい。マット材としては有機又は無機の微
粒子が使用できる。
【0094】有機系マット材としてはポリメチルアクリ
レート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、フッ素樹脂、グアナミン樹脂、アクリル樹脂、スチ
レン−アクリル共重合体樹脂、シリコーン樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂粒子、その他ラジカル重
合系ポリマーの微粒子、ポリエステル、ポリカーボネー
トなどの縮合ポリマーの微粒子などが挙げられる。
【0095】無機系マット材としては金属酸化物(シリ
カ、酸化亜鉛、アルミナ、酸化チタン等)、珪酸塩(珪
酸カルシウム)、硫酸塩(硫酸バリウム)、炭酸塩(炭
酸カルシウム)等が挙げられる。
【0096】バックコート層の粗面化の程度はスムース
ター値によって決定される。スムースター値が小さすぎ
ると画像形成装置内で搬送性が悪くなったり、形成され
た画像をPS版に焼きつける場合、PS版との密着に時
間がかかるなどの問題が発生してしまう。また、逆にス
ムースター値の値が大きすぎると、即ち、バックコート
層の表面の凹凸が大きいとバックコート層側から露光す
る場合、光の散乱が起き、感度低下、画像品質の低下な
どの問題が発生してしまう。
【0097】マット材を用いた場合、マット材の粒径や
含有量はスムースター値と像様に露光したときに光の散
乱により画像に影響しないように選択されるが、粒径が
0.1〜10μm、含有量は0.01〜1g/m2が好
ましい。
【0098】この他に、バックコート層も塗布性を改善
させるための添加剤、例えば界面活性剤等を必要に応じ
て含有することができる。
【0099】また、本発明の効果を阻害しない範囲で、
支持体とバックコート層との結合力を高めるためにバッ
クコート層中に接着剤を含有したり、バックコート層を
硬化させたり中間層などを設けてもよい。
【0100】〈被転写シート〉本発明に用いる被転写シ
ートは、高密度エネルギー光の露光により照射部の支持
体と画像形成層との結合力が低下した画像形成層(色材
層(及び保護層))部分を受容可能でありかつ、画像形
成層を保持する支持体から引き離すことにより照射部の
画像形成層が被転写シートに転写され得る部材である。
【0101】後述する本発明の画像形成方法において、
画像露光後に剥離して画像を受像するために設ける被転
写シートは上記画像形成材料支持体の様な支持体として
用いられる樹脂フィルムを被転写シート支持体として用
いることもでき、またその樹脂フィルム上に高密度エネ
ルギー光照射部の画像形成層を受容可能な受像層を設け
たもの等を用いることができる。
【0102】〈支持体〉合成紙(たとえばポリプロピレ
ンを主成分とする合成紙など)、等が挙げられる。具体
的には、王子油化加工(株)製商品名ユポあるいは日清
紡(株)製商品名ピーチコートの各グレード、あるいは
ダイアホイルヘキスト(株)製ダイアナールW−900
E等を好ましく用いることができる。
【0103】本発明において、樹脂からなる基材は、シ
ートあるいはフィルム状に延伸し、ヒートセットしたも
のが寸法安定性の面から好ましく、基材は、ミクロボイ
ドがないものでも、あるいはミクロボイドのあるもので
も、用途に応じて適宜に選択することができる。具体的
にはダイアホイルヘキスト(株)製W−400及びT−
100E等を好ましく用いることができる。
【0104】被転写シートの支持体として用いられる基
紙は、天然パルプ、合成パルプ、またはそれらの混合物
から抄紙されるパルプ紙が好ましく、この中で、木材パ
ルプを主成分とする天然パルプ紙が好ましい。紙は、長
網抄紙機等を用いて抄造され、平滑度向上の目的で、抄
紙後にマシンカレンダー、スーパーカレンダー、熱カレ
ンダー等を用いてカレンダー処理することが好ましい。
また、平滑性向上のために、顔料を含有した樹脂層でコ
ートした基紙も本発明においては好適に用いることがで
きる。具体的な基紙としては、上質紙、アート紙、コー
ト紙、片艶紙、含浸紙、板紙等が挙げられる。
【0105】なお、紙としては、後述する白色微粒子を
含有するポリプロピレンおよびポリオレフィンのラミネ
ート層を設ける際に、平滑性を持たせるためにベック平
滑度50秒以上にするのが好ましく、100秒以上更に
