JP2000193375A - 基板熱処理装置 - Google Patents

基板熱処理装置

Info

Publication number
JP2000193375A
JP2000193375A JP10364848A JP36484898A JP2000193375A JP 2000193375 A JP2000193375 A JP 2000193375A JP 10364848 A JP10364848 A JP 10364848A JP 36484898 A JP36484898 A JP 36484898A JP 2000193375 A JP2000193375 A JP 2000193375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zone
command value
heating
substrate
lamps
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10364848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3987222B2 (ja
Inventor
Hideo Nishihara
英夫 西原
Mitsuhiro Masuda
充弘 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority to JP36484898A priority Critical patent/JP3987222B2/ja
Publication of JP2000193375A publication Critical patent/JP2000193375A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3987222B2 publication Critical patent/JP3987222B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tunnel Furnaces (AREA)
  • Furnace Details (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の温度分布をより精細にかつリアルタイ
ムで調節することにより、基板上に生成される膜厚分布
を均一にすることができる基板熱処理装置を提供する。 【解決手段】 基板熱処理装置1は、複数のゾーンZ
a、Zb、...に区分されて配設された複数のランプa
1〜c3を有する。また各ゾーンに対応する基板上の所
定の代表測定点の温度を測定するために温度計42a、
42b、...が配置される。温度計42aによる基板温
度の測定結果Taと、温度計42bによる基板温度の測
定結果Tbとの偏差Eに基づいて、基板の温度分布を均
一にするような加熱指令値を求める。この際、温度計4
2aと各ランプとの相対的位置関係を反映する係数k1
〜k3に基づいて、温度分布傾向を反映させた値を各ラ
ンプの加熱指令値として算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ、液
晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、
光ディスク用基板等の基板(以下「基板」という)に対
して熱処理を施す基板熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】枚葉式の基板熱処理装置として、複数の
ランプからの光照射によって基板を加熱処理する装置
(ランプアニール装置)が知られている。これら複数の
ランプは複数のゾーンに区分されており、ゾーンごとに
各ランプに対する加熱指令値を与えるようになってい
る。また、このような装置は基板上に膜を形成するため
に多く使用されるが、その際には膜厚の均一性を確保す
ることが重要である。従来装置においては、基板に熱処
理を施して得られた膜の厚さを膜厚測定器で測定し、そ
の膜厚測定結果に応じてランプへの加熱指令値を調節し
て以後の基板の熱処理を改善するという手順が採用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来装置は、後追い的に加熱指令値を是正するものであ
るため、基板の温度分布をリアルタイムで調整すること
ができない。このため、加熱指令値を最終的に決定する
までに多くの作業を必要とするだけでなく、熱処理の内
容が変更になるごとに上記の手順を繰り返して加熱指令
値を再設定しなければならないという問題も生じさせ
る。
【0004】また、このような従来装置では各ゾーンの
加熱指令値を互いに独立に定めており、そのためにゾー
ン間の相互干渉が考慮されておらず、基板の温度分布を
より精細に調節することが困難であるという問題が存在
する。
【0005】そして、このような問題は膜形成処理だけ
でなく、基板の加熱処理一般において生じる問題であ
る。
【0006】そこで、本発明は前記問題点に鑑み、基板
の温度分布をより精細にかつリアルタイムで調節するこ
とにより、基板における加熱処理の均一性を十分に確保
することができる基板熱処理装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の基板処理装置は、基板の熱処理を
行う装置であって、複数のゾーンに区分されて配設され
た複数のランプによって基板を加熱する加熱手段と、前
記複数のゾーンのそれぞれに対応する基板上の複数の代
表測定点における温度を測定する複数の温度測定手段
と、前記複数のランプのうちの少なくとも一部のランプ
についての加熱指令値を、当該ランプが属するゾーンに
対応する代表測定点を含む2以上の代表測定点での温度
測定結果を考慮した所定の加熱制御規則に基づいて生成
する加熱指令値生成手段と、を備えることを特徴とす
る。
【0008】請求項2に記載の装置は、請求項1の装置
において、前記加熱制御規則は、前記少なくとも一部の
ランプにつき、当該ランプと前記2以上の代表測定点と
の相対的位置関係を反映したものであることを特徴とす
る。
【0009】請求項3に記載の装置は、請求項2の装置
において、前記複数のゾーンは、主ゾーンと従ゾーンと
を有し、前記複数の温度測定手段は、前記主ゾーンに対
応する基板上の代表測定点における温度を測定する主測
定手段と、前記従ゾーンに対応する基板上の代表測定点
における温度を測定する従測定手段とを有し、前記加熱
制御規則は、主制御規則と従制御規則とを有し、前記主
制御規則は、前記主測定手段の測定結果に基づいて前記
主ゾーンの基準出力指令値を算出する規則であり、前記
従制御規則は、前記主測定手段による測定結果と前記従
測定手段による測定結果との偏差を求め、当該偏差に対
して前記主ゾーンに対応する代表測定点と前記従ゾーン
に属する各ランプとの相対的位置関係を考慮した係数を
乗じた値を修正値として求め、前記主ゾーンの基準出力
指令値と前記修正値とを合成することによって、前記従
ゾーンに含まれる各ランプの前記加熱指令値を決定する
ことを含んだ規則であることを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の装置は、請求項3の装置
において、前記加熱指令値生成手段は、前記主ゾーンに
属する各ランプと前記従ゾーンに属する各ランプとにつ
いて前記加熱制御規則によって算出されたそれぞれの加
熱指令値の総和と、前記主ゾーンに属する各ランプへの
加熱指令値に前記複数のランプのランプ総数を乗じた積
に相当する値との比に応じて、前記主ゾーンに属する各
ランプと前記従ゾーンに属する各ランプとについてそれ
ぞれ算出された加熱指令値を修正する手段、を有するこ
とを特徴とする。
【0011】請求項5に記載の装置は、請求項2の装置
において、前記加熱指令値生成手段は、各ゾーン毎の固
有の制御規則によって算出される出力指令値を各ゾーン
内の各ランプの基準出力指令値として算出する手段と、
互いに隣接する第1と第2のゾーンのそれぞれの基準出
力指令値の偏差に対して、前記第2のゾーンに対応する
代表測定点と前記第1のゾーン内の各ランプとの相対的
位置関係を考慮した各係数を乗じた値を修正値として求
め、前記第1のゾーンの基準出力指令値と前記修正値と
を合成することによって、前記第1のゾーンに含まれる
各ランプの加熱指令値を決定する手段と、を有すること
を特徴とする。
【0012】請求項6に記載の装置は、請求項2の装置
において、前記複数のランプには、重複してM個のゾー
ン(Mは2以上の整数)に属するように区分された特定
ランプが含まれており、前記加熱指令値生成手段は、前
記M個のゾーンのそれぞれの制御規則によって、前記複
M個のゾーンにおける各ランプの基準出力指令値を算出
する手段と、前記M個のゾーンのそれぞれに対応する代
表測定点と前記特定ランプとの相対的位置関係に応じて
