JP2000189207A - 靴のアウトソ―ル - Google Patents

靴のアウトソ―ル

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JP2000189207A JP24961399A JP24961399A JP2000189207A JP 2000189207 A JP2000189207 A JP 2000189207A JP 24961399 A JP24961399 A JP 24961399A JP 24961399 A JP24961399 A JP 24961399A JP 2000189207 A JP2000189207 A JP 2000189207A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 岩場のような凹凸の激しい足場で、該足場が
濡れた状態のときに使用しても防滑性に優れた靴のアウ
トソール100を提供する。 【解決手段】 ガラス転移温度(Tg)が−33℃以
上、−10℃以下であるスチレンブタジエンゴムを70
〜100重量%含む基材ゴム、加硫剤及び必要に応じて
配合する各種配合剤を混練し、該混練物を射出成形、プ
レス成形で成形すると同時にゴムを加硫して、アウトソ
ール100を作製する。このスチレンブタジエンゴムの
結合スチレン量は15〜25重量%であり、結合ビニル
量は35〜70重量%である。このアウトソール100
の、−10℃における損失係数(tanδ)は0.26
より大きく1.5以下であり、複素弾性率(E)は1
50kgf/cm より大きく750kgf/cm
以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は靴のアウトソールに
関し、特に、グリップ性を高めて、凹凸が激しく且つ濡
れた足場であっても優れた防滑性が得られ、安全性を向
上させて、トレッキングシューズのアウトソールとして
好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】靴の防滑性は、靴にとって重要な性能で
あり、靴底、すなわち、足場(地面)に接触する部分で
あるアウトソールをゴム組成物で形成して、ゴム特有の
粘着摩擦力によって防滑性が得られるようにしている。
【0003】しかしながら、ゴム成形体からなるアウト
ソールは足場が乾燥状態の場合は、概ね優れた防滑性が
得られるものの、雨の日や、水辺等の濡れた状態の足場
では、防滑性が低下し、運動範囲を制限する必要が生じ
たり、最悪の場合には転倒する危険性がある。これは、
足場が濡れると、アウトソール表面と足場との間に水膜
が介在し、この水膜により両者間の粘着摩擦力が低下し
てしまうためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、濡れた足場で
あっても滑りにくくするために、従来、ゴム組成物に吸
水性に優れた材料を用いてアウトソールと足場との間に
介在する水膜をアウトソールが吸い取って防滑性を向上
させることが試みられている。しかしながら、この提案
では、吸い込む水の量に限界がある上、水を吸い込むこ
とによって靴が重くなり、歩行(運動)しづらくなると
いう問題がある。
【0005】また、上記吸水性に優れた材料を用いるこ
ととは逆に、本件出願人は、特開平9−322806号
公報において、吸水率が重量基準で0%以上、1%以下
の水が付着しにくくしたゴム組成物でアウトソールを形
成し、アウトソールが濡れた足場に接触した時にアウト
ソールと足場の間に介在する水をアウトソールの周囲に
排出しやすくして、滑りにくくしている。しかしなが
ら、トレッキングシューズのような岩場等の凹凸の激し
い足場を歩行する靴のアウトソールでは、アウトソール
を構成するゴムの吸水率を減じても、足場が濡れた場合
には満足できる防滑性を得ることはできない。
【0006】よって、凹凸が激しく、かつ、濡れた足場
で使用する靴のアウトソールでは、アウトソールを構成
するゴム材料の吸水性を制御しても滑りにくくすること
は困難であり、足場に対するアウトソールのグリップ力
を更に高める必要がある。
【0007】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、アウトソールの足場へのグリップ力を一
層高めて、凹凸が激しく、かつ、濡れた足場に対して
も、良好な防滑性が得られるようにすることを課題とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は、濡れた岩場での靴のアウトソールの防
