JP2000210012A - 浅漬の製造方法及び装置 - Google Patents

浅漬の製造方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 添加物を使用することなく、衛生的手法によ
り短期間、かつ低コストで野菜類の浅漬を製造できるよ
うにした、浅漬の製造方法及装置を提供する。 【解決手段】 代表径50mm以下にカットされた野菜類
を56〜60℃に保持した食塩濃度5〜15重量%の温
食塩水の水溶液中に所要時間浸漬後、15℃以下に保持
した食塩濃度1〜10重量%の冷食塩水溶液に浸漬し、
その後液切りする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浅漬の製造方法及
びこれに使用される製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】野菜の漬物のうち、浅漬は、専ら食塩水
に漬込んだ加工食品であり、伝統的手法として一般には
次のように加工している。適度な大きさに切った野菜類
を桶や樽の中に収容し、食塩を加えた状態で重石で加圧
しながら漬込む(塩漬工程)。つけあがったものを洗
浄、圧搾後(塩抜き工程)、調味液と一緒にポリ袋に入
れて出荷する。
【0003】塩漬工程においては、野菜は食塩の浸透圧
と、重石の圧力により細胞組織が死滅し、細胞壁が破壊
されるとともに、酵素の働きが活発化することにより、
野菜は柔軟化して歯切れが良くなると同時に青臭さ、エ
グミが消え、味、香り発色ともに良好となる。
【0004】しかし、塩漬工程は1日〜3日程度の長時
間を要するため、その間に加工野菜にとって腐敗菌など
の有害微生物が増殖する場合があり、必ずしも望ましい
品質のものが得られるとは限らなかった。つまり、従来
の浅漬の製造方法では、長年の経験に基づいた手工業的
な要素が多く、品質の安定したものを短期間、かつ低コ
ストで作ることは出来なかった。また、有害微生物の繁
殖を抑制するためには保存料、味を補うための調味料の
添加が不可欠となっていた。
【0005】近年では、この種の問題を解決するための
方法が種々提案され、一部は特許公報に開示されてい
る。例えば特開平5−68505号公報には、野菜類を
40〜70℃で中間加熱処理する漬物の製造方法が開示
されている。また、特開平6−169690号公報に
は、蒸気で青果物を加熱処理して塩漬の替りにする方法
が開示されている。また、特開平8−289722号公
報には、野菜類を10%から飽和濃度までの食塩水中に
45〜55℃で10〜50分間保持し、次いで調味液中
に漬込む浅漬の製造方法が開示されている。しかしなが
らいずれに記載の製造方法にあっても次に述べる技術課
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】まず、特開平5−68
505号記載の発明においては、食塩は味付け程度に添
加されているものの、積極的に浸透圧差を利用するもの
でなく、また野菜中に含まれる酵素を利用するものでな
いため、製品の食味、食感などは、浅漬とは異なるもの
となる。
【0007】また、特開平6−169690号公報記載
の方法においては、食塩の浸透圧差を利用することは不
可能であり、前記と同様に従来の浅漬とは品質の異なる
ものしかできない。
【0008】また、特開平8−289722号公報記載
の方法においては、45〜55℃の温度では野菜中の酵
素は失活しないが、有害微生物の死滅に対しては不十分
な温度であり、また野菜の細胞壁を壊すためには、長時
間の浸漬が必要となる。また、食塩濃度が高いために後
工程で水洗いが必要となり、風味の低下と栄養素の流出
は避けられない。
【0009】ところで、昔から日本酒の製造に際して
は、約56℃で5〜10分加熱することによる低温殺菌
と、60℃と65℃で2回加熱することによる酵素の失
活を行ってきた。このことは、野菜類を56℃〜60℃
に保持すれば、腐敗菌などは死滅し、酵素の失活も防止
できることを示唆している。
【0010】一方、近年の制御技術の進歩はめざまし
く、56〜60℃の温度帯に食塩水溶液を保持すること
はさして難しいことではない。食塩は温度とともに、細
胞の死滅、細胞壁の破壊など、浅漬には非常に重要な因
子となるが、濃くなりすぎれば後工程での塩抜きが必要
となり、風味、栄養素の喪失につながる。
【0011】さらに加熱により、腐敗菌、中毒菌などを
殺菌したとしても、後の扱いが悪いと、急激に微生物が
