JP2000208304A - チップ型サ―ミスタ及びチップ型サ―ミスタの抵抗値修正方法 - Google Patents

チップ型サ―ミスタ及びチップ型サ―ミスタの抵抗値修正方法

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JP2000208304A JP11006565A JP656599A JP2000208304A JP 2000208304 A JP2000208304 A JP 2000208304A JP 11006565 A JP11006565 A JP 11006565A JP 656599 A JP656599 A JP 656599A JP 2000208304 A JP2000208304 A JP 2000208304A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーミスタ素体2と、サーミスタ素体2の一
面2a上において一方端が互いに対向し、他方端がサー
ミスタ素体2の端部に向かってそれぞれ延びるように形
成された第1,第2の表面電極3,4と、第1,第2の
表面電極3,4にそれぞれ電気的に接続されており、か
つサーミスタ素体2の端部に形成された第1,第2の外
部電極8,9とを備えるチップ型サーミスタにおいて、
チップ状に完成した後、サーミスタの抵抗値を容易にか
つ精度良く調整する。 【解決手段】 第1,第2の表面電極3,4が異なる電
極材料からなる複数の層3a〜3c,4a〜4cを積層
した構造を有し、対向する各層3a〜3c,4a〜4c
の一方端間の距離が最下層3a,4aから上方に向かう
につれて広がるように第1,第2の表面電極3,4の一
方端が階段状に形成されており、第1,第2の表面電極
3,4の階段状に形成された一方端の部分以外の部分を
被覆する絶縁層5,6を備えることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば温度補償回
路や温度検出素子に用いられるサーミスタに関し、より
詳細には、サーミスタ素体表面に互いに対向するように
第1,第2の表面電極を形成してなるサーミスタ及び該
サーミスタの抵抗値修正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、正もしくは負の抵抗温度特性を有
する半導体セラミックスを用いたチップ型サーミスタ
が、温度検出素子や温度補償回路などにおいて幅広く用
いられている。また、プリント回路基板等に容易に表面
実装し得るチップ型サーミスタとして、種々の構造のも
のが提案されている。
【0003】チップ型サーミスタにおいては、サーミス
タ素体自体の比抵抗にばらつきがあると共に、製造工程
上、素子寸法にもばらつきがあるため、製造された個々
のチップ型サーミスタの完成品において抵抗値にばらつ
きがあることが知られている。
【0004】図15及び図16は、チップ型サーミスタ
を製造した後、チップ型サーミスタの抵抗値を修正する
ことができる従来のチップ型サーミスタの一例を示す斜
視図及び断面図である。図15に示すように、サーミス
タ素体41の両端部には、チップ型サーミスタを半田付
け等により表面実装するための外部電極42及び43が
設けられている。図16に示すように、サーミスタ41
の内部には、面状の内部電極44及び45が設けられて
おり、内部電極44及び45はそれぞれ外部電極42及
び43に電気的に接続されている。サーミスタ素体41
の一面の上には、トリミング用導体層46が設けられて
いる。このトリミング用導体層46は、内部電極44及
び45と対向するように設けられている。従って、内部
電極44、トリミング用導体層46、及び内部電極45
によって抵抗値が規定されている。
【0005】このような従来のチップ型サーミスタ40
において抵抗値の修正は、トリミング用導体層46のト
リミング領域46aにレーザービームを照射し、トリミ
ング溝を形成するか、あるいはトリミング用導体層46
の一部または全部を除去することによりなされている。
【0006】しかしながら、このような抵抗値の調整方
法は、完成したサーミスタ毎にレーザービーム等の照射
を行う必要があり、大量に製造されたサーミスタに対し
ては効率的でないという問題があった。さらに、レーザ
ーのエネルギーによる発熱で、サーミスタ素体のセラミ
ックに微小なクラックを発生するおそれがあり、このよ
うなクラックのため抵抗値がばらつくおそれがあった。
【0007】本発明の目的は、チップ状に完成した後、
サーミスタの抵抗値を容易にかつ精度良く調整すること