滑性と加硫ゴム成形体からなるアウトソールの粘弾性挙
動との関係を調べた。その結果、図5に示すように、加
硫ゴムの周波数10Hzでの動的粘弾性の歪み分散にお
いて、動歪2.0%における温度−10℃の損失係数
(tanδ)及び複素弾性率(E)が大きいほどアウ
トソールのグリップ性が向上するという知見を得た。図
5において、複素弾性率(E)と損失係数(tan
δ)とは概ね相関性を示し、一般に損失係数(tan
δ)が大きくなると複素弾性率(E)も大きくなって
いる。なお、一般にゴムの動的粘弾性の歪み分散におい
て、損失係数(tanδ)が大きい程、ゴム変形時のゴ
ムの接触物に対するヒステリシス摩擦力が大きく、ま
た、複素弾性率(E)が大きい程ゴム変形時のゴムの
接触物に対するエッジ効果による摩擦力が大きくなるこ
とが知られている。
【0009】一方、加硫ゴムの温度依存による損失係数
(tanδ)を測定したところ、図6に示すように、−
100℃〜100℃の温度範囲において、損失係数(t
anδ)のピーク値と加硫ゴムを構成する基材ゴムのガ
ラス転移温度(Tg)とが一致することが判明した。
【0010】そこで、本発明は、基材ゴムの主成分とし
て各種機械的特性のバランスに優れ、特に、耐摩耗性が
良好なスチレンブタジエンゴムを用いることを前提に、
上記得られた知見に基づいて、基材ゴムに用いるスチレ
ンブタジエンゴムとしてそのガラス転移温度(Tg)が
できるだけ−10℃に近いものを用いて、これを加硫成
形してアウトソールとすることにより、アウトソールの
動歪2.0%における温度−10℃の複素弾性率
(E)及び損失係数(tanδ)を増大させて、アウ
トソールの足場へのグリップ力を従来よりも飛躍的に向
上させている。
【0011】すなわち、本発明は、ゴム組成物の加硫成
形体からなる靴のアウトソールであって、このゴム組成
物の基材ゴムが、ガラス転移温度(Tg)が−33℃以
上、−10℃以下のスチレンブタジエンゴムを70〜1
00重量%含むことを特徴とする靴のアウトソールを提
供している。
【0012】理想的には、前記知見より、−10℃付近
にガラス転移温度(Tg)を示すスチレンブタジエンゴ
ムを用いるのが好ましいが、このような高いガラス転移
温度(Tg)を示すスチレンブタジエンゴムを得ること
は現状の重合技術では困難である。よって、本発明で
は、従来のアウトソールに用いていた最も高いガラス転
移温度(−34℃)のスチレンブタジエンゴムよりも更
に高いガラス転移温度のスチレンブタジエンゴムを選択
して使用している。具体的には、例えば、日本ゼオン社
製のNS116(商品名)[溶液重合スチレンブタジエ
ンゴム、ガラス転移温度(Tg):−25℃]を挙げる
ことができる。この具体例に限らず、スチレンブタジエ
ンゴムの共重合組成比、共重合構造、分子量等を調整し
て、スチレンブタジエンゴムの機械的特性が損なわれな
い範囲で、ガラス転移温度(Tg)が−33℃以上で、
−10℃により近いものを用いるのが好ましい。さらに
好ましくは、−30℃以上、最も好ましくは、−25℃
以上で、−10℃以下のものを用いることが好ましい。
ちなみに、従来の靴のアウトソールに用いるスチレンブ
タジエンゴムのガラス転移温度(Tg)は多くのものが
−55℃〜−45℃の範囲で、タイヤやその他の工業用
ゴム製品に用いるスチレンブタジエンゴムのそれと同等
であった。
【0013】本発明のアウトソールでは、基材ゴムであ
るスチレンブタジエンゴムのガラス転移温度(Tg)が
−33℃以上、−10℃以下であり、該基材ゴムを加硫
成形したアウトソールの温度依存の粘弾性は、スチレン
ブタジエンゴムのガラス転移温度(Tg)である、−3
3℃以上、−10℃以下の温度範囲に損失係数(tan
δ)のピーク値を示す。よって、本発明のアウトソール
の−10℃における損失係数(tanδ)は従来のアウ
トソール(ガラス転移温度(Tg)が−34℃以下のス
チレンブタジエンゴムの加硫成形体)のそれよりも大き
く、結果として、動歪2.0%における温度−10℃の
損失係数(tanδ)及び複素弾性率(E)が従来の
アウトソールよりも大きくなって、足場に対するグリッ
プ性が向上し、その結果、凹凸が激しく且つ濡れた岩場
に対しても強いグリップ力で把持して滑りにくくなる。
【0014】本発明のアウトソールは、周波数10Hz
での動的粘弾性の歪み分散での、動歪2.0%における
温度−10℃の損失係数(tanδ)が0.26より大
きく、好ましくは0.30以上、さらに好ましくは0.
