JP2000205298A - ツインクラッチ - Google Patents

ツインクラッチ

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JP2000205298A
JP2000205298A JP11007504A JP750499A JP2000205298A JP 2000205298 A JP2000205298 A JP 2000205298A JP 11007504 A JP11007504 A JP 11007504A JP 750499 A JP750499 A JP 750499A JP 2000205298 A JP2000205298 A JP 2000205298A
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clutch
flywheel
lever
friction
pressure plate
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JP11007504A
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Hideyuki Imanaka
秀幸 今中
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Exedy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ツインクラッチにおけるレバー機構において
摩耗調整を行う機構の摩擦係数を安定させる。 【解決手段】ツインクラッチはレバー機構26を有して
いる。レバー機構26はプレッシャープレート10の軸
方向移動量に対して中間プレート11の軸方向移動量を
規制するための機構である。レバー機構26はレバー部
材27と摩耗補償支持部28と支持部29とを有してい
る。レバー部材27は、R2側端35を軸方向に移動可
能とするようにR1側端32がクラッチカバー(8,
7)に軸支されている。摩耗補償支持部28は、レバー
部材27の中間部33をフライホイール2側から支持す
る。摩耗補償支持部28は、中間プレート11に対して
係止されたスプリングピン42を有している。支持部2
9は、プレッシャープレート10に設けられ、レバー部
材27のR2側端35をフライホイール2側と反対側か
ら支持している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン側のフラ
イホイールと変速機の入力シャフトとの間で動力を伝達
あるいは遮断するためのクラッチ、特に、中間プレート
を挟んで2つの摩擦連結部が配置されているツインクラ
ッチに関する。
【0002】
【従来の技術】クラッチはエンジン側のフライホイール
と変速機の入力シャフトとの間で動力を伝達あるいは遮
断するための装置である。クラッチはエンジンのフライ
ホイールに取り付けられるクラッチディスク組立体とク
ラッチカバー組立体とから構成されている。クラッチデ
ィスク組立体は、外周部に摩擦ディスクが設けられ、内
周部にはトランスミッションの入力シャフトに係合する
ハブが設けられている。摩擦ディスクとハブとは複数の
プレートや弾性部材により連結されている。クラッチカ
バー組立体はクラッチディスク組立体の摩擦ディスクを
フライホイールに対して押圧又は押圧力を解除すること
でクラッチ連結解除を行うものである。クラッチカバー
組立体は、主に、フライホイールに固定されたクラッチ
カバーと、クラッチカバー内に配置され摩擦ディスクに
近接して配置されたプレッシャープレートと、クラッチ
カバーに支持されプレッシャープレートに押圧力を与え
るための押圧部材とから構成されている。
【0003】限られたスペースで大きなトルク伝達容量
を確保しなければならない場合、2つの摩擦ディスクを
備えたツインクラッチが用いられる。ツインクラッチ
は、第1及び第2摩擦ディスクと、これらの間に配置さ
れた中間プレートとを有している。中間プレートは、フ
ライホイールに対して相対回転不能にかつ軸方向に移動
可能に装着されており、両側面に第1及び第2摩擦ディ
スクに対する摩擦面が形成されている。
【0004】ここでは、クラッチ接続時には、クラッチ
カバー組立体のプレッシャープレートがダイヤフラムス
プリング等の押圧部材によってフライホイール側に押圧
