JP3027811B1 - 冷凍揚げ茄子及び冷凍焼き茄子の製造方法 - Google Patents

冷凍揚げ茄子及び冷凍焼き茄子の製造方法

Info

Publication number
JP3027811B1
JP3027811B1 JP31753498A JP31753498A JP3027811B1 JP 3027811 B1 JP3027811 B1 JP 3027811B1 JP 31753498 A JP31753498 A JP 31753498A JP 31753498 A JP31753498 A JP 31753498A JP 3027811 B1 JP3027811 B1 JP 3027811B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eggplant
frozen
fried
freezing
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31753498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000139393A (ja
Inventor
浩 山内
Original Assignee
東映フーズ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東映フーズ株式会社 filed Critical 東映フーズ株式会社
Priority to JP31753498A priority Critical patent/JP3027811B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3027811B1 publication Critical patent/JP3027811B1/ja
Publication of JP2000139393A publication Critical patent/JP2000139393A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

【要約】 【課題】衛生的であって食感、風味、旨味に優れると共
に、手間をかけることがなく、調理が簡単である冷凍揚
げ茄子及び冷凍焼き茄子の製造方法に関するものであ
る。 【解決手段】冷凍揚げ茄子にあっては、四次にわたって
原材料の茄子を洗浄し、切断する。水切りした茄子を所
望の温度と時間の設定下で油揚げして、芯まで火が通っ
た揚げ茄子を得、急速冷凍機の冷気を利用して管理品温
まで予冷した後、液体窒素ガスの噴射によって予冷後の
茄子を短時間に冷凍する。冷凍焼き茄子にあっては、洗
浄工程、予冷工程、冷凍工程を冷凍揚げ茄子と同様な条
件下で行い、焼き機に入れる前に加熱による破裂を防ぐ
ため、茄子表面に小孔を形成し、遠赤外線による照射に
よって茄子の芯まで焼きの入ったものとし、炭火で焼き
茄子の風味を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弁当、給食、レス
トラン、ホテル、料亭や一般消費者等に大量に供給で
き、しかも食用として茄子の新鮮度を損なうことなく、
食感、風味、旨味に優れた冷凍揚げ茄子及び冷凍焼き茄
子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食品の長期保存方法として食品を冷凍す
る方法は、従来から周知の技術である。自然の冷気を利
用する昔からの技術のほか、近時では急速冷凍機を使用
した食品の冷凍方法が多く行われている。現在では、対
象となる食品は水産物、畜産物、農産物等多種にわたる
が、特に、野菜の冷凍保存はその新鮮度を保持すること
が肝要であり、食感、風味、旨味を保持することが要求
される。
【0003】野菜の内、茄子は古くから日本人の食卓に
も馴染みがあり、又、中華、西洋料理においても多く使
用される野菜の一種であり、冷凍茄子の製造方法も種々
開発されている。この冷凍の目的は茄子の品質を変える
ことなく、長時間保存することにあり、この冷凍茄子に
は揚げ茄子と焼き茄子の二種類がある。しかし、茄子は
品質劣化の早い農産物であり、特に、茄子の生命である
表皮の茄子紺色を保持するためには、揚げ茄子では短時
間で高温で油揚げすることが必要である。その製造方法
は大別して原材料である茄子を洗浄する工程、料理目的
に合わせて茄子を種々の形状とする切断工程、湯揚げ又
