以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタについて、図1〜図15を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンタの全体構成を示す概略構成図である。図2は、図1のプリンタが備えるイエロー用のトナー像形成ユニットの一例の構成を示す概略構成図である。図3は、図2のトナー像形成ユニットの斜視図である。
図1のプリンタ200は、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラック(以下、Y、C、M及びKと記す)のトナー像を生成するための4つのトナー像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kと、温度センサ95Y、95C、95M、95Kと、光書込ユニット20と、給紙ユニット30と、転写ユニット40と、定着ユニット60と、制御部91(図1において不図示)と、オプション機器検知スイッチ97と、が設けられている。
トナー像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kは、画像を形成する画像形成物質として互いに異なる色のYトナー、Cトナー、Mトナー、Kトナーを用いるが、それ以外は基本的に同じ構成になっている。Yトナー像を生成するためのトナー像形成ユニット1Yを例にすると、トナー像形成ユニット1Yは、図2に示すように、感光体ユニット2Yと現像ユニット7Yとを有している。
これら感光体ユニット2Y、現像ユニット7Yは、図3に示すように、トナー像形成ユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱可能なものである。また、トナー像形成ユニット1Yは、プリンタ本体から取り外した状態において、さらに、現像ユニット7Yを感光体ユニット2Yに対して着脱することができるように構成されている。
感光体ユニット2Yは、図2に示すように、像担持体としてのドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置4Y、不図示の除電装置、帯電装置5Yなどを有している。帯電装置5Yは、不図示の駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される感光体3Yの表面を一様帯電させる。図2においては、不図示の電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される帯電ローラ6Yを感光体3Yに近接させることで、感光体3Yを一様帯電させる方式の帯電装置5Yを示している。帯電ローラ6Yの代わりに、帯電ブラシを当接させる方式のものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャーのように、チャージャー方式によって感光体3Yを一様帯電させる方式のものを用いてもよい。帯電装置5Yによって一様帯電された感光体3Yの表面は、後述する光書込ユニット20から発せられるレーザ光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
現像ユニット7Yは、第一搬送スクリュー8Yが配設された第一剤収容部9Yを有している。また、透磁率センサから成るトナー濃度センサ(以下、単に「トナー濃度センサ」と記す)10Y、第二搬送スクリュー11Y、現像ロール12Y、ドクターブレード13Yなどが配設された第二剤収容部14Yも有している。これら二つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとを有するY現像剤(図示せず)が収容されている。
第一剤収容部9Y内の第一搬送スクリュー8Yは、不図示の駆動手段によって回転駆動されて、第一剤収容部9Y内のY現像剤を図2における紙面に垂直な方向における手前側から奥側へと搬送する。そして、第一搬送スクリュー8Yは、Y現像剤を図中奥側まで搬送すると、第一剤収容部9Yと第二剤収容部14Yとの間の仕切壁に設けられた不図示の連通口を経て、第二剤収容部14Y内にY現像剤を進入させる。
第二剤収容部14Y内の第二搬送スクリュー11Yは、不図示の駆動手段によって回転駆動されて、第二剤収容部14Y内のY現像剤を図中奥側から手前側へと搬送する。そして、第二搬送スクリュー11Yは、Y現像剤を図中手前端まで搬送すると、不図示の連通口を経て第一剤収容部9Y内へY現像剤を戻す。即ち、Y現像剤は、第一剤収容部9Yと第二剤収容部14Yを循環移動される。
第二搬送スクリュー11Yの上方には、現像ロール12Yが第二搬送スクリュー11Yと平行に配設されている。この現像ロール12Yは、図中反時計回り方向に回転駆動される非磁性パイプから成る現像スリーブ15Y内に回転しないように固定されたマグネットローラ16Yを内包している。そして、第二搬送スクリュー11Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ16Yの発する磁力によって現像スリーブ15Y表面に汲み上げられる。そして、現像スリーブ15Y表面に汲み上げられたY現像剤は、現像スリーブ15Yと所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード13Yによりその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送される。そして、現像領域において、感光体3Y上のY用静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成(即ち、現像)される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像スリーブ15Yの回転に伴って第二搬送スクリュー11Y上に戻されて、第二剤収容部14Y内を搬送される。
また、第二剤収容部14Y内を搬送されるY現像剤は、第二剤収容部14Yの底部に固定されたトナー濃度センサ10Yによってそのトナー濃度が検知される。トナー濃度センサ10YによるY現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として不図示のトナー濃度制御部に送られる。Y現像剤の透磁率は、Y現像剤のYトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサ10YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。上記トナー濃度制御部はCPU及びRAMなどの記憶手段を備えており、この記憶手段には、トナー濃度センサ10Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefのデータが格納されている。また、この記憶手段には、他の現像ユニットに搭載された各トナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータも格納されている。Y用現像ユニット7Yについては、トナー濃度センサ10Yからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、Yトナーを収容するトナーカートリッジ100Yに対応して設けられた不図示のY用トナー供給装置を、比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、現像に伴ってYトナーを消費することにより濃度が低下したY現像剤を収容する第一剤収容部9Yに、適量のYトナーが供給される。このため、第二剤収容部14Y内のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用のトナー像形成ユニット(1C、1M、1K)内における現像剤についても、同じトナー供給制御が実施される。
