JP2000346091A - フライホイールスペーサ組立体とツインクラッチ - Google Patents

フライホイールスペーサ組立体とツインクラッチ

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JP2000346091A
JP2000346091A JP11163541A JP16354199A JP2000346091A JP 2000346091 A JP2000346091 A JP 2000346091A JP 11163541 A JP11163541 A JP 11163541A JP 16354199 A JP16354199 A JP 16354199A JP 2000346091 A JP2000346091 A JP 2000346091A
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flywheel
clutch
plate
friction
assembly
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Shiro Takahashi
史郎 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ツインクラッチにおけるレバー機構において
摩耗調整を行うための機構の摩擦係数を安定させる。 【解決手段】 フライホイールスペーサ組立体7は、ツ
インクラッチに用いられるもので、フライホイール2と
クラッチカバー8との軸方向間に固定的に連結されたフ
ライホイールスペーサ7fと、レバー機構26とを備え
る。レバー機構26は、プレッシャープレート10の軸
方向移動量に対して中間プレート11の軸方向移動量を
規制するための機構であって、規制部材25と摩耗補償
機構28とを備える。規制部材25は、一端が第2スト
ラッププレート18に支持される。摩耗補償機構28
は、中間プレート11に支持され、かつ規制部材25の
他端に対して軸方向移動可能に摩擦係止される。レバー
機構26は、フライホイールスペーサ7fに移動可能に
支持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フライホイールか
らトランスミッションのシャフトにトルクを伝達及び遮
断するためのクラッチ、特に、中間部材を挟んで2つの
摩擦連結部が配置されているツインクラッチと、ツイン
クラッチに用いられるフライホイールスペーサ組立体と
に関する。
【0002】
【従来の技術】クラッチは、エンジン側のフライホイー
ルとトランスミッションのシャフトとの間でトルクを伝
達及び遮断するための装置である。クラッチは、主にク
ラッチディスク組立体とクラッチカバー組立体とから構
成されている。クラッチディスク組立体は、外周部に摩
擦ディスクを有し、内周部にはトランスミッションの入
力シャフトに係合するハブを備えている。摩擦ディスク
とハブとは、複数のプレートや弾性部材により連結され
ている。クラッチカバー組立体は、クラッチディスク組
立体の摩擦ディスクをフライホイールに対して押圧し又
は押圧力を解除することで、クラッチの連結解除を行う
ものである。クラッチカバー組立体は、主に、フライホ
イールに固定されクラッチディスク組立体を覆うクラッ
チカバーと、摩擦ディスクのトランスミッション側に配
置されクラッチカバーと一体回転可能であるプレッシャ
ープレートと、クラッチカバーに支持されプレッシャー
プレートに対して押圧力を与えるための押圧機構とから
構成されている。
【0003】限られたスペースで大きなトルク伝達容量
を確保しなければならない場合、2つの摩擦ディスクを
備えたツインクラッチが用いられる。ツインクラッチ
は、例えば、第1摩擦ディスクを有する第1クラッチデ
ィスク組立体と、第1摩擦ディスクのトランスミッショ
ン側に配置された第2摩擦ディスクを有する第2クラッ
チディスク組立体と、第1及び第2摩擦ディスクの軸方
向間に配置されフライホイールと一体回転可能である中
間プレートと、中間プレートをフライホイールから離れ
る方向に付勢するための第1ストラッププレートと、プ
レッシャープレートをフライホイールに向かう方向に付
勢するための第2ストラッププレートとを備えている。
中間プレートは、フライホイールに対して相対回転不能
かつ軸方向移動可能に装着されており、両側面に第1及
び第2摩擦ディスクに対する摩擦面が形成されている。
【0004】クラッチ連結時には、クラッチカバー組立
体のプレッシャープレートがコイルスプリング等を含む
押圧機構によってフライホイール側に押圧され、第1摩
擦ディスクがフライホイールと中間プレートとの間に挟
まれ、第2摩擦ディスクが中間プレートとプレッシャー
プレートとの間に挟まれる。またクラッチレリーズ時に
は、プレッシャープレートへの押圧が解除され、プレッ
シャープレート及び中間プレートが第1ストラッププレ
ートによってフライホイールから引き離され、その結
果、各摩擦ディスクの連結が解除される。
【0005】以上に述べたツインクラッチにおいては、
クラッチ動作(クラッチ連結、クラッチレリーズ)時に
第1摩擦ディスクと第2摩擦ディスクとが同時に連結さ
れることが好ましい。さらに、クラッチ切れ特性におい
て中間プレートのレバーストロークに対するリフト量
は、プレッシャープレートのそれに対し全領域において
常に1/2であることが好ましい。中間プレートがプレ
ッシャープレートに対して近接しすぎ又は離れすぎてい
る場合には、中間プレートが第1又は第2摩擦ディスク
と接触しクラッチの切れ性能を悪化させるという不具合
が生じやすい。
【0006】特開昭63−235724号に開示された
ツインクラッチでは、上述の2つの目的を達成するため