は200秒以上の平滑性を有することが好ましい。ま
た、紙の厚みは特に制限はないが、30〜800μmが
好ましく、50〜500μmがより好ましい。
【0106】上記基紙中には、必要に応じてサイズ剤、
定着剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、染料、顔料、
蛍光増白剤、酸化防止剤、減摩剤等の添加剤が含まれて
いても良い。
【0107】前記基材としては、OHPなどの透過原
稿、ガラスなどに貼付けるシール用途のように透明性が
要求される場合には透明度の高いものが好ましく、また
反射画像の場合は形成される画像の鮮明性を高めるため
に、基材を構成する層中に白色顔料例えば、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、シリカ、硫酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、タルク、クレー等が添加されても
良い。
【0108】前記基材の厚みは通常20〜1,000μ
m、好ましくは50〜500μmであり、このような範
囲の中から適宜に選定される。
【0109】被転写シートは画像形成後不要となるもの
であるため、その厚みは可能な限り薄い方が廃材の低減
という点で好ましい。しかしながらその厚みが薄すぎる
場合画像形成層から被転写シートを剥離する際に破壊し
てしまう恐れや、剥離後の被転写シートの搬送性が困難
となる懸念があるため支持体の厚みは、通常6〜100
μm程度、好ましくは12〜50μmである。
【0110】〈受像層〉本発明の画像形成材料に用いら
れる受像層は主として熱可塑性樹脂バインダーからな
る。本発明に用いられる樹脂バインダーとしてはウレタ
ン樹脂、アクリル樹脂、スチレン共重合エラストマーが
好ましく用いられる。ウレタン樹脂としては分子内にウ
レタン結合(−NHCOO−)を有する樹脂具体的には
日本ポリウレタン工業(株)製接着剤用ポリウレタン樹
脂ニッポラン等があげられる。アクリル樹脂としてはエ
チレン−エチルアクリレート共重合樹脂(EEA)やエ
チレン−アクリル酸共重合樹脂(EAA)、その他変性
アクリル樹脂があり、具体的には三井デュポンポリケミ
カル(株)製EVAFLEX−EEAや日本ゼオン
(株)製ニポールLXシリーズなどがあげられる。
【0111】スチレン共重合エラストマーとしては分子
内にポリスチレンブロック(S)とポリブタジエン
(B)、ポリイソプレン(I)、ポリエチレン/ブチレ
ン(EB)、ポリエチレン/プロピレン(EP)ブロッ
クが共重合したSBS、SIS、SEBS、SEPSな
どを好ましく用いることができる。具体的にはシェルジ
ャパン(株)製カリフレックスTR、クレイトンD、ク
レイトンGや(株)クラレ製セプトン、ハイブラーや旭
化成(株)製タフテックH、Mシリーズなどがあげられ
る。
【0112】このほかにも本発明の効果を低下させない
範囲でその他の樹脂を任意の割合で混合することができ
る。
【0113】本発明の受像層には必要に応じて添加剤と
して無機または有機のフィラーを添加することができ
る。
【0114】無機微粒子としては、たとえばシリカ、酸
化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシ
ウム、ホウ酸アルミニウム等の金属酸化物、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒化
ホウ素等の金属塩、カオリン、クレー、タルク、亜鉛
華、鉛白、ジークライト、石英、ケイソウ土、パーライ
ト、ベントナイト、雲母、合成雲母などが挙げられる。
【0115】前記有機微粒子としては、メラミン樹脂粒
子、グアナミン樹脂粒子、スチレン−アクリル共重合体
樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、フッ素樹脂粒子などが
挙げられる。
【0116】受像層の膜厚は通常0.01から10μ
m、好ましくは0.1から5μmである。
【0117】〈バックコート層〉被転写シートのバック
コート層は、画像形成シートのバックコート層と同様の
材料を用いて形成される。但し、画像形成シートのバッ
クコート層側からレーザー露光する場合、被転写シート
