JP2000185355A - 発泡成型品の製造方法および製造装置 - Google Patents

発泡成型品の製造方法および製造装置

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JP2000185355A
JP2000185355A JP10366599A JP36659998A JP2000185355A JP 2000185355 A JP2000185355 A JP 2000185355A JP 10366599 A JP10366599 A JP 10366599A JP 36659998 A JP36659998 A JP 36659998A JP 2000185355 A JP2000185355 A JP 2000185355A
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mold
cavity surface
skin material
cavity
resin
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Hideo Nishimura
秀雄 西村
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度の高い複合発泡成型品を供給する。 【解決手段】 上型1のキャビティ面1aに、着脱自在
なキャビティ面型5を取付けた状態で型締し、発泡性樹
脂4を射出する。発泡性樹脂4は、キャビティ面型5と
下型2とで形成されるキャビティ内に充填される。次に
型開すると、発泡性樹脂4に加えられていた圧力が低下
するので、発泡性樹脂4の発泡が始まる。この際、発泡
性樹脂4は下型2に支えられ、何等の制約を受けること
なく全体にわたって均一に発泡、膨張する。発泡性樹脂
4が過度の膨張を引き起こしかつ過度に冷却される前
に、表皮材3の投入と、キャビティ面型5の脱型とを完
了し、再度の型締を行う。そして、上型1と下型2とで
形成されるキャビティ内で、表皮材3と発泡性樹脂4と
の溶着、一体化を行い、所望の製品形状を有する複合発
泡成型品を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡性樹脂の表面
に表皮材を一体化するための、スタンピングプレス方法
とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のドアトリム、インストルメント
パネル等には、従来より、触感や衝撃吸収性に優れるウ
レタンフォーム等の発泡性樹脂の表面に、美観を高める
ための表皮材をコーティングした、いわゆる複合発泡成
型品が多く用いられている。この複合発泡成型品は、従
来、次のようなスタンピングプレス方法で製造されてい
た。
【0003】まず、図5(a)に示すように、上型1と
下型2との間に表皮材3を投入し、発泡性樹脂4を下型
2と表皮3との間に射出する。発泡性樹脂4は、射出時
まで高温、高圧下に置かれているために、射出直後は依
然として未発泡の溶融状態にある。そこで、素早く型締
めを行い、上型1と下型2との間に表皮材3と発泡性樹
脂4を挟み込む。すると、図5(b)に示すように、発
泡性樹脂4は表皮材3と下型2との間に均一に行き渡
り、表皮材3は上型1のキャビティ面に密着する。続い
て、図5(c)に示すように微小量だけ型開し、金型内
部で発泡性樹脂4にかかる圧力を下げる。すると、発泡
樹脂4の発泡が促進され、型開した分だけ発泡性樹脂4
は膨張する。図5(c)の状態で発泡樹脂の冷却、固化
を待つと、表皮材3と発泡性樹脂4とが溶着された所望
の複合発泡成型品が成形される(図5(b),(c)は
下型2のゲートの図示を省略している。)。このよう
に、成型工程の初期段階に表皮材3を投入し、発泡性樹
脂4を型内に満たした後に、僅かに型開し、所望の樹脂
厚を得るスタンピングプレス方法は、特開平6-344362号
公報等にその詳細が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のスタンピングプレス方法は、以下のような解決すべ
き点があった。まず、従来の方法では、発泡性樹脂の発
泡後の樹脂厚が型開量によって決定されるものであるた
めに、型開量を高い精度で制御する必要があった。この
ときの型開制御は、型の全開状態と前閉状態の中間位置
で型を停止させる必要があることから、所望の位置にお
ける位置決め精度を維持することが困難であった。この
ため、複合発泡成型品の板厚を安定させ、寸法精度の高
い部品を供給することが困難であった。
【0005】また、上型のキャビティ面と下型のコア面
との距離は、型開方向に互いに平行な面に挟まれる部分