は焼き茄子にあっては焼き工程、予冷工程及び最後に冷
凍工程とに分別することができる。この従来使用されて
きた揚げ茄子及び焼き茄子の製造方法には、以下に述べ
るような問題点があった。
【0004】従来の揚げ茄子及び焼き茄子の製造方法の
問題点を便宜上工程別に説明する。 (1)洗浄工程 流水による洗浄であるが、通常、一回
から二回の洗浄のみであるので、茄子に付着した異物、
土壌菌等が付着した状態のままであり、茄子本来の風味
を損なう他、衛生上にも問題があった。更に、洗浄不足
によって茄子の果肉が褐色化して鮮度が落ち、表皮部分
も色落ちして見た目にも悪く、食感、風味や旨味に欠け
る原因ともなっていた。 (2)切断工程 揚げ茄子においては、従来では、単に
食用に便になるように小片に切断していたに過ぎず、使
用目的(料理の種類)に応じて茄子を切断することがな
く、料理の種類によっては食をそそられない欠点も有し
ていた。又、切断後には次の湯揚げ又は焼き工程に入る
ので、その間に茄子の表皮、果肉共に褐色化してしま
い、鮮度が更に落ちる問題も有していた。 (3)湯揚げ又は焼き工程 多くは大豆油を使用し、通
常の油揚げの鍋に茄子を入れ網ですくって油揚げするの
で、油の含有量が多くて(14%以上)油ぽっく、手作
業であるため、製品の仕上げにバラツキがあり、又、酸
化しやすい問題があった。又、焼き茄子では、茄子の表
面をガス又は炭火で焼くので、茄子本体の芯にまで火が
通らないことが多く、旨味に欠ける問題があった。そし
て、焼成後の皮剥きは水を使用して行うので、製品が水
っぽくなり、同じく食感、風味、旨味に欠ける問題もあ
った。 (4)予冷工程 従来の予冷は湯揚げ茄子又は焼き茄子
では、自然冷却によって常温まで温度を下げるようにし
たので、冷却時間がながく、鮮度が落ち褐変し易い問題
があった。 (5)冷凍工程 空気冷凍法、エアブラスト冷凍法等が
あるが、空気冷凍法は−20〜35°Cの低温室内に食
品を置いて冷凍するが、構造が簡単で安価であるが、凍
結時間は2時間程時間がかかり、細胞破壊等による品質
の劣化を招き易いと共に、揚げ茄子では解凍時にはドリ
ップ(茄子細胞液の流出)が多くなり、食感を損なう問
題があった。エアブラスト冷凍法は−30〜40°Cの
冷気を食品に吹きつけて冷凍する方法で、現在日本で最
も広く普及している。空気冷凍法に比べて冷凍に要する
時間が短いので、品質を損なう虞は少ないが、製品が乾
燥し易い欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は前述した問
題点を解消するためになされたものであり、鋭意研究の
結果、短時間の冷凍作業を可能にし、もって茄子の細胞
を必要以上に破壊することなく新鮮度を保持して食感、
風味、旨味に優れ、仕上がりも美麗であると共に、非常
に衛生的であって高品質かつ大量生産が可能であり、こ
の種茄子にとって重要なポイントである解凍した時に如
何に生から作ったものに近く、新鮮度を保持して製品を
仕上げることができるかの問題を解消した冷凍揚げ茄子
及び冷凍焼き茄子の製造方法を提供することを目的とし
て開発したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記のよう
な問題点を解決するため、揚げ茄子では、原材料である
茄子をそのヘタ部分を切除後又は非切除後に第一次(茄
子に付着した汚泥や異物の除去)、第二次(第一次洗浄
で付着している汚泥や異物の除去)、第三次(1%の塩
素溶液中に茄子を浸漬して土壌菌、雑菌の有効除菌)及
び第四次(水槽内の回転軸に設けた攪拌板の回転によっ
て第三次洗浄で残っている塩素臭の除去)にわたって洗
浄する工程、洗浄された前記茄子を使用目的に応じて乱
切り、ハーフカット、半月切り等の種々の形状に切断す
る工程、切断された直後に前記茄子を洗浄水又は塩水に
浸漬する工程、水切りした前記茄子を大豆油50%、パ
ーム油50%、油温190°C、揚げ時間30秒、中心
温度80°Cの条件下で油揚げする工程、この油揚げし
た茄子を急速冷凍機の冷気を利用して凍結方法及び製品
の加工仕様(前記した乱切り,ハーフカット等)によっ
て異なる管理品温(良好な最終製品を得るために,予
冷,凍結の各工程を通過する時の適温を言う)までに予
冷する工程、予冷した茄子を急速冷凍する工程とからな
ることを特徴とし、食する場合は自然解凍、電子レン
ジ、湯洗或いは再油揚げ等により、解凍の上、他の具と
共に和洋、中華味を加えてそのまま盛りつけるものであ
る。
