JP2000200016A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000200016A
JP2000200016A JP11311014A JP31101499A JP2000200016A JP 2000200016 A JP2000200016 A JP 2000200016A JP 11311014 A JP11311014 A JP 11311014A JP 31101499 A JP31101499 A JP 31101499A JP 2000200016 A JP2000200016 A JP 2000200016A
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image forming
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JP11311014A
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Hiroya Hirose
寛哉 廣瀬
Akira Hashinashi
亮 端無
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Canon Finetech Nisca Inc
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内部の温度上昇に起因した画像不良を防止でき
る画像形成装置を提供する。 【解決手段】装置内の温度を温度センサ54で測定して
CPU52に送り、この温度が所定温度T1よりも高い
ときは印字速度を遅くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一様に帯電された
感光体に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して現
像像を形成し、この現像像を記録媒体に転写して画像を
形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータやワークステーションの出
力装置として、現像剤(トナー)を用いて記録媒体に画
像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られてい
る。この画像形成装置の一例を図15、図16を参照し
て説明する。
【0003】図15は、従来の画像形成装置の概略構成
を示す模式図であり、図16は、図15の内部を拡大し
て示す模式図である。
【0004】画像形成装置10は、メイン駆動モータ
(図示せず)によって矢印A方向に回転する感光ドラム
12を備えている。感光ドラム12に対向する位置に
は、この感光ドラム12を一様に帯電する一次帯電器1
4が配置されている。感光ドラム12には、原稿画像の
情報を担持する光16が照射される。この光16が、一
次帯電器14によって一様に帯電された感光ドラム12
を照射し、これにより、感光ドラム12に静電潜像が形
成される。
【0005】感光ドラム12が光16に照射される位置
よりも感光ドラム12の回転方向下流側には、静電潜像
を現像する現像器18が配置されている。感光ドラム1
2に形成された静電潜像が現像器18に対向する位置に
くると、現像器18から静電潜像に現像剤(トナー)が
供給され、感光ドラム12に現像像が形成される。
【0006】現像像が記録紙に転写される転写領域20
には、転写帯電器22が配置されている。また、転写領
域20よりも感光ドラム12の回転方向下流側には、転
写後に感光ドラム12に残留した現像剤を掻き落とすク
リーニング装置24が配置されている。このクリーニン
グ装置24よりも感光ドラム12の回転方向下流側に
は、感光ドラム12を除電する前露光ランプ26が配置
されている。
【0007】記録紙などの記録媒体はカセット28に収
容されており、給紙ローラ30や搬送ローラ32によっ
て1枚ずつ搬送され、レジストローラ34に挟持され
る。レジストローラ34に挟持された記録紙は所定のタ
イミングで転写領域20に搬送され、転写領域20で現
像像が記録紙に転写される。現像像が転写された記録紙
は搬送部36によって定着器38に搬送され、定着器3
8で現像剤が記録紙に定着された後、排紙ローラ(図示
せず)によって排紙トレイ40に排出され、複写の1サ
イクルが終了する。なお、現像器18よりも感光ドラム
12のやや回転方向上流側には、感光ドラム12上の不
要な電荷を除去するためのブランク露光装置42が配置
されている。また、転写後の記録紙の裏面の電荷を除去
する除電針44が転写帯電器22に隣接して配置されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した画像形成装置
10では、200℃前後の高温でトナーを記録紙に熱定
着させる定着器38などが熱源となり、装置内の空気が
暖められて高温になる。この結果、現像器18の内部が
暖められると、ここに収容されている現像剤が暖められ
て劣化し、画像不良の原因になる。また、クリーニング
装置24の内部が暖められると、廃トナーが溶融してし
まい廃トナー搬送力が増加するので負荷が増大して故障
の原因になる。さらに、感光ドラム12が暖められる
と、その表面に亀裂が生じたり変形などが発生したりす
るおそれがある。特に、連続して画像を形成していると
きに装置内の温度が上昇し易いので、このようなトラブ
ルが顕著に起こり、感光ドラム12のクリーニング不良
などが発生し、記録紙上に汚れが発生する。
【0009】ところで、上記の一次帯電器14や転写帯
電器22としてコロナ放電器を使用することが多い。こ
のコロナ放電器では、小径の金属ワイヤに高電圧を印加
し、この金属ワイヤの近傍の空気を絶縁破壊させて放電
を行っている。この場合、オゾンが発生し、このオゾン
が空気中の物質を酸化し、各種の化合物が生成する。こ
れらの化合物が感光ドラム12の表面に付着すると、こ
の表面が劣化して画像不良の原因になる。
【0010】そこで、画像形成装置10の内部には、図
15に示すように、内部の空気を排出するファン46
と、オゾンを吸着するオゾンフィルタ48が配置されて
いる。しかし、画像形成装置10を長期間にわたって使
用していると、オゾンフィルタ48には、装置内に漂っ
ている微量の現像剤や空気中の埃などが付着して蓄積す
る。このため、オゾンフィルタ48が詰まって排熱効率
が低下し、装置内の温度が上昇する。この結果、上記し
た画像不良のようなトラブルが発生する。特に、連続し
て画像を形成しているときは、機内の温度が上昇するだ
けでなくオゾンの発生量も増大するので、画像不良のよ