増殖する危険性がある。つまり殺菌した食品は速やかに
冷却し、微生物の増殖が抑制される15℃以下、望まし
くは10℃以下にすることが求められる。
【0012】そのためには冷却した水中に投入するのが
一番簡単で効果的である。そのときの水はある程度浸透
圧をもった塩水が好適であり、いずれにしても塩水中で
の冷却は浅漬の品質を安定化させる。
【0013】本発明は、以上の点に着目してなされたも
のであって、その目的は、添加物を使用することなく、
衛生的手法により短時間、かつ低コストで野菜類の浅漬
を製造できるようにした、浅漬の製造方法及びこれに用
いる装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、本発明方法は、代表径50mm以下にカットされた野
菜類を56〜60℃に保持した温食塩水の水溶液中に所
要時間浸漬後、15℃以下に保持した冷食塩水溶液に浸
漬し、その後に液切りすることを特徴とする。
【0015】また本発明方法における温食塩水溶液の食
塩濃度を5〜15重量%とすることが望ましい。さら
に、冷食塩水溶液の食塩濃度を1〜10重量%とするこ
とが望ましい。
【0016】本発明方法が適用される装置は、温塩水槽
と冷塩水槽とを至近距離に配置し、処理する野菜類を人
力または動力により前記温塩水槽に浸漬後直ちに冷塩水
槽に入替え可能な手段を備えてなることを特徴とする。
【0017】同装置において、前記入替え可能な手段
が、野菜類を保持する液体の出入りが自由な籠状の容器
としてなることが望ましい。
【0018】また、前記入替え可能な手段が、野菜類を
挾持して前記温塩水槽と冷塩水槽との間を連続的に移動
する上下二段のネット状コンベアとしてなることが望ま
しい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は
本発明に係る浅漬の製造手順を示している。図におい
て、原料となる野菜は通常漬物に出来る果菜類、根菜
類、葉菜類、果実などいずれにも適用できる。
【0020】まず、原料野菜類は良く洗浄する(STE
P1)。洗浄は手洗浄でも機械洗浄でも良い。大量に処
理できる洗浄機としては水槽に入れ、循環流で洗浄する
もの、エアレーションするもの、コンベア上で移動させ
ながら高圧水を噴射するものなど、多種のものが市販さ
れ、これを利用できる。
【0021】洗浄後の野菜類は、適当な大きさにカット
したり剥皮したりして、下拵えを行う(STEP2)。
このとき品質を安定させるため、ある程度の大きさ、特
に厚みをそろえる必要がある。加熱時間を勘案すると余
り大きなものは望ましくなく、代表径50mm以下、特に
30mm以下が望ましい。
【0022】なお、代表径とは、野菜類が球形の場合は
その直径を、円筒形の場合はその横断面の直径か厚み
を、断面が不定形の場合には、D=4(S/π)の1/
2乗(但し、D=代表径、S=断面積)で表されるもの
とする。
【0023】代表径30mm以下とは、例えばキュウリな
ら丸のまま1本ものを、カブの場合には1/2〜1/4
に分割されたもの、大根なら30〜50mmの輪切りか、
縦に4分割したものに相当する。
【0024】さらに、キャベツは50mm程度の塊が良
く、白菜なら縦に4分割したものが適する。いずれにお
いても伝熱を良好にすることが重要であり、皮を剥くと
か、切れ目を入れることも効果的である。
【0025】以上の前処理を施された野菜類を温食塩水
溶液に浸漬する(STEP3)。温食塩水溶液は56〜
60℃に保った食塩濃度5〜15重量%水溶液が好適で
ある。
【0026】その理由としては、まず温度管理におい
て、56℃を下回ると微生物のコントロールが難しく、
また60℃を上回ると酵素が失活して品質が悪くなるか
らである。
【0027】また食塩濃度が5重量%を下回ると浸漬時
間が長くなり、15重量%を上回ると、塩抜きなどの後
処理が必要となるからである。
【0028】また、浸漬時間は対象野菜によっても多少
異なるが、細胞壁の10〜40%が破壊される浸漬時
間、すなわち細胞壁の90〜60%が残る程度の浸漬時
間がよく、通常は5〜30分である。
【0029】温食塩水溶液に対する浸漬終了後は直ちに
冷食塩水溶液に浸漬する(STEP4)。冷食塩水への
浸漬は暖かくなった野菜を一気に冷却するものであり、
温度は低いほど効果的であるが、15℃以下、望ましく
は10℃以下が良い。
【0030】また、冷食塩水の食塩濃度は味覚上必要な
塩分濃度である1〜10重量%が好ましい。また冷食塩