のレバー機構が設けられている。レバー機構は、レバー
部材から主に構成されている。レバー部材は、基端がク
ラッチカバーに揺動可能に支持されており、先端が軸方
向に移動可能になっている。基端はプレッシャープレー
トに対してフライホイール側から作用可能に当接してい
る。中間プレートには、レバー部材の中間部にフライホ
イール側から当接する当接部が設けられている。このよ
うな構造により、クラッチ動作時には、中間プレートの
軸方向移動量が常にプレッシャープレートの軸方向移動
量の1/2となり、クラッチの連結及びレリーズが同時
に行われる。
【0007】また、このレバー機構では、当接部は中間
プレートに対して軸方向に移動可能に摩擦係止されてい
る。これにより、第2摩擦ディスクの摩耗量が第1摩擦
ディスクより多くなった場合には、レバー部材が当接部
を中間プレートに対して軸方向フライホイール側に移動
させる。これにより、プレッシャープレートの軸方向フ
ライホイール側への移動がレバー機構に制限されず、そ
の結果、第2摩擦ディスクに対する十分な押圧荷重を確
保できる。
【0008】
【発明が解決しょうとする課題】前述のレバー機構で
は、当接部が中間プレートに摩擦係止されているため、
中間プレートから伝達される熱によって摩擦摺動面(当
接部と中間プレートとの間の当接面)の摩擦係数が変化
しやすい。特に中間プレートは、第1摩擦ディスクと第
2摩擦ディスクとの両方に当接しているため熱を発生し
やすく、摩擦摺動面への熱による負荷が大きい。
【0009】本発明の課題は、ツインクラッチにおける
レバー機構において摩耗調整を行うための機構の摩擦係
数を安定させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のフライ
ホイールスペーサ組立体は、摩擦面を有するフライホイ
ールからトランスミッションのシャフトにトルクを伝達
及び遮断するためのツインクラッチに用いられる。ツイ
ンクラッチは、第1及び第2クラッチディスク組立体
と、中間部材と、プレッシャープレートと、押圧機構
と、連結部材と、クラッチカバーとを備えている。第1
及び第2クラッチディスク組立体は、それぞれ第1及び
第2摩擦連結部を備えている。中間部材は、第1摩擦連
結部及び第2摩擦連結部の軸方向間に配置される。プレ
ッシャープレートは、第2摩擦連結部のフライホイール
側と逆側に配置される。押圧機構は、プレッシャープレ
ートに対して押圧力を与えるための部材である。連結部
材は、プレッシャープレートとフライホイールとを円周
方向に連結する部材である。クラッチカバーは、第1及
び第2クラッチディスク組立体を覆うように配置され
る。フライホイールスペーサ組立体は、フライホイール
スペーサとレバー機構とを有している。フライホイール
スペーサは、フライホイールとクラッチカバーとの軸方
向間に固定的に連結される。レバー機構は、プレッシャ
ープレートの軸方向移動量に対して中間部材の軸方向移
動量を規制するための機構である。レバー機構は、規制
部材と係止機構とを有し、フライホイールスペーサに移
動可能に支持される。規制部材は、一端が連結部材に支
持される。係止機構は、中間プレートに支持され、かつ
規制部材の他端に対して軸方向移動可能に摩擦係止され
る。
【0011】請求項1に記載のフライホイールスペーサ
組立体では、レバー機構の規制部材の一端が連結部材に
支持され、係止機構が規制部材の他端に摩擦係止され、
さらにその係止機構が中間プレートに支持されている。
このため、中間プレートの軸方向移動量が、連結部材上
において規制部材が連結されている部分の軸方向移動量
に連動するようになる。連結部材はプレッシャープレー
トを付勢する部材であるため、連結部材上におけるプレ
ッシャープレートを付勢する点と規制部材が連結されて
いる点との位置関係に応じて、プレッシャープレートの
軸方向移動量に対して中間プレートの軸方向移動量を規
制することができる。
【0012】また、第1摩擦連結部及び第2摩擦連結部
の摩耗量に差が出てきた場合には係止機構と規制部材と
の摩擦係止部分が滑ることによって摩耗量の差を吸収す
ることになる。ここでは、その摩擦係止部分が、中間プ
レートやその延長部分に直接接しておらず、中間プレー
トとは別に設けられる係止機構と規制部材との間に存在
する。したがって、摩擦係止部分に熱負荷が伝わりにく
く、摩擦係止部分における摩擦係数が安定する。これに
より、確実に摩耗量の差を吸収することができるように
なるとともに、通常時に摩擦係止部分が滑ることが抑え
られる。
【0013】請求項2に記載のフライホイールスペーサ
組立体は、請求項1に記載のフライホイールスペーサ組
立体であって、係止機構は、規制部材に固定的に連結さ
れる支持部材と、支持部材に摩擦係止される係止部材と
を有する。係止部材は、中間プレートに固定的に連結さ
れる。請求項3に記載のフライホイールスペーサ組立体
は、請求項1または2に記載のフライホイールスペーサ
組立体であって、フライホイールスペーサは軸方向開口
部を有し、支持部材は、軸方向開口部に嵌合し且つ摺動
し得る。
【0014】請求項4に記載のフライホイールスペーサ
組立体は、請求項1から3のいずれかに記載のフライホ
イールスペーサ組立体であって、規制部材は、連結部材
に摺動可能に連結される。請求項5に記載のフライホイ
ールスペーサ組立体は、請求項1から4のいずれかに記
載のフライホイールスペーサ組立体であって、連結部材
は、ストラッププレートであり、規制部材は、ストラッ
ププレートカバーとストラッププレートカバーに摺動可
能なストラップリフトとを含む。
【0015】請求項6に記載のフライホイールスペーサ
組立体は、請求項5に記載のフライホイールスペーサ組
立体であって、規制部材は、1対のピラーリングをさら