のバックコート層中のマット材量は、画像形成シートの
バックコート層中のマット材量ほど限定されず、耐熱性
を向上させるためにマット材量を増量することができ
る。
【0118】図にしたがって本発明を説明すると図1は
本発明の画像形成材料の一つの好ましい態様の模式図で
あり、支持体1上に画像形成層2、さらに保護層4を有
し、支持体の画像形成層面とは反対面にバックコート層
3を有する画像形成材料である。
【0119】図2は、本発明の画像形成材料の他の好ま
しい態様の模式図であり、保護層8上に被転写シートの
受像層10が隣接しており、該被転写シートの支持体9
の受像層面(受像層10がついている側の面)とは反対
面にバックコート層11を有する画像形成材料である。
また、図3は本発明の画像形成材料の別の好ましい態様
の模式図であり、支持体1上に画像形成層2、更に保護
層下層13及び保護層上層14を有した画像形成材料で
ある。
【0120】画像形成方法 本発明の好ましい画像形成方法は支持体上に画像形成
層、保護層をこの順に有し、高密度エネルギー光の露光
により照射部の支持体と画像形成層との結合力を低下さ
せた後、照射部の画像形成層及び保護層を除去すること
により画像が形成され得るものである。
【0121】本発明では、上述した画像形成材料の構成
から2つの方法により画像形成することができ、以下そ
れぞれの画像形成方法に従って詳述する。
【0122】−画像形成方法1− 本発明の画像形成方法は支持体上に画像形成層、保護層
をこの順に有し、高密度エネルギー光の露光により照射
部の支持体と画像形成層との結合力を低下させた後、前
記支持体との結合力が低下した画像形成層部(以下、ア
ブレーション部)のみを除去可能な手段を用いて画像を
形成する。
【0123】具体的手段としては粘着性を有する粘着シ
ートを用いて密着後剥離する方法やアブレーション部を
吸引除去する方法、ブラシなどで削ぎ落とす方法、エア
ブラシで吹き飛ばす方法などが挙げられる。
【0124】画像露光は、高解像度を得るためには、エ
ネルギー印加面積が絞り込める電磁波、特に波長が1n
m〜1mmの紫外線、可視光線、赤外線が好ましく、こ
のような光エネルギーを印加し得る光源としては、例え
ばレーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュラン
プ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライ
ドランプ、タングステンランプ、石英水銀ランプ、高圧
水銀ランプ等を挙げることができる。この際加えられる
エネルギーは、画像形成材料の種類により、露光距離、
時間、強度を調整することにより適時選択することがで
きる。
【0125】上記エネルギーを一括露光する場合には、
所望露光画像のネガパターンを遮光性材料で形成したマ
スク材料を重ね合わせ露光すればよい。
【0126】発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を
使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドラン
プ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZT等
の光学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像
信号に応じたデジタル露光をすることが可能で、この場
合にはマスク材料を使用せず、直接書込みを行うことが
できる。
【0127】しかしながら、この方法では、光源の他に
新たに光学的シャッター材料が必要であることから、デ
ジタル露光する場合にはレーザーを光源として用いるの
が好ましい。
【0128】光源としてレーザー光を用いた場合には、
光をビーム状に絞り、画像データに応じた走査露光で潜
像形成を行うことが可能であり、さらに、レーザーを光
源として用いると、露光面積を微小サイズに絞ることが
容易で高解像度の画像形成が可能となる。
【0129】本発明で用いられるレーザー光源として
は、一般によく知られている、ルビーレーザー、YAG
レーザー、ガラスレーザーなどの固体レーザー;He−
Neレーザー、Arイオンレーザー、Krイオンレーザ
ー、CO2レーザー、COレーザー、He−Cdレーザ