(図5(c)に符号Aで示す)では、ある程度の制御が
可能であるが、型開方向に平行ではない部分(図5
(c)に符号Bで示す)は、僅かに型開した程度では、
両者の距離がほとんど変化しない。このために、従来の
方法では、製品の場所によって発泡の度合いにばらつき
が生じ、複合発泡成型品の板厚が不均一となる等の問題
もあった。
【0006】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、寸法精度が高く、か
つ、全体に渡って厚さが均一な複合発泡成型品を得るこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の請求項1に係る発泡成型品の製造方法は、着
脱自在なキャビティ面型を成形型本体のキャビティ面に
取付けて型締し、発泡性樹脂の射出成形を行い、型開し
て前記キャビティ面型の脱型と表皮材の成形型への投入
とを行い、再度型締して前記発泡性樹脂と前記表皮材と
を一体化することを特徴とする。
【0008】本発明によると、まず、着脱自在なキャビ
ティ面型を成形型本体のキャビティ面に取付けて型締
し、発泡性樹脂の射出成形を行うことにより、金型本体
の一方の型と、前記キャビティ面型との組み合わせで形
成されるキャビティ内に発泡性樹脂を充填する。そし
て、発泡性樹脂に未発泡の状態で望まれる形状を与え
る。次に、型開して発泡性樹脂に加えられていた圧力を
低下させ、発泡性樹脂の発泡を開始させる。型開状態で
あることから、発泡性樹脂は何等の制約を受けることな
く、その全体にわたって均一に発泡、膨張する。なお、
この型開の際に、金型の開放量を精密に制御する必要は
なく、単に型開をすれば良い。
【0009】そして、発泡性樹脂が過度の膨張を引き起
こし、かつ、過度に冷却される前に、型開して前記キャ
ビティ面型の脱型と表皮材の成形型への投入とを行い、
再度型締する。この再度の型締の際には、前記キャビテ
ィ面型が脱型されていることから、金型本体の一対の金
型で形成されるキャビティ内の空間は拡張している。し
たがって、前記発泡性樹脂は、前記表皮材と共にキャビ
ティ内が満たされる状態となるまで膨張する。そして、
前記表皮材と前記発泡性樹脂とが溶着して一体化し、所
望の板厚を有する複合発泡成型品となる。なお、ここで
得られる発泡性樹脂の板厚は、金型本体の一対の金型で
形成されるキャビティの厚さから前記表皮材の厚さを差
し引いたものとして、一義的に得られるものであり、型
開制御等は一切不要である。
【0010】また、本発明の請求項2に係る発泡成型品
の製造方法は、前記キャビティ面型を前記成形型本体の
キャビティ面に取付ける際に、前記キャビティ面型を所
定温度以上に加熱しておくものとする。この構成によ
り、前記金型本体の一方の型と、前記キャビティ面型と
の組み合わせで形成されるキャビティ内に、充填発泡性
樹脂が充填されてから型開までの間、樹脂を保温し、型
開後の発泡性樹脂の発泡、膨張を助ける。
【0011】また、本発明の請求項3に係る発泡成型品
の製造方法は、前記成形型のうち、少なくとも前記成形
型本体の前記キャビティ面型がセットされる側の成形型
を、一定温度に冷却する。この構成によると、前記キャ
ビティ面型を脱型した後の再度の型締の際に、前記表皮
材と溶着してキャビティに満たされた状態の発泡性樹脂
の冷却を、促進することができる。
【0012】さらに、本発明の請求項4に係る発泡成型
品の製造方法は、前記キャビティ面型に、前記表皮材に
望まれる表面形状を得るための型形状を形成しておくも
のとする。この構成によると、発泡性樹脂と一体化した
状態で前記表皮材に望まれる表面形状を、未発泡の発泡
性樹脂に予め与えておくことができる。このため、前記
表皮材にクッション層が含まれる場合であっても、当該
クッション層により成形性が阻害されることなく、前記
表皮材に望まれる表面形状を与えることができる。
【0013】また、上記課題を解決するための本発明の
請求項5に係る発泡成型品の製造装置は、所望の製品形
状を得るための型形状を備える成形型本体と、該成形型
本体の一方の型に取付けた状態で型締可能な、着脱自在
のキャビティ面型と、前記キャビティ面型の着脱、前記
成形型本体への表皮材の投入および複合発泡成型品の脱
型を行う搬送装置とを備えることを特徴とする。
【0014】本発明によると、まず、成形型本体の一方
の型に対しキャビティ面型を取付けた状態で型締し、金
型本体の一方の型と、前記キャビティ面型との組み合わ
せで形成されるキャビティ内に発泡性樹脂を充填するこ
とにより、発泡性樹脂に未発泡の状態で望まれる形状を
与えることができる。この状態で型開し、前記搬送装置
で、前記キャビティ面型の脱型、前記成形型本体への表