決定される重み付け係数を用いて、前記M個のゾーンの
それぞれにおける前記基準出力指令値を加重合成し、そ
れによって前記特定ランプの加熱指令値を決定する手段
と、を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0014】<A.第1実施形態> <A1.装置>図1は、本実施形態に係る基板熱処理装
置1の概要構成を示す縦断面図である。この基板熱処理
装置1は、半導体ウエハなどの基板Wに対するランプア
ニール装置であり、基板の温度を高速に昇降させるRT
P(Rapid Thermal Processing)に用いられ得る。基板
熱処理装置1は、基板Wを収容するチャンバ10と、基
板Wを支持する基板支持部20と、基板Wを加熱する基
板加熱部30と、基板Wの温度を測定する温度測定部4
0と、基板加熱部30に対する加熱指令値を生成して出
力する加熱指令値生成部50とを備えている。
【0015】チャンバ10には、水路12および水路1
4が設けられている。水路12、14に冷却水を流すこ
とによって、基板加熱部30の加熱によるチャンバ10
の温度上昇を抑制している。
【0016】基板支持部20は、基板Wを支持する支持
リング22と、支持リング22を支える支持柱24とを
有する。支持柱24は、その下部にモータ、ギア機構、
マグネットなどを有する回転駆動機構26を有してお
り、軸AX1を中心に回転することができる。基板支持
部20によって支持される基板Wは、以下に説明する熱
処理中において、軸AX1を中心に回転する。また、基
板Wの大きさに応じた支持リング22を設けることによ
って、複数の大きさの基板を支持することができる。
【0017】基板加熱部30は、光を出射する複数のラ
ンプ32を備えており、この実施形態ではこれら複数の
ランプ32のそれぞれは直線型のランプである。複数の
ランプ32は、複数のゾーンに区分されて基板に対向す
る位置にほぼ等間隔に配置されており、それらからの光
の照射によって基板Wが加熱される。図1においては、
21個のランプ32が配置されており、7つのゾーンZ
1〜Z7にそれぞれ3つのランプが属する場合が示され
ている。なお、各ゾーンの数および各ゾーンに属するラ
ンプの数は任意に設定することが可能である。
【0018】また、温度測定部40は複数の温度計42
を備えており、これらの複数の温度計42は基板の下方
において固定されて、基板Wの所定位置(後述する代表
測定点)における温度を測定する。これらの複数の温度
計42としては、放射温度計などが用いられ得る。これ
らの複数の温度計42は、後述する図2などにおいては
4個の温度計421〜424として表現されている。
【0019】図2(a)、(b)は、基板熱処理装置1におい
て基板支持部20に支持される基板Wの下方部分の状態
を2つの例について表す図である。図2(a)の例では、
複数の温度計421〜424のそれぞれは、互いに異な
る半径を有する同心円上の位置における基板温度を測定
できるように直線状に配置されている。また、図2(b)
の例では、複数の温度計421〜424のそれぞれは、
互いに異なる半径を有する同心円上の位置における基板
温度を測定できるように2次元的に分散して配置されて
いる。これら2つの例はいずれも採用可能である。
【0020】図3は、各ゾーンZ1〜Z7とそれらに対
応する温度計421〜424の温度測定位置とを模式的
に示す図である。この図3においては、各ゾーンZ1〜
Z7に含まれている3つのランプ32をそれぞれ丸で表
現している。この実施形態における複数の温度計421
〜424は図2(b)に示すような位置に配置されている
が、図3の模式図においては、対応する温度計が各ゾー
ンの下方において直線的に配置されるように、すなわち
図2(a)に対応するように図示されている。これは、基
板Wの回転によって、基板Wの温度分布は回転軸AX1
を中心に回転対称(点対称)になると考えられることに
基づく。すなわち、基板Wの温度は回転中心からの距離
(つまり半径)のみによって一義的に決定されるものと
仮定して、回転方向の角度を無視してその固有の半径に
対応する位置に直線上に配置されるように表現したもの
である。
【0021】温度計421〜424によるそれぞれの温
度測定位置はこの発明における「代表測定点」に相当す
る。すなわち、厳密にはそれぞれのゾーンの中でもある
程度の温度分布があるが、それは実質的に無視できるも
のとして各ゾーンの中の所定位置の温度をそのゾーンの
代表温度として測定するため、これらの温度計421〜
424によって温度測定される各ゾーンZ1〜Z7内の
所定箇所を「代表測定点」と呼ぶ。
【0022】中央のゾーンZ1の下方には、温度計42
1が配置されている。温度計421は、ゾーンZ1のラ
ンプ32が最も影響を及ぼす位置の基板温度を測定する
ことができる。同様に、温度計422は、ゾーンZ2の
ランプ32により特に大きく影響を受ける位置の基板温
度を測定する。温度計423および424についても同
様である。
【0023】また、中央のゾーンZ1に関してゾーンZ
2〜Z4と対称的な位置にあるゾーンZ5〜Z7の各ラ
ンプ32の加熱指令値の決定にあたっては、上記の温度
分布の回転対称性に基づいて、温度計422〜424の
温度測定結果を用いることができる。
【0024】なお、上記の温度測定部40における基板
Wの温度測定を経時的に行うことにより、単位時間あた
りの温度変化、すなわち、温度変化率をも算出すること
が可能である。
【0025】図4は、ランプの配列の他の例を表す図で
ある。この図4の例では直線型のランプの平行配列を、
上下に互いに直交するように配置している。なお、図1
は、図4における上下の配列の一方のみが存在する場合
に相当する。上述したように、基板Wは基板支持部20
(図1)の回転に伴って回転するため、基板Wの温度分
布は回転軸AX1を中心としてほぼ点対称な分布にな
る。したがって、これらのゾーンに含まれるランプ32
の加熱指令値の決定にあたっても、この回転対称性を利
用して、対応する位置に設けられている別の温度計の温
度測定結果を用いることができる。以下では図1〜図3
のように1方向にランプ32を配列した状況での加熱制
御について説明するが、この図4のように2方向に配列
した場合への拡張については変形例として後に説明す
る。
【0026】後述する図5の加熱指令値生成部50は、
温度測定部40による温度測定結果に基づいて基板加熱
部30(図1)の複数のランプ32に対する加熱指令値
を生成して、それらの加熱指令値を複数のランプ32に
それぞれ出力する。これによって、基板温度や基板温度
変化率などの被制御量を目標値に追従させるように最適
な制御を行う。また、加熱指令値生成部50は、基板温
度の面内分布を均一にするため、各ランプに固有の加熱
指令値をリアルタイムに変更して制御する。
【0027】以下では、上記の基板熱処理装置1におい
て行われる制御について説明する。
【0028】<A2.制御概要>図5はこの装置1の制
御部100の概略構成を示すブロック図である。制御部
100は、既述した温度測定部40と加熱指令値生成部
50と温度特性記憶部60と目標値生成部70とを有し
ている。
【0029】目標値生成部70は、基板温度および基板
温度変化率の各時刻における目標値を表す曲線、つま
り、目標温度曲線(図6)および目標温度変化率曲線
(図7)を実際の制御を行う前に生成する。ただし図6
では、横軸が時間tを表し、縦軸が目標温度Tを表して
おり、目標温度の経時変化を表すグラフとなっている。
また、図7は、図6の目標温度を達成するための目標温
度変化率Vの経時変化を表している。
【0030】そして、加熱指令値生成部50は、これら
の被制御量を目標値に追従させるように、基板加熱部3
0の各ランプ32に対する加熱指令値を生成して、それ
らの加熱指令値を各ランプ32に出力する。この際、加
熱指令値生成部50は、温度測定部40においてリアル
タイムに測定される基板温度などの被制御量の実測値、
および温度特性記憶部60において記憶されている特性
モデル(すなわち、ランプ32のそれぞれへの加熱用の
電力供給量の大きさが基板温度や基板温度変化率に及ぼ
す影響をモデル化した曲線)を考慮して、加熱指令値を
求める。
【0031】また、加熱指令値生成部50は、基板温度
の面内分布を均一にするため、各ランプ32に固有の加
熱指令値をリアルタイムに変更して制御する。そのた
め、各ゾーンにZ1〜Z7に属する各ランプ32の加熱
指令値は、まずゾーン毎に基準出力指令値が決定された
後、その基準出力指令値に修正が加えられて決定され
る。
【0032】本実施形態においては、基板の温度分布を
調整する基本的な概念として、マスタースレーブ方式を
採用する。マスタースレーブ方式の制御則は、マスター
(主)制御則とスレーブ(従)制御則とを有する。
【0033】図8は、本方式(マスタースレーブ方式)
による温度分布制御系の模式的な機能ブロック図を表