うなトラブルが発生し易く、トラブルの程度もひどくな
る。
【0011】このようなトラブルを防止するために、機
内の温度や湿度を測定してファン46の回転数を制御し
たり、このファン46の前方に形成された排熱のための
開口の面積を変えたりする技術が提案されている(特開
平9−81017号公報参照)。また、画像形成装置内
のオゾン量を検出するオゾンセンサと、排気用及び吸気
用の2つのファンを装置内に配置し、このオゾンセンサ
の検出結果に基づいて2つのファンの回転数を制御する
技術が提案されている(特開平8−69228号公報参
照)。しかし、このような技術では、機内の温度上昇を
充分に抑制できず、画像不良が発生することがある。な
お、ファンやセンサの数を増やして機内温度の上昇を抑
制する技術も考えられるが、この技術では、コストアッ
プや騒音が新たな問題となる。
【0012】本発明は、上記事情に鑑み、内部の温度上
昇に起因した画像不良を防止できる画像形成装置を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1の画像形成装置は、電子写真感光体に静
電潜像を形成し、この静電潜像を現像して現像像を形成
し、この現像像を記録媒体に転写して画像を形成する画
像形成装置において、(1)この画像形成装置の内部の
温度を検知する温度検知手段と、(2)この温度検知手
段が検知した温度が所定温度T1以上のときは、画像を
形成する印字速度を低下するように制御する制御手段と
を備えたことを特徴とするものである。
【0014】ここで、(3)上記制御手段は、上記温度
検知手段で検知された温度に基づいて印字速度を連続的
に低下するように制御するものであってもよい。
【0015】また、(4)上記制御手段は、上記温度検
知手段で検知された温度に基づいて印字速度を段階的に
低下するように制御するものであってもよい。
【0016】さらに、(5)上記制御手段は、上記温度
検知手段が検知した温度が上記所定温度T1よりも高い
所定温度T2以上のときは、画像を形成する印字動作を
停止するように制御するものであってもよい。
【0017】さらにまた、(6)上記温度検知手段は、
上記感光体に残留した現像剤を除去するクリーニング装
置もしくはその近傍に配置されたものであってもよい。
【0018】さらにまた、(7)上記制御手段は、上記
温度検知手段で検知中における所定時間経過後の温度上
昇率が所定値以上のときは所定のフィルタ交換を促すと
共に、上記温度検知手段が検知した温度が所定温度T1
以上のときは画像を形成する印字速度を低下するように
制御するものであってもよい。
【0019】また、上記目的を達成するための本発明の
第2の画像形成装置は、一様に帯電されて静電潜像が形
成される感光体と、この感光体に形成された静電潜像に
現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、この現
像手段によって形成された現像像が転写された記録媒体
に現像像を定着させる定着手段と、装置内部を排気する
排気手段とを備えた、記録媒体に画像を形成する画像形
成装置において、(8)上記装置内部の温度を検知す
る、上記感光体の近傍に配置された温度検知手段と、
(9)上記温度検知手段によって検知された温度Ts
が、所定の温度T1以上でかつ温度T1よりも高い温度
T2未満のときは、記録媒体に画像を形成する単位時間
当りの枚数を減らし、温度Tsが温度T2以上のとき
は、画像を形成する印字動作を停止するように制御する
制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0020】ここで、(10)上記温度検知手段は、こ
の温度検知手段から上記排気手段までにかけて形成され
る風路の近傍に配置されたものであってもよい。
【0021】また、(11)上記温度検知手段は、上記
クリーニング手段の下部の近傍に位置するものであって
もよい。
【0022】さらに、(12)上記温度検知手段は、上
記現像手段よりも上方に位置するものであってもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の画
像形成装置の実施形態を説明する。
【0024】図1と図2を参照して、第1実施形態を説
明する。第1実施形態の概略構成は、図15、図16に
示す従来の画像形成装置と同様であるので、ここでは、
第1実施形態の画像形成装置の特徴的な部分を説明す
る。図1は、画像形成装置の動作を制御する制御系の構
成を示すブロック図であり、図2は、温度センサが測定
した温度に基づいて印字動作を制御するフローを示すフ
ロー図である。
【0025】複写機、ファクシミリ、プリンタなどとし
て用いられる画像形成装置50には、この装置の全体を
制御したり監視したりするCPU(本発明にいう制御手
段の一例である)52や、この装置内の温度を検知する
一つ又は複数の温度センサ(本発明にいう温度検知手段
の一例である)54が備えられている。温度センサ54
で測定された温度を担持する信号はCPU52に送ら
れ、CPU52では、装置内の温度が随時もしくは定期
的に読み込まれている。
【0026】温度センサ54は例えばサーミスタなどか
ら構成されており、熱伝導率の良い板金などに設置する
ことが好ましい。また、この温度センサ54は、感光ド
ラム12(図16参照)の近傍、定着器38の近傍、及
び、クリーニング装置24の近傍など温度が上昇すると
トラブルが生じ易い場所に設置されている。
【0027】また、画像形成装置50には、原稿に記載
された画像を読み込んだり感光ドラム12(図16参
照)に光16(図16参照)を照射したりする光学系5
6と、感光ドラム12やレジストローラ34などを回転
させるプロセス駆動系58と、装置内のオゾンをオゾン
フィルタ48(図15参照)に導くエアーフロー系60
とが備えられている。これら光学系56、プロセス駆動
系58、及びエアーフロー系60は、CPU52によっ
てその動作を制御されている。
【0028】上記した温度センサ54が測定した温度に
基づいて印字動作を制御するフローを説明する。
【0029】このフローは、装置本体に電源が投入さ
れ、操作部(図示せず)等から印字枚数が指定されるこ
とにより起動し、図2に示すように、印字動作が開始さ
れ(S201)、温度センサ54によって温度が検知さ
れ始める(S202)。このように温度検知中に、温度
センサ54によって検知された温度Tが所定温度T1以
上か否かが判定される(S203)。ここで、所定温度
T1としては、例えば45℃が設定される。この45℃
という温度は、現像剤や感光ドラムが劣化を起さない温
度の一例である。
【0030】温度センサ54によって検知された温度T