【0007】又、揚げ茄子では、原材料である茄子は特
殊加工をする小茄子の原料を別とし、ヘタ部分を切除後
に洗浄することを特徴とし、焼き茄子では、原材料であ
る茄子はヘタ部分を残存し、ヘタ部分下方の周縁の垂下
部分を切除後に洗浄することを特徴とし、ヘタ、茎の処
理に工夫をこらしている。
【0008】前記油揚げ工程は、水切りした前記茄子を
大豆油50%、パーム油50%、油温190°C、揚げ
時間30秒、中心温度80°Cの条件下で行うことが基
本的加工方法とする。
【0009】冷凍焼き茄子では、原材料である茄子はヘ
タ部分を残存し、ヘタ部分下方の周縁の垂下部分を切除
後に第一次(茄子に付着した汚泥や異物の除去)、第二
次(第一次洗浄で付着している汚泥や異物の除去)、第
三次(1%の塩素溶液中に茄子を浸漬して土壌菌、雑菌
の有効除菌)及び第四次(水槽内の回転軸に設けた攪拌
板の回転によって第三次洗浄で残っている塩素臭の除
去)にわたって洗浄する工程、前記茄子の表面に適宜数
の小孔を形成する工程、前記茄子を遠赤外線により焦げ
目が付くまで焼き、その後、炭火で炭焼きの風味を付加
する工程、焼成後の茄子の皮を剥離する工程、前記焼成
した茄子を急速冷凍機の冷気を利用して管理品温までに
予冷する工程、予冷した茄子を急速冷凍する工程からな
ることを特徴としている。
【0010】原材料である茄子はヘタ部分を残存し、ヘ
タ部分下方の周縁の垂下部分を切除後に洗浄することを
特徴とし、茄子本体の計上を維持することにより、商品
価値を大としている。
【0011】揚げ茄子及び焼き茄子共に、前記予冷工程
は、急速冷凍機の冷気を利用して管理品温まで予冷する
ようにしたことを特徴とし、冷却時間を短縮し、衛生的
なものとしている。
【0012】揚げ茄子及び焼き茄子共に、前記急速冷凍
工程は、急速冷凍機内の搬送ベルト上の茄子を液体窒素
ガスを噴射して急速冷凍することを特徴とし、短時間の
冷却を可能とし、仕上がりが良くて食感、風味、旨味に
優れたものを提供できる。
【0013】
【実施例】以下に、本願発明に係る冷凍揚げ茄子の製造
方法について、便宜上、製造工程を区分して説明する。 1.洗浄工程 洗浄工程に入る前に高品質の製品を作るために、高品質
の茄子を確保することが最も重要な基本的条件である。
本出願人は、施肥方法、除菌、防虫のための農薬を徹底
的に管理し、茄子紺を得るための条件としての太陽光線
を当てるための摘花、摘葉、反当たり収穫を増やすため
の作付け、灌漑方法等を鋭意研究した。そして、栽培地
で早朝、夕方に収穫された原料は、収穫地で第一次選別
し、腐ったもの、虫食いのあるもの、傷のひどいのも
の、変色したもの等を除去し、その後、午後4時から1
1時の間に収穫した茄子を工場に搬入した。収穫地が遠
隔地にある場合は、原料の鮮度保持のため、5°Cの保
冷車で運搬し、高温による品質劣化を防ぐようにした。
最後に、工場に搬入された原材料である茄子は、再度、
選別の上、虫食いのあるもの、傷のあるもの、色ぼけし
たもの等を除去し、加工目的に合わせてサイズ別、重量
別に区分けした。早朝、夕方時の収穫は熱による品質劣
化の防止を目的とし、選別作業は高品質の茄子を得るた
めである。次に、洗浄作業に入る前に常法により特別規
格の商品を除き、茎を3〜5mmを残して、ヘタ部分を
切除した。この作業は揚げ茄子の調理目的に合わせた素
材を作るためカットを容易にして商品価値を与えるため
である。そして、洗浄工程は本実施例では四次にわたっ
て行った。本願発明の特徴の一つはこの洗浄工程にあ
る。即ち、従来では一次乃至二次の洗浄で終わっている
が、異物や土壌菌等の除去が完全とはいえないものであ
った。先ず、第一次洗浄では、水槽内に入れた茄子を水
道水の流出等による流水で洗浄し、付着した汚泥や異物
を除去する。そして、第二次洗浄では同じく流水によっ
て更に洗浄を施す。これによって、第一次洗浄で残存し
ている汚泥や異物を除去する。次に、第三次洗浄では、
1%の塩素溶液中に茄子を浸漬する。この洗浄作業で
は、第二次洗浄で洗浄された茄子を搬送コンベアを配設
した塩素溶液の水槽内で循環させて洗浄した。この洗浄
では、土壌菌、雑菌の有効滅菌を行うことができた。最
後に、第四次洗浄では、水槽内の回転軸に設けた攪拌板
の回転によって茄子を攪拌させ、第三次洗浄で残ってい
る塩素臭を除去し、最終的に流水による洗浄を行った。
【0014】2.切断工程 上記のように洗浄された茄子は、使用目的(料理目的)
に合わせて種々の形状に切断した。この切断工程に入る