され、第1摩擦ディスクがフライホイールと中間プレー
トとの間に挟まれ、第2摩擦ディスクが中間プレートと
プレッシャープレートとの間に挟まれる。またクラッチ
レリーズ時には、プレッシャープレートの押圧が解除さ
れ、プレッシャープレート及び中間プレートがストラッ
ププレートによってフライホイールから引き離され、そ
の結果各摩擦ディスクの連結が解除される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたツインク
ラッチにおいては、クラッチ動作(クラッチ連結、クラ
ッチレリーズ)時に第1摩擦ディスクと第2摩擦ディス
クとが同時に連結されることが好ましい。第1摩擦ディ
スクと第2摩擦ディスクとが同時につながると2つのク
ラッチディスク組立体のダンパーにおける位相ずれが小
さく又はほとんどなくなるからである。
【0006】さらに、クラッチ切れ特性において中間プ
レートのレバーストロークに対するリフト量はプレッシ
ャープレートのそれに対して全領域において常に1/2
の位置であることが好ましい。中間プレートがプレッシ
ャープレートに対して近接又は離れている場合には、中
間プレートが第1又は第2摩擦ディスクと接触しクラッ
チの切れ性能を悪化させていることを意味する。
【0007】特開昭63−235724号に開示された
ツインクラッチには、上述の2つの目的を達成するため
のレバー機構が設けられている。レバー機構はレバー部
材から主に構成されている。レバー部材は一端がクラッ
チカバーに揺動可能に支持されており、他端が軸方向に
移動可能になっている。他端はプレッシャープレートに
対してフライホイール側から作用可能に当接している。
中間プレートにはレバー部材の中間部分にフライホイー
ル側から当接するスライダ39が設けられている。この
ような構造によりクラッチ動作時には中間プレートの軸
方向移動量は常にプレッシャープレートの軸方向移動量
の1/2となり、さらにクラッチの連結及びレリーズが
同時に行われる。
【0008】また、このレバー機構では、スライダ39
は中間プレートに対して軸方向に移動可能に摩擦係止さ
れている。これにより、第2摩擦ディスクの摩耗量が第
1摩擦ディスクより多くなった場合に、レバー部材がス
ライダ39を中間プレートに対して軸方向フライホイー
ル側に移動させる。これにより、プレッシャープレート
の軸方向フライホイール側への移動がレバー機構に制限
されず、その結果第2摩擦ディスクに対する十分な押圧
荷重を確保できる。
【0009】しかし、前記従来のレバー機構では、スラ
イダ39と中間プレートとの間の摩擦は、ボルトの締め
付けや皿ばね等から付勢力によって定められている。こ
の場合は部品点数が多くなるとともに摩擦が安定しない
という問題が生じる。また、スライダ39は、摩擦係止
されるとともにスライダーに当接する部材であり、摩擦
係数の調整や所定形状の加工等をすべて行わなければな
らず、複雑な処理が必要になる。
【0010】本発明の課題は、ツインクラッチにおける
レバー機構において摩耗調整を行う機構の摩擦係数を安
定させることにある。
【0011】本発明の他の課題は、ツインクラッチにお
けるレバー機構において摩耗調整を行うための各部材の
製造を容易にすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のツイン
クラッチは、摩擦面を有するフライホイールからトラン
スミッションのシャフトにトルクを伝達及び遮断するた
めのものであり、第1クラッチディスク組立体と第2ク
ラッチディスク組立体とクラッチカバーと中間部材とプ
レッシャープレートと押圧部材と付勢部材とレバー機構
とを備えている。第1クラッチディスク組立体は、摩擦
面に近接して配置された第1摩擦連結部を有し、シャフ
トにトルクを伝達可能である。第2クラッチディスク組
立体は、第1摩擦連結部のフライホイールと反対側に配
置された第2摩擦連結部を有し、シャフトにトルクを伝
達可能である。クラッチカバーはフライホイールに固定
されて摩擦面に対して軸方向に対向する。中間部材は、
第1摩擦連結部と第2摩擦連結部との軸方向間に配置さ
れ、フライホイールと一体回転可能である。プレッシャ
ープレートは、第2摩擦連結部のクラッチカバー側に配
置され、クラッチカバーと一体回転可能である。押圧部
材は、クラッチカバーに支持され、プレッシャープレー
トに対して押圧力を与えるための部材である。付勢部材