ができるチップ型サーミスタ及び該チップ型サーミスタ
の抵抗値修正方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明の
チップ型サーミスタは、サーミスタ素体と、サーミスタ
素体の一面上において一方端が互いに対向し、他方端が
サーミスタ素体の端部に向かってそれぞれ延びるように
形成された第1,第2の表面電極と、第1,第2の表面
電極にそれぞれ電気的に接続されており、かつサーミス
タ素体端部に形成された第1,第2の外部電極とを備
え、第1,第2の表面電極が異なる電極材料からなる複
数の層を積層した構造を有し、対向する各層の一方端間
の距離が最下層から上方に向かうにつれて広がるように
第1,第2の表面電極の一方端が階段状に形成されてお
り、第1,第2の表面電極の階段状に形成された一方端
の部分以外の第1,第2の表面電極の部分を被覆する絶
縁層をさらに備えることを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の発明では、第1,第2の
表面電極を構成する各層が、それぞれ異なるエッチング
液で溶解する材料から形成されている。請求項3に記載
の発明のチップ型サーミスタは、請求項1または請求項
2に記載の発明のチップ型サーミスタの抵抗値を修正し
た後のチップ型サーミスタであり、第1,第2の表面電
極の一方端において最下層より上方の所定層までの各層
の端部が該所定層の端面にほぼ揃うように除去されてい
ることを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明に係るチップ型サーミスタの抵抗値修正方法であ
り、第1,第2の表面電極の一方端の最下層より上方の
所定層までの各層の端部を、チップ型サーミスタが所定
の抵抗値となるように除去することを特徴とする。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の発明に係るチップ型サーミスタの抵抗値修正方法であ
り、上記請求項4に記載の発明に従い、第1,第2の表
面電極の一方端の最下層より上方の所定層までの各層の
端部を、チップ型サーミスタが所定の抵抗値となるよう
に除去するに際し、除去すべき各層の構成材料に応じて
異なるエッチング液を用い、各層の端部を上方層から下
方層に順次エッチングにより除去することを特徴とす
る。
【0012】なお、本発明に係るチップ型サーミスタ
は、正の抵抗温度特性を有するサーミスタ素体及び負の
抵抗温度特性を有するサーミスタ素体のいずれを用いる
ものであってもよく、すなわち、サーミスタはNTCサ
ーミスタ及びPTCサーミスタのいずれであってもよ
い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
非限定的な実施例を挙げることにより、本発明を明らか
にする。
【0014】図1及び図2は、本発明の一実施例に係る
チップ型サーミスタを示す側面図及び平面図である。チ
ップ型サーミスタ1は、半導体セラミックスよりなるサ
ーミスタ素体2を用いて構成されている。サーミスタ素
体2の上面2a上には、第1,第2の表面電極3,4が
形成されている。第1の表面電極3は、複数の層3a,
3b,3cを積層することにより構成されている。第2
の表面電極4も同様に、複数の層4a,4b,4cを積
層することにより構成されている。第1,第2の表面電
極3,4を構成する層3a,4aと、層3b,4bと、
層3c,4cは異なる電極材料から形成されている。ま
た、このような異なる電極材料として、異なるエッチン
グ液で溶解する材料を用いることにより、層3a,4
a、層3b,4b、または層3c,4cを選択的にエッ
チングすることができる。本実施例では、最下層3a,
4aをNi/Cr合金膜から形成し、その上の層3b,
4bをCu膜から形成し、その上の層3c,4cをAg
膜から形成している。Ni/Cr合金膜は塩酸系溶剤で
エッチングすることができ、Cu膜は硫酸系溶剤でエッ
チングすることができ、Ag膜は硝酸系溶剤でエッチン
グすることができる。なお、各層の厚みは約0.5μm
となるように形成している。
【0015】また、第1,第2の表面電極3,4におい
て対向する各層の一方端間の距離は、最下層の層3a,
4aから上方に向かうにつれて広がるように形成されて
いる。すなわち、層3b,4b間の距離は、層3a,4
a間の距離よりも長くなるように形成されており、層3
c,4c間の距離は、層3b,4b間の距離よりも長く
なるように形成されている。本実施例では、層3b,4
bの一方端が、下層である層3a,4aの一方端より1