皮材の投入を行い、再度型締する。成形型本体は、前述
のごとく所望の製品形状を得るための型形状を備えてい
るので、キャビティ内では、発泡性樹脂が所望の製品形
状へと膨張、成形され、表皮材と密着することにより、
所望の板厚を有する複合発泡成型品が成形される。そし
て、再度の型開の後、前記搬送装置により、複合発泡成
型品の脱型と、次の成形サイクルのための前記キャビテ
ィ面型の金型本体への取付けを行う。
【0015】また、本発明の請求項6に係る発泡成型品
の製造装置によると、前記キャビティ面型の加熱装置を
備える。そして、該加熱装置により前記キャビティ面型
を所定温度以上に加熱してから、成形型本体の一方の型
に対しキャビティ面型を取付け、型締、発泡性樹脂の充
填を行う。すると、金型本体の一方の型と、前記キャビ
ティ面型との組み合わせで形成されるキャビティに充填
された発泡性樹脂が、前記キャビティ面型により保温さ
れ、その後の発泡性樹脂の膨張、成形および表皮材への
溶着を助ける。
【0016】さらに、本発明の請求項7に係る発泡成型
品の製造装置は、前記キャビティ面型の形状が、前記表
皮材の厚さと発泡性樹脂に求められる膨張量とを考慮し
て決定されている。前述のごとく、キャビティ面型の着
脱、前記成形型本体への表皮材の投入の後、再度の型締
めを行うと、前記キャビティ面型が無くなった分だけキ
ャビティ内の空間は拡張する。そして、該キャビティ内
の発泡性樹脂は、拡張した空間から前記表皮材の厚さを
差し引いた分だけ膨張する。したがって、必要とされる
膨張量と前記表皮材の厚さとを考慮して前記キャビティ
面型の形状を決定すれば、型開量の制御等を一切するこ
となく、発泡性樹脂の板厚が一義的に得られる。
【0017】加えて、本発明の請求項8に係る発泡成型
品の製造装置においては、前記キャビティ面型が、前記
表皮材に望まれる表面形状を得るためのキャビティ形状
を有している。この構成によると、発泡性樹脂と一体化
した状態で前記表皮材に望まれる表面形状を、未発泡の
発泡性樹脂に予め与えておくことができる。このため、
前記表皮材にクッション層が含まれる場合であっても、
当該クッション層により成形性が阻害されることなく、
前記表皮材に望まれる表面形状を与えることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。ここで、従来例と同一部分
若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳し
い説明を省略する。
【0019】まず、本発明の実施の形態に係る発泡成型
品の製造装置の構成を、図1および図2に基づき説明す
る。本装置は、成形型本体である上型1、下型2に加
え、キャビティ面型5を備える。上型1、下型2は、夫
々所望の製品形状を得るための型形状を備えるものであ
り、従来のスタンピングプレス方法に用いられる金型と
同様のものである。キャビティ面型5は、Ni 電鋳等に
より作られる薄く軽量な金型であり、上型1のキャビテ
ィ面1aに対し、適当な方法によって着脱可能に取付け
て用いる。なお、キャビティ面型5は、上型1のキャビ
ティ面1aに取付けた状態で、上型1、下型2を型締す
ることが可能であり、かつ、型締状態では、キャビティ
面型5と下型2とでキャビティを形成することができ
る。
【0020】また、本発明の実施の形態に係る装置は、
搬送装置6を備えている。搬送装置6は、キャビティ面
型5の搬送およびキャビティ面1aに対する着脱を行う
ための搬送部6aと、表皮材3(図2)および複合発泡
成型品7(図1)の搬送を行う搬送部6bとを備えてい
る。搬送部6aは、キャビティ面型5を乗せて昇降させ
るためのリフトなどを備える。また、搬送部6bは、表
皮材3又は複合発泡成型品7を抱え込むためのアーム等
を備える。
【0021】続いて、図1ないし図4を参照しながら、
本発明の実施の形態に係る発泡成型品の製造方法を説明
する。
【0022】(1) まず、図3(a)に示すように、キャ
ビティ面型5をヒータ等の加熱装置で80°C以上に加熱
する。 (2) 続いて、ステップ(1) で加熱したキャビティ面型5
を、図3(b)に示すように、上型1(常時40°Cに冷
却されている。)のキャビティ面1aに取付ける。この
際、図1(a)、(b)に示すように、搬送装置6の搬
送部6aにキャビティ面型5を載置し、キャビティ面1
aの直下まで搬送装置6を移動させ、搬送部6aのリフ
トを上昇させて、キャビティ面1aにキャビティ面型5
を取付ける。なお、前工程の複合発泡成型品7がある場
合には、図1(a)に示すように、下型2からイジェク
トされた状態の複合発泡成型品7を、図1(b)に示す
ように、キャビティ面型5の装着と同時に搬送装置の搬
