JP2000266078A - ツインクラッチ - Google Patents

ツインクラッチ

Info

Publication number
JP2000266078A
JP2000266078A JP11071233A JP7123399A JP2000266078A JP 2000266078 A JP2000266078 A JP 2000266078A JP 11071233 A JP11071233 A JP 11071233A JP 7123399 A JP7123399 A JP 7123399A JP 2000266078 A JP2000266078 A JP 2000266078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flywheel
clutch
pressure plate
wear
friction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11071233A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Takahashi
史郎 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Exedy Corp filed Critical Exedy Corp
Priority to JP11071233A priority Critical patent/JP2000266078A/ja
Publication of JP2000266078A publication Critical patent/JP2000266078A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ツインクラッチの第1摩擦ディスクの摩耗量
が第2摩擦ディスクよりも大きくなった場合にもクラッ
チの連結やレリーズの同時性を確保する。 【解決手段】 ツインクラッチの中間プレート11は、
フライホイール2側の第1摩擦ディスク3aと第2摩擦
ディスク4aとの間に配置され、フライホイール2に連
動して回転する。レバー部材27は、プレッシャープレ
ート10の移動量に対して中間プレート11の移動量を
規制するもので、一端27aがフライホイールスペーサ
ー7に支持され、他端27bがプレッシャープレート1
0に当接し、中間部が中間プレート11に当接する。第
1摩耗追従機構は、第1摩擦ディスプレイ3aが摩耗し
た時、一端27aとフライホイールスペーサー7との相
対位置を変える。第2摩耗追従機構は、第2摩擦ディス
ク4aが摩耗した時、他端27bとプレッシャープレー
ト10との相対位置を変える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ツインクラッチ、
特に、摩擦面を有するフライホイールとトランスミッシ
ョンのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮断を行
うツインクラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】クラッチは、エンジン側のフライホイー
ルと変速機(トランスミッション)の入力側のシャフト
との間で動力を伝達あるいは遮断するための装置であ
る。一般にクラッチは、フライホイールに装着されるク
ラッチカバー組立体とクラッチディスク組立体とから構
成されている。クラッチディスク組立体は、外周部に摩
擦ディスクが設けられ、内周部にはトランスミッション
のシャフトに係合するハブが設けられている。摩擦ディ
スクとハブとは、複数のプレート状部材や弾性部材によ
って連結されている。クラッチカバー組立体は、クラッ
チディスク組立体の摩擦ディスクをフライホイールに対
して押圧又は押圧力を解除することで、クラッチの連結
及び連結解除を行うものである。クラッチカバー組立体
は、主として、フライホイールに固定されるクラッチカ
バーと、クラッチカバー内に配置され摩擦ディスクに近
接して配置されたプレッシャープレートと、クラッチカ
バーに支持されプレッシャープレートに押圧力を与える
ための押圧機構とから構成されている。
【0003】ところで、限られたスペースで大きなトル
ク伝達容量を確保しなければならない場合においては、
2つの摩擦ディスクを備えたツインクラッチが用いられ
ることがある。ツインクラッチは、第1及び第2摩擦デ
ィスクと、これらの間に配置された中間プレートとを有
している。中間プレートは、フライホイールに対して相
対回転不能にかつ軸方向に移動可能に装着されており、
両側面に第1及び第2摩擦ディスクに対する摩擦面が形
成されている。
【0004】ツインクラッチでは、クラッチ連結時に
は、クラッチカバー組立体のプレッシャープレートがダ
イヤフラムスプリング等の押圧部材によってフライホイ
ール側に押圧され、第1摩擦ディスクがフライホイール
と中間プレートとの間に挟まれ、第2摩擦ディスクが中
間プレートとプレッシャープレートとの間に挟まれる。
またクラッチレリーズ時には、プレッシャープレートへ
の押圧が解除され、プレッシャープレート及び中間プレ
ートがフライホイールから引き離されて、各摩擦ディス
クの連結が解除される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたツインク
ラッチにおいては、クラッチ動作(クラッチ連結、クラ
ッチレリーズ)時に第1摩擦ディスクと第2摩擦ディス
クとが同時に連結されることが好ましい。第1摩擦ディ
スクと第2摩擦ディスクとが同時につながると、2つの
クラッチディスク組立体のダンパーにおける位相ずれが
小さく又はほとんどなくなるからである。
【0006】さらに、クラッチ切れ特性において、中間
プレートのレバーストロークに対するリフト量は、プレ
ッシャープレートのそれに対して全領域で常に1/2の
位置であることが好ましい。中間プレートがプレッシャ
ープレートに対して近接又は離れていると、中間プレー
トが第1又は第2摩擦ディスクと接触してクラッチの切
れ性能を悪化させるからである。
【0007】特開昭63−235724号に開示された
ツインクラッチでは、上述の2つの目的を達成するため
のレバー部材が設けられている。レバー部材は、一端が
クラッチカバーに揺動可能に支持されており、他端が軸
方向に移動可能になっている。この他端は、プレッシャ
ープレートに対してフライホイール側から作用可能に当
接している。中間プレートには、レバー部材の中間部分
に、フライホイール側から当接する当接部材が設けられ
ている。このような構造により、クラッチ動作時には、
中間プレートの軸方向移動量は常にプレッシャープレー
トの軸方向移動量の1/2となり、さらにクラッチの連
結及びレリーズが同時に行われる。
【0008】また、このツインクラッチでは、当接部材
が中間プレートに対して軸方向に移動可能に摩擦係止さ
れている。これにより、第2摩擦ディスクの摩耗量が第
1摩擦ディスクより大きくなった場合に、レバー部材が
当接部材を中間プレートに対して軸方向フライホイール
側に移動させる。したがって、プレッシャープレートの
軸方向フライホイール側への移動がレバー部材に制限さ
れず、その結果第2摩擦ディスクに対する十分な押圧荷
重を確保できる。
【0009】しかし、上記のツインクラッチでは、第1
摩擦ディスクの摩耗量が第2摩擦ディスクよりも大きく
なった場合に、クラッチの連結及びレリーズの同時性が
損なわれる恐れがある。
【0010】本発明の課題は、第1摩擦ディスクの摩耗
量が第2摩擦ディスクよりも大きくなった場合にもクラ
ッチの連結及びレリーズの同時性を確保することができ
るツインクラッチを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のツイン
クラッチは、摩擦面を有するフライホイールとトランス
ミッションのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮
断を行うツインクラッチであって、第1クラッチディス
ク組立体と、第2クラッチディスク組立体と、クラッチ
カバーと、中間部材と、プレッシャープレートと、押圧
機構と、付勢部材と、第1摩耗追従機構と、第2摩耗追
従機構とを備えている。第1クラッチディスク組立体
は、フライホイールの摩擦面に近接して配置される第1
摩擦連結部を有しており、トランスミッションのシャフ
