JP2000191811A - 改質ふっ素樹脂 - Google Patents
改質ふっ素樹脂Info
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Abstract
高温での熱安定性が良好な改質ふっ素樹脂の提供。 【解決手段】改質剤の存在下において、ふっ素樹脂に酸
素濃度10torr以下の不活性ガス雰囲気下で、且つその
融点以上に加熱された状態で電離性放射線を照射線量
0.1KGy〜10MGyの範囲で照射する。
Description
部品、パッキン、ガスケット、半導体製造用容器・治具
等の幅広い分野に適用できる改質ふっ素樹脂、特に熱安
定性に優れた改質ふっ素樹脂に関するものである。
特性や耐薬品性に優れており、産業用、民生用の各種用
途に広く利用されている。しかし、ふっ素樹脂は、摺動
環境下や高温での圧縮環境下で、磨耗やクリープ変形が
大きく、使用範囲は、限定されたものになっている。
の融点以上の温度下に電離性放射線を照射して架橋させ
ることにより、磨耗性やクリープ変形性が大幅に改善さ
れることが明らかになった。しかし、この方法で架橋さ
せたふっ素樹脂は、分子鎖中に不飽和基を生じ、その結
果、高温での熱安定が劣るという問題が新たに指摘され
るに至った。
性、耐クリープ性を有し、しかも高温での熱安定性が良
好な改質ふっ素樹脂を提供することにある。
達成するため、改質剤の存在下において、ふっ素樹脂に
酸素濃度10torr以下の不活性ガス雰囲気下で、且つそ
の融点以上に加熱された状態で電離性放射線を照射線量
0.1KGy〜10MGyの範囲で照射してなる改質ふ
っ素樹脂、及び、ふっ素樹脂に酸素濃度10torr以下の
不活性ガス雰囲気下で、且つその融点以上に加熱された
状態で電離性放射線を照射線量0.1KGy〜10MG
yの範囲で照射した後、改質剤と接触させてなる改質ふ
っ素樹脂を提供する。
しては、テトラフルオロエチレン系重合体(以下PTF
Eという)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)系共重合体(以下PFAと
いう)、あるいはテトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロプロピレン系共重合体(以下FEPという)があげ
られる。
ルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、
(パーフルオロアルキル)エチレン、あるいはクロロト
リフルオロエチレン等の共重合性モノマーに基づく重合
単位を1モル%以下含有するものも含まれる。また、上
記共重合体形式のふっ素樹脂の場合、その分子構造の中
に少量の第3成分を含むことは有り得る。
(H2 )、ふっ素(F2 )またはふっ素化合物(ClF
3 、BrF3 、SF4 、CF3 COCF3 、CF3 CH
O、CF4 、NF3 、SiF4 、CF4 、C3 F6 等)
をあげることができる。これらの水素、ふっ素またはふ
っ素化合物をふっ素樹脂と接触させるときの濃度は、1
0−2torr以上とすることが好ましく、これ未満では、
高温で熱安定性を付与する効果が小さくなる。上限は特
に規定しないが、安全上から760torr以下とすること
が好ましい。
ことにより、または電離放射線の照射後に改質剤と接触
させることにより、ふっ素樹脂の照射架橋時に生じる不
飽和結合部に改質剤が付加され、優れた熱安定性が実現
されるものと推察される。
下において、ふっ素樹脂に酸素濃度10torr以下の不活
性ガス雰囲気下で、且つその融点以上に加熱された状態
で電離性放射線を照射線量0.1KGy〜10MGyの
範囲で照射することにより、または、ふっ素樹脂に酸素
濃度10torr以下の不活性ガス雰囲気下で、且つその融
点以上に加熱された状態で電離性放射線を照射線量0.