送部6bでつかみ、図1(c)に示すように、型外へと
搬出することができる。
【0023】(3) そして、図3(c)に示すように、上
型1と下型2とを型締し、発泡性樹脂4を射出する。発
泡性樹脂4は、キャビティ面型5と下型2とで形成され
たキャビティ内に充填される。この時点では、発泡性樹
脂は高圧下に置かれているために、未発泡の状態にあ
る。また、キャビティ面型5が80°C以上に加熱されて
いることから、発泡性樹脂を保温し、後のステップにお
ける発泡、膨張を助ける。なお、下型2は、常時60°C
程度に維持されている。
【0024】(4) 次に、図4(a)に示すように上型1
と下型2とを型開する。型開により、発泡性樹脂4に加
えられていた圧力が低下するので、発泡性樹脂4の発泡
が始まる。この際、型開状態であることから、発泡性樹
脂4は下型2のコア面2aに支えられて、何等の制約を
受けることなく、その全体にわたって均一に発泡、膨張
する。また、この型開時に、キャビティ面1aからキャ
ビティ面型5の脱型を行い、かつ、上型1と下型2との
間への表皮材3の投入を行う。なお、搬送装置6によ
る、図2(a)、(b)、(c)に示す順番での表皮材
3の投入と、キャビティ面型5の脱型とは、発泡性樹脂
4が過度の膨張を引き起こし、かつ、過度に冷却される
前に全て完了する。
【0025】(5) 続いて、図4(b)に示すように、再
度、上型1と下型2とを型締する。この再度の型締の際
には、キャビティ面型5が脱型されていることから、上
型1と下型2とで形成されるキャビティ内の空間は、ス
テップ(3) の型締めにより形成される空間よりも拡張し
ている。したがって、発泡性樹脂4は、表皮材3と共に
キャビティ内が満たされる状態になるまで膨張を続け
る。そして、表皮材3と発泡性樹脂4とが溶着、一体化
した状態で、所望の製品形状を有する複合発泡成型品へ
と成形される。前述のごとく、上型1は常時40°Cに冷
却されているので、表皮材3と溶着しキャビティに満た
された状態の、発泡性樹脂4の冷却を促進することがで
き、冷却時間の短縮による成形サイクルタイムの短縮を
図ることができる。
【0026】しかも、この時点で得られる発泡性樹脂4
の板厚は、上型1のキャビティ面1aと下型2のコア面
2aとで形成されるキャビティの厚さから、表皮材3の
厚さを差し引いたものとして一義的に得られるものであ
り、板厚制御を目的とした型開量の制御等は一切不要で
ある。そして、図4(b)の状態で発泡樹脂4の冷却、
固化を待つと、表皮材3と発泡性樹脂4とが溶着された
所望の複合発泡成型品7(図1参照)が成形される。
【0027】(6) そして、図1に示すように、再度上型
1と下型2とを型開し、搬送装置6で複合発泡成型品7
の脱型を行う。なお、連続して次の成形サイクルを実施
する場合には、ステップ(1) で加熱したキャビティ面型
5を、キャビティ面1aに取付け、上記ステップ(3) 〜
(6) を繰り返す。
【0028】上記構成をなす本発明の実施の形態から得
られる作用効果は、以下の通りである。まず、ステップ
(1) でキャビティ面型5を加熱するが、この際、キャビ
ティ面型5が薄く形成されていることから、所望の温度
まで簡単に昇温させることができる。続くステップ(2)
では、搬送装置6により、キャビティ面1aへのキャビ
ティ面型5の取付けと、前工程の複合発泡成型品7の脱
型とを同時に行うことができるので、当該ステップに要
する時間を短縮することができる。ステップ(3) では、
上型1と下型2とを型締し、キャビティ面型5と下型2
とで形成されたキャビティ内に発泡性樹脂4を射出、充
填する。このとき、キャビティ面型5が80°C以上に加
熱されていることから、発泡性樹脂4が冷却されること
なく、キャビティ内への充填が円滑に行われ、かつ、後
のステップにおける発泡性樹脂4の発泡、膨張を助ける
ことができる。下型2は、常時60°C程度に維持されて
いることから、発泡性樹脂4の下型2に密着する部分
は、ゆっくりと冷却されていく。なお、この時点では、
発泡性樹脂は高圧下に置かれているため、未発泡の状態
にある。
【0029】続いて、ステップ(4) で上型1と下型2と
を型開することにより、発泡性樹脂4は下型2のコア面
2aに支えられた状態で、何等の制約を受けることな
く、全体にわたって均一に発泡、膨張することができ
る。そして、発泡性樹脂4が過度の膨張を引き起こし、
かつ、過度に冷却される前に、搬送装置6により、表皮
材3の投入と、キャビティ面型5の脱型とを完了する。
この際、キャビティ面型5は軽量であることから取扱性
が高く、キャビティ面型5の迅速な脱型、表皮材3の迅
速な投入を行うことが可能である。
【0030】そして、ステップ(5) で再度の型締を行