トにトルクを伝達することができる。第2クラッチディ
スク組立体は、第1摩擦連結部のフライホイール側と反
対側に配置される第2摩擦連結部を有しており、トラン
スミッションのシャフトにトルクを伝達することができ
る。クラッチカバーは、第2摩擦連結部のフライホイー
ル側と反対側に配置されており、フライホイールに固定
される。中間部材は、第1摩擦連結部と第2摩擦連結部
との軸方向間に配置され、フライホイールに連動して回
転する。プレッシャープレートは、第2摩擦連結部とク
ラッチカバーとの軸方向間に配置され、クラッチカバー
に連動して回転する。押圧機構は、クラッチカバーに支
持されるものであり、プレッシャープレートに対するフ
ライホイール側への押圧及び押圧解除を行う。付勢部材
は、中間部材を、フライホイールから離れる方向に付勢
する。レバー部材は、プレッシャープレートの軸方向移
動量に対して中間部材の軸方向移動量を規制する部材で
ある。レバー部材の一端は、クラッチカバー又はフライ
ホイールに支持される。レバー部材の他端は、プレッシ
ャープレートにフライホイール側から当接する。レバー
部材の中間部は、中間部材に、フライホイール側と反対
側から当接する。第1摩耗追従機構は、第1摩擦連結部
が摩耗したときに、レバー部材の一端とクラッチカバー
又はフライホイールとの軸方向の相対位置を変える。第
2摩耗追従機構は、第2摩擦連結部が摩耗したときに、
レバー部材の他端とプレッシャープレートとの軸方向の
相対位置を変える。
【0012】請求項1に記載のツインクラッチでは、ト
ルク遮断からトルク伝達への移行時(以下、クラッチ連
結時という。)には、押圧機構がプレッシャープレート
をフライホイール側に押すことにより、プレッシャープ
レート及び中間部材がフライホイール側に移動して、第
1摩擦連結部がフライホイールと中間部材との間に、第
2摩擦連結部が中間部材とプレッシャープレートとの間
に挟持されて、クラッチがトルク伝達状態となる。一
方、トルク伝達からトルク遮断への移行時(以下、クラ
ッチレリーズ時という。)には、押圧機構によるプレッ
シャープレートの押圧が解除されてプレッシャープレー
トがフライホイールから離れる方向に移動し、第1摩擦
連結部がフライホイール及び中間部材から離れ、第2摩
擦連結部が中間部材及びプレッシャープレートから離れ
て、クラッチがトルク遮断状態となる。
【0013】また上記のクラッチ連結時及びクラッチレ
リーズ時においては、レバー部材の作用によって、中間
部材の軸方向の移動量がプレッシャープレートの軸方向
の移動量の概ね半分となる。
【0014】クラッチ連結時にプレッシャープレートが
フライホイール側に移動すると、レバー部材の一端は軸
方向に移動せず他端だけがプレッシャープレートととも
にフライホイール側に移動する。このため、レバー部材
の中間部は、プレッシャープレートの軸方向移動量の約
半分の移動量だけフライホイール側に移動する。このレ
バー部材の中間部がフライホイール側と反対側から中間
部材に当接しているため、中間部材もレバー部材の中間
部に押されてフライホイール側に移動する。したがっ
て、レバー部材の中間部と同じ移動量だけフライホイー
ル側に移動する中間部材は、プレッシャープレートの軸
方向移動量の約半分だけフライホイール側に移動するこ
とになる。
【0015】クラッチレリーズ時にプレッシャープレー
トがフライホイールから離れるように移動すると、レバ
ー部材の一端は移動しないが、中間部が中間部材に押さ
れてフライホイールから離れる方向に移動する。これ
は、中間部材が付勢部材の付勢力によってフライホイー
ル側と反対側に付勢されているためである。但し、レバ
ー部材の他端のフライホイール側と反対側への移動がプ
レッシャープレートによって規制されているため、レバ
ー部材の中間部は、プレッシャープレートの軸方向移動
量の約半分の移動量だけしかフライホイール側と反対側
に移動することができない。したがって、レバー部材の
中間部と同じだけフライホイールから離れる方向に移動
する中間部材は、プレッシャープレートの軸方向移動量
の約半分だけフライホイール側と反対側に移動すること
になる。
【0016】このように、クラッチ連結時及びクラッチ
レリーズ時において中間部材がプレッシャープレートの
移動に連動して約半分だけ移動するようになっているた
め、クラッチ連結及びクラッチレリーズの同時性を確保
することができるとともに、クラッチの切れ性が確保さ
れる。
【0017】そして、本請求項1に記載のツインクラッ
チでは、第1及び第2摩耗追従機構の作動によって、ど
ちらかの摩擦連結部が摩耗した場合にも、前述した中間
部材とプレッシャープレートとの移動量の関係を確保す
ることができる。また、どちらの摩擦連結部が多く摩耗
した場合にも、前述した中間部材とプレッシャープレー
トとの移動量の関係を確保することができる。
【0018】第1摩擦連結部が摩耗したときにはトルク
伝達状態において当初に較べて中間部材及びフライホイ
ールの相対位置関係が変化するが、第1摩耗追従機構が
レバー部材の一端とクラッチカバー又はフライホイール
との軸方向の相対位置を変えるため、レバー部材の中間
部が中間部材に当接している状態を保持することがで
き、クラッチ連結及びクラッチレリーズの同時性を確保
することができる。
【0019】一方、第2摩擦連結部が摩耗したときには
トルク伝達状態において当初に較べて中間部材及びプレ
ッシャープレートの相対位置関係が変化するが、第2摩
耗追従機構がレバー部材の他端とプレッシャープレート
との軸方向の相対位置を変えるため、レバー部材の中間
部が中間部材に当接している状態を保持することがで
き、クラッチ連結及びクラッチレリーズの同時性を確保
することができる。
【0020】このように、どちらの摩擦連結部が摩耗し
た場合にもレバー部材の中間部が中間部材に当接してい
る状態が保持されるため、両摩擦連結部の摩耗量の違い
にかかわらず、どちらの摩耗量が大きい場合にもクラッ
チ連結及びクラッチレリーズの同時性を確保することが
できる。
【0021】請求項2に記載のツインクラッチは、請求
項1に記載のツインクラッチであって、第1摩耗追従機
構は、第1係止部材と、第1規制部材とから構成されて
いる。また、第2摩耗追従機構は、第2係止部材と、第
1規制部材とから構成されている。第1係止部材は、ク
ラッチカバー又はフライホイールに軸方向に移動可能に
摩擦係止され、レバー部材の一端を支持する。第2係止
部材は、プレッシャープレートに軸方向に移動可能に摩
擦係止され、レバー部材の他端にフライホイール側と反
対側から当接する。第1規制部材は、中間部材とレバー
部材の一端との軸方向の相対距離が大きくなることを規
制する。
【0022】請求項3に記載のツインクラッチは、請求
項2に記載のツインクラッチであって、クラッチカバー
又はフライホイールと第1係止部材との間の摩擦力及び
プレッシャープレートと第2係止部材との間の摩擦力
は、付勢部材の付勢力よりも大きい。
【0023】請求項4に記載のツインクラッチは、請求
項2又は3に記載のツインクラッチであって、クラッチ
カバー又はフライホイールと第1係止部材との間の摩擦
力は、プレッシャープレートと第2係止部材との間の摩
擦力よりも小さい。
【0024】請求項5に記載のツインクラッチは、請求
項2から4のいずれかに記載のツインクラッチであっ
て、第1摩耗追従機構は、第2規制部材をさらに有して
いる。第2規制部材は、中間部材とレバー部材の中間部
とが離れることを規制する。
【0025】請求項6に記載のツインクラッチは、摩擦
面を有するフライホイールとトランスミッションのシャ
フトとの間でトルク伝達及びトルク遮断を行うツインク
ラッチであって、第1クラッチディスク組立体と、第2
クラッチディスク組立体と、クラッチカバーと、中間部
材と、プレッシャープレートと、押圧機構と、付勢部材
と、レバー部材と、摩耗追従機構とを備えている。第1
クラッチディスク組立体は、トランスミッションのシャ
フトにトルクを伝達可能なものであって、フライホイー
ルの摩擦面に近接して配置される第1摩擦連結部を有し
ている。第2クラッチディスク組立体は、トランスミッ
ションのシャフトにトルクを伝達可能なものであって、
第1摩擦連結部のフライホイール側と反対側に配置され
る第2摩擦連結部を有している。クラッチカバーは、第
2摩擦連結部のフライホイール側と反対側に配置される
もので、フライホイールに固定される。中間部材は、第
1摩擦連結部と第2摩擦連結部との軸方向間に配置され