は中間部材を摩擦面から離れる方向に付勢している。レ
バー機構は、プレッシャープレートの軸方向移動量に対
して中間部材の軸方向移動量を規制するための機構であ
る。レバー機構はレバー部材と第1支持部と第2支持部
とを有している。レバー部材は、一端を軸方向に移動可
能とするように他端がクラッチカバーに軸支されてい
る。第1支持部は、中間部材に対して自ら弾性変形する
ことで軸方向に移動可能に摩擦係止されたスプリングピ
ンを有している。第1支持部は、レバー部材の一端と他
端との間をフライホイール側から支持する。第2支持部
は、プレッシャープレートに設けられレバー部材の一端
をフライホイール側と反対側から支持する。
【0013】請求項1に記載のツインクラッチでは、押
圧部材によるプレッシャープレートへのフライホイール
側への押圧を解除すると、プレッシャープレートは第2
摩擦連結部から離れ、中間部材は付勢部材によってフラ
イホイールの摩擦面から離れる。この結果、フライホイ
ールから第1及び第2摩擦連結部を介してトランスミッ
ションのシャフトに伝達されていた動力の流れが切断さ
れる。このクラッチレリーズ時において、中間部材の軸
方向移動量はレバー機構によって所定量に制限されてい
る。具体的には、中間部材に設けられた第1支持部がレ
バー部材の中間部に当接することで必要以上にプレッシ
ャープレートに対して接近しないようになっている。こ
の結果、クラッチの切れ性能が良好である。
【0014】さらに、クラッチ連結時に第2摩擦ディス
クに第1摩擦ディスクより大きな摩耗が発生すると、プ
レッシャープレートからの力がレバー機構に作用し、レ
バー部材の中間部が第1支持部をフライホイール側に押
す。このときスプリングピンと中間部材との間で滑りが
発生する。この結果、プレッシャープレートから第2摩
擦ディスクに作用する押圧力が不足することはない。こ
こでは、中間部材に摩擦係止された部材がスプリングピ
ンであるため、中間部材から第1支持部に作用する摩擦
が安定している。
【0015】請求項2に記載のツインクラッチでは、請
求項1において、第1支持部は、中間部材に係止された
スプリングピンと、スプリングピンのレバー側に配置さ
れレバーに当接するファルクラム部材とを有している。
【0016】請求項2に記載のツインクラッチでは、第
1支持部が中間部材に摩擦係止する部材とレバーに当接
する部材とが別々の部材とからなるため、各部材の処理
が簡単になる。
【0017】請求項3に記載のツインクラッチでは、請
求項2において、ファルクラム部材は、スプリングピン
のフライホイール側と反対側端面に当接して配置された
第1部分と、第1部分からスプリングピン内に延びる第
2部分と、第1部分に設けられレバー部材に当接する第
3部分とを有する。
【0018】請求項3に記載のツインクラッチでは、フ
ァルクラム部材は、第1部分を介してスプリングピンと
力を伝達することができ、第2部分によってスプリング
ピンから離れないようになっており、第3部分によって
レバー部材に当接している。このようにファルクラム部
材は単純な形状で複数の機能を実現している。
【0019】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明の一実施
形態としてのツインクラッチ1を示している。ツインク
ラッチ1は、車両、特に大型車両やトラクターに採用さ
れる。ツインクラッチ1は、エンジン側のフライホイー
ル2から変速機の入力シャフト(図示せず)にトルクを
伝達及び遮断するための装置である。図1におけるO−
Oがツインクラッチ1の回転軸線である。また、図2の
矢印R1側がフライホイール2及びツインクラッチ1の
回転方向であり、矢印R2がその反対方向である。な
お、図1の左側を第1軸方向側(エンジン側)とし、図
1の右側を第2軸方向側(トランスミッション側)とす
る。
【0020】ツインクラッチ1は、主に、第1クラッチ
ディスク組立体3と、第2クラッチディスク組立体4
と、中間プレート11と、フライホイール2に固定され
たクラッチカバー組立体5とから構成されている。
【0021】第1クラッチディスク組立体3と第2クラ
ッチディスク組立体4は、共に、捩じり振動を減衰する
ためのスプリング及び摺動部材とからなるダンパーを有
しており、中心部に変速機の入力シャフト(図示せず)
がスプライン係合をしている。また、両クラッチディス
ク組立体3,4は、それぞれ摩擦フェーシングからなる