に含み、ストラッププレートリフトは、1対のピラーリ
ングを介してストラッププレートに連結されている。請
求項7に記載のフライホイールスペーサ組立体は、請求
項1から6のいずれかに記載のフライホイールスペーサ
組立体であって、係止部材は、ロールピンを介して支持
部材に摩擦係止している。
【0016】請求項8に記載のツインクラッチは、摩擦
面を有するフライホイールからトランスミッションのシ
ャフトにトルクを伝達及び遮断するためのツインクラッ
チであって、第1クラッチディスク組立体と、第2クラ
ッチディスク組立体と、クラッチカバーと、中間部材
と、プレッシャープレートと、押圧機構と、連結部材
と、請求項1から7のいずれかに記載のフライホイール
スペーサ組立体とを備えている。第1クラッチディスク
組立体は、摩擦面に近接して配置された第1摩擦連結部
を有し、シャフトにトルクを伝達可能である。第2クラ
ッチディスク組立体は、第1摩擦連結部のフライホイー
ル側と逆側に配置された第2摩擦連結部を有し、シャフ
トにトルクを伝達可能である。クラッチカバーは、フラ
イホイールに固定され、第1及び第2クラッチディスク
組立体を覆うように配置されている。中間部材は、第1
摩擦連結部と第2摩擦連結部との軸方向間に配置され、
フライホイールと一体回転可能である。プレッシャープ
レートは、第2摩擦連結部のフライホイール側と逆側に
配置され、クラッチカバーと一体回転可能である。押圧
機構は、クラッチカバーに支持され、プレッシャープレ
ートに対して押圧力を与えるための部材である。連結部
材は、プレッシャープレートとフライホイールとを円周
方向に連結するための部材である。
【0017】請求項8に記載のツインクラッチでは、押
圧機構によるプレッシャープレートのフライホイール側
への押圧が解除されると、プレッシャープレートが第2
摩擦連結部から離れ、中間部材もフライホイールの摩擦
面から離れる。この結果、フライホイールから第1及び
第2クラッチディスク組立体を介したトランスミッショ
ンのシャフトへの動力の伝達が遮断される。このクラッ
チレリーズ時において、中間部材の軸方向移動量はフラ
イホイールスペーサ組立体のレバー機構によって所定量
に制限される。具体的には、中間部材がレバー機構を介
してプレッシャープレートに係止することで、中間部材
が必要以上にプレッシャープレートに対して接近しない
ようになっている。この結果、クラッチの切れ性能が良
好になる。さらにクラッチの連結時においても、2つの
クラッチディスク組立体の連結の同時性が維持でき、安
定した捩り特性が維持される。
【0018】さらに、クラッチ連結時に第2摩擦連結部
に第1摩擦連結部よりも大きな摩耗が発生すると、プレ
ッシャープレートからの力がレバー機構に作用し、係止
機構と規制部材との摩擦係止部分が軸方向に滑って摩耗
量の差を吸収する。このように、ここでは、摩擦係止部
分が、中間プレートやその延長部分に直接接しておら
ず、中間プレートとは別に設けられる係止機構と規制部
材との間に存在する。したがって、摩擦係止部分に熱負
荷が伝わりにくく、摩擦係止部分における摩擦係数が安
定する。これにより、確実に摩耗量の差を吸収すること
ができるようになるとともに、通常時に摩擦係止部分が
滑ることが抑えられる。
【0019】請求項9に記載のツインクラッチは、請求
項8に記載のツインクラッチであって、クラッチカバー
とフライホイールスペーサ組立体とが別個の部材として
形成され互いに固定的に連結されている。
【0020】
【発明の実施の形態】<全体構成>図1は本発明に係る
ツインクラッチ1を備えた車輌M(例えば大型車輛やト
ラクター)を示している。車輌Mには、エンジンE側の
フライホイール2とトランスミッションTとの間に、両
者を連結するためのツインクラッチ1が設けられてい
る。ツインクラッチ1とトランスミッションTとは、シ
ャフトT1によって連結されている。
【0021】図2におけるO−Oは、回転軸線である。
また、図3の矢印R1側がフライホイール2及びツイン
クラッチ1の回転方向であり、矢印R2がその反対回転
方向である。なお、図2の左側を第1軸方向側(エンジ
ン側)とし、図2の右側を第2軸方向側(トランスミッ
ション側)とする。図2において、ツインクラッチ1
は、摩擦面2aを有するフライホイール2からトランス
ミッションTのシャフトT1(図1)にトルクを伝達及
び遮断するための部材である。ツインクラッチ1は、主
に、第1クラッチディスク組立体3と、第2クラッチデ
ィスク組立体4と、フライホイール2に固定されたクラ
ッチカバー組立体5とから構成されている。
【0022】<クラッチディスク組立体>第1クラッチ
ディスク組立体3と第2クラッチディスク組立体4と
は、捩り振動を減衰するためのスプリング及び摺動部材
からなるダンパーを共に有しており、トランスミッショ
ンのシャフトT1(図2では省略)が中心部にスプライ
ン係合している。また両クラッチディスク組立体3,4
は、摩擦フェーシングからなりシャフトT1にトルクを
伝達可能である第1及び第2摩擦ディスク3a,4aを
それぞれ外周部に有している。第1クラッチディスク組
立体3の第1摩擦ディスク3aは、フライホイール2の
摩擦面2aに近接して配置されている。第2クラッチデ
ィスク組立体4の第2摩擦ディスク4aは、第1摩擦デ
ィスク3aの第2軸方向側に配置されている。
【0023】<クラッチカバー組立体>クラッチカバー
組立体5は、摩擦ディスク3a,4aをフライホイール
2と一体回転するように連結、又は連結を解除するため
の機構である。クラッチカバー組立体5は、クラッチカ
バー8と、プレッシャープレート10と、中間プレート
11と、第1ストラッププレート22と、第2ストラッ
ププレート18と、押圧機構12と、フライホイールス