ており、フライホイールに連動して回転する。プレッシ
ャープレートは、第2摩擦連結部とクラッチカバーとの
軸方向間に配置されており、クラッチカバーに連動して
回転する。押圧機構は、クラッチカバーに支持されるも
ので、プレッシャープレートに対するフライホイール側
への押圧及び押圧解除を行う。付勢部材は、中間部材を
フライホイールから離れる方向に付勢する。レバー部材
は、プレッシャープレートの軸方向移動量に対して中間
部材の軸方向移動量を規制する部材である。レバー部材
の一端は、クラッチカバー又はフライホイールに支持さ
れる。レバー部材の他端は、プレッシャープレートにフ
ライホイール側から当接する。レバー部材の中間部は、
中間部材にフライホイール側と反対側から当接する。摩
耗追従機構は、第1摩擦連結部の摩耗量が第2摩擦連結
部の摩耗量よりも大きくなったとき、及び第2摩擦連結
部の摩耗量が第1摩擦連結部の摩耗量よりも大きくなっ
たときに作動する機構であり、第1及び第2摩擦連結部
の摩耗量の差に応じてレバー部材の他端とプレッシャー
プレートとの軸方向の相対位置を変える。
【0026】請求項6に記載のツインクラッチでは、ク
ラッチ連結時には、押圧機構がプレッシャープレートを
フライホイール側に押すことにより、プレッシャープレ
ート及び中間部材がフライホイール側に移動して、第1
摩擦連結部がフライホイールと中間部材との間に、第2
摩擦連結部が中間部材とプレッシャープレートとの間に
挟持されて、クラッチがトルク伝達状態となる。一方、
クラッチレリーズ時には、押圧機構によるプレッシャー
プレートの押圧が解除されてプレッシャープレートがフ
ライホイールから離れる方向に移動し、第1摩擦連結部
がフライホイール及び中間部材から離れ、第2摩擦連結
部が中間部材及びプレッシャープレートから離れて、ク
ラッチがトルク遮断状態となる。
【0027】また上記のクラッチ連結時及びクラッチレ
リーズ時においては、レバー部材の作用によって、中間
部材の軸方向の移動量がプレッシャープレートの軸方向
の移動量の概ね半分となる。
【0028】クラッチ連結時にプレッシャープレートが
フライホイール側に移動すると、レバー部材の一端は軸
方向に移動せず他端だけがプレッシャープレートととも
にフライホイール側に移動する。このため、レバー部材
の中間部は、プレッシャープレートの軸方向移動量の約
半分の移動量だけフライホイール側に移動する。このレ
バー部材の中間部がフライホイール側と反対側から中間
部材に当接しているため、中間部材もレバー部材の中間
部に押されてフライホイール側に移動する。したがっ
て、レバー部材の中間部と同じ移動量だけフライホイー
ル側に移動する中間部材は、プレッシャープレートの軸
方向移動量の約半分だけフライホイール側に移動するこ
とになる。
【0029】クラッチレリーズ時にプレッシャープレー
トがフライホイールから離れるように移動すると、レバ
ー部材の一端は移動しないが、中間部が中間部材に押さ
れてフライホイールから離れる方向に移動する。これ
は、中間部材が付勢部材の付勢力によってフライホイー
ル側と反対側に付勢されているためである。但し、レバ
ー部材の他端のフライホイール側と反対側への移動がプ
レッシャープレートによって規制されているため、レバ
ー部材の中間部は、プレッシャープレートの軸方向移動
量の約半分の移動量だけしかフライホイール側と反対側
に移動することができない。したがって、レバー部材の
中間部と同じだけフライホイールから離れる方向に移動
する中間部材は、プレッシャープレートの軸方向移動量
の約半分だけフライホイール側と反対側に移動すること
になる。
【0030】このように、クラッチ連結時及びクラッチ
レリーズ時において中間部材がプレッシャープレートの
移動に連動して約半分だけ移動するようになっているた
め、クラッチ連結及びクラッチレリーズの同時性を確保
することができるとともに、クラッチの切れ性が確保さ
れる。
【0031】そして、本請求項6に記載のツインクラッ
チでは、摩耗追従機構の作動によって、どちらかの摩擦
連結部が他方の摩擦連結部よりも摩耗量が大きくなった
場合にも、前述した中間部材とプレッシャープレートと
の移動量の関係を確保することができる。
【0032】第1摩擦連結部の摩耗量が第2摩擦連結部
の摩耗量よりも大きくなったとき、又は第2摩擦連結部
の摩耗量が第1摩擦連結部の摩耗量よりも大きくなった
ときには、摩耗追従機構が作動して、第1及び第2摩擦
連結部の摩耗量の差に応じてレバー部材の他端とプレッ
シャープレートとの軸方向の相対位置を変える。これに
より、レバー部材の中間部が中間部材に当接している状
態を保持することができ、クラッチ連結及びクラッチレ
リーズの同時性を確保することができる。
【0033】請求項7に記載のツインクラッチは、請求
項6に記載のツインクラッチであって、摩耗追従機構
は、係止部材と、規制部材とから構成されている。係止
部材は、プレッシャープレートに軸方向に移動可能に摩
擦係止され、レバー部材の他端と軸方向に連動する。規
制部材は、中間部材とレバー部材の中間部とが軸方向に
離れることを規制する。
【0034】請求項8に記載のツインクラッチは、請求
項7に記載のツインクラッチであって、プレッシャープ
レートと係止部材との間の摩擦力は、付勢部材の付勢力
よりも大きい。また、規制部材の規制力は、プレッシャ
ープレートと係止部材との間の摩擦力よりも大きい。
【0035】
【発明の実施の形態】[第1実施形態] <ツインクラッチの全体構成>図1及び図2は、本発明
の一実施形態に係るツインクラッチ1を示している。こ
の種のツインクラッチは、車両、特に大型車両やトラク
ターのように必要なトルク伝達容量が大きい車両で採用
される。ツインクラッチ1は、エンジン側のフライホイ
ール2からトランスミッションの入力シャフト(図示せ
ず)にトルクを伝達及び遮断するための装置である。図
1におけるO−Oがツインクラッチ1の回転軸線であ
る。また、図2の矢印R1側がフライホイール2及びツ
インクラッチ1の回転方向であり、矢印R2がその逆回
転方向である。なお、以降、図1の左側を第1軸方向側
(エンジン側)と呼び、図1の右側を第2軸方向側(ト
ランスミッション側)と呼ぶこととする。
【0036】このツインクラッチ1は、主として、第1
クラッチディスク組立体3と、第2クラッチディスク組
立体4と、中間プレート11と、フライホイールスペー
サー7を介してフライホイール2に固定されるクラッチ
カバー組立体5とから構成されている。
【0037】<クラッチディスク組立体>第1クラッチ
ディスク組立体3と第2クラッチディスク組立体4は、
共に、捩じり振動を減衰するためのスプリングや摺動部
材等からなるダンパーを有しており、中心部にトランス
ミッションの入力シャフト(図示せず)がスプライン係
合する。また、両クラッチディスク組立体3,4は、そ
れぞれ摩擦フェーシング等からなる第1及び第2摩擦デ
ィスク3a,4aを外周部に有している。第1クラッチ
ディスク組立体3の第1摩擦ディスク3aはフライホイ
ール2の摩擦面2aに近接して配置されている。第2ク
ラッチディスク組立体4の第2摩擦ディスク4aは第1
摩擦ディスク3aから第2軸方向側に離れた位置に配置
されている。
【0038】<クラッチカバー組立体>クラッチカバー
組立体5は、摩擦ディスク3a,4aをフライホイール
2と一体回転するようにフライホイール2に連結させ、
又はその連結を解除するための機構である。クラッチカ
バー組立体5は、クラッチカバー8と、プレッシャープ
レート10と、押圧機構12とから構成されている。
【0039】<クラッチカバー>クラッチカバー8は、
環状の部材であり、フライホイール2の摩擦面2aから
第2軸方向側に離れて配置されている。クラッチカバー
8の外周部8bとフライホイール2の外周部との間に
は、フライホイールスペーサー7が配置されている。フ
ライホイールスペーサー7は、中間プレート11や第2
摩擦ディスク4aの外周側を覆う筒状の部材である。フ
ライホイールスペーサー7には、軸方向に貫通する孔が
複数設けられている。この孔を貫通する第1ボルト9a
によって、クラッチカバー8の外周部8bがフライホイ
ール2の外周部に固定される。クラッチカバー8は、こ
のフライホイールスペーサー7によって、フライホイー
ル2に対してその軸方向の位置が決められる。また、ク
ラッチカバー8とフライホイールスペーサー7とは、第
2ボルト9b(図3参照)により互いに固定されてい
る。第2ボルト9bは、第1ボルト9aより軸方向寸法