1KGy〜10MGyの範囲で照射した後、改質剤と接
触させることにより得ることができる。
は、十分な改質効果を達成できず、また、電離性放射線
の照射線量が0.1KGy未満では、十分な改質効果を
達成できず、10MGyを越えると伸び等の著しい低下
を招く。
は、γ線、電子線、X線、中性子線、あるいは高エネル
ギーイオン等が使用される。電離性放射線を照射するに
際しては、ふっ素樹脂をその結晶融点以上に加熱してお
く必要がある。例えばふっ素樹脂としてPTFEを使用
する場合には、この材料の結晶融点である327℃より
も高い温度にふっ素樹脂を加熱した状態で電離性放射線
を照射する必要があり、また、PFAやFEPを使用す
る場合には、前者が310℃、後者が275℃に特定さ
れる融点よりも高い温度に加熱して照射する。ふっ素樹
脂をその融点以上に加熱することは、ふっ素樹脂を構成
する主鎖の分子運動を活発化させることになり、その結
果、分子間の架橋反応を効率良く促進させることが可能
となる。但し、過度の加熱は、逆に分子主鎖の切断と分
解を招くようになるので、このような解重合現象の発生
を抑制する意味合いから、加熱温度はふっ素樹脂の融点
よりも10〜30℃高い範囲内に抑えるべきである。
して改質操作を行っても良く、また、改質操作を行った
ふっ素樹脂粉体を機械的粉砕により微粉化してから加圧
成形(圧縮成形あるいはラム成形)することによりふっ
素樹脂成形体としてもよい。
形する場合、単一のまたは2種以上の改質ふっ素樹脂粉
体で成形してもよく、また、これら改質ふっ素樹脂粉体
と未改質の高分子材料または無機材料を混合したものを
成形してもよい。
樹脂粉体に使用されるふっ素樹脂同様耐熱性を有するも
のであることが好ましく、具体的には、テトラフルオロ
エチレン系重合体、あるいはテトラフルオロエチレン−
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系
共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合
体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重合
体、プロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、
ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン−テ
トラフルオロエチレン系共重合体等の含ふっ素共重合
体、あるいはポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリアリ
ーレンスルフィド、芳香族ポリエステル等をあげること
ができる。
としては、摺動部品、半導体関連製造部品、酸化性の強
い薬品を入れる容器等、幅広い用途が期待できる。
−163、旭硝子社製)を360℃、圧力50MPaで
1時間圧縮成形し、縦60mm、横30mm、厚さ1mmのシ
ートを得た。このシートに対し、酸素濃度0.5torr、
F2 濃度0.1torrの窒素(800torr)雰囲気下、3
40°Cの加熱温度のもとで電子線(加速電圧2Me
V)を照射線量50KGy(実施例1)、100KGy
(実施例2)、150KGy(実施例3)照射し、供試
試料とした。
P、旭硝子社製)を、東洋精機製小型押出機ラボプラス
トミルを用い、360℃の設定温度でもって幅30mm、
厚さ1mmのTダイを使用して帯状シートを押出し、これ
を縦60mm、横30mm、厚さ1mmに裁断して試料シート
とした。このシートに対し、酸素濃度0.5torr、F2
濃度0.1torrの窒素(800torr)雰囲気下、320
℃の加熱温度のもとで電子線(加速電圧2MeV)を照
射線量50KGy照射し、これを供試試料とした。
ダイキン工業製)を、東洋精機製小型押出機ラボプラス
トミルを用い、340℃の設定温度でもって幅30mm、
厚さ1mmのTダイを使用して帯状シートを押出し、これ
を縦60mm、横30mm、厚さ1mmに裁断して試料シート
とした。このシートに対し、酸素濃度0.5torr、F2
濃度0.1torrの窒素(800torr)雰囲気下、275
℃の加熱温度のもとで電子線(加速電圧2MeV)を照
射線量40KGy照射し、これを供試試料とした。
163、旭硝子社製)を360℃、圧力50MPaで1
時間圧縮成形し、縦60mm、横30mm、厚さ1mmのシー
トを得た。このシートに対し、酸素濃度0.5torrの窒
素(760torr)雰囲気下、340°Cの加熱温度のも
とで電子線(加速電圧2MeV)を照射線量100KG
y照射し、その後、オートクレーブに入れ、F2 濃度1
0torrの窒素(760torr)雰囲気中で、20℃で2時
間反応させ、供試試料とした。
163、旭硝子社製)を360℃、圧力50MPaで1
時間圧縮成形し、縦60mm、横30mm、厚さ1mmのシー
トを得、これを供試試料とした。
163、旭硝子社製)を360℃、圧力50MPaで1
時間圧縮成形し、縦60mm、横30mm、厚さ1mmのシー
トを得た。このシートに対し、酸素濃度0.5torrの窒