が所定温度T1以上でないときは、通常の印字速度(画
像形成速度)での印字動作が開始する(S204)。そ
の後、指定枚数を印字したか否かが判定され(S20
5)、指定枚数を印字したときは印字動作を終了し(S
206)、このフローも終了する。一方、指定枚数を印
字していないときは、S202に戻る。
【0031】S203において、温度センサ54によっ
て検知された温度Tが所定温度T1以上のときは、この
温度TがT2以上か否かが判定される(S207)。こ
の所定温度T2は、所定温度T1よりも高い温度であ
り、例えば50℃である。
【0032】温度センサ54によって検知された温度T
が所定温度T2以上でないとき、即ち、温度Tが所定温
度T1と所定温度T2の間のときは、印字速度を低下す
るようにCPU52が光学系56やプロセス駆動系58
を制御する(S208)。この低下させた印字速度は、
通常の印字速度の例えば半分程度である。具体的な印字
速度の低下方法は後述する。これにより、印字速度が低
下して画像形成装置50の内部で発生する熱量が減少す
るので、装置内部の温度の上昇に起因する画像不良を防
止できる。また、印字速度を低下することにより、装置
内部で発生するオゾンの量も低減できるので、このオゾ
ンに起因する画像不良も防止できる。
【0033】なお、印字速度を低下させて印字動作を行
っている最中に温度Tが所定温度T1よりも低くなった
ときは、通常の印字速度に戻って印字動作を行う。ま
た、ここでは、温度Tが所定温度T1と所定温度T2の
間のときは印字速度を所定速度(例えば半分の速度)ま
で一気に低下させたが、温度Tに基づいて、印字速度を
連続的に低下させてもよいし、あるいは、印字速度を段
階的に低下させてもよい。例えば、温度Tが所定温度T
1よりも僅かに高いときは、印字速度を少しだけ低下さ
せる。
【0034】一方、温度Tが所定温度T2以上のとき
は、画像形成装置50の本体に故障が発生することを防
止するために、この本体の動作を停止して印字動作も停
止させる(S209)。これにより、現像剤や感光ドラ
ムの劣化だけでなく、画像形成装置55の本体部分の故
障も未然に防止できることとなる。
【0035】ところで、オゾンフィルタ48(図15参
照)は、一般に、定期的に交換される定期交換部品であ
る。オゾンフィルタ48がその交換時期まで使用された
場合、初期状態に比べてフィルタ能力は低下するが、機
外へのオゾン排出濃度が例えば0.01ppm以下にな
るように設定されている。オゾンフィルタ48のフィル
タ能力が低下する主な原因は埃などによる目詰まりであ
る。このことは、高温から低温まで、又は、低湿から高
湿までの各種の環境において行った記録紙搬送実験や画
像耐久実験で判明した。このようにオゾンフィルタ48
が目詰まりを起すので、画像形成装置50内部の暖かい
空気を効率良く排出できず、この結果、装置内部の温度
が上昇し、また、装置内部のオゾンの量も増加する。そ
こで、装置内部の温度を低下させると共にオゾン発生量
を低減するために、上述したように印字速度を低下させ
る。
【0036】図3のフローを参照して、温度センサ54
によって検知された温度Tの上昇率に基づく制御を説明
する。
【0037】図3は、温度センサによって検知された温
度Tの上昇率に基づく制御手順を示すフロー図である。
【0038】このフローは、装置本体に電源が投入さ
れ、操作部(図示せず)等から印字枚数が指定されるこ
とにより起動し、温度センサ54によって温度が検知さ
れ始め、1回目の温度T3が検知される(S301)。
この1回目の温度T3が検知された後、所定時間が経過
したか否かが判定され(S302)、所定時間が経過し
たときは、2回目の温度T4が検知される(S30
3)。
【0039】次に、2回目の温度T4と1回目の温度T
3の差がTAよりも大きいか否かが判定される。2回目
の温度T4と1回目の温度T3の差が、本発明にいう所
定時間経過後の温度上昇率であり、TAが、本発明にい
う所定値である。2回目の温度T4と1回目の温度T3
の差がTAよりも小さいときは、このフローを終了す
る。一方、2回目の温度T4と1回目の温度T3の差が
TAよりも大きいときは、オゾンフィルタ48に目詰り
が生じていると判断して、フィルタ交換表示をし(S3
05)、印字速度を低速印字速度に変更し(S30
6)、このフローを終了する。これにより、印字動作を
停止するまでに至らずに、装置の継続使用が可能とな
る。
【0040】印字速度を低下させる具体例を説明する。
【0041】通常の印字動作では、短い間隔で連続して
記録紙を搬送しながらこの記録紙に画像を形成する(連
続印字動作)が、このときの記録紙の間隔を長くするこ
とにより、印字速度を低下できる。このように連続して
搬送する記録紙の間隔を長くすると、単位時間当りの印
字枚数が減少し、定着に要する熱量が単位時間当りでは
減少する。また、一次帯電器14(図15参照)や転写
帯電器22には印字動作のときだけ高電圧を印加してい
るが、単位時間当りの印字枚数が減少すると、単位時間
当りでは高電圧を印加する時間も短くなる。この結果、
単位時間当りに生成されるオゾン量も減少する。なお、
印字速度を低下させている間でも、ファン46(図15
参照)の回転速度は一定であり、回転速度や風量を制御
しない。また、印字速度を低下させると同時にオゾンフ
ィルタ48を交換させるための警告を発するようにして
もよい。この警告に基づいてオゾンフィルタ48を交換
することにより、印字動作を停止するまでに至らずに装
置の継続使用が可能となる。
【0042】図4から図6までを参照して、本発明の第
2実施形態を説明する。
【0043】図4は、第2実施形態の画像形成装置を示
す模式図であり、図5は、図4の画像形成装置を矢印B
方向(排紙側)から視た模式図である。図6は、温度セ
ンサが測定した温度に基づいて印字動作を制御するフロ
ーを示すフロー図である。
【0044】画像形成装置100は、メイン駆動モータ
(図示せず)によって矢印A方向に回転する感光ドラム
102(本発明にいう感光体の一例である。)を備えて
いる。感光ドラム102に対向する位置には、この感光
ドラム102を一様に帯電する帯電ローラ104が配置
されている。帯電ローラ104によって一様に帯電され
た感光ドラム102には、原稿画像の情報を担持する光
106が照射される。これにより、感光ドラム102に
静電潜像が形成される。
【0045】感光ドラム102が光106に照射される
位置よりも感光ドラム102の回転方向下流側には、静
電潜像を現像する現像器108(本発明にいう現像手段
の一例である。)が配置されている。感光ドラム102
に形成された静電潜像が現像器108に対向する位置に
くると、現像器108から静電潜像に現像剤(トナー)