ー、N2レーザー、エキシマーレーザーなどの気体レー
ザー;InGaPレーザー、AlGaAsレーザー、G
aAsPレーザー、InGaAsレーザー、InAsP
レーザー、CdSnP2レーザー、GaSbレーザーな
どの半導体レーザー;化学レーザー、色素レーザー等を
挙げることができ、これらの中でも効率的にアブレーシ
ョンを起こさせるためには、波長が600〜1200n
mの可視光から近赤外領域のレーザーを用いるのが、効
率的に光エネルギーを熱エネルギーに変換できることか
ら、感度の面で好ましい。
【0130】高密度光エネルギーの露光方向は、画像形
成層の支持体側からでも画像形成層側からでも露光する
ことができる。
【0131】また、被転写シートを引き剥がす際の方法
としては、剥離板、剥離ロールによる剥離角度固定方
法、手で被転写シートと画像形成材料を固定せずに引き
剥がす手剥離方法など、画像形成に影響を与えなければ
種々の剥離方法を用いることができる。
【0132】例えば、露光後、常温で粘着性、接着性を
もたない被転写シートを用いて、画像形成層と被転写シ
ートを対面させヒートロール等で熱圧着し、被転写シー
トを引き剥がすことにより画像形成することができる。
【0133】上述の説明は、支持体上に画像形成層のみ
が積層された画像形成材料で説明したが、支持体と画像
形成層との間に中間層が積層されている場合には、アブ
レーション位置は中間層と画像形成層との間でも良い
し、支持体と中間層との間でも良く、また場合によって
は中間層の一部熱破壊でも良い。
【0134】−画像形成方法2− 第2の方法は、上述の画像保護層上に被転写シートが予
め積層された画像形成材料を用いて、該画像形成層が高
密度エネルギー光の露光により支持体と画像形成層との
結合力が低下してその後、被転写シートと支持体を引き
離すことにより照射部の画像形成層が被転写シートに転
写され得るものである。あらかじめ積層する方法として
は、被転写シート支持体上に常温もしくは加熱により粘
着性を有する樹脂を前述の押し出しラミネート、水や溶
剤に分散または溶解して塗布乾燥することによって得ら
れる。
【0135】画像保護層上への被転写シートの積層方法
としては対面する1対の貼合ローラーの間を圧力をかけ
ながら密着させることによって貼合することができる。
被転写シートが加熱により粘着性を有する場合には貼合
ローラーの直前、もしくは貼合中、ないしは貼合後に加
熱することによって密着性を確保することが好ましい。
【0136】こうして作製された画像形成材料の画像保
護層と被転写シートを剥離するのに必要な剥離力はJI
S C 2107(JIS Z 0237)の180度
引き剥がし法において5gf/cm以上50gf/cm
以下であることが好ましい。
【0137】また、この方法においても画像形成方法1
と同様に、光エネルギーの露光方向は、支持体側から露
光するのが好ましく、さらに、画像露光部分の画像形成
層の破壊が起こらず、支持体と画像形成層間の接着力の
み低下するあるいはなくなるように画像露光するのが、
画像露光部分を均一に被転写シート側に引き抜くことが
できることから好ましい。
【0138】上記2通りの画像形成方法に共通して、被
転写シートの厚みは5μmから300μmであることが
好ましく、さらには10μmから150μmであること
が好ましい。
【0139】−画像形成方法1の例− 図4は図1に示す画像形成材料を用いた上記画像形成方
法の一例の模式図である。バックコート層3側から高密
度エネルギー光12を照射し(図4(a))、照射部の
支持体1と画像形成層2との結合力を低下させ(図4
(b))、画像形成材料と被転写シートを対面させてヒ
ートロールで画像形成材料の保護層4と被転写シートの
受像層10を熱圧着した後(図4(c))、被転写シー
トと画像形成材料を引き離すことにより照射部の画像形
成層2が被転写シートに転写されることにより画像形成
(図4(d))が行われる。
【0140】−画像形成方法2の例− 図5は図2に示す画像形成材料を用いた上記画像形成方
法の一例の模式図である。予め一体化された画像形成材
料と被転写シートの画像形成材料のバックコート層7側
から高密度エネルギー光12により照射し(図5
(a))、照射部の支持体5と画像形成層6との結合力
を低下させ(図5(b))、被転写シートと画像形成材