素(800torr)雰囲気下、340℃の加熱温度のもと
で電子線(加速電圧2MeV)を照射線量100KGy
照射し、これを供試試料とした。
163、旭硝子社製)を360℃、圧力50MPaで1
時間圧縮成形し、縦50mm、横50mm、厚さ1mmのシー
トを得た。このシートに対し、酸素濃度0.5torr、F
2 濃度0.1torrの窒素(800torr)雰囲気下、30
0℃の加熱温度のもとで電子線(加速電圧2MeV)を
照射線量100KGy照射し、供試試料とした。
1に示した。なお、測定は、各試料3点とし、これらの
算術平均値示した。
218に準じ、SUS304製の円筒リング(外径2
5.6mm、内径20.6mm)に試験片(外径25.6m
m、内径20.6mm、厚さ1mm)を貼り合せ、相手材に
は、SUS304板(縦30mm、横30mm、厚さ5mm)
を用い、圧力0.4MPa、速度130m/min の条件
で行った。
SAは、下記の式から求めた。
定した。ダンベルには、JISK7113記載の2(1
/5)号形を用いた。
間入れ、その後取出した。24時間放置して空冷後、1
80°の折り曲げ試験を行い、割れを生じないものを
良、割れるものを破断とした。
例と比較例との対比からも明らかなように、優れた熱安
定性を実現することが可能となり、ふっ素樹脂の応用範
囲を広げる上で大きく貢献するものである。
Claims (4)
- 【請求項1】改質剤の存在下において、ふっ素樹脂に酸
素濃度10torr以下の不活性ガス雰囲気下で、且つその
融点以上に加熱された状態で電離性放射線を照射線量
0.1KGy〜10MGyの範囲で照射してなることを
特徴とする改質ふっ素樹脂。 - 【請求項2】ふっ素樹脂に酸素濃度10torr以下の不活
性ガス雰囲気下で、且つその融点以上に加熱された状態
で電離性放射線を照射線量0.1KGy〜10MGyの
範囲で照射した後、改質剤と接触させてなることを特徴
とする改質ふっ素樹脂。 - 【請求項3】ふっ素樹脂が、テトラフルオロエチレン系
重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)系共重合体及びテトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体から選ば
れる少なくとも1種である請求項1または請求項2記載
の改質ふっ素樹脂。 - 【請求項4】改質剤が、水素、ふっ素及びふっ素化合物
から選ばれる少なくとも一種である請求項1または請求
項2記載のふっ素樹脂。
Priority Applications (1)
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JP376699A JP3624730B2 (ja) | 1998-10-22 | 1999-01-11 | 改質ふっ素樹脂 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30076698 | 1998-10-22 | ||
JP10-300766 | 1998-10-22 | ||
JP376699A JP3624730B2 (ja) | 1998-10-22 | 1999-01-11 | 改質ふっ素樹脂 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000191811A true JP2000191811A (ja) | 2000-07-11 |
JP3624730B2 JP3624730B2 (ja) | 2005-03-02 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3624730B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013199617A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Sumitomo Electric Fine Polymer Inc | 防汚フィルム |
CN115651459A (zh) * | 2022-11-09 | 2023-01-31 | 兰州空间技术物理研究所 | 一种润滑涂料、润滑涂层及其制备方法和应用 |
-
1999
- 1999-01-11 JP JP376699A patent/JP3624730B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013199617A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Sumitomo Electric Fine Polymer Inc | 防汚フィルム |
CN115651459A (zh) * | 2022-11-09 | 2023-01-31 | 兰州空间技术物理研究所 | 一种润滑涂料、润滑涂层及其制备方法和应用 |
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