が供給され、感光ドラム102に現像像が形成される。
【0046】現像像が記録紙120に転写される転写領
域110には、転写ローラ112が配置されている。ま
た、転写領域110よりも感光ドラム102の回転方向
下流側には、転写後に感光ドラム102に残留した現像
剤を掻き落とすクリーニング装置114(本発明にいう
クリーニング手段の一例である。)が配置されている。
クリーニング装置114には、廃トナーを廃トナータン
ク(図示せず)に搬送する廃トナー搬送器116が内蔵
されている。
【0047】記録紙120などの記録媒体は、図15に
示す画像形成装置10と同様に、カセット28に収容さ
れており、給紙ローラ30や搬送ローラ32によって1
枚ずつ搬送され、レジストローラ34に挟持される。レ
ジストローラ34に挟持された記録紙120は所定のタ
イミングで転写領域110に搬送され、転写領域110
で現像像が記録紙120に転写される。現像像が転写さ
れた記録紙120は搬送部122によって定着器124
(本発明にいう定着手段の一例である。)に搬送され、
この定着器124で現像剤が記録紙120に定着された
後、排紙ローラ(図示せず)によって排紙トレイ(図示
せず)に排出され、複写の1サイクルが終了する。画像
形成装置100は、プロセススピード200mm/秒
で、30枚/分の最大画像形成速度をもつ。
【0048】また、画像形成装置100では、定着器1
24で発生した熱が機内に籠って機内の温度が上昇した
場合、現像機108に貯められているトナーが劣化して
画像不良の原因となる。また、機内の温度が上昇した場
合、クリーニング装置114に貯まった廃トナーも劣化
して、クリーニング装置114が充分に感光ドラム10
2をクリーニングできなくなり、画像不良の原因とな
る。
【0049】そこで、画像形成装置100では、定着器
124のやや上方に、画像形成装置100の内部(本発
明にいう装置内部であり、以下、装置内部という。)の
空気を排気する排気ファン126(本発明にいう排気手
段の一例である。)が配置されている。また、この排気
ファン126のやや後方(風路のやや上流側)には、装
置内部に飛散している微量のトナーや紙粉を捕らえて機
外に排出させないフィルタ128が配置されている。
【0050】排気ファン126にDCバイアスが印加さ
れると排気ファン126が駆動し、これにより、定着器
124で発生した熱によって暖められた空気が排気され
る。また、機内の空気は、風路130,132を形成し
ながら排気ファン126によって排出される。この風路
130,132以外にも、画像形成装置100の本体の
外装に形成された隙間や、記録紙120の搬送路に形成
された隙間などを通る風路が形成される。
【0051】本発明者は、本発明をなすに先立って次の
ような実験を行った。
【0052】画像形成装置100の後側板134のうち
現像器108の上方部分に、温度センサ136(本発明
にいう温度検知手段の一例である。)を配置して、その
周辺の温度を測定した。温度センサ136で温度を測定
するに当っては、2通りの方法で画像を形成した。一つ
目の方法は、連続的に画像を形成する(以下、連続通紙
という。)方法であり、二つ目の方法は、連続的ではな
く適当な時間間隔をおいて画像を形成する(以下、間欠
通紙という。)方法である。
【0053】上記の連続通紙と間欠通紙のときにそれぞ
れ温度センサ136で温度を測定し、それぞれの場合の
温度を比較した。この結果、連続通紙では間欠通紙の場
合に比べ、温度センサ136の測定温度が高いことが判
明した。また、記録媒体を約1000枚ほど連続通紙し
た場合、温度センサ136で測定される温度が一定にな
って飽和して飽和温度になることが判明した。さらに、
この飽和温度は、単位時間当りの画像形成枚数が少ない
ほど低いことも判明した。
【0054】次に、排気ファン126に印加するDCバ
イアス値を変えて排気ファン126の回転数を変え、風
路130,132を流れる風量を変化させた。このよう
に風路130,132を流れる風量を変化させて連続通
紙を行い、温度センサ136で飽和温度を測定した。こ
の飽和温度が40℃以上になった場合、現像器108に
貯められたトナーが劣化して帯電能が低下し、これによ
り、画像濃度が低下する画像不良が生じることが判明し
た。ただし、温度センサ136で測定された温度(測定
温度)が飽和温度に達した時点で即座に上記の画像不良
が発生するのではなく、測定温度が飽和温度に達した
後、トナーに継続的に熱的なストレスや機械的なストレ
スが加えられた場合に上記の画像不良が発生することが
判明した。ここで、画像形成装置100を使い始めた使
用初期に上記の測定温度が40℃に達しないように排気
ファン126を速く回転させる実験を行った。この実験
では、1000枚の連続通紙を行って上記の測定温度が
飽和温度に達した後に、5時間だけ画像形成を中断し、
再び、1000枚連続通紙を行う作業(この作業をテス
トサイクル1とする)を繰り返した。このようにテスト
サイクル1を繰り返して10万枚の連続通紙を終了した
時点で測定温度が40℃を超えて、上記の画像不良が発
生した。この画像不良の原因は、記録紙120の紙粉や
機内に飛散しているトナーがフィルタ128に詰って排
気ファン126の排気効率が低下したためであることが
判明した。
【0055】また、テストサイクル1をさらに続ける
と、フィルタ128の目詰りが激しくなり測定温度が4
5℃を超える。この状態で画像形成を続けると、クリー
ニング装置114において廃トナーが凝集し、廃トナー
搬送器116が破損した。そこで、上記のような画像不
良や装置の破損を防止するために、図6に示すフローの
ように制御した。
【0056】図6に示すフローでは、温度センサ136
が測定した温度をTsとし、この温度Tsに基づいて印
字動作を制御した。
【0057】このフローは、装置本体に電源が投入さ
れ、操作部(図示せず)等から印字枚数が指定されるこ
とにより起動し、印字動作が開始され(S601)、温
度センサ136によって温度が検知(測定)され始める
(S602)。このように温度検知中に、温度センサ1
36によって検知された温度Tsが所定温度T1以上か
否かが判定される(S603)。ここで、所定温度T1
としては、例えば40℃が設定される。この40℃とい
う温度は、現像剤や感光ドラムが劣化を起さない温度の
一例である。
【0058】温度センサ136によって検知された温度
Tsが所定温度T1以上でないときは、通常の印字速度
(画像形成速度であり、ここでは30枚/分)での印字
動作が開始する(S604)。その後、指定枚数を印字
したか否かが判定され(S605)、指定枚数を印字し
たときは印字動作を終了し(S606)、このフローも