料を引き離すことにより照射部の画像形成層6が被転写
シートに転写され(図5(c))、その結果画像形成
(図5(d))が行われる。
【0141】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
なお、以下において「部」は、特に断りがない限り「有
効成分としての重量部」を表す。
【0142】実施例1 試料No.101〜No.106 〈〈画像形成材料〉〉本発明及び比較となる画像形成材
料を下記に示した支持体、画像形成層、保護層、被転写
シートを用い、画像形成層膜厚及び保護層膜厚を表1に
示す通りの試料No.101〜No.106を作製し
た。
【0143】〈支持体〉厚み100μmの画像形成層積
層面をコロナ放電処理した透明ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム〔東レ(株)製、T−60〕。
【0144】〈画像形成層〉下記の組成物をオープンニ
ーダを用いて混練分散して、着色剤として無機金属化合
物を含有する画像形成層形成塗工液を調製し、押し出し
塗布で上記支持体上に塗布した後、次いで乾燥を施して
から、カレンダーで表面処理を行い、さらに60℃で7
2時間キュアーさせることにより熱硬化させ、表1に示
した乾燥膜厚の画像形成層を形成した。
【0145】 Fe−Al系強磁性金属粉末(Fe:Al原子数比=100:4(全体) 50:50(表面),平均長軸径0.14μm) 100部 ポリウレタン樹脂〔東洋紡績社製:UR4122〕 10部 ポリエステル樹脂〔東洋紡績社製:バイロン280〕 5部 α−アルミナ(平均粒子径0.15μm) 5部 ステアリン酸 1部 ステアリン酸ブチル 1部 ポリイソシアネート化合物〔日本ポリウレタン工業社製:コロネートHX〕 5部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 −カレンダー処理− 直径300mmの金属ロールの外周に厚み3mmのポリ
イミド樹脂を巻きつけたカレンダーロールとそれに対面
する直径300mmの80℃に加熱した金属ロールの間
を10kg/cmの線圧をかけながら10m/分の速度
で加熱、加圧処理を行った。
【0146】〈保護層〉下記の樹脂バインダーおよび微
粒子、添加剤からなる組成物を減圧押し出しコーティン
グにより前記画像形成層上に下記処方の保護層液を塗布
した後、60℃で72時間熱硬化した。
【0147】 フェノキシ樹脂〔フェノキシアソシエート(株)製:PKHH〕 1.05部 ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:UE3690〕 1.05部 ポリイソシアネート化合物 〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕 0.75部 ポリエチレンワックス〔興洋化学(株)製:CE−155〕 0.07部 シリコーン樹脂微粒子 〔富士シリシア化学(株)製:サイロホービック200〕 0.07部 トルエン 58.2部 シクロヘキサノン 38.8部 〈バックコート層〉画像形成層を有する支持体面とは反
対面に下記組成からなるバックコート層を厚み0.5μ
mとなるように塗布乾燥した。
【0148】 ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 4.16部 帯電防止剤〔花王(株)製:エレクトロストリッパーQN〕 0.15部 PMMAフィラー〔総研化学(株)製:MX−150〕 0.1部 シリコーン樹脂〔信越化学(株)製:X−24−8300〕 0.05部 ワックス〔(株)岐阜セラック製造所製:ハイディスパー4055〕 0.05部 メチルエチルケトン 76部 シクロヘキサノン 19部 〈〈被転写シート〉〉厚み38μmの透明ポリエチレン
テレフタレートフィルム〔ダイアホイルヘキスト(株)
製、T−100E〕に下記組成からなる受像層を厚み
1.2μmとなるように塗布乾燥することにより被転写
シートを得た。
【0149】 〈受像層〉 ポリウレタン樹脂〔日本ポリウレタン工業(株)製:ニッポラン3109〕 4.85部 シリコーン樹脂微粒子〔東芝シリコーン(株)製:トスパールT−120〕 0.1部 カルナバワックス 〔(株)岐阜セラック製造所製:ハイディスパー4055〕 0.05部 トルエン 38部 メチルエチルケトン 38部 シクロヘキサノン 19部 〈バックコート層〉受像層を有する支持体面とは反対面