す。図8は、説明のため図を簡単化している。図8にお
いてはゾーンは3つのみしか示されていないが、図1に
おけるゾーンの一部が示されていると考えることができ
る。たとえば、互いに隣接ないしは連続するゾーンZ
a、Zb、Zcは、それぞれ図1のゾーンZ1、Z2、
Z5に対応し、温度計42a、42bは、それぞれ温度
計421、422に対応する。あるいは、ゾーンZb、
Zcは、それぞれ、Z3、Z6と対応するものと考える
こともできる。
【0034】このマスタースレーブ方式の制御則によれ
ば、次のようにして各ランプに対する加熱指令値を求め
ることができる。ここでは3つのゾーンZa、Zb、Z
cの関係について例示するが、他のゾーンについても同
様である。
【0035】(a)まず、「マスターゾーン」に対応する
代表測定点Paにおける温度が温度計42aによって測
定され、その温度測定結果に基づいて、「マスターゾー
ン」に含まれる各ランプの基準出力指令値が加熱指令値
生成部50によってマスター制御則を用いて決定され
る。すなわち、温度計42aによる代表測定点Paでの
温度測定結果を利用するフィードバック制御系の補償器
C(後述の図8)によって、ゾーンZaに属する各ラン
プa1〜a3の基準出力指令値YCを求める。このゾー
ンZaのように、そのゾーンに属する各ランプの基準出
力指令値がマスター制御則によって決定されるようにあ
らかじめ選択されたゾーンが「マスター(主)ゾーン」
である。マスターゾーンZaに属する各ランプa1〜a
3への加熱指令値は、この基準出力指令値YCに応じた
値になる。
【0036】(b)そして、「スレーブゾーン」に対応す
る代表測定点Pbにおける温度が温度計42bによって
測定され、その温度測定結果と、温度計42aによる代
表測定点Paにおける温度測定結果とを用いて、「スレ
ーブゾーン」に含まれる各ランプb1〜b3の加熱指令
値が加熱指令値生成部50によってスレーブ制御則を用
いて決定される。
【0037】すなわち、まず、マスターゾーンZaに対
応する代表測定点Paにおける温度計42aでの温度測
定結果と、スレーブゾーン(たとえばZb)に対応する
代表測定点Pbにおける温度計42bによる温度測定結
果との偏差Eを求める。
【0038】つぎに、マスターゾーンZaについての基
準出力指令値YCに対して、上記偏差Eを所定の係数k
1〜k3で加算合成することにより、スレーブゾーンZ
bに含まれる各ランプb1〜b3の加熱指令値を決定す
る。このように、図8に示される複数(9つ)のランプ
のうち少なくともスレーブゾーンZbに含まれる各ラン
プb1〜b3の加熱指令値は、各ランプb1〜b3が属
するゾーンZbに対応する代表測定点Pbおよび隣接す
るマスターゾーンZaに対応する代表測定点Paの2つ
の代表測定点での温度測定結果を考慮した所定の加熱制
御規則に基づいて生成される。また、この加算合成に使
用される係数k1〜k3は各ランプb1〜b3に固有の
値であり、スレーブゾーンZbに属する各ランプb1〜
b3と、マスターゾーンZaに対応する代表測定点Pa
との相対的位置関係に応じて決定される。これらの係数
k1〜k3は、基板Wにおける空間的な温度分布傾向を
反映させる値となっている。このゾーンZbのように、
マスター制御則に対して相対的に加熱指令値を求めるゾ
ーンが「スレーブゾーン」であり、図8の例ではゾーン
Zb、Zcがこれに相当する。
【0039】図1の全体配置で言えば、たとえば基板W
の中心に対向するゾーンZ1をマスターゾーンとし、他
のゾーンZ2〜Z7をスレーブゾーンとすることができ
るが、マスターゾーンを複数設定し、それらの周辺のゾ
ーンをそれら各マスターゾーンに従属するスレーブゾー
ンとしてもよい。
【0040】以上が、本実施形態における制御の概要で
ある。これらについて、以下で詳述する。
【0041】<A3.マスターゾーンの基準出力指令値
の決定>まず、マスター制御則によってマスターゾーン
Zaに含まれるランプa1〜a3の基準出力指令値を求
める。この基準出力指令値は、様々な方法で求めること
ができるが、以下では一例を示す。
【0042】マスターゾーンZaに属するランプa1〜
a3の出力は、それぞれに対応する基板W上の特定位置
の温度特性に特に大きな影響を与える。これらの温度特
性は、温度測定部42によって測定される。この測定結
果に基づいて、フィードバック制御系を構成することに
よって、リアルタイムで基板Wの温度の制御を行うこと
ができる。
【0043】加熱指令値がマスターゾーンZaの各ラン
プa1〜a3に出力されることによって、被制御量であ
る基板温度などがそれぞれ目標値に追従するような制御
が行われる。加熱指令値生成部50は、第1の制御規則
および第2の制御規則の両制御則を含むマスター制御則
を用いて、マスターゾーンZaのランプa1〜a3の加
熱指令値を求める。図9は、マスターゾーンZaの制御
ブロック図を表す。
【0044】<第1制御規則>まず、第1の制御規則の
概略について説明する。第1の制御規則は、フィードフ
ォワード(以下、「FF」とも略記する)制御則ないし
はオープンループ制御則に相当する。図9においては、
FF補償器C1として示される部分に相当する。フィー
ドフォワード補償を行うため、ランプの加熱指令値に対
する基板Wの温度特性に関するモデルを構築する。具体
的には、ランプ32の加熱指令値に対する基板温度およ
び基板温度変化率の特性を試料基板に関して事前に測定
しておく。つまり、種々の加熱指令値を複数のランプ3
2に出力したときの、基板温度および基板温度変化率の
値をデータとして収集しておく。そして、これらのデー
タを温度特性記憶部60に保存しておき、データベース
として利用するのである。なお、これらのデータ収集
は、実際の処理条件にできるだけ近い状態で行われるこ
とが好ましい。
【0045】図10は、基板温度に関する特性モデルを
表し、ランプa1〜a3の加熱指令値と基板Wの温度と
の関係を表す図である。横軸は、ランプa1〜a3の加
熱指令値を表しており、縦軸は、所定時間経過後の基板
Wの到達温度を表している。また、図11は、基板昇温
速度に関する特性モデルを表し、ランプa1〜a3の加
熱指令値と基板Wの温度変化率(昇温速度)との関係を
表す図である。横軸はランプの加熱指令値を表してお
り、縦軸は所定温度からの昇温速度を表している。これ
らの図は、所定の物理量に関する特性を「モデル」とし
て表現したものであると考えることができる。なお、横
軸のランプa1〜a3の加熱指令値は、正規化された値
になっている。
【0046】これらの図で示される温度特性を利用し
て、所望の目標値になるようにランプa1〜a3の加熱
指令値を決定する。図10および図11に表される特性
モデルは、加熱指令値を変数として、その変数に対応す
る所定の物理量(温度など)を関数値とすることにより
求められたが、今度は、所定の物理量を変数とするその
逆関数を求めることに相当する。つまり、特性モデルに
基づいて、所定の物理量に対応する加熱指令値を決定す
る。そして、この加熱指令値を第1加熱指令値YAとす
る。モデル化誤差および外乱が存在しない場合には、こ
の第1加熱指令値YAのみによって所望の目標温度およ
び目標温度変化率が達成され得る。
【0047】たとえば、目標温度T1(図10参照)を
1000℃とする場合について考える。図10より、温
度維持段階における基板の目標温度を1000(℃)に到
達させるためには、0.36という値が導かれる。この
値は、規格化された値であり、たとえば、規格値1が5
0(kw)に相当する場合には、規格値0.36には加熱
指令値18(kw)が対応する。したがって、この場合、
FF制御則による第1加熱出力値YAとして18(kw)
が出力される。
【0048】<第2制御規則>つぎに、第2の制御規則
の概略について説明する。第2の制御規則は、フィード
バック(以下、「FB」とも略記する)制御則ないしは
クローズドループ制御則に相当する。図9においては、
FB補償器C2として示される部分に相当する。フィー
ドバック補償を行うことによって、基板温度などの被制
御量について目標値と実測値とが合致していない場合に
あっても、被制御量を目標値に追従させることができ
る。ここでは、所定の物理量の目標値に対応する加熱指
令値と実測値に対応する加熱指令値との偏差を第2加熱
指令値YBとする。このように、フィードバック補償に
よる加熱指令値は、上記の特性モデルを利用して決定さ
れる。
【0049】たとえば、実測値が900(℃)である場合
には、図10から規格値0.3が導かれ、加熱指令値は
15(kw)となる。この場合、目標温度に対応する加熱
指令値の18(kw)と実測温度に対応する加熱指令値の
15(kw)との偏差YB0である3(kw)が第2加熱指
令値YBとなる。
【0050】ここで、加熱指令値の決定は、通常のPI
D調節器を有するフィードバック制御系のように目標値
と実測値との誤差にPID動作の各係数パラメータを掛