終了する。一方、指定枚数を印字していないときは、S
602に戻る。
【0059】S603において、温度センサ136によ
って検知された温度Tsが所定温度T1以上のときは、
この温度TがT2以上か否かが判定される(S60
7)。この所定温度T2は、所定温度T1よりも高い温
度であり、ここでは、廃トナー搬送器116が故障する
45℃とした。
【0060】温度センサ136によって検知された温度
Tsが所定温度T2以上でないとき、即ち、温度Tsが
所定温度T1と所定温度T2の間のときは、印字速度を
低下するように制御する(S608)。ここでは、20
枚/分の印字速度に低下した。印字速度の具体的な低下
方法は後述する。これにより、印字速度が低下して画像
形成装置100の内部で発生する熱量が減少するので、
装置内部の温度の上昇に起因する画像不良や装置の故障
を防止できる。
【0061】なお、印字速度を低下させて印字動作を行
っている最中に温度Tsが所定温度T1よりも低くなっ
たときは、通常の印字速度に戻って印字動作を行っても
よい。また、ここでは、温度Tsが所定温度T1と所定
温度T2の間のときは印字速度を所定速度(例えば半分
の速度)まで一気に低下させたが、温度Tsに基づい
て、印字速度を連続的に低下させてもよいし、あるい
は、印字速度を段階的に低下させてもよい。
【0062】一方、温度Tsが所定温度T2以上のとき
は、画像形成装置100の本体に故障が発生することを
防止するために、この本体の動作を停止して印字動作も
停止させる(S609)。これにより、画像不良の防止
だけでなく、画像形成装置100の本体部分の故障も未
然に防止できる。
【0063】印字速度を低下させる具体例を説明する。
【0064】通常の印字動作では、短い時間間隔で連続
して記録紙を搬送しながらこの記録紙に画像を形成する
(連続印字動作)が、このとき記録紙を搬送する時間間
隔を長くすることにより、印字速度を低下できる。この
ように連続して記録紙を搬送する時間間隔を長くする
と、単位時間当りの印字枚数が減少し、定着に要する熱
量が単位時間当りでは減少する。なお、印字速度を低下
させている間でも、ファン126(図15参照)の回転
速度は一定であり、回転速度や風量を制御しない。ま
た、印字速度を低下させると同時にフィルタ128を交
換させるための警告を発するようにしてもよい。この警
告に従ってフィルタ128を交換することにより、印字
動作を停止するまでに至らずに装置の継続使用が可能と
なる。
【0065】上述したように画像形成装置100の感光
ドラム102の近傍に温度センサ136を配置してお
き、この温度センサ136が測定した温度に基づいて印
字速度を制御することにより、画像形成装置100を長
期間使用してフィルタ128が目詰りを起して排気ファ
ン126の排気効率(排熱効率)が低下したとしても、
画像濃度の低下や廃トナー搬送器116の故障などを防
止できる。
【0066】図7から図10までを参照して、本発明の
第3実施形態を説明する。
【0067】図7は、第3実施形態の画像形成装置を示
す模式図であり、図8は、図7の画像形成装置を矢印C
方向(排紙側)から視た模式図である。図9は、比較の
ために温度センサをクリーニング装置の下方であって定
着器の近傍に配置させた画像形成装置を示す模式図であ
る。図10は、図9の画像形成装置を矢印D方向から
(排紙側)から視た模式図である。これらの図では、図
4に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付
されている。
【0068】第3実施形態の画像形成装置150は、1
6枚/分の複写速度をもっている。画像形成装置150
では、一次帯電器としてコロナ帯電器152を使用して
いる。転写帯電器としてもコロナ帯電器154を使用し
ている。また、画像形成装置150では、コロナ帯電器
152から排気ファン126に向かう風路156が形成
される。風路156の近傍には後側板160があり、こ
の後側板160に温度センサ158が固定されている。
排気ファン126よりも風路156のやや風上側には、
オゾンを吸着するオゾンフィルタ162が配置されてい
る。
【0069】上記したコロナ帯電器152では、小径の
金属ワイヤに高電圧を印加し、この金属ワイヤの近傍の
空気を絶縁破壊させて放電を行っている。この放電の際
にオゾンが発生し、このオゾンが空気中の物質を酸化
し、各種の化合物が生成する。これらの化合物が感光ド
ラム102の表面に付着すると、高湿環境下においてこ
れらの化合物が吸湿する。この結果、感光ドラム102
の表面の抵抗値が局所的に低下して、画像流れと呼ばれ
る画像不良の原因になる。この画像不良を防止するため
に、上記の風路156が形成されるように排気ファン1
26が配置されており、また、オゾンフィルタ162も
配置されている。
【0070】ここで、画像形成装置150を室温30
℃、湿度80%の環境に設置して、第2実施形態で説明
したテストサイクル1を繰り返し行った実験の結果を説
明する。また、比較のために図9と図10に示す画像形
成装置170を、上記の環境に設置して同じ実験を行っ
た。画像形成装置170が画像形成装置150と相違す
る点は、画像形成装置170では、画像形成装置150
の温度センサ158に代えて、クリーニング装置114
の下方であって定着器124の近傍の後側板174に温
度センサ172を配置した点にある。上記の実験結果を
表1に示す。
【0071】
【表1】 表1には、温度センサ158と温度センサ172によっ
て測定された温度と、画像流れのレベルが示されてい
る。○は、画像流れが無かったことを示し、△は、画像
流れがやや発生したことを示し、×は、画像流れが激し
かったことを示す。画像を形成した枚数(耐久枚数)が
増えても、温度センサ172によって測定された温度は
あまり変化せず、この測定温度と画像流れのレベルとは
相関関係が無いことがわかる。この理由は、温度センサ
172の取付位置が定着器124に近く、この定着器1
24が発生する熱の影響を直接に受け易いからであると
考えられる。
【0072】一方、温度センサ158によって測定され
た温度は耐久枚数の増加と共に上昇し、この測定温度と
画像流れのレベルとは相関関係があることが分かる。こ
の理由は、温度センサ158の取付位置が定着器124
から遠いため、この定着器124が発生する熱の影響を
受けにくいからであると考えられる。また、オゾンフィ
ルタ162の目詰りに起因して風量が低下した影響を受
けやすいことも理由に挙げられる。さらに、温度センサ
158は、オゾンを多量に発生するコロナ帯電器152
の近傍に配置されているので、温度センサ158の配置
位置における風量低下が画像流れのレベルに影響を与え
