JP2000190813A - シ―トベルト吊持具及びその製造方法 - Google Patents

シ―トベルト吊持具及びその製造方法

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JP2000190813A
JP2000190813A JP10371500A JP37150098A JP2000190813A JP 2000190813 A JP2000190813 A JP 2000190813A JP 10371500 A JP10371500 A JP 10371500A JP 37150098 A JP37150098 A JP 37150098A JP 2000190813 A JP2000190813 A JP 2000190813A
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burring
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不良率の低減を図ることができ、しかも廃棄
後のリサイクルが容易なシートベルト吊持具及びその製
造方法を提供することを課題としている。 【解決手段】 シートベルトSを摺動自在に吊持するシ
ートベルト吊持具10であって、前記シートベルトSを
挿通するためのシートベルト挿通孔21を有する金属板
製のベース部材20と、このベース部材20の少なくと
も裏面側を覆うように形成された樹脂製の被覆部材30
とからなり、前記ベース部材20は、前記シートベルト
挿通孔21における少なくともシートベルトSの折り返
される部分20aは、断面略C字状に形成され、このシ
ートベルトSの折り返される部分20aに対応する位置
は、シートベルトSの角部が滑らかに湾曲するように湾
曲状に形成されており、前記被覆部材30は、前記ベー
ス部材20の断面略C字状に形成されたシートベルトS
が折り返される部分20aの裏面側開口部20bを閉塞
するように形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用の
3点式シートベルトのように、繰出し可能に設けられて
いるとともに、緊急時に繰出しを停止するように設けら
れたシートベルト(ウェービングベルト)の途中部を、
折り返すようにして摺動自在に吊持するシートベルト吊
持具及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車では衝突時の乗員の安全を
図るために、腰部だけを保持する2点式のシートベルト
に加えて、乗員の胸の部分をたすき掛け状に保持する3
点式シートベルトが採用されるようになってきている。
【0003】図25(a)は3点式シートベルト70の
構成を説明する自動車1の内部の斜視図である。なお、
3点式シートベルト70は自動車1の前部座席および後
部座席の全てに取り付けられるが、説明を簡単化するた
めに、運転席2のみに設けた例で説明する。
【0004】3点式シートベルト70は、センタピラー
3の下部に設けられた第1のアンカ71と、運転席2と
助手席4との間の床部に取り付けられた第2のアンカ7
2と、センタピラー3の上部に設けられた第3のアンカ
73との3点の間に掛け渡されるようになっている。そ
して、この3点式シートベルト70は、一端が第1のア
ンカ71に取り付けられ、他端が第3のアンカ73の部
分で折り返されてセンタピラー3に内蔵されたリトラク
タ(図示せず)に巻き取られるウェービングベルトS
と、一端が第2のアンカ72に取り付けられ、他端にバ
ックル77を有する固定ベルト75とを備えている。ま
た、ウェービングベルトSの途中には、バックル77に
ロックするタング部76が設けられている。
【0005】図25(b)は第3のアンカ73に取り付
けられる従来のシートベルト吊持具78を示す斜視図で
ある。このシートベルト吊持具78は、ボルトを介して
第3のアンカ73に取り付けるためのボルト挿通孔81
と、ウェービングベルトSを挿通するための基礎孔82
図25(c)参照とを有する鋼板製(金属板製)のベー
ス部材80を備えており、このベース部材80の基礎孔
82の周囲全体は、インサート成形された合成樹脂製の
被覆部材90によって覆われている。そして、この被覆
部材90は、基礎孔82の縁部82aを覆うことによ
り、同縁部82aに沿ってウェービングベルトSを摺動
自在に挿通するためのシートベルト挿通孔91を形成す
るようになっている。
【0006】すなわち、ウェービングベルトSは、シー
トベルト挿通孔91の下面部で折り返されて、引き出し
及び引き戻しが行われるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記シート
ベルト吊持具78においては、被覆部材90がインサー
ト成形によりベース部材80に一体的に形成されるよう
になっているから、ベース部材80の厚さ等のバラツキ
によってバリが発生したり、成形する樹脂の厚さの不均
衡により部分的にヒケ(成形後の温度低下によって生じ
る収縮によるひずみ)が発生しやすく、不良率が多いと
いう欠点がある。
【0008】しかも、樹脂製の被覆部材90が鋼板製の
ベース部材80に密着するように成形されているから、
被覆部材90をベース部材80から分離するのが難し
く、廃棄後のリサイクルが困難であるという問題があ
る。
【0009】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、不良率の低減を図ることができ、し
かも廃棄後のリサイクルが容易なシートベルト吊持具及
びその製造方法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、シートベルトSを摺動自在
に吊持するシートベルト吊持具10であって、前記シー
トベルトSを挿通するためのシートベルト挿通孔21を
有する金属板製のベース部材20と、このベース部材2
0の少なくとも裏面側を覆うように形成された被覆部材
30とからなり、前記ベース部材20は、前記シートベ
ルト挿通孔21における、少なくともシートベルトSの
折り返される部分20aは、断面略C字状に形成され、
このシートベルトSの折り返される部分20aに対応す
る位置の縁部は、シートベルトSの角部が滑らかに湾曲
するように湾曲状に形成されており、前記被覆部材30
は、前記ベース部材20の断面略C字状に形成されたシ
ートベルトSが折り返される部分20aの裏面側開口部
20bを閉塞するように形成したことを特徴としてい
