JP2010089280A - 酸素吸収積層フィルム及びこれを用いた乾燥食品の風味・香味維持方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乾燥食品の風味・香味を維持するため、乾燥食品を包装容器内に収納するにあたって取り込まれた酸素を速やか吸収する酸素吸収剤を含む容器を用いて実質的に無酸素状態の環境下を作り出す包装容器及びこれを用いる乾燥食品の風味・香味維持方法を提供する。
【解決手段】酸素欠損酸化セリウムを10乃至60重量%含有する脱酸素剤層の一方の面に順次少なくとも保護層及び酸素バリアー層を、その他方の面にシーラント層を設け、該シーラント層面における7日後の酸素吸収能力が少なくとも0.6ml/100cm2(1atm・23℃)であることを特徴とする酸素吸収積層フィルム及びこれを用いて作成した容器は乾燥食品を密封することで充填時に取り込まれた酸素を吸収し容器内に無酸素環境を作り出し、乾燥食品の風味・香味を維持する。
【選択図】なし

Description

本発明は酸素欠損酸化セリウム及びポリオレフィン系樹脂よりなる脱酸素剤層を含む酸素吸収積層フィルム及びこれを用いた乾燥食品の風味・香味の維持方法に関する。
収納物を容器に収容した後、該容器を密封する際、空気中でこれを行えば収納の際に容器内に空気が取り込まれ、封入される。当然これに伴って一定量の酸素が取り込まれることになる。これにより収納物は混在する酸素に何らかの影響を受ける。収納物の化学的性質によりその影響の程度に差はあるものの、酸素に影響を受けやすい収納物、例えば風味・香味食品では密封後徐々に風味・香味が失われる。これらの食品の保管期間又は流通期間が長ければ長いほど酸化を受けて風味・香味を損なわれ商品価値下げる。したがって、微量の酸素であってもその存在は無視できない。
風味や香味が商品価値を左右するコーヒー、茶、ピーナッツ、海苔、魚節粉末、調味料、乾燥野菜等の乾燥食品は風味や香味を維持することが商品価値及び商品寿命を長く維持する上で重要である。流通過程や商品保存期間中に乾燥食品の劣化や乾燥食品特有の風味や香味の減衰はその包装容器中に存在する酸素が主な原因となる。包装容器に乾燥食品を充填する際に空気中でその作業を行えば当然空気の混入を排除できない。この混入を防ぐために不活性ガス、多くは窒素ガスを用いて空気の混入を防いでいるもののこれとて完全に空気の混入を阻止できないし、実際の生産工程ではこれを実施すれば工程を増やすことになり、生産効率が下がる。
これに対し包装容器内への空気の混入を前提として脱酸素剤層を含む積層包材を用いた包装容器や脱酸素剤の小袋を密封しこれを包装容器内に組み込むことが行われている。
一方、包装パウチを含む包装容器に積層フィルムを用いた包材構成とし、この積層フィルムの一部に脱酸素剤層を用いた包装容器として白粥用の容器があり、白粥が市販されている。この脱酸素剤層には潮解性物質を含む鉄系脱酸素剤を使用されていることが知られている。潮解性物質としては塩化カルシウムが用いられることが多い。白粥は乾燥食品ではないが白粥の包装容器にはこの脱酸素剤を含む積層材が用いられている。脱酸素剤としては通常還元鉄が用いられる。鉄の酸化は水を必要とするため、解性物質を共存させることで鉄の酸素吸収能力を活性化している。この点白粥は商品中に水分を含んでいるのでこの水分がフィルムを通過して潮解性物質に水分を供給し、共存する鉄系脱酸素反応が進み、白粥の風味を長く維持している。
一方、コーヒーやその他の乾燥食品の場合でも容器内に収納するに先立って水又は水蒸気で乾燥食品をある程度湿らせるか、湿度の高い環境に乾燥食品を置くことで乾燥食品環境中の酸素を脱酸素剤層でスムースに吸収可能な状況を作り出していることが知られている。しかしながら乾燥食品に対して脱酸素反応を行わせるためにわざわざ湿度の高い状態に乾燥食品をさらすこと自体が不都合なことである。潮解性物質の水分活性は塩化カルシウム0.3、塩化ナトリウム0.8であるのでこれ以下の水分活性を有する乾燥食品、例えば風味調味料や乾燥菓子には適用できない。乾燥食品の保存は乾燥状態のままで容器内に取り込まれた酸素を除去して風味・香味を維持することが好ましい。
