JP2000187541A - 自由形式のデジタルインクによるデ―タトレ―スの注記方法及びシステム - Google Patents

自由形式のデジタルインクによるデ―タトレ―スの注記方法及びシステム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 データトレースを行う視覚的表示装置上で注
記を行い、更に注記事項に基づきデータトレースの記憶
の管理を行う。 【解決手段】 データを表すデータトレースをディスプ
レイに表示するステップと、データトレースの際に少な
くとも１つの自由形式のデジタルインクによる注記事項
を受け取るステップと、自由形式のデジタルインクによ
る注記事項をデータトレースのディスプレイ上に表示す
るステップを含む、自由形式のデジタルインクによる注
記の方法により、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、データトレースに
おける注記を支援する電子データトレース注記システム
に関する。特に、本発明はデータトレースの際に自由形
式のデジタルインクによる注記事項を作成することに関
する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】データ
トレースに対して行う注記に関する標準的なアプローチ
としては、データトレースを行っているハードコピー上
で直接注記を付す方法がある。一例を挙げると、うそ発
見器の検査員は、質問に対する被験者の生理的反応を記
録する連続的な記録紙上でのトレースをもとに作業を行
う。検査官は質問をしながら、その質問を行った日時な
どを示し、またそのデータトレースに関する参照注記事
項及びコメントを提供するため、記録紙上でのトレース
に注記を付す。これらの注記事項は、検査員が質問を生
理的反応と相関連させ、データをリアルタイムで解釈す
る際に有用である。データトレースにおける注記の他の
例としては、医師が心拍曲線の記録紙上のトレースにお
いて付す注記が挙げられる。
【０００３】従来のインク注記システムは見えないメデ
ィアと関連するインクを支援する。しかしながら、これ
らのシステムはデータトレースを行う視覚的表示装置上
での自由形式のデジタルインクによる注記は支援しな
い。更に、これらのシステムは、自由形式のデジタルイ
ンクによる注記事項に基づくデータトレースの記憶の管
理を行わない。Weberらの「マーキー(Marquee): A Tool
For Real-Time Video Logging: Proceedings of CHI '
94, ACM Press （1994年４月）」及びWilcoxらの「ダイ
ノマイト(Dynomite): A Dynamically Organized Ink an
d Audio Notebook: Proceedings of CHI '97, ACM Pres
s（1997年）」に記載されたシステムは、自由形式のデ
ジタルインクによる注記事項を時間と関連させている
が、インクは注記が行われた時間と関連されており、そ
の基となる事象の時間とは関連されていない。ダイノマ
イトではユーザが音声ツールバー上の端点をドラッグす
ることにより音声データトレースにおいて領域を選択す
ることが可能であるが、データトレース上で自由形式の
デジタルインクによる注記は可能ではない。
【０００４】Ishiiらの"Integration of Interpersonal
Space and Shared Workspace: ClearBoard design and
experiments: ACM Trans. Inf. Syst. II，４，（1993
年）349-375頁"に開示された、「クリアボード(ClearBo
ard)」として知られるシステムは「透明なガラス窓を通
じて話し、その上に描く」というメタファ（隠喩）を用
いている。クリアボードシステムのユーザは同じディス
プレイ上で線を引いたり映像を見たりすることができ
る。しかしながら、クリアボードはデータ値を多数回に
わたって同時に表示する自動データトレースを表示せ
ず、また自由形式のデジタルインクによる注記事項をデ
ータトレースの基となるデータにいかなる方法によって
も対応させない。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、音声トレー
ス、気圧記録、心電図、脳波、エレクトログラム、筋電
図、キモグラム、うそ発見器によるトレース、震動記
録、温度記録図などのデータトレースにおいて注記を行
い、またそのデータトレースを管理する方法及びシステ
ムである。本発明のシステム及び方法は、データトレー
スを行っているコンピュータレンディション（描画）上
に直接注記を行うことを可能とする。注記はデータトレ
ースの獲得中、再生中もしくは単にデータトレースを静
的に見ている間に行うことができる。データトレース
は、概して経時に伴い変化するデータストリーム（デー
タの流れ）より生成される。データトレースとは、概し
てデータストリームの値の連続的な記録である。一般
に、データトレースは二次元的なものであり、二次元と
は時間及び可変値の振幅をいう。しかしながら、本発明
の方法及びシステムは、うそ発見器の被験者の感知され
る各特性毎に並列な軸を有するうそ発見器などのよう
に、二つ以上の次元を有するデータトレースにも同様に
適用できることを理解されたい。
【０００６】本発明のシステム及び方法は、ペンコンピ
ュータ上にデータトレースを表示し、そのデータトレー
ス上で自由形式のデジタルインクによる注記を行うこと
を支援する。このシステムは、注記事項が付された位置
に基づいて自動的にデータトレース上の領域を選択する
ことができ、データトレースを自動的に要約することが
でき、また自由形式のデジタルインクによる注記に基づ
いてデータトレースのデータの記憶を管理することがで
きる。
【０００７】本発明の好適な実施形態を図面を参照しな
がら以下に詳細に記述する。本発明のこれらの及び他の
特徴及び利点は、以下の好適な実施形態の詳細な記述に
記載され、明らかにされる。
【０００８】次に本発明の具体的な態様を以下に述べ
る。本発明の第１の態様は、自由形式のデジタルインク
を用いてデータトレースを注記する方法であって、デー
タを表すデータトレースをディスプレイに表示するステ
ップと、データトレースの際に少なくとも１つの自由形
式のデジタルインク注記事項を受け取るステップと、自
由形式のデジタルインク注記事項をデータトレースのデ
ィスプレイ上に表示するステップを含む、自由形式のデ
ジタルインクによるデータトレースの注記方法である。
本発明の第２の態様は、第１の態様において、少なくと
も１つの自由形式のデジタルインク注記事項をディスプ
レイ上に表示されたデータの対応する部分にマッピング
するステップを更に含む。本発明の第３の態様は、第１
の態様において、少なくとも１つの自由形式のデジタル
インク注記事項を選択するステップを含み、選択された
少なくとも１つの自由形式のデジタルインク注記事項に
対応するデータの記憶を管理するステップを更に含む。
本発明の第４の態様は、第３の態様において、前記管理
が削除、圧縮、コピー、送付、送信及び移動のうちの少
なくとも１つである。本発明の第５の態様は、第３の態
様において、選択されたデータの管理が、データの選択
された部分の保存及び残りのデータの削除を含む。本発
明の第６の態様は、第３の態様において、選択されたデ
ータの管理が、データの選択された部分の保存及び残り
のデータの圧縮を含む。本発明の第７の態様は、第１の
態様において、要約コマンドを受け取るステップを含
み、少なくとも１つの自由形式のデジタルインク注記事
項と対応するデータの一部を、少なくとも１つの自由形
式のデジタルインク注記事項とともに表示するステップ
を更に含む。本発明の第８の態様は、第１の態様におい
て、前記データが医学的、工学的、実験的、科学的、金
融上の及びビジネス上のデータのうちの少なくとも１つ
である。本発明の第９の態様は、第１の態様において、
前記データトレースが気圧記録、心電図、脳波、エレク
トログラム、エレクトログラフ、筋電図、キモグラム、
ポリグラム、震動記録、温度記録のうちの少なくとも１
つである。本発明の第１０の態様は、第１の態様におい
て、前記データトレースが音声トレースである。本発明
の第１１の態様は、第１の態様において、前記データト
レースが映像データストリームからの一連の画像であ
る。本発明の第１２の態様は、自由形式のデジタルイン
クを用いてデータトレースに注記を行うためのシステム
であって、データトレースのディスプレイを含み、デー
タトレースの少なくとも１つの自由形式のデジタルイン
ク注記事項を受け取るための入力デバイスを含み、前記
ディスプレイが少なくとも１つの自由形式のデジタルイ
ンク注記事項を受け取ることに応答して少なくとも１つ
の自由形式のデジタルインク注記事項をデータトレース
の少なくとも１つの対応する部分にレンダリングする、
自由形式のデジタルインクによる注記システムである。
本発明の第１３の態様は、第１２の態様において、少な
くとも１つの自由形式のデジタルインク注記事項をディ
スプレイに表示されたデータの対応する部分にマッピン
グするためのプロセッサを更に含む。本発明の第１４の
態様は、第１２の態様において、少なくとも１つの自由
形式のデジタルインク注記事項を選択することに応答し
て、選択された少なくとも１つの自由形式のデジタルイ
ンクによる注記事項に対応するデータの記憶管理を行う
プロセッサを更に含む。本発明の第１５の態様は、第１
４の態様において、前記プロセッサが選択されたデータ
及び選択されないデータの１つに対し削除、圧縮、コピ
ー、送付、送信及び移動のうちの少なくとも１つを行う
ことによりデータの記憶を管理する。本発明の第１６の
態様は、第１２の態様において、前記ディスプレイが要
約コマンドに応答して少なくとも１つの自由形式のデジ
タルインク注記事項に対応するデータの一部を少なくと
も１つの自由形式のデジタルインク注記事項とともに表
示する。本発明の第１７の態様は、第１２の態様におい
て、前記データが医学的、工学的、実験的、科学的、金
融上の及びビジネス上のデータのうちの少なくとも１つ
である。本発明の第１８の態様は、第１２の態様におい
て、前記データトレースが音声トレース、気圧記録、心
電図、脳波、エレクトログラム、エレクトログラフ、筋
電図、キモグラム、ポリグラム、震動記録及び温度記録
のうちの少なくとも１つである。本発明の第１９の態様
は、第１２の態様において、前記データトレースが映像
データストリームからの一連の画像である。
【０００９】
【発明の実施の形態】図１は、本発明の電子データトレ
ース注記システム１０の一実施形態を示す。この電子デ
ータトレース注記システム１０は、本発明を実行するた
めにプログラム、データトレースの基礎をなすデータ及
び他のデータを記憶するメモリ１４と通信するプロセッ
サ１２を含む。プロセッサ１２は更に入力/出力デバイ
ス１６を介してディスプレイ１８、キーボード２０、マ
ウス２２、ペン２４及びデータストリーム入力デバイス
２６とそれぞれ通信する。キーボード２０、マウス２
２、ペン２４及びあらゆる他のインタフェースデバイス
（図示せず）は、電子データストリーム注記システム１
０の動作を制御するためにユーザにより操作される。電
子データストリーム注記システム１０の制御は示された
インタフェースデバイスに限定されるものではなく、ま
た特定のインタフェースデバイスを要するものではな
い。ディスプレイ１８は独立したペンコンピュータ上に
あってもよく、またはテザー（つなぎ）を介して一般的
なコンピュータと接続されたタブレット上にあってもよ
い。ペン２４はペンタブレット、ペンディスプレイ、ペ
ンディスプレイタブレット、ペンコンピュータ、または
あらゆる他のタイプのペンベースの入力デバイスまたは
タッチスクリーンであってもよい。
【００１０】図１に示されているように、システム１０
はプログラミングされた汎用コンピュータを用いて実行
されることが好ましい。しかしながら、システム１０は
専用コンピュータ、プログラミングされたマイクロプロ
セッサまたはマイクロコントローラ、及びあらゆる所要
の周辺集積回路素子、ＡＳＩＣまたは他の集積回路、離
散素子回路のような配線による電子または論理回路、Ｐ
ＬＤ、ＰＬＡ、ＦＰＧＡまたはＰＡＬなどのようなプロ
グラム可能型論理デバイスを用いて実施することができ
る。概して、図６乃至図１０に示したフローチャートを
実行することができる有限状態機械が使用できるあらゆ
るデバイスをシステム１０を実施するために用いること
が可能である。
【００１１】更に、図１に示すように、メモリ１４はス
タティックＲＡＭまたはダイナミックＲＡＭを利用して
実施されることが好ましい。しかし、メモリ１４はフロ
ッピーディスク及びディスクドライブ、書込み可能な光
ディスク及びディスクドライブ、ハードドライブ、フラ
ッシュメモリなどを用いて実行することも可能である。
加えて、メモリ１４は１つのメモリの別個の一部であっ
てもよいし、或いは物理的に別体のメモリであってもよ
いことを認識されたい。
【００１２】また、メモリ１４、ディスプレイ１８、キ
ーボード２０、マウス２２、ペン２４、データストリー
ム入力デバイス２６及び入力/出力デバイス１６をプロ
セッサに接続するリンク２８、３０、３２、３４、３
６、３８及び４０はネットワーク（図示せず）への配線
式リンクとすることもできるし、或いは無線式リンクと
することも可能であることを認識されたい。これらのネ
ットワークはローカルエリアネットワーク、ワイドエリ
アネットワーク、イントラネット、インターネットまた
は他のあらゆる分散処理及び記憶ネットワークとするこ
とが可能である。
【００１３】図２（Ａ）は、注記が付された地震計５２
のディスプレイ５０を示す。地震計５２には、５６、５
８、６０及び６２の各点で注記が付されたデータトレー
ス５４が含まれる。図２（Ｂ）に示されているように、
本発明のシステム及び方法の一実施形態では、自由形式
のデジタルインクによる注記を震動記録の部分の選択範
囲として解釈する。この実施形態では次いでデータトレ
ース６６の注記が付された部分が表示されたディスプレ
イ６４が示される。本発明のシステム及び方法の一実施
形態では、データトレースの注記が付されていない部分
を圧縮しまたは削除することにより、データトレースに
必要とされる記憶の量を減少させることができる。
【００１４】本発明の方法及びシステムは時間ベースの
データに適用されることができ、また、局在した及び頻
度の低い重要な情報を含んだ時間ベースのデータに対し
て特に有用である。多くの異なるタイプの科学器具から
のデータトレースは、局在したまたは頻度の低い重要な
情報というこの特性を有しているため、これらのデータ
トレースに対して、本発明のシステム及び方法の自由形
式のデジタルインクによる注記に基づいて要約しこれら
の部分のデータトレースの記憶を管理することができる
能力は有用であるといえる。
【００１５】図３（Ａ）は、ボイスメールメッセージ７
２の、注記が付された音声データトレースを表示するデ
ィスプレイ７０を示す。音声トレース７２には自由形式
のデジタルインクによる注意事項７４、７６及び７８が
含まれる。自由形式のデジタルインクによる注意事項７
４、７６及び７８は音声トレース７２の対応する部分と
関連付けられている。
【００１６】図３（Ｂ）は、図３（Ａ）の音声データト
レース７２の要約（サマリー）８２を表示するディスプ
レイ８０を示す。要約８２は、自由形式のデジタルイン
クによる注意事項７４、７６及び７８と対応するデータ
トレース７２の音声部分のみを示している。このように
して、本発明の方法及びシステムの一実施形態は、自由
形式のデジタルインクによる注記事項に対応する音声部
分を指定し、データトレースの要約を示し、更に自由形
式のデジタルインクによる注記事項に従ってデータトレ
ースの基となるデータの記憶を管理することができる。
一例として、データトレース中の注記が付されていない
部分は、記憶即ちメモリからそれらを削除することによ
り管理され得る。
【００１７】自由形式のデジタルインクによる注記に対
応するデータトレースの部分は、圧縮、保管、コピー、
送信、削除されてもよく、またはこれらの部分に対して
行われるあらゆる他のタイプの記憶管理機能を有してい
てもよいことを理解されたい。
【００１８】更に、本発明の方法及びシステムの一実施
形態は、自由形式のデジタルインクによる注記に対応す
るデータトレースまたはデータトレースの一部を再現す
る能力を提供する。
【００１９】本発明の方法及びシステムの一実施形態
は、動的なトレースに対し自由形式のデジタルインクに
よる注記を直接行うことを可能とする。データトレース
は、画面の一端から他端へと連続的にスクロールされて
もよく、またはトレースは一端から他端へと延長し、例
えばページを繰ることにより開始されてもよい。任意で
はあるが、この実施形態では、ペンダウンを検出する
と、ユーザが必要に応じてデータトレースに注記を行う
間ディスプレイのスクローリングを停止させまたはペー
ジターンを阻止することにより、ページ配置を一時的に
「固定(freeze)」することができる。
【００２０】更に、本発明の方法及びシステムの一実施
形態は、データトレースに隣接する、しかし直接的には
それと相関連しないノートテイキングの領域を提供す
る。これにより、注記を行うべきデータトレースに合う
量よりも多くの量の注記事項の作成が可能となる。必要
に応じて、本発明の方法及びシステムの一実施形態で
は、データトレースの対応する部分の大きさが対応する
自由形式のデジタルインクによる注記事項の大きさと適
合されるか近似するように全体のデータトレースのスケ
ールが調整されるよう、ユーザがデータトレースのディ
スプレイスケールを制御してもよい。同様に、一実施形
態では、自由形式のデジタルインクによる注記のスケー
ルをユーザの好みに従ったデータトレースのディスプレ
イのスケールに対応するよう制御してもよい。
【００２１】本発明の方法及びシステムの一実施形態
は、新しいデータをトレース上にレンダリングし、自由
形式のデジタルインクによる注記事項を自動トレース上
に記録し、自由形式のデジタルインクによる注記事項を
自動トレース上にレンダリングし、ユーザの要求に従っ
て自動トレース上の自由形式のデジタルインクによる注
記事項のうちのある部分または全ての部分に対応する部
分を見、及び自由形式のデジタルインクによる注記に基
づいてデータトレースの記憶の管理を行うことを可能と
するプロセス及びデータ構造を用いる。
【００２２】本発明の方法及びシステムの一実施形態
は、時間を軸として構成された自動トレースの記録、自
動トレースの現在の図(current view)、時間に対する画
面選択のマッピング並びにある開始時間からのオフセッ
トとして記憶された自由形式のデジタルインクによる注
記事項の記録を維持する。簡潔にするために、ノートテ
イキングの領域を提供するプロセスまたはユーザの要求
に従った自由形式のデジタルインクによる注記と共に記
録のスケールを制御するためのプロセスに関する記載は
詳細な説明に含まれていない。しかしながら、通常の技
術を有する当業者であれば、この詳細な説明を読み、理
解すればこれらの機能を提供することが可能であろう。
【００２３】本発明のシステムの一実施形態は、経時に
伴うデータトレースの記録を提供する幾つかのデータ構
造を用いる。これらのデータ構造は次に挙げる幾つかの
作業を支援する。即ち、時間の範囲に対応するトレース
即ち時間の範囲のリストを図にレンダリングし、図の位
置に対応する時間即ち図の一部に対応する時間の範囲を
受け取り、図中の時間値に対応する位置を獲得し、時間
の範囲毎に記録を削除、圧縮、保管またはコピーするこ
とにより記憶管理を行う。
【００２４】図４は本発明の一実施形態に従ったデータ
トレースデータ構造９０を示す。データトレースデータ
構造にはデータ値９２及びそれらが対応する時間９４が
含まれる。
【００２５】図５は、各々が注記ＩＤ９８、開始時間１
００、終了時間１０２及びオフセットのリスト１０４を
含む注記記録を含む注記データベースデータ構造９６を
示す。この注記データベースデータ構造は、後述する時
間の範囲に対応する注記事項をまとめ、注記事項を除去
し及び注記事項を獲得するプロセスを支援する。
【００２６】図４及び図５のデータ構造はデータ編成の
１つの方法の単なる例であり、本発明の方法及びシステ
ムはこれらにも何らかの他のデータ構造にも限定されな
いことを理解されたい。これは、通常の技術を有する当
業者であればデータが本明細書中に開示されていない多
くの異なる方法で編成され得ることを理解し本発明を実
行することが可能であるからである。
【００２７】図６及び図７は自由形式のデジタルインク
による注記事項を記録するための制御ルーチンの概略を
示すフローチャートである。制御ルーチンはステップＳ
２００で開始され、ステップＳ２０２に続く。ステップ
Ｓ２０２で制御ルーチンは開始位置を現在のペンの位置
に設定し、ステップＳ２０４に進む。ステップＳ２０４
で、制御ルーチンは例えば図４に示されたデータトレー
スデータ構造を用いることにより開始位置に対応する時
間を獲得し、ステップＳ２０６に進む。ステップＳ２０
６で制御ルーチンは、ステップＳ２０４の開始位置の時
間、及びその時間のみを含みオフセットを含まない範囲
から新たな注記の記録を図５に示すような注記データベ
ース中に作成しステップＳ２０８に進む。ステップＳ２
０８で制御ルーチンは古い（前の）位置を開始位置に設
定し、ステップＳ２１０に進む。ステップＳ２１０で、
制御ルーチンは現在の位置をペンの位置に設定しステッ
プＳ２１２に進む。ステップＳ２１２で、制御ルーチン
はトレースを更新し、新しいデータを（新しいデータが
ある場合、好ましくはトレースをスクロール及び改頁す
ることなく）示し、制御ルーチンはステップＳ２１４に
進む。ステップＳ２１４で、制御ルーチンは古い位置か
ら現在の位置へ線を引く。次いで制御ルーチンはステッ
プＳ２１６へ進む。
【００２８】ステップＳ２１６で、制御ルーチンは現在
の注記事項のオフセットを現在の位置から開始位置をマ
イナスしたものに設定し、ステップＳ２１８に進む。ス
テップＳ２１８で、制御ルーチンはオフセットを注記デ
ータベース中の現在の注記事項に追加し、ステップＳ２
２０に進む。ステップＳ２２０で、制御ルーチンはデー
タトレースデータ構造中の現在の位置に対応する時間を
獲得し、ステップＳ２２２に進む。ステップＳ２２２
で、制御ルーチンは注記データベース中の現在の注記の
時間範囲をステップＳ２２０の現在の位置の時間を含む
ように拡大し、ステップＳ２２４に進む。ステップＳ２
２４で、制御ルーチンは古い位置を現在の位置に設定
し、ステップＳ２２６に進む。ステップＳ２２６で、制
御ルーチンはユーザがペン入力ディスプレイのペンを持
ち上げてオフにしたか否かを判断する。ステップＳ２２
６で制御ルーチンがユーザはペンを持ち上げていないと
判断すると、制御ルーチンはステップＳ２１０に戻る。
他方、ステップＳ２２６でユーザがペン入力デバイスか
らペンを持ち上げてオフにしたと制御ルーチンが判断す
ると制御ルーチンはステップＳ２２８に進む。ステップ
Ｓ２２８で、制御ルーチンはディスプレイを更新し、適
切であればトレースをスクロールまたは改頁し、ステッ
プＳ２３０に進む。ステップＳ２３０で、制御ルーチン
は図６及び図７の動作をする環境に戻る。
【００２９】図８は自由形式のデジタルインクによる注
記事項をデータトレースのディスプレイ上にレンダリン
グする制御ルーチンの概略を示すフローチャートであ
る。制御ルーチンはステップＳ３００で開始されステッ
プＳ３０２に続く。ステップＳ３０２で、制御ルーチン
はデータトレースデータ構造の全体図に対応する時間の
範囲を決定し、ステップＳ３０４に進む。ステップＳ３
０４で、制御ルーチンは注記事項のデータベースから、
ステップＳ３０２で得られた時間の範囲に対応する注記
事項のリストを作成し、ステップＳ３０６に進む。ステ
ップＳ３０６で、制御ルーチンはステップＳ３０４で作
成されたリストから注記の回数に対応する視点位置を決
定し、ステップＳ３０８に進む。ステップＳ３０８で、
制御ルーチンは開始位置をステップＳ３０６の視点位置
に設定し、ステップＳ３１０に進む。ステップＳ３１０
で、制御ルーチンは古い位置をステップＳ３０６で得ら
れた位置に設定し、ステップＳ３１２に進む。
【００３０】ステップＳ３１２で、制御ルーチンは現在
の注記事項の各オフセット毎に、新しい位置を開始位置
にオフセットをプラスしたものに設定し、ステップＳ３
１４に進む。ステップＳ３１４で、制御ルーチンは古い
位置から新しい位置へ線を引き、ステップＳ３１６に進
む。ステップＳ３１６で、制御ルーチンは古い位置を新
しい位置に設定し、ステップＳ３１８に進む。ステップ
Ｓ３１８で、制御ルーチンは現在の注記事項の記録中に
更なるオフセットがあるか否かを判断する。ステップＳ
３１８で制御ルーチンが現在の注記事項の記録中に更な
るオフセットがあると判断した場合、制御ルーチンはス
テップＳ３１２に戻り、注記事項の各オフセット毎にス
テップＳ３１２、Ｓ３１４及びＳ３１６を繰り返す。他
方、ステップＳ３１８で制御ルーチンが現在の注記事項
中に更なるオフセットはないと判断した場合、制御ルー
チンはステップＳ３２０に進む。ステップＳ３２０で、
制御ルーチンは注記データベースに更なる注記事項があ
るか否かを判断する。ステップＳ３２０で制御ルーチン
が注記データベースに更なる注記事項があると判断した
場合、制御ルーチンはステップＳ３０６に戻り次の注記
事項の処理を行う。他方、制御ルーチンが注記データベ
ースに更なる注記事項はないと判断した場合、制御ルー
チンはステップＳ３２２に進む。ステップＳ３２２で、
制御ルーチンは図８の動作をする環境に戻る。
【００３１】図９はデータトレースを要約するための本
発明の制御ルーチンの概略を示すフローチャートであ
る。制御ルーチンはステップＳ４００で開始され、ステ
ップＳ４０２に続く。ステップＳ４０２で、制御ルーチ
ンは時間の範囲の空リストを作成し、ステップＳ４０４
に進む。ステップＳ４０４で制御ルーチンはステップＳ
４０２で作成したリストに第１の注記の時間の範囲を追
加し、ステップＳ４０６に進む。ステップＳ４０６で、
制御ルーチンは注記データベース中に更なる注記事項が
あるか否かを判断する。ステップＳ４０６で制御ルーチ
ンが注記データベース中に更なる注記事項があると判断
した場合、制御ルーチンはステップＳ４０４に戻り、注
記データベース中の全ての注記事項に対しステップＳ４
０４を繰り返す。他方、制御ルーチンが注記データベー
ス中に処理すべき注記事項がないと判断した場合、制御
ルーチンはステップＳ４０８に進む。ステップＳ４０８
で、制御ルーチンは時間の範囲を開示時間によって分類
し、重複している時間の範囲を併合し、ステップＳ４１
０に進む。ステップＳ４１０で、制御ルーチンはデータ
トレースデータ構造を用いて時間の範囲のリストに対応
する図を表示し、ステップＳ４１２に進む。ステップＳ
４１２で、制御ルーチンは図９の動作をする環境に戻
る。
【００３２】図１０は本発明の一実施形態に従ったデー
タトレースのための記憶管理を行う制御ルーチンの概略
を示すフローチャートである。制御ルーチンはステップ
Ｓ５００で開始され、ステップＳ５０２に続く。ステッ
プＳ５０２で、制御ルーチンは時間の範囲の空リストを
作成し、ステップＳ５０４に進む。ステップＳ５０４
で、制御ルーチンは注記データベース中の現在の注記事
項の時間の範囲をステップＳ５０２で作成したリストに
追加し、ステップＳ５０６に進む。ステップＳ５０６
で、制御ルーチンは注記データベース中に更なる注記事
項があるか否かを判断する。ステップＳ５０６で制御ル
ーチンが注記データベース中に更なる注記事項があると
判断した場合、制御ルーチンはステップＳ５０４に戻
り、注記データベース中の各注記事項毎にステップＳ５
０４を繰り返す。他方、ステップＳ５０６で制御ルーチ
ンが注記データベース中に更なる注記事項はないと判断
した場合、制御ルーチンはステップＳ５０８に進む。ス
テップＳ５０８で、制御ルーチンは時間の範囲を分類
し、重複している時間の範囲を併合し、ステップＳ５１
０に進む。ステップＳ５１０で、制御ルーチンはデータ
トレースデータ構造中の、リスト外の全ての時間の範囲
を削除し、ステップＳ５１２に進む。ステップＳ５１２
で、制御ルーチンは図１０の動作をする環境に戻る。
【００３３】ステップＳ５１０で、本発明の方法及びシ
ステムのユーザは削除コマンドに加えあるいは削除コマ
ンドの代わりにあらゆる数の記憶管理コマンドの中から
コマンドを選択することができる。他の記憶管理コマン
ドの例としては、圧縮、コピー、移動などが挙げられ
る。本発明の方法及びシステムはいかなる特定の記憶管
理機能にも限定されないことを理解されたい。
【００３４】自由形式のデジタルインクによる注記と
は、経時に伴い持続するポインティングデバイスを用い
て行われる任意の形態の可視インクのストロークを意味
するものを意図している。本発明のシステムはインクの
ストロークの形状即ち形態における特徴からある程度意
味を推定することができるが、一旦認識されたインクス
トロークを取り消すことはしない。
【００３５】用語”ドキュメント”はテキスト、映像、
音声及び他のあらゆる媒体の組合せを含むことを意図し
ていることを理解されたい。
【００３６】本発明は前記概要のとおり特定の実施形態
を用いて詳述したが多くの代替物、変更、変形が存在し
得ることは当業者には明白であろう。従って、前記した
本発明の好適な実施形態はあくまでも本発明の実施例を
示すためのものであり、本発明はこれらに限定されるも
のではない。前記請求項に示す本発明の精神と範囲から
離れることなく、種々の変更形態が存在し得る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の電子データトレース注記システムの一
実施形態のブロック図である。
【図２】（Ａ）は本発明の一実施形態に従って注記が付
された震動記録を示す図であり、（Ｂ）は本発明の一実
施形態に従った、（Ａ）の注記が付された震動記録の、
注記事項を用いて要約したものを示す図である。
【図３】（Ａ）は本発明の一実施形態に従った、ボイス
メールメッセージの注記が付された音声トレースを示す
図であり、（Ｂ）は本発明の一実施形態に従った、
（Ａ）の注記が付された音声トレースの要約を示す図で
ある。
【図４】本発明の一実施形態に従った、データトレース
データ構造を示す図である。
【図５】本発明の一実施形態に従った、注記データベー
スデータ構造を示す図である。
【図６】本発明の一実施形態に従った、自由形式のデジ
タルインクによる注記事項を記録するための制御ルーチ
ンの概略を示すフローチャートである。
【図７】本発明の一実施形態に従った、自由形式のデジ
タルインクによる注記事項を記録するための制御ルーチ
ンの概略を示すフローチャートである。
【図８】本発明の一実施形態に従った、自由形式のデジ
タルインクによる注記事項をデータトレース上にレンダ
リングするための制御ルーチンの概略を示すフローチャ
ートである。
【図９】本発明の一実施形態に従った、自由形式のデジ
タルインクによる注記事項を用いてトレースを要約する
ための制御ルーチンの概略を示すフローチャートであ
る。
【図１０】本発明の一実施形態に従った、自由形式のデ
ジタルインクによる注記事項を用いて、データトレース
のためのデータ記憶を管理するための制御ルーチンの概
略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
５４、６６ データトレース ５６、５８、６０、６２ 注記 ７２ 音声トレース ７４、７６、７８ 注記 ８２ 要約
フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム エヌ．シリット アメリカ合衆国 94025 カリフォルニア 州 メンロ パーク メンロ アベニュー 973

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 自由形式のデジタルインクを用いてデー
    タトレースを注記する方法であって、 データを表すデータトレースをディスプレイに表示する
    ステップと、 データトレースの際に少なくとも１つの自由形式のデジ
    タルインク注記事項を受け取るステップと、 自由形式のデジタルインク注記事項をデータトレースの
    ディスプレイ上に表示するステップを含む、 自由形式のデジタルインクによるデータトレースの注記
    方法。
  2. 【請求項２】 少なくとも１つの自由形式のデジタルイ
    ンク注記事項をディスプレイ上に表示されたデータの対
    応する部分にマッピングするステップを更に含む、請求
    項１記載の方法。
  3. 【請求項３】 少なくとも１つの自由形式のデジタルイ
    ンク注記事項を選択するステップを含み、 選択された少なくとも１つの自由形式のデジタルインク
    注記事項に対応するデータの記憶を管理するステップを
    更に含む、請求項１記載の方法。
  4. 【請求項４】 要約コマンドを受け取るステップを含
    み、 少なくとも１つの自由形式のデジタルインク注記事項と
    対応するデータの一部を、少なくとも１つの自由形式の
    デジタルインク注記事項とともに表示するステップを更
    に含む、請求項１記載の方法。
  5. 【請求項５】 自由形式のデジタルインクを用いてデー
    タトレースに注記を行うためのシステムであって、 データトレースのディスプレイを含み、 データトレースの少なくとも１つの自由形式のデジタル
    インク注記事項を受け取るための入力デバイスを含み、
    前記ディスプレイが少なくとも１つの自由形式のデジタ
    ルインク注記事項を受け取ることに応答して少なくとも
    １つの自由形式のデジタルインク注記事項をデータトレ
    ースの少なくとも１つの対応する部分にレンダリングす
    る、 自由形式のデジタルインクによる注記システム。
  6. 【請求項６】 少なくとも１つの自由形式のデジタルイ
    ンク注記事項をディスプレイに表示されたデータの対応
    する部分にマッピングするためのプロセッサを更に含
    む、請求項５記載のシステム。
  7. 【請求項７】 少なくとも１つの自由形式のデジタルイ
    ンク注記事項を選択することに応答して、選択された少
    なくとも１つの自由形式のデジタルインクによる注記事
    項に対応するデータの記憶管理を行うプロセッサを更に
    含む、請求項５記載のシステム。
  8. 【請求項８】 前記プロセッサが選択されたデータ及び
    選択されないデータの１つに対し削除、圧縮、コピー、
    送付、送信及び移動のうちの少なくとも１つを行うこと
    によりデータの記憶を管理する、請求項７記載のシステ
    ム。
  9. 【請求項９】 前記ディスプレイが要約コマンドに応答
    して少なくとも１つの自由形式のデジタルインク注記事
    項に対応するデータの一部を少なくとも１つの自由形式
    のデジタルインク注記事項とともに表示する、請求項５
    記載のシステム。
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