感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述する中間転写ベルト41に中間転写される。そして、ドラムクリーニング装置4Yが、中間転写工程を経た後の感光体3Y表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Y表面は、不図示の除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。図1において、他色用のトナー像形成ユニット1C、1M、1Kにおいても、同様に感光体3C、3M、3K上にCトナー像、Mトナー像、Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト41上に中間転写される。
感光体ユニット7Yは、制御部91からの制御命令に基づいて感光体3Yの帯電、除電及びドラムクリーニング動作を実行する。現像ユニット7Yは、制御部91からの制御命令に基づいて感光体3YのY用静電潜像の現像動作を実行する。
他色用のトナー像形成ユニット1C、1M、1Kについても、上述した感光体ユニット2Y及び現像ユニット7Yと同様の感光体ユニット2C、2M、2K、及び、現像ユニット7C、7M、7K、を備えて構成されている。
温度センサ95Yは、例えば、サーミスタ等の温度検知素子などが用いられており、検知温度に応じた電圧信号を出力するように構成されている。温度センサ95Yは、現像ユニット7Y外でかつその近傍に配設されている。本実施形態においては、温度センサ95Yは、現像ユニット7Yの下方に当該現像ユニット7Yに近接して配設されている。これにより、温度センサ95Yは、現像ユニット7Yの外部温度を検知する。温度センサ95Yは、本発明の目的に反しない限り、現像ユニット7Yの外部でかつ現像ユニット7Y内の温度と相関がある検知温度となる位置に配設されていればよい。これは、現像ユニット7Yのトナー溶融などの不具合を防ぐためであり、温度センサ95Yは、現像ユニット7Y内の温度と相関が高い検知温度となる位置に配設されていることがより好ましい。
本実施形態において、温度センサ95Yは、現像ユニット7Yの外部温度を検知して、当該温度に応じた電圧信号を制御部91に出力する。制御部91は、この電圧信号に基づいて、現像ユニット7Yの外部温度Tを測定する。これにより、温度センサ95Yと制御部91とで、請求項中の温度測定手段の一例を構成する。温度測定手段は、温度センサを含み、温度センサは現像ユニット7Yの外部近傍に配設されている。勿論、この構成に限定されるものではなく、例えば、温度センサと制御部91とが通信可能に接続され、温度センサが温度測定手段として機能して、検知した温度を示す測定値を含む電文を生成して、当該電文を制御部91に送信するような構成であってもよく、本発明の目的に反しない限り、温度測定手段の構成は任意である。
他色用の温度センサ95C、95M、95Kについても、上述した温度センサ95Yと同様に構成されている。
光書込ユニット20は、図1に示すように、トナー像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの図中下方に配設されている。光書込ユニット20は、制御部91からの画像情報を含む制御命令に基づいて、レーザ光Lを、各トナー像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの感光体3Y、3C、3M、3Kに照射する。これにより、感光体3Y、3C、3M、3K上にY、C、M、K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向させながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y、3C、3M、3Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
給紙ユニット30は、図1に示すように、第一給紙カセット31及び第二給紙カセット32と、給紙路33と、を有している。
第一給紙カセット31及び第二給紙カセット32は、光書込ユニット20の下方に鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録媒体としての記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第一給紙ローラ31a、第二給紙ローラ32aがそれぞれ当接されている。
第一給紙ローラ31aが不図示の駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動されると、第一給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第二給紙ローラ32aが不図示の駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動されると、第二給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが、給紙路33に向けて排出される。
給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図中下方から上方に向けて搬送される。給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップへ向けて送り出す。
給紙ユニット30は、制御部91からの制御命令に基づいて、第一給紙ローラ31a、第二給紙ローラ32a、複数の搬送ローラ対34、レジストローラ対35を回転駆動することにより記録紙Pを給紙路33に沿って移動させる。
転写ユニット40は、各トナー像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの図中上方に配設されている。転写ユニット40は、中間転写ベルト41、ベルトクリーニングユニット42、第一ブラケット43、第二ブラケット44などを備えている。また、4つの一次転写ローラ45Y、45C、45M、45K、二次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これら8つのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動される。
4つの一次転写ローラ45Y、45C、45M、45Kは、このように無端移動される中間転写ベルト41を感光体3Y、3C、3M、3Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY、C、M、K各色用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、中間転写ベルト41のおもて面(ループ外周面)に感光体3Y、3C、3M、3K上のYトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Kトナー像が重ね合わせられるように一次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に四色重ね合わせトナー像(以下、四色トナー像という)が形成される。
二次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された二次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで二次転写ニップを形成している。レジストローラ対35が、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の四色トナー像に同期させるタイミングで、二次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の四色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ50と二次転写バックアップローラ46との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で記録紙Pに一括して二次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過しても記録紙Pに転写されずに中間転写ベルト41に残った転写残トナーは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを中間転写ベルト41のおもて面に当接させ、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット40は、制御部91からの制御命令に基づいて、中間転写ベルト41等を回転駆動させるとともに転写バイアスを印加して、一次転写ニップ及び二次転写ニップにおいて、それぞれ中間転写ベルト及び記録紙Pに対して順次トナー像を転写する。