酸素欠損酸化セリウムを脱酸素剤として用いることが開示され、その特徴は潮解物質を含む鉄系脱酸素剤と異なり酸素吸収に当たっては水の介在を必要としない。この酸素欠損酸化セリウムを主にポリエチレン樹脂と混練し、脱酸素剤層としてフィルム化しこれに数種のフィルムを積層して脱酸素剤層を含む積層フィルムが知られている。しかしながらこのフィルムを食品包装容器、特に乾燥食品用包装容器として使用するに当たっての課題やその解決方法についての記載はない。
特開2001−260285 特開平09−266780 特開平10−044333 特開2000−210021 WO2007/069735 WO2008/001745 WO2007/001732 特開2008−173636
本発明は乾燥食品の商品価値に影響を与える環境下に乾燥食品を晒すことは避け、乾燥食品の風味・香味を維持することを目的としており、乾燥食品を包装容器内に収納するにあたって取り込まれた酸素を速やかに減らし、実質的に無酸素状態の環境下を作り出すための包装容器およびこれを用いる乾燥食品の風味・香味維持方法を開発することにある。
本発明の第一は、酸素欠損酸化セリウム及びポリオレフィン系樹脂よりなり該酸素欠損酸化セリウムを10乃至60重量%含有する脱酸素剤層の一方の面に順次少なくとも保護層及び酸素バリアー層を、その他方の面にシーラント層を設け、該シーラント層面における7日後の酸素吸収能力が少なくとも0.6ml/100cm2(1atm・23℃)であることを特徴とする酸素吸収積層フィルムであり、
本発明の第二は、酸素欠損酸化セリウム及びポリオレフィン系樹脂よりなり該酸素欠損酸化セリウムを10乃至60重量%含有する脱酸素剤層の一方の面に順次少なくとも保護層及び酸素バリアー層を、その他方の面にシーラント層を設け、該シーラント層面における7日後の酸素吸収能力が少なくとも0.6ml/100cm2(1atm・23℃)であることを特徴とする酸素吸収積層フィルムのシーラント層を内側にし、その一部をお互いに溶着することにより形成された乾燥食品包装容器であり、
本発明の第三は、酸素欠損酸化セリウム及びポリオレフィン系樹脂よりなり該酸素欠損酸化セリウムを10乃至60重量%含有する脱酸素剤層の一方の面に順次少なくとも保護層及び酸素バリアー層を、その他方の面にシーラント層を設け、該シーラント層面における7日後の酸素吸収能力が少なくとも0.6ml/100cm2(1atm・23℃)であることを特徴とする酸素吸収積層フィルムのシーラント層を内側にして形成された乾燥食品包装容器内に乾燥食品を収納後密封することを特徴とする乾燥食品の風味・香味維持方法であり、
そして本発明の第四は、乾燥食品の水分活性が0.4以下である本発明第三に記載の乾燥食品の風味・香味維持方法である。
乾燥食品包装容器を密封する際に容器内に取り込まれた空気中の酸素による乾燥食品の劣化を防ぐために密封後、室温±3℃以内で7日以内に該酸素を完全除去することで乾燥食品中の風味・香味成分を失うことなく維持することができた。
酸化セリウムの分子式はCeO2であり、酸素吸収する反応式は下記(1)式
CeOx + ((2−x)/2)O2 → CeO2 (1)
で示される。酸素除去剤として使用する場合には酸化セリウム(CeO2)を水素還元して酸素を除去しておく。この場合100%の酸素を除去することはできないので酸素欠損率は50〜12.5%と推定できる。この酸素欠損率が大きければ酸素吸収量が増大する。酸化セリウムの欠損率が一定な酸素欠損酸化セリウムを安定して入手できるのであれば包材設計もより容易になるが、現状では一つ一つロットごとに酸素吸収量を確認する必要がある。この酸素吸収量を確認することが包材設計の第一歩となる。
