JP2000210021A - 酸素吸収性積層フィルムで包装されたコ―ヒ―類 - Google Patents

酸素吸収性積層フィルムで包装されたコ―ヒ―類

Info

Publication number
JP2000210021A
JP2000210021A JP11011413A JP1141399A JP2000210021A JP 2000210021 A JP2000210021 A JP 2000210021A JP 11011413 A JP11011413 A JP 11011413A JP 1141399 A JP1141399 A JP 1141399A JP 2000210021 A JP2000210021 A JP 2000210021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
coffee
absorbing
laminated film
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11011413A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3632478B2 (ja
Inventor
Yuki Miyazawa
結樹 宮沢
Yoshihiro Kobayashi
義浩 小林
Toru Ikeda
徹 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP01141399A priority Critical patent/JP3632478B2/ja
Publication of JP2000210021A publication Critical patent/JP2000210021A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3632478B2 publication Critical patent/JP3632478B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
  • Tea And Coffee (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】コーヒー類の香りおよび風味を長期間維持可能
とする包装方法を提供すること。 【解決手段】少なくとも外側から、酸素バリア層/鉄系
脱酸素剤含有熱可塑性樹脂層/ヒートシール層よりなる
構成であって、該鉄系脱酸素剤が微細な鉄粉とハロゲン
化アルカリ土類金属からなる酸素吸収性積層フィルムを
袋状容器とし、これにコーヒー類が充填・密封されてい
るコーヒー類の密封包装品、さらには充填されるコーヒ
ー類に少量の水が添加して密封されているコーヒー類の
包装品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーヒー類の包装
方法に関する。さらに詳しくは、酸素吸収性能を有する
袋状容器にコーヒー類を充填・密封することにより、長
期間にわたり香りや風味を維持できる包装方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】焙煎後のコーヒー豆、焙煎後のコーヒー
豆を粉砕したレギュラーコーヒー、噴霧または凍結乾燥
後のインスタントコーヒーなどのコーヒー類は、酸素に
晒されると香りや風味が損なわれてしまう。この為、窒
素ガス等の不活性ガス置換包装や真空包装が行われてい
るが、完全に酸素を除去できないために十分な品質劣化
防止の効果が得られない。
【0003】また、特公昭54−438号公報、特公昭
54−441号公報、特公昭54−476号公報などで
開示されている方法では、鉄系脱酸素剤小袋を、コーヒ
ー類と同封・密封し、包装袋中の酸素を除去することが
行われている。しかしながら、消費者は脱酸素剤小袋を
異物混入として製造者にクレームを申し立てたり、脱酸
素剤小袋が破損して内容物を汚染してしまう可能性があ
った。さらに、製品の製造工程において脱酸素剤小袋の
投入工程が余分に必要であるという欠点もあった。