ペーサ組立体7とから主に構成されている。クラッチカ
バー8は、フライホイール2に固定された円盤状かつ環
状の部材であり、第1及び第2クラッチディスク組立体
3,4を覆うように配置されている。
【0024】(フライホイールスペーサ組立体)クラッ
チカバー8のフライホイール2側には、フライホイール
スペーサ組立体7が配置されている。フライホイールス
ペーサ組立体7は、クラッチカバー8の外周部8bとフ
ライホイール2の外周部との軸方向間に固定的に連結さ
れたフライホイールスペーサ7fと、後述するレバー機
構26とを有している。
【0025】フライホイールスペーサ7fは、中間プレ
ート11や第2摩擦ディスク4aの外周側を覆う筒状の
部材である。フライホイールスペーサ7fには、軸方向
に貫通する孔7dが複数設けられている。この孔7dを
貫通する第1ボルト9aが、クラッチカバー8の外周部
8bをフライホイール2の外周部に固定している。クラ
ッチカバー8は、フライホイールスペーサ7fにより、
フライホイール2に対して軸方向の位置が決められてい
る。クラッチカバー8とフライホイールスペーサ組立体
7とは、第2ボルト9bにより互いに固定的に連結され
ている。第2ボルト9bは、第1ボルト9aより軸方向
寸法が短く、フライホイールスペーサ7fに設けられた
ボルト孔(図示せず)に螺合している。フライホイール
スペーサ7fは、クラッチカバー8とともにフライホイ
ール2に固定された部材であり、広義のクラッチカバー
である。フライホイールスペーサ7fの第1軸方向側端
面7aは、フライホイール2の外周側に弧状に設けられ
た突出部2b(図2)に当接している。図4及び図5に
示すように、フライホイールスペーサ7fには、後述す
るレバー機構26を配置するための切欠き7bと開口部
7eと段差部7gとが設けられている。切欠き7bと開
口部7eと段差部7gとは、円周方向に等間隔で複数形
成されている。切欠き7bは第1軸方向側(図4の下
側)が、開口部7eは第2軸方向側(図4の上側)が開
いている。図5に示すように、開口部7eには、後述す
るレバー機構26の支持部材30が嵌合するようになっ
ている。開口部7eの第1軸方向側面には貫通孔7hが
形成されており、後述する係止ボルト29が貫通するよ
うになっている。
【0026】(押圧機構)図2に示す押圧機構12は、
主に複数のコイルスプリング13とレリーズレバー43
とから構成されている。コイルスプリング13は軸方向
に延びて配置され、一端がクラッチカバー8に支持され
他端がプレッシャープレート10に支持されている。こ
れにより、コイルスプリング13はプレッシャープレー
ト10に対して第1軸方向側に押圧力を与えている。コ
イルスプリング13の軸方向両側には、コイルスプリン
グ13の外周を覆うカバー14が設けられている。
【0027】レリーズレバー43は、図示しないクラッ
チ操作機構によりプレッシャープレート10に対する押
圧力を解除するための部材である。レリーズレバー43
は、円周方向に等間隔で並んで配置された複数の部材か
らなる。各レリーズレバー43は放射状に延び、クラッ
チカバー8から延びる支持部46に揺動自在に支持され
た支点44と、プレッシャープレート10に揺動可能に
係合する作用部45とを有している。このレリーズレバ
ー43の半径方向内側端43aに、図示しないレリーズ
装置が第2軸方向側から力を与えると、レリーズレバー
43は支点44を中心に揺動し、作用部45が第2軸方
向側に移動する。すなわち、プレッシャープレート10
にコイルスプリング13からの力以上の力が作用するこ
とで、プレッシャープレート10は第2摩擦ディスク4
aから離れる方向に移動する。
【0028】(プレッシャープレート)プレッシャープ
レート10は、第2摩擦ディスク4aのトランスミッシ
ョン側に配置された環状の部材である。プレッシャープ
レート10は、クラッチカバー8に一体回転可能かつ軸
方向移動可能である。具体的には、円周方向に並んだ複
数の第2ストラッププレート18により、プレッシャー
プレート10はクラッチカバー8に固定されている。各
第2ストラッププレート18は、クラッチカバー8内で
コイルスプリング13よりも半径方向外側に配置されて
いる。第2ストラッププレート18のR1側端18c
は、リベット19によりクラッチカバー8に固定されて
いる。第2ストラッププレート18のR2側端18a
は、プレッシャープレート10の外周部に設けられた突
出部10aに、ボルト20によって固定されている。こ
れにより第2ストラッププレート18は、プレッシャー
プレート10をフライホイール2の摩擦面2aに向かう
方向に付勢している。なお、クラッチカバー8には、ボ
ルト20の頭部に対応する部分に孔8aが形成されてい
る。
【0029】(中間プレート)中間プレート11は、第
1摩擦ディスク3aと第2摩擦ディスク4aとの軸方向
間に配置された環状のプレートである。中間プレート1
1は、第1及び第2摩擦ディスク3a,4aに対向する
摩擦面を軸方向両側面に有しており、フライホイール2
と一体回転可能である。具体的には、円周方向に並んで
設けられた複数の第1ストラッププレート22によっ
て、中間プレート11はフライホイールスペーサ7fに
固定されている。中間プレート11は、外周部から半径
方向外側に延び、フライホイールスペーサ7fの切欠き
7b内に延びている第1及び第2突出部11a,11b
を備えている。第2突出部11bは、ボルト孔を有して
いる。後述のように、第1突出部11aには第1ストラ
ッププレート22が、第2突出部11bには係止ボルト
29が連結されている。
【0030】(第1ストラッププレート)第1ストラッ
ププレート22は、中間プレート11の外周部分におい
て、フライホイール2に近接して配置されている。各第