第1及び第2摩擦ディスク3a、4aを外周部に有して
いる。第1クラッチディスク組立体3の第1摩擦ディス
ク3aはフライホイール2の摩擦面2aに近接して配置
されている。第2クラッチディスク組立体4の第2摩擦
ディスク4aは第1摩擦ディスク3aから第2軸方向側
に離れた位置に配置されている。
【0022】中間プレート11は第1摩擦ディスク3a
と第2摩擦ディスク4aとの間に配置された環状のプレ
ートである。中間プレート11は第1及び第2摩擦ディ
スク3a、4aに対向する摩擦面を軸方向両側面に有し
ている。
【0023】クラッチカバー組立体5は摩擦ディスク3
a、4aをフライホイール2と一体回転するように連結
させ、又は連結を解除するための機構である。クラッチ
カバー組立体5はクラッチカバー8とプレッシャープレ
ート10と押圧機構12とレリーズレバー55とから構
成されている。クラッチカバー8は、円板状又は環状の
部材であり、フライホイール2の摩擦面2aから第2軸
方向側に離れた配置されている。
【0024】クラッチカバー8の外周部8bとフライホ
イール2の外周部との間にはフライホイールスペーサ7
が配置されている。フライホイールスペーサ7は中間プ
レート11や第2摩擦ディスク4aの外周側を覆う筒状
の部材である。フライホイールスペーサ7には、軸方向
に貫通する孔7dが複数設けられている。この孔7dを
貫通する第1ボルト9aがクラッチカバー8の外周部8
bをフライホイール2の外周部に固定している。クラッ
チカバー8はフライホイールスペーサ7によりフライホ
イール2に対して軸方向の位置が決められている。ま
た、クラッチカバー8とフライホイールスペーサ7は第
2ボルト9bにより互いに固定されている。第2ボルト
9bは、第1ボルト9aより軸方向寸法が短く、フライ
ホイールスペーサ7に設けられたボルト孔に螺合してい
る。フライホイールスペーサ7は、クラッチカバー8と
ともにフライホイール2に固定される部材であり、広義
の意味でのクラッチカバーであるとみなしてもよい。フ
ライホイールスペーサ7の第1軸方向側端面7aは、フ
ライホイール2の外周側に弧状に設けられた突出部2b
に当接している。突出部2bには前述の第1ボルト9a
が螺合するボルト孔が形成されている。第1軸方向側端
面7aとフライホイール2の他の部分(突出部2bが形
成されていない部分)との間には軸方向に隙間が確保さ
れている。さらに、図3に示すように、フライホイール
スペーサ7は後述するレバー機構26等が設けられるた
めの切り欠き7bを有している。切り欠き7bは第1軸
方向側が開いている。切り欠き7bは円周方向に等間隔
で複数形成されている。
【0025】押圧機構12は主に複数のコイルスプリン
グ13から構成されている。コイルスプリング13は軸
方向に延びて配置され、一端がクラッチカバー8に支持
され他端がプレッシャープレート10に支持されてい
る。これにより、コイルスプリング13はプレッシャー
プレート10に対して第1軸方向側に押圧力を与えてい
る。コイルスプリング13の軸方向両側にはコイルスプ
リング13の外周を覆うカバー14が設けられている。
【0026】プレッシャープレート10は第2摩擦ディ
スク4aの第2軸方向側に近接して配置された環状の部
材である。プレッシャープレート10は第2摩擦ディス
ク4a側に摩擦面を有している。プレッシャープレート
10はクラッチカバー8に相対回転不能にかつ軸方向移
動可能になっている。具体的には、円周方向に並んだ複
数の第1ストラッププレート18によりプレッシャープ
レート10はクラッチカバー8に固定されている。各第
1ストラッププレート18はクラッチカバー8内でコイ
ルスプリング13の半径方向外側に配置されている。第
1ストラッププレート18のR1側端はリベット19に
よりクラッチカバー8に固定されている。第1ストラッ
ププレート18のR2側端はプレッシャープレート10
の外周部に設けられた突出部10aにボルト20によっ
て固定されている。なお、クラッチカバー8には、ボル
ト20の頭部に対応する部分に孔8aが形成されてい
る。
【0027】中間プレート11はフライホイールスペー
サ7に相対回転不能にかつ軸方向移動可能になってい
る。具体的には、円周方向に並んで設けられた複数の第
2ストラッププレート22によって、中間プレート11
はフライホイールスペーサ7に固定されている。第2ス
トラッププレート22はプレッシャープレート10の外