が短く、フライホイールスペーサー7に設けられたボル
ト孔に螺合している。フライホイールスペーサー7は、
クラッチカバー8とともにフライホイール2に固定され
る部材であり、広義の意味でのクラッチカバーであると
みなすことができる。フライホイールスペーサー7の第
1軸方向側端面7aは、フライホイール2の外周側に弧
状に設けられた突出部2bに当接している。突出部2b
には、前述の第1ボルト9aが螺合するボルト孔が形成
されている。第1軸方向側端面7aとフライホイール2
の他の部分(突出部2bが形成されていない部分)との
間には、軸方向に隙間が確保されている。さらに、図3
に示すように、フライホイールスペーサー7は、後述す
るレバー機構26等を配置するための切り欠き7bを有
している。切り欠き7bは、第1軸方向側が開いてお
り、円周方向に等間隔で複数形成されている。
【0040】<押圧機構>押圧機構12は、主に、複数
のコイルスプリング13と、レリーズレバー43とから
構成されている。
【0041】コイルスプリング13は、軸方向に延びて
配置されている。コイルスプリング13の一端はクラッ
チカバー8に第1軸方向側から当接しており、他端はプ
レッシャープレート10に第2軸方向側から当接してい
る。これにより、コイルスプリング13は、プレッシャ
ープレート10に対して第1軸方向側に押圧力を与えて
いる。コイルスプリング13の軸方向両側には、コイル
スプリング13の外周を覆うカバー14が設けられてい
る。
【0042】レリーズレバー43は、図示しないクラッ
チ操作機構によりクラッチ連結部分に対する押圧力を解
除するための部材である。レリーズレバー43は、円周
方向に等間隔で並んで、複数配置されている。各レリー
ズレバー43は、放射状に延びており、クラッチカバー
8に固定される支持部46に回動自在に支持された支点
44と、プレッシャープレート10に回転可能に係合す
る作用部45とを有している。このレリーズレバー43
の径方向内側端部43aに図示しないレリーズ装置が第
2軸方向側から力を加えると、レリーズレバー43は支
点44を中心に回動し作用部45が第2軸方向側に移動
する。すなわち、プレッシャープレート10にコイルス
プリング13からの力以上の力が作用することで、プレ
ッシャープレート10は第2摩擦ディスク4aから離れ
て第2軸方向側に移動する。
【0043】<プレッシャープレート>プレッシャープ
レート10は、第2摩擦ディスク4aの第2軸方向側に
近接して配置された環状の部材である。このプレッシャ
ープレート10は、第2摩擦ディスク4a側に摩擦面を
有している。また、プレッシャープレート10は、クラ
ッチカバー8に相対回転不能にかつ軸方向移動可能にな
っている。具体的には、円周方向に延びるように配置さ
れた複数の第1ストラッププレート18によって、プレ
ッシャープレート10がクラッチカバー8に固定されて
いる。各第1ストラッププレート18は、クラッチカバ
ー8内でコイルスプリング13の径方向外方に配置され
ている。第1ストラッププレート18のR1側端部は、
リベット19によりクラッチカバー8に固定されてい
る。第1ストラッププレート18のR2側端部は、プレ
ッシャープレート10の外周部に設けられた突出部10
aにボルト20で固定されている。なお、クラッチカバ
ー8には、図2及び図3に示すように、ボルト20の頭
部に対応する部分に孔8aが形成されている。
【0044】<中間プレート>中間プレート11は、第
1摩擦ディスク3aと第2摩擦ディスク4aとの間に配
置された環状のプレートである。この中間プレート11
は、第1及び第2摩擦ディスク3a,4aに対向する摩
擦面を軸方向両側面に有している。また、中間プレート
11は、フライホイールスペーサー7に対して、相対回
転不能にかつ軸方向に移動可能にされている。具体的に
は、円周方向に沿って設けられた複数の第2ストラップ
プレート22によって、中間プレート11がフライホイ
ールスペーサー7に固定されている。第2ストラッププ
レート22は、中間プレート11の外周側部分において
フライホイール2に近接して配置されている。各第2ス
トラッププレート22は、弧状に延びる板状のばねであ
り、フライホイールスペーサー7の切り欠き7b内に配
置されている。これらの第2ストラッププレート22
は、R1側端部がボルト23によりフライホイールスペ
ーサー7の第1軸方向側端面7aに固定され、R2側端
部が中間プレート11に設けられた外方突出部11aの
第1軸方向側端面にボルト24により固定されている。
図3に示すクラッチ連結状態において、第2ストラップ
プレート22は、軸方向にたわんでおり、中間プレート
11に対してフライホイール2から離れる方向に付勢力
を与えている。但し、第2ストラッププレート22の第
2軸方向側への付勢力は、コイルスプリング13の第1
軸方向側への押圧力よりも小さいものであり、後述する
第1摩耗追従機構や第2摩耗追従機構の摩擦係止力より
も小さく設定されている。また、外方突出部11aは、
プレッシャープレート10の外周部から径方向外方に延
び、フライホイールスペーサー7の切り欠き7b内に位
置している。
【0045】<レバー機構>このツインクラッチ1はさ
らに、レバー機構26を有している。レバー機構26
は、クラッチ動作中に、中間プレート11の軸方向移動
量をプレッシャープレート10の軸方向移動量に対して
規制するための機構である。各レバー機構26は、フラ
イホイールスペーサー7の切り欠き7b内に配置されて
いる。各レバー機構26は、主として、レバー部材27
と、第1摩耗追従機構と、第2摩耗追従機構とから構成
されている。
【0046】(レバー部材)レバー部材27は、ツイン
クラッチ1の外周接線方向に延びる部材である。レバー
部材27のR1側端部27aは、図3及び図4に示すよ
うに第2軸方向側に突出する一対の支持部を有してお
り、これらの支持部を貫通するピン28及びピン抜け止
め28aによって後述する第1スタッドピン52から第
1軸方向側に延びる板部材51に軸支される。第1スタ
ッドピン52は後述する第1ロールピン53を介してフ
ライホイールスペーサー7に摩擦係止されているため、
レバー部材27のR1側端部27aはフライホイールス
ペーサー7に軸支されている状態となる(図3及び図7
参照)。
【0047】また、レバー部材27のR1側端部27a
は、クリップ(第1規制部材)29によって中間プレー
ト11から離れないようにされている。クリップ29
は、図3に示すように、一端が中間プレート11に固定
されており、他端が第2軸方向側からレバー部材27の
R1側端部27aに当接している。
【0048】レバー部材27のR2側端部27bは、図
3に示すように折り返されており、後述する第2スタッ
ドピン62及び第2スタッドピン62から第1軸方向側
に突出する球面突起61に対して第1軸方向側及び第2
軸方向側から当接している。レバー部材27のR2側端
部27bが第1軸方向側から第2スタッドピン62に当
接していることにより、レバー部材27の径方向移動が
規制されている。第2スタッドピン62は後述する第2
ロールピン63を介してプレッシャープレート10に摩
擦係止されているため、レバー部材27のR2側端部2
7bはプレッシャープレート10に連動することにな
る。
【0049】レバー部材27の中間部には、第1軸方向
側に突出する中間突起27cが形成されている。この中
間突起27cは、常時第2軸方向側から中間プレート1
1の外方突出部11aの第2軸方向側の面に当接する。
【0050】(第1摩耗追従機構)第1摩耗追従機構
は、レバー部材27のR1側端部27aを軸支するとと
もに、第1摩擦ディスク3aが摩耗した場合にそれを補
填する機構であって、第1スタッドピン52と、第1ロ
ールピン(第1係止部材)53と、クリップ29とから
構成されている。
【0051】第1スタッドピン52は、図3及び図4に
示すように、円柱部52bと、円柱部52bの第1軸方
向側端に形成され円柱部52bよりもひと回り径の大き
な円板部52aとを有している。円板部52aの第1軸
方向側の面からは、板部材51が第1軸方向側に延びて
いる。この板部材51には孔が開けられており、この孔
を通るピン28によって、図4に示すようにレバー部材
27のR1側端部27aと回転自在に連結されている。
【0052】また、第1スタッドピン52の円柱部52
bの回りには、若干の隙間を開けて第1ロールピン53
が配置されている。この第1ロールピン53は、第1軸