る。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、前記ベース部材20の、前記シートベルト
挿通孔21における、少なくともシートベルトSが折り
返される部分20aに、凹凸部20cを形成したことを
特徴としている。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求
項2に係る発明において、前記被覆部材30は、前記断
面略C字状に形成されたシートベルトSが折り返される
部分20aの裏面側開口部20bを閉塞する部分は、前
記ベース部材20のシートベルトSが折り返される部分
20aの外端縁に嵌着可能に形成したことを特徴として
いる。
【0013】請求項4に係る発明は、シートベルトSを
摺動自在に吊持するシートベルト吊持具10であって、
前記シートベルトSを挿通するためのシートベルト挿通
孔21を有する金属板製のベース部材20からなり、前
記ベース部材20は、前記シートベルト挿通孔21にお
ける少なくともシートベルトSの折り返される部分20
aは、断面略C字状に形成され、このシートベルトSの
折り返される部分20aに対応する位置の縁部は、シー
トベルトSの角部が滑らかに湾曲するように湾曲状に形
成したことを特徴としている。
【0014】請求項5に係る発明は、シートベルトSを
摺動自在に吊持するシートベルト吊持具10の製造方法
であって、シートベルトSを挿通するシートベルト挿通
孔21を有する金属板製のベース部材20を形成した
後、このベース部材20の少なくとも裏面側開口部20
bに、これを覆うように被覆部材30を設けるシートベ
ルト吊持具10の製造方法において、前記ベース部材2
0は、素材40をベース部材20の展開形態にカットす
るトリムカット工程と、このトリムカットされた素材4
0のシートベルト挿通孔該当部40bを押圧するドロー
工程と、このドロー工程によって形成された凹部40c
の周縁を裏面側に向って押圧して湾曲面21fを形成す
る湾曲面形成工程と、この湾曲面形成工程によって形成
された湾曲面21fによって囲まれた凹部40cにシー
トベルト挿通孔21を形成するピアス工程と、このピア
ス工程によって形成されたシートベルト挿通孔21をバ
ーリングすることによってシートベルト挿通孔21の周
囲を裏面側に突出せしめるバーリング工程と、このバー
リング工程によって突出されたシートベルト挿通孔21
のバーリング部40dの外周面をカールして湾曲面21
eを形成するカール工程と、このカール工程後、素材4
0をクランプしていたクランプ部40aをベース部材2
0の最終形状にトリミングカットすると共に、シートベ
ルト吊持具10を車体側に取り付けるための取付孔22
をピアスする取付孔ピアス工程の各工程の結合を特徴と
している。
【0015】請求項6に係る発明は、シートベルトSを
摺動自在に吊持するシートベルト吊持具10の製造方法
であって、シートベルトSを挿通するシートベルト挿通
孔21を有する金属板製のベース部材20を形成した
後、このベース部材20の少なくとも裏面側開口部20
bに、これを覆うように被覆部材30を設けるシートベ
ルト吊持具10の製造方法において、前記ベース部材2
0は、素材40をベース部材20の展開形態にカットす
るトリムカット工程と、このトリムカットされた素材4
0のシートベルト挿通孔該当部40bを押圧する第1ド
ロー工程と、この第1ドロー工程によって形成された凹
部40cをさらに押圧する第2ドロー工程と、この第2
ドロー工程によって形成された凹部40cの周縁を裏面
側に向って押圧して湾曲面21fを形成する湾曲面形成
工程と、この湾曲面形成工程によって形成された湾曲面
21fによって囲まれた凹部40cにシートベルト挿通
孔21を形成するピアス工程と、このピアス工程によっ
て形成されたシートベルト挿通孔21をバーリングする
ことによってシートベルト挿通孔21の周囲を裏面側に
突出せしめるバーリング工程と、このバーリング工程に
よって突出されたシートベルト挿通孔21のバーリング
部40dの外周面を周囲方向に向って折り曲げる面打ち
工程と、この面打ち工程によって形成された折曲部40
eをカールして湾曲面21eを形成するカール工程と、
このカール工程後、素材40をクランプしていたクラン
プ部40aをベース部材20の最終形状にトリミングカ
ットすると同時に、シートベルト吊持具10を車体側に
取り付けるための取付孔22をピアスする取付孔ピアス
工程と、この取付孔ピアス工程によって開口された取付
孔22をバーリングして取付孔22の周囲に補強リング
部22aを形成する取付孔バーリング工程、の各工程の
結合を特徴としている。
【0016】請求項7に係る発明は、シートベルトSを
摺動自在に吊持するシートベルト吊持具10を構成する
金属板製のベース部材20の製造方法であって、前記ベ
ース部材20は、素材40をベース部材20の展開形態
にカットするトリムカット工程と、このトリムカットさ
れた素材40のシートベルト挿通孔該当部40bを押圧
するドロー工程と、このドロー工程によって形成された
凹部40cの周縁を裏面側に向って押圧して湾曲面21
fを形成する湾曲面形成工程と、この湾曲面形成工程に
よって形成された湾曲面21fによって囲まれた凹部4
0cにシートベルト挿通孔21を形成するピアス工程
と、このピアス工程によって形成されたシートベルト挿
通孔21をバーリングすることによってシートベルト挿
通孔21の周囲を裏面側に突出せしめるバーリング工程
と、このバーリング工程によって突出されたシートベル
ト挿通孔21のバーリング部40dの外周面をカールし
て湾曲面21eを形成するカール工程と、このカール工
程後、素材40をクランプしていたクランプ部40aを
ベース部材20の最終形状にトリミングカットすると共
に、シートベルト吊持具10を車体側に取り付けるため
の取付孔22をピアスする取付孔ピアス工程の各工程の
結合を特徴としている。
【0017】請求項8に係る発明は、シートベルトSを
摺動自在に吊持するシートベルト吊持具10を構成する
金属板製のベース部材20の製造方法であって、前記ベ
ース部材20は、素材40をベース部材20の展開形態
にカットするトリムカット工程と、このトリムカットさ
れた素材40のシートベルト挿通孔該当部40bを押圧
する第1ドロー工程と、この第1ドロー工程によって形
成された凹部40cをさらに押圧する第2ドロー工程
と、この第2ドロー工程によって形成された凹部40c
の周縁を裏面側に向って押圧して湾曲面21fを形成す
る湾曲面形成工程と、この湾曲面形成工程によって形成
された湾曲面21fによって囲まれた凹部40cにシー
トベルト挿通孔21を形成するピアス工程と、このピア
ス工程によって形成されたシートベルト挿通孔21をバ
ーリングすることによってシートベルト挿通孔21の周
囲を裏面側に突出せしめるバーリング工程と、このバー
リング工程によって突出されたシートベルト挿通孔21
のバーリング部40dの外周面を周囲方向に向って折り
曲げる面打ち工程と、この面打ち工程によって形成され
た折曲部40eをカールして湾曲面21eを形成するカ
ール工程と、このカール工程後、素材40をクランプし
ていたクランプ部40aをベース部材20の最終形状に
トリミングカットすると同時に、シートベルト吊持具1
0を車体側に取り付けるための取付孔22をピアスする
取付孔ピアス工程と、この取付孔ピアス工程によって開
口された取付孔22をバーリングして取付孔22の周囲
に補強リング部22aを形成する取付孔バーリング工
程、の各工程の結合を特徴としている。
【0018】請求項9に係る発明は、前記ドロー工程に
おいて、シートベルト挿通孔21の、少なくともシート
ベルトSが折り返される部分20bに凹凸部20cを形
成するようにしたことを特徴としている。
【0019】そして、上記のように構成された請求項1
に係る発明によれば、ベース部材20のシートベルトS
の折り返される部分20aに対応する位置が、シートベ
ルトSの角部が滑らかに湾曲するように曲面状に形成さ
れているので、シートベルトSに作用する面圧を小さく
することができ、シートベルトSの耐久性を向上させる
ことができると共に、ベース部材20の板厚を薄くして
軽量化及びコストの低減化を図ることができる。
【0020】また、被覆部材30は、ベース部材20の
シートベルトSの折り返される部分20aの裏面側開口
部20bを閉塞するようにベース部材20に取り付けら
れているので、被覆部材30をインサート成形によらず
ベース部材20とは別個に成形することができる。すな
わち、インサート成形に起因するバリの発生を防止する
ことができる。
【0021】さらに、被覆部材30はインサート成形で
は不可能な複雑な形状にも構成することができるから、
意匠上のデザインや設計等の自由度の向上を図ることが
できる。
【0022】請求項2に係る発明によれば、ベース部材
20のシートベルトSの折り返される部分20aに形成
した凹凸部20bにより、部分20aとシートベルトS
との接触面積が増大し、この結果、縁部からシートベル
トSに作用する面圧をさらに小さくすることができ、シ
ートベルトSの耐久性をさらに向上させることができ
る。さらに、凹凸部20cにより断面係数を大きくする
ことができるので、ベース部材20の板厚をさらに薄く
することができ、ベース部材20の軽量化及びコストの
低減化をさらに図ることができる。
【0023】請求項3に係る発明によれば、被覆部材3
0をベース部材20から取り外そうと思えば、この被覆
部材30をベース部材20から容易に取り外すことがで
きるので、廃棄後のリサイクルが容易であるという利点
がある。
【0024】請求項5〜請求項8に係る発明によれば、
ベース部材20のシートベルトSが折り返される部分2
0aに対応する位置を、シートベルトSの角度が滑らか
に湾曲するように大きな曲率半径を有する湾曲面に形成
することができるので、シートベルトSに作用する面圧
を小さくすることができ、シートベルトSの耐久性を向
上させることができると共に、ベース部材20の板厚を
薄くして軽量化及びコストの低減化を図ることができ
る。
【0025】請求項9に係る発明によれば、請求項2に
係る発明と同様の作用効果を奏する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づき図面を参照して説明する。なお、図1〜図2
3は第1実施例、図24は第2実施例を示しており、図
25に示す従来例の構成要素と共通する構成要素には同
一の符号を付し、その説明は省略する。
【0027】この第1実施例で示すシートベルト吊持具
10は、ウェービングベルト(シートベルト)Sを摺動
自在に吊持するものであって、シートベルトSを挿通す
るためのシートベルト挿通孔21を有する金属板製のベ
ース部材20と、このベース部材20の少なくとも裏面
側を覆うように形成された樹脂製の被覆部材30とから
なっている。
【0028】そして、ベース部材20は、シートベルト
挿通孔21における少なくともシートベルトSの折り返
される部分20aは、断面略C字状に形成され、このシ
ートベルトSの折り返される部分20aに対応する位置
の縁部は、シートベルトSの角部が滑らかに湾曲するよ
うに湾曲状に形成されている。
【0029】また、被覆部材30は、ベース部材20の
断面略C字状に形成されたシートベルトSが折り返され
る部分の20aの裏面側開口部20bを閉塞するように
形成されている。
【0030】以下、上記シートベルト吊持具10の構成
を詳細に説明する。
【0031】ベース部材20は、厚さ3mm程度の高張
力鋼板(金属板)材を打ち抜いて、プレス加工により成
形されており、図1にし示すように、取付部20Aと、
シートベルト保持部20Bとから構成されている。
【0032】取付部20Aには、シートベルト吊持具1
0を車体のセンタピラー3側(図25(a)参照)に取
り付けるための取付孔22が開けられており、この取付
孔22の縁部は、バーリング加工により裏面側に突出し
た補強リング部22aにより補強されている。
【0033】シートベルト保持部20Bには、シートベ
ルトSを挿通するための長孔状のシートベルト挿通孔2
1が開けられており、このシートベルト挿通孔21は、
図5に示すように、互いに対向する円弧状の長縁部21
a及び直線状の長縁部21bと、これらの長縁部21
a,21bの両端部に対して連続するように形成された
円弧状の短縁部21c,21dとによって形成されてい
る。そして、このシートベルト挿通孔21の下方の長縁
部21bと両短縁部21c,21dはバーリング加工に
より裏面側に向って突出しており、このバーリング部の
外周面は、カール加工により湾曲面21eを形成してい
る。
【0034】また、シートベルト保持部20Bの周縁に
は、裏面側に向って湾曲した湾曲面21fが湾曲面21
eに連続して形成されており、この湾曲面21fと湾曲
面21eとにより断面略C字状のシートベルトSの折り
返される部分20aが形成されている。すなわち、この
シートベルトSの折り返される部分20aは、シートベ
ルトSの折り返す方向に沿って湾曲する曲面状に形成さ
れている。
【0035】被覆部材30は、ベース部材20の断面略
C字状に形成されたシートベルトSが折り返される部分
20aの裏面側開口部20bを閉塞するように形成され
ており、以下被覆部材30の詳細な構成について説明す
る。
【0036】被覆部材30は、強度的に優れ、かつシー
トベルトSに対する摩擦係数の小さな樹脂材(例えば、
ポリアミド、ポリアセタール)で形成されており、ベー
ス部材20の裏面側開口部20bと対応する位置にある
摺動支持部31と、この摺動支持部31に連続してベー
ス部材20の裏面側に沿って配置されたカバー部32
と、このカバー部32にゲート33を介して一体に形成
された取付ボルトカバー部34とから構成されている。
この取付ボルトカバー部34は、ベース部材20の裏面
側から上端縁部を覆って表面側に回り込むように形成さ
れている。
【0037】摺動支持部31は、シートベルトSの折り
返される部分20aの裏面側開口部20bを閉塞するよ
うに配置されており、シートベルト挿通孔21側の摺動
支持部31には、図2に示すように、ベース部材20の
シートベルト挿通孔21側の湾曲部21eの外端縁及び
シートベルト保持部20Bの周縁側の湾曲面21fの外
端縁に嵌着する係合溝31c,31dを有する係合部3
1a,31bが形成されている。そして、係合部31a
と係合部31bとの間は薄肉のリム部31gによって連
結されている。
【0038】カバー部32には、シートベルト挿通孔2
1と対応する位置に、シートベルト挿通孔21より大き
い貫通孔32aが形成されており、この貫通孔32aの
ベース部材20の長縁部21a側に、この長縁部21a
の縁面と係合する係合部32bが折曲して形成されてい
る。
【0039】さらに、カバー部32には、ベース部材2
0の取付孔22外周面に挿入される挿入孔32c及び被
覆部材30の取付ボルトカバー部34をベース部材20
の取付部20Aに固定するための取付ピン35を挿入す
るための2個の取付孔32dが形成されている。
【0040】取付ボルトカバー部34は、ベース部材2
0をセンタピラー3側に固定する取付ボルト36を覆う
ように形成されており、取付ピン35を挿入するための
2個の取付孔34aがカバー部32の取付孔32dと対
応する位置に形成されている。
【0041】そして、被覆部材30をベース部材20に
取り付けるに際しては、摺動支持部31の係合部31b
をベース部材20の湾曲面21fの外端縁に係合させた
後、リム部31gを撓ませるようにして摺動支持部31
の係合部31aを湾曲面21eの外端縁に係合させる。
このように、薄肉のリム部31gが撓むことによって被
覆部材30の摺動支持部31をベース部材20に強固に
取り付けることができる。
【0042】このようにして、被覆部材30が取り付け
られたベース部材20を取付ボルト36及びナット37
によって車体のセンタピラー3側に取り付けた後、取付
ボルトカバー部34をベース部材20の上端縁部に沿っ
てベース部材の表面側に折り曲げ、取付ボルトカバー部
34によって取付ボルト36の頭部をカバーした後、取
付ピン35によりカバー部32と共にベース部材20に
固定する。
【0043】つぎに、上記実施例で示したシートベルト
吊持具10の製造方法について説明する。
【0044】シートベルトSを摺動自在に吊持するシー
トベルト吊持具10の製造方法は、シートベルトSを挿
通するシートベルト挿通孔21を有する金属板製のベー
ス部材20を形成した後、このベース部材20の少なく
とも裏面側開口部20bに、これを覆うように被覆部材
30を設けている。
【0045】そして、ベース部材20は、高張力鋼を用
いて冷間加工により成形することが好ましく、図3〜図
23を参照してベース部材20を冷間加工する工程を説
明する。なお、図3は、ベース部材20の製造工程正面
図、図4は、ベース部材20の製造工程の背面図、図5
〜図14のベース部材の各製造工程の斜視図、図15〜
図23はベース部材の各製造工程の断面図である。
【0046】ベース部材20の素材となるコイル状に巻
かれた厚さ3mm程度の高張力鋼板40が平面状に修正
されながら、逐次プレス機械に送り込まれ、ついで、図
3及び図4に示す各工程の作業を自動連続的に遂行する
一式のプレス機械によって製造される。
【0047】まず、トリムカット工程として、図3
(a)、図4(a)図5に示すように、素材40をベー
ス部材20の展開形態にカットする。この際、素材40
をクランプするためのクランプ部40aを一体的にカッ
トする。
【0048】次に、第1ドロー工程として、図3
(b)、図4(b)、図6及び図15に示すように、ト
リムカットされた素材40のシートベルト挿通孔該当部
40bを押圧して凹部40cを形成する。
【0049】次に、第2ドロー工程として、図3
(c),図4(c),図7及び図16に示すように、第
1ドーロー工程によって形成された凹部40cをさらに
押圧する。このように、ドロー工程を第1と第2の2工
程に分割することによって素材40に加わる押圧荷重を
可及的に小さくすることができ、素材40の亀裂を防ぐ
ことができると共に、金型の破損を防ぎ、金型の耐久性
を向上させることができる。
【0050】次に、湾曲面形成工程として、図3
(d)、図4(d)、図8及び図17に示すように、第
2ドロー工程によって形成された凹部40cの周縁を裏
面側に向って押圧して円弧状の湾曲面21fを形成す
る。
【0051】次に、ピアス工程として、図3(e)、図
4(e)、図9及び図18に示すように、湾曲面形成工
程によって形成された湾曲面21fによって囲まれた凹
部40cにシートベルト挿通孔21を形成する。
【0052】次に、バーリング工程として、図3
(f)、図3(f)、図10及び図19に示すように、
ピアス工程によって形成されたシートベルト挿通孔21
をバーリングすることによってシートベルト挿通孔21
の周囲を裏面側に突出せしめる。
【0053】次に、面打ち工程として、図3(g)、図
3(g)、図11及び図20に示すように、バーリング
工程によって突出されたバーリング部40dの外周面を
周囲方向に向って打ち曲げ折曲部40eを形成する。
【0054】次に、カール工程として、図3(h)、図
4(h)、図12及び図21に示すように、面打ち工程
によって形成された折曲部40eをカールして湾曲面2
1eを形成する。このように湾曲面形成工程、ピアス工
程、バーリング工程、面打ち工程及びカール工程の一連
の作業によって、シートベルト挿通孔21における少な
くともシートベルトSの折り返される部分20aは、湾
曲面21eと湾曲面21fとにより断面略C字状に形成
され、シートベルトSの折り返される部分20aに対応
する位置の縁部は、シートベルトSが滑らかに湾曲する
ように湾曲状に形成されている。これによって、シート
ベルトSの角部がシートベルト挿通孔21を摺動すると
きの面圧を大幅に小さくすることができ、シートベルト
Sの耐久性を向上させることができる。
【0055】次に取付孔ピアス工程として、図3
(i),図4(i)、図13及び図22に示すように、
カール工程後、素材40をクランプしていたクランプ部
40aをベース部材20の最終形状にトリミングカット
すると同時に、シートベルト吊持具10を車体のセンタ
ピラー3側に取り付けるための取付孔22をピアスす
る。
【0056】最後に、取付孔バーリング工程として、図
3(j),図4(j)、図14及び図23に示すよう
に、取付孔ピアス工程によって開口された取付孔22を
バーリングして取付孔22の周囲に補強リング部22a
を形成し、これによって、ベース部材20が完成する。
【0057】そして、上記のように構成されたシートベ
ルト吊持具10によれば、ベース部材20のシートベル
トSの折り返される部分20aに対応する位置の縁部
が、シートベルトSり角部が滑らかに湾曲するように曲
面状に形成されているので、シートベルトSに作用する
面圧を小さくすることができ、シートベルトSの耐久性
を向上させることができると共に、ベース部材20の板
厚を薄くして軽量化及びコストの低減化を図ることがで
きる。
【0058】また、被覆部材30は、ベース部材20の
シートベルトSの折り返される部分20aの裏面側開口
部20bを閉塞するようベース部材20に取り付けられ
ているので、被覆部材30をインサート成形によらずベ
ース部材20とは別個に成形することができる。すなわ
ち、インサート成形に起因するバリの発生を防止するこ
とができる。
【0059】さらに、被覆部材30はインサート成形で
は不可能な複雑な形状にも構成することができるから、
意匠上のデザインや設計等の自由度の向上を図ることが
できる。また、被覆部材30をベース部材20から取り
外そうと思えば、この被覆部材30をベース部材20か
ら容易に外すことができるので、廃棄後のリサイクルが
容易であるという利点がある。
【0060】また、上述したシートベルト吊持具10の
製造方法によれば、ベース部材20のシートベルトSが
折り返される部分20aに対応する位置の縁部を、湾曲
面形成工程、ピアス工程、バーリング工程、面打ち工程
及びカール工程によってシートベルトSの角部が滑らか
に湾曲するように大きな曲率半径を有する湾曲面に形成
することができるので、シートベルトSに作用する面圧
を小さくすることができ、シートベルトSの耐久性を向
上させることができると共に、ベース部材20の板厚を
薄くして軽量化及びコストの低減化を図ることができ
る。
【0061】次に、この発明の第2実施例を図24を参
照して説明する。ただし、第1実施例の構成要素と共通
する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0062】この第2実施例では、ベース部材20のシ
ートベルト挿通孔21における少なくともシートベルト
Sが折り返される部分20aに、凹凸部、例えば4条の
凹凸部20cが形成されており、この凹凸部20cは、
第2ドロー工程において形成する。その構成は、第1実
施例に示すものと同様であり、図示は省略する。
【0063】この第2実施例によれば、ベース部材20
のシートベルトSの折り返される部分20aに形成した
凹凸部20cにより、部分20aの縁部とシートベルト
Sとの接触面積が増大し、この結果、縁部からシートベ
ルトSに作用する面圧をさらに小さくすることができ、
シートベルトSの耐久性をさらに向上させることができ
る。さらに、凹凸部20cにより断面係数を大きくする
ことができるので、ベース部材20の板厚をさらに薄く
することができ、ベース部材20の軽量化及びコストの
低減化をより一層図ることができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、ベース部材20のシートベルトSの折り返
される部分20aに対応する位置が、シートベルトSの
角部が滑らかに湾曲するように曲面状に形成されている
ので、シートベルトSに作用する面圧を小さくすること
ができ、シートベルトSの耐久性を向上させることがで
きると共に、ベース部材20の板厚を薄くして軽量化及
びコストの低減化を図ることができる。
【0065】また、被覆部材30は、ベース部材20の
シートベルトSの折り返される部分20aの裏面側開口
部20bを閉塞するようにベース部材20に取り付けら
れているので、被覆部材30をインサート成形によらず
ベース部材20とは別個に成形することができる。すな
わち、インサート成形に起因するバリの発生を防止する
ことができる。
【0066】さらに、被覆部材30はインサート成形で
は不可能な複雑な形状にも構成することができるから、
意匠上のデザインや設計等の自由度の向上を図ることが
できる。
【0067】請求項2に係る発明によれば、ベース部材
20のシートベルトSの折り返される部分20aとシー
トベルトSとの接触面積が増大し、この結果、縁部から
シートベルトSに作用する面圧をさらに小さくすること
ができ、シートベルトSの耐久性をさらに向上させるこ
とができる。さらに、凹凸部20cにより断面係数を大
きくすることができるので、ベース部材20の板厚をさ
らに薄くすることができ、ベース部材20の軽量化及び
コストの低減化をより一層図ることができる。
【0068】請求項3に係る発明によれば、被覆部材3
0をベース部材20から取り外そうと思えば、この被覆
部材30をベース部材20から容易に取り外すことがで
きるので、廃棄後のリサイクルが容易であるという利点
がある。
【0069】請求項5〜請求項8に係る発明によれば、
ベース部材20のシートベルトSが折り返される部分2
0aに対応する位置を、シートベルトSの角度が滑らか
に湾曲するように大きな曲率半径を有する湾曲面に形成
することができるので、シートベルトSに作用する面圧
を小さくすることができ、シートベルトSの耐久性を向
上させることができると共に、ベース部材20の板厚を
薄くして軽量化及びコストの低減化を図ることができ
る。
【0070】請求項9に係る発明によれば、請求項2に
係る発明と同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例として示したシートベルト
吊持具の正面図。
【図2】シートベルト吊持具をセンタピラー側に取付け
た状を示す側断面図。
【図3】同ベース部材の各製造工程の正面図。
【図4】同ベース部材の各製造工程の背面図。
【図5】同ベース部材のトリムカット工程の斜視図。
【図6】同ベース部材の第1ドロー工程を説明する図で
あって、(a)は正面側を一部破断して示す斜視図、
(b)は背面側を示す斜視図。
【図7】同ベース部材の第2ドロー工程を説明する図で
あって、(a)は正面側を一部破断して示す斜視図、
(b)は背面側を示す斜視図。
【図8】同ベース部材の湾曲面形成工程を説明する図で
あって、(a)は正面側を一部破断して示す斜視図、
(b)は背面側を示す斜視図。
【図9】同ベース部材のピアス工程を説明する図であっ
て、(a)は正面側を一部破断して示す斜視図、(b)
は背面側を示す斜視図。
【図10】同ベース部材のバーリング工程を説明する図
であって、(a)は正面側を一部破断して示す斜視図、
(b)は背面側を示す斜視図。
【図11】同ベース部材の面打ち工程を説明する図であ
って、(a)は正面側を一部破断して示す斜視図、
(b)は背面側を示す斜視図。
【図12】同ベース部材のカール工程を説明する図であ
って、(a)は正面側を一部破断して示す斜視図、
(b)は背面側を示す斜視図。
【図13】同ベース部材の取付孔ピアス工程を説明する
図であって、(a)は正面側を一部破断して示す斜視
図、(b)は背面側を示す斜視図。
【図14】同ベース部材の取付孔バーリング工程を説明
する図であって、(a)は正面側を一部破断して示す斜
視図、(b)は背面側を示す斜視図。
【図15】同図3(b)のXV−XV矢視断面図。
【図16】同図3(c)のXVI−XVI矢視断面図。
【図17】同図3(d)のXVII−XVII矢視断面図。
【図18】同図3(e)のXVIII−XVIII矢視断面図。
【図19】同図3(f)のXIX−XIX矢視断面図。
【図20】同図3(g)のXX−XX矢視断面図。
【図21】同図3(h)のXXI−XXI矢視断面図。
【図22】同図3(i)のXXII −XXII矢視断面図。
【図23】同図3(j)のXXIII−XXIII矢視断面図。
【図24】本発明の第2実施例としてシートベルト吊持
具のベース部材を説明する図であって、(a)は正面側
を一部破断して示す斜視図、(b)は背面側を示す斜視
図。
【図25】3点式シートベルトの構成を説明する図であ
って、(a)は同3点式シートベルトの全体の構成を示
す斜視図、(b)は従来のシートベルト吊持具を示す斜
視図、(c)は(b)のX −X 矢視断面図。
【符号の説明】
10 シートベルト吊持具 20 ベース部材 20a シートベルトの折り返される部分 20b 裏面側開口部 20c 凹凸部 20e 湾曲面 21 シートベルト挿通孔 21f 湾曲面 22 取付孔 22a 補強リング部 30 被覆部材 40 素材 40a クランプ部 40b シートベルト挿通孔該当部 40c 凹部 40d バーリング部 40e 折曲部 S シートベルト
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月14日(2000.2.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】図25(b)は第3のアンカ73に取り付
けられる従来のシートベルト吊持具78を示す斜視図で
ある。このシートベルト吊持具78は、ボルトを介して
第3のアンカ73に取り付けるためのボルト挿通孔81
と、ウェービングベルトSを挿通するための基礎孔82
図25(c)参照とを有する鋼板製(金属板製)の
ベース部材80を備えており、このベース部材80の基
礎孔82の周囲全体は、インサート成形された合成樹脂
製の被覆部材90によって覆われている。そして、この
被覆部材90は、基礎孔82の縁部82aを覆うことに
より、同縁部82aに沿ってウェービングベルトSを摺
動自在に挿通するためのシートベルト挿通孔91を形成
するようになっている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、シートベルトSを摺動自在
に吊持するシートベルト吊持具10であって、前記シー
トベルトSを挿通するためのシートベルト挿通孔21を
有する金属板製のベース部材20と、このベース部材2
0の少なくとも裏面側を覆うように形成された樹脂製の
被覆部材30とからなり、前記ベース部材20は、平板
状の素材40のシートベルト挿通孔該当部40bを押圧
して凹部40cを形成し、この凹部40cにシートベル
ト挿通孔21を形成し、このシートベルト挿通孔21の
周囲を裏側に曲げることにより裏側に突出するバーリン
グ部40dを形成し、このバーリング部40dの外周面
をカールして湾曲面21eを形成し、一方前記凹部の周
縁を裏側に向かって押圧することによって湾曲面21f
を形成することによって、前記シートベルト挿通孔21
における少なくともシートベルトSの折り返される部分
20aがシートベルトSを滑らかに湾曲させる断面略C
字状の曲面状に形成され、前記被覆部材30は、前記ベ
ース部材20の断面略C字状に形成されたシートベルト
Sが折り返される部分20aの裏面側開口部20bを閉
塞するように形成され、かつベース部材20に対して取
り外し可能に取り付けられていることを特徴としてい
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】請求項4に係る発明は、シートベルトSを
摺動自在に吊持するシートベルト吊持具10であって、
前記シートベルトSを挿通するためのシートベルト挿通
孔21を有する金属板製のベース部材20からなり、前
記ベース部材20は、平板状の素材40のシートベルト
挿通孔該当部40bを押圧して凹部40cを形成し、こ
の凹部40cにシートベルト挿通孔21を形成し、この
シートベルト挿通孔21の周囲を裏側に曲げることによ
り裏側に突出するバーリング部40dを形成し、このバ
ーリング部40dの外周面をカールして湾曲面21eを
形成し、一方前記凹部の周縁を裏側に向かって押圧する
ことによって湾曲面21fを形成することによって、
記シートベルト挿通孔21における少なくともシートベ
ルトSの折り返される部分20aがシートベルトSを
らかに湾曲させる断面略C字状の曲面状に形成されてい
ことを特徴としている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】そして、上記のように構成された請求項1
に係る発明によれば、ベース部材20のシートベルトS
の折り返される部分20aに対応する位置が、シートベ
ルトSが滑らかに湾曲するように断面略C字状の曲面状
に形成されているので、シートベルトSに作用する面圧
を小さくすることができ、シートベルトSの耐久性を向
上させることができると共に、ベース部材20の板厚を
薄くして軽量化及びコストの低減化を図ることができ
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、被覆部材30は、ベース部材20の
シートベルトSの折り返される部分20aの裏面側開口
部20bを閉塞するようにベース部材20に対して取り
外し可能に取り付けられているので、被覆部材30をイ
ンサート成形によらずベース部材20とは別個に成形す
ることができる。すなわち、インサート成形に起因する
バリの発生を防止することができる。また、被覆部材3
0を分離することができるので、廃棄後のリサイクルが
容易である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】シートベルト保持部20Bには、シートベ
ルトSを挿通するための長孔状のシートベルト挿通孔2
1が開けられており、このシートベルト挿通孔21は、
に示すように、互いに対向する円弧状の長縁部21
a及び直線状の長縁部21bと、これらの長縁部21
a,21bの両端部に対して連続するように形成された
円弧状の短縁部21c,21dとによって形成されてい
る。そして、このシートベルト挿通孔21の下方の長縁
部21bと両短縁部21c,21dはバーリング加工に
より裏面側に向って突出しており、このバーリング部の
外周面は、カール加工により湾曲面21e(図2)を形
成している。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、ベース部材20のシートベルトSの折り返
される部分20aに対応する位置が、シートベルトSが
滑らかに湾曲するように断面略C字状の曲面状に形成さ
れているので、シートベルトSに作用する面圧を小さく
することができ、シートベルトSの耐久性を向上させる
ことができると共に、ベース部材20の板厚を薄くして
軽量化及びコストの低減化を図ることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】また、被覆部材30は、ベース部材20の
シートベルトSの折り返される部分20aの裏面側開口
部20bを閉塞するようにベース部材20に対して取り
外し可能に取り付けられているので、被覆部材30をイ
ンサート成形によらずベース部材20とは別個に成形す
ることができる。すなわち、インサート成形に起因する
バリの発生を防止することができる。また、被覆部材3
0を分離することができるので、廃棄後のリサイクルが
容易である。
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートベルトSを摺動自在に吊持するシ
    ートベルト吊持具10であって、 前記シートベルトSを挿通するためのシートベルト挿通
    孔21を有する金属板製のベース部材20と、 このベース部材20の少なくとも裏面側を覆うように形
    成された被覆部材30とからなり、 前記ベース部材20は、前記シートベルト挿通孔21に
    おける少なくともシートベルトSの折り返される部分2
    0aは、断面略C字状に形成され、このシートベルトS
    の折り返される部分20aに対応する位置の縁部は、シ
    ートベルトSの角部が滑らかに湾曲するように湾曲状に
    形成されており、 前記被覆部材30は、前記ベース部材20の断面略C字
    状に形成されたシートベルトSが折り返される部分20
    aの裏面側開口部20bを閉塞するように形成したこと
    を特徴とするシートベルト吊持具。
  2. 【請求項2】 前記ベース部材20の、前記シートベル
    ト挿通孔21における、少なくともシートベルトSが折
    り返される部分20aに、凹凸部20cを形成したこと
    を特徴とする請求項1記載のシートベルト吊持具。
  3. 【請求項3】 前記被覆部材30は、前記断面略C字状
    に形成されたシートベルトSが折り返される部分20a
    の裏面側開口部20bを閉塞する部分は、前記ベース部
    材20のシートベルトSが折り返される部分20aの外
    端縁に嵌着可能に形成したことを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載のシートベルト吊持具。
  4. 【請求項4】 シートベルトSを摺動自在に吊持するシ
    ートベルト吊持具10であって、 前記シートベルトSを挿通するためのシートベルト挿通
    孔21を有する金属板製のベース部材20からなり、 前記ベース部材20は、前記シートベルト挿通孔21に
    おける少なくともシートベルトSの折り返される部分2
    0aは、断面略C字状に形成され、このシートベルトS
    の折り返される部分20aに対応する位置の縁部は、シ
    ートベルトSの角部が滑らかに湾曲するように湾曲状に
    形成したことを特徴とするシートベルト吊持具。
  5. 【請求項5】 シートベルトSを摺動自在に吊持するシ
    ートベルト吊持具10の製造方法であって、シートベル
    トSを挿通するシートベルト挿通孔21を有する金属板
    製のベース部材20を形成した後、このベース部材20
    の少なくとも裏面側開口部20bに、これを覆うように
    被覆部材30を設けるシートベルト吊持具10の製造方
    法において、 前記ベース部材20は、 素材40をベース部材20の展開形態にカットするトリ
    ムカット工程と、 このトリムカットされた素材40のシートベルト挿通孔
    該当部40bを押圧するドロー工程と、 このドロー工程によって形成された凹部40cの周縁を
    裏面側に向って押圧して湾曲面21fを形成する湾曲面
    形成工程と、 この湾曲面形成工程によって形成された湾曲面21fに
    よって囲まれた凹部40cにシートベルト挿通孔21を
    形成するピアス工程と、 このピアス工程によって形成されたシートベルト挿通孔
    21をバーリングすることによってシートベルト挿通孔
    21の周囲を裏面側に突出せしめるバーリング工程と、 このバーリング工程によって突出されたシートベルト挿
    通孔21のバーリング部40dの外周面をカールして湾
    曲面21eを形成するカール工程と、 このカール工程後、素材40をクランプしていたクラン
    プ部40aをベース部材20の最終形状にトリミングカ
    ットすると共に、シートベルト吊持具10を車体側に取
    り付けるための取付孔22をピアスする取付孔ピアス工
    程の各工程の結合を特徴とするシートベルト吊持具の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 シートベルトSを摺動自在に吊持するシ
    ートベルト吊持具10の製造方法であって、シートベル
    トSを挿通するシートベルト挿通孔21を有する金属板
    製のベース部材20を形成した後、このベース部材20
    の少なくとも裏面側開口部20bに、これを覆うように
    被覆部材30を設けるシートベルト吊持具10の製造方
    法において、 前記ベース部材20は、 素材40をベース部材20の展開形態にカットするトリ
    ムカット工程と、 このトリムカットされた素材40のシートベルト挿通孔
    該当部40bを押圧する第1ドロー工程と、 この第1ドロー工程によって形成された凹部40cをさ
    らに押圧する第2ドロー工程と、 この第2ドロー工程によって形成された凹部40cの周
    縁を裏面側に向って押圧して湾曲面21fを形成する湾
    曲面形成工程と、 この湾曲面形成工程によって形成された湾曲面21fに
    よって囲まれた凹部40cにシートベルト挿通孔21を
    形成するピアス工程と、 このピアス工程によって形成されたシートベルト挿通孔
    21をバーリングすることによってシートベルト挿通孔
    21の周囲を裏面側に突出せしめるバーリング工程と、 このバーリング工程によって突出されたシートベルト挿
    通孔21のバーリング部40dの外周面を周囲方向に向
    って折り曲げる面打ち工程と、 この面打ち工程によって形成された折曲部40eをカー
    ルして湾曲面21eを形成するカール工程と、 このカール工程後、素材40をクランプしていたクラン
    プ部40aをベース部材20の最終形状にトリミングカ
    ットすると同時に、シートベルト吊持具10を車体側に
    取り付けるための取付孔22をピアスする取付孔ピアス
    工程と、 この取付孔ピアス工程によって開口された取付孔22を
    バーリングして取付孔22の周囲に補強リング部22a
    を形成する取付孔バーリング工程、の各工程の結合を特
    徴とするシートベルト吊持具の製造方法。
  7. 【請求項7】 シートベルトSを摺動自在に吊持するシ
    ートベルト吊持具10を構成する金属板製のベース部材
    20の製造方法であって、 前記ベース部材20は、 素材40をベース部材20の展開形態にカットするトリ
    ムカット工程と、 このトリムカットされた素材40のシートベルト挿通孔
    該当部40bを押圧するドロー工程と、 このドロー工程によって形成された凹部40cの周縁を
    裏面側に向って押圧して湾曲面21fを形成する湾曲面
    形成工程と、 この湾曲面形成工程によって形成された湾曲面21fに
    よって囲まれた凹部40cにシートベルト挿通孔21を
    形成するピアス工程と、 このピアス工程によって形成されたシートベルト挿通孔
    21をバーリングすることによってシートベルト挿通孔
    21の周囲を裏面側に突出せしめるバーリング工程と、 このバーリング工程によって突出されたシートベルト挿
    通孔21のバーリング部40dの外周面をカールして湾
    曲面21eを形成するカール工程と、 このカール工程後、素材40をクランプしていたクラン
    プ部40aをベース部材20の最終形状にトリミングカ
    ットすると共に、シートベルト吊持具10を車体側に取
    り付けるための取付孔22をピアスする取付孔ピアス工
    程の各工程の結合を特徴とするシートベルト吊持具の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 シートベルトSを摺動自在に吊持するシ
    ートベルト吊持具10を構成する金属板製のベース部材
    20の製造方法であって、 前記ベース部材20は、 素材40をベース部材20の展開形態にカットするトリ
    ムカット工程と、 このトリムカットされた素材40のシートベルト挿通孔
    該当部40bを押圧する第1ドロー工程と、 この第1ドロー工程によって形成された凹部40cをさ
    らに押圧する第2ドロー工程と、 この第2ドロー工程によって形成された凹部40cの周
    縁を裏面側に向って押圧して湾曲面21fを形成する湾
    曲面形成工程と、 この湾曲面形成工程によって形成された湾曲面21fに
    よって囲まれた凹部40cにシートベルト挿通孔21を
    形成するピアス工程と、 このピアス工程によって形成されたシートベルト挿通孔
    21をバーリングすることによってシートベルト挿通孔
    21の周囲を裏面側に突出せしめるバーリング工程と、 このバーリング工程によって突出されたシートベルト挿
    通孔21のバーリング部40dの外周面を周囲方向に向
    って折り曲げる面打ち工程と、 この面打ち工程によって形成された折曲部40eをカー
    ルして湾曲面21eを形成するカール工程と、 このカール工程後、素材40をクランプしていたクラン
    プ部40aをベース部材20の最終形状にトリミングカ
    ットすると同時に、シートベルト吊持具10を車体側に
    取り付けるための取付孔22をピアスする取付孔ピアス
    工程と、 この取付孔ピアス工程によって開口された取付孔22を
    バーリングして取付孔22の周囲に補強リング部22a
    を形成する取付孔バーリング工程、の各工程の結合を特
    徴とするシートベルト吊持具の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ドロー工程において、シートベルト
    挿通孔21の、少なくともシートベルトSが折り返され
    る部分20bに凹凸部20cを形成するようにしたこと
    を特徴とする請求項5、請求項6、請求項7記載又は請
    求項8記載のシートベルト吊持具の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014223916A (ja) * 2014-09-09 2014-12-04 株式会社遠州 スルーアンカ

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