40以上を示し、かつ、複素弾性率(E)が155k
gf/cm より大きく、好ましくは200kgf/
cm 以上、さらに好ましくは260kgf/cm
以上を示す。すなわち、足場に対するヒステリシス摩擦
力及びエッジ効果による摩擦力が従来に比して大きくな
っている。
【0015】なお、損失係数(tanδ)と複素弾性率
(E)とは大きければ大きいほど高いグリップ性が得
られるが、グリップ性が高くなり過ぎると、靴が全く滑
らなくなり、足首等を痛めやすくなる。よって、損失係
数(tanδ)は1.5以下、好ましくは1.2以下、
さらに好ましくは1.0以下である。また、複素弾性率
(E)が大きくなり過ぎるとアウトソールの衝撃吸収
性が低下する傾向となる。よって、複素弾性率(E
は750kgf/cm 以下、好ましくは600kg
f/cm以下である。
【0016】本発明で使用するスチレンブタジエンゴム
はガラス転移温度(Tg)が−33℃以上、−10℃以
下であれば、油展ゴム、非油展ゴムに限らず使用するこ
とが可能であるが、靴のアウトソールの明色性や環境汚
染等を考慮した場合、非油展ゴムを用いるのが好まし
い。これは、油展ゴムは添加オイルにより黒色度の高い
ものが多く、靴のアウトソールの明色性を損ない、ま
た、添加オイルは一般にアロマ系オイルが多く、アロマ
系オイルは環境に悪影響を与え、近年できるだけ使用し
ない方向に向かっているためである。
【0017】また、スチレンブタジエンゴムは、結合ス
チレン量が15〜25重量%で、かつ、結合ビニル量が
35〜70重量%である共重合組成のものを用いるのが
好ましい。該共重合組成のものを用いることにより、加
硫ゴム組成物は引張強度、耐摩耗性及び安定性に優れた
ものとなり、上記アウトソールの高いグリップ力が長期
に亘って維持されることとなる。
【0018】また、上記ガラス転移温度(Tg)が−3
3℃以上、−10℃以下のスチレンブタジエンゴムで基
材ゴム全体を構成しない場合、他のゴムと混合して使用
する。他のゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレ
ンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルニ
トリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピ
レン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(C
R)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(AC
M)、ウレタンゴム等を挙げることができる。これらは
1種又は2種以上を用いることができる。
【0019】基材ゴムを加硫する加硫剤としては、例え
ば、硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物、キノンジ
オキシム類等を使用する。これら加硫剤は基材ゴム10
0重量部当たり一般に1〜3重量部、好ましくは1.5
〜2.5重量部用いるのがよい。また、硫黄や有機含硫
黄化合物の加硫剤を用いる場合、加硫促進剤を用いても
よい。加硫促進剤としては、例えば、消石灰、マグネシ
ア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、
チアゾール系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進
剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加
硫促進剤等の有機促進剤を使用することができる。これ
ら加硫促進剤は基材ゴム100重量部当たり一般に0.