【0004】これを解決するために、脱酸素剤を包装材
料自体に取り入れた技術が、特公昭62−1824号公
報などに開示されている。しかしながら、これらのもの
は酸素吸収能力が優れているとはいえず、酸化による品
質劣化が比較的早いコーヒー類に適用することは難し
い。
【0005】上述のように、コーヒー類の品質保持に適
した包装方法がないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、コー
ヒー類に新規な包装方法を適用し、焙煎直後のコーヒー
豆、該コーヒー豆を粉砕したレギュラーコーヒー、乾燥
直後のインスタントコーヒーなどの香りおよび風味を長
期間維持可能とする包装方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、酸素吸収性積層フ
ィルムからなる袋状容器にコーヒー類を充填し、密封包
装することによりコーヒー類の調製直後の豊かな香りお
よび風味を長期間維持することのできるを見出し、この
ような知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、少なくとも外側か
ら、酸素バリア層/鉄系脱酸素剤含有熱可塑性樹脂層/
ヒートシール層の構成からなる酸素吸収性積層フィルム
であって、該脱酸素剤は微細な鉄粉とハロゲン化アルカ
リ土類金属からなり、その含量が該脱酸素剤含有熱可塑
性樹脂層に用いる熱可塑性樹脂に対して2〜100重量
%である酸素吸収性積層フィルムを袋状容器とし、これ
にコーヒー類が充填・密封されていることを特徴とする
酸素吸収性積層フィルムで包装されたコーヒー類、さら
には充填されるコーヒー類に少量の水を添加して密封さ
れていることを特徴とする酸素吸収性積層フィルムで包
装されたコーヒー類に関する。本発明は、また、このよ
うな包装コーヒー類の包装材料に好ましく使用すること
のできる酸素吸収性積層フィルムおよびこのような積層
フィルムで作成した袋状容器にも関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の酸素吸収性積層フィルムは、少な
くとも外側から、酸素バリア層/鉄系脱酸素剤含有熱可
塑性樹脂層/ヒートシール層よりなる構成である。な
お、フィルムとは概ね200μm以下の厚みである。
【0011】本発明の鉄系脱酸素剤含有熱可塑性樹脂層
(以下、脱酸素層と呼ぶことがある)は、鉄粉とハロゲ
ン化アルカリ土類金属からなる脱酸素剤と熱可塑性樹脂
から形成される。
【0012】用いられる熱可塑性樹脂は、これには特別
の制限はなく、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン類
やエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体などのビニル化合物類を挙げることが
できる。また、この他にも、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル類、6−ナイロン等のポリアミド
類、アクリル酸もしくはアクリル酸エステルとエチレン
の共重合体およびアイオノマー、等を挙げることができ
る。これらのうち、本発明で用いるのに好ましい熱可塑
性樹脂は、脱酸素反応に必要な酸素及び水分の透過性の
点からはポリオレフィン類である。これらの熱可塑性樹
脂は、2種以上を混合して用いても構わない。
【0013】鉄粉の粒径は、特に制限はないが、平均粒
径が7〜20μmで見掛け密度が2.3g/cm以上
のものが好ましく用いられる。鉄粉の種類にも特に制限
はなく、還元鉄粉、噴霧鉄粉等の他、鋳鉄、鋼鉄屑、研
削鉄屑などの粉砕物を用いることができる。
【0014】本発明では、鉄粉の酸化促進剤としてハロ
ゲン化アルカリ土類金属が用いられる。ハロゲン化アル
カリ土類金属としては、各種アルカリ土類金属の塩化
物、臭化物およびヨウ化物を挙げることができるが、安
全性および吸湿性が高く鉄粉の酸化促進効果に優れる塩
化カルシウムおよび塩化マグネシウムが特に好ましい。
これらは、2種以上を混合して用いても構わない。一
方、他の酸化促進剤として塩化ナトリウムや塩化カリウ