周側部分においてフライホイール2に近接して配置され
ている。各第2ストラッププレート22は、弧状に延び
る板ばねであり、フライホイールスペーサ7の切り欠き
7b内に配置されている。第2ストラッププレート22
は、R1側端がボルト23によりフライホイールスペー
サ7の第1軸方向側端面7aに固定され、R2側端が中
間プレート11に設けられた突出部11aの第1軸方向
側端面にボルト24により固定されている。図3に示す
クラッチ連結状態で、第2ストラッププレート22は、
軸方向にたわんでおり、中間プレート11に対して第1
摩擦ディスク3aから離れる方向に付勢力を与えてい
る。なお、突出部11aはプレッシャープレート10の
外周部から半径方向外側に延びフライホイールスペーサ
7の切り欠き7b内に延びている。
【0028】レリーズレバー55は、図示しないクラッ
チ操作機構によりクラッチ連結部分に対する押圧力を解
除するための部材である。レリーズレバー55は円周方
向に等間隔で並んで配置された複数の部材からなる。各
レリーズレバー55は、放射状に延び、クラッチカバー
8から延びる支持部58に揺動自在に支持された支点5
6と、プレッシャープレート10に揺動可能に係合する
作用部57とを有している。このレリーズレバー55の
半径方向内側端43aに図示しないレリーズ装置が第2
軸方向側から力を与えると、レリーズレバー55は支点
56を中心に揺動し作用部57が第2軸方向側に移動す
る。すなわち、プレッシャープレート10に押圧機構1
2からの力以上の力が作用することで、プレッシャープ
レート10は第2摩擦ディスク4aから離れる方向に移
動する。
【0029】クラッチカバー組立体5はさらにレバー機
構26を有している。レバー機構26はクラッチ動作中
に中間プレート11の軸方向移動量をプレッシャープレ
ート10の軸方向移動量に対して所定の比に規制するた
めの機構である。各レバー機構26はフライホイールス
ペーサ7の切り欠き7b内に配置されている。各レバー
機構26は主にレバー部材27と摩耗補償支持部28と
支持部29とから構成されている。
【0030】レバー部材27はツインクラッチ1の外周
接線方向に延びる板金製部材である。レバー部材27
は、R1側端32,中間部33,R2側端35から主に
構成されている。R1側端32は図5に示すように両面
が半径方向に向くようになっている。中間部33はR1
側端32のフライホイール2側から円周方向に延び、両
面が軸方向に向くようになっている。R2側端35は中
間部33からさらにR2側に延び、その先端は第2軸方
向側が円周方向に滑らかに湾曲する凸となっている。中
間部33はR1側端32よりフライホイール2側に位置
し、R2側端35は中間部33より第1軸方向側に位置
している。レバー部材27のR1側端32(他端)はフ
ライホイールスペーサ7によって揺動自在に支持されて
いる。具体的には、レバー部材27のR1側端32は、
フライホイールスペーサ7を半径方向に貫通する揺動ピ
ン47に固定されている。揺動ピン47はフライホイー
ルスペーサ7の第2軸方向側部分に設けられた孔7c内
を延びている。揺動ピン47の半径方向外側には、孔7
cの外側に位置する頭部が形成されている。揺動ピン4
7の半径方向内側端は孔7cから突出して延びている。
レバー部材27のR1側端32は揺動ピン47の半径方
向内側端に相対回転不能に固定されている。具体的に
は、揺動ピン47の先端には回り止め用の直線部が形成
され、R1側端には揺動ピン47の先端がはまる孔が形
成されている。揺動ピン47の半径方向内側においてR
1側端32の半径方向外側側にはワッシャ39が配置さ
れ、半径方向内側にはスナップリング40が配置されて
いる。
【0031】レバー部材27のR2側端35は支持部2
9を介してプレッシャープレート10に第1軸方向側を
支持されている。支持部29は補助プレート51とボル
ト52とから構成されている。補助プレート51は、中
間プレート11の外周面に当接する固定部53と、固定
部53の第1軸方向側から半径方向外側に延びる延長部
54とからなる。ボルト52は固定部53をプレッシャ
ープレート10に固定されている。なお、ボルト52は
フライホイールスペーサ7の切り欠き7bを通ってプレ
ッシャープレート10に半径方向外側から脱着可能であ
る。延長部54の第1軸方向側の面にレバー部材27の
R2側端35が当接している。
【0032】レバー部材27の中間部33は第1軸方向