定着ユニット60は、図1に示すように、二次転写ニップの図中上方に配設されている。この定着ユニット60は、ハロゲンランプなどの発熱源を内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62を備えている。定着ベルトユニット62は、定着ベルト64、ハロゲンランプなどの発熱源63aを内包する加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66などを有している。そして、無端状の定着ベルト64を加熱ローラ63、テンションローラ65及び駆動ローラ66によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動される。この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱された定着ベルト64の加熱ローラ63掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト64のループ外側には、不図示の定着温度センサが定着ベルト64のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト64の表面温度を検知する。この検知結果は、不図示の定着電源回路に送られる。定着電源回路は、定着温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源63aや、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源61aに対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140℃に維持される。
二次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下方から上方に向けて搬送される過程で、定着ベルト64及び加圧加熱ローラ61によって加熱され、押圧されて、フルカラートナー像が記録紙Pに定着される。
定着ユニット60は、制御部91からの制御命令に基づいて、駆動ローラ66を回転駆動させるとともに、加圧加熱ローラ61及び加熱ローラ63によってトナー像を加熱しながら押圧して、記録紙Pにトナー像を定着させる。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体のケース201の上面には、上面トレー68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された記録紙Pは、この上面トレー68に順次スタックされる。また、ケース201の側面には、図示しない側面トレーが設けられており、例えば、複数部印刷においてソート処理された記録紙Pなどが側面トレーに排出される。
なお、転写ユニット40の上方には、Yトナー、Cトナー、Mトナー、Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y、100C、100M、100Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y、100C、100M、100K内の各色トナーは、トナー像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの現像ユニット7Y、7C、7M、7Kそれぞれに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y、100C、100M、100Kは、トナー像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
オプション機器検知スイッチ97は、例えば、押下片を備え、当該押下片が押下されると開閉状態が切り替わる周知のメカニカルスイッチを含んで構成されており、押下片の押下状態に応じた電圧信号を出力する。プリンタ200には、画像形成がなされたシート状の記録紙Pに対して、スタンプ押印処理、ステープル処理あるいはパンチ穴あけ処理といった後処理を行う後処理ユニット(不図示)がオプション機器として用意されている。この後処理ユニットは、定着ユニット60の後段に必要に応じて取り付けられ、例えば、プリンタ200のケース201の側面やケース201内におけるトナーカートリッジ100Y、100C、100M、100Kの上方などに配設される。そして、オプション機器検知スイッチ97は、この後処理ユニットが取り付けられていないときに上記押下片が押下されず、この後処理ユニットが取り付けられたときに上記押下片が押下されるように配設されている。つまり、オプション機器検知スイッチ97は、後処理ユニットの有無に応じた電圧信号を出力する。なお、図1では、オプション機器検知スイッチ97が、ケース201の側面に取り付けられる後処理ユニットに対応して配置されている一例を示している。
プリンタ200のケース201には、ケース201内(即ち、プリンタ200内)の空気を外部に排出する図示しない複数(例えば、4個)の冷却ファンが設けられている。これら冷却ファンは、その回転数に応じたパルス信号(例えば、1回転につき1パルス)を出力するように構成されている。
図4は、図1のプリンタが備える制御部及びその周辺部の一例の構成を示す機能ブロック図である。
制御部91は、例えば、CPU、ROM、RAM、タイマなどの機能を備えたマイクロコンピュータなどで構成されている。
ROMには、CPUに実行されることにより、当該CPUをユニット制御手段、温度測定手段の一部、温度判定手段、画像形成動作回数設定手段、温度変動要因検出手段、温度範囲設定手段などの各種手段として機能させる制御プログラムが格納されている。CPUはこの制御プログラムを実行することにより上記各種手段として機能する。
RAMは、CPUの処理に必要な各種データなどが格納される。また、RAMには、各現像ユニット7Y、7C、7M、7Kにおいて単位時間当たりの画像形成動作可能回数を示す画像形成動作回数Lが、各現像ユニットに対応して4つ格納されている。これら画像形成動作回数Lには、初期値として後述する通常動作回数Lmaxが格納される。
また、RAMには、各現像ユニットの外部温度Tが取りうる温度範囲である通常動作範囲、ヒステリシス動作範囲、制限動作範囲を規定する第1温度閾値T1、第2温度閾値T2が格納されている。これら第1温度閾値T1、第2温度閾値T2には、それぞれ初期値として、後述する第1標準状態温度閾値T1s、第2標準状態温度閾値T2sが格納される。
また、RAMには、プリンタ200に接続された図示しないパソコンなどから該プリンタ200に対して与えられる画像形成要求(ジョブ情報とも言う)に含まれる画像形成情報が格納される。この画像形成情報として、具体的には、画像形成動作の色モード種別(モノクロモード/カラーモード)、印刷面モード種別(片面モード/両面モード)、印刷枚数(即ち、画像形成動作の回数)、記録媒体の種別(普通紙/厚紙)、画像形成速度(通常速度/高速度)、記録媒体の排出先(上面トレー/側面トレー)などの情報が格納される。RAMには、直前に実行された画像形成要求に含まれる画像形成情報(以下、「直前画像形成情報」とも言う)、及び、直後に実行される画像形成要求に含まれる画像形成情報(以下、「直後画像形成情報」とも言う)が格納される。
制御部91には、記憶手段としての記憶部92及び入力手段としての操作部93がバスを通じて接続されている。
また、制御部91には、温度センサ95Y、95C、95M、95Kが接続されたアナログ−デジタル変換機能を備えた第1入力インタフェース部(不図示)が設けられている。そして、この第1入力インタフェース部を介して温度センサ95Y、95C、95M、95KがそれぞれCPUに接続されている。各温度センサによる温度検知により出力されたアナログ値としての電圧信号は、第1入力インタフェース部で量子化されてCPUにて取り扱い可能なデジタル値に変換される。CPUは、このデジタル値に示される電圧を後述する記憶部92に格納された電圧−温度変換テーブルに当てはめて、各現像ユニットの外部温度を取得(即ち、測定)する。