1ストラッププレート22は板ばねであり、フライホイ
ールスペーサ7fの切欠き7b内に配置されている。第
1ストラッププレート22は、R1側端がボルト23に
よりフライホイールスペーサ7fの第1軸方向側端面7
aに固定され、R2側端が中間プレート11に設けられ
た第1突出部11aの第1軸方向側端面にボルト24に
より固定されている。図4に示すクラッチ連結状態で、
第1ストラッププレート22は、軸方向にたわんでお
り、中間プレート11に対してフライホイール2の摩擦
面2aから離れる方向に付勢力を与えている。
【0031】(レバー機構)フライホイールスペーサ組
立体7のレバー機構26は、クラッチ動作中に中間プレ
ート11の軸方向移動量をプレッシャープレート10の
軸方向移動量に対して所定の比に規制するための機構で
ある。各レバー機構26はフライホイールスペーサ7f
の切欠き7bと開口部7eと段差部7gとの内に配置さ
れている。レバー機構26は主に、規制部材25と摩耗
補償機構28とから構成されている。
【0032】規制部材25は、ストラッププレートリフ
ト27とストラッププレートカバー32とを含む。スト
ラッププレートリフト27は、図6に示すように軸方向
延長部27aと径方向延長部27bとカバー部27dと
を有する。軸方向延長部27aの径方向両側には、ボル
ト33を介して1対のカバー部27dが連結されてお
り、カバー部27dはストラッププレートカバー32を
介して第2ストラッププレート18に支持されている。
これにより、ストラッププレートリフト27はストラッ
ププレートカバー32に対して摺動可能となっており、
ストラッププレートリフト27は第2ストラッププレー
ト18に摺動可能に連結されている。径方向延長部27
bは、軸方向延長部27aの第1軸方向側端からツイン
クラッチ1の径方向外側に突き出し、外周端にボルト孔
27cを有している。この実施形態では、ボルト孔27
cは2つ形成されている。径方向延長部27bは、ボル
ト31によって後述の支持部材30に固定的に連結され
ている。ここで、ストラッププレートリフト27が第2
ストラッププレート18に連結されている位置は、R2
側端18aとR1側端18cとの概ね中点にある中間部
18bである。
【0033】(摩耗補償機構)摩耗補償機構28は、主
に支持部材30と、係止ボルト29とを備えている。支
持部材30は図4及び図5に示すように端部30cと胴
部30dを持ち、端部30cと胴部30dとの円周方向
幅はそれぞれフライホイールスペーサ7fの開口部7e
及び段差部7gの円周方向幅と概ね等しい。これにより
支持部材30は、フライホイールスペーサ7fの開口部
7e及び段差部7gに嵌合する。支持部材30は、開口
部7e及び段差部7gに摺動し得るように嵌合し、フラ
イホイールスペーサ7fに軸方向移動可能に支持されて
いる。支持部材30は、第2軸方向側の面に形成された
ボルト孔30aと、第1軸方向側の面に形成された係止
孔30bとを備えている。この実施形態では、ボルト孔
30aは2つ形成されている。ボルト31は、ストラッ
ププレートリフト27のボルト孔27cと支持部材30
のボルト孔30aとを貫通しており、これにより支持部
材30はストラッププレートリフト27に固定的に連結
される。
【0034】図4に示すように、係止ボルト29は、頭
部29aと胴部29bから構成されている。頭部29a
と胴部29bとは、ボルト34によって互いに連結され
ている。係止ボルト29は、中間プレート11の第2突
出部11bのボルト孔を貫通し、支持部材30の係止孔
30bに嵌入している。係止ボルト29は、ボルトによ
り頭部29aが第2突出部11bに固定的に連結されて
いる。係止ボルト29の胴部29bにはロールピン35
が外嵌しており、係止ボルト29は、ロールピン35を
介して支持部材30の係止孔30bに軸方向移動可能に
摩擦係止している。このようにストラッププレートリフ
ト27は、係止ボルト29を介して中間プレート11に
係止されている。第2ストラッププレート18がR1側
端18cを支点として変形することにより、ストラップ
プレートリフト27の軸方向移動量は、R2側端18
a、すなわちプレッシャープレート10の軸方向移動量
の約半分に規制される。このため、ストラッププレート
リフト27に連結された中間部18bの移動量、すなわ
ち中間プレート11の軸方向移動量が、プレッシャープ
レート10の軸方向移動量の約半分となる。
【0035】さらに摩耗補償機構28では、係止ボルト
29が支持部材30の係止孔30bに軸方向移動可能に
摩擦係止されていることにより、第2摩擦ディスク4a
の摩耗量が第1摩擦ディスク3aの摩耗量より大きい場
合に、その摩耗を補償してレバー機構26の機能を維持
することができる。図4及び図6に示すように、係止ボ
ルト29の胴部29bには、ロールピン35が外嵌して
いる。係止ボルト29は、支持部材30に対してロール
ピン35を介して摩擦係止されており、軸方向に所定以
上の力がかかることにより摺動するようになっている。
【0036】<クラッチの動作>次に、図7〜図10を
用いて通常のクラッチ連結動作及びクラッチレリーズ動
作時の各部材の動きについて説明する。なお、図7〜図
10は動作を説明するための模式図である。 (クラッチレリーズ動作)図7及び図9に示すクラッチ
連結状態において、図示しないレリーズ装置からレリー
ズレバー43に力が作用すると、図8及び図10に示す
状態に移行する。具体的には、レリーズレバー43の半
径方向内側端43aが第1軸方向側に押され、作用部4
5が第2軸方向側に移動する。すなわちプレッシャープ
レート10が第2摩擦ディスク4aから離れる方向に移
動する。これに従って、中間プレート11は第1ストラ
ッププレート22の付勢力によって、第1摩擦ディスク