けて出力を決定するのではないことに注意すべきであ
る。PIDパラメータを決定する必要がないため、それ
らのパラメータ決定のための複雑な調整は不要になる。
なお、図9においては、FF補償器C1およびFB補償
器C2が点線で特性モデル62と接続されている。これ
は、これらの補償器C1、C2における加熱指令値の決
定は、特性モデル62を利用して行われることを示して
いる。
【0051】また、第2加熱指令値YBの決定にあたっ
ては、後述するように、ファジィ推論を用いた修正など
によって、さらに修正された値を第2加熱指令値YBと
することもできる。
【0052】そして、以下の数1のようにこの第2加熱
指令値YBと第1加熱指令値YAとを加算合成したもの
を加熱指令値YCとし、この加熱指令値に基づいて制御
することによって、基板温度を目標温度に追従させる。
【0053】
【数1】YC=YA+YB 上記のように、第1の制御規則(FF制御則)と、第2
の制御規則(FB制御則)との両方を用いて制御系を構
成して、マスターゾーンZaの基準出力指令値YCを求
める。
【0054】<A4.スレーブゾーンの各ランプの加熱
指令値の決定>つぎに、図8および図12を参照しなが
ら、スレーブゾーンZbに含まれる各ランプb1〜b3
の加熱指令値を決定する。なお、既述したようにスレー
ブゾーンはゾーンZbだけではなく、他のスレーブゾー
ンについても同様の制御となる。
【0055】図12は、スレーブゾーンZbに含まれる
各ランプb1〜b3の加熱指令値の求め方を表す概念図
である。図12(a)は、各ゾーンZa〜Zcと温度計
42a、42b、42cとの位置関係を示し、図12
(b)は、代表測定点Pa、Pbにおける温度測定結果
Ta、Tbと目標温度との関係を示し、図12(c)
は、各ランプa1〜a3,b1〜b3、c1〜c3に対
する加熱出力値を表している。
【0056】具体的には、まず、温度計42aによる基
板温度の測定結果Taと、温度計42bによる基板温度
の測定結果Tbとの偏差E(=Ta−Tb)を求める。
【0057】そして、スレーブゾーンZbに含まれる各
ランプb1〜b3の加熱指令値を、上記偏差Eに基づい
て決定する。この決定は、係数k1〜k3を利用して行
われる。既述したように、この係数k1〜k3はスレー
ブゾーンZbに属する各ランプb1〜b3に固有の値で
あり、これらの各ランプb1〜b3と、マスターゾーン
Zaに対応する代表測定点Paとの相対的位置関係に応
じて決定される。
【0058】まず、図8に示すように、偏差Eに係数k
1〜k3をそれぞれ個別に乗じた値を修正値として求め
る。この修正値をマスターゾーンZaの基準出力指令値
YCとそれぞれ加算合成することによって、スレーブゾ
ーンZbに含まれる各ランプb1〜b3の加熱指令値が
求められる。図12に示すように、ランプb1に対して
は、(YC+k1×E)が加熱指令値として算出され
る。同様にして、ランプb2に対しては(YC+k2×
E)が、ランプb3に対しては(YC+k3×E)がそ
れぞれ加熱指令値として算出される。
【0059】ここで、係数k1〜k3は、図12(a)の
破線で示される仮想的な温度分布を反映させる値であっ
て、温度計42aによる代表測定点Paと温度計42b
による代表測定点Pbとの間の2点間の温度分布を補間
するような値として決定することができる。たとえば、
2点間の温度変化を図12(a)の破線で示すような曲線
状の分布として補間することもできるし、直線状に分布
するものとして補間することもできる。
【0060】このような補間によって温度分布を推定
し、マスターゾーンZaに対応する代表測定点Paの位
置からのランプb1〜b3の相対的位置関係に応じて、
基板WにおけるマスターゾーンZaとスレーブゾーンZ
bとの温度分布を均一にするような、スレーブゾーンZ
bの各ランプb1〜b3の加熱指令値を求めることがで
きる。他のスレーブゾーンについても同様である。
【0061】たとえば、スレーブゾーンZbの各ランプ
b1〜b3のそれぞれの位置では、マスターゾーンZa
に対応する代表測定点Paから遠いほど、マスターゾー
ンZaに対応する代表測定点Paでの温度測定結果から
の偏差が大きくなると仮定することができ、この場合、
係数k1〜k3の値の大きさとして、k1>k2>k3
の大小関係を満たす値を設定しておくことができる。こ
れらの係数k1〜k3を、実際の温度偏差Eに依存させ
ることもできるが、空間的な温度分布についての一般的
な傾向のみに依存させることもできる。制御の簡易性や
高速性を重視するならば後者の方式を採用することが好
ましく、その場合にはこれらの係数k1〜k3は各スレ
ーブゾーンZb内の各ランプb1〜b3とマスターゾー
ンZaに対応する代表測定点Paとの相対的位置関係の
みに依存する値として、その値を固定値とすることがで
きる。このときには、これらの係数k1〜k3の値は、
実際の制御動作に先立って決定しておき、加熱指令値生
成部50内のメモリに記憶させておく。
【0062】このように、温度変化傾向を反映する係数
k1〜k3を用いて、スレーブゾーンZb内の各ランプ
b1〜b3の加熱指令値を求めることができる。
【0063】<A5.印加電力の補償>ところで、上記
方法は、基準となるマスターゾーンZaに含まれる各ラ
ンプa1〜a3の基準出力指令値YCを基準値とし、そ
の基準値YCに対してスレーブゾーンZbに含まれる各
ランプb1〜b3の加熱指令値を変更するものである。
この場合、スレーブゾーンZbに含まれるランプb1〜
b3の加熱によっても、マスターゾーンZaに対応する
基板W上の代表測定点Paの温度が影響を受けることが
ある。たとえば、上記の方法によって算出された加熱指
令値について、マスターゾーンZaのランプa1〜a3
の加熱指令値よりもスレーブゾーンZbのランプb1〜
b3の加熱指令値の方が大きい場合には、マスターゾー
ンZaに対応する基板W上の代表測定点Paにおいて、
目標値以上に温度が高くなることがある。これは、スレ
ーブゾーンZbのランプb1〜b3によってもマスター
ゾーンZaの下方の基板上の各点が加熱されており、そ
の加熱による温度上昇が温度定点Paにおける温度測定
結果として現れることに基づく。
【0064】そこで、次のような方法によって各ランプ
の加熱指令値を補償することが好ましい。ここでは、上
記方法によって得られる全ランプの加熱指令値の総和
(すなわち、マスターゾーンZaに属する各ランプとス
レーブゾーンに属する各ランプとについてそれぞれ算出
された加熱指令値の総和)と、マスターゾーンZaの基
準出力指令値YCを全ランプに共通に与えた仮想的な場
合の出力指令値の総和(それぞれのランプへの加熱指令
値にランプ総数を乗じた積に相当する値)とを比較し、
その両者の比に応じて、マスターゾーンZaに属する各
ランプとスレーブゾーンに属する各ランプとについてそ
れぞれ算出された加熱指令値を修正することにより、各
加熱指令値を補償する方法について説明する。たとえ
ば、スレーブゾーンの加熱指令値がマスターゾーンの加
熱指令値よりも大きい場合には、複数のランプの合計出
力を全体的に抑制することによって、代表測定点Paに
おける基板の温度上昇を防止するものである。
【0065】そのため、まず、上記方法によって求めら
れるすべてのランプLiの加熱指令値Yi(i=1,2,
…,N)の総和Yを、以下の数2によって求める。ここ
でNはランプの総数であり、この総和Yは、マスターゾ
ーンおよびスレーブゾーンのいずれに属しているかを問
わず、全てのランプについての総和であって、ランプL
Piはi番目のランプを表している。図1の場合にはN
=3×7=21であり、21個のランプ32がランプL
Pi(i=1,2,…,21)に相当する。なお、すべて
のランプLi(i=1,2,…,N)を以下ではランプ
{Li}と標記する。
【0066】
【数2】Y=ΣYi なお、数2において、Σはi(i=1,2,…,N)につ
いての和を意味する。
【0067】さらに、数3で示すように、マスターゾー
ンの基準出力指令値YCにランプの総数であるNを乗じ
た値を仮想的な基準出力総和量Y’として求める。
【0068】
【数3】Y’=YC×N そして、次の数4を満足するような係数ksを求める。
【0069】
【数4】Y’=ks×Y 係数ksは、値YとY’との相互間の関係を表すファク
タである。換言すれば、全ランプの加熱指令値の総和Y
と基準出力総和量Y’との比率を係数ksによって評価
する。
【0070】そして、マスタースレーブ方式によって求
めた各ランプ{Li}への加熱指令値に係数ksを乗じ
た値を、各ランプ{Li}の新たな加熱指令値として求
め、その新たな各ランプ{Li}の加熱指令値を最終的
な加熱指令値として各ランプ{Li}に出力する。これ
により、スレーブゾーンのランプの出力がマスターゾー
ンに対応する代表測定点Paの温度に及ぼす影響を緩和
することができる。
【0071】<B.第2実施形態>第2実施形態の基板
熱処理装置は、図5の加熱指令値生成部50で行われる