ることも理由に挙げられる。
【0073】上述したように、コロナ帯電器152が発
生したオゾンをオゾンフィルタ162で吸着する場合、
オゾンフィルタ162を長期間使用すると、温度センサ
158が測定する温度が上昇し、画像流れのレベルが悪
化することが判明した。そこで、画像形成装置150で
は、温度センサ158の測定温度(検知温度)に基づい
画像形成の紙間を変更するように制御する。ここでは、
温度センサ158の検知温度Ts2が40℃以上になっ
た場合、画像形成の紙間を延長してコピー枚数を16枚
/分から8枚/分に低下させた。
【0074】上記の画像形成装置150及び画像形成装
置170それぞれに20万枚の通紙をさせ、その後、こ
れらの画像形成装置150,170を使って行った実験
を説明する。
【0075】実験では、画像形成装置150,170そ
れぞれに20万枚の通紙をさせた後、画像形成装置15
0,170で500枚の連続通紙をし、この連続通紙の
際に温度センサ158、172で温度を測定すると共に
画像流れのレベルも観察した。この結果を、連続通紙の
際の画像形成速度(cpm)とともに表2に示す。
【0076】
【表2】 表2には、温度センサ158と温度センサ172によっ
て測定された温度と、画像流れのレベルが示されてい
る。○は、画像流れが無かったことを示し、△は、画像
流れがやや発生したことを示し、×は、画像流れが激し
かったことを示す。
【0077】画像形成装置170(従来例)では、約2
50枚を通紙させたとき、温度センサ172によって測
定された温度Ts2は40℃になった。この状態では画
像流れは問題の無いレベルである。しかし、約300枚
を通紙させたとき、温度Ts2が42℃となった。この
状態では、若干の画像流れが発生している。さらに通紙
枚数を増やして通紙枚数が500枚を超えると温度Ts
2が45℃となり、画像流れが発生すると共に昇温に起
因する異常画像も発生した。なお、画像形成装置170
では、通紙枚数が500枚を超えるまで16枚/分とし
た。
【0078】一方、画像形成装置150(第3実施形
態)では、温度センサ158が40℃を測定した250
枚目以降、画像形成速度を16枚/分から8枚/分に下
げた。コロナ帯電器152は印字動作のときのみに高圧
を印加されてオゾンを発生する。このため、単位時間当
りの複写枚数(画像形成速度)を下げると、定着器12
4が発生する熱量が低下すると共に、コロナ帯電器15
2が発生するオゾンの量も低下する。このように画像形
成速度を遅くすることにより、300枚通紙後も温度T
s2が40℃に抑えられ、画像流れも発生しなかった。
さらに、画像形成速度を8枚/分で通紙を続けると、5
00枚通紙後も画像流れが発生しなかった。
【0079】上述したように、コロナ帯電器152が発
生するオゾンをオゾンフィルタ162に吸着させる構成
では、風路156のうちコロナ帯電器152の近傍部分
に、温度センサ158を配置しておき、温度センサ15
8が測定する温度に基づいて通紙枚数を制御した。この
制御によって、画像形成装置150を長期間使用してオ
ゾンフィルタ162が目詰りした場合であっても、昇温
に起因する異常画像の発生を防止できると共に、オゾン
に起因する画像流れも防止できた。
【0080】図11から図14までを参照して、本発明
の第4実施形態を説明する。
【0081】図11は、第4実施形態の画像形成装置を
示す模式図であり、図12は、図11の画像形成装置を
矢印C方向(排紙側)から視た模式図である。図13
は、比較のために温度センサをクリーニング装置の上部
に配置させた画像形成装置を示す模式図である。図14
は、図13の画像形成装置を矢印C方向から(排紙側)
から視た模式図である。これらの図では、図4に示す構
成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されてい
る。
【0082】第4実施形態の画像形成装置180では、
装置本体の長手方向の奥に排気ファン182が配置され
ている。この排気ファン182は、クリーニング装置1
14と定着器124とに跨がったように配置されてい
る。排気ファン182の近傍には、フィルタ184が配
置されている。また、後側板160のうちクリーニング
装置114の下方であって感光ドラム102の近傍の部
分には、温度センサ186が配置されている。
【0083】画像形成装置180では、定着器124を
通過して画像(1度目の画像)が定着された記録紙12
0に再び画像(2度目の画像)を形成して定着器124
を通過させる両面印字や多重印字ができる。この両面印
字や多重印字を行った場合、1度目の画像を形成したと
きに定着器124で暖められた記録紙120の熱が、2
度目の画像が形成されるときに感光ドラム102に伝わ
る。このため、連続通紙を行うと感光ドラム102が高
温になる。
【0084】一方、転写後に感光ドラム102に残留し
たトナーはクリーニングブレード115によって掻き取
られ、この掻き取られたトナーは、一時的にクリーニン
グブレード115と感光ドラム102の間に残留する。
この残留したトナーは、上記のように感光ドラム102
が高温になっている場合、軟化して感光ドラムに102
に融着することがある。なお、片面印字の場合は、感光
ドラム102の温度は緩やかに上昇するだけである。
【0085】そこで、クリーニング装置114の下方に
配置された温度センサ186で温度を測定する実験を行
った。また、比較のために、クリーニング装置114の
上方に温度センサ192が配置されている画像形成装置
190でも同様に連続通紙をして温度センサ192で温
度を測定した。このようにして測定された温度の推移を
表3に示す。
【0086】表3において「片面」とは、定着器124
を一度も通過させていない記録紙に画像を形成した場合
をいう。一方、「両面」とは、定着器124を通過した
直後の記録紙に再び画像を形成した場合をいう。なお、
フィルタ184は新品のものを使用した。
【0087】
【表3】 この実験では、片面連続100枚の通紙直後から、両面
と片面それぞれ連続500枚に画像を形成した。表3に
示す0枚のときの温度は、片面連続100枚の通紙直後
の温度である。片面連続100枚の通紙直後では、通紙
される記録紙が加熱されていないので、2つの温度セン
サ186,192で測定された温度は37℃であり、差
は無い。また、片面で500枚を連続通紙した場合で
も、2つの温度センサ186,192で測定された温度
は38℃であり、差は無い。
【0088】一方、両面で500枚を連続通紙した場
合、温度センサ186で測定された温度は44℃であ
り、温度センサ192で測定された温度は40℃であっ
た。両面で連続通紙した場合に感光ドラム102の表面