0μm内側に位置するように形成されており、層3c,
4cの一方端が、下層である層3b,4bの一方端より
10μm内側に位置するように形成されている。第1の
表面電極3及び第2の表面電極4の一方端においては、
このように最下層から上方に向かうにつれて、各層の一
方端が順次内側に位置しており、全体として階段状に形
成されている。また、図2に示すように、層3a〜3c
及び4a〜4cの両側の側方端部も階段状になるように
形成されている。
【0016】第1,第2の表面電極3,4の階段状に形
成された一方端の部分以外の第1,第2の表面電極3,
4の部分は、それぞれ絶縁層5,6により被覆されてい
る。本実施例では、ポリイミド樹脂により被覆されてい
る。絶縁層5,6の一方端は、図1に示すように、第
1,第2の表面電極3,4の最上層である層3c,4c
の一方端よりも10μm内側になるように形成されてい
る。
【0017】第1,第2の表面電極3,4を構成する各
層3a〜3c,4a〜4cの他方端は、セラミック素体
2の両端部へ向かってそれぞれ延びており、これらの他
方端に電気的に接続するように、外部電極8,9が設け
られている。セラミック素体2の下面2b上には、絶縁
層7が設けられている。本実施例において絶縁層7は、
ポリイミド樹脂から形成されている。
【0018】最下層である層3a,4aの電極材料は、
サーミスタ素体2と電気的にオーミック接続する材料を
用いることが好ましく、それより上層の2層目以降は、
上述のように異なるエッチング液で溶解させることが可
能な電極材料を選ぶことが好ましい。
【0019】図3は、図1及び図2に示す実施例のチッ
プ型サーミスタの縦方向断面図である。本実施例のチッ
プ型サーミスタの抵抗値は、第1の表面電極3の最下層
である層3aと、第2の表面電極4の最下層である層4
aの対向距離(すなわち層3aの一方端と層4aの一方
端間の距離)により決定される。従って、図3に示す状
態では、距離Aにより決定される。このような状態のチ
ップ型サーミスタ1の抵抗値を測定し、測定された抵抗
値が所望の抵抗値である場合にはこの状態のままで使用
することができる。しかしながら、所望の抵抗値より低
い場合には、図4に示すように、層3bの一方端より外
側に出ている層3aの一方端の部分、及び層4bの一方
端より外側に出ている層4aの一方端の部分を除去し、
層3a,4a間の対向距離を長くすることにより、抵抗
値を修正することができる。本実施例では、層3a,4
aはNi/Cr合金膜から形成されているので、エッチ
ング液として塩酸系溶剤を用いることにより、層3a,
4aを選択的にエッチングすることができる。このよう
な選択的エッチングにより、図4に示すように、層3
a,4aの一方端は、その上層である層3b,4bの一
方端の端面にほぼ揃うようになるまでエッチング除去さ
れる。また図4には図示されないが、層3a,4aの両
側側方の端部(一方端の端面に対し略垂直方向の端部)
も同様に上方の層3b,4bの側方端面に揃うまで除去
される。
【0020】以上のように層3a,4aの端部をエッチ
ング除去することにより、図4に示すように、層3a,
4aの一方端の端面は、その上の層である層3b,4b
の一方端の端面にほぼ揃うようになるので、層3a,4
a間の対向距離が広がり、A1となる。このように電極
間距離が広がることにより、チップ型サーミスタの抵抗
値を上昇させることができる。この状態で抵抗値を測定
し、所望の抵抗値である場合にはこの状態で用いること
ができる。また、所望の抵抗値より低い場合には、さら
に以下のようにして、層3a,4a間の距離を長くする
ようエッチング処理を施す。
【0021】先ず、Cu膜からなる層3b,4bを、エ
ッチング液として硫酸系溶剤を用いてエッチングし、層
3b,4bの一方端の端面が、その上層である層3c,
4cの一方端の端面に揃うまでエッチング除去する。図
示されないが、層3b,4bの両側側方の端面も同様に
その上層である層3c,4cの両側端面に揃うまで除去
される。
【0022】以上のようにして、層3b,4bの各端面
が層3c,4cの各端面にほぼ揃うように除去され後退
するので、次にその下層の3a,4bを上記と同様にし
て塩酸系溶剤をエッチング液として用いエッチング除去
し、層3a,4aの各端面を、それぞれその上層の層3
b,3c及び4b,4cの各端面に揃える。これによ
り、図5に示すように、各層3a〜3c及び4a〜4c
の端面が揃い、この結果層3aと4aの一方端間の距離
がさらに広くなり、A2となる。従って、電極間距離が
広がり、抵抗値が上昇する。
【0023】以上のように、本実施例のチップ型サーミ