い、キャビティ面型5が脱型されたことにより拡張した
キャビティ内で、発泡性樹脂4を膨張させる。発泡性樹
脂4は、表皮材3と共にキャビティ内が満たされる状態
になるまで膨張を続ける。そして、表皮材3と発泡性樹
脂4とが溶着、一体化した状態で、所望の製品形状を有
する複合発泡成型品へと成形される。しかも、キャビテ
ィ面型5を脱型することにより、キャビティはその全体
に渡って(型開方向に互いに平行な面に挟まれる部分、
型開方向に平行ではない部分のいずれも)拡張するの
で、全体の厚さが均一な複合発泡成型品7を得ることが
できる。なお、上型1は常時40°Cに冷却されているこ
とから、表皮材3と溶着しキャビティに満たされた状態
の発泡性樹脂4の冷却を、促進することができる。
【0031】この時点で得られる発泡性樹脂4の板厚
は、上型1のキャビティ面1aと下型2のコア面2aと
で形成されるキャビティの厚さから、表皮材3の厚さを
差し引いたものとして、一義的に得られるものであり、
従来の手法のように、微小量だけ型開する等、板厚制御
を目的とした型開量の制御等は一切不要である。したが
って、寸法精度が高い複合発泡成型品7を、簡単にかつ
安定して供給することができる。
【0032】ところで、キャビティ面型5の厚さは、表
皮材3の厚さと発泡性樹脂4に求められる膨張量との和
としてもよく、また、キャビティ面型5自体はさらに薄
い素材を用い、キャビティ面1aからキャビティ面型5
表面までの距離が、前記表皮材の厚さと発泡性樹脂4に
求められる膨張量との和となるように、上型1のキャビ
ティ面1aに取付けるようにしてもよい。
【0033】また、複合発泡成型品7の表皮材3に何ら
かの表面形状(微細な凹凸形状等)を成形する必要があ
る場合には、キャビティ面型5にその表面形状を得るた
めに必要な型形状を予め形成しておく。すると、ステッ
プ(3) の発泡性樹脂4の射出成形時に、未発泡の発泡性
樹脂4にこの表面形状を転写することができる。したが
って、発泡性樹脂4が膨張した際には、当該表面形状も
均等に膨張しながら表皮材3に溶着するので、表皮材3
を所望の表面形状に形成することができる。
【0034】このように、キャビティ面型5にその表面
形状を得るために必要な型形状を形成しておくことによ
る利点は以下の通りである。表皮材3にクッション層が
含まれる場合(実際、触感を向上させるためにクッショ
ン層が含まれることが多い。)、上型1のキャビティ面
1aに表面形状を得るための型形状を形成したもので
は、発泡性樹脂4の膨張時に当該クッション層のみが変
形し、表皮材3と発泡性樹脂4との溶着時に、発泡性樹
脂4自体には型形状が完全に転写されない。そして、離
型した後にクッション層の変形が基に戻ってしまうこと
から、表皮材3には所望の表面形状が転写されない状態
となる。この点、キャビティ面型5に必要な型形状を形
成すれば、前述のごとく発泡性樹脂4自体に所望の表面
形状を転写することができるので、クッション層の有無
に関係なく表皮材3を所望の形状に形成することができ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。まず、本発明の請求項1に係る
発泡成型品の製造方法によると、複合発泡成型品の板厚
を安定させ、寸法精度の高い部品を安定供給することが
できる。また、本発明の請求項2に係る発泡成型品の製
造方法によると、成形中、発泡性樹脂を適切に保温し、
所望の厚さを得るための発泡、膨張を助けることができ
る。さらに、本発明の請求項3に係る発泡成型品の製造
方法によると、発泡成型品の冷却を促進することがで
き、冷却時間の短縮による成形サイクルタイムの短縮を
図ることができる。また、本発明の請求項4に係る発泡
成型品の製造方法によると、表皮材の構造に関係なく、
表皮材に所望の形状を与えることができる。
【0036】また、本発明の請求項5に係る発泡成型品
の製造装置によると、発泡成型品の板厚を安定させ、寸
法精度の高い部品を安定供給することができる。また、
また、本発明の請求項6に係る発泡成型品の製造装置に
よると、成形中、発泡性樹脂を適切に保温し、所望の厚
さを得るための発泡、膨張を助けることができる。さら
に、本発明の請求項7に係る発泡成型品の製造装置によ
ると、寸法精度が高い発泡成型品を、簡単にかつ安定し
て供給することが可能となる。加えて、本発明の請求項
8に係る発泡成型品の製造装置によると、表皮材の構造
に関係なく、発泡成型品の表皮材に、所望の形状を与え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る複合発泡成型品の製
造装置の構成を、その作動手順と共に示す説明図であ
る。
【図2】図1と同様に、複合発泡成型品の製造装置の構