温度は上昇するが、温度センサ192では、低めの温度
しか測定できなかった。
【0089】以上の結果に基づき、画像形成装置180
では、後側板160のうちクリーニング装置114の下
方であって感光ドラム102の近傍の部分に固定された
温度センサ186で測定された温度Ts3に基づいて、
画像形成速度を制御している。このような制御をした場
合に、感光ドラム102にどの程度の量のトナーが融着
するかを調べた。この実験結果を表4に示す。なお、比
較のために、画像形成装置190を使って同様の実験を
行った。この画像形成装置190では、上述したよう
に、クリーニング装置114の上方に温度センサ192
が配置されている。
【0090】この実験では、20万枚の記録紙に画像形
成したときのフィルタ184を使用し、片面連続100
枚の通紙直後から、両面連続500枚の記録紙に画像形
成したときに、温度センサ186,192で温度を測定
すると共に、感光ドラム102に融着しているトナーの
量を調べた。
【0091】
【表4】 表4には、温度センサ186と温度センサ192によっ
て測定された温度と、感光ドラム102にどの程度の量
のトナーが融着したかを示している。○は、ほとんどト
ナーが融着していないことを示し、△は、微小量のトナ
ーが融着していたことを示し、×は、許容できない量の
トナーが融着していたことを示す。
【0092】2つの画像形成装置180,190ともに
400枚を通紙した時点では、感光ドラム102に微小
量のトナーが融着した。また、500枚を通紙した時点
では、感光ドラム102に許容できない量のトナーが融
着した。
【0093】以上の実験結果によれば、温度センサ18
6で測定された温度が45℃になったときに、もしく
は、温度センサ192で測定された温度が40℃になっ
たときに、画像形成速度を低下させて、記録紙120か
ら感光ドラム102に伝わる単位時間当りの熱量を低下
させる必要があることが分かる。
【0094】そこで、画像形成装置180では、温度セ
ンサ186が45℃を測定したときに、コピー速度を3
0枚/分から15枚/分に低下させるように制御した。
一方、画像形成装置190では、温度センサ192が4
0℃を測定したときに、コピー速度を30枚/分から1
5枚/分に低下させるように制御した。このように制御
する2つの画像形成装置180,190それぞれにおい
て、両面連続500枚の通紙を10回繰り返した。この
ときのコピー速度低下のタイミングと、この繰り返し後
において感光ドラム102に融着しているトナーの量を
調べた。この結果を、表5に示す。
【0095】
【表5】 画像形成装置180では、約300通紙後にコピー速度
が低下するが、トナーが感光ドラム102に融着するこ
とは無かった。一方、画像形成装置190では、速いも
のでは190枚通紙後にコピー速度が低下し、また、ト
ナーが感光ドラム102に2回融着した。
【0096】上述したような両面印字や多重印字を行え
る画像形成装置180を使う場合、両面印字や多重印字
がされる記録紙であることをユーザが入力しなくても、
また、そのような記録紙であることを複雑なセンサや制
御を使って検知しなくても、温度センサ186のよう
に、装置の温度センサをクリーニング装置114の下方
であってかつ感光ドラム102の近傍に配置しておき、
この温度センサで測定された温度に基づいて画像形成速
度を制御することにより、画像形成の生産性を極力落と
すこと無く、感光ドラム102にトナーが融着すること
を防止できる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように本発明の第1の画像
形成装置によれば、温度検知手段によって検知された温
度が所定温度T1以上のときは印字速度が低下し、装置
内部で発生する熱量が減少するので、装置内部の温度の
上昇に起因する画像不良を防止できる。また、装置内部
で発生するオゾンの量も低減でき、このオゾンに起因す
る画像不良も防止できる。
【0098】ここで、制御手段が、温度検知手段で検知
された温度に基づいて印字速度を連続的に低下するよう
に制御するものである場合は、連続的に印字速度を低下
させるので、所定温度T1を僅かに超えたときなどは、
印字速度を大幅に低下させないで済む。
【0099】また、制御手段が、温度検知手段で検知さ
れた温度に基づいて、印字速度を段階的に低下するよう
に制御するものである場合は、段階的に印字速度を低下
させるので、制御の容易な画像形成装置を得られる。
【0100】さらに、制御手段が、温度検知手段が検知
した温度が所定温度T1よりも高い所定温度T2以上の
ときは、画像を形成する印字動作を停止するように制御
するものである場合は、所定温度T2以上のときは印字
動作が停止するので、画像不良のみならず、画像形成装
置本体の故障も未然に防止できることとなる。
【0101】さらにまた、温度検知手段が、感光体に残
留した現像剤を除去するクリーニング装置もしくはその
近傍に配置されたものである場合は、クリーニング装置
の温度を精度良く測定でき、適正に印字速度を制御でき
る。
【0102】さらにまた、制御手段が、温度検知手段で
検知中における所定時間経過後の温度上昇率が所定値以
上のときは所定のフィルタ交換を促すと共に、温度検知
手段が検知した温度が所定温度T1以上のときは画像を
形成する印字速度を低下するように制御するものである
場合も、印字動作を停止するまでに至らずに装置の継続
使用が可能となる。
【0103】また、本発明の第2の画像形成装置によれ
ば、画像不良が起こり始める装置内部温度を温度T1と
し、装置本体の故障が起こり始める装置内部温度を温度
T2とした場合、温度Tsが温度T1以上でかつ温度T
2未満のときは、記録媒体に画像を形成する単位時間当
りの枚数を減らすので、装置内部の温度が低下して温度
T1未満となり、画像不良を防止できる。また、温度T
sが温度T2以上のときは印字動作を停止するので、装
置内部の温度が低下して温度T2未満となり、装置本体
の故障を防止できる。
【0104】ここで、上記温度検知手段は、この温度検
知手段から上記排気手段までにかけて形成される風路の
近傍に配置されたものである場合は、風路を流れる暖か
い空気の温度が温度検知手段によって検知され、この検
知された温度に基づいて、単位時間当りの画像形成枚数
を減らしたり印字動作を停止したりするので、画像不良
や装置本体の故障をいっそう確実に防止できる。
【0105】また、上記温度検知手段は、上記クリーニ
ング手段の下部の近傍に位置するものである場合は、ク
リーニング手段の下部の暖かい空気の温度が温度検知手
段によって検知され、この検知された温度に基づいて、
単位時間当りの画像形成枚数を減らしたり印字動作を停