処理内容が第1実施形態に係る基板熱処理装置とは異な
り、その他については、第1実施形態の基板熱処理装置
と同様である。
【0072】既述したように、第1実施形態はマスター
スレーブ方式を採用して基板の温度分布を調整するよう
に制御を行うものである。一方、第2実施形態において
は、第1実施形態とは別の温度分布調整方式、すなわ
ち、ゾーン毎に固有の基準出力指令値を生成する方式を
採用する。
【0073】図13は、第2実施形態の制御方式の概略
概念図である。この図においても隣接ないしは連続する
複数のゾーンを代表的に表現する記号としてZa、Zb
を使用しているが、この第2実施形態ではマスターゾー
ン、スレーブゾーンの区別はない。したがって、ゾーン
Za、Zbは互いに対等である。
【0074】まず、ゾーンZaに対する基準出力指令値
YCa、およびゾーンZbに対する基準出力指令値YC
bが、補償器Ca、Cbによってそれぞれ生成される。
各基準出力指令値YCa、YCbは、第1実施形態にお
けるマスターゾーンの各ランプの基準出力指令値と同様
にして求めることができる。
【0075】つぎに、それぞれのゾーンZa、Zbにお
いて、各ランプa1〜a3,b1〜b3に対する加熱指
令値を求める。図14は、各ゾーンZa、Zbに含まれ
る各ランプの加熱指令値の求め方を表す概念図であり、
第1実施形態の図12に対応する図である。なお、ラン
プについては図示を省略している。以下では図14を参
照して、ゾーンZbに含まれるランプb1〜b3の加熱
指令値を求める場合について説明するが、他のゾーンに
ついても同様である。
【0076】基準出力指令値YCa、YCbが得られた
後、ゾーンZb(以下「第1ゾーン」)の基準出力指令
値YCbと、この第1ゾーンZbに隣接する参照ゾーン
Za(「第2ゾーン」)の基準出力指令値YCaとの偏
差Eab=(YCa−YCb)が算出され、この偏差Eab
に対して、各ランプb1〜b3の所定の係数k1b〜k
3b(図13参照)を乗じることによって求められる値
を修正値として算出する。これらの修正値を第1ゾーン
Zbの基準出力指令値YCbに加算合成した値を最終的
な加熱指令値Yとして求める。たとえば、第1ランプb
1の加熱指令値Yは、次の数5で求められる。
【0077】
【数5】Y=YCb+k1b×(YCa−YCb) 上記係数k1b〜k3bは、当該ゾーンZbに属する各
ランプb1〜b3と代表測定点Pa、Pbとの相対的位
置関係に応じて決定され得る。これらの係数k1b〜k
3bは、代表測定点Pbにおける温度測定結果に各ラン
プb1〜b3が与える影響を考慮して定められる値であ
る。このようにして基板W上の温度分布に応じた修正を
施した後の値をランプb1〜b3への加熱指令値とす
る。このように、複数のランプのうち少なくともゾーン
Zbに含まれる各ランプb1〜b3への加熱指令値は、
各ランプb1〜b3が属するゾーンZbに対応する代表
測定点Pbおよび隣接するゾーンZaに対応する代表測
定点Paの2つの代表測定点での温度測定結果を考慮し
た所定の加熱制御規則に基づいて生成される。
【0078】また、同様にして、ランプa1〜a3など
の加熱指令値も求めることができる。このようにしてN
個のすべてのランプについてそれぞれの加熱指令値を求
めることにより、基板W上の温度分布を均一化すること
ができる。
【0079】<C.第3実施形態>第3実施形態は、同
一のランプが異なるM個のゾーン(Mは2以上の整数)
に属する場合に本発明を適用した例である。
【0080】図15は、第3実施形態の制御方式の概略
概念図である。複数のランプL1〜L11は、複数のゾ
ーンZa、Zb、Zcに区分されて基板Wに対向する位
置にほぼ等間隔で配置されている。図15においては、
各ゾーンZa、Zb、Zcにそれぞれ5つのランプが属
し、かつ中央のゾーンZaのうちの一方端部側の2つの
特定ランプL4、L5がそれに隣接するゾーンZbにも
属し、またこの中央のゾーンZaのうちの他方端部側の
2つ特定ランプL7,L8がそれに隣接するゾーンZc
にも属する場合が示されている。この例の場合、各特定
ランプL4,L5,L7、L8のそれぞれは2つずつの
ゾーンに重複して含まれているため、M=2である。ま
た、図16は、各ゾーンに含まれる各ランプの加熱指令
値の求め方を表す概念図であり、第2実施形態の図14
に対応する図である。以下、これらの図15および図1
6を参照する。
【0081】この第3実施形態においても、第2実施形
態と同様、まず、各ゾーンZa、Zb、Zc毎の基準出
力指令値を求める。この基準出力指令値は、各ゾーン毎
に固有の制御則によって求められる。たとえば上記第2
実施形態の方法を、この基準出力指令値を求めるために
利用することができる。すなわち、ランプL1〜L5に
対しては、温度計42bの測定結果に基づいて補償器C
bによって基準出力指令値YCbが求められる。また、
ランプL4〜L8に対しては、温度計42aの温度測定
結果に基づいて補償器Caによって基準出力指令値YC
aが求められる。
【0082】このようにして得られた基準出力指令値の
うち、それぞれがひとつのゾーンにのみ属するランプL
1,L2,L3,L6、L9、L10、L11の基準出
力指令値については、第2実施形態と同様の方法でそれ
ぞれの最終的な加熱指令値が求められる。
【0083】一方、それぞれが2個のゾーンに重複して
属している特定ランプL4、L5、L7、L8について
は、当該ゾーンが属するM個のゾーンのそれぞれで得ら
れた基準出力指令値を所定の重み付けで加算合成する。
たとえば、ゾーンZaおよびZbの両方に属している特
定ランプL4に対する加熱指令値Y4は、両ゾーンZ
a、Zbの基準出力指令値YCaおよびYCbを重み付
け係数ka4、kb4を使用して以下の数6のように加重合
成(具体的には加重加算合成)することにより算出する
ことができる。
【0084】
【数6】Y4=ka4×YCa+kb4×YCb 好ましくは、これらの係数ka4、kb4を、
【0085】
【数7】ka4+kb4=1 のように規格化しておく。
【0086】特定ランプL4における重み付け係数ka
4、kb4の具体的な値は、その特定ランプL4が属する
2個のゾーンZa、Zbのそれぞれに対応する代表測定
点Pa、Pbと、当該ランプL4との相対的位置関係に
基づいてあらかじめ決定しておく。たとえば、図15の
例においてランプL1〜L11が等間隔ΔDで配列して
いる場合、特定ランプL4は、一方のゾーンZbにおい
ては代表測定点Pbに対して(1×ΔD)だけ離れてお
り、他方のゾーンZaにおいては代表測定点Paに対し
て(2×ΔD)だけ離れている。したがって、特定ラン
プL4は一方のゾーンZbにおける基準出力指令値YC
bと他方のゾーンZaにおける基準出力指令値YCaと
を、距離比1:2の逆比に相当する2:1の比率で重み
付けして加算合成することにより、ランプL4の加熱指
令値が求めれば、それぞれのゾーンZa、Zbでの温度
測定結果を適度に合成することができる。したがって、
この場合の係数ka4、kb4は、規格化した値としてka4
=2/3、kb4=1/3のように定めておく。
【0087】同様に、ゾーンZaおよびZbの両方に属
している特定ランプL5に対する加熱指令値も、両ゾー
ンの基準出力指令値YCaおよびYCbを係数ka5=1
/3、kb5=1/3を使用して加算合成することにより
算出することができる。
【0088】一般に、M個のゾーンZj(j=1〜M)
に属する特定ランプLdについては、それらのM個のゾ
ーンZjに対応する各代表測定点Pjまでの距離をDd
jとしたとき、
【0089】
【数8】kjd=Ddj/ΣDdm (ただし、この数8において、Σは重複して属するM個
のゾーンにわたっての、mについての和)のように係数
kjdを定めればよく、そのようにして定めておいた係数
kjdを使用して、特定ランプLdに対する加熱指令値Y
dを、
【0090】
【数9】Yd=Σkjd×YCj (ただし、この数9において、Σは重複して属するM個
のゾーンにわたっての、jについての和)のように得る
ことができる。ここで、YCjはゾーンZjについての
基準出力指令値であり、ゾーンZjに対応する代表測定
点Pjでの温度測定結果を反映した値である。このよう
に、複数のランプのうち少なくともこの特定ランプLd
についての加熱指令値は、特定ランプLdが属するM個
のゾーンに対応するM個の代表測定点Pj(j=1〜
M)での温度測定結果を考慮した所定の加熱制御規則に
基づいて生成される。
【0091】<D.その他の変形例> <D1.基準出力指令値について〜その1>上記実施形
態における各基準出力指令値の求め方は、上記方法に限
定されない。たとえば、既述したように、フィードバッ
ク補償器C2による第2加熱指令値YBを求める際に、
ファジィ推論を用いることも可能である。
【0092】ここでは、上記で求めた第2加熱指令値Y
Bに対して、ファジィ推論に基づく修正係数αを用いて