また、制御部91には、オプション機器としての図示しない後処理ユニットの有無を検出するオプション機器検知スイッチ97が接続された第2入力インタフェース部(不図示)が設けられている。そして、この第2入力インタフェース部を介してオプション機器検知スイッチ97がCPUに接続されている。CPUは、オプション機器検知スイッチ97が出力する電圧信号に基づいて、後処理ユニットの有無を検知する。
また、制御部91には、ケース201に設けられた複数の冷却ファンに接続された第3入力インタフェース部(不図示)が設けられている。そして、この第3入力インタフェース部を介して複数の冷却ファンがCPUに接続されている。CPUは、複数の冷却ファンが出力する回転数に応じたパルス信号(以下、「冷却ファン回転数信号」とも言う)に基づいて、各冷却ファンの動作状態及び回転数を検出する。
記憶部92は、例えば半導体などからなるメモリ、磁気ディスク、光ディスクなどで構成されている。この記憶部92内のデータは、制御部91から読み出し及び書き込みができる。記憶部92には、それぞれ後述する画像形成動作回数設定処理で用いられる、「温度センサ95Y、95C、95M、95Kが出力した電圧と各現像ユニット7Y、7C、7M、7Kの外部温度との関係を示す電圧−温度変換テーブル」、「プリンタ200の動作状態としての標準状態及び高温状態を規定する温度変動要因テーブル」、「標準状態における現像ユニットの外部温度の温度範囲である通常動作範囲、ヒステリシス動作範囲、制限動作範囲を規定する第1標準状態温度閾値T1s、第2標準状態温度閾値T2s(T1s<T2s)」、「高温状態における現像ユニットの外部温度の温度範囲である通常動作範囲、ヒステリシス動作範囲、制限動作範囲を規定する第1高温状態温度閾値T1h、第2高温状態温度閾値T2h(T1h<T2h)」、「通常動作回数Lmax、制限動作回数Lmin(Lmin<Lmax)」、「画像形成動作における単位時間」、「画像形成動作の連続動作間隔時間」、などの各種制御条件等のパラメータが格納されている。なお、第2標準状態温度閾値T2s、第2高温状態温度閾値T2hで規定される制限動作範囲が、請求項中の制限動作用温度範囲に相当する。また、第1標準状態温度閾値T1s、第1高温状態温度閾値T1hで規定される通常動作範囲が、請求項中の通常動作用温度範囲に相当する。
本実施形態において、第1標準状態温度閾値T1sが40℃、第2標準状態温度閾値T2sが60℃、第1高温状態温度閾値T1hが50℃、第2高温状態温度閾値T2hが70℃、通常動作回数Lmaxが60、制限動作回数Lminが2、単位時間が60秒、連続動作間隔時間が1秒、に設定されているものとする。勿論、本発明の目的に反しない限り、これら以外の値が設定されていてもよい。
また、記憶部92には、温度センサ95Y、95C、95M、95Kの出力電圧に基づいて測定された各現像ユニット7Y、7C、7M、7Kの外部温度Tが測定毎に順次格納される。
図5に、記憶部92に格納される温度変動要因テーブルの一例を示す。この温度変動要因テーブルには、プリンタ200内の温度を変動させる温度変動要因として以下のものが含まれており、各温度変動要因について、標準状態及びこの標準状態よりプリンタ200内の温度が上昇する高温状態となるそれぞれの条件が定められている。
(1)オプション機器(後処理ユニット)の有無
標準状態:後処理ユニット無し
高温状態:後処理ユニット有り
(2)直前に実行された画像形成動作における色モード種別
標準状態:モノクロモード
高温状態:カラーモード
(3)直後に実行される画像形成動作における色モード種別
標準状態:モノクロモード
高温状態:カラーモード
(4)直前に実行された画像形成動作における印刷面モード種別
標準状態:片面モード
高温状態:両面モード
(5)直後に実行される画像形成動作における印刷面モード種別
標準状態:片面モード
高温状態:両面モード
(6)直前に実行された複数の画像形成動作における両面印刷率
標準状態:両面印刷率低(直前1000回の両面印刷率が50%以下)
高温状態:両面印刷率高(直前1000回の両面印刷率が50%超)
(7)直前に1の画像形成要求に対応して実行された画像形成動作の回数
標準状態:回数少(画像形成動作の回数が100回以下)
高温状態:回数多(画像形成動作の回数が100回超)
(8)直後に1の画像形成要求に対応して実行される画押形成動作の回数
標準状態:回数少(画像形成動作の回数が100回以下)
高温状態:回数多(画像形成動作の回数が100回超)
(9)直前に実行された画像形成動作で用いられた記録媒体の種別
標準状態:普通紙
高温状態:厚紙
(10)直後に実行される画像形成動作で用いられた記録媒体の種別
標準状態:普通紙
高温状態:厚紙
(11)直前に実行された画像形成動作の速度
標準状態:通常速度
高温状態:高速度
(12)直後に実行される画像形成動作の速度
標準状態:通常速度
高温状態:高速度
(13)直前に実行された画像形成動作で用いられた記録媒体の排出先
標準状態:上面トレー
高温状態:側面トレー
(14)直後に実行される画像形成動作で用いられる記録媒体の排出先
標準状態:上面トレー
高温状態:側面トレー
(15)複数の冷却ファンのうち動作中のものの個数
標準状態:個数多(3個超)
高温状態:個数少(3個以下)
(16)複数の冷却ファンの回転数
標準状態:回転数高(600rpm超)
高温状態:回転数低(600rpm以下)
本発明者らは、現像ユニット7Yの内部温度と外部温度との関係について、温度変動要因の条件を変えて実際に確認を行い、図6〜図8に示すグラフを得た。
図6は、図1のプリンタにおいて後処理ユニットが無いときと有るときについての現像ユニットの内部温度と外部温度との関係を示すグラフである。図7は、図1のプリンタにおいて画像形成動作の色モード種別がモノクロモードのときとカラーモードのときについての現像ユニットの内部温度と外部温度との関係を示すグラフである。図8は、図1のプリンタにおいて冷却ファンが全て動作しているときと一部のみ動作しているときについての現像ユニットの内部温度と外部温度との関係を示すグラフである。
これら図6〜図8に示すように、標準状態である、「後処理ユニット無し」、「モノクロモード」、「全冷却ファン稼働」のときに比べて、高温状態である、「後処理ユニット有り」、「カラーモード」、「一部の冷却ファンのみ稼働」のときの方が、全体的に現像ユニットの外部温度が高めに検出される(各図中では現像装置の内部温度が60℃のときを一例として点線で示している)。また、これら後処理ユニットの有無、色モード種別、冷却ファンの動作数以外の上記温度変動要因についても、同様に標準状態に比べて、高温状態の方が全体的に現像ユニットの外部温度が高めに検出される。
操作部93は、例えば、利用者が操作可能な各種ボタンやタッチパネル、及び表示手段としての液晶ディスプレイなどで構成され、各種制御条件を入力するための入力手段としても機能する。利用者が操作部93を操作して入力されて設定された各種制御条件等のパラメータは、制御部91を介して記憶部92に格納される。本実施形態において、記憶部92に格納されている第1標準状態温度閾値T1s、第2標準状態温度閾値T2s、第1高温状態温度閾値T1h、第2高温状態温度閾値T2h、通常動作回数Lmax、制限動作回数Lmin、単位時間、連続動作間隔時間は、操作部93への操作入力により各値間の関係を維持した範囲内で値を変更可能に構成されている。つまり、第1標準状態温度閾値T1s、第2標準状態温度閾値T2s、第1高温状態温度閾値T1h、第2高温状態温度閾値T2h、通常動作回数Lmax、制限動作回数Lmin、単位時間、連続動作間隔時間は、本発明の目的に反しない範囲で、これら値を変更可能に構成されている。
また、制御部91は、図示しない外部インタフェース部を有しており、この外部インタフェース部を介して、光書込ユニット20、トナー像形成ユニット1Y、1C、1M、1K(具体的には、感光体ユニット2Y、2C、2M、2K、及び、現像ユニット7Y、7C、7M、7K)、給紙ユニット30、転写ユニット40、及び、定着ユニット60と、CPUと、が通信可能に接続されている。制御部91(具体的にはCPU)は、各ユニットに制御命令を同期して送信する。この制御命令に基づき、各ユニットは、(i)像担持体に静電潜像を形成し、(ii)この静電潜像を現像してトナー像を形成し、(iii)このトナー像を記録紙Pに転写し、(iv)記録紙Pに転写したトナー像を当該記録紙Pに定着させる、という一連の画像形成動作を行う。つまり、制御部91は、記録紙Pに画像を形成する一連の画像形成動作を行うように各ユニットを同期して制御するものである。