ムなどのハロゲン化アルカリ金属が考えられるが、鉄粉
の酸化促進効果が低いため好ましくない。ハロゲン化ア
ルカリ土類金属の添加量は、鉄粉に対して1〜30重量
%であることが好ましい。添加量が1重量%未満では十
分な鉄粉の酸化促進効果が得られず、また、添加量が3
0重量%で酸化促進効果が飽和するため、それ以上添加
しても酸化促進効果は向上しない。
【0015】ハロゲン化アルカリ土類金属は、鉄粉を効
果的に酸化促進するために鉄粉表面にコーティングされ
ることが好ましい。コーティングの方法としては、例え
ば、内部を窒素ガス等の不活性ガスで置換した振動ボー
ルミル等の乾式ミリング装置中に鉄粉とハロゲン化アル
カリ土類金属を投入し、ハロゲン化アルカリ土類金属を
粉砕しつつ鉄粉の表面にコーティングすることが好まし
い。さらに必要に応じて、微粉シリカ、アルミナ、硫酸
カルシウムあるいは硫酸バリウムなどの硫酸塩、炭酸カ
ルシウムあるいは炭酸マクネシムなどの炭酸塩、ポリリ
ン酸ナトリウムあるいはポリリン酸カリウムなどのリン
酸塩、等を脱酸素剤に添加しても構わない。
【0016】熱可塑性樹脂に対する脱酸素剤の添加量
は、要求される酸素吸収能力により適宜選ばれるが、熱
可塑性樹脂に対して、2〜100重量%であることが好
ましい。2重量%未満の場合には、所望の酸素吸収性能
が得られない。また、100重量%を超える場合には、
脱酸素層の加工性や強度が低下したり、脱酸素層の剛性
が高くなり袋状容器への加工が困難になるばかりではな
く、過剰な脱酸素剤による異臭が生じることがあるため
好ましくない。脱酸素層の厚みは、特に制限はないが、
積層フィルムの剛性、取り扱い性などを考慮して、10
〜60μmの範囲が好ましい。
【0017】本発明の酸素バリア層は、これには特別の
制限はないが、アルミニウムなどの金属箔あるいは金属
蒸着膜、アルミナあるいはシリカなどの金属酸化物等を
バリア材として積層した材料が好ましい。
【0018】本発明のヒートシール層は、充填内容物と
脱酸素層を隔離しつつ水分および酸素を透過せしめる透
過性や、袋状容器を形成するための熱接着性が要求され
る。このためヒートシール層には、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン
共重合体、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹
脂や、無水マレイン酸などで変性した酸変性ポリオレフ
ィン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑
性樹脂が好ましい。さらに、ヒートシール層には、酸化
チタンなどのフィラーを添加しても差し支えない。ヒー
トシール層の厚みは、上記の要求を満たす範囲で薄くす
ることが可能であり、5〜50μmが好ましい。
【0019】本発明の酸素吸収性積層フィルムは、少な
くとも外側から、酸素バリア層/鉄系脱酸素剤含有熱可
塑性樹脂層/ヒートシール層より構成されるが、酸素バ
リア層の外側には、ポリエチレンテレフタレートや紙な
どを積層しても構わない。酸素バリア層と脱酸素層との
間に接着層あるいは他の材料を積層することは何ら差し
支えない。
【0020】本発明の酸素吸収性積層フィルムの製造方
法には特別の制限はなく、例えば、酸素バリア層、脱酸
素層およびヒートシール層を接着剤によって積層するド
ライラミネート法や、酸素バリア層とヒートシール層の
間に加熱溶融した脱酸素層を挟み込んで積層する押出サ
ンドイッチラミネーション法や、酸素バリア層の内側に
ポリオレフィン樹脂を積層したものを基材とし、加熱溶
融した脱酸素層およびヒートシール層を共に押し出して
積層する共押出ラミネーション法等を挙げることができ
る。また、酸素バリア層と酸素吸収層との間に、例えば
ナイロンやポリオレフィンなどの樹脂層を介在させても
構わない。
【0021】本発明の酸素吸収性積層フィルムは、三方
あるいは四方シール袋、スタンディングパウチ、ガゼッ
ト袋、スチック状など、内容物を充填後ヒートシールで
きる限りは様々な構成の袋状容器とすることができる。
このような袋状容器の構成には、充填内容物の一部を取