5〜4重量部、好ましくは1〜2.5重量部用いるのが
よい。また、加硫促進助剤を配合することもでき、例え
ば、亜鉛華などの金属化合物やステアリン酸、オレイン
酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸を使用することができる。こ
れら加硫促進剤は基材ゴム100重量部当たり一般に1
〜5重量部、好ましくは1〜3重量部用いるのがよい。
更に老化防止剤、軟化剤(可塑剤)等を適宜配合しても
よい。
【0020】また、加硫ゴムの粘弾性の調整、耐摩耗性
の付与、硬度調整等のために、シリカ、カーボン等の充
填剤を配合したり、撥水性の付与、粘弾性等の調整のた
めにシランカップリング剤やシリル化剤を配合してもよ
い。
【0021】本発明では加硫ゴムを成形してアウトソー
ルとするが、通常、加硫剤及び必要に応じて配合する各
種配合剤を混練し、該混練物をアウトソール用金型に入
れて成形と同時に加硫を行ってアウトソールを作成す
る。また、ゴム、加硫剤及び必要に応じて配合する各種
配合剤を混練する段階で加硫し、得られた加硫ゴムをア
ウトソール用金型に入れて成形してもよい。なお、成形
は射出成形、プレス成形等の任意の成形方法を用いるこ
ができる。
【0022】アウトソールの形状は、底面に溝を形成し
てその先端面が足場と接触する複数のブロック部を区画
形成した形状とするのが好ましい。複数のブロック部の
各形状は、概ね側面が溝底面より垂直若しくは傾斜して
切り立った角柱形状、角錐台形状、円柱形状、円錐台形
状、複数の角柱及び/又は円柱を複合した形状等の種々
の形状とすることができる。なお、一般的なアウトソー
ルでは底面の土踏まずに対応する部分は大きな凹部とし
て足場に接触しないようにしており、上記溝及び複数の
ブロック部は、底面の爪先から甲裏までの領域を支える
部分及び踵を支える部分に形成している。
【0023】上記溝深さ(ブロック部の高さ)は2〜7
mmの範囲にするのが好ましい。この範囲にすると、複
数のブロック部が足場の凹凸面の形状に応じて変形して
足場の凹凸面への追従性が良くなり、グリップ性が一層
向上する。また、足に加わる衝撃が効果的に緩和される
と共に、履き心地及び運動時の反発性をも良化すること
ができる。
【0024】本発明の靴のアウトソールは岩場等で使用
するトレッキングシューズに最適であるが、釣り用の長
靴、ダイビング用シューズ、バイク用シューズ、お風呂
靴、レインシューズ、ビーチサンダル等の頻繁に水で濡
れた状態となる足場で使用する靴のアウトソールにも好
適である。もちろん、これら以外の靴にも使用できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例及び比較例
により更に詳しく説明する。下記表1の上段に示す処方
の混練物を調整し、各混練物をアウトソール用金型に入
れて160℃、10分の条件にて加硫成形して実施例1
〜3及び比較例1〜3のアウトソールを作成した。な
お、これらのアウトソールの形状は図1及び図2に示す
形状とした。すなわち、アウトソール100は足の爪先
から甲裏部を支える第1ソール部51、足の踵部を支え
る第2ソール部52、及び、これら第1ソール部51と
第2ソール部52を繋ぐ土踏まず部53とからなる。そ
して、第1ソール部51及び第2ソール部52には幅1
〜20mm、深さ2.0〜5.5mmの範囲内にある複
数の溝1を縦、横、斜め方向に形成し、種々形状の複数
のブロック部2を区画形成している。アウトソールの底
面全体の面積は250mmとし、複数のブロック部2
の各先端面の面積は0.1〜8cm の範囲内とし、
複数のブロック部2の総面積は65cm とした。な
お、土踏まず部53は全体が接地しない凹部となってい
る。
【0026】
【表1】
【0027】*1:溶液重合スチレンブタジエンゴム
[ガラス転移温度(Tg):−25℃、結合スチレン
量:21%、結合ビニル量:63%]、NS116(商
品名)、日本ゼオン社製 *2:乳化重合スチレンブタジエンゴム[ガラス転移温
度(Tg):−55℃、結合スチレン量:23.5%、
結合ビニル量:20%]、SBR1502(商品名)、
日本合成ゴム社製 *3:ブタジエンゴム[ガラス転移温度(Tg):−1
10℃]、BR11(商品名)、日本合成ゴム社製 *4:シランカップリング剤〔ビス−(3−トリエトキ
シシリルプロピル)テトラスルフェン〕 Si69(商
品名)、デグサ社製 *5:プロセスオイル PW380(商品名)、出光興
産社製 *6:ノクラック200(商品名)、大内新興化学工業
社製 *7:ノクセラーNS(商品名)、大内新興化学工業社
製 *8:溶液重合スチレンブタジエンゴム[ガラス転移温
度(Tg):−39℃、結合スチレン量:25%、結合
ビニル量:39.5%]、SE9191(商品名)、住