に下記組成からなるバックコート層を厚み0.5μmと
なるように塗布乾燥した。
【0150】 ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 4.25部 帯電防止剤〔花王(株)製:エレクトロストリッパーQN〕 0.15部 PMMAフィラー〔総研化学(株)製:MX−150〕 0.50部 シリコーン樹脂〔信越化学(株)製:X−24−8300〕 0.05部 ワックス〔(株)岐阜セラック製造所製:X8126〕 0.05部 メチルエチルケトン 76部 シクロヘキサノン 19部 〈〈画像形成方法〉〉上記支持体上に画像形成層、保護
層を積層した画像シートと被転写シートを対面させ、対
面するヒートローラーにより加熱、加圧することにより
密着させ、その接着力がJIS C 2107(JIS
Z 0237)の180度引き剥がし法において5〜
10gf/cmの範囲内におさまるように調整した。
【0151】半導体レーザー〔大日本スクリーン製造
(株)製TCP−1080、主波長830nm〕を用
い、着色剤層表面に焦点を合わせ、着色剤層支持体側か
ら適性エネルギーで走査露光することにより像様に画像
露光しレーザー光照射部の支持体と画像形成層の結合力
を低下させた後、画像形成層を有する画像形成シートと
被転写シートとを剥離することにより像様に画像を形成
した。
【0152】感度(露光に要するエネルギー量)、およ
び露光部の画像形成層の透過濃度(Dmin)、感度、
耐摩擦性及び耐フィルムクリーナー性の結果を表2に示
した。評価は下記の方法で行った。
【0153】〈〈評価方法〉〉 感度(露光に要するエネルギー量) ビーム径6μm、走査ピッチ6μmで500mm×50
0mmの画像を形成するテストパターン露光を行い、画
像形成が可能な最適露光エネルギー(E:単位mJ/c
2)を評価した。
【0154】 ◎・・・E≦250 ○・・・250<E≦400 △・・・400<E≦600 ×・・・600<E 露光部の透過濃度(Dmin) 画像形成材料のアブレーション部分のVis光透過濃度
をX−rite社製Xriteを用いて透過濃度を測定
した。
【0155】 ◎・・・0.04以下(極めて良好) ○・・・0.04〜0.05(実質上問題の無い微小な
着色剤層飛散末が顕微鏡で確認できる程度) △・・・0.06〜0.09(転写ムラがルーペで確認
できる) ×・・・0.10以上(転写ムラが目視で確認できる) 耐摩擦性 ヘイドントライボギア(ヘイドン社製)の装置を使用
し、各試料の被転写シート貼合前の保護層面を30mm
×30mm平面圧子を用い、各試料の画像形成材料のバ
ックコート層を対接触面として荷重1kg/cm2、速
度15cm/secで片道移動距離15cmを20往復
を移動させたときの試料表面の状態を観察した。
【0156】 ◎・・・反射傷及び透過傷共になし ○・・・反射傷はあるが透過傷はなし △・・・部分的に透過傷あり ×・・・擦った部分全面透過傷あり 耐フィルムクリーナー性 ヘイドントライボギア(ヘイドン社製)の装置を使用
し、各試料のOC層面を上にしてそこにフィルムクリー
ナー(ニューフィルムクリーナーNF−7[光陽化学社
製])3mlを垂らし、対象面:ベンコットン2c
2、荷重2kg/cm2、速度30cm/sec、片道
移動距離15cmの条件で50往復移動させたときの試
料表面の状態を観察した。
【0157】 ○ ・・・表面に変化なし △ ・・・画像形成層に透過部ないがOC層の表面光沢
が変化 × ・・・画像形成層に一部透過部分あり ××・・・画像形成層全面透過
【0158】
【表1】
【0159】
【表2】
【0160】表1、表2から、本発明の試料は、感度、
露光部の透過濃度、耐摩擦性及び耐フィルムクリーナー
性に優れた試料であることがわかる。
【0161】実施例2 試料No.201〜No.203 〈〈画像形成材料〉〉保護層を下記樹脂バインダーおよ
び添加剤からなる組成物にした以外は実施例1と同様に
画像形成材料を作製及び評価し、結果を表4に示す。作
製した試料No.201〜No.203の画像形成層膜
厚及び保護層膜厚は表3に示す。