側が摩耗補償支持部28によって支持されている。R1
側端32とR2側端35との長さと、R1側端32と中
間部33との長さの比は、1:0.5である。すなわち
摩耗補償支持部28はレバー部材27のちょうど中間位
置に配置されている。
【0033】次に摩耗補償支持部28について説明す
る。摩耗補償支持部28は、レバー部材27の中間部3
3の第1軸方向側を中間プレート11の一部として支持
するとともに、第2摩擦ディスク4aの摩耗量が第1摩
擦ディスク3aの摩耗量より大きい場合に、その摩耗を
補償してレバー部材27の機能を十分に実現するための
構造である。
【0034】摩耗補償支持部28は、主に、中間プレー
ト11に摩擦係止されたスプリングピン42と、スプリ
ングピン42とレバー部材27との間に配置されたファ
ルクラム部材43とからなる。スプリングピン42は、
自らの弾性変形によって直接中間プレート11に摩擦係
止されるための部材である。ここでいう摩擦係止とは通
常状態では中間プレート11と一体であるが、所定以上
の荷重が作用すると軸方向に移動可能な状態をいう。ス
プリングピン42は円筒形状であり、長手方向に延びる
スリットが形成されている。スプリングピン42は中間
プレート11に形成された突起11bに形成された孔1
1cに挿入されている。突起11bはフライホイールス
ペーサ7の切り欠き7b内に延びている。
【0035】ファルクラム部材43はスプリングピン4
2とレバー部材27との間で力を伝達するための部材で
ある。ファルクラム部材43は、円板部46(第1部
分)と、挿入部45(第2部分)と、当接部48(第3
部分)とから構成されている。円板部46はスプリング
ピン42の第2軸方向側端面に当接している。挿入部4
5は円板部46からスプリングピン42内に延びて挿入
されている。これにより、ファルクラム部材43はスプ
リングピン42から外れにくくなっている。当接部48
は円板部46からレバー部材27側に突出している。当
接部48はレバー部材27の中間部33に第1軸方向側
から当接している。当接部48は円板部46より半径方
向の幅が短い。当接部48はレバー部材27側の面が円
周方向又は接線方向に滑らかに湾曲した山型形状になっ
ている。これにより、レバー部材27はファルクラム部
材43に対して安定的に当接している。レバー部材27
の中間部33には半径方向外側縁から第1軸方向側に延
び当接部48の半径方向方向外側に位置する支持部34
が形成されている。これにより、ファルクラム部材43
の移動が制限されている。
【0036】次に、通常のクラッチ連結動作及びクラッ
チレリーズ動作時の各部材の動きについて説明する。
【0037】図3〜5に示すクラッチ連結状態からレリ
ーズレバー55に図示しないレリーズ装置から押圧荷重
が作用すると、レリーズレバー55の半径方向内側端が
第1軸方向側に押され作用部57が第1軸方向側に移動
する。すなわちプレッシャープレート10が第2摩擦デ
ィスク4aから離れる方向に移動する。このとき、中間
プレート11は第2ストラッププレート22からの付勢
力によって第1摩擦ディスク3aから離れる方向すなわ
ちプレッシャープレート10側に移動を行う。プレッシ
ャープレート10の移動と中間プレート11の移動は、
図6に示すように同時に開始される。さらに、中間プレ
ート11の軸方向移動量はレバーストローク全領域にわ
たってプレッシャープレート10の軸方向移動量の半分
である。言い換えると、プレッシャープレート10と中
間プレート11との隙間と、中間プレート11とフライ
ホイール2との隙間は、全ストローク域において等しく
保たれる。
【0038】以上の動作を実現するための機構について
さらに詳細に説明する。中間プレート11は摩耗補償支
持部28によりレバー部材27の中間部33を第2軸方
向側に押し上げていくが、中間部33の軸方向移動量は
摩耗補償支持部28により制限されている。より正確に
は、中間部33の軸方向移動量は支持部29の軸方向移
動量(プレッシャープレート10の軸方向移動量に等し
い)の半分となっており、その結果中間プレート11の
軸方向移動量はプレッシャープレート10の軸方向移動
量の半分を超えることはできない。なお、このとき摩耗
補償支持部28におけるスプリングピン42と中間プレ
ート11との間には滑りが生じないように摩擦が設定さ
れている。
【0039】前述のように中間プレート11はレリーズ