スタは、完成後において電極間距離を調整することがで
き、抵抗値を容易に修正することができる。以上の実施
例においては、表面電極3,4の両側の側方端部も階段
状に形成しているが、側方端部については必ずしも階段
状に形成する必要はない。
【0024】次に、チップ型サーミスタ1についての具
体的な実験例につき説明する。以下の要領で、上記チッ
プ型サーミスタ1を作製した。先ず、Mn化合物、Ni
化合物及びCo化合物をバインダーと共に混練し、スラ
リーを調製し、これをドクターブレード法によりシート
状に成形し、65×65mmの平面形状を有するように
カットし、矩形のグリーンシートを得た。図6(a)に
示すように、複数枚の上記グリーンシート11を積層
し、圧着した後、1300℃1時間の条件で焼成し、図
6(b)に示す、50×50×0.5mmの寸法のサー
ミスタウエハー12を得た。
【0025】次に、図6(c)に示すように、ウエハー
12の上面の全体に、表面電極を構成する各層13a,
13b,13cを順次スパッタリングにより形成し、積
層した。最下層の層13aとしては、サーミスタ素体と
電気的にオーミック接続される材料であるNi/Cr合
金膜を形成し、層13bとしてはCu膜を形成し、層1
3cとしてはAg膜を形成した。各層13a,13b,
13cの厚みは約0.5μmとなるように形成した。
【0026】次に、図6(d)に示すように、層13c
の上に、フォトレジスト材をスピンコートし、厚み約1
μmのフォトレジスト層14を形成した。次に、図6
(e)に示すように、フォトレジスト層14の上に所定
パターン形状のマスク15を配置して露光し、図6
(f)に示すように、フォトレジスト層14を溶剤を用
いて現像し、パターニングした。
【0027】次に、図7(a)に示すように、層13c
のうち、フォトレジスト層14で覆われていない部分
を、Ag膜のエッチング液である硝酸系溶剤を用いてエ
ッチングし、層13cをパターニングした。その後、図
7(b)に示すように、フォトレジスト層14を溶剤に
より剥離した。このパターニングにより、分離した層1
3c間の距離はおよそ100μmとした。なお、サーミ
スタの抵抗値の精度は、この電極間の距離に大きく依存
する。フォトリソグラフィーの加工精度及び求める抵抗
値の関係から、電極間の対向距離は、数十〜数百μm程
度とすることが好ましい。
【0028】次に、図7(c)に示すように、フォトレ
ジスト材を全面上にスピンコート法で厚さ約1μmとな
るように塗布し、フォトレジスト層16を形成した。次
に、図7(d)に示すように、フォトレジスト層16の
上にマスク17を配置し、露光した。マスク17として
は、露光現像後のフォトレジスト層16の端部が層13
cの端部より10μm外側に位置するようなパターン形
状を有するものを用いた。
【0029】図7(e)に示すように、露光後溶剤を用
いて現像し、フォトレジスト層16をパターニングし
た。次に、硫酸系溶剤をエッチング液として用い、Cu
膜からなる層13bをエッチングし、層13bをパター
ニングした。パターニングした後、残存しているフォト
レジスト層16を溶剤により剥離し、図8(a)に示す
ように、パターニングされた層13bを得た。図8
(a)に示すように、層13bの端面は、層13cの端
面よりも10μm外側に位置するようパターニングされ
ている。
【0030】次に、18(b)に示すように、全面上に
フォトレジスト材を塗布し、フォトレジスト層18を形
成した後、フォトレジスト層18の上にマスク19を配
置し、露光した。マスク19としては、層13bの端部
より10μm外側までの領域を露光することができるパ
ターンを有するものを用いた。
【0031】次に、図8(c)に示すように、フォトレ
ジスト層18を現像してパターニングした。フォトレジ
スト層18により覆われていない層13aの部分を、N
i/Cr合金膜のエッチング液である塩酸系溶剤を用い
てエッチングした。
【0032】次に、図8(d)に示すように、パターニ
ング後、残存しているフォトレジスト層18を溶剤によ
り剥離し、パターニングされた層13aを得た。図8
(d)に示すように、層13aの端部が、層13bの端
部よりも10μm外側に位置するようにパターニングさ
れている。
【0033】次に、図8(e)に示すように、全面上
に、感光性のポリイミド樹脂溶液をスピンコート法で厚
み10μmとなるように塗布し、ポリイミド膜20を形
成した。ポリイミド膜20の上にマスク21を配置し、
マスク21を通して露光することにより、ポリイミド膜
20を露光した。マスク21としては、露光領域が最上