さらに修正を加えた値を新たな第2加熱指令値YBとし
て求める場合について詳述する。これにより、さらに高
精度の制御を行うことが可能になる。なお、以下におい
ては、説明のため、上記実施形態で求めた第2加熱指令
値YBを値YB0に置き換えて表す。
【0093】値YB0に対して、ファジィ推論に基づく
修正係数αを乗じた値を加算した値をYB1とする。こ
のとき値YB1は、次の数10または数11で表され
る。
【0094】
【数10】YB1=YB0+α×YB0
【0095】
【数11】YB1=β×YB0,ただし、β=1+α ここで、ファジィ推論に基づくこの修正係数αの求め方
について説明する。
【0096】例として、偏差e1と偏差e2とを前件部
に取り入れたファジィルールを用いて昇温段階における
制御を行う場合を説明する。ここで、偏差e1は、目標
温度に対応する出力指令値と実測温度に対応する出力指
令値との偏差であり、偏差e2は、目標昇温速度に対応
する出力指令値と実測昇温速度に対応する出力指令値と
の偏差である。また、これらの出力指令値は、図10お
よび図11に表される「特性モデル」に基づいて求める
ことができる。なお、昇温段階とは、ランプの加熱によ
り基板の温度を所定の温度までに上昇させる段階をい
い、図6および図7においては時刻t0から時刻t10
までに対応する。
【0097】ファジィルールとして、次の3つのルール
を用いる。
【0098】(ルール1):e1が正、かつ、e2が正
で大きいとき、出力を増やす。
【0099】(ルール2):e1が約0、かつ、e2も
約0のとき、出力を維持する。
【0100】(ルール3):e1が正、かつ、e2が負
で大きいとき、出力を減らす。
【0101】ここで、e1、およびe2の値は正規化さ
れているが、実際には適宜の値を表すようにスケーリン
グすることができる。
【0102】図17(a)は、ルール1の前件部および
後件部のメンバーシップ関数を表す。図17(a)にお
いて、左側の2つのグラフは前件部のメンバーシップ関
数を表し、右側のグラフは後件部のメンバーシップ関数
を表す。同様に、図17(b)および図17(c)は、
それぞれ、ルール2およびルール3の前件部および後件
部のメンバーシップ関数を表す。
【0103】これらの図を用いて、「max−min重
心法」でファジィ演算を行う場合について説明する。こ
こでは、ある時刻における偏差e1および偏差e2がそ
れぞれ、e1=0.4、e2=−0.2である場合を想
定する。
【0104】まず、ルール1に基づく前件部の度合を決
定する。e1=0.4のときメンバーシップ関数a11
より度合は+0.8となる。また、e2=−0.2のと
きメンバーシップ関数a12より度合は0となる。した
がって、小さい方の値をとって、「度合」の合成結果
は、ゼロとなる。
【0105】つぎに、ルール2に基づく前件部の度合を
決定する。e1=0.4のときメンバーシップ関数a2
1より度合は+0.2となる。また、e2=−0.2の
ときメンバーシップ関数a22より度合は0.6とな
る。したがって、小さい方の値をとって、「度合」の合
成結果は、0.2となる。
【0106】そして、ルール3に基づく前件部の度合を
決定する。e1=0.4のときメンバーシップ関数a3
1より度合は+0.8となる。また、e2=−0.2の
ときメンバーシップ関数a32より度合は0.4とな
る。したがって、小さい方の値をとって、「度合」の合
成結果は、0.4となる。
【0107】つぎに、各ルールの後件部のメンバーシッ
プ関数を、各ルールにおける「度合」の合成結果の値を
表す直線で切断して形成される台形部分の面積を重ね合
わせる。重ね合わせられた図形の重心を各ルールに対す
る重み付けを考慮して求める。なお、たとえば、この重
み付けにおける重みwは各ルールに対して次のように設
定することができる。
【0108】 ルール1については:w=0.5 ルール2については:w=1.0 ルール3については:w=0.5 図18は、各ルールに基づく台形部分の図形を重ね合わ
せて合成図形の重心を求めることによって、後件部の結
果を得ることについて説明した図である。ルール2に対
応する台形D2とルール3に対応する台形D3との図形
の重心を重み付けを考慮して求める。この場合には、−
0.25が結果として得られる。この値が修正係数αと
なる。したがって、この修正係数αを用いれば、上述の
数10に基づいて値YB1が算出される。
【0109】以上のようにしてファジィ推論に基づく修
正を加えて求めた値YB1を新たな第2加熱指令値YB
とすることができる。この新たな第2加熱指令値YBに
対して、数1で表される加熱指令値YCを求め、この値
YCを基準出力指令値としてして求めることができる。
この基準出力指令値に基づいて制御することによって、
オーバーシュートの抑制などの効果が得られる。
【0110】<D2.基準出力指令値について〜その2
>あるいは、ファジィ推論に基づく修正を加えて求めら
れた値YB1に対して、さらに修正を加えた値を新たな
第2加熱指令値YBとすることにより、基準出力指令値
を求めることもできる。たとえば、各時刻における値Y
B1の値を時間に関して合算した蓄積値YB2を算出し
て、さらに値YB1に加算した値を第2加熱指令値YB
とすることができる。値YB2は次式で表される。
【0111】
【数12】YB2=ΣYB1(t) なお、ここではΣは時間に関する総和を意味し、時刻t
0から現在時刻までの各時刻tにおけるYB1(t)を
合算することによりYB2を求めるものである。また、
ここでは、値YB1が時間tの関数であることを強調し
て示すためYB1(t)と明記するが、時間の関数であ
ることを明記していない他の値、たとえば、YA、Y
B、YC、YB0、YB2も同様に時間の関数である。
【0112】この値YB2は、フィードバック制御のP
ID動作におけるI(積分)動作に相当するものであ
る。値YB2を値YB1に加えることによって、オフセ
ットの発生を防止して追従性能を向上させることができ
る。この場合新たな第2加熱指令値YBは、次式で表さ
れる。
【0113】
【数13】YB=YB1+YB2 上記の数1に基づいて、この新たな第2加熱指令値YB
に対して加熱指令値YCを基準出力指令値として求め、
値YCに基づいて加熱制御を行うことによって、目標温
度および目標昇温速度にさらに高精度に追従する制御を
実現することができる。
【0114】<D3.その他>また、上記実施形態にお
いては、基板Wの回転によって基板Wの面内温度分布が
ほぼ回転対称になることを利用しているが、本発明はこ
れに限定されず、基板が回転しない場合においても適用
可能である。その場合、各ゾーンに対応する適当な位置
にさらに多くの複数の温度計を配置すればよい。
【0115】図4のようにランプ32の配列が2方向と
なっている場合には、たとえば図19のように、マトリ
クス状のゾーンZx-y(x、y=1,2、…、n:nは
2以上の整数)を定義することができる。このときラン
プ32のそれぞれは列方向または行方向の複数のゾーン
にわたって伸びている。また、図19中の黒丸がそれぞ
れのゾーンZxyに対応する代表測定点を示す。この場合
において基板が回転しないような装置構成においては、
たとえばランプ32aについてはゾーンZ1-1、Z2-1、
Z3-1での温度測定結果によって算出される基準出力指
令値を比較的大きなウエイトで含み、ゾーンZ1-2、Z2
-2、Z3-2での温度測定結果によって算出される基準出
力指令値を中程度のウエイトで含み、さらにゾーンZ1-
3、Z2-3、Z3-3での温度測定結果によって算出される
基準出力指令値を比較的小さなウエイトで含むように、
それらの基準出力指令値を加算合成ないしは加重平均す
ればよい。
【0116】また、基板を回転させるような場合には、
特定の1方向のみ(たとえばランプの行方向配列)につ
いてのみゾーン分割を行い、そのような帯状のゾーンの
配列についてこの発明を適用して、他方向のランプ配列
についてはあらかじめ定めておいた加熱指令値を与える
ようにしてもよい。
【0117】この発明においては、複数のランプのうち
少なくとも一部のランプの加熱指令値に関して、そのラ
ンプが属するゾーンに対応する代表測定点を含む2以上
の代表測定点での温度測定結果が考慮されればよいが、
ランプ数が少ない場合あるいは代表測定点が少ない場合
には、全ての代表測定点における温度測定結果が考慮さ
れてもよく、また、その際には各ランプと全ての代表測
定点との相対的位置関係を考慮することもできる。
【0118】
【発明の効果】以上のように、請求項1ないし請求項6
に記載の基板熱処理装置によれば、複数のランプのうち
の少なくとも一部のランプについての加熱指令値を、ラ
ンプが属するゾーンに対応する代表測定点を含む2以上
の代表測定点での温度測定結果を考慮した所定の加熱制
御規則に基づいて生成する。したがって、ランプの加熱
指令値は、基板上の2以上の代表測定点の測定結果を反