全領域にわたってプレッシャープレート10の2分の1
の切れ代が得られるためクラッチ切れ特性が良好であ
る。
【0040】クラッチレリーズ状態から、図示しないレ
リーズ装置がレリーズレバー55への押圧を解除する
と、レリーズレバー55の半径方向内側端43aへの押
圧が解除され、プレッシャープレート10がコイルスプ
リング13に付勢されて第1軸方向に移動する。このと
き、中間プレート11は、プレッシャープレート10と
同時に移動を開始し、その移動量は全ストローク領域に
わたってプレッシャープレート10の移動量の半分であ
る。すなわち、プレッシャープレート10と中間プレー
ト11との隙間と、中間プレート11とフライホイール
2との隙間とは、均等に減少していき、最後に同時に接
続が完了する。このような中間プレート11の移動を可
能にしているのはレバー機構26である。具体的にはプ
レッシャープレート10はレバー機構26を介して常に
自らの軸方向移動量の1/2だけ中間プレート11を第
1軸方向側に移動させている。
【0041】以上の動作を実現するための機構について
さらに詳細に説明する。プレッシャープレート10はレ
バー部材27の中間部33を介して摩耗補償支持部28
(すなわち中間プレート11)を第1軸方向側に押し下
げていくが、中間部33の軸方向移動量は支持部29の
軸方向移動量(プレッシャープレート10の軸方向移動
量に等しい)の半分となっており、その結果中間プレー
ト11の軸方向移動量はプレッシャープレート10の軸
方向移動量の半分未満となることはない。なお、このと
き摩耗補償支持部28におけるスプリングピン42と中
間プレート11との間には滑りが生じないように摩擦が
設定されている。
【0042】以上に述べたように、第1摩擦ディスク3
aと第2摩擦ディスク4aは同時に連結するため、各ク
ラッチディスク組立体3,4における位相のずれが小さ
くなっている。ここでいう位相のずれとは、クラッチの
連結に時間差があり先に連結されたクラッチディスク組
立体が捩じれた状態で他方のクラッチディスク組立体が
連結されることで、2つのクラッチディスク組立体にお
いて捩じり特性の角度がずれ、一段目の領域が小さくな
る不具合をいう。
【0043】次に、第1摩擦ディスク3a及び第2摩擦
ディスク4aに摩耗が生じた場合の摩耗補償支持部28
の動作について説明する。
【0044】第1摩擦ディスク3aと第2摩擦ディスク
4aがともに摩耗しその摩耗量が同じである場合には、
中間プレート11は第1摩擦ディスク3aの摩耗量だけ
フライホイール2側に移動し、プレッシャープレート1
0は第1摩擦ディスク3aの摩耗量と第2摩擦ディスク
4aの摩耗量と合わせた量だけフライホイール2側に移
動する。すなわちプレッシャープレート10の軸方向移
動量は中間プレート11の軸方向移動量の2倍である。
この結果、中間プレート11に設けられた摩耗補償支持
部28の軸方向移動量に対して支持部29の軸方向移動
量は2倍である。レバー部材27のR2側端35は、レ
バー回転中心(32)とレバー先端(35)及び中間部
33のスパンが1:0.5のため、中間プレート11の
軸方向移動量の2倍移動する。この結果レバー部材27
の中間部33とファルクラム部材43は接触状態を保
ち、初期の切れ特性が保持される。
【0045】次に、第2摩擦ディスク4aの摩耗量が第
1摩擦ディスク3aの摩耗量より大きい場合の摩耗補償
支持部28の動作について説明する。この場合は、プレ
ッシャープレート10の軸方向移動量が中間プレート1
1の軸方向移動量の2倍より大きい。その結果、スプリ
ングピン42はレバー部材27の中間部33に押され
て、中間プレート11に対して軸方向に移動する。すな
わちスプリングピン42と突起11bの孔11cとの間
で発生する最大抵抗力はコイルスプリング13からプレ
ッシャープレート10に作用する押圧力より小さいこと
を意味している。以上の結果プレッシャープレート10
から第2摩擦ディスク4aに対して十分な押圧力が作用
する。また、レバー部材27の中間部33とファルクラ
ム部材43は接触状態を保っており、この結果初期の切
れ特性が保持される。
【0046】この摩耗補償支持部28では、中間プレー
ト11に摩擦係止された部材がスプリングピン42であ
るため、摩耗補償支持部28において発生する摩擦が安
定する。さらに、スプリングピン42は自らが弾性変形
しているため、摩擦係止する部材と付勢力を与える部材