方向側端が円板部52aに当接し、第2軸方向側端が円
柱部52bの第2軸方向側端面にボルト55によって固
定される円板54に当接している(図4参照)。これに
より、第1ロールピン53と第1スタッドピン52との
軸方向相対移動が規制され、両者52,53は軸方向に
一体となって移動することになる。なお、第1スタッド
ピン52は第1ロールピン53とともに後述するフライ
ホイールスペーサー7の穴7cに配されるが、フライホ
イールスペーサー7の穴7cの第2軸方向側にあるクラ
ッチカバー8の外周部8bには穴8cが開けられてお
り、クラッチカバー8の外周部8bが第1スタッドピン
52やボルト55と干渉しないようにされている。
【0053】第1ロールピン53は、軸方向に延びるス
リットが形成されている部材であり、フライホイールス
ペーサー7に設けられた穴に挿嵌され、その外周面がフ
ライホイールスペーサー7の穴7cの内面に押しつけら
れ摩擦係止されている。これは、力が作用しない状態に
おいてフライホイールスペーサー7の穴7cの直径より
も大きい第1ロールピン53を弾性変形させてフライホ
イールスペーサー7の穴7cに挿嵌していることによる
ものである。このように第1ロールピン53はフライホ
イールスペーサー7の穴7cに押しつけられているが、
その押しつけ力によって、第1ロールピン53は、軸方
向に所定の力(以下、第1摩耗追従機構の摩擦係止力と
いう。)以上の力が作用するまでは、フライホイールス
ペーサー7に対して移動不能となっている。
【0054】クリップ29は、上述のように、一端が中
間プレート11に固定されており、他端が第2軸方向側
からレバー部材27のR1側端部27aに当接してい
る。これにより、中間プレート11とレバー部材27の
R1側端部27aとは、図3に示す相対位置よりも近づ
くことはあっても離れることはないようになっている。
【0055】(第2摩耗追従機構)第2摩耗追従機構
は、レバー部材27のR2側端部27bの動きを規制す
るとともに、第2摩擦ディスク4aが摩耗した場合にそ
れを補填する機構であって、第2スタッドピン62と、
第2ロールピン(第2係止部材)63と、前述のクリッ
プ29とから構成されている。
【0056】第2スタッドピン62は、円柱部62b
と、円柱部62bの第1軸方向側端に形成され円柱部6
2bよりもひと回り径の大きな円板部62aとを有して
いる。円板部62aの第1軸方向側の面には、第1軸方
向側に突出する半球状の球面突起61が装着されてい
る。この球面突起61は、第2軸方向側からレバー部材
27のR2側端部27bに当接している。
【0057】また、第2スタッドピン62の円柱部62
bの回りには、若干の隙間を開けて第2ロールピン63
が配置されている。この第2ロールピン63は、第1軸
方向側端が円板部62aに当接し、第2軸方向側端が円
柱部62bの第2軸方向側端面にボルト65によって固
定される円板64に当接している。これにより、第2ロ
ールピン63と第2スタッドピン62との軸方向相対移
動が規制され、両者62,63は軸方向に一体となって
移動することになる。
【0058】第2ロールピン63は、軸方向に延びるス
リットが形成されている部材であり、プレッシャープレ
ート10に固定されるアジャスタ部材60の筒部に挿嵌
され、その外周面がアジャスタ部材60の筒部内面に押
しつけられ摩擦係止されている。これは、力が作用しな
い状態においてアジャスタ部材60の筒部の直径よりも
大きい第2ロールピン63を弾性変形させてアジャスタ
部材60の筒部に挿嵌していることによるものである。
このように第2ロールピン63はアジャスタ部材60の
筒部に押しつけられているが、その押しつけ力によっ
て、第2ロールピン63は、軸方向に所定の力(以下、
第2摩耗追従機構の摩擦係止力という。)以上の力が作
用するまでは、プレッシャープレート10に対して移動
不能となっている。
【0059】なお、第2摩耗追従機構の摩擦係止力、す
なわち第2ロールピン63とプレッシャープレート10
に固定されるアジャスタ部材60の筒部との摩擦係止力
は、第1摩耗追従機構の摩擦係止力、すなわち第1ロー
ルピン53とフライホイールスペーサー7の穴7cとの
摩擦係止力よりも大きく設定されている。
【0060】<ツインクラッチの動作>次に、図5〜図
7及び図17を用いて通常のクラッチ連結動作及びクラ
ッチレリーズ動作について説明する。図5は動作を説明
するための模式図であり、図17はレバーストローク
(レリーズレバー43の先端43aの軸方向ストロー
ク)に対するプレッシャープレート10及び中間プレー
ト11の軸方向移動量を示す切れ特性図である。
【0061】まず最初に、クラッチレリーズ動作につい
て説明する。
【0062】図3、図5(a)及び図6(a)に示すク
ラッチ連結状態からレリーズレバー43に図示しないレ
リーズ装置から押圧荷重が作用すると、クラッチカバー
8等の弾性変形による初期ロスを経た後、プレッシャー
プレート10が第2軸方向側に移動し始める。具体的に
は、レリーズレバー43の先端(径方向内側端部)43
aが第1軸方向側に押されて、作用部45が第1軸方向
側に移動し、プレッシャープレート10が第2摩擦ディ
スク4aから離れる方向に移動し始める。
【0063】すると、プレッシャープレート10の移動
に伴ってレバー部材27のR2側端部27bが第2軸方
向側に移動できるようになり、第2ストラッププレート
22が中間プレート11を第2軸方向側に付勢する力に
よって、レバー部材27がピン28を中心に回動する。
すなわち、レバー部材27の中間部が第2軸方向側に力
を受け、レバー部材27が回動する。但し、レバー部材
27のR2側端部27bの第2軸方向側への移動はプレ
ッシャープレート10により規制されているため、中間
プレート11の第2軸方向側への移動量はプレッシャー
プレート10の約半分となる。
【0064】レバーストロークいっぱいまでレリーズレ
バー43の先端43aが第1軸方向側に押されると、ツ
インクラッチ1は、図7、図5(b)及び図6(b)に
示すクラッチレリーズ状態となる。
【0065】次に、クラッチ連結動作について説明す
る。
【0066】図7、図5(b)及び図6(b)に示すク
ラッチレリーズ状態において、レリーズ装置からのレリ
ーズレバー43の先端43aへの押圧が解除されていく
と、プレッシャープレート10がコイルスプリング13
の力によって第1軸方向側に移動していく。これに伴っ
てレバー部材27のR2側端部27bが第1軸方向側に
移動して、レバー部材27がピン28を中心に回動し、
レバー部材27の中間突起27cが中間プレート11を
第1軸方向側に押すことで中間プレート11が第1軸方
向側に移動する。
【0067】このときの中間プレート11の第1軸方向
側への移動量は、ピン28から球面突起61までの距離
とピン28から中間突起27cまでの距離との比にした
がって、プレッシャープレート10の移動量の約半分と
なる。
【0068】レリーズ装置による押圧が完全に解除され
てレリーズレバー43の先端43aが図1の実線で示さ
れる位置にくると、ツインクラッチ1は、図3、図5
(a)及び図6(a)に示すクラッチ連結状態となる。
【0069】<第1摩耗追従機構の動作>図3及び図8
(a)に示す両摩擦ディスク3a,4aが摩耗していな
い状態から、第1摩擦ディスク3aが摩耗して図9及び
図8(b)に示す状態になると、第1摩耗追従機構が作
動してこれを補填する。
【0070】第1摩擦ディスク3aが摩耗すると、クラ
ッチ連結時において、今までよりも中間プレート11と
フライホイール2との軸方向距離が短くなる。すると、
クリップ29によってレバー部材27のR1側端部27
aが第1軸方向側に引っ張られる。ここで、レバー部材
27のR2側端部27bが第2摩耗追従機構により第2
軸方向側への移動を規制されており、レバー部材27の
中間突起27cが中間プレート11により第1軸方向側
への移動を規制されているため、レバー部材27が回転
することはできず、第1摩耗追従機構の摩擦係止力を上
回るコイルスプリング13の力によって第1ロールピン
53とフライホイールスペーサー7の穴7cとが軸方向
に滑り、第1スタッドピン52及びレバー部材27のR
1側端部27aが第1軸方向側に移動する。なお、第1
摩耗追従機構の摩擦係止力が第2摩耗追従機構の摩擦係
止力よりも小さいため、第1摩擦ディスク3aが摩耗し
たときには第2摩耗追従機構ではなく第1摩耗追従機構
が作動する。
【0071】このような動作により、第1摩耗追従機構