酸素欠損酸化セリウムが吸収する酸素量は予め原子量と1モルの気体の容積22.4lから計算で求めることができる。例えば100mgの酸素欠損酸化セリウムの酸素吸収量を求めるならば酸素欠損率が50%のとき標準状態で7.5ml、25%のとき3.7ml、12.5%では1.7mlとなる。酸素欠損酸化セリウムは通常ポリオレフィン系の樹脂に混練りされた後ペレット状として入手又は作成することが可能である。ペレット中の酸素欠損酸化セリウムの含有量は10〜60重量%に調節可能である。
一方、容器内への空気中の酸素の混入は乾燥食品を乾燥食品包装容器内に収納する際に発生し、該容器を密封することで酸素が閉じ込められる。この際混入する空気量は製造条件により様々である。空気の混入量は容器の形状や大きさ、収納口の面積により変わってくるので、その都度予め混入する空気量を測定しておき、混入する酸素量を求め、これを除去するために必要な酸素欠損酸化セリウム量を求めておく必要がある。又この収納時に窒素置換しつつ密封作業をする場合には混入する空気は窒素置換しない場合の1/10程度である。この場合に密封後の容器内の脱酸素速度は窒素置換しない場合に比べれば10倍早く、さほど問題なく酸素除去を行うことができる。しかし窒素置換は生産現場で付属装置の取り付けや生産工程の増加が付きまとうことで不利であり、現場によっては実施できない場合もある。
収納物である粉末の乾燥食品を縦18cm、横18cmの三方シールパウチに機械充填する場合,該パウチ口を広げ、粉末の乾燥食品を収納し、密封する。この際取り込まれる空気の量はほぼ40mlである。この時取り込まれる空気量を少なくするために該パウチの両面を物理的に静かに押すことも可能である。より間口の小さいパウチを使用する場合では混入する空気量はより少なくなる。したがって、混入する空気量は10乃至60mlを考慮して包材設計すれば良い。これにより吸収除去すべき酸素量が分かるので、酸素欠損酸化セリウムの酸素欠損率を見極めて必要な酸素欠損酸化セリウム量を計算で求めることができる。詳しく述べると、取り込まれた酸素の吸収除去速度は乾燥食品包装容器の内面積、脱酸素剤層に充填する酸素欠損酸化セリウム量及び酸素欠損酸化セリウムの酸素吸収能力に左右される。乾燥食品包装容器の内面積は製品形態による包材設計でほぼ決まり、これにより乾燥食品を収納時に取り込まれる酸素量が決まる。これで7日以内に酸素を完全吸収するに必要な酸素欠損酸化セリウム量が決まるので、脱酸素剤層中の酸素含有量の決定は乾燥食品包装容器の内面積を基に求めることができる。本発明の乾燥食品の風味・香味を維持する方法において、これを実施するために容器内に取り込まれた空気中の酸素をすばやく取り除いて乾燥食品を酸素に暴露される時間を短時間にとどめることである。このためには酸素吸収速度が課題である。シーラント層面における7日後の酸素吸収能力が少なくとも0.6ml/100cm2(1atm・23℃)であることが必要となる。
乾燥食品包装容器内に取り込まれた酸素は乾燥食品に対して、色々な悪影響を及ぼす。特に乾燥食品の風味・香味に対する影響が大きい。これを防ぐためには混入した酸素を速やかに吸収し、酸素の影響を排除することが好ましい。そのためには封入された直後の酸素量の減衰状態が問題になる。常温において7日以内に酸素を完全に除去することは言うまでもないが、直線的に酸素量が減衰するだけでは不十分である。封入直後の高い状況の酸素濃度を急激に下げることが重要である。急激に酸素濃度を減衰させることは酸素欠損酸化セリウムの酸素吸収能力に左右されるが、その性能は少なくとも1日経過後には酸素濃度が初期濃度から半減することが好ましい。酸素濃度の減衰は存在する酸素の拡散速度に影響されるので、酸素の残存量が少なくなれば乾燥食品包装容器のヘッドスペース中の酸素は希薄になり減衰速度は日を追って鈍くなる。これを繰り返すと酸素濃度0を達成することは計算上難しいことだが、本発明の乾燥食品包装容器を用いれば室温±3℃において7日以内にこれを達成することができ、しかも1日後の酸素濃度は初期濃度のほぼ50%に減少させることができる。高濃度の酸素環境を速やかに低酸素状態の環境に改善し、低酸素の状態も7日以内に無酸素状態にすることができるので、乾燥食品の風味・香味を長期間維持することが可能になった。