水溶液中には調味成分、例えばアミノ酸、有機酸、核
酸、糖などを含んでいても良い。浸漬時間は加熱時間と
同程度が熱移動の速度から見て必要であり、5〜30分
程度を要する。
【0031】冷食塩溶液より取出した野菜類は軽く液切
りをする(STEP5)。後述する籠またはネットコン
ベアー上に放置し、自然流下させればよい。液切り工程
を経た浅漬は細断し、ポリ袋に袋詰して冷蔵保管する
(STEP6,7,8)。なお必要により袋詰時に調味
料を添加することもできる。
【0032】以上の工程を経て作られた浅漬は、そのま
ま製品として出荷できるが、これを通常の漬物の原料と
してさらに加工することも可能である。また、本発明で
は、一般的漬物工程中の下漬工程に代替できることも勿
論である。
【0033】次に、本発明に用いられる製造装置を説明
する。図2は回分式浅漬製造装置を示す。この装置1は
二槽式であり、キャスター付きの温塩水槽2と、これと
隣接して配置された同じくキャスター付き冷塩水槽3、
並びに温塩水槽2の背部に配置された両槽2,3の制御
盤4及び両槽2,3内にそれぞれ浸漬される野菜類収納
用の籠5とから概略構成されている。
【0034】温塩水槽2の底部には図示しないが、加熱
用のヒーター及び温度検出用のセンサーが設置され、ま
た上部には槽内温度を均一に保つための、攪拌循環用の
モーターポンプ6が配置されている。
【0035】また、冷塩水槽3の側面には図示しない冷
却コイル及び温度検出用センサーが設置されコンプレッ
サーからの冷媒を蒸発弁を介して循環供給し、また上部
には前記と同様槽内温度を均一に保つための攪拌循環用
のモーターポンプ6が配置されている。
【0036】制御盤4は各槽2,3のタイマー警告機能
及び温度設定機能が内蔵され、その前面に設けたダイア
ルの調整により各槽の設定温度に設定することで、槽内
温度を±2℃の範囲で制御する。また、タイマーを設定
するとそのタイムアップにより警報音、あるいは警告灯
を点滅させて浸漬終了を告知する。
【0037】籠5は両側に一対の把手5aを設けた立方
形枠形状の四周及び底面と上方蓋部に適宜メッシュの金
網を貼ったもので、これの内部に野菜類が収納されて浸
漬される。
【0038】次に以上の装置1を用いた浅漬の製造手順
を図3を用いて説明する。まず(a)に示すように、所
定寸法に裁断した複数の野菜Aを籠5にいれ、(b)に
示すように籠5ごと前述の温度及び食塩水濃度に保たれ
た温塩水槽2内に浸漬し、タイマーをセットする。この
ときは籠5の把手5aがストッパーとして機能し、浸漬
深さが決められる。
【0039】次いで、タイマーのタイムアップ警報に基
づき、(c)に示すように籠5を冷塩水槽3内に移し替
え、タイマーをセットする。次いでタイムアップ警報に
基づき籠5を引上げ、水切した後、(d)に示すよう
に、野菜Aを籠5から取出し、前述のごとく包装及び冷
蔵保存すればよい。
【0040】本装置1は比較的小規模ないし中規模生産
に好適であり、入替え作業のみ人力を必要とするだけ
で、加工条件に精度良く合致した浅漬を得ることが出来
る。
【0041】図4は連続式の浅漬製造装置を示してい
る。この装置10は横長状に形成され、かつヒーターな
どの加熱手段を内部に備えた温塩水槽12とこれに連続
して一体配置された同じく横長状に形成され、かつ内部
に冷媒循環機能を備えた冷塩水槽14と、冷塩水槽14
の側端部前面に配置された制御盤16と、各槽12,1
4の端部及び中央上部及び各槽12、14内に配置され
た複数のガイドローラー受け18に軸受された複数のガ
イドローラー20と、各ガイドローラー20間に無端状
に掛け回されて無端状に移動する上部ネットコンベアー
22、及び下部ネットコンベアー24、ガイドローラー
の一つに軸結されて両ネットコンベアー22,24を同
期して移動させるための図示しない駆動モーターとから
構成されている。
【0042】両ネットコンベアー22,24は、野菜類
をその間に挟み込んで矢印方向に平行移動するもので、
ガイドローラー20にガイドされてまず温塩水槽12の
端部側よりその液面WLの下に平行移動し、次いで各槽1
2,14の中間位置で液面より上に出、さらに冷塩水槽
14の液面WLの下に平行移動し、次いで冷塩水槽14の
側端位置で液面より出るべく各ガイドローラー20の位
置が調整される。
【0043】なお、図においては両ネットコンベアー2
2,24は各ローラー20の接線方向に直線的に描かれ
ているが、実際にはその可撓性により撓みながらソフト
