JPS6239754Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両等の座席に用いるクツシヨン体に
関するものである。

従来の車両等の座席特に乗用車のバツクシート
等のベンチ型シートのクツシヨン体は第１図及び
第２図に示すようにウレタンパツド１の底面側
に、取り付け金具２を設けた枠体３をインサート
し、このウレタンパツド１の外周面に被覆する表
皮４の周縁を枠体３のオームクリツプ５により係
止して形成していたが、この表皮４のオームクリ
ツプ５による係止は打出し工具の方向を順次変え
ながらオームクリツプを打ち出さなければなら
ず、そのため作業性が必ずしも良好ではなく、又
ウレタンパツド１にインサートする枠体３は鋼線
等金属材料により形成されているので座席の軽量
化への対応が不十分となりしかもコスト高になる
欠点があつた。

そこで本考案はかかる点に鑑みてなされたもの
で、軟質発泡体により形成されシートパツドの周
側面又は裏面側の外部においてシートパツドに被
覆する表皮を係止しクツシヨン体の製造工程の簡
素化を図ることを目的とするものである。

即ち本考案はシートパツドの周側面又は裏面側
に所要巾を有する帯状の係止部材を、その一側部
が表出するようにシートパツド周面又は裏面に対
して直交する方向に埋設し、シートパツドに被覆
される表皮の端末部を係止部材の表出部に係止す
るようにしたものである。

以下第３図乃至第７図について本考案の実施例
を説明する。

まず第３図及び第４図に示す第１の実施例は軟
質発泡体より形成されるシートパツド１１の周側
面１１ａに布類、樹脂あるいはゴム系材料から形
成される所要巾の帯状の係止部材１２を、その一
側部が表出するように周側面１１ａに対して直交
する方向に埋設し、シートパツド１１の表面側及
び裏面側に被覆される表皮１３の端末部１３ａを
係止部材１２の表出部１２ａにホツチキス類、か
ざり紐類、モール等の係止体１４により係止する
ことにより表皮１３をシートパツド１１に被着し
てクツシヨン体を形成する。

又この場合第４図に示すようにシートパツド１
１の裏面側をバツクパネル１５により覆うものに
おいては表皮１３はシートパツド１１の表面側に
のみ被覆すればよい。この場合バツクパネル１５
の側面部１５ａは係止部材１２と表皮１３との係
止部を覆うように形成することが望ましい。

以上のように形成されるクツシヨン体は座席の
シートパツクに適応するものである。

又第５図及び第６図に示す第２の実施例はシー
トパツド１１の裏面側周縁部に所要巾の帯状の係
止部材１２をその一側部をシートパツド１１の裏
面側に表出するようにその裏面に対して直交する
方向に埋設し、シートパツド１１の表面側から周
側面側にかけて被覆される表皮１３の端末部１３
ａをシートパツド１１の裏面側において係止部材
１２の表出部１２ａに係止体１４により係止し、
クツシヨン体を形成する。

このクツシヨン体は座席のシートクツシヨンの
クツシヨン体として用いるものである。又シート
クツシヨンのフレームをパン型構造に形成したも
のにおいては第６図に示すように、クツシヨン体
１１の摺側面に係止部材１２を埋設しこの係止部
材と表皮１３の端末部１３ａをシートパツド１１
の周側面部において係止し、フレーム１６の周側
面は係止部材１２と表皮１３の端末部１３ａとの
係止部を覆うように延長形成する。

以上の各実施例においてシートパツド１１の周
側面に埋設した係止部材１２と表皮１３の端末部
１３ａ等を係止するものにおいては表皮１３のま
ち部が省略できることになり表皮材料の大幅減少
と加工工数の削減が可能となる。又この場合シー
トパツド１１の裏面側にバツクパネル１５又はパ
ン型構造のフレーム１６を嵌着するものにおいて
はバツクパネル１５及びフレーム１６の周側面１
５ａ及び１６ａの端縁部を内側に屈曲１５a′及び
１６a′し係止部材１２と表皮１３の端末部１３ａ
との係止部を挾み込むように構成することによ
り、着座時にクツシヨン体の表面に加わる座圧に
よるまち相当部分の内蔵物の露出を防ぐと共にク
ツシヨン体の抜け脱が防止されることになる。

又シートパツド１１に埋設する係止部材１２の
表出部１２ａを鉤状に形成し、一方、表皮１３の
端末部１３ａにフツク部材１７を取付けることに
より表皮１３をシートパツド１１に対して着脱自
在係止することができる。

尚、係止部材１２のシートパツド１１に対する
埋設はシートパツド１１の発泡成形時に同時にイ
ンサート成形することが望ましいがシートパツド
１１の成形後別の手段により埋設してもよいこと
は勿論である。

以上のように本考案によればシートパツドの周
側面又は裏面側に表皮の所要巾の帯状係止部材を
その一側部が表出するように周面又は裏面に対し
て直交する方向に埋設し、シートパツドに被覆さ
れる表皮の端末部をシートパツドの外部において
係止できるのでシートパツドに対する表皮の係止
が容易にかつ確実に行えると共にその作業性が著
しく向上され、又シートパツドには表皮の係止用
の芯材となる構造枠体等は何等内蔵されないので
クツシヨン体のコストの低減化、重量の軽減化が
可能となる。又シートパツドの表面側及び裏面側
に表皮を被覆するものにおいては表裏両面の表皮
をシートパツドに埋設された係止部材に係止する
ことによりずれが確実に防止され更にシートパツ
ドと表皮とを一体発泡成形するものにあつては表
皮の端末部の処理が簡単でかつ確実に行える。し
かも、係止部材のシートパツドへの埋設はその埋
設側面に対して直交する方向であるから着座によ
る表皮の張力は係止部材に対して直交方向に加わ
ることになるため係止部材がシートパツドから抜
脱するおそれがなく、表皮はシートパツドに対し
て強固に取付けられ長期の使用に充分耐える等各
種の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用座席のクツシヨン体の縦
断面図、第２図は同クツシヨン体の裏面側斜視
図、第３図は本考案によるクツシヨン体により形
成したシートパツドの一例の一部截断した斜視
図、第４図は同シートパツドの他例の縦断側面
図、第５図は本考案によるクツシヨン体により形
成したシートクツシヨンの縦断側面図、第６図は
同シートクツシヨンの他例の縦断正面図、第７図
は更に他例の一部分の断面図である。 図中１１はシートパツド、１２は係止部材、１
３は表皮、１４は係止体、１５はバツクパネル、
１６はフレーム、１７はフツク部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートパツドの周面側又は裏面側に所要巾を有
   する帯状の係止部材を、その一側部が表出するよ
   うに上記周面又は裏面に対して直交する方向に埋
   設し、上記シートパツドに被覆される表皮の端末
   部を上記係止部材の一側表出部に係止して成る車
   両用座席等のクツシヨン体。