乾燥食品を乾燥食品包装容器内に収納する際に混入する酸素を可及的速やかに除去することで、乾燥食品の風味・香味をより良い状態で維持できる。特に香味の強いフレーバー、香味食品等では酸素除去を短時間で行う必要がある。この場合には混入した酸素を可及的速やかに酸素吸収するためには、保管期間の初期1乃至3日間、保管温度を室温より高い環境下で保管すると良い。このように保管すると乾燥食品封入後の乾燥食品包装容器内のヘッドスペースの空気の循環が活発になり、酸素が速やかに吸収される。酸素吸収後は常温で保管することにより、必要によりさらに低い温度で保管することで乾燥食品の風味・香味をより良い状態で保つことができる。
本発明で用いることができる乾燥食品は水分活性0.4以下のものであり、具体的には、米菓類、ナッツ類、お茶の葉・インスタントコーヒー、乾燥風味調味料、サプリメントなどである。ただし、水分活性0.4より大きい食品も利用しうることはいうまでもない。
脱酸素剤層中の酸素欠損酸化セリウムの含有量は10乃至60重量%であり、10重量%より小さくては酸素吸収能力が低く実用的でない。60重量%を超える含有量ではオレフィン系樹脂に酸素欠損酸化セリウムを混練する際、脱酸素剤層フィルムの製造が難しい。脱酸素剤層フィルムの厚さは30乃至60μmが可能であり、酸素吸収面が同じとすると酸素欠損酸化セリウムの含有量とフィルムの厚さの関係は同じ酸素吸収能力を維持するのであればフィルムの厚さを2倍にすれば充填量は1/2で良いことになる。
本発明の酸素欠損酸化セリウムを含む脱酸素剤層のフィルムの製造方法については、特別の制限はなく、例えば、酸素バリアー層、脱酸素層及びヒートシール層を接着剤によって積層するドライラミネート法や、酸素バリアー層とヒートシール層の間に加熱溶融した脱酸素層を挟み込んで積層する押出サンドイッチラミネーション法や、酸素バリアー層の内側にポリオレフィン樹脂を積層したものを基材とし、加熱溶融した脱酸素層およびヒートシール層を共に押し出して積層する共押出ラミネーション法等を挙げることができる。また、酸素バリアー層と脱酸素層との間に、例えばナイロンやポリオレフィンなどの樹脂層を介在させても構わない
酸素欠損酸化セリウムを含む脱酸素剤層のフィルムの構成については、脱酸素剤層よりも外側に少なくとも保護層及び酸素バリアー層を有し、内側にシーラント層を有していればよい。また、蒸着フィルムなどのように、保護層と酸素バリアー層が機能面で両立している場合は、外側が一層でも問題なく、酸素バリアー層の外側に紙などを積層しても構わない。酸素バリアー層と脱酸素層との間に接着層あるいは他の材料を積層することは何ら差し支えない。
以下実施例で本発明を説明するが実施例に限られるものではない。
各種の試験方法を以下に記す。
<容器内の酸素濃度変化測定> 試料を容器内に充填・密封後、容器を23℃(促進試験は43℃)、50RH%で保管し、1日後、3日後、7日後、14日後、及び1ヶ月後に容器内の酸素濃度をジルコニア式酸素濃度測定器(東レ(株)社製)により測定した。
<風味調味料の官能評価> 試料を容器内に充填・密封し、23℃50RH%で1ヶ月保管後、12人のパネラーを用いて、試料の風味調味料の香り、及び風味について官能評価を行なった。なお評価点は、5段階評価とし、コントロール品(脱酸素、かつ5℃保管品)を5点とした場合の比較点として評価した。
<酸素吸収積層フィルムの酸素吸収能力測定> 製袋前の酸素吸収積層フィルムを330cm2切り出し、ハイバリア性の透明袋に密閉収納した。その後、注射器によって空気を120ml注入し、23℃50RH%で保管した。逐次、酸素濃度を蛍光型酸素濃度測定器(Presens社製)により測定し、測定値が一定となった時点で酸素吸収能の終点とし、その酸素濃度から酸素吸収積層フィルムの酸素吸収能力を計算で求めた。