【0162】 〈保護層〉 フェノキシ樹脂〔フェノキシアソシエート(株)製:PKHH〕 1.00部 ポリエステル樹脂〔ユニチカ(株)製:エリーテルUE3690〕 1.00部 ポリイソシアネート化合物 〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕 0.35部 ポリエチレンワックス〔興洋化学(株)製:CE−155〕 0.06部 シリコーン樹脂微粒子 〔富士シリシア化学(株)製:サイロホービック200〕 0.06部 ステアリン酸 0.06部 アルミナ〔住友化学(株)製:高純度アルミナHIT60G〕 0.06部 トルエン 58.2部 シクロヘキサノン 38.8部 実施例3 試料No.301 〈〈画像形成材料〉〉保護層を下記樹脂バインダーおよ
び添加剤からなる組成物にした以外は実施例1と同様に
画像形成材料を作製及び評価し、結果を表4に示す。作
製した試料No.301の画像形成層膜厚及び保護層膜
厚は表3に示す。
【0163】 〈保護層〉 フェノキシ樹脂〔フェノキシアソシエート(株)製:PKHH〕 2.00部 ポリイソシアネート化合物 〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕 0.65部 ポリエチレンワックス〔興洋化学(株)製:CE−155〕 0.06部 シリコーン樹脂微粒子 〔富士シリシア化学(株)製:サイロホービック200〕 0.06部 ステアリン酸 0.06部 アルミナ〔住友化学(株)製:高純度アルミナHIT60G〕 0.06部 トルエン 58.2部 シクロヘキサノン 38.8部
【0164】
【表3】
【0165】
【表4】
【0166】表3、表4から、本発明の試料は、感度、
露光部の透過濃度、耐摩擦性及び耐フィルムクリーナー
性に優れた試料であることがわかる。しかしながら更に
は、本発明の請求項5記載の発明の構成の試料は、より
優れた試料であることがわかる。
【0167】実施例4 試料No.401及びNo.402 〈〈画像形成材料〉〉保護層を下記樹脂バインダーおよ
び添加剤からなる組成物(硬膜剤を使用の場合)にした
以外は実施例1と同様に画像形成材料を作製及び評価
し、結果を表6に示す。作製した試料No.401とN
o.402の画像形成層膜厚、保護層膜厚及び保護層乾
燥条件は表5に示す。
【0168】 〈保護層〉 フェノキシ樹脂PKHH〔フェノキシアソシエート(株)製〕 1.80部 ポリエステル樹脂〔ユニチカ(株)製、エリーテルUE3690〕 0.90部 ポリエチレンワックス〔興洋化学(株)製:CE−155〕 0.07部 シリコーン樹脂微粒子 〔富士シリシア化学(株)製:サイロホービック200〕 0.07部 ステアリン酸 0.07部 アルミナ〔住友化学(株)製:高純度アルミナHIT60G〕 0.07部 トルエン 58.2部 シクロヘキサノン 38.8部
【0169】
【表5】
【0170】
【表6】
【0171】表5、表6から、本発明の試料は、感度、
露光部の透過濃度、耐摩擦性及び耐フィルムクリーナー
性に優れた試料であることがわかる。更には、本発明の
請求項8記載の発明の構成の試料(硬膜剤を使用の場
合)は、より優れた試料であることがわかる。
【0172】実施例5 試料No.501 〈〈画像形成材料〉〉保護層を下記樹脂バインダーおよ
び添加剤からなる組成物に変えた以外は実施例1と同様
にして表7記載のように画像形成材料を作製及び評価
し、結果を表8に示す。作製した試料No.501の画
像形成層膜厚及び保護層膜厚は表7に示す。
【0173】〈保護層〉下記の樹脂バインダーおよび微
粒子、添加剤からなる組成物を減圧押し出しコーティン
グにより前記画像形成層上に下記処方の保護層液を塗布
した後、60℃で72時間熱硬化した。
【0174】 フェノキシ樹脂〔フェノキシアソシエート(株)製:PKHH〕 1.05部 ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:UE3690〕 1.05部 ポリイソシアネート化合物 〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕 0.75部 ポリエチレンワックス〔興洋化学(株)製:CE−155〕 0.07部 シリコーン樹脂微粒子 〔富士シリシア化学(株)製:サイロホービック200〕 0.07部 着色剤分散物 [御国色素製 MHI−220(分散助剤込みで固形分30%)] 0.50部 トルエン 57.9部 シクロヘキサノン 38.6部