前に使用目的に合わせた形状に切断するために、個別に
重量を計量した。この細断による形状は種々のものがあ
るが、例えば、(1)乱切り(12±4g/切、9±3
g/切で、マーボ料理に好適)、(2)ハーフカット
(茄子を長手方向に半分に切る)、(3)半月切り(茄
子をその長手方向に半分に切断したものを厚さ10mm
に切る)、(4)輪切り(茄子を短手方向に5mm、1
0mm、20mm、25mm等の間隔で切断し、コイン
状の形状に形成した)。(5)扇形切り(茄子の長手方
向に4分の1づつに切断し、厚さ15mmや80mm等
とした)、(6)櫛形切り(茄子の長手方向に8分の1
づつに切断し、厚さ100mm等とした)。以上の形状
の重量は60〜100gで、茄子の長さは略12〜15
cmとした。又、小茄子と呼ばれる小型の茄子は、茎及
びヘタ部分を残した後、下記のような形状に切断され
る。(7)鹿の子目入り(茄子の表面に斜めに交差する
切れ目を3本形成する)、(8)尾びれカット(茄子の
先端を4〜5等分する)、(9)茶筅カット(ヘタ及び
先端を残してその長手方向に12本の切れ目を形成し、
油揚げした後にひねり、茶筅形状とする)、(10)ひ
すい(油揚げした後、表皮を剥離する)、(11)扇
(長手方向に半切りした茄子の先端を7等分し、包丁の
ヘラ部分で扇状に開き、天ぷら粒をつけて油揚げす
る)。この小茄子の長さは略5〜7cmとした。この切
断作業は種々の形状の茄子を作ることにより、料理目的
に合致した商品価値を高めるためである。
【0015】3.浸漬工程 茄子は刃物による切断と同時に褐色変が始まるため、商
品価値が失われ易いので、上記切断後は直ちに流水又は
1%の塩水(回流)に浸漬した。この浸漬作業によっ
て、表皮の褐変化を防ぐと共に、切断面に酸素との結合
を減少させることによって、果肉の酸素による褐変化を
減少させ、自然色を保持できるようにした。
【0016】4.油揚げ工程 油揚げ工程の前に油のハネを防ぐために十分に水切りを
行った後、この水切りした茄子を大豆油50%、パーム
油50%の割合でオートフライヤーで所望の温度と時間
を設定し、油揚げを行った。本実施例では、油温190
°C、揚げ時間30秒、中心油温80°C以上を基本と
して油揚げを行った。又、前記した小茄子の鹿の子目入
り、尾びれカット、茶筅カット及びひすいについては、
油温190°C、揚げ時間180秒、中心油温80°C
以上として油揚げを行った。又、扇については、油温を
160°Cに設定することが好適であり、その他の条件
は前記した子茄子と同じ条件下で油揚げした。しかし
て、従来の大豆油のみの油揚げでは、茄子の酸化が早い
ので、パーム油を加えることによって早期に酸化しない
効果を与えることができた。この油揚げ作業によれば、
短時間の揚げであるので、表皮の褐色化を極力防止し、
果肉の色を限りなく生鮮に近い色に保持することができ
ると共に、油温の適宜な調整によって茄子の中心まで火
力が通って食感、風味、旨味が増した製品とすることが
可能となった。加えて、油揚げによって土壌菌等の菌が
完全に殺菌された。この油揚げは顧客の加工仕様に応じ
て油の比率、油温、揚げ時間等を適宜調整することも自
由である。尚、油揚げに際し、従来のマニュアルフライ
ヤーで行っても良く、オートフライヤーによる油揚げは
本願発明の必須要件ではない。
【0017】5.予冷工程 この予冷工程は上記油揚げされた茄子を管理品温まで冷
却し、凍結時間を短縮させる目的を有する。即ち、液体
窒素ガスによる急速凍結機の余剰冷気を利用して行うも
のである。急速凍結機(液体窒素ガスの噴射)と予冷機
とを連結管で連通すると共に、急速凍結機と予冷機内に
設けた搬送ベルトを接続させた状態とする。そして、予
冷機の搬送ベルト上の前記油揚げした茄子に急速凍結機
と予冷機間に設けた連結管を介して冷却空気を送り込
み、管理品温まで温度を下げた。ここで、管理品温と
は、良好な最終製品を得るために、予冷、凍結の各工程
を通過する時の適温を言う。この管理品温は凍結方法及
び製品の加工仕様によって異なる。ここで、下表は前記
した種々の形状に切断された油揚げされた茄子の管理品
温と予冷後の温度を示す。
【0018】
【表1】
【0019】6.冷凍工程 予冷機内で予冷された茄子を搬送ベルトを介して急速冷
却機に送り込み、搬送ベルト上の茄子に液体窒素ガスを
噴射させて凍結させた。凍結条件は通常の凍結温度は−
196°Cであるが、本願発明では凍結温度を−80〜
−110°Cに設定し、中心温度は−10〜−15°C