<酸素欠損酸化セリウムを含む脱酸素剤層のフィルム(A)の製造> 平均粒径3μmの酸素欠損酸化セリウムの脱酸素剤をサイドフィーダー方式により二軸押出機を用いて酸素欠損酸化セリウムの含有量が20重量%になるように低密度ポリエチレンに混合し、脱酸素剤層となる樹脂ペレットを得た。通常の押出ラミネートにより、積層基材:ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリエチレン(PE)/アルミニウム箔(Al)/ポリエチレン(PE)を得た。この積層基材に脱酸素剤層の樹脂ペレットとポリエチレン(PE)を窒素雰囲気下において共押出積層し、酸素吸収性積層フィルム(A)を得た。この際、押出後の冷却ロール温度の設定は通常の運転時と同様の25℃とした。作成した該酸素吸収積層フィルムの構成は以下のようになる:PET(12μm)/PE(15μm)/Al(7μm)/PE(15μm)/脱酸素層(30μm)/PE(10μm)。
<試料の調整> 得られた該積層フィルム(A)を西部機械(株)製の製袋機により三方シール袋(内面積:330cm2 15cm x 11cmを作成した。造粒法により製造した風味調味料を前記の三方シール袋に40g充填し密封した。充填・密封直後のヘッドスペースは10mlであり、酸素濃度は20.9%であった。
<ヘッドスペース中の酸素濃度の測定> 前記試験方法に従い、容器内の酸素濃度変化
測定を23℃でおこなった。風味調味料の官能評価を実施した。結果を表1に示した。
Figure 2010089280
試験開始後7日目に密封された乾燥食品包装容器内の酸素は完全に吸収除去され、官能評価結果も良かった。
(比較例1)
通常の押出ラミネートにより、次の構成の積層フィルム(B)を得た:PET(12μm)/PE(15μm)/Al(7μm)/PE(30μm)。以下、実施例1に準拠し風味調味料を充填・密封後、23℃における容器内の酸素濃度変化測定と官能評価、積層フィルムの酸素吸収能力測定を行なった。結果を表1に示す。なお、充填・密封直後のヘッドスペースは10mlであり、酸素濃度は20.9%であった。
(比較例2)
<鉄系脱酸素フィルムを使用した場合> 平均粒径10μmの鉄粉100kgに対し、20kgの無水塩化カルシウムを添加し、内部を窒素ガスで置換した振動ボールミルを用いてこれらの粉砕と鉄粉表面へのコーティングを行ない、脱酸素剤を得た。次に、得られた脱酸素剤を、サイドフィーダー方式によりベント付き二軸押出機を用いて鉄粉含有量が20重量%になるように低密度ポリエチレンに混合し、鉄系脱酸素剤層樹脂ペレットを得た。これを鉄系脱酸素剤層フィルムとして、実施例1における脱酸素剤層を該鉄系脱酸素剤層フィルムとした以外は実施例1に準拠し、酸素吸収性積層フィルム(C)を得た。こ積層フィルムの構成は、以下のようになる:PET(12μm)/PE(15μm)/Al(7μm)/PE(15μm)/鉄粉含有・脱酸素層(30μm)/PE(10μm)。得られた該積層フィルム(C)を製袋機もより四方シール袋(内面積:330cm2)を作成した。実施例1におけると同様に風味調味料を充填し、密封後、容器内の酸素濃度変化測定と官能評価を行なった。結果を表1に示す。なお、充填・密封直後のヘッドスペースは10mlであり、酸素濃度は20.9%であった。
(比較例3)
風味調味料充填と共に水1mlを加えてから密封した以外は比較例2に準拠した。結果を表1に示す。なお、充填・密封直後のヘッドスペースは10mlであり、酸素濃度は20.9%であった。
(比較例4)
実施例1で得た酸素吸収性積層フィルム(A)を一日間空気中に放置した後、これを用いて三方シール袋を作成した。以後風味調味料の充填、各種試験は実施例1に準拠した。結果を表1に示した。なお、充填・密封直後のヘッドスペースは10mlであり、酸素濃度は20.9%であった。酸素吸収能力は0.36ml/cm2であった。