3aから離れる方向、すなわちプレッシャープレート1
0側に移動する。このとき、レバー機構26の働きによ
り、中間プレート11の軸方向移動量は、レバーストロ
ーク全領域にわたってプレッシャープレート10の軸方
向移動量の半分である。すなわち、プレッシャープレー
ト10と中間プレート11との隙間と中間プレート11
とフライホイール2との隙間との寸法比は、全ストロー
ク域において等しく保たれる。
【0037】以上の動作を実現するための機構につい
て、さらに詳細に説明する。レリーズレバー43からプ
レッシャープレート10への第1軸方向への荷重が解除
されると、中間プレート11は、第1ストラッププレー
ト22によって第2軸方向側に押されていく。このとき
ストラッププレートリフト27の軸方向移動量は、R1
側端18cを支点として変形する第2ストラッププレー
ト18により、R2側端18aの軸方向移動量の約半分
に規制される。すなわちストラッププレートリフト27
を介して中間部18bに連結された中間プレート11の
軸方向移動量は、R2側端18aに連結されたプレッシ
ャープレート10の軸方向移動量の約半分となってい
る。なお、このとき摩耗補償機構28における支持部材
30とロールピン35との間には滑りが生じないよう
に、摩擦係数が設定されている。
【0038】前述のように中間プレート11は、レリー
ズ全領域にわたってプレッシャープレート10の2分の
1の切れ代が得られるため、クラッチの切れ特性が良好
に維持される。 (クラッチ連結動作)図8及び図10に示すクラッチレ
リーズ状態から、図示しないレリーズ装置がレリーズレ
バー43への押圧を解除すると、図7及び図9に示すク
ラッチ連結状態に移行する。具体的には、レリーズレバ
ー43の半径方向内側端43aへの第1軸方向への押圧
が解除され、プレッシャープレート10がコイルスプリ
ング13に付勢されて第1軸方向側に移動する。このと
き中間プレート11は、レバー機構26のはたらきによ
りプレッシャープレート10とほぼ同時に移動を開始す
る。中間プレート11の移動量は、全ストローク領域に
わたってプレッシャープレート10の移動量の半分であ
る。すなわち、プレッシャープレート10と中間プレー
ト11との隙間と中間プレート11とフライホイール2
との隙間とは、寸法比を一定に保ちながら減少してい
き、最後に同時に摩擦ディスク3a,4aとの接続が完
了する。言い換えれば、プレッシャープレート10は、
レバー機構26を介することによって、常に自らの軸方
向移動量の1/2だけ中間プレート11を第1軸方向側
に移動させていることになる。
【0039】以上の動作を実現するための機構につい
て、さらに詳細に説明する。プレッシャープレート10
は、第2ストラッププレート18の中間部18bに連結
されたストラッププレートリフト27と係止ボルト29
とを介して中間プレート11を第1軸方向側に押してい
く。このとき第2ストラッププレート18において、中
間部18bの軸方向移動量はR2側端18aの軸方向移
動量の半分である。したがって、ストラッププレートリ
フト27と係止ボルト29とを介して中間部18bに連
結された中間プレート11の軸方向移動量は、ボルト2
0によってR2側端18aに連結されたプレッシャープ
レート10軸方向移動量の半分となっている。特に、中
間プレート11の軸方向移動量がプレッシャープレート
10の軸方向移動量の半分未満となることがないため、
クラッチの良好な連結が確保される。なお、このとき摩
耗補償機構28において支持部材30とロールピン35
との間に滑りが生じないように、ロールピン35を介し
た係止ボルト29と支持部材30の係止孔30bとの間
の摩擦係数が設定されている。
【0040】以上に述べたように、第1摩擦ディスク3
aと第2摩擦ディスク4aとは同時に連結するようにな
っている。このため、クラッチ連結の時間差のために先
に連結されたクラッチディスク組立体が捩じれた状態で
他方のクラッチディスク組立体が連結されて、各クラッ
チディスク組立体3、4において捩り特性の角度がずれ
るという不具合を防ぐことができる。
【0041】<摩耗保証機構の動作>次に、図9及び図
11〜12を用いて第1摩擦ディスク3a及び第2摩擦
ディスク4aに摩耗が生じた場合の摩耗補償機構28の
動作について説明する。なお、図9及び図11〜12は
動作を説明するための模式図である。図9は、摩耗が発
生していない状態でのクラッチ連結状態である。この状
態から、第1摩擦ディスク3aと第2摩擦ディスク4a
とがともに摩耗しその摩耗量が同じである場合には、図
11の状態になる。すなわち、中間プレート11は第1
摩擦ディスク3aの摩耗量だけフライホイール2側に移
動し、プレッシャープレート10は第1摩擦ディスク3
aの摩耗量と第2摩擦ディスク4aの摩耗量とを併せた
量だけフライホイール2側に移動する。第1摩擦ディス
ク3aの摩耗量と第2摩擦ディスク4aの摩耗量とは等
しいため、プレッシャープレート10の軸方向移動量
は、中間プレート11の軸方向移動量の2倍となってい
る。この結果、中間プレート11の軸方向移動量に対し
て、プレッシャープレート10の軸方向移動量は2倍と
なっている。第2ストラッププレート18において、R
1側端18c及びR2側端18aと、R1側端18c及
び中間部18bとのスパン比が2:1であるため、第2
ストラッププレート18のR2側端18aは中間プレー
ト11に連結された中間部18bの軸方向移動量の2倍
移動するようになっている。ストラッププレートリフト
27と係止ボルト29とは、プレッシャープレート10
と中間プレート11と第2ストラッププレート18との
軸方向の動きに従って軸方向に移動する。この結果、ス
トラッププレートリフト27と係止ボルト29と中間プ