次に、上述した制御部91のCPUが実行する本発明に係る処理(画像形成動作回数設定処理、画像形成動作制御処理、温度範囲設定処理)の一例を、図9〜図11に示すフローチャートを参照して説明する。
図9は、図4の制御部が備えるCPUにおける本発明に係る画像形成動作回数設定処理の一例を示すフローチャートである。図10は、図4の制御部が備えるCPUにおける本発明に係る画像形成動作制御処理の一例を示すフローチャートである。図11は、図4の制御部が備えるCPUにおける本発明に係る温度範囲設定処理の一例を示すフローチャートである。
始めに、プリンタ200に電源が投入されると、制御部91のCPUは所定の初期化処理を開始する。そして、初期化処理後に、CPUは、周期的(例えば、1分毎)に、図9のフローチャートに示す画像形成動作回数設定処理のステップS110に処理を進める。なお、画像形成動作回数設定処理の実行周期についても、操作部93への操作入力により値を変更可能に構成されている。
この画像形成動作回数設定処理では、Y、C、M、Kの各色に対応する現像ユニット7Y、7C、7M、7K内の温度に応じた画像形成動作回数Lを設定する。つまり、この画像形成動作回数設定処理は、各色に対応して実行される。以下に、Y色について実行される画像形成動作回数設定処理について一例として説明するが、他の色についても同様の処理が実行される。
ステップS110では、現像ユニット7Yの外部温度Tを測定する。具体的には、CPUは、第1入力インタフェース部を介して入力された温度センサ95Yからの電圧信号のデジタル値(即ち、出力電圧)を、記憶部92に格納された電圧−温度変換テーブルに当てはめる。そして、この変換テーブルに当てはめた出力電圧に対応する温度を取得することにより現像ユニット7Yの外部温度Tを測定する。これ以外にも、計算式などを用いて出力電圧を現像ユニット7Yの外部温度Tに変換してもよく、または、出力電圧値をそのまま現像ユニット7Yの外部温度を示す指標として用いてもよい。そして、このように測定した外部温度Tを記憶部92に格納して、ステップS130に進む。
ステップS130では、ステップS120で測定された外部温度Tが、通常動作範囲に含まれるか否かを判定する。具体的には、CPUは、外部温度TをRAMに格納された第1温度閾値T1と比較して、外部温度Tが第1温度閾値T1以下のとき、外部温度Tが通常動作範囲に含まれるものとしてステップS140に進む(S130でY)。つまり、通常動作範囲とは、第1温度閾値T1以下の温度範囲のことを示す。また、CPUは、外部温度Tが第1温度閾値T1より高いとき、ステップS150に進む(S130でN)。
ステップS140では、画像形成動作回数Lとして通常動作回数Lmaxを設定する。具体的には、CPUは、RAMに設けられた現像ユニット7Yに対応する画像形成動作回数L(以下、単に「画像形成動作回数L」という)に通常動作回数Lmaxを格納する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
ステップS150では、ステップS110で測定された外部温度Tが、ヒステリシス動作範囲に含まれるか否かを判定する。具体的には、CPUは、外部温度TをRAMに格納された第2温度閾値T2と比較して、外部温度Tが第2温度閾値T2以下のとき、外部温度Tがヒステリシス動作範囲に含まれるものとして本フローチャートの処理を終了する(S150でY)。これにより、画像形成動作回数Lが現在格納されている回数を維持する。つまり、ヒステリシス動作範囲とは、第1温度閾値T1より高くかつ第2温度閾値T2以下の温度範囲のことを示し、このヒステリシス動作範囲は、通常動作範囲の上限側に連なって設定されている。また、CPUは、外部温度Tが第2温度閾値T2より高いとき、外部温度Tが制限動作範囲に含まれるものとしてステップS160に進む(S150でN)。つまり、制限動作範囲とは、第2温度閾値T2より高い温度範囲のことを示し、この制限動作範囲は、ヒステリシス動作範囲の上限側に連なって設定されている。
ステップS160では、画像形成動作回数Lとして制限動作回数Lminを設定する。具体的には、CPUは、画像形成動作回数Lに制限動作回数Lminを格納する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
また、CPUは、上述した画像形成動作回数設定処理と並行して、図10のフローチャートに示す画像形成動作制御処理のステップT110に処理を進める。
ステップT110では、CPUは、操作部93やプリンタ200に接続された図示しないパソコンなどからの記録紙Pへの画像形成要求の入力を待ち(T110でN)、画像形成要求が入力されるとステップU100に進む(T110でY)。
ステップU100では、温度範囲設定処理を行う。この温度範囲設定処理は、図11に示すように、ステップU110〜U150のサブステップから構成されている。
ステップU110では、ステップT110で入力された画像形成要求に含まれる画像形成情報をRAMに格納する。具体的には、CPUは、RAMに格納されている直後画像形成情報を直前画像形成情報にコピーしたのち、ステップT110で入力された画像形成要求に含まれる、画像形成動作の色モード種別、印刷面モード種別、印刷枚数(即ち、画像形成動作の回数)、記録媒体の種別、画像印刷速度、記録媒体の排出先、を直後画像形成情報としてRAMに格納する。そして、ステップU120に進む。
ステップU120では、直前に実行された複数回の画像形成動作における両面印刷率を算出する。具体的には、直前に実行された1000回の画像形成動作のうち、印刷面モード種別が両面モードであったものの回数をカウントして、このカウントした回数に基づいて、両面印刷率を算出する(両面印刷率=(カウントした回数/1000回)×100[%])。そして、ステップU130に進む。
ステップU130では、「高温状態」となる温度変動要因があるか否かを判定する。具体的には、上述した(1)〜(16)の温度変動要因に対応した判定を順に行う。
(1)CPUは、第2入力インタフェース部を介して入力されたオプション機器検知スイッチからの電圧信号に基づいて後処理ユニットの有無を検知する。そして、CPUは、後処理ユニット有りが検知されたとき「高温状態」となる温度変動要因があると判定し、後処理ユニット無しなしが検知されたとき「高温状態」となる温度変動要因がない(つまり、「標準状態」となる)と判定する。
(2)、(3)また、CPUは、直前画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作の色モード種別(即ち、直前色モード種別)、及び、直後画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作の色モード種別(即ち、直後色モード種別)を読み出して、これらのうち少なくとも一方が「カラーモード」であるとき「高温状態」となる温度変動要因があると判定し、これらが共に「モノクロモード」であるとき「高温状態」となる温度変動要因がない(つまり、「標準状態」となる)と判定する。
(4)、(5)また、CPUは、直前画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作の印刷面モード種別(即ち、直前印刷面モード種別)、及び、直後画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作の印刷面モード種別(即ち、直後印刷面モード種別)を読み出して、これらのうち少なくとも一方が「両面モード」であるとき「高温状態」となる温度変動要因があると判定し、これらが共に「片面モード」であるとき「高温状態」となる温度変動要因がない(つまり、「標準状態」となる)と判定する。
(6)また、CPUは、ステップU120で算出した両面印刷率が50%超であるとき「高温状態」となる温度変動要因があると判定し、両面印刷率が50%以下であるとき「高温状態」となる温度変動要因がない(つまり、「標準状態」となる)と判定する。
(7)、(8)また、CPUは、直前画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作の印刷枚数(即ち、直前画像形成動作回数)、及び、直後画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作の印刷枚数(即ち、直後画像形成動作回数)を読み出して、これらのうち少なくとも一方が「回数多(100回超)」であるとき「高温状態」となる温度変動要因があると判定し、これらが共に「回数少(100回以下)」であるとき「高温状態」となる温度変動要因がない(つまり、「標準状態」となる)と判定する。
(9)、(10)また、CPUは、直前画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作で用いられる記録媒体の種別(即ち、直前記録媒体種別)、及び、直後画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作で用いられる記録媒体の種別(即ち、直後記録媒体種別)を読み出して、これらのうち少なくとも一方が「厚紙」であるとき「高温状態」となる温度変動要因があると判定し、これらが共に「普通紙」であるとき「高温状態」となる温度変動要因がない(つまり、「標準状態」となる)と判定する。
(11)、(12)また、CPUは、直前画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作の速度(即ち、直前画像形成動作速度)、及び、直後画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作の速度(即ち、直後画像形成動作速度)を読み出して、これらのうち少なくとも一方が「高速度」であるとき「高温状態」となる温度変動要因があると判定し、これらが共に「通常速度」であるとき「高温状態」となる温度変動要因がない(つまり、「標準状態」となる)と判定する。
(13)、(14)また、CPUは、直前画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作で用いられる記録媒体の排出先(即ち、直前記録媒体排出先)、及び、直後画像形成情報としてRAMに格納されている画像形成動作で用いられる記録媒体の排出先(即ち、直後記録媒体排出先)を読み出して、これらのうち少なくとも一方が「側面トレー」であるとき「高温状態」となる温度変動要因があると判定し、これらが共に「上面トレー」であるとき「高温状態」となる温度変動要因がない(つまり、「標準状態」となる)と判定する。
(15)また、CPUは、第3入力インタフェース部を介して入力された各冷却ファンの回転数を示すパルス信号に基づいて動作中の冷却ファンの個数(即ち、動作中冷却ファン個数)を検知する。そして、CPUは、動作中の冷却ファンの個数が「個数少(3個以下)」のとき「高温状態」となる温度変動要因があると判定し、動作中の冷却ファンの個数が「個数多(3個超)」のとき「高温状態」となる温度変動要因がない(つまり、「標準状態」となる)と判定する。
(16)また、CPUは、第3入力インタフェース部を介して入力された各冷却ファンの回転数を示すパルス信号に基づいて動作中の冷却ファンの回転数(即ち、冷却ファン回転数)を検知する。本実施形態では、冷却ファンの回転数として、複数個の冷却ファンの回転数の平均値を用いている。そして、CPUは、冷却ファンの回転数が「回転数低(600rpm以下)」のとき「高温状態」となる温度変動要因があると判定し、冷却ファンの回転数が「回転数高(600rpm超)」のとき「高温状態」となる温度変動要因がない(つまり、「標準状態」となる)と判定する。
そして、上記(1)〜(16)の判定において、1つでも「高温状態」となる温度変動要因があると判定されたとき、ステップU140に進み(U130でY)、全てについて「高温状態」となる温度変動要因がないと判定されたとき、ステップU150に進む(U130でN)。
ステップU140では、CPUは、第1温度閾値T1、第2温度閾値T2として、それぞれ第1高温状態温度閾値T1h、第2高温状態温度閾値T2hを設定する。そして、温度範囲設定処理を終了して、ステップT120に進む。
ステップU150では、CPUは、第1温度閾値T1、第2温度閾値T2として、それぞれ第1標準状態温度閾値T1s、第2標準状態温度閾値T2sを設定する。そして、温度範囲設定処理を終了して、ステップT120に進む。
ステップT120では、各色に対応して設定された複数の画像形成動作回数Lのうち最小の画像形成動作回数Lmを取得する。具体的には、CPUは、RAMに格納されている各色に対応した画像形成動作回数Lを読み出して、その中から最も小さい回数を選択して最小画像形成動作回数Lmとして取得する。そして、ステップT130に進む。
ステップT130では、CPUは、タイマをリセットしたのち、当該タイマをスタートさせて単位時間の計測を開始する。そして、ステップT140に進む。
ステップT140では、CPUは、各ユニットに対して制御命令を同期して送信して一連の画像形成動作を実行させる。このとき、ステップT110において入力された画像形成要求に係る画像形成要求枚数が複数枚だった場合は、一定の間隔(即ち、画像形成動作の連続動作間隔時間(例えば、1秒))で連続して画像形成動作を実行させる。そして、画像形成動作の連続回数が最小画像形成動作回数Lmに達したとき、又は、上記画像形成要求に応じて実行された画像形成動作の総回数が上記画像形成要求に係る画像形成要求枚数に達したとき(即ち、画像形成残数が0になったとき)、画像形成動作を休止して、ステップT150に進む。
ステップT150では、CPUは、画像形成動作の総回数が画像形成要求に係る画像形成要求枚数に達したか否かを判定して、上記総回数が画像形成要求枚数に達していなかったとき、画像形成動作を継続するものとしてステップT160に進み(T150でY)、上記総回数が画像形成要求枚数に達していたとき、上記画像形成要求に対する画像形成動作が終了したものとしてステップT110に戻る。
ステップT160では、CPUは、タイマを確認して単位時間が経過するまで待つ。この間、画像形成動作は休止されたままとなる。そして、単位時間が経過するとステップT120に戻る。
上述したステップS110及び温度センサ95Y、95C、95M、95Kが、請求項中の温度測定手段の一例に相当し、ステップS130、S150が、請求項中の温度判定手段の一例に相当し、ステップS140、S160が画像形成動作回数設定手段の一例に相当し、ステップT140が、請求項中のユニット制御手段の一例に相当し、ステップU130が、請求項中の温度変動要因検出手段の一例に相当し、ステップU140、U150が、請求項中の温度範囲設定手段の一例に相当する。
次に、上述したプリンタ200における本発明に係る動作の一例について、図12、図13を参照して説明する。
図12は、図1のプリンタの動作を説明するための説明図であって、経過時間に対する現像ユニットの外部温度の温度変化の一例を示す図である。図13は、図1のプリンタにおける単位時間当たりの画像形成動作(一定周期での断続動作)の一例を模式的に示す図であって、(a)は、画像形成動作回数として通常動作回数が設定されているときの動作を示す図であり、(b)は、画像形成動作回数として制限動作回数が設定されているときの動作を示す図である。図13(a)、(b)において、図中の丸が1つの画像形成動作単位を模式的に示している。図13(b)は、単位時間内に断続的に実行される画像形成動作の一例を示す。
説明の便宜上、以下の説明では、現像ユニット7Yの外部温度が、他の現像ユニット7C、7M、7Kの外部温度より常に高く、即ち、現像ユニット7Yに対応する画像形成動作回数Lが常に最も小さいものと仮定して、Yに対応する画像形成動作回数Lがプリンタ200における単位時間当たりの画像形成動作回数として常に用いられている場合について説明するものである。また、現像ユニットの外部温度の温度範囲を規定する第1温度閾値T1、第2温度閾値T2には、初期値として、第1標準状態温度閾値T1s(40℃)、第2標準状態温度閾値T2s(60℃)が設定されているものとする。