止したりするので、画像不良や装置本体の故障をいっそ
う確実に防止できる。
【0106】さらに、上記温度検知手段は、上記現像手
段よりも上方に位置するものである場合は、現像手段の
温度が上昇している場合、この温度とほぼ同じ温度の空
気が温度検知手段に到達してこの空気の温度が温度検知
手段によって検知され、この検知された温度に基づい
て、単位時間当りの画像形成枚数を減らしたり印字動作
を停止したりするので、現像手段に貯められた現像剤の
劣化をいっそう確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の動作を制御する制御系
の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像形成装置に配置された温度センサが
測定した温度に基づいて印字動作を制御するフローを示
すフロー図である。
【図3】温度センサによって検知された温度Tの上昇率
に基づく制御手順を示すフロー図である。
【図4】第2実施形態の画像形成装置を示す模式図であ
る。
【図5】図4の画像形成装置を矢印B方向(排紙側)か
ら視た模式図である。
【図6】温度センサが測定した温度に基づいて印字動作
を制御するフローを示すフロー図である。
【図7】第3実施形態の画像形成装置を示す模式図であ
る。
【図8】図7の画像形成装置を矢印C方向(排紙側)か
ら視た模式図である。
【図9】比較のために温度センサをクリーニング装置の
下方であって定着器の近傍に配置させた画像形成装置を
示す模式図である。
【図10】図9の画像形成装置を矢印D方向から(排紙
側)から視た模式図である。
【図11】第4実施形態の画像形成装置を示す模式図で
ある。
【図12】図11の画像形成装置を矢印C方向(排紙
側)から視た模式図である。
【図13】比較のために温度センサをクリーニング装置
の上部に配置させた画像形成装置を示す模式図である。
【図14】図13の画像形成装置を矢印C方向から(排
紙側)から視た模式図である。
【図15】従来の画像形成装置の概略構成を示す模式図
である。
【図16】図15の画像形成装置の内部を拡大して示す
模式図である。
【符号の説明】
12,102 感光ドラム 50,100,150,170,180,190 画像
形成装置 52 CPU 54,136,158,172,186,192, 温
度センサ 58 プロセス駆動系 60 エアーフロー系 104 帯電ローラ 108 現像器 114 クリーニング装置 116 廃トナー搬送機 120 記録紙 124 定着器 126 排気ファン 128 フィルタ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体に静電潜像を形成し、該
    静電潜像を現像して現像像を形成し、該現像像を記録媒
    体に転写して画像を形成する画像形成装置において、 該画像形成装置の内部の温度を検知する温度検知手段
    と、 該温度検知手段が検知した温度が所定温度T1以上のと
    きは、画像を形成する印字速度を低下するように制御す
    る制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、 前記温度検知手段で検知された温度に基づいて、印字速
    度を連続的に低下するように制御するものであることを
    特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、 前記温度検知手段で検知された温度に基づいて、印字速
    度を段階的に低下するように制御するものであることを
    特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、 前記温度検知手段が検知した温度が前記所定温度T1よ
    りも高い所定温度T2以上のときは、画像を形成する印
    字動作を停止するように制御するものであることを特徴
    とする請求項1,2,又は3に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記温度検知手段は、 前記感光体に残留した現像剤を除去するクリーニング装
    置もしくはその近傍に配置されたものであることを特徴
    とする請求項1から4までのうちのいずれか一項に記載
    の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、 前記温度検知手段で検知中における所定時間経過後の温
    度上昇率が所定値以上のときは所定のフィルタ交換を促
    すと共に、前記温度検知手段が検知した温度が所定温度
    T1以上のときは画像を形成する印字速度を低下するよ
    うに制御するものであることを特徴とする請求項1から
    5までのうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 一様に帯電されて静電潜像が形成される
    感光体と、該感光体に形成された静電潜像に現像剤を供
    給して現像像を形成する現像手段と、該現像手段によっ
    て形成された現像像が転写された記録媒体に現像像を定
    着させる定着手段と、装置内部を排気する排気手段とを
    備えた、記録媒体に画像を形成する画像形成装置におい
    て、 前記装置内部の温度を検知する、前記感光体の近傍に配
    置された温度検知手段と、 前記温度検知手段によって検知された温度Tsが、所定
    の温度T1以上でかつ温度T1よりも高い温度T2未満
    のときは、記録媒体に画像を形成する単位時間当りの枚
    数を減らし、温度Tsが温度T2以上のときは、画像を
    形成する印字動作を停止するように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記温度検知手段は、 該温度検知手段から前記排気手段までにかけて形成され
    る風路の近傍に配置されたものであることを特徴とする
    請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記温度検知手段は、 前記クリーニング手段の下部の近傍に位置するものであ
    ることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装
    置。
  10. 【請求項10】 前記温度検知手段は、 前記現像手段よりも上方に位置するものであることを特
    徴とする請求項7,8,又は9に記載の画像形成装置。
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