層である層13cの端部より10μm内側になるような
パターンを有するマスクを用いた。
【0034】図9(a)に示すように、その後ポリイミ
ド膜20を現像し、その後硬化させて厚み3μmのポリ
イミド膜20を形成した。ポリイミド膜20は、その端
部が層13cの端部より10μm内側に位置するように
形成されている。
【0035】次に、図9(b)に示すように、ウエハー
12の裏面全体に、ポリイミド膜22を形成した。次
に、図9(c)に示すように、層13a〜13cを形成
した主面全体上に、フォトレジスト材をスピンコート法
で塗布し、厚み1.5μmのフォトレジスト層23を形
成した。次に、マスク24を用いて、フォトレジスト層
23を露光した。マスク24としては、露光領域の両端
がポリイミド膜20の端部より10μm内側となるパタ
ーンを有するものを用いた。
【0036】次に、図9(d)に示すように、露光した
フォトレジスト層23を現像した。図9(d)に示すよ
うに、フォトレジスト層23の両端部は、ポリイミド膜
20の端部より10μm内側に位置するように形成され
ている。
【0037】次に、図9(e)に示すように、ウエハー
12をダイシングカットして、短冊状の素子を得た。次
に、図10(a)及び(b)に示すように、短冊状素子
の側面に、Ni/Cr合金膜及びAg膜をスパッタリン
グで厚み約1μmとなるように形成し下地電極とした
後、この下地電極の上に、湿式電解メッキで、Ni膜を
形成した後、次いでSn膜を形成した。それぞれの膜厚
は2μmとした。このようにして、下地電極の上にメッ
キにより金属膜を形成することにより、短冊状素子の両
端部に外部電極25及び26を形成した。なお、図10
において(a)は短冊状素子の縦方向断面図を示してお
り、(b)は短冊状素子の平面図を示している。以下、
(a)及び(b)は同様の断面図及び平面図を示してい
る。
【0038】上記のように、第1,第2の表面電極とな
る層13a〜13cの階段状の部分を、外部電極25,
26形成の際フォトレジスト層23で被覆しておくこと
により、これらの部分にメッキ膜等が形成されるのを防
いでいる。
【0039】次に、図11(a)及び(b)に示すよう
に、短冊状素子を0.8mm幅でダイシングカットし
て、チップ状の素子を得た。次に、図12(a)及び
(b)に示すように、フォトレジスト層23を溶剤で剥
離して、最終形状のチップ型サーミスタを得た。得られ
たチップ型サーミスタは、図1及び図2に示すチップ型
サーミスタと同様の構造を有している。
【0040】図12に示す状態でチップ型サーミスタの
抵抗値を測定し、所望の抵抗値である場合には、そのま
ま用いることができる。所望の抵抗値より低い場合に
は、図4を参照して説明したように、最下層の電極であ
るNi/Cr合金膜からなる層13aを塩酸系溶剤でエ
ッチングし、図13(a)及び(b)に示すように、そ
の上の層である層13bの端面にほぼ揃うように形成し
て、電極間距離を広げ、抵抗値を上昇させる。この状態
でチップ型サーミスタの抵抗値を測定し、所望の抵抗値
である場合にはそのまま用いることができる。
【0041】所望の抵抗値より低い場合には、図5を参
照して説明したように、Cu膜からなる層13b及びN
i/Cr合金膜からなる層13aを、それぞれ硫酸系溶
剤及び塩酸系溶剤を用いてエッチングし、層13cの端
面にほぼ揃うようにそれらの端部を除去する。これによ
り、層13aからなる電極間の距離がさらに広がり、抵
抗値を上昇させることができる。
【0042】以上のように、チップ状に完成した後のサ
ーミスタの抵抗値を測定し、必要に応じてエッチング液
中に浸漬して電極の各層の端部をエッチング除去するこ
とにより抵抗値を調整することができる。従って、例え
ば、図12に示す状態で所定の抵抗値を示すものをラン
ク1とし、図13に示す状態で所定の抵抗値を示すもの
をランク2とし、図14に示す状態で所定の抵抗値を示
すものをランク3としてクラス分けし、ランク2及びラ
ンク3のものについては、同じランクのものを一括して
同時にエッチング処理を行い、抵抗値を修正することが
できる。従って、多量のチップ型サーミスタについて効
率良くかつ精度良く抵抗値を調整することができる。
【0043】本発明のチップ型サーミスタでは、第1,
第2の表面電極の段差の幅に応じて、電極間距離を調節
することができるので、チップ型サーミスタの抵抗値を
高い精度で修正することができる。上記の実施例におい
ては、各段差の幅は10μmとなるように形成されてい
るので、電極間の距離を10μm毎に高い精度で広げて
いくことができる。
【0044】また、上記実施例では、第1,第2の表面