な押圧力により野菜類を包むようにして移動できるよう
になっている。制御盤16は前記と同様に、各槽12,
14の温度制御に加えてネットコンベアー22,24の
移動速度制御を行うものである。
【0044】従って、温塩水槽12端部から下部ネット
コンベアー24上に搬入された野菜類は直ちに上部ネッ
トコンベアー22により挟持された状態で液面WL下に供
給され、設定された搬送速度に応じた浸漬時間分浸漬さ
れ、次いで一旦液面より上部に出された後再び冷塩水槽
14の液面WL下に浸漬され、冷塩水槽14側端部に至る
と再び上部に出され、排出される。
【0045】この構成においては、両槽12、14に対
する浸漬を送り速度に応じて全自動で行うことができ
る。また、例えば両ネットコンベアー12,14の始端
及び終端部に、搬送用ベルトコンベアーなどを連動させ
れば、流れ作業により連続加工が可能となり、大量処理
に好適である。
【0046】なお、図示した各装置は、単なる例示にす
ぎず、本発明は以上の各装置に限定されるものではな
い。
【0047】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。但し本発明
は以下の実施例のみに限定されるものでないことは勿論
である。
【0048】実施例1. 温食塩水・・・1リットルの水に食塩70gを溶解した
食塩濃度6.5重量%の水溶液を温食塩水溶液として5
8±2℃に保持した。 冷食塩水・・・1リットルの水に30gの食塩を溶解し
た食塩濃度2.9重量%水溶液を冷食塩水として2〜6
℃に保持した。
【0049】表1に示す原料野菜を以上の温食塩水に1
5分浸漬し、次いで冷食塩水に15分浸漬した。液切り
は表面を紙タオルで軽く拭き、評価用サンプルとした。
このサンプルの評価を表2に示す
【表1】
【表2】
【0050】なお、表2中、塩分濃度の測定は、試料を
乳鉢ですりつぶし、純水で希釈後、上澄み液中のNa+
を原子吸光光度法で測定し、食塩濃度に換算した。ま
た、表2中の評価は、発色、香味、食味などのパネラー
によるアンケート結果を示す。
【0051】以上の結果、固さや塩分は個々の野菜によ
って異なるものの、共に褐変はなく、青臭さや、エグミ
も抜けていることが確認された。また野菜本来の甘みや
うまみが出ており、低温の浅漬として調味料なしでおい
しく食べられるとの評価を得られた。
【0052】実施例2.白菜とキャベツを3〜5cmの片
に切った原料100gを、1リットル温食塩水(濃度1
5重量%、温度58±2℃)に十分間浸漬し、次いで冷
食塩水(濃度11重量%、温度2〜6℃)に浸漬し、自
然放置5分間したものの食味テストを行った。この結果
は、柔軟で青臭さがなく、十分に漬かっているが、塩分
濃度が濃いため、食味としては辛すぎた。但し、一回水
洗いして強く絞ったものは適度の塩分となり、食用可能
であることも確認された。
【0053】実施例3.1リットルの温食塩水(濃度
9.5重量%、温度58±2℃)と1リットルの冷食塩
水(濃度4.8重量%、温度2〜6℃)に以下の表3に
示す原料野菜をそれぞれ20分間ずつ浸漬し、5分間水
切放置後、評価試験を実施したところ、表4に示す結果
を得られた。
【0054】
【表3】
【表4】 この結果からはよく漬かっており、塩味も適度であり、
変色もなく、新鮮な感じがしたとの評価が得られた。
【0055】実施例4.1リットルの温食塩水(食塩濃
度14.5重量%、温度58±2℃)と、1リットルの
冷食塩水(食塩濃度9.1重量%、温度2〜6℃)に以
下の表5に示す原料野菜をそれぞれ25分ずつ浸漬し、
紙タオルで表面水分をふき取った後、評価試験を実施し
たところ、表6に示す結果を得られた。
【0056】
【表5】
【表6】 この結果から、食塩濃度15重量%、浸漬時間30分以
内、温度56〜60℃の条件下では、漬かりの悪い根菜
類でも十分な浅漬を得られることが確認された。また、
原料野菜の表面積、熱伝導の良否により時間、塩濃度の
選択が必要であることも判明した。
【0057】実施例5.実施例4のサンプルNo. 11の
丸ごとのキュウリ(A)と、従来技法による通常のキュ
ウリの塩漬品(8%の食塩を添加、低温加圧下で24時
間保持したもの)(B)を5mm厚の輪切にして密閉容器
に入れ、3〜8℃に保持された冷蔵庫内に保管し、一般
生菌数の測定を行った。
【0058】測定方法は、サンプルを10倍量の滅菌希
釈水中ですりつぶし、その上澄み液1gを検体とし、各
倍率に希釈したものをペトリフィルム培地(スリーエム
ヘルスケア株式会社製)にて35℃、48時間培養し、