であり、氷結晶時間は略2〜3分であり、凍結完了時間
は予冷を含めて15分であった。この凍結方法によれ
ば、凍結による氷結晶そのものが小さく、茄子の細胞液
を破壊する虞がなく、解凍後のドリップ(茄子の細胞液
の流出)が少なく、食感、風味を損なうことがなくて仕
上がりが良く又、製品の劣化も遅くなる利点がある。冷
凍時間が長い場合は、氷結晶が大きくなって茄子の細胞
膜を破壊しやすく、ドリップの流出が大となって食感、
風味を損なう。従来の自然冷却、エアブラスト法その他
の方法では、氷結晶時間が長い(40〜250分)ので
前記した欠点を有する。このようにして本願発明による
液体窒素ガスによる冷凍方法によれば、製品の高品質化
を図ることが可能となった。下表は前記した各種の茄子
について、凍結前の温度と凍結温度を示す。
【0020】
【表2】
【0021】上記のようにして、凍結された茄子製品は
常法により身割れ、変形、変色等の規格に外れたものを
除去、選別した。次に、指定の包装袋(材質、数量を記
載)に包装し、賞味期限を印字する作業を行う。更に、
金属探知機で鉄分等の金属片の探知を行い、金属片の混
入を防止する。そして、箱詰めをして保管温度−23°
Cの保冷庫で保存の上、−18°C以下の条件で冷凍コ
ンテナで出荷するものである。
【0022】本願発明による冷凍揚げ茄子を従来の揚げ
茄子と比較したドリップの流出状況、表皮の色(外
観)、味、香りについては、下表の通りである(以下、
日本生活協同組合連合会 商品検査センターの検査によ
る)。
【0023】
【表3】
【0024】又、本願発明による冷凍揚げ茄子の栄養成
分(100g中)は下表の通りである。
【0025】
【表4】
【0026】本願発明による冷凍揚げ茄子の農薬成分の
検査結果は下表の通りである。
【0027】
【表5】
【0028】本願発明による冷凍揚げ茄子の菌の検査結
果は下表の通りである。
【0029】
【表6】
【0030】
【実施例】次に、本願発明に係る冷凍焼き茄子の製造方
法の一実施例を説明する。冷凍焼き茄子の製造方法は前
記した冷凍揚げ茄子の製造方法と共通する工程を有す
る。即ち、洗浄工程の前の原料の選別、四次にわたる洗
浄工程、予冷工程及び冷凍工程は共通する工程であるの
で、詳細な説明は省略する。
【0031】1.洗浄工程 洗浄工程は揚げ茄子と同様に四次にわたる洗浄を行っ
た。そして、この洗浄の前に揚げ茄子では、洗浄前に茄
子のヘタ部分を切除したが、焼き茄子では茎の部分を長
さ3〜5mmを残して切除すると共に、ヘタ部分下方周
縁の垂下部分(葉っぱ形状のもの)のみを切除した。こ
れは焼き茄子としての形状の特徴を保持するためであ
る。
【0032】2.茄子の表面に適宜数の小孔を形成する
工程 揚げ茄子と同様に四次にわたって洗浄を施し、異物、雑
菌の除去を行った後、焼き工程に入るが、その前に千枚
通しによって原材料である茄子の表面に適宜数の小孔を
形成した。この小孔の形成作業は茄子を焼いた際に、熱
膨張による破裂を防止するためであり、選別された高品
質な茄子の品質を保持するためである。
【0033】3.焼き工程 茄子の焼成は遠赤外線によって行った。熱源をガスとし
て遠赤外線焼き機内に配設した搬送コンベア上に載置し
た茄子をその上下方向から遠赤外線を照射し、焦げ目が
つくまで焼いた。茄子の大きさにより搬送ベルト、熱源
を上下動させ一定の焼き上がりを確保した。この焼成条
件は表面温度100°C、中心温度100°Cを基本と
して行った。この遠赤外線による焼成では、遠赤外線が
茄子に吸収されると、遠赤外線の作用により茄子物質内
の熱運動が励起され温度が上昇する。従って、茄子の中
心まで熱が通り、固さのない柔らかくて美味な焼き茄子
を得ることができた。同時に炭火で焼いた後、炭火の上
にローラーで茄子を搬送しながら炭焼きの風味を付加し
た。
【0034】4.表皮の剥離工程 焼成後の茄子はその表皮をピンセットで一個づつその表
皮を剥離した。この剥離作業は焼き茄子の皮剥きの手間
を省くためである。
【0035】5.予冷及び冷凍工程 前記したように、予冷及び冷凍工程は揚げ茄子の場合と
同様な工程を経て冷凍焼き茄子を得た。下表に予冷工程
における管理品温と予冷後の温度、及び凍結前の温度と
凍結温度を示す。
【0036】
【表7】
【0037】最後に、事後処理として包装、金属探知機
による検査、箱詰め、保管等の作業は揚げ茄子の場合と
同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0038】本願発明による冷凍焼き茄子を従来の焼き