り出した後の残部の内容物の品質劣化を防止するために
ヒートシール帯の内側にチャック機構を設けたものも含
まれる。酸素吸収性積層フィルムは、前述の袋状包装容
器の容壁の全部に用いることができることはもちろん、
必要とされる酸素吸収能力によってはその一部分にもち
いることもできる。
【0022】本発明における袋状容器に充填・密封され
るべきコーヒー類には、焙煎後のコーヒー豆、該コーヒ
ー豆を粉砕したレギュラーコーヒー、レギュラ−コーヒ
ーなどから熱水抽出されたコーヒー液の噴霧または凍結
乾燥後のインスタントコーヒー、等が含まれることがも
ちろんである。この場合、これらは酸素による品質劣化
の生ず前の、好ましくは焙煎直後のコーヒー豆、該コー
ヒー豆を粉砕したレギュラーコーヒー、乾燥直後のイン
スタントコーヒーである。
【0023】さらに、これらのコーヒー類を充填する前
および/または充填と同時に充填物の5重量%以下の水
分を噴霧などの方法により添加して密封することがより
好ましい。これは、添加された水分により脱酸素反応が
促進され、密封容器内の酸素を効率よく除去できるため
である。充填物の5重量%を超える水分を添加した場
合、充填物であるコーヒー類は添加された水によって溶
解、凝集、あるいは固結が生じて好ましくない。また、
コーヒー類を充填・密封する際に、窒素置換を行っても
構わない。窒素置換により容器内の初期酸素濃度が低下
し、よりすばやく容器内の酸素を除去できるために好ま
しいのである。
【0024】本発明の袋状容器の酸素吸収能力は、容器
内に含まれる酸素量よりも大きく、かつ上述のコーヒー
類を充填・密封後、少なくとも24℃で3日以内に容器
内部の酸素濃度を0.1%以下にできるものであること
が好ましい。酸素吸収能力が低いものは、コーヒー類の
品質保持効果が少なく好ましくない。
【0025】本発明の酸素吸収性積層フィルムの袋状容
器に充填・密封されることによって品質劣化の防止され
るものとしては、上述のコーヒー類の他に、紅茶(葉)
類、緑茶(葉)類、烏龍茶(葉)類の乾燥茶葉やその加
工品等も挙げることができる。また、現在、既に緑茶
(葉)の抽出液の乾燥物である粉末緑茶が市販されてお
り、またいわゆる抹茶の他に、中等品の乾燥茶葉と香ば
し味を付けるために煎った米粒とを一緒に挽いたものが
「まるごと緑茶」などの商品名で市販されているが、こ
れらも本発明の酸素吸収性積層フィルムによって包装さ
れることによって品質劣化が同様に防止される。そこ
で、本発明の特許請求の範囲にいうコーヒー類とは、い
わゆるコーヒーの製品のみならず、いわゆる紅茶、緑
茶、烏龍茶などの茶系の製品をも含むものである(広義
のコーヒー類)。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を例示説明する
が、本発明の技術的範囲は実施例に制限されるものでは
ない。
【0027】実施例1 平均粒径10μmの鉄粉100kgに対して20kgの
無水塩化カルシウムと1kgの硫酸バリウムを添加し、
内部を窒素ガスで置換した振動ボールミルを用いてこれ
らの粉砕と鉄粉表面へのコーティングを行い、脱酸素剤
を得た。次に、得られた脱酸素剤を、サイドフィード方
式によりベント付き二軸押出機を用いて鉄粉含有量が2
4重量%になるように低密度ポリエチレンに混合し、脱
酸素層樹脂ペレットを得た。
【0028】通常のドライラミネート法により積層した
ポリエチレンテレフタレート[PET]/アルミニウム箔
[Al箔]に、ポリエチレン[PE]を押し出しラミネート
して積層基材を得た。積層基材に脱酸素層樹脂ペレット
と酸化チタン含有ポリエチレン[PEw]を共押出積層し
て酸素吸収性積層フィルム(A)を得た。この積層フィ
ルムの構成は、以下のようになる:PET(12μm)/A
l箔(7μm)/PE(15μm)/脱酸素層(30μ
m)/PEw(7μm)。
【0029】得られた該積層フィルム(A)を製袋機に
よりガゼット袋(内面積430cm)を作成した。コー
ヒー豆を焙煎後、グラインドしたレギュラーコーヒーを
下記第1表に示した条件にて調製して前記のガゼット袋
に200g充填・密封した。充填・密封直後のヘッドス