の両方の機能を有している。したがって従来に比べて部
品点数が少ない簡単な構造になっている。
【0047】また、摩耗補償支持部28が、中間プレー
ト11に摩擦係止する部材(スプリングピン42)とレ
バー部材27に当接する部材(ファルクラム部材43)
からなるため、両者の加工が容易になる。すなわち、ス
プリングピン42にはレバー部材27との当接する部分
を形成する必要がなく、ファルクラム部材43は他の部
材との摩擦を調整する必要がない。
【0048】
【発明の効果】本発明に係るツインクラッチでは、中間
部材に摩擦係止された部材がスプリングピンであるた
め、中間部材から第1支持部に作用する摩擦が安定す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態してのツインクラッチの縦
断面概略図。
【図2】一部を取り除いたツインクラッチの平面図。
【図3】図2のIII矢視図であり、レバー機構を説明す
るための図。
【図4】図1の部分拡大図。
【図5】図3のV-V断面図。
【図6】クラッチ切れ特性線図。
【符号の説明】
1 ツインクラッチ 2 フライホイール 3 第1クラッチディスク組立体 4 第2クラッチディスク組立体 5 クラッチカバー組立体 7 フライホイールスペーサ 26 レバー機構 27 レバー部材 28 摩耗補償支持部 29 支持部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摩擦面を有するフライホイールからトラン
    スミッションのシャフトにトルクを伝達及び遮断するた
    めのツインクラッチであって、 前記摩擦面に近接して配置された第1摩擦連結部を有
    し、前記シャフトにトルクを伝達可能な第1クラッチデ
    ィスク組立体と、 前記第1摩擦連結部の前記フライホイールと反対側に配
    置された第2摩擦連結部を有し、前記シャフトにトルク
    を伝達可能な第2クラッチディスク組立体と、 前記フライホイールに固定され、前記摩擦面に対して軸
    方向に対向するクラッチカバーと、 前記第1摩擦連結部と前記第2摩擦連結部との軸方向間
    に配置され、前記フライホイールと一体回転可能な中間
    部材と、 前記第2摩擦連結部の前記クラッチカバー側に配置さ
    れ、前記クラッチカバーと一体回転可能なプレッシャー
    プレートと、 前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレ
    ートに対して押圧力を与えるための押圧部材と、 前記中間部材を前記摩擦面から離れる方向に付勢する付
    勢部材と、 前記プレッシャープレートの軸方向移動量に対して前記
    中間部材の軸方向移動量を規制するための機構であっ
    て、一端を軸方向に移動可能とするように他端が前記ク
    ラッチカバーに軸支されたレバー部材と、前記中間部材
    に対して自らが弾性変形することで軸方向に移動可能に
    摩擦係止されたスプリングピンを有し前記レバー部材の
    前記一端と前記他端との間を前記フライホイール側から
    支持する第1支持部と、前記プレッシャープレートに設
    けられ前記レバー部材の前記一端を前記フライホイール
    側と反対側から支持する第2支持部とを有するレバー機
    構と、を備えたツインクラッチ。
  2. 【請求項2】前記第1支持部は、前記中間部材に係止さ
    れた前記スプリングピンと、前記スプリングピンの前記
    レバー側に配置され前記レバーに当接するファルクラム
    部材とを有している、請求項1に記載のツインクラッ
    チ。
  3. 【請求項3】前記ファルクラム部材は、前記スプリング
    ピンの前記フライホイール側と反対側端面に当接して配
    置された第1部分と、前記第1部分から前記スプリング
    ピン内に延びる第2部分と、前記第1部分に設けられ前
    記レバー部材に当接する第3部分とを有する、請求項2
    に記載のツインクラッチ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102434596A (zh) * 2011-12-12 2012-05-02 中国重汽集团济南动力有限公司 一种离合器盖总成

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