細菌数3点測定し、その平均値を求めた。その結果を図
5に示す。
【0059】この図から、本発明における56〜60℃
の温食塩水溶液中への浸漬は微生物を抑制する。保存料
なしの冷蔵庫保管で一週間以上の貯蔵が可能となり、一
般的な塩漬品の3〜4日に比べて日持ちが大幅に向上す
ることが確認された。
【0060】実施例6.1リットルの温食塩水(食塩濃
度5.7重量%、温度58±2℃)と、1リットルの冷
食塩水(食塩濃度2.0重量%、温度5〜10℃)に以
下の表7に示す洋野菜類をそれぞれ15分間浸漬し、紙
タオルで表面を拭取った後、評価試験を実施したとこ
ろ、表8に示す結果を得られた。
【0061】
【表7】
【表8】 この結果から、全体に塩分が薄く、野菜本来の甘味、う
まみが得られることを確認した。
【0062】なお、以上の洋野菜類については、マヨネ
ーズ、ドレッシングを添加するとサラダ感覚となり、さ
らに味が向上する。さらには、マリネ、ピックルスなど
の中間加工原料としても好適である。
【0063】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明による浅漬の製造方法によれば微生物の増殖を抑制
し、酵素を活発に働かせ、野菜の風味を引出し、かつ栄
養素の損失がない利点がある。加えて、保存料、調味料
が無添加であっても、流通、消費できる製品が可能とな
る。
【0064】一方、処理時間が従来の塩漬工程に比べて
大幅に短縮できるため、装置化が容易であり、コストダ
ウン可能となる。
【0065】さらに本発明の浅漬の製造装置にあって
は、以上の塩漬工程を半自動ないし全自動で行うことが
できるため、小規模ないし中規模生産から大量生産まで
対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浅漬の製造方法の処理手順を示す
流れ図である。
【図2】回分式浅漬製造装置を示す斜視図である。
【図3】(a)〜(d)は同装置を用いた作業手順を示
す説明図である。
【図4】連続式浅漬製造装置を示す三面図である。
【図5】本発明方法と従来方法により作られたキュウリ
の浅漬の保存日数と細菌の増殖度合を比較したグラフで
ある。
【符号の説明】
1,10 浅漬製造装置 2,12 温塩水槽 3,14 冷塩水槽 5 籠 22,24 ネットコンベアー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 代表径50mm以下にカットされた野菜類
    を56〜60℃に保持した温食塩水の水溶液中に所要時
    間浸漬後、15℃以下に保持した冷食塩水溶液に浸漬
    し、その後に液切りすることを特徴とする浅漬の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 温食塩水溶液の食塩濃度を5〜15重量
    %としてなることを特徴とする請求項1記載の浅漬の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 冷食塩水溶液の食塩濃度を1〜10重量
    %としてなることを特徴とする請求項1または2記載の
    浅漬の製造方法。
  4. 【請求項4】 温塩水槽と冷塩水槽とを至近距離に配置
    し、処理する野菜類を人力または動力により前記温塩水
    槽に浸漬後直ちに冷塩水槽に入替え可能な手段を備えて
    なることを特徴とする浅漬の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記入替え可能な手段が、野菜類を保持
    する液体の出入りが自由な籠状の容器としてなることを
    特徴とする請求項4記載の浅漬の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記入替え可能な手段が、野菜類を挾持
    して前記温塩水槽と冷塩水槽との間を連続的に移動する
    上下二段のネット状コンベアとしてなることを特徴とす
    る請求項4記載の浅漬の製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017148062A (ja) * 2013-08-29 2017-08-31 イーラブ インコーポレイテッドElab Inc. 低塩キムチの製造システム

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