ペースは、48mlであり、酸素濃度は20.9%であ
った。
【0030】(容器内の酸素濃度測定)充填・密封後の
サンプルを24℃で保管し、1日および3日後のパウチ
内(ガゼット袋)の酸素濃度をガスクロマトグラフィー
により測定した。結果も第1表に示す。
【0031】(レギュラーコーヒーの官能評価)充填・
密封後のサンプルを24℃で1ヶ月保管後、13人のパ
ネラーを用いて、レギュラーコーヒーの香りおよび風味
について官能評価を行った。この結果も第1表に示す。
なお、評価点は平均点で表示し、グラインド直後のレギ
ュラーコーヒーの評点を5とした。
【0032】実施例2 充填・密封時に窒素置換をした以外は、実施例1におけ
ると同様にレギュラーコーヒーを充填・密封後、容器内
の酸素濃度の測定と官能評価を行った。結果を第1表に
示す。なお、充填・密封直後のヘッドスペースは48m
lであり、酸素濃度は2.0%であった。
【0033】比較例1 通常のドライラミネート法により積層したポリエチレン
テレフタレート[PET]/アルミニウム箔[Al箔]に、
ポリエチレン[PE]を押し出しラミネートして、次の構
成の積層フィルムを得た: PET(12μm)/Al箔(7
μm)/PE(30μm)。
【0034】以下、実施例1におけると同様にレギュラ
ーコーヒーを充填・密封後、容器内の酸素濃度の測定と
官能評価を行った。結果を第1表に示す。なお、充填・
密封直後のヘッドスペースは48mlであり、酸素濃度
は20.9%であった。
【0035】比較例2 窒素置換をした以外は、比較例1におけると同様にレギ
ュラーコーヒーを充填・密封後、容器内の酸素濃度の測
定と官能評価を行った。結果を第1表に示す。なお、充
填・密封直後のヘッドスペースは48mlであり、酸素
濃度は2.0%であった。
【0036】比較例3 無水塩化カルシウムの代わりに塩化ナトリウムを用いた
以外は、実施例1におけると同様にして酸素吸収性積層
フィルム(B)を得た。以下、実施例1におけると同様
にレギュラーコーヒーを充填・密封後、容器内の酸素濃
度の測定と官能評価を行った。結果を第1表に示す。な
お、充填・密封直後のヘッドスペースは48mlであ
り、酸素濃度は20.9%であった。
【0037】比較例4 グラインドしたレギュラーコーヒーに対して、充填時に
8wt%の水分を添加した以外は、実施例1におけると
同様にレギュラーコーヒーを充填・密封後、容器内の酸
素濃度の測定と官能評価を行った。結果を第1表に示
す。なお、充填・密封直後のヘッドスペースは48ml
であり、酸素濃度は20.9%であった。また、官能評
価に用いたサンプルを観察すると、コーヒー液の染み出
しが確認された。
【0038】比較例5 平均粒径10μmの鉄粉100kgに対して、20kg
の無水塩化カルシウムを添加し、内部を窒素ガスで置換
した振動ボールミルを用いてこれらの粉砕と鉄粉表面へ
のコーティングを行い、脱酸素剤を得た。次に、得られ
た脱酸素剤を、サイドフィード方式によりベント付き二
軸押出機を用いて、鉄粉含有量が55重量%(対低密度
ポリエチレン122%)になるように低密度ポリエチレ
ンに混合して脱酸素層樹脂ペレットを得たのち、実施例
1におけると同様に酸素吸収性積層フィルム(C)を得
た。この積層フィルムの構成は、以下のようになる:PE
T(12μm)/Al箔(7μm)/PE(15μm)/脱
酸素層(30μm)/PEw(7μm)。
【0039】得られた該積層フィルム(C)を製袋機に
よりガゼット袋(内面積430cm)を作成した。以
下、実施例1と同様にレギュラーコーヒーを充填・密封
後、容器内の酸素濃度の測定と官能評価を行った。結果
を第1表に示す。なお、充填・密封直後のヘッドスペー
スは48mlであり、酸素濃度は20.9%であった。
【0040】
【表1】
【0041】以上の結果は、本発明の酸素吸収性積層フ
ィルムによるコーヒー類の包装品は製造直後の香りおよ
び風味を長期間維持できることを示している。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、少なくとも外側か
ら、酸素バリア層/鉄系脱酸素剤含有熱可塑性樹脂層/
ヒートシール層よりなる構成であって、該鉄系脱酸素剤