は、第1摩擦ディスク3aが摩耗したときに、第1摩擦
ディスク3aの摩耗量に応じてフライホイールスペーサ
ー7によるレバー部材27のR1側端部27aの軸支位
置を軸方向に変更する。
【0072】<第2摩耗追従機構の動作>図3及び図1
0(a)に示す両摩擦ディスク3a,4aが摩耗してい
ない状態から、第2摩擦ディスク4aが摩耗して図11
及び図10(b)に示す状態になると、第2摩耗追従機
構が作動してこれを補填する。
【0073】第2摩擦ディスク4aが摩耗すると、クラ
ッチ連結時において今までよりも中間プレート11とプ
レッシャープレート10との軸方向距離が短くなる。す
ると、プレッシャープレート10に固定されているアジ
ャスタ部材60も今までより中間プレート11に近づ
く。これに伴い第2ロールピン63及び第2スタッドピ
ン62も中間プレート11に近づこうとするが、レバー
部材27のR1側端部27aがクリップ29により第2
軸方向側への移動を規制されており、レバー部材27の
中間突起27cが中間プレート11により第1軸方向側
への移動を規制されているため、レバー部材27が回転
することはできない。したがって、レバー部材27のR
2側端部27bが、第1摩耗追従機構の摩擦係止力を上
回るコイルスプリング13の力によって第2スタッドピ
ン62及び第2ロールピン63を第2軸方向側に押し
て、第2ロールピン63とアジャスタ部材60とが軸方
向に滑り、第2スタッドピン62及びレバー部材27の
R2側端部27bがプレッシャープレート10に対して
相対的に第2軸方向側に移動する。
【0074】このような動作により、第2摩耗追従機構
は、第2摩擦ディスク4aが摩耗したときに、第2摩擦
ディスク4aの摩耗量に応じてプレッシャープレート1
0によるレバー部材27のR2側端部27bの支持位置
を軸方向に変更する。
【0075】<本ツインクラッチの特徴>本ツインクラ
ッチ1では、第1及び第2摩耗追従機構の作動によっ
て、どちらかの摩擦ディスクが摩耗した場合にも、図1
7に示す中間プレート11とプレッシャープレート10
とのレバーストロークに対する移動量の関係を確保する
ことができる。また、どちらの摩擦ディスクが多く摩耗
した場合にも、中間プレート11とプレッシャープレー
ト10とのレバーストロークに対する移動量の関係を確
保することができる。すなわち、第1摩擦ディスク3a
が摩耗したときには第1摩耗追従機構が作動し、第2摩
擦ディスク4aが摩耗したときには第2摩耗追従機構が
作動することによって、常にレバー部材27の中間突起
27cが中間プレート11の外方突出部11aに当接し
ている状態を保持することができ、クラッチ連結及びク
ラッチレリーズの同時性が確保される。
【0076】[第2実施形態]図12に示すように、第
1実施形態のツインクラッチ1のレバー機構26に、ク
リップ(第2規制部材)30を加えてもよい。
【0077】クリップ30は、図12及び図13に示す
ように、中間プレート11に固定されるもので、レバー
部材27の中間部に第1軸方向側から当接している。こ
れにより、クリップ30は、レバー部材27の中間部が
中間プレート11から離れないように、言い換えればレ
バー部材27の中間突起27cが中間プレート11の外
方突出部11aから離れないようにしている。
【0078】このようなクリップ30を設けた場合に
は、第1摩擦ディスクや第2摩擦ディスクが摩耗して第
1、第2摩耗追従機構が作動するときに、その作動がよ
り安定する。
【0079】[第3実施形態]上記第1実施形態では第
1及び第2摩耗追従機構を含むレバー機構26を採用し
ているが、これに代えて図14に示すレバー機構126
を採用してもよい。
【0080】<レバー機構>本実施形態のツインクラッ
チでは、図14に示すレバー機構126を採用してい
る。レバー機構126は、クラッチ動作中に、中間プレ
ート11の軸方向移動量をプレッシャープレート10の
軸方向移動量に対して規制するための機構である。各レ
バー機構126は、フライホイールスペーサー7の切り
欠き7b内に配置されている。各レバー機構126は、
主として、レバー部材127と、1つの摩耗追従機構と
から構成されている。
【0081】(レバー部材)レバー部材127は、ツイ
ンクラッチ1の外周接線方向に延びる部材である。レバ
ー部材127のR1側端部127aは、ピン128によ
ってフライホイールスペーサー7に回動自在に支持され
ている部材129に固定されている。すなわち、レバー
部材127のR1側端部127aはフライホイールスペ
ーサー7に軸支されている状態にある(図14〜図16
参照)。
【0082】レバー部材127のR2側端部127b,
127dは、後述するスタッドピン72に対して第1軸
方向側及び第2軸方向側から当接している。R2側端部
127bの第2軸方向側凸部が第1軸方向側からスタッ
ドピン72の外周突出板72cに当接しており、R2側
端部127dの第1軸方向側凸部が第2軸方向側からス
タッドピン72の外周突出板72cに当接している。な
お、図14に示すように、R2側端部127dは、ボル
ト127eによってレバー部材127と一体化してい
る。
【0083】このようにレバー部材127のR2側端部
127b,127dがスタッドピン72に当接している
ことにより、レバー部材127の径方向移動が規制され
ている。スタッドピン72は後述するロールピン73を
介してプレッシャープレート10に摩擦係止されている
ため、レバー部材127のR2側端部127b,127
dはプレッシャープレート10に連動することになる。
【0084】レバー部材127の中間部127cは、第
2軸方向側から中間プレート11の外方突出部11aの
第2軸方向側凸部11bに当接する。また、この中間部
127cには、第2軸方向側からクリップ130が当接
する。クリップ(規制部材)130は、中間プレート1
1に固定されており、レバー部材127の中間部127
cが中間プレート11から離れないようにしている。
【0085】(摩耗追従機構)摩耗追従機構は、レバー
部材127のR2側端部127b,127dの動きを規
制するとともに、第1摩擦ディスク3aや第2摩擦ディ
スク4aが摩耗した場合にそれを補填する機構であっ
て、スタッドピン72と、ロールピン(係止部材)73
と、前述のクリップ130とから構成されている。
【0086】スタッドピン72は、円柱部72bと、円
柱部72bの第1軸方向側端に形成され円柱部72bよ
りもひと回り径の大きな円板部72aとを有している。
円板部62aの第1軸方向側の面には、スタッドピン7
2よりも外周側に突出する外周突出板72cが固定され
ている。この外周突出板72cは、前述のように、R2
側端部127bの第2軸方向側凸部とR2側端部127
dの第1軸方向側凸部との間に挟まれる(図14から図
16参照)。
【0087】また、スタッドピン72の円柱部72bの
回りには、若干の隙間を開けてロールピン73が配置さ
れている。このロールピン73は、第1軸方向側端が円
板部72aに当接し、第2軸方向側端が円柱部72bの
第2軸方向側端面にボルト75によって固定される円板
74に当接している。これにより、ロールピン73とス
タッドピン72との軸方向相対移動が規制され、両者7
2,73は軸方向に一体となって移動することになる。
【0088】ロールピン73は、軸方向に延びるスリッ
トが形成されている部材であり、プレッシャープレート
10に固定されるアジャスタ部材160の筒部に挿嵌さ
れ、その外周面がアジャスタ部材160の筒部内面に押
しつけられ摩擦係止されている。これは、力が作用しな
い状態においてアジャスタ部材160の筒部の直径より
も大きいロールピン73を弾性変形させてアジャスタ部
材160の筒部に挿嵌していることによるものである。
このようにロールピン73はアジャスタ部材160の筒
部に押しつけられているが、その押しつけ力によって、
ロールピン73は、軸方向に所定の力(以下、摩耗追従
機構の摩擦係止力という。)以上の力が作用するまで
は、プレッシャープレート10に対して移動不能となっ
ている。
【0089】なお、摩耗追従機構の摩擦係止力、すなわ
ちロールピン73とプレッシャープレート10に固定さ
れるアジャスタ部材160の筒部との摩擦係止力は、中
間プレート11をフライホイール2から離れる方向に付
勢する第2ストラッププレート22の付勢力よりも大き
く設定されている。一方、前述のクリップ130により
レバー部材127の中間部127cと中間プレート11
とが初期設定値以上に離れないようにされているが、こ