映して細かく調整されたものとなり、基板上の温度分布
を細かく制御することができる。
【0119】特に請求項3の発明では、基板の形状や加
熱手段の配置の特性などに応じて適当な代表ゾーンを主
ゾーンとするとともに、その主ゾーンからの相対関係に
おいて他のゾーンでの温度制御を行うことなるため、そ
の主ゾーンでの加熱制御規則を調整すれば他のゾーンで
の温度制御がそれに応じて調整され、加熱の均一性が確
保されるという特質がある。
【0120】また、請求項4の発明では特に、主ゾーン
に対して相対的に従ゾーンのランプへの加熱指令値が定
まったとき、それら従ゾーンのランプからの熱が主ゾー
ンの基板領域に及んでしまうような熱干渉の影響を防止
可能である。
【0121】さらに請求項6の発明では、特定のランプ
が複数のゾーン(M個のゾーン)に属するようにゾーン
分けをした場合においても、そのような配置関係を考慮
した制御を行っているため、基板の加熱の均一性を十分
に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る熱処理装置1の概要構
成を示す縦断面図である。
【図2】熱処理装置1における基板支持部20の下方部
分を表す図である。
【図3】各ゾーンZ1〜Z4とそれらに対応する温度計
421〜424の測定位置とを模式的に示す図である。
【図4】ランプの2方向配列を表す図である。
【図5】制御部100の概要図を表す図である。
【図6】目標温度曲線を表す図である。
【図7】目標温度変化率曲線を表す図である。
【図8】マスタースレーブ方式による温度分布制御系の
模式的な機能ブロック図を表す図である。
【図9】マスターゾーンの制御ブロック図を表す図であ
る。
【図10】基板温度に関する特性モデルを表す図であ
る。
【図11】基板温度変化率(昇温速度)に関する特性モ
デルを表す図である。
【図12】各ランプの加熱指令値の求め方を表す概念図
である。
【図13】第2実施形態の制御方式を表す概略概念図で
ある。
【図14】各ランプの加熱指令値の求め方を表す概念図
である。
【図15】第3実施形態の制御方式を表す概略概念図で
ある。
【図16】各ランプの加熱指令値の求め方を表す概念図
である。
【図17】各ファジィルールの前件部および後件部のメ
ンバーシップ関数を表す図である。
【図18】各ファジィルールの組合せによる、後件部の
合成結果について説明する図である。
【図19】図4のランプ配列の場合のゾーン分けの例を
示す図である。
【符号の説明】
1 基板熱処理装置 10 チャンバ 20 基板支持部 30 基板加熱部 40 温度測定部 421〜424,42a,42b 温度計 50 加熱指令値生成部 60 温度特性記憶部 70 目標値生成部 100 制御部 W 基板 t 時間 T 温度 V 昇温速度 E 温度偏差 Za,Zb,Zc ゾーン b1,b2,b3 ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 充弘 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 4K050 AA02 BA16 BA17 CA09 CD08 CD11 CD21 EA05 4K063 AA05 BA12 CA03 CA09 FA13 FA29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の熱処理を行う装置であって、 複数のゾーンに区分されて配設された複数のランプによ
    って基板を加熱する加熱手段と、 前記複数のゾーンのそれぞれに対応する基板上の複数の
    代表測定点における温度を測定する複数の温度測定手段
    と、 前記複数のランプのうちの少なくとも一部のランプにつ
    いての加熱指令値を、当該ランプが属するゾーンに対応
    する代表測定点を含む2以上の代表測定点での温度測定
    結果を考慮した所定の加熱制御規則に基づいて生成する
    加熱指令値生成手段と、を備えることを特徴とする基板
    熱処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の装置において、 前記加熱制御規則は、前記少なくとも一部のランプにつ
    き、当該ランプと前記2以上の代表測定点との相対的位
    置関係を反映したものであることを特徴とする基板熱処
    理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の装置において、 前記複数のゾーンは、主ゾーンと従ゾーンとを有し、 前記複数の温度測定手段は、前記主ゾーンに対応する基
    板上の代表測定点における温度を測定する主測定手段
    と、前記従ゾーンに対応する基板上の代表測定点におけ
    る温度を測定する従測定手段とを有し、 前記加熱制御規則は、主制御規則と従制御規則とを有
    し、 前記主制御規則は、前記主測定手段の測定結果に基づい
    て前記主ゾーンの基準出力指令値を算出する規則であ
    り、 前記従制御規則は、前記主測定手段による測定結果と前
    記従測定手段による測定結果との偏差を求め、当該偏差
    に対して前記主ゾーンに対応する代表測定点と前記従ゾ
    ーンに属する各ランプとの相対的位置関係を考慮した係
    数を乗じた値を修正値として求め、前記主ゾーンの基準
    出力指令値と前記修正値とを合成することによって、前
    記従ゾーンに含まれる各ランプの前記加熱指令値を決定
    することを含んだ規則であることを特徴とする基板熱処
    理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の装置において、 前記加熱指令値生成手段は、 前記主ゾーンに属する各ランプと前記従ゾーンに属する
    各ランプとについて前記加熱制御規則によって算出され
    たそれぞれの加熱指令値の総和と、前記主ゾーンに属す
    る各ランプへの加熱指令値に前記複数のランプのランプ
    総数を乗じた積に相当する値との比に応じて、前記主ゾ
    ーンに属する各ランプと前記従ゾーンに属する各ランプ
    とについてそれぞれ算出された加熱指令値を修正する手
    段、を有することを特徴とする基板熱処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項2の装置において、 前記加熱指令値生成手段は、 各ゾーン毎の固有の制御規則によって算出される出力指
    令値を各ゾーン内の各ランプの基準出力指令値として算
    出する手段と、 互いに隣接する第1と第2のゾーンのそれぞれの基準出
    力指令値の偏差に対して、前記第2のゾーンに対応する
    代表測定点と前記第1のゾーン内の各ランプとの相対的
    位置関係を考慮した各係数を乗じた値を修正値として求
    め、前記第1のゾーンの基準出力指令値と前記修正値と
    を合成することによって、前記第1のゾーンに含まれる
    各ランプの加熱指令値を決定する手段と、を有すること
    を特徴とする基板熱処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項2の装置において、 前記複数のランプには、重複してM個のゾーン(Mは2
    以上の整数)に属するように区分された特定ランプが含
    まれており、 前記加熱指令値生成手段は、 前記M個のゾーンのそれぞれの制御規則によって、前記
    M個のゾーンにおける各ランプの基準出力指令値を算出
    する手段と、 前記M個のゾーンのそれぞれに対応する代表測定点と前
    記特定ランプとの相対的位置関係に応じて決定される重
    み付け係数を用いて、前記M個のゾーンのそれぞれにお
    ける前記基準出力指令値を加重合成し、それによって前
    記特定ランプの加熱指令値を決定する手段と、を有する
    ことを特徴とする基板熱処理装置。
JP36484898A 1998-12-22 1998-12-22 基板熱処理装置 Expired - Fee Related JP3987222B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36484898A JP3987222B2 (ja) 1998-12-22 1998-12-22 基板熱処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36484898A JP3987222B2 (ja) 1998-12-22 1998-12-22 基板熱処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000193375A true JP2000193375A (ja) 2000-07-14
JP3987222B2 JP3987222B2 (ja) 2007-10-03