図12の期間A(経過時間0分〜100分)では、現像ユニット7Yの外部温度Tが第1温度閾値T1(T1s=40℃)以下、即ち、外部温度Tが通常動作範囲内にある。そのため、画像形成動作回数Lとして、通常動作回数Lmax(60)が設定される。そして、このとき複数枚の画像形成要求があると、図13(a)に示すように、単位時間である60秒内に1秒間隔で連続して60回の画像形成動作が行われ、即ち、休止することなく連続して画像形成動作が実行される。
図12の経過時間100分の時点において、例えば、直前に実行された画像形成動作の色モード種別が「カラーモード」であったときなど、「高温状態」となる温度変動要因があると判定されると、第1温度閾値T1、第2温度閾値T2として、それぞれ第1高温状態温度閾値T1h(50℃)、第2高温状態温度閾値T2h(70℃)が設定される。
図12の期間B(経過時間100分〜140分)では、現像ユニット7Yの外部温度Tが第1温度閾値T1(T1h=50℃)以下、即ち、外部温度Tが通常動作範囲内にある。そのため、画像形成動作回数Lとして、通常動作回数Lmax(60)が設定される。そして、このとき複数枚の画像形成要求があると、図13(a)に示すように、単位時間である60秒内に1秒間隔で連続して60回の画像形成動作が行われ、即ち、休止することなく連続して画像形成動作が実行される。
図12の期間C(経過時間140分〜170分)では、現像ユニット7Yの外部温度Tが第1温度閾値T1(T1h=50℃)より高くかつ第2温度閾値T2(T2h=70℃)以下、即ち、外部温度Tがヒステリシス動作範囲内にある。そのため、現在の画像形成動作回数L(即ち、60)がそのまま維持される。そして、このとき複数枚の画像形成要求があると、図13(a)に示すように、単位時間である60秒内に1秒間隔で連続して60回の画像形成動作が行われ、即ち、休止することなく連続して画像形成動作が実行される
図12の期間D(経過時間170分〜190分)では、現像ユニット7Yの外部温度Tが第2温度閾値T2(T2h=70℃)より高く、即ち、外部温度Tが制限動作範囲内にある。そのため、画像形成動作回数Lとして、制限動作回数Lmin(2)が設定される。そして、このとき複数枚の画像形成要求があると、図13(b)に示すように、単位時間である60秒内に2回の画像形成動作が行われたのち動作を休止する。即ち、単位時間内において連続した画像形成動作のあとに長い休止期間(58秒)が設けられ、当該単位時間が経過した後、次の単位時間内の画像形成動作が実行される。
図12の期間E(経過時間190分〜220分)では、現像ユニット7Yの外部温度Tが第1温度閾値T1(T1h=50℃)より高くかつ第2温度閾値T2(T2h=70℃)以下、即ち、外部温度Tがヒステリシス動作範囲内にある。そのため、現在の画像形成動作回数L(即ち、2)がそのまま維持される。そして、このとき複数枚の画像形成要求があると、図13(b)に示すように、単位時間である60秒内に2回の画像形成動作が行われたのち動作を休止する。即ち、単位時間内において連続した画像形成動作のあとに長い休止期間(58秒)が設けられ、当該単位時間が経過した後、次の単位時間内の画像形成動作が実行される。
図12の期間F(経過時間220分〜250分)では、上述した期間Aのときと同様にして画像形成動作が実行される。
図12の経過時間250分の時点において、例えば、直前に実行された画像形成動作の色モード種別が「モノクロモード」であったときなど、「高温状態」となる温度変動要因がないと判定されると、第1温度閾値T1、第2温度閾値T2として、それぞれ第1標準状態温度閾値T1s(40℃)、第2標準状態温度閾値T2s(60℃)が設定される。
図12の期間G(経過時間250分〜300分)では、上述した期間Aのときと同様にして画像形成動作が実行される。
このようにして、プリンタ200は、現像ユニット7Yの外部温度Tが所定の通常動作範囲(T≦T1)に含まれるとき、画像形成動作回数Lに通常動作回数Lmaxを設定する。または、現像ユニット7Yの外部温度Tが所定の制限動作範囲(T2<T)に含まれるとき、画像形成動作回数Lに制限動作回数Lminを設定する。または、現像ユニット7Yの外部温度Tが所定のヒステリシス動作範囲(T1<L≦T2)に含まれるとき、現在の画像形成動作回数Lをそのまま維持する。そして、プリンタ200は、複数枚の画像形成要求が有ったときに、単位時間当たりの画像形成動作回数が上記設定された画像形成動作回数Lとなるように、各ユニットを制御する。
また、プリンタ200は、画像形成動作回数Lにかかわらず一定の周期で画像形成動作を行い、かつ、当該画像形成動作を、単位時間内において、図13(a)に示すように連続的に、又は、図13(b)に示すように断続的に行う。
また、プリンタ200は、プリンタ200内の温度を上昇させる温度上昇要因を検出し、この検出した温度上昇要因に応じて第1温度閾値T1、第2温度閾値T2を設定する。
図14に、本実施形態のプリンタ200の概念的機能ブロック図を示す。本実施形態において、温度センサ95Y、95C、95M、95K及び制御部91が、図14の温度測定手段91bとして機能する。また、制御部91が、図14のユニット制御手段91a、温度判定手段91c、画像形成動作回数設定手段91d、温度変動要因検出手段91e及び温度範囲設定手段91fとして機能する。
本実施形態のプリンタ200は、それぞれ感光体を有する感光体ユニット2Y、2C、2M、2Kと、各感光体に担持された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像ユニット7Y、7C、7M、7Kと、各現像ユニットによって形成されたトナー像を記録紙Pに転写する転写ユニット40と、転写ユニット40によって記録紙Pに転写されたトナー像を当該記録紙Pに定着させる定着ユニット60と、各感光体ユニット、各現像ユニット、転写ユニット40及び定着ユニット60がそれぞれ同期して動作することにより記録紙Pに画像を形成する一連の画像形成動作を行うように各ユニットを制御するユニット制御手段91aと、を備えている。また、プリンタ200は、各現像ユニットの外部温度Tを測定する温度測定手段91bと、温度測定手段91bによって測定された外部温度Tが通常動作範囲又は通常動作範囲の上限値より大きい値からなる制限動作範囲に含まれているかを判定する温度判定手段91cと、温度判定手段91cによって外部温度Tが通常動作範囲に含まれていると判定されたとき、ユニット制御手段91aによる制御に用いられる単位時間当たりの画像形成動作回数Lとして所定の通常動作回数Lmaxを設定し、外部温度Tが制限動作範囲に含まれていると判定されたとき、画像形成動作回数Lとして通常動作回数Lmaxより小さい所定の制限動作回数Lminを設定する画像形成動作回数設定手段91dと、外部温度Tを変動させる温度変動要因を検出する温度変動要因検出手段91eと、制限動作範囲として、温度変動要因検出手段91eによって検出された温度変動要因に対応して予め定められた制限動作用温度範囲(即ち、第2標準状態温度閾値T2s、第2高温状態温度閾値T2h)を設定する温度範囲設定手段91fと、を備えている。
このプリンタ200によれば、現像ユニット7Y、7C、7M、7Kの外部温度Tを測定して、この外部温度Tが通常動作範囲又はこの通常動作範囲の上限値より大きい値からなる制限動作範囲に含まれているかを判定する。そして、外部温度Tが通常動作範囲に含まれていると判定されたとき、所定の通常動作回数Lmaxを画像形成動作回数Lとして設定し、外部温度Tが制限動作範囲に含まれていると判定されたとき、通常動作回数Lmaxより小さい所定の制限動作回数Lminを画像形成動作回数Lとして設定する。また、現像ユニット7Y、7C、7M、7Kの外部温度Tを変動させる温度変動要因を検出して、この温度変動要因に対応して予め定められた制限動作用温度範囲を上記制限動作範囲として設定する。そして、単位時間当たりに画像形成動作回数Lの画像形成動作を実行するように各感光体ユニット2Y、2C、2M、2K、各現像ユニット7Y、7C、7M、7K、転写ユニット40及び定着ユニット60を制御する。