電極を構成する各層の電極材料として、異なるエッチン
グ液で溶解する材料を用いているので、異なるエッチン
グ液を用いることにより、選択的に各層をエッチングす
ることができ、最下層の電極間距離を高い精度で設定す
ることができる。従って、高い精度で抵抗値を修正する
ことができる。
【0045】また、本発明のチップ型サーミスタにおい
ては、第1,第2の表面電極の階段状に形成された一方
端の部分以外の部分を被覆する絶縁層(第1図及び第2
図における絶縁層5,6及び図9〜図12におけるポリ
イミド膜20)が設けられている。このように階段状部
分を除き電極全体を絶縁層で被覆することにより、第
1,第2の表面電極の階段状部分の層をエッチングする
際、階段状部分以外の部分がエッチングされないよう保
護することができる。
【0046】上記実施例では、3つの層からなる第1,
第2の表面電極を例にして説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、さらに多くの層から第1,第
2の表面電極を構成させてもよい。
【0047】また、上記実施例においては、第1,第2
の表面電極として、矩形形状の電極を示したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、例えば凹凸を有する
くし歯状の表面電極を対向して設けてもよい。この場
合、一方のくし歯電極の凸部が他方のくし歯電極の凹部
に嵌まり合うような配置状態とすることが好ましい。こ
のようなくし歯電極とすることにより、サーミスタの抵
抗値を低くすることができ、また、くし歯の本数の増減
により容易に任意の抵抗値を設定することができる。
【0048】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係るチップ型サ
ーミスタでは、第1,第2の表面電極が複数の層を積層
した構造を有し、対向する各層の一方端間の距離が最下
層から上方に向かうにつれて広がるように階段状に形成
されている。従って、この階段状に形成された第1,第
2の表面電極の端部を、階段の段毎に除去することによ
り、サーミスタの抵抗値を修正することができる。この
ような第1,第2の表面の階段状の段部は、例えばフォ
トリソグラフィー技術により形成することができるの
で、高い精度で形成することができる。従って、抵抗値
の修正も、高い精度で行うことができる。
【0049】請求項2に記載の発明に係るチップ型サー
ミスタでは、第1,第2の表面電極を構成する各層が、
それぞれ異なるエッチング液で溶解する材料から形成さ
れている。従って、抵抗値を修正するため各層の一方端
部をエッチング除去する場合、エッチング液を選択する
ことにより、特定の層のみを選択的にエッチング除去す
ることができる。従って、抵抗値の修正をより容易に行
うことができる。
【0050】請求項3に記載の発明のチップ型サーミス
タは、上記の抵抗値修正により得られるチップ型サーミ
スタである。最下層より上方の所定層までの各層の端部
が該所定層の端面にほぼ揃うように除去されており、従
って、抵抗値を決定する電極間距離となる最下層の一方
端間の距離を、各層毎に定められた対向距離のいずれか
に合わせるよう調整することができ、高い精度で抵抗値
を修正することができる。
【0051】請求項4に記載の発明によれば、第1,第
2の表面電極の一方端の最下層より上方の所定層までの
各層の端部を、チップ型サーミスタが所定の抵抗値とな
るように除去する。この抵抗値修正方法によれば、チッ
プ状に完成した後、各サーミスタの抵抗値を測定し、表
面電極の階段状部分のどの層までの端部を除去する必要
があるかにより、各サーミスタをクラス分けし、クラス
分けしたサーミスタについては同時に一括して抵抗値の
修正を行うことができる。従って、同時に多量のサーミ
スタについて精度良く抵抗値の調整を行うことができ
る。
【0052】請求項5に記載の発明では、除去すべき各
層の構成材料に応じて異なるエッチング液を用い、各層
の端部をエッチングにより除去する。この方法によれ
ば、上記のようにクラス分けしたサーミスタについて、
同一のエッチング液中に多量のサーミスタを浸漬させて
電極の各層の端部をエッチング除去することができる。
従って、大量に製造されたサーミスタをエッチング液に
同時に浸漬させて、抵抗値の調整を行うことができる。
従って、精度良くかつ効率的に抵抗値の調整を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のチップ型サーミスタを示す
側面図。
【図2】本発明の一実施例のチップ型サーミスタを示す