成を、その作動手順と共に示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る複合発泡成型品の製
造方法における各ステップを示す摸式図である。
【図4】図3に続く各ステップを示す摸式図である。
【図5】従来の複合発泡成型品の製造方法を示す摸式図
である。
【符号の説明】
1 上型 2 下型 3 表皮材 4 発泡性樹脂 5 キャビティ面型 6 搬送装置 7 複合発泡成型品 8 加熱装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 45/73 B29C 45/73 // B29K 105:04 B29L 9:00 31:58 Fターム(参考) 4F202 AA31 AA42 AG03 AG20 AH25 AJ02 CA11 CB01 CB13 CB22 CD12 CK19 4F204 AA31 AA42 AG03 AG20 AH25 AJ02 FA01 FA18 FB01 FB13 FB22 FF05 4F206 AA31 AA42 AG03 AG20 AH25 AJ02 JA04 JB13 JB22 JF05 JN25 JN33 4F212 AA31 AA42 AG03 AG20 AH25 AJ02 UA10 UB01 UB13 UF05 UF23 UK05 UL07 UN11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着脱自在なキャビティ面型を成形型本体
    のキャビティ面に取付けて型締し、発泡性樹脂の射出成
    形を行い、型開して前記キャビティ面型の脱型と表皮材
    の成形型への投入とを行い、再度型締して前記発泡性樹
    脂と前記表皮材とを一体化することを特徴とする発泡成
    型品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記キャビティ面型を前記成形型本体の
    キャビティ面に取付ける際に、前記キャビティ面型を所
    定温度以上に加熱しておくことを特徴とする請求項1記
    載の発泡成型品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記成形型のうち、少なくとも前記成形
    型本体の前記キャビティ面型がセットされる側の成形型
    を、一定温度に冷却することを特徴とする請求項1また
    は2記載の発泡成型品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記キャビティ面型に、前記表皮材に望
    まれる表面形状を得るための型形状を形成しておくこと
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の発
    泡成型品の製造方法。
  5. 【請求項5】 所望の製品形状を得るための型形状を備
    える成形型本体と、該成形型本体の一方の型に取付けた
    状態で型締可能な、着脱自在のキャビティ面型と、前記
    キャビティ面型の着脱、前記成形型本体への表皮材の投
    入および複合発泡成型部品の脱型を行う搬送装置とを備
    えることを特徴とする発泡成型品の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記キャビティ面型の加熱装置を備える
    ことを特徴とする請求項5記載の発泡成型品の製造装
    置。
  7. 【請求項7】 前記キャビティ面型の形状が、前記表皮
    材の厚さと発泡性樹脂に求められる膨張量とを考慮して
    決定されている請求項5または6記載の発泡成型品の製
    造装置。
  8. 【請求項8】 前記キャビティ面型は、前記表皮材に望
    まれる表面形状を得るためのキャビティ形状を有するこ
    とを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項記載の
    発泡成型品の製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1968145A1 (en) 2000-06-20 2008-09-10 Kurita Water Industries Ltd. Fuel cell power generating system and operation method
CN113613870A (zh) * 2019-03-28 2021-11-05 帝人株式会社 压制成型体的制造方法

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