のクリップ130の規制力は十分に大きく設定されてお
り、図15や図16に示すように、摩耗追従機構の摩擦
係止部分が滑り出すときにもレバー部材127の中間部
127cと中間プレート11とが離れないようにされて
いる。
【0090】<摩耗追従機構の動作>図14に示す両摩
擦ディスク3a,4aが摩耗していない状態から、第1
摩擦ディスク3aが摩耗して図15に示す状態になった
場合には、摩耗追従機構が作動してこれを補填する。
【0091】第1摩擦ディスク3aが摩耗すると、クラ
ッチ連結時において今までよりも中間プレート11とフ
ライホイール2との軸方向距離が短くなる。すると、ク
リップ130を介してレバー部材127の中間部127
cが今までよりも第1軸方向側に引っ張られる。する
と、レバー部材127のR2側端部127b,127d
も第1軸方向側に移動するが、プレッシャープレート1
0はフライホイール2との間に両摩擦ディスク3a,4
a及び中間プレート11を挟んだ状態においてそれ以上
第1軸方向側には移動できないため、アジャスタ部材1
60とロールピン73とが軸方向に滑り、スタッドピン
72とプレッシャープレート10との軸方向相対位置が
変わる。すなわち、プレッシャープレート10によるレ
バー部材127のR2側端部127b,127dの支持
位置が第1軸方向側にずれる。
【0092】このような動作により、摩耗追従機構は、
第1摩擦ディスク3aが摩耗したときに、第1摩擦ディ
スク3aの摩耗量に応じてプレッシャープレート10に
よるレバー部材127のR2側端部127b,127d
の支持位置を軸方向に変更する。
【0093】また、図14に示す両摩擦ディスク3a,
4aが摩耗していない状態から、第2摩擦ディスク4a
が摩耗して図16に示す状態になった場合にも、摩耗追
従機構が作動してこれを補填する。
【0094】第2摩擦ディスク4aが摩耗すると、クラ
ッチ連結時において今までよりも中間プレート11とプ
レッシャープレート10との軸方向距離が短くなる。す
ると、プレッシャープレート10に固定されているアジ
ャスタ部材160も今までより中間プレート11に近づ
く。これに伴いロールピン73及びスタッドピン72や
レバー部材127のR2側端部127b,127dも中
間プレート11に近づこうとするが、レバー部材127
の中間部127cが中間プレート11の第2軸方向側凸
部11bにより第1軸方向側への移動を規制されており
レバー部材127のR1側端部127aが部材129を
介してフライホイールスペーサー7に支持されているた
め、レバー部材127のR2側端部127b,127d
は第1軸方向側に移動できない。したがって、レバー部
材127のR2側端部127bが、摩耗追従機構の摩擦
係止力を上回るコイルスプリング13の力によってスタ
ッドピン72及びロールピン73を第2軸方向側に押し
て、ロールピン73とアジャスタ部材160とが軸方向
に滑り、スタッドピン72及びレバー部材127のR2
側端部127b,127dがプレッシャープレート10
に対して相対的に第2軸方向側に移動する。
【0095】このような動作により、摩耗追従機構は、
第2摩擦ディスク4aが摩耗したときに、第2摩擦ディ
スク4aの摩耗量に応じてプレッシャープレート10に
よるレバー部材127のR2側端部127b,127d
の支持位置を軸方向に変更する。
【0096】<本ツインクラッチの特徴>本ツインクラ
ッチでは、摩耗追従機構の作動によって、どちらかの摩
擦ディスプレイが摩耗した場合にも、図17に示す中間
プレート11とプレッシャープレート10とのレバース
トロークに対する移動量の関係を確保することができ
る。また、どちらの摩擦ディスクが多く摩耗した場合に
も、中間プレート11とプレッシャープレート10との
レバーストロークに対する移動量の関係を確保すること
ができる。すなわち、第1摩擦ディスク3aが摩耗した
ときにも第2摩擦ディスク4aが摩耗したときにも、摩
耗追従機構が作動することによって、常にレバー部材1
27の中間部127cが中間プレート11の外方突出部
11aの第2軸方向側凸部11bに当接している状態を
保持することができ、クラッチ連結及びクラッチレリー
ズの同時性が確保される。
【0097】
【発明の効果】本発明では、第1及び第2摩耗追従機構
を設けているため、これらの作動によって、どちらかの
摩擦連結部が摩耗した場合にも、中間部材とプレッシャ
ープレートとの移動量の関係を確保することができる。
また、どちらの摩擦連結部が多く摩耗した場合にも、中
間部材とプレッシャープレートとの移動量の関係を確保
することができる。
【0098】また、別の本発明では、第1摩擦連結部の
摩耗量が第2摩擦連結部の摩耗量よりも大きくなったと
きにも第2摩擦連結部の摩耗量が第1摩擦連結部の摩耗
量よりも大きくなったときにも作動する摩耗追従機構を
設けているため、第1及び第2摩擦連結部の摩耗時にも
レバー部材の中間部が中間部材に当接している状態を保
持することができ、クラッチ連結及びクラッチレリーズ
の同時性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るツインクラッチの縦
断面概略図。
【図2】ツインクラッチの平面図。
【図3】ツインクラッチの側面図。
【図4】摩耗追従機構の断面構成図。
【図5】ツインクラッチの動作説明図。
【図6】ツインクラッチの動作説明図。
【図7】ツインクラッチの側面一状態図。
【図8】摩擦ディスク摩耗時のツインクラッチの挙動説
明図。
【図9】摩擦ディスク摩耗時のツインクラッチの側面状
態図。
【図10】摩擦ディスク摩耗時のツインクラッチの挙動
説明図。
【図11】摩擦ディスク摩耗時のツインクラッチの側面
状態図。
【図12】第2実施形態のツインクラッチの側面図。
【図13】規制クリップの断面図。
【図14】第3実施形態のツインクラッチの側面図。
【図15】第3実施形態の摩擦ディスク摩耗時のツイン
クラッチの側面状態図。
【図16】第3実施形態の摩擦ディスク摩耗時のツイン
クラッチの側面状態図。
【図17】ツインクラッチの切れ特性図。
【符号の説明】
1 ツインクラッチ 2 フライホイール 3 第1クラッチディスク組立体 3a 第1摩擦ディスク(第1摩擦連結部) 4 第2クラッチディスク組立体 4a 第2摩擦ディスク(第2摩擦連結部) 7 フライホイールスペーサー 8 クラッチカバー 10 プレッシャープレート 11 中間プレート(中間部材) 12 押圧機構 22 第2ストラッププレート(付勢部材) 29 クリップ(第1規制部材) 30 クリップ(第2規制部材) 53 第1ロールピン(第1係止部材) 63 第2ロールピン(第2係止部材) 73 ロールピン(係止部材) 160 クリップ(規制部材)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摩擦面を有するフライホイールとトランス
    ミッションのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮
    断を行うツインクラッチであって、 前記フライホイールの摩擦面に近接して配置される第1
    摩擦連結部を有し、前記シャフトにトルクを伝達可能な
    第1クラッチディスク組立体と、 前記第1摩擦連結部の前記フライホイール側と反対側に
    配置される第2摩擦連結部を有し、前記シャフトにトル
    クを伝達可能な第2クラッチディスク組立体と、 前記第2摩擦連結部の前記フライホイール側と反対側に
    配置され、前記フライホイールに固定されるクラッチカ
    バーと、 前記第1摩擦連結部と前記第2摩擦連結部との軸方向間
    に配置され、前記フライホイールに連動して回転する中
    間部材と、 前記第2摩擦連結部と前記クラッチカバーとの軸方向間
    に配置され、前記クラッチカバーに連動して回転するプ
    レッシャープレートと、 前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレ
    ートに対する前記フライホイール側への押圧及び押圧解
    除を行う押圧機構と、 前記中間部材を前記フライホイールから離れる方向に付
    勢する付勢部材と、 一端が前記クラッチカバー又は前記フライホイールに支
    持され、他端が前記プレッシャープレートに前記フライ
    ホイール側から当接し、中間部が前記中間部材に前記フ
    ライホイール側と反対側から当接する、前記プレッシャ