平面図。
【図3】本発明の一実施例のチップ型サーミスタを示す
縦方向断面図。
【図4】図3に示す実施例において、表面電極の最下層
を除去し2層目の端面に揃えた状態を示す縦方向断面
図。
【図5】図3に示す実施例において、表面電極の最下層
及び2層目の端部をエッチング除去し、3層目(最上
層)の端面に揃えた状態を示す縦方向断面図。
【図6】本発明の一実施例の製造工程を示す断面図。
【図7】本発明の一実施例の製造工程を示す断面図。
【図8】本発明の一実施例の製造工程を示す断面図。
【図9】本発明の一実施例の製造工程を示す断面図。
【図10】短冊状素子に外部電極を形成した状態を示し
ており、(a)は断面図、(b)は平面図。
【図11】短冊状素子をカッティングした後の状態を示
しており、(a)は断面図、(b)は平面図。
【図12】表面電極の階段状部分からフォトレジスト層
を剥離した後の状態を示しており、(a)は断面図、
(b)は平面図。
【図13】図12に示す実施例において、表面電極の最
下層の端部をエッチング除去し、2層目の端面に揃えた
状態を示しており、(a)は断面図、(b)は平面図。
【図14】図12に示す実施例において、表面電極の最
下層及び2層目の端部を、3層目(最上層)の端面に揃
えた状態を示しており、(a)は断面図、(b)は平面
図。
【図15】従来のチップ型サーミスタを示す斜視図。
【図16】従来のチップ型サーミスタを示す縦方向断面
図。
【符号の説明】
1…チップ型サーミスタ 2…サーミスタ素体 2a…サーミスタ素体の上面 2b…サーミスタ素体の下面 3,4…第1,第2の表面電極 3a〜3c,4a〜4c…第1,第2の表面電極を構成
する層 5,6,7…絶縁層 8,9…外部電極 11…グリーンシート 12…サーミスタウエハー 13a,13b,13c…表面電極を構成する層 14…フォトレジスト層 15…マスク 16…フォトレジスト層 17…マスク 18…フォトレジスト層 19…マスク 20…ポリイミド膜 21…マスク 22…ポリイミド膜 23…フォトレジスト層 24…マスク 25,26…外部電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーミスタ素体と、 前記サーミスタ素体の一面上において一方端が互いに対
    向し、他方端が前記サーミスタ素体の端部に向かってそ
    れぞれ延びるように形成された第1,第2の表面電極
    と、 前記第1,第2の表面電極にそれぞれ電気的に接続され
    ており、かつサーミスタ素体端部に形成された第1,第
    2の外部電極とを備え、 前記第1,第2の表面電極が異なる電極材料からなる複
    数の層を積層した構造を有し、対向する各層の一方端間
    の距離が最下層から上方に向かうにつれて広がるように
    前記第1,第2の表面電極の一方端が階段状に形成され
    ており、 前記第1,第2の表面電極の階段状に形成された一方端
    の部分以外の前記第1,第2の表面電極の部分を被覆す
    る絶縁層をさらに備えるチップ型サーミスタ。
  2. 【請求項2】 前記第1,第2の表面電極を構成する各
    層が、それぞれ異なるエッチング液で溶解する材料から
    形成されている請求項1に記載のチップ型サーミスタ。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2の表面電極の一方端にお
    いて、最下層より上方の所定層までの各層の端部が該所
    定層の端面にほぼ揃うように除去されている請求項1ま
    たは2に記載のチップ型サーミスタ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のチップ型サーミスタの
    抵抗値を修正する方法であって、 前記第1,第2の表面電極の一方端の最下層より上方の
    所定層までの各層の端部を、チップ型サーミスタが所定
    の抵抗値となるように除去することを特徴とするチップ
    型サーミスタの抵抗値修正方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のチップ型サーミスタの
    抵抗値を修正する方法であって、 除去すべき各層の構成材料に応じて異なるエッチング液
    を用い、各層の端部を上方層から下方層に順次エッチン
    グにより除去することを特徴とする請求項4に記載のチ
    ップ型サーミスタの抵抗値修正方法。
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