JP3262661B2 - 靴 - Google Patents

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JP3262661B2
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、靴に関し、さらに詳し
くは、アウトソール(靴底)のグリップ性が大きく、好
適な摩擦抵抗を有し、使用感が優れた靴に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】靴の基本的構成は、図1に示すように、
靴本体部1とアウトソール2からなり、このアウトソー
ルに要求される最も重要な性能はグリップ性である。
【0003】靴のアウトソールに関しては、従来から
も、特開昭62−224303号公報や特開昭62−1
37002号公報に性能向上のための提案がなされてい
るが、グリップ性の改善に対する提案はなされていな
い。
【0004】グリップ性は靴のアウトソールが地面と接
触する際に地面より受ける応力に対して発生する摩擦抵
抗と考えられ、このグリップ性が大きいことによって、
靴を履いて使用したときに地面とアウトソールとの間に
好適な摩擦抵抗が得られ、テニスシューズなどのスポー
ツシューズにおいては、運動中のスリップが防止される
など、その使用感に好適な結果がもたらされる。
【0005】したがって、アウトソールのグリップ性が
大きいことは、靴(特に運動用の靴)にとって欠くこと
のできない重要な性能であると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
では、アウトソールのグリップ性に関して充分な検討が
なされておらず、もとより、望ましい性能は得られてい
ない。
【0007】したがって、本発明は、アウトソールのグ
リップ性を高め、好適な摩擦抵抗を有し、使用感の優れ
た靴を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アウトソール
の物性を、昇温速度2℃/分で測定される10Hzでの
動的粘弾性の温度分散曲線において、動歪0.25%に
おける温度−15℃の損失係数(tanδ)を0.10
〜0.60で、かつ同条件での複素弾性率(E* )を1
82〜320kgf/cm2 にすることによって、グリ
ップ性を高め、従来にない好適な摩擦抵抗が得られるよ
うにして、上記目的を達成したものである。
【0009】すなわち、本発明では、上記条件下での損
失係数(tanδ)を0.10以上にすることによっ
て、アウトソールをゴムが変形することによって生じる
ヒステリシス摩擦力が大きくなるものにし、かつ複素弾
性率(E* )を182kgf/cm2 以上にすることに
よって、アウトソールをエッジ効果による摩擦力が大き
くなるようにして、グリップ性を高め、好適な摩擦抵抗
が得られるようにしたのである。
【0010】損失係数(tanδ)は大きくなるほどヒ
ステリシス摩擦力が大きくなり、グリップ性が増すが、
あまりにも大きくなりすぎると靴がまったく滑らなくな
り、足首をいためやすくなるので、上記のように0.1
0以上であって、0.60以下にする必要がある。
【0011】また、複素弾性率(E* )も大きいほどエ
ッジ効果によるグリップ性が増すが、あまりにも大きく
なりすぎると衝撃吸収性が低下するので、上記のように
182kgf/cm2 以上であって、320kgf/c
2 以下にする必要がある。
【0012】
【0013】本発明において、損失係数(tanδ)お
よび複素弾性率(E* )の測定にあたって、周波数10
Hz、温度−15℃という条件を選んでいるのは、次の
理由によるものである。
【0014】すなわち、靴のアウトソールの変形周波数
は104 〜107 Hzと考えられるが、粘弾性測定装置
において測定可能な周波数領域は102 程度までであ
る。そこで、高分子粘弾性体における周波数−温度換算
法則により、靴の実用状態を低周波−低温に変換する可
能性を確認したところ、周波数10Hz、温度−15℃
での損失特性とグリップ性との間に高度な相関関係があ
ることが判明したので、本発明では、損失係数(tan
δ)および複素弾性率(E* )の測定を周波数10H
z、温度−15℃という条件下で行うようにしたのであ
る。
【0015】本発明の靴において、そのアウトソールは
ゴム組成物の加硫成形物で構成されるが、アウトソール
が損失係数や複素弾性率に関して上記のような特性を持
ち得るようにするには、使用するゴムの種類の選択、配
合剤の種類や量の選択、加硫条件の選択などによって行
うことができる。
【0016】ゴムとしては、たとえば天然ゴム、乳化重
合または溶液重合のスチレン−ブタジエンゴム、ブタジ
エンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジ
エンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPD
M)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、
それらの混合物、ウレタンゴムなどを用いることがで
き、前記のように損失係数(tanδ)が0.10〜