茄子と比較した外観、表皮剥離後の表面、味、香りにつ
いては、下表の通りである。
【0039】
【表8】
【0040】又、本願発明による冷凍焼き茄子の栄養成
分(100g中)は下表の通りである。
【0041】
【表9】
【0042】本願発明による冷凍焼き茄子の細菌の検査
結果は下表の通りである。尚、冷凍焼き茄子の農薬成分
は前記した冷凍揚げ茄子の農薬成分と同じであった。
【0043】
【表10】
【0044】
【発明の効果】本願発明は前述した通りであるので、短
時間の冷凍作業を可能にし、もって茄子の細胞を必要以
上に破壊することなく表皮の褐色化を防止して新鮮度を
保持できると共に、食感、風味、旨味に優れ、仕上がり
も美麗であると共に、非常に衛生的であり、高品質かつ
大量生産が可能な冷凍揚げ茄子及び冷凍焼き茄子の製造
方法を提供するできる効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23B 7/00 - 7/06 A23L 1/212 A23N 12/02 - 12/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原材料である茄子をそのヘタ部分を切除
    後又は非切除後に第一次(茄子に付着した汚泥や異物の
    除去)、第二次(第一次洗浄で付着している汚泥や異物
    の除去)、第三次(1%の塩素溶液中に茄子を浸漬して
    土壌菌、雑菌の有効除菌)及び第四次(水槽内の回転軸
    に設けた攪拌板の回転によって第三次洗浄で残っている
    塩素臭の除去)にわたって洗浄する工程、洗浄された前
    記茄子を使用目的に応じて乱切り、ハ−フカット、半月
    切り等の種々の形状に切断する工程、切断された直後に
    前記茄子を洗浄水又は塩水に浸漬する工程、水切りした
    前記茄子を大豆油50%、パーム油50%、油温190
    °C、揚げ時間30秒、中心温度80°Cの条件下で
    揚げする工程、この油揚げした茄子を急速冷凍機の冷気
    を利用して凍結方法及び製品の加工仕様(前記した乱切
    り,ハーフカット等)によって異なる管理品温(良好な
    最終製品を得るために,予冷,凍結の各工程を通過する
    時の適温を言う)までに予冷する工程、予冷した茄子を
    急速冷凍する工程とからなることを特徴とする冷凍揚げ
    茄子の製造方法。
  2. 【請求項2】 原材料である茄子はヘタ部分を残存し、
    ヘタ部分下方の周縁の垂下部分を切除後に第一次(茄子
    に付着した汚泥や異物の除去)、第二次(第一次洗浄で
    付着している汚泥や異物の除去)、第三次(1%の塩素
    溶液中に茄子を浸漬して土壌菌、雑菌の有効除菌)及び
    第四次(水槽内の回転軸に設けた攪拌板の回転によって
    第三次洗浄で残っている塩素臭の除去)にわたって洗浄
    する工程、前記茄子の表面に適宜数の小孔を形成する工
    程、前記茄子を遠赤外線により焦げ目が付くまで焼き、
    その後、炭火で炭焼きの風味を付加する工程、焼成後の
    茄子の皮を剥離する工程、前記焼成した茄子を急速冷凍
    機の冷気を利用して管理品温までに予冷する工程、予冷
    した茄子を急速冷凍する工程からなることを特徴とする
    冷凍焼き茄子の製造方法。
JP31753498A 1998-11-09 1998-11-09 冷凍揚げ茄子及び冷凍焼き茄子の製造方法 Expired - Lifetime JP3027811B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31753498A JP3027811B1 (ja) 1998-11-09 1998-11-09 冷凍揚げ茄子及び冷凍焼き茄子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31753498A JP3027811B1 (ja) 1998-11-09 1998-11-09 冷凍揚げ茄子及び冷凍焼き茄子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3027811B1 true JP3027811B1 (ja) 2000-04-04
JP2000139393A JP2000139393A (ja) 2000-05-23