が微細な鉄粉とハロゲン化アルカリ土類金属からなる酸
素吸収性積層フィルムを袋状容器とし、これにコーヒー
類が充填・密封されているコーヒー類の密封包装品、お
よびこのような包装品の作成時に適量の水分を充填の前
および/あるいは充填と同時に添加されたものは、コー
ヒー類調製直後の豊かな香りおよび風味を長期間維持す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の必要最少限の酸素吸収性積層フィルム
の構成図(概念図)を例示する。
【符号の説明】
1 酸素バリア層 2 鉄系脱酸素剤含有熱可塑性樹脂層 3 ヒートシール層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月20日(1999.1.2
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 徹 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味 の素株式会社生産技術研究所内 Fターム(参考) 3E035 AA20 AB01 AB10 BA08 BD02 BD10 CA07 DA02 4B027 FB21 FB22 FC05 FE08 FQ17 4F100 AA06B AB02B AB10 AB33 AK01B AK06 AK42 BA03 BA10A BA10C CA09B DA01 DE01B GB16 GB17 GB23 JB16B JD03A JD14 JL12C YY00B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも外側から、酸素バリア層/鉄系
    脱酸素剤含有熱可塑性樹脂層/ヒートシール層の構成か
    らなる酸素吸収性積層フィルムであって、該脱酸素剤は
    微細な鉄粉とハロゲン化アルカリ土類金属からなり、そ
    の含量が該脱酸素剤含有熱可塑性樹脂層に用いる熱可塑
    性樹脂に対して2〜100重量%であることを特徴とす
    るコーヒー類密封包装用酸素吸収性積層フィルム。
  2. 【請求項2】鉄系脱酸素剤に含まれるハロゲン化アルカ
    リ土類金属が、塩化カルシウムおよび/または塩化マグ
    ネシウムであることを特徴とする請求項1記載のコーヒ
    ー類密封包装用酸素吸収性積層フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のコーヒー類密封
    包装用酸素吸収性積層フィルムを使用して作成されたこ
    とを特徴とするコーヒー類密封包装用袋状容器。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の袋状容器にコーヒー類が
    充填・密封されていることを特徴とする酸素吸収性積層
    フィルムで包装されたコーヒー類。
  5. 【請求項5】焙煎直後のコーヒー豆、該コーヒー豆を粉
    砕したレギュラーコーヒーまたは乾燥直後のインスタン
    トコーヒーを充填する前および/または充填と同時に充
    填物の5重量%以下の水を添加して密封されていること
    を特徴とする請求項4記載の酸素吸収性フィルムで包装
    されたコーヒー類。
  6. 【請求項6】該袋状容器の酸素吸収量が、容器内に含ま
    れる酸素量よりも大きく、かつコーヒー類を充填・密封
    後少なくとも24℃において3日以内で容器内部の酸素
    濃度を0.1%以下にするようにされていることを特徴
    とする請求項4または5記載の酸素吸収性積層フィルム
    で包装されたコーヒー類。
JP01141399A 1999-01-20 1999-01-20 酸素吸収性積層フィルムで包装されたコーヒー類 Expired - Fee Related JP3632478B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01141399A JP3632478B2 (ja) 1999-01-20 1999-01-20 酸素吸収性積層フィルムで包装されたコーヒー類