0.60で複素弾性率(E* )が182〜320kgf
/cm2 という条件さえ具備されれば、その材質は特に
限定されるものではないが、極低温でのグリップ性を考
慮すると、ウレタンゴムよりも、天然ゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレンプロピレン
ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、アクリルゴム、それらの混合物の方が適している。
【0017】配合剤の面から、アウトソールが前記のよ
うな特性を持ちやすくするには、たとえば単体であるい
はポリマーを混合してガラス転移温度(Tg)が−15
℃付近にあるようなポリマーを使用することが好まし
い。また、加硫条件を調整して前記のような特性を付与
してもよい。そして、それらゴムの選択、配合剤の選
択、加硫条件の選択などは、必要に応じ、それらの手段
の1または2以上を組み合せて採用すればよい。
【0018】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0019】実施例1〜5および比較例1〜2 表1に示す配合組成のゴム組成物を調製した。なお、配
合量は重量部で示している。
【0020】
【表1】
【0021】※1 天然ゴムRSS3号 ※2 エポキシ化天然ゴム、ENR−25(商品名)、
マレーシアゴム研究所製 ※3 ブタジエンゴム、BR11(商品名)、日本合成
ゴム社製 ※4 乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、SBR15
02(商品名)、日本合成ゴム社製 ※5 溶液重合スチレン−ブタジエンゴム、SE855
1(商品名)、住友化学工業社製 ※6 PW380(商品名)、出光興産社製 ※7 SI69(商品名)、デグサ社製 ※8 ノクセラーNS(商品名)、大内新興化学工業社
製 ※9 ノクラック200(商品名)、大内新興化学工業
社製
【0022】得られたゴム組成物をテニスシューズのア
ウトソール用金型に入れ、160℃で30分間加硫し
て、アウトソールを得た。
【0023】つぎに、得られたアウトソールの損失係数
(tanδ)および複素弾性率(E* )を測定し、かつ
グリップ指数を調べた。また、得られたアウトソールを
用い、それを接着剤で靴本体部に固着することによって
テニスシューズを作製し、その使用感(フィーリング)
を調べた。その結果を表2に示す。なお、表2に示す複
素弾性率(E* )の単位はもちろんkgf/cm2 であ
る。
【0024】上記アウトソールの損失係数(tanδ)
は、昇温速度2℃/分で10Hzでの動的粘弾性を測定
し、その温度分散曲線を作成し、動歪0.25%におけ
る温度−15℃の損失係数(tanδ)を求めることに
よって行い、複素弾性率(E* )も同条件下で求めたも
のである。
【0025】グリップ指数は、アウトソールを所定形状
にカットし、ポータブルスキッドレジスタンステスター
を用い、テニス用のハードコート上で摩擦抵抗を測定す
ることによって求めたものであり、比較例1のものを1
00としたときの指数で示している。
【0026】使用感は、実際にテニスシューズを履いた
7人のプレーヤーにテニスをプレーさせ、その時の使用
感を聞き取ったものであり、5段階評価で、最良を5、
最悪を1としたときの平均値で示している。
【0027】
【表2】
【0028】表2に示す結果から明らかなように、実施
例1〜5は、グリップ指数が大きく、使用感が優れてい
る。
【0029】これに対して、従来品に相当する比較例1
は、複素弾性率(E* )が小さく、その結果、使用感が
実施例のものに比べて劣っていた。また、比較例2は、
損失係数(tanδ)が小さく、その結果、使用感が実
施例のものに比べて劣っていた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、靴の
アウトソールが、昇温速度2℃/分で測定される10H
zでの動的粘弾性の温度分散曲線において、動歪0.2
5%における温度−15℃の損失係数(tanδ)が
0.10〜0.60で、かつ同条件の複素弾性率
(E* )が182〜320kgf/cm2 の物性を持つ
ようにして、グリップ性が大きく、好適な摩擦抵抗を有
し、使用感の優れた靴を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る靴の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 靴本体部 2 アウトソール

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇温速度2℃/分で測定される周波数1
    0Hzでの動的粘弾性の温度分散曲線において、動歪
    0.25%における温度−15℃の損失係数(tan
    δ)が0.10〜0.60であり、かつ同条件での複素
    弾性率(E* )が182〜320kgf/cm 2 ある
    アウトソール(靴底)を有することを特徴とする靴。
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