容器内の酸素濃度変化を促進試験(43℃)で測定した以外は実施例1に準拠した。結果を表2に示した。なお、充填・密封直後のヘッドスペースは10mlであり、酸素濃度は20.9%であった。
Figure 2010089280
この結果は試験開始後3日目に密封された乾燥食品包装容器内の酸素は完全に吸収除去され、官能評価結果も良かった。製品の保管期間中の温度が高いと酸素吸収速度も速いことを示しているが、温度による乾燥食品の劣化のおそれが予想される場合には影響のない温度での保管が望ましい。
風味調味料充填時に窒素置換を併用した後三方シール袋の密封を行い、以外は実施例2に準拠した。結果を表2に示した。なお、充填・密封直後のヘッドスペースは10mlであり、酸素濃度は2.0%であった。この結果は試験開始後3日目に三方シール中の酸素は完全に吸収除去され、官能評価結果も良い。
(比較例5)
容器内の酸素濃度変化測定は43℃で行った以外は比較例1に準拠した。風味調味料の官能評価を実施した結果を表2に示した。充填・密封直後のヘッドスペースは10mlであり、酸素濃度は20.9%であった。
(比較例6)
風味調味料を充填時に窒素置換を同時に行った以外は比較例5に準拠した。容器内の酸素濃度変化測定は促進試験の43℃で行った。風味調味料の官能評価を実施し結果を表2に示した。充填・密封直後のヘッドスペースは10mlであり、酸素濃度は2.0%であった。
(比較例7)
容器内の酸素濃度変化測定は促進試験の43℃で行った以外は比較例2に準拠した。結果を表2に示した。充填・密封直後のヘッドスペースは10mlであり、酸素濃度は20.9%であった。
(比較例8)
容器内の酸素濃度変化測定は促進試験の43℃で行った以外は比較例3に準拠した。結果を表2に示した。充填・密封直後のヘッドスペースは10mlであり、酸素濃度は20%であった。
本発明の酸素吸収性積層フィルムは酸素を嫌う性質の乾燥食品の保存容器として特に好んで用いられる。この容器を用いて乾燥食品を密封し保存することで風味・香味を保管中に失うこともなく長期間安定に維持することが可能である。

Claims (4)

  1. 酸素欠損酸化セリウム及びポリオレフィン系樹脂よりなり該酸素欠損酸化セリウムを10乃至60重量%含有する脱酸素剤層の一方の面に順次少なくとも保護層及び酸素バリアー層を、その他方の面にシーラント層を設け、該シーラント層面における7日後の酸素吸収能力が少なくとも0.6ml/100cm2(1atm・23℃)であることを特徴とする酸素吸収積層フィルム。
  2. 酸素欠損酸化セリウム及びポリオレフィン系樹脂よりなり該酸素欠損酸化セリウムを10乃至60重量%含有する脱酸素剤層の一方の面に順次少なくとも保護層及び酸素バリアー層を、その他方の面にシーラント層を設け、該シーラント層面における7日後の酸素吸収能力が少なくとも0.6ml/100cm2(1atm・23℃)であることを特徴とする酸素吸収積層フィルムのシーラント層を内側にし、その一部をお互いに溶着することにより形成された乾燥食品包装容器。
  3. 酸素欠損酸化セリウム及びポリオレフィン系樹脂よりなり該酸素欠損酸化セリウムを10乃至60重量%含有する脱酸素剤層の一方の面に順次少なくとも保護層及び酸素バリアー層を、その他方の面にシーラント層を設け、該シーラント層面における7日後の酸素吸収能力が少なくとも0.6ml/100cm2(1atm・23℃)であることを特徴とする酸素吸収積層フィルムのシーラント層を内側にして形成された乾燥食品包装容器内に乾燥食品を収納後密封することを特徴とする乾燥食品の風味・香味維持方法。
  4. 乾燥食品の水分活性が0.4以下である請求項3記載の乾燥食品の風味・香味維持方法。
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