Family

ID=18089334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31753498A Expired - Lifetime JP3027811B1 (ja) 1998-11-09 1998-11-09 冷凍揚げ茄子及び冷凍焼き茄子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3027811B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6535936B2 (ja) * 2015-03-25 2019-07-03 ハウス食品株式会社 加工茄子又は加工茄子を含む食品及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000139393A (ja) 2000-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100425156C (zh) 咸味辣椒脯的制作方法
DeLong How to dry foods: the most complete guide to drying foods at home
McGee Keys to good cooking: A guide to making the best of foods and recipes
CN1499934A (zh) 冷冻土豆产品和获得它的方法
JP3027811B1 (ja) 冷凍揚げ茄子及び冷凍焼き茄子の製造方法
KR101000010B1 (ko) 롤양배추김치와 그 제조방법 및 이를 위한 양배춧잎 분리방법
CN102987291A (zh) 一种速食马兰菜的制作方法
KR20130005632A (ko) 깍두기 및 그 제조방법
Swanson Drying fruits and vegetables
JPH0789860B2 (ja) 冷凍カット野菜類の製造法
CN1917771A (zh) 通过林顿化tm工艺在低压低温下烹饪的方法
Chun et al. The kimchi cookbook: 60 traditional and modern ways to make and eat kimchi
JP4027275B2 (ja) 鮭の加工法
Balla et al. Bar Tartine: Techniques & Recipes
Karlin Mastering Fermentation: Recipes for Making and Cooking with Fermented Foods [A Cookbook]
Marrone The Beginner's Guide to Making and Using Dried Foods: Preserve Fresh Fruits, Vegetables, Herbs, and Meat with a Dehydrator, a Kitchen Oven, Or the Sun
Refslund et al. Scraps, Wilt & Weeds: Turning Wasted Food into Plenty
Bone Well-Preserved: Recipes and Techniques for Putting Up Small Batches of Seasonal Foods: A Cookbook
McFadden Six Seasons: A New Way with Vegetables
Chadwick The Beginner's Guide to Preserving Food at Home
Diehl et al. Freezing to preserve home-grown foods
Vinton The Put'em Up! Preserving Answer Book: 399 Solutions to All Your Questions: Canning, Freezing, Drying, Fermenting, Making Infusions
KR20220114130A (ko) 돼지고기 가공방법
CN114027496A (zh) 用于制备香辣木棉花花蕊的加工方法
Vinton Put'em Up!: A Comprehensive Home Preserving Guide for the Creative Cook, from Drying and Freezing to Canning and Pickling

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100128

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110128

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120128

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120128

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130128

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130128

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128

Year of fee payment: 14

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term