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01141399A JP3632478B2 (ja) 1999-01-20 1999-01-20 酸素吸収性積層フィルムで包装されたコーヒー類

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000210021A true JP2000210021A (ja) 2000-08-02
JP3632478B2 JP3632478B2 (ja) 2005-03-23

Family

ID=11777360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01141399A Expired - Fee Related JP3632478B2 (ja) 1999-01-20 1999-01-20 酸素吸収性積層フィルムで包装されたコーヒー類

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3632478B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003096818A1 (fr) * 2002-05-15 2003-11-27 Toshiya Shimano Procede de conservation de grains de cafe torrefiees
JP2010089280A (ja) * 2008-10-03 2010-04-22 Ajinomoto Co Inc 酸素吸収積層フィルム及びこれを用いた乾燥食品の風味・香味維持方法
WO2013026426A1 (en) 2011-08-19 2013-02-28 Invos, Spol. S R. O. Packaging film with antioxidant effects

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003096818A1 (fr) * 2002-05-15 2003-11-27 Toshiya Shimano Procede de conservation de grains de cafe torrefiees
JP2010089280A (ja) * 2008-10-03 2010-04-22 Ajinomoto Co Inc 酸素吸収積層フィルム及びこれを用いた乾燥食品の風味・香味維持方法
WO2013026426A1 (en) 2011-08-19 2013-02-28 Invos, Spol. S R. O. Packaging film with antioxidant effects

Also Published As

Publication number Publication date
JP3632478B2 (ja) 2005-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0964046B1 (en) Oxygen absorbing composition, oxygen absorbing resin and preserving method
JP4441195B2 (ja) 脱酸素性蓋材及び脱酸素性密封容器
JP4019339B2 (ja) 炭酸ガス吸収積層体、これを用いた容器及び食品類の保存方法
JP2001105540A (ja) 酸素吸収性多層体及び包装容器
JP3496427B2 (ja) 脱酸素樹脂組成物及びこれを用いた包装材、多層包装材、包装体、又は包装方法
JP2003088344A (ja) 酸素吸収及び炭酸ガス吸収多層体
JP3632478B2 (ja) 酸素吸収性積層フィルムで包装されたコーヒー類
JP3687720B2 (ja) 酸素吸収多層フィルム及び酸素吸収包装容器
JP4196142B2 (ja) 酸素吸収性多層フィルム及び包装容器
JP3460789B2 (ja) 脱酸素性多層フィルム
JP3166817B2 (ja) 脱酸素性多層構造体及びこれよりなる包装体
JP2007030467A (ja) 脱酸素性フィルム
JP2001121652A (ja) 酸素吸収性多層フィルム及び脱酸素性容器
JP3376915B2 (ja) 脱酸素性多層体、これを用いた包装容器、及び食品又は医薬品の保存方法
JP3744266B2 (ja) 鉄系酸素吸収性樹脂組成物及びこれを用いた包装材料・容器
JP2002238521A (ja) 食品の保存方法
JP4139924B2 (ja) 脱酸素性フィルム及びその製造方法
JP2002052655A (ja) 酸素吸収性多層体及びこれを用いた低水分含有物品の保存方法
JP4544377B2 (ja) 酸素吸収性多層体
JP3424734B2 (ja) 脱酸素性包装袋
JP4085218B2 (ja) 脱酸素剤組成物及び保存方法
JP3788057B2 (ja) 脱酸素樹脂組成物、脱酸素包装材料及びこれらを用いる脱酸素容器の乾燥保存方法
JP4492762B2 (ja) 酸素吸収性多層フィルム及び包装容器
JP2000109706A (ja) 鉄系酸素吸収性樹脂組成物及びこれを用いた包装材料・容器
JP2008006635A (ja) 引裂き性に優れる酸素吸収性多層フィルム及び酸素吸収包装容器。

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040708

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040709

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040922

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20041028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120107

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120107

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees