JPH0418459Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はシートのクツシヨン体に関し、更に詳
細に説明すると、発泡成形型に予めフレームワイ
ヤとインサート材を挿入し、該発泡成形型に発泡
合成樹脂の原液を注入し、前記フレームワイヤ及
びインサート材と一体にパツドを発泡成形して形
成されるシートのクツシヨン体に関する。

〔従来の技術」 従来より、車両等のシートのクツシヨン体には
パツド材と、該パツド材の内部に挿入された異硬
度部を形成するためインサート材とから構成され
ているのもが存在する。この場合、第４図に示す
如く、発泡成形型１の下型２の側部に形成した固
定用のピン４等にチツプウレタン等から形成され
た異硬度用のインサート材６を取付け、この状態
で発泡合成樹脂の原液７′を注入し、上型３を型
合わせして発泡キユアさせ、パツド材７をインサ
ート材６と一体に発泡成形し、次いで脱型し、第
５図に示す如きクツシヨン体５を得るようになさ
れている。

また実願昭59−57738号（実開昭60−170154号
公報）にはインサートワイヤ（フレームワイヤ）
とサポートプレートを内部に埋設したクツシヨン
フオーム体が提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

然し乍ら、従来のクツシヨン体５の製造におい
ては発泡成形型１の下型２にインサート材６の固
定用のピン４を設けなければならず、またこのピ
ン４を設けた位置にしかインサート材６を挿入保
持させる事が出来ず、インサート材６の挿入位置
に限度があつた。またパツド材７をインサート材
６と一体に発泡成形した後、このクツシヨン体５
を発泡成形型１の下型２より取出す際にインサー
ト材６の固定用のピン４が引掛りクツシヨン体５
の側部を損傷させる虞れを有し、取出し作業を簡
易迅速に行えない欠点を有するものであつた。

また実開昭60−170154号公報に示されるクツシ
ヨン体はインサートワイヤによるフオーム切れや
違和感を解消することを目的としている。またサ
ポートプレートが板状であるため金属細線やクリ
ツプ等でインサートワイヤに止着するものである
が、インサートワイヤの軸線に絡止める構成とな
り、クツシヨンフオーム体の発泡成形時にサポー
トプレートがインサートワイヤの軸回りに回転し
たり、前後にずれる虞れを有し、また成形後には
サポートプレートがインサートワイヤの軸回りに
回転し、クツシヨンフオーム体を変形させたり、
亀裂を発生させる虞れを有するものであつた。

本考案の目的はインサート材を発泡成形型に設
けた固定用のピン等を用いずに挿入保持する事が
出来、従つて固定用のピン等を発泡成形型に設け
る必要がなく、また発泡成形時に異硬度部形成の
ためのインサート材が回転したり、位置ずれを発
生させる虞れがなく、インサート材を所望とする
位置に確実に保持出来、更に成形後のクツシヨン
体を発泡成形型より簡易迅速に取出す事が出来、
取出し作業に際してクツシヨン体の側部が損傷す
る虞れがなく、経時的に変形する虞れのないシー
トのクツシヨン体を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上述せる問題点に鑑みてなされたもの
で、発泡成形型に予めフレームワイヤとインサー
ト材を挿入し、該発泡成形型に発泡合成樹脂の原
液を注入し、前記フレームワイヤ及びインサート
材と一体にパツド材を発泡成形して形成されるシ
ートのクツシヨン体において、前記フレームワイ
ヤはクツシヨン体の外周縁に沿つて形成され、該
フレームワイヤの両側部に取付部材が設けられ、
該取付部材はワイヤを屈折して形成され、且つワ
イヤの端部が上方に突出され、該ワイヤの突出し
た端部にインサート材を差し込み式に取付けられ
ている事を特徴とする。

〔作用〕 本考案に依れば、クツシヨン体の外周縁に沿つ
てフレームワイヤが挿入され、該フレームワイヤ
の両側部に取付部材が設けられ、該取付部材はワ
イヤを屈折して形成され、且つワイヤの端部が上
方に突出され、該ワイヤの突出した端部インサー
ト材が差し込み式に取付けられているので、発泡
成形型に固定用のピン等を設ける必要がなく、ま
たフレームワイヤの所望位置にインサート材を取
付ける事が出来、インサート材の設置範囲が拡大
し、更にインサート材が発泡成形時に発泡圧を受
けて回転したり位置ずれを発生させる虞れがな
く、確実に位置決めして一体化する事が出来、ま
たクツシヨン体の成形後に、発泡成形型よりクツ
シヨン体を取出す際に、クツシヨン体の側部が固
定用のピン等に引掛り損傷する虞れもなく、取出
し作業を簡易迅速に行えるものである。

〔実施例〕

以下本考案に係るシートのクツシヨン体の一実
施例を図面を参照して詳述する。

第１図乃至第３図には本考案の一実施例の概略
が夫々示されており、このクツシヨン体１１は第
１図においては、セパレートタイプの一人掛け用
のシートクツシヨンとして示されており、第２図
及び第３図においては、２人と３人掛け用のベン
チタイプのシートクツシヨンとして示されている
が、同様にシートバツクにも適用し得るものであ
る。

クツシヨン体１１は発泡合成樹脂材から発泡成
形されたパツド材１２と、チツプウレタン等から
形成された異硬度部を形成するインサート材１３
とを備え、前記インサート材１３はフレームワイ
ヤ１４に取出部材１５を介して固着されている。

第２図にはベンチタイプのシートクツシヨンの
フレームワイヤ１４が示されており、このフレー
ムワイヤ１４の両側部（本実施例では片側のみを
示している）にワイヤ等からなる取付部材１５が
溶接等により固着されている。前記フレームワイ
ヤ１４はクツシヨン体１１の下部外周縁に沿つて
形成され、このフレームワイヤ１４には適宜フロ
ア固定用の固定片を突出形成する事が出来る。

取付部材１５は正面から見て略Ｕ字状に形成さ
れ、且つ側面から見て逆Ｕ字状に一本のワイヤか
ら屈折形成され、この取付部材１５のワイヤの両
端部１５ａが上方に突出した状態となつている。
また前記取付部材１５は正面より見てＵ字状の底
辺である中央部１５ｂがフレームワイヤ１４の側
部に固着され、取付部材１５のワイヤの両端部１
５ａがフレームワイヤ１４の内側に位置してい
る。そして取付部材１５の上方に突出する両端部
１５ａにインサート材１３が差し込み式に取付け
られるようになされ、Ｕ字状の他方の立上がり部
である、正面より見てＵ字状の外側部１５ｃがイ
ンサート材１３の外側に位置し、インサート材１
３の外側方向への押圧力に対してサイドポート機
能を発揮するようになされている。

第３図に示す如く、フレームワイヤ１４の取付
部材１５にインサート材１３を取付けた後、この
フレームワイヤ１４をクリツプ１７等により発泡
成形型２１の上型２３に取付け、下型２２に発泡
合成樹脂の原液１２′を注入し、上型２３と下型
２２とを型合わせして発泡キユアさせ、パツド材
１２を前記インサート材１３及びフレームワイヤ
１４と共に一体に発泡成形する。次いで、発泡成
形型２１より成形されたクツシヨン体１１を取出
せば、第１図または第５図に示すと同様の外観を
有するクツシヨン体１１が得られ、然もクツシヨ
ン体１１の側部に固定用のピン等による損傷のな
い外観の優れたクツシヨン体１１が得られるもの
である。

尚本実施例においてはフレームワイヤ１４の両
側部にインサート材１３を一対取付けた場合につ
き説明したが、両側部に複数個のインサート材１
３を取付け、更にはベンチタイプシートの場合に
シートの中央部、即ち着座部間にインサート材１
３を取付ける事も出来るものである。

〔考案の効果〕 以上が本考案に係るシートのクツシヨン体の一
実施例の構成であるが、斯る構成に依れば、クツ
シヨン体の外周縁に沿つてフレームワイヤが挿入
され、該フレームワイヤの両側部に取付部材が設
けられ、該取付部材はワイヤを屈折して形成さ
れ、且つワイヤの端部が上方に突出され、該ワイ
ヤの突出した端部にインサート材が差し込み式に
取付けられているので、発泡成形型に固定用のピ
ン等を設ける必要がなく、更にインサート材が発
泡成形時に発泡圧を受けて回転したり位置ずれを
発生させる虞れがなく、確実に位置決めして一体
化する事が出来、インサート材を所望とする位置
に確実に取付けられ、クツシヨン体の成形後に、
クツシヨン体を発泡成形型より簡易迅速に取出す
事が出来、この際固定用のピン等が突出していな
いのでクツシヨン体の側部を損傷させる虞れもな
く、外観の優れたシートのクツシヨン体を得る事
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案に係るシートのクツ
シヨン体の一実施例の概略を夫々示すもので、第
１図はクツシヨン体の断面説明図、第２図はフレ
ームワイヤの一部斜視図、第３図はクツシヨン体
のパツド材の成形状態を示す発泡成形型の断面説
明図、第４図は従来のクツシヨン体のパツド材の
成形状態を示す断面説明図、第５図はクツシヨン
体の斜視図である。 図中、１１……クツシヨン体、１２……パツド
材、１２′……発泡合成樹脂の原液、１３……イ
ンサート材、１４……フレームワイヤ、１５……
取付部材、２１……発泡成形型、２２……下型、
２３……上型。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 発泡成形型に予めフレームワイヤとインサー
   ト材を挿入し、該発泡成形型に発泡合成樹脂の
   原液を注入し、前記フレームワイヤ及びインサ
   ート材と一体にパツド材を発泡成形して形成さ
   れるシートのクツシヨン体において、前記フレ
   ームワイヤはクツシヨン体の外周縁に沿つて形
   成され、該フレームワイヤの両側部に取付部材
   が設けられ、該取付部材はワイヤを屈折して形
   成され、且つワイヤの端部が上方に突出され、
   該ワイヤの突出した端部にインサート材を差し
   込みに取付けられている事を特徴とするシート
   のクツシヨン体。 (2) 前記インサート材がチツプウレタンより形成
   されている事を特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のシートのクツシヨン体。 (3) 前記取付部材は正面から見て略Ｕ字状に形成
   され、且つ側面から見て逆Ｕ字状に一本のワイ
   ヤから屈折形成され、該取付部材のワイヤの両
   端部がフレームワイヤの内側に位置している事
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のシートのクツシヨン体。