レート11とは、共に連結状態を保ち続けており、第1
及び第2摩擦ディスク3a,4aが摩耗しても初期の切
れ特性と連結特性とが保持される。このとき、支持部材
30とロールピン35との間には滑りが生じないよう、
摩擦係数が設定されている。
【0042】次に、第2摩擦ディスク4aの摩耗量が第
1摩擦ディスク3aの摩耗量より大きくなった場合の摩
耗補償機構28の動作について説明する。この場合は、
図9の状態から図12に示す状態に移行する。このと
き、プレッシャープレート10の軸方向移動量は、中間
プレート11の軸方向移動量の2倍よりも大きくなる。
すなわち、第2ストラッププレート18のR2側端18
aは、中間部18bの軸方向移動量の2倍以上の距離を
軸方向に移動しなければならない。そのため、コイルス
プリング13の第1軸方向への押圧力により、支持部材
30の係止孔30bとロールピン35との間に滑りが生
じる。図12に示すように、支持部材30はコイルスプ
リング13の押圧力を受けて第1軸方向に押され支持部
材30の係止孔30bとロールピン35とが滑る結果、
係止ボルト29は係止孔30bのさらに奥に押しこまれ
る。すなわち係止孔30bとロールピン35との間で発
生する最大摩擦抵抗力は、コイルスプリング13からプ
レッシャープレート10に作用する押圧力より小さく設
定されている。したがって、第2摩擦ディスク4aの摩
耗によりプレッシャープレート10が中間プレート11
の軸方向移動量の2倍以上の距離を軸方向に移動しなけ
ればならない場合は、係止孔30bがロールピン35に
対して滑ることになる。支持部材30は、第2ストラッ
ププレート18においてR2側端18aからR1側端1
8cまでの寸法と中間部18bからR1側端18cまで
の寸法との比が2:1となるまで、ロールピン35に対
して第1軸方向に滑る。これにより、プレッシャープレ
ート10から第2摩擦ディスク4aへの十分な押圧力が
確保される。この結果、第2摩擦ディスク4aが第1摩
擦ディスク3aよりも摩耗した場合にも、クラッチの初
期の切れ特性と連結特性とが保持される。
【0043】本実施形態の摩耗補償機構28では、第2
摩擦ディスク4aの摩耗量が第1摩擦ディスク3aの摩
耗量より大きい場合に動作するように、第2ストラップ
プレート18に連結された支持部材30と、中間プレー
ト11に支持された係止ボルト29及びロールピン35
とを採用している。係止ボルト29及び支持部材30
は、熱の発生しやすい摩擦ディスク3a,4aや中間プ
レート11に当接しておらず、トルク伝達のためのこれ
らの間での摩擦摺動により発生する熱が伝わってきにく
い。すなわち、ロールピン35と支持部材30の係止孔
30bとの間の摩擦係止部分は、中間プレート11から
離れており、中間プレート11が有する高い熱がそのま
ま伝導してくることはない。したがって、従来の摩耗補
償機構に較べて、摩耗補償機構28の各部材に熱膨張変
形が生じにくい。この結果、摩耗補償機構28の摩耗係
止部分、具体的には係止孔30bとロールピン35とが
構成する摩擦面の摩擦係数が安定する。このため、摩耗
が発生していない状態で滑りが生じたり、摩耗量に差が
発生したときに滑らずに固着するなどの不具合が生じに
くくなっている。
【0044】[他の実施形態] (A)ストラッププレートリフトは、図13に示すスト
ラッププレート37のように、ストラッププレートカバ
ー32を介して軸方向両側に配置された1対のピラーリ
ング37cと、1対のピラーリング37cをはさんで1
対のボルト33によって連結された内周部材37b及び
外周部材37aとを含む構造としてもよい。
【0045】(B)上記実施形態では、フライホイール
スペーサ組立体7とクラッチカバー8とは別個の部材と
して形成され互いに固定的に連結されているが、両部材
は、1つの部材として一体に形成されてもよい。 (C)上記実施形態では、係止ボルト29を貫通孔7h
に嵌入することによってフライホイールスペーサ7fに
支持させているが、係止ボルトがフライホイールスペー
サに支持されていない構造としてもよい。
【0046】また支持部材30は、外周側に端部30c
(図5参照)を持たない形状であってもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明に係るツインクラッチにおけるレ
バー機構では、摩耗調整を行うための機構が第2ストラ
ッププレートに支持された部材と中間プレートに支持さ
れた部材との間に設けられているため、摩擦摺動部分の
摩擦係数が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るツインクラッチを備えた車の略
図。
【図2】本発明の一実施形態としてのツインクラッチの
縦断面概略図。
【図3】図2のツインクラッチの部分正面図。
【図4】図2のIV矢視部分図。
【図5】支持部材とフライホイールスペーサとの分解部
分斜視図。
【図6】レバー機構の部分断面図。
【図7】クラッチ連結状態を説明するためのレリーズレ
バーの模式図。
【図8】クラッチレリーズ状態を説明するためのレリー
ズレバーの模式図。
【図9】クラッチ連結状態を説明するための、第1摩擦
ディスク及び第2摩擦ディスクに摩耗がない場合のレバ
ー機構の模式図。
【図10】クラッチレリーズ状態を説明するためのレバ
ー機構の模式図。
【図11】第1摩擦ディスクと第2摩擦ディスクの摩耗
量が同等である場合の図9に相当する図。
【図12】第2摩擦ディスクの摩耗量が第1摩擦ディス
クの摩耗量より大きい場合の図9に相当する図。
【図13】別の実施形態による規制部材の断面図。
【符号の説明】