友化学社製
【0028】上記各々作製した実施例及び比較例のアウ
トソールについて、周波数10Hzでの動的粘弾性の歪
分散において、動歪2.0%における温度−10℃での
損失係数(tanδ)と複素弾性率(E)とについて
測定した。また、防滑性の指標となるグリップ指数を測
定した。また、アウトソールを靴本体に取り付けてトレ
ッキングシューズを作製し、モニターテストを行った。
【0029】上記損失係数(tanδ)と複素弾性率
(E)とは島津製作所社製の粘弾性スペクトロメータ
(VA−200改造型)を用いて測定した。
【0030】グリップ指数は、アウトソールを所定の形
状(76mm×25mm×6mm)にカットし、図3に
示すポータブルスキッドレジスタンステスターを用い
て、濡れた岩場上でのアウトソールの摩擦抵抗を測定し
た。これは、ゴムの付いた振り子を所定の高さから振り
降ろし、振り子が路面を擦って振り上る高さを読み取る
ことで相対的な摩擦抵抗を読み取るものである。なお、
図4に示すように濡れた岩場への接地領域は12.7c
mとした。評価は比較例1のアウトソールの摩擦抵抗を
100とした時の指数で評価した。
【0031】モニターテストは10人のテスターが実際
に各実施例及び比較例のトレッキングシューズを履いて
濡れた岩場をトレッキングし、グリップ性を最重要項目
にして使用感を5点法で官能評価した。
【0032】実施例1、2及び3のアウトソールは、損
失係数(tanδ)が0.40以上、複素弾性率
(E)が260以上を示し、グリップ指数が145以
上で、使用感の評価点も4.3以上となり、濡れた岩場
で優れた防滑性を有すると共に良好な履き心地が得られ
るものであった。
【0033】一方、比較例1、2及び3のアウトソール
は、損失係数(tanδ)が0.25以下、複素弾性率
(E)が152以下を示し、グリップ指数が100以
下で、使用感の評価点も3.0以下であり、濡れた岩場
で良好な防滑性を有ることはできなかった。
【0034】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の靴のアウトソールによれば、ガラス転移温度(Tg)
が−33℃以上、−10℃以下のスチレンブタジエンゴ
ムを70〜100重量%含む基材ゴムが用いられること
により、動歪2.0%における温度−10℃の損失係数
(tanδ)及び複素弾性率(E)が従来よりも大き
くなって足場に対して極めて高いグリップ力を得ること
ができ、その結果、凹凸が激しい足場で、該足場が濡れ
た状態で使用した場合にも、高いグリップ力により滑る
ことがなく、良好な防滑性を得ることができる。よっ
て、例えば、岩場を歩行するトレッキングシューズのア
ウトソールとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例によるアウトソールの底面図
である。
【図2】 本発明の実施例によるアウトソールの側面図
である。
【図3】 ポータブルスキッドレジスタンステスターの
斜視図である。
【図4】 図3のポータブルスキッドレジスタンステス
ターを用いた摩擦抵抗測定時の測定条件を示す概略図で
ある。
【図5】 加硫ゴム組成物からなるアウトソールの周波
数10Hzでの動的粘弾性の歪み分散の動歪2.0%に
おける温度−10℃の損失係数(tanδ)及び複素弾
性率(E)と防滑性の関係を示した図である。
【図6】 加硫ゴム組成物の温度と損失係数(tan
δ)の関係を示した図である。
【符号の説明】
1 溝 2 ブロック部 51 第1ソール部 52 第2ソール部 53 土踏まず部 100 アウトソール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム組成物の加硫成形体からなる靴のア
    ウトソールであって、このゴム組成物の基材ゴムが、ガ
    ラス転移温度(Tg)が−33℃以上、−10℃以下の
    スチレンブタジエンゴムを70〜100重量%含むこと
    を特徴とする靴のアウトソール。
  2. 【請求項2】 上記スチレンブタジエンゴムの結合スチ
    レン量が15〜25重量%であり、かつ、結合ビニル量
    が35〜70重量%である請求項1に記載の靴のアウト
    ソール。
  3. 【請求項3】 周波数10Hzでの動的粘弾性の歪み分
    散において、動歪2.0%における温度−10℃の損失
    係数(tanδ)が、0.26より大きく、1.5以下
    であり、かつ、同条件での複素弾性率(E)が150
    kgf/cm より大きく、750kgf/cm
    下である請求項1又は請求項2に記載の靴のアウトソー
    ル。
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