    ープレートの軸方向移動量に対して前記中間部材の軸方
    向移動量を規制するためのレバー部材と、 前記第1摩擦連結部が摩耗したときに前記レバー部材の
    一端と前記クラッチカバー又は前記フライホイールとの
    軸方向の相対位置を変える第1摩耗追従機構と、 前記第2摩擦連結部が摩耗したときに前記レバー部材の
    他端と前記プレッシャープレートとの軸方向の相対位置
    を変える第2摩耗追従機構と、を備えたツインクラッ
    チ。
  2. 【請求項2】前記第1摩耗追従機構は、前記クラッチカ
    バー又は前記フライホイールに軸方向に移動可能に摩擦
    係止され前記レバー部材の一端を支持する第1係止部材
    と、前記中間部材と前記レバー部材の一端との軸方向の
    相対距離が大きくなることを規制する第1規制部材とか
    ら構成され、 前記第2摩耗追従機構は、前記プレッシャープレートに
    軸方向に移動可能に摩擦係止され前記レバー部材の他端
    に前記フライホイール側と反対側から当接する第2係止
    部材と、前記第1規制部材とから構成される、請求項1
    に記載のツインクラッチ。
  3. 【請求項3】前記クラッチカバー又は前記フライホイー
    ルと前記第1係止部材との間の摩擦力及び前記プレッシ
    ャープレートと前記第2係止部材との間の摩擦力は、前
    記付勢部材の付勢力よりも大きい、請求項2に記載のツ
    インクラッチ。
  4. 【請求項4】前記クラッチカバー又は前記フライホイー
    ルと前記第1係止部材との間の摩擦力は、前記プレッシ
    ャープレートと前記第2係止部材との間の摩擦力よりも
    小さい、請求項2又は3に記載のツインクラッチ。
  5. 【請求項5】前記第1摩耗追従機構は、前記中間部材と
    前記レバー部材の中間部とが離れることを規制する第2
    規制部材をさらに有している、請求項2から4のいずれ
    かに記載のツインクラッチ。
  6. 【請求項6】摩擦面を有するフライホイールとトランス
    ミッションのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮
    断を行うツインクラッチであって、 前記フライホイールの摩擦面に近接して配置される第1
    摩擦連結部を有し、前記シャフトにトルクを伝達可能な
    第1クラッチディスク組立体と、 前記第1摩擦連結部の前記フライホイール側と反対側に
    配置される第2摩擦連結部を有し、前記シャフトにトル
    クを伝達可能な第2クラッチディスク組立体と、 前記第2摩擦連結部の前記フライホイール側と反対側に
    配置され、前記フライホイールに固定されるクラッチカ
    バーと、 前記第1摩擦連結部と前記第2摩擦連結部との軸方向間
    に配置され、前記フライホイールに連動して回転する中
    間部材と、 前記第2摩擦連結部と前記クラッチカバーとの軸方向間
    に配置され、前記クラッチカバーに連動して回転するプ
    レッシャープレートと、 前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレ
    ートに対する前記フライホイール側への押圧及び押圧解
    除を行う押圧機構と、 前記中間部材を前記フライホイールから離れる方向に付
    勢する付勢部材と、 一端が前記クラッチカバー又は前記フライホイールに支
    持され、他端が前記プレッシャープレートに前記フライ
    ホイール側から当接し、中間部が前記中間部材に前記フ
    ライホイール側と反対側から当接する、前記プレッシャ
    ープレートの軸方向移動量に対して前記中間部材の軸方
    向移動量を規制するためのレバー部材と、 前記第1摩擦連結部の摩耗量が前記第2摩擦連結部の摩
    耗量よりも大きくなったとき、及び前記第2摩擦連結部
    の摩耗量が前記第1摩擦連結部の摩耗量よりも大きくな
    ったときに作動する機構であって、前記第1及び第2摩
    擦連結部の摩耗量の差に応じて前記レバー部材の他端と
    前記プレッシャープレートとの軸方向の相対位置を変え
    る摩耗追従機構と、を備えたツインクラッチ。
  7. 【請求項7】前記摩耗追従機構は、前記プレッシャープ
    レートに軸方向に移動可能に摩擦係止され前記レバー部
    材の他端と軸方向に連動する係止部材と、前記中間部材
    と前記レバー部材の中間部とが軸方向に離れることを規
    制する規制部材とから構成されている、請求項6に記載
    のツインクラッチ。
  8. 【請求項8】前記プレッシャープレートと前記係止部材
    との間の摩擦力は、前記付勢部材の付勢力よりも大き
    く、 前記規制部材の規制力は、前記プレッシャープレートと
    前記係止部材との間の摩擦力よりも大きい、請求項7に
    記載のツインクラッチ。
JP11071233A 1999-03-17 1999-03-17 ツインクラッチ Pending JP2000266078A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11071233A JP2000266078A (ja) 1999-03-17 1999-03-17 ツインクラッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11071233A JP2000266078A (ja) 1999-03-17 1999-03-17 ツインクラッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000266078A true JP2000266078A (ja) 2000-09-26

Family

ID=13454781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11071233A Pending JP2000266078A (ja) 1999-03-17 1999-03-17 ツインクラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000266078A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5904234A (en) Multi-plate dry clutch having hub movement limiting means
JP3317787B2 (ja) クラッチ押圧組立体
JP5974450B2 (ja) クラッチ装置
JP3991239B2 (ja) クラッチ・カバー・アセンブリ及びクラッチ・カバー
US5904233A (en) Clutch cover assembly having a wear compensation mechanism with diaphragm spring attitude control
US6039161A (en) Twin-clutch device
JP2000274447A (ja) ツインクラッチ
JP2000266078A (ja) ツインクラッチ
JP3578599B2 (ja) ダイナミックダンパー及び連結機構
JPH1182544A (ja) クラッチ
JP3717099B2 (ja) ツインクラッチ
JPH11325113A (ja) クラッチカバー組立体
JP2000346091A (ja) フライホイールスペーサ組立体とツインクラッチ
JP4472465B2 (ja) 車両用クラッチ装置
JP2000274448A (ja) ツインクラッチ
JP2000329157A (ja) ツインクラッチ
US20040245063A1 (en) Pressure plate assembly for a friction clutch
JP2000205298A (ja) ツインクラッチ
JP6870504B2 (ja) 動力伝達機構
JP3365594B2 (ja) ダンパーディスク組立体
JP3651734B2 (ja) ダイナミックダンパー及びフライホイール組立体
JP2000170789A (ja) ツインクラッチ
JP2000329158A (ja) フライホイールスペーサ組立体及びツインクラッチ
JP2001012496A (ja) ツインクラッチ
JP3422608B2 (ja) クラッチ押圧組立体