1 ツインクラッチ 2 フライホイール 3 第1クラッチディスク組立体 4 第2クラッチディスク組立体 7 フライホイールスペーサ組立体 7f フライホイールスペーサ 25 規制部材 26 レバー機構 27 ストラッププレートリフト 28 摩耗補償機構 29 係止ボルト 30 支持部材 32 ストラッププレートカバー 35 ロールピン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摩擦面を有するフライホイールからトラン
    スミッションのシャフトにトルクを伝達及び遮断するた
    めのツインクラッチであり、第1摩擦連結部を有する第
    1クラッチディスク組立体と、第2摩擦連結部を有する
    第2クラッチディスク組立体と、前記第1摩擦連結部及
    び前記第2摩擦連結部の軸方向間に配置される中間部材
    と、前記第2摩擦連結部の前記フライホイール側と逆側
    に配置されるプレッシャープレートと、前記プレッシャ
    ープレートに対して押圧力を与えるための押圧機構と、
    前記プレッシャープレートと前記フライホイールとを円
    周方向に連結する連結部材と、前記第1及び第2クラッ
    チディスク組立体を覆うクラッチカバーとを含むツイン
    クラッチに用いられるフライホイールスペーサ組立体で
    あって、 前記フライホイールと前記クラッチカバーとの軸方向間
    に固定的に連結されるフライホイールスペーサと、 前記プレッシャープレートの軸方向移動量に対して前記
    中間部材の軸方向移動量を規制するためのレバー機構で
    あって、一端が前記連結部材に支持される規制部材と、
    前記中間プレートに支持されかつ前記規制部材の他端に
    対して軸方向移動可能に摩擦係止される係止機構とを有
    し、前記フライホイールスペーサに移動可能に支持され
    るレバー機構と、を備えた、フライホイールスペーサ組
    立体。
  2. 【請求項2】前記係止機構は、前記規制部材に固定的に
    連結される支持部材と、前記支持部材に摩擦係止される
    係止部材とを有し、前記係止部材は前記中間プレートに
    固定的に連結される、請求項1に記載のフライホイール
    スペーサ組立体。
  3. 【請求項3】前記フライホイールスペーサは、軸方向開
    口部を有し、 前記支持部材は、前記軸方向開口部に嵌合し且つ摺動し
    得る、請求項1または2に記載のフライホイールスペー
    サ組立体。
  4. 【請求項4】前記規制部材は、前記連結部材に摺動可能
    に連結される、請求項1から3のいずれかに記載のフラ
    イホイールスペーサ組立体。
  5. 【請求項5】前記連結部材は、ストラッププレートであ
    り、 前記規制部材は、ストラッププレートカバーと前記スト
    ラッププレートカバーに摺動可能なストラッププレート
    リフトとを含む、請求項1から4のいずれかに記載のフ
    ライホイールスペーサ組立体。
  6. 【請求項6】前記規制部材は、1対のピラーリングをさ
    らに含み、 前記ストラッププレートリフトは、前記1対のピラーリ
    ングを介して前記ストラッププレートに連結されてい
    る、請求項5に記載のフライホイール組立体。
  7. 【請求項7】前記係止部材は、ロールピンを介して前記
    支持部材に摩擦係止している、請求項1から6のいずれ
    かに記載のフライホイールスペーサ組立体。
  8. 【請求項8】摩擦面を有するフライホイールからトラン
    スミッションのシャフトにトルクを伝達及び遮断するた
    めのツインクラッチであって、 前記フライホイールの摩擦面に近接して配置された第1
    摩擦連結部を有し、前記シャフトにトルクを伝達可能な
    第1クラッチディスク組立体と、 前記第1摩擦連結部の前記フライホイール側と逆側に配
    置された第2摩擦連結部を有し、前記シャフトにトルク
    を伝達可能な第2クラッチディスク組立体と、 前記フライホイールに固定され、前記第1及び第2クラ
    ッチディスク組立体を覆うクラッチカバーと、 前記第1摩擦連結部と前記第2摩擦連結部との軸方向間
    に配置され、前記フライホイールと一体回転可能である
    中間部材と、 前記第2摩擦連結部の前記フライホイール側と逆側に配
    置され、前記クラッチカバーと一体回転可能であるプレ
    ッシャープレートと、 前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレ
    ートに対して押圧力を与えるための押圧機構と、 前記プレッシャープレートと前記フライホイールとを円
    周方向に連結する連結部材と、 請求項1から7のいずれかに記載のフライホイールスペ
    ーサ組立体と、を備えたツインクラッチ。
  9. 【請求項9】前記クラッチカバーと前記フライホイール
    スペーサ組立体とは、別個の部材として形成され、互い
    に固定的に連結されている、請求項8に記載のツインク
    ラッチ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101058569B1 (ko) 2009-12-24 2011-08-23 주식회사평화발레오 클러치의 스트랩 좌굴 방지 구조
CN104364543A (zh) * 2012-06-07 2015-02-18 株式会社艾科赛迪 双离合器装置
DE10148432B4 (de) * 2001-10-01 2015-02-26 Zf Friedrichshafen Ag Druckplattenbaugruppe für eine Mehrscheibenkupplung

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