即ち、現像ユニット7Y、7C、7M、7Kの外部温度Tを変動させる温度変動要因に応じて、画像形成動作の制限される制限動作範囲(即ち、第2温度閾値T2)を設定することができる。そのため、例えば、温度変動要因によってプリンタ200内の温度が上昇する場合には、画像形成動作の制限を行う制限動作範囲として、当該温度変動要因による温度上昇を見込んだ、標準状態時(即ち、第2標準状態温度閾値T2s)より比較的高い温度範囲(即ち、第2高温状態温度閾値T2h)を設定することができる。これにより、温度変動要因によって現像ユニット7Y、7C、7M、7Kの外部温度Tが上昇することにより、当該現像ユニットの外部温度Tと内部温度との差が大きく開いてしまった場合でも、温度変動要因に対応して、画像形成動作を制限する適切な温度範囲を制限動作範囲として設定することができる。そのため、プリンタ200内の温度を変動させる温度変動要因が生産性に及ぼす影響を抑えることができ、生産性の低下を抑制することができる。
また、温度変動要因による外部温度Tの上昇が小さい標準状態では、制限動作範囲の下限値である第2温度閾値T2に第2標準状態温度閾値T2sが設定され、温度変動要因による外部温度Tの上昇が大きい高温状態では、第2温度閾値T2に第2高温状態温度閾値T2h(T2s<T2h)が設定される。つまり、制限動作範囲の下限値である第2温度閾値T2に設定される値が、温度変動要因による外部温度Tの上昇変動量が大きくなるにしたがって、段階的に高くなるように定められている。
そのため、簡易な処理で温度変動要因に対応して画像形成動作を適切に制限する温度範囲を制限動作範囲として設定することができる。
また、温度範囲設定手段91fが、制限動作範囲の設定とともに、通常動作範囲として、温度変動要因検出手段91eによって検出された温度変動要因に対応して予め定められた通常動作用温度範囲(即ち、第1標準状態温度閾値T1s、第1高温状態温度閾値T1h)を設定するように構成されている。
そのため、温度変動要因に対応して、画像形成動作の制限を解除する適切な温度範囲を通常動作範囲として設定することができる。これにより、プリンタ200内の温度を変動させる温度変動要因が生産性に及ぼす影響をより抑えることができ、生産性の低下をより抑制することができる。
また、温度変動要因による外部温度Tの上昇が小さい標準状態では、通常動作範囲の上限値である第1温度閾値T1に第1標準状態温度閾値T1sが設定され、温度変動要因による外部温度Tの上昇が大きい高温状態では、第1温度閾値T1に第1高温状態温度閾値T1h(T1s<T1h)が設定される。つまり、通常動作範囲の上限値である第1温度閾値T1に設定される値が、温度変動要因による外部温度Tの上昇変動量が大きくなるにしたがって、段階的に高くなるように定められている。
そのため、簡易な処理で温度変動要因に対応して画像形成動作の制限を適切に解除する温度範囲を制限動作範囲として設定することができる。
上述した実施形態では、複数の温度変動要因に応じて制限動作範囲及び通常動作範囲を設定するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、温度変動要因に応じて制限動作範囲のみ設定するものであってもよい。
また、複数の温度変動要因を組み合わせた構成に限らず、1の温度変動要因のみ検出して、当該1の温度変動要因に応じて制限動作範囲を設定する構成であってもよい。例えば、温度変動要因として上述した両面印刷率に応じて制限動作範囲(即ち、第2温度閾値T2)を設定する構成とする。具体例を挙げると、両面印刷率をa[%]、両面印刷率が0%のときに第2温度閾値T2に設定される値をts[℃]、両面印刷率が100%のときに第2温度閾値T2に設定される値をth[℃]、としたとき、第2温度閾値T2[℃]を以下の式を用いて算出する。
T2 = ((100−a)/100)×ts+(a/100)×th
このように両面印刷率(即ち、温度変動要因)に応じて連続的に変化する値を第2温度閾値T2(即ち、制限動作範囲)として設定するようにしてもよい。また、これと同様にして、両面印刷率(即ち、温度変動要因)に応じて連続的に変化する値を第1温度閾値T1(即ち、通常動作範囲)として設定するようにしてもよい。換言すると、制限動作用温度範囲(即ち、上記式で算出される値)が、温度変動要因による外部温度Tの上昇変動量が大きくなるにしたがって、その下限値が連続的に高くなるように定められていてもよい。これと同様に、通常動作用温度範囲が、温度変動要因による外部温度Tの上昇変動量が大きくなるにしたがって、その上限値が連続的に高くなるように定められていてもよい。
また、上述した実施形態では温度変動要因に応じて2つの状態(即ち、標準状態及び高温状態)を判定するものであったが、3つ以上の複数の状態を判定して、各状態に対応した制限動作範囲、通常動作範囲を設定するようにしてもよい。例えば、記録媒体の種別について、紙種A、紙種B、紙種C(但し紙厚が、紙種A>紙種B>紙種Cである)を設けて、これら種別に対して、高温状態(紙種A)、中温状態(紙種B)、低温状態(紙種C)を割り当てるとともに、各状態に対応した制限動作範囲、通常動作範囲を設定するものとしてもよい。
また、上述した各実施形態では、画像形成動作回数Lにかかわらず一定の周期(即ち、画像形成動作の連続動作間隔時間(例えば、1秒))で画像形成動作を行い、かつ、該画像形成動作を単位時間内において断続的に行うように各ユニットを制御する構成とされていたが、これに限定されるものではない。例えば、図10のフローチャートにおいて、ステップT160を省略するとともに、ステップT140で、単位時間を最小画像形成動作回数Lmで除して得た時間を一周期として、当該単位時間内において連続的に最小画像形成動作回数Lmの画像形成動作を行うように各ユニットを制御する構成とされていてもよい。このようにすることで、単位時間内に均等間隔で画像形成動作を行うようにすることができる。
図15に、このような単位時間内に連続的に実行される画像形成動作の一例を示す。図15は、図1のプリンタにおける単位時間当たりの画像形成動作(周期調整動作)の一例を模式的に示す図であって、(a)は、画像形成動作回数として通常動作回数が設定されているときの動作を示す図であり、(b)は画像形成動作回数として制限動作回数が設定されているときの動作を示す図である。図15(a)、(b)において、図中の丸が1つの画像形成動作単位を模式的に示している。
または、これ以外にも、画像形成動作回数Lに応じて、一定回数の連続画像形成動作を実行した後の休止期間を増減させるような構成としてもよい。具体的には、例えば、上記一定回数が10回、単位時間が10秒に設定されていた場合に、画像形成動作回数Lに10が設定されると、10秒間に1秒間隔で連続して10回の画像形成動作が実行され、休止期間を設けることなく次の画像形成動作が実行される。また、画像形成動作回数Lに5が設定されると、10秒間に1秒間隔で連続して10回の画像形成動作が実行され、その後10秒間の休止期間が設けられたのち、次の画像形成動作が実行される。つまり、20秒間で10回の画像形成動作を実行するので、平均すると単位時間当たりの画像形成動作回数は5回となる。また、画像形成動作回数Lに2が設定されると、10秒間に1秒間隔で連続して10回の画像形成動作が実行され、その後40秒間の休止期間が設けられたのち、次の画像形成動作が実行される。つまり、50秒間で10回の画像形成動作を実行するので、平均すると単位時間当たりの画像形成動作回数は2回となる。
また、各実施形態では、外部温度Tの温度範囲として通常温度範囲と制限動作範囲に加えてヒステリシス範囲を設けたものであったが、これに限定されるものではない。例えば、このようなヒステリシス範囲を設けずに、通常動作範囲の上限側に連なって制限動作範囲が設定されている構成であってもよい。ただ、このような構成では、外部温度Tが通常動作範囲と制限動作範囲との境界付近にあると画像形成動作回数Lが頻繁に更新されてしまうことがある。これに対して、本実施形態のように、ヒステリシス動作範囲を設けることで、画像形成動作回数Lの頻繁な更新を抑制することができ、連続した画像形成動作を円滑に実行することができる。
また、本実施形態では、フルカラー画像に対応したタンデム型画像形成装置であるプリンタ200に本発明を適用した構成について説明するものであったが、これに限定するものではなく、ロータリー型画像形成装置あるいは単色の画像形成装置に本発明を適用してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。