【0175】
【表7】
【0176】
【表8】
【0177】表7、表8から、本発明の試料は、感度、
露光部の透過濃度、耐摩擦性及び耐フィルムクリーナー
性に優れた試料であることがわかる。更には、美観に優
れた試料であることがわかる。
【0178】
【発明の効果】本発明により、画像形成材料の耐久性向
上、特に市場で要求される机やシャーカステンなどの面
に対する擦れや突起物に対する擦れに強く、フィルムク
リーナー耐性があり、且つ画質の劣化や必要露光エネル
ギーの増大による装置の大型化、高価格化を避けられる
画像形成材料及びそれを用いて画像形成する方法を提供
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成材料の一つの態様の模式図で
ある。
【図2】本発明の画像形成材料の別の態様の模式図であ
る。
【図3】本発明の画像形成材料の別の態様の模式図であ
る。
【図4】本発明の図1に示す画像形成材料を用いた画像
形成方法の模式図である。
【図5】本発明の図2に示す画像形成材料を用いた画像
形成方法の模式図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 画像形成層 3 バックコート層 4 保護層 5 支持体 6 画像形成層 7 バックコート層 8 保護層 9 支持体 10 受像層 11 バックコート層 12 高密度エネルギー光 13 保護層下層 14 保護層上層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に画像形成層を有し、該画像形
    成層は露光光源の波長光を吸収できる色材が樹脂バイン
    ダー中に分散され、且つ高密度エネルギー光の露光によ
    りアブレーションを起こす画像形成材料において、該画
    像形成層上に保護層が積層され、該画像形成層の乾燥膜
    厚(d1)と該保護層の乾燥膜厚(d2)がd1<d2
    であることを特徴とする画像形成材料。
  2. 【請求項2】 画像形成層の乾燥膜厚(d1)が0.4
    〜1.0μmであることを特徴とする請求項1記載の画
    像形成材料。
  3. 【請求項3】 保護層の乾燥膜厚(d2)が0.41〜
    2.00μmであることを特徴とする請求項1記載の画
    像形成材料。
  4. 【請求項4】 保護層のバインダーは2種類以上のポリ
    マーを併用することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項記載の画像形成材料。
  5. 【請求項5】 保護層のバインダーはフェノキシ樹脂と
    ポリエステル樹脂を併用することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項記載の画像形成材料。
  6. 【請求項6】 保護層に滑剤を含有することを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1項記載の画像形成材料。
  7. 【請求項7】 保護層に微粒子を含有することを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項記載の画像形成材料。
  8. 【請求項8】 保護層に硬化剤を含有することを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか1項記載の画像形成材料。
  9. 【請求項9】 保護層に着色剤を含有することを特徴と
    する請求項1〜8のいずれか1項記載の画像形成材料。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項記載の画
    像形成材料に高密度エネルギー光を露光することにより
    照射部の支持体と画像形成層との結合力を低下させ、照
    射部の画像形成層を除去することにより画像形成を行う
    ことを特徴とする画像形成方法。
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