Family

ID=18482821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36484898A Expired - Fee Related JP3987222B2 (ja) 1998-12-22 1998-12-22 基板熱処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3987222B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002065521A1 (fr) * 2001-02-16 2002-08-22 Tokyo Electron Limited Dispositif de traitement de piece de type feuille
JP2002246318A (ja) * 2001-02-16 2002-08-30 Tokyo Electron Ltd 熱処理方法及び熱処理装置
JP2002367914A (ja) * 2001-06-11 2002-12-20 Tokyo Electron Ltd 熱処理装置
JP2004503101A (ja) * 2000-07-04 2004-01-29 マットソン サーマル プロダクツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 対象物を熱処理するための方法および装置
JP2005079336A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Toshiba Corp 熱処理装置、熱処理方法及び半導体装置の製造方法
JP2005520329A (ja) * 2002-03-04 2005-07-07 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド ランプ分割ゾーン制御のためのシステムおよび方法
JP2005277242A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板加熱時の出力の決定方法
JP2007078307A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Tamura Seisakusho Co Ltd 加熱装置の制御方法
JP2009260046A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 熱処理装置および基板温度測定方法
JP2015220359A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 株式会社Kelk 半導体ウェーハの温度制御装置
CN105280475A (zh) * 2014-07-16 2016-01-27 细美事有限公司 用于处理基板的装置和方法
US10157761B2 (en) 2016-08-17 2018-12-18 Kelk Ltd. Temperature controller of semiconductor wafer

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004503101A (ja) * 2000-07-04 2004-01-29 マットソン サーマル プロダクツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 対象物を熱処理するための方法および装置
WO2002065521A1 (fr) * 2001-02-16 2002-08-22 Tokyo Electron Limited Dispositif de traitement de piece de type feuille
JP2002246318A (ja) * 2001-02-16 2002-08-30 Tokyo Electron Ltd 熱処理方法及び熱処理装置
JP2002367914A (ja) * 2001-06-11 2002-12-20 Tokyo Electron Ltd 熱処理装置
JP2005520329A (ja) * 2002-03-04 2005-07-07 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド ランプ分割ゾーン制御のためのシステムおよび方法
JP2005079336A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Toshiba Corp 熱処理装置、熱処理方法及び半導体装置の製造方法
JP2005277242A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板加熱時の出力の決定方法
JP4623705B2 (ja) * 2004-03-26 2011-02-02 大日本スクリーン製造株式会社 基板加熱時の出力の決定方法
JP2007078307A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Tamura Seisakusho Co Ltd 加熱装置の制御方法
JP2009260046A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 熱処理装置および基板温度測定方法
JP2015220359A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 株式会社Kelk 半導体ウェーハの温度制御装置
CN105280475A (zh) * 2014-07-16 2016-01-27 细美事有限公司 用于处理基板的装置和方法
US10405376B2 (en) 2014-07-16 2019-09-03 Semes Co., Ltd. Apparatus and method for treating substrate
US10157761B2 (en) 2016-08-17 2018-12-18 Kelk Ltd. Temperature controller of semiconductor wafer

Also Published As

Publication number Publication date
JP3987222B2 (ja) 2007-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000193375A (ja) 基板熱処理装置
US6207936B1 (en) Model-based predictive control of thermal processing
TWI782597B (zh) 調整圖案化製程之系統、產品及方法
KR20080040576A (ko) 열처리판의 온도 설정 방법, 프로그램을 기록한 컴퓨터판독 가능한 기록매체, 및 열처리판의 온도 설정 장치
WO2006087955A1 (ja) 熱処理板の温度設定方法,熱処理板の温度設定装置,プログラム及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
TW201633008A (zh) 微影方法與微影裝置
TW201235800A (en) Method of operating a projection exposure tool for microlithography
WO2006087938A1 (ja) 熱処理板の温度設定方法,熱処理板の温度設定装置,プログラム及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2021072422A (ja) 情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び半導体製造装置
Zhong et al. Adaptive cautious regularized run-to-run controller for lithography process
JP2006222354A (ja) 熱処理板の温度設定方法,熱処理板の温度設定装置,プログラム及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP4664232B2 (ja) 熱処理板の温度設定方法,プログラム,プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び熱処理板の温度設定装置
CN112445134B (zh) 考虑未完全建模的快速反射镜在线逼近自适应控制方法
WO2021087053A1 (en) Control system for adaptive control of a thermal processing system
JP4664233B2 (ja) 熱処理板の温度設定方法,プログラム,プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び熱処理板の温度設定装置
US7715952B2 (en) Temperature setting of thermal processing plate using zernike coefficients
EP4040234A1 (en) A method and system for predicting aberrations in a projection system
JP3996717B2 (ja) 基板熱処理装置
JP3552351B2 (ja) 投影露光装置
WO2022012844A1 (en) A method and apparatus for calculating a spatial map associated with a component
CN115777083A (zh) 用于热敏元件的热机械控制的方法和用于光刻生产过程的设备
JP2003022978A (ja) 基板処理装置
JP7441724B2 (ja) 熱処理装置および熱処理方法
JPH07200077A (ja) 熱処理装置
US20240077380A1 (en) A method and system for predicting aberrations in a projection system

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070710

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070712

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110720

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110720

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120720

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120720

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120720

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130720

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees