JP2807980B2 - 中空射出成形品の製造方法 - Google Patents

中空射出成形品の製造方法

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JP2807980B2 JP25215595A JP25215595A JP2807980B2 JP 2807980 B2 JP2807980 B2 JP 2807980B2 JP 25215595 A JP25215595 A JP 25215595A JP 25215595 A JP25215595 A JP 25215595A JP 2807980 B2 JP2807980 B2 JP 2807980B2
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cavity
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光秋 前田
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles
    • B29C45/1705Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles using movable mould parts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空射出成形品の
製造方法に関する。さらに詳しくは、射出成形品の内部
に大きな中空部を有し、かつ、表面に艶むらのないエン
ボス面を有する中空射出成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形によって成形品を製造す
る際に、金型キャビティにその容積より少ない量の溶融
樹脂を射出し、同時に加圧流体(主にガス体)を圧入し
て、溶融樹脂をキャビティ内表面に押圧しつつ冷却し
て、内部に中空部を有する成形品とする技術が提案、実
用化されている。この際、成形品の強度を向上させるた
めに、成形品内部の中空部に補強リブを設ける成形法が
多数提案されている。
【0003】たとえば、米国特許第4247515号明
細書には、金型キャビティ表面からキャビティ空間に突
出した突起物を設けるとともに、溶融樹脂の粘度、弾性
密度、溶融樹脂と加圧流体の界面張力などを調節する手
法が記載されている。突起物が設けられた箇所は、対向
する金型キャビティ面と間隔が狭められ、この部分では
溶融樹脂が他の部分より早く冷却されるので、加圧流体
が流動しにくく、溶融樹脂は突起物が設けられた箇所を
囲んで固化し、成形品の両表面を繋ぐ補強リブとして残
ることになる。
【0004】また、特公昭61−53208号公報に
は、金型キャビティ内に射出する溶融樹脂の流動性や量
などを不均一とし、流動性の高い溶融樹脂部分や、量の
少ない溶融樹脂部分に加圧流体を圧入して中空部とし、
他の部分を中空部のない中実の補強リブとして残す方法
が記載されている。またこの刊行物には、対向するキャ
ビティ面の間隔が異なる金型キャビティに、溶融樹脂と
加圧流体とを同時に圧入したり、金型キャビティに溶融
樹脂と加圧流体とを同時に圧入すると共に金型キャビテ
ィ面の間隔を部分的に拡大することによって、キャビテ
ィ面の間隔が大きい部分や、金型キャビティ面の間隔を
拡大した部分に優先的に加圧流体を導入して中空部と
し、キャビティ面の間隔が小さい部分や、金型キャビテ
ィ面の間隔を拡大しなかった部分には、中空部を形成せ
ず中実のリブとして残すことが記載されている。
【0005】さらに、特公平7−12621号公報に
は、金型キャビティ表面からキャビティ空間に突出位置
への移動、この位置からの後退を可能にした可動中子を
有すると共に、金型キャビティ容積の縮小、拡大が可能
な射出成形金型を使用し、容積を縮小した状態のキャビ
ティを満すに十分な量の溶融樹脂を射出し、可動中子を
キャビティ空間に突出した状態で加圧流体を溶融樹脂に
圧入し、ついで、可動中子の後退と金型キャビティ容積
の拡大を行う方法が記載されている。この刊行物に記載
の方法によると、可動中子を囲んだ樹脂部分が補強リブ
を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】製品の要求される性能
が多様化・高度化している昨今、上記成形技術による成
形品においても例外ではなく、高光沢、艶消し、エンボ
スなどの成形品外観についての要求も多様化・高度化
し、当然のことながら成形品全体に亘って均一であるこ
とが要求される。上記の中空部を有する成形品製造方法
に従って、成形品の表面にエンボス模様を付けるとき
は、リブを設けた部分とこれを設けない部分のそれぞれ
に対応する成形品の表面は、エンボス模様に艶むらが生
ずる。これは、成形時に溶融樹脂のキャビティ表面への
密着性に差が生ずるためである。また、リブを設けた部
分はこれを設けない部分よりも溶融樹脂の流動性が悪く
なり、これに対応する成形品の表面部分にウエルドライ
ンが発生する。
【0007】本発明者らの検討によると、米国特許第4
247515号明細書または特公昭61−53208号
公報に記載の方法で、内部に中空部分を有する成形品を
製造する際、金型キャビティ表面からキャビティ空間に
突出した突起物の突起が低いときは、溶融樹脂は他の部
分より早く冷却されることがなく、加圧流体に押圧され
て流動するので、中実のリブとして残らず、溶融樹脂は
成形品の外周側の押圧され、外周側ほど極端な肉厚とな
り、この肉厚部が熱収縮する際にキャビティ表面との接
触時間に差が生じ、ひけ、艶むらの原因になる。
【0008】また、特公平7−12621号公報に記載
の方法に従い、内部に中空部分を有する成形品を製造す
る場合には、可動中子が金型キャビティ空間に突出した
部分と、これがない部分とを設けるため、上と同様の理
由で艶むらが発生する。さらに、金型キャビティ空間に
射出された溶融樹脂を加圧するための流体は、所定量の
溶融樹脂の射出完了後に行うため、一旦、金型キャビテ
ィ表面に密着した樹脂が体積収縮によりキャビティ表面
から離れ、それを加圧流体で再びキャビティ表面に密着
させるため、エンボス模様の転写が不十分となり、艶む
らは一層顕著になるという問題がある。
【0009】このように、従来、表面にエンボス模様を
有する中空部に補強リブを有する成形品は、一般の射出
成形品に比べて、表面へのエンボス模様の転写性に劣る
ので、塗装処理などによって外観を改良することが必要
であった。本発明は、上記の従来技術に存在する問題を
解消した成形品の製造方法、すなわち、表面にエンボス
模様を有し、かつ、中空部に補強リブを有する成形品を
射出成形法で製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、金型キャビテイ面の移動により
キャビテイ容積の縮小・拡大が可能で、かつ、その内表
面のうちの少なくとも一部にエンボス模様が付された金
型を使用し、金型キャビテイ内へ、金型キャビテイ容積
を縮小した状態でキャビテイを満たすに十分な量の溶融
樹脂を射出し、キャビテイ容積の87〜97%の溶融樹
脂を射出した時点で、溶融樹脂への加圧流体の注入を開
始して溶融樹脂を金型キャビテイ面に完全に密着させた
後、溶融樹脂の加圧流体による加圧を継続しながら金型
キャビテイ容積を拡大する中空射出成形品の製造方法を
特徴とする。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明方法によって得られた中
空射出成形品の一例で、上下の両平面に平行に切断した
面の平面図、図2は図1のA−A部分の切断面の正面
図、図3は本発明方法で中空射出成形品を製造する際の
工程を示す概略図で、(a)は金型キャビティに溶融樹
脂の射出をほぼ終了した状態の縦断面図、(b)は溶融
樹脂に加圧流体を注入し、溶融樹脂が金型キャビテイ面
に押圧・密着させられている状態の縦断面図、(c)は
溶融樹脂に加圧流体を注入しつつ金型キャビティの容積
を拡大した状態の縦断面図、図4は本発明方法を実施す
る際の金型キャビティ内の溶融樹脂の量、加圧流体の注
入、圧力、キャビティ容積の変化などと、成形サイクル
(時間)との関係を示した図、をそれぞれ示す。
【0012】本発明方法によると、図1および図2に示
したような、上下両面は平面を呈し、中間部には中空部
と補強リブを有する中空射出成形品が得られる。図1、
図2において、1は上面、2は下面、3、4は側面、5
は中空部、6は補強リブである。上面1、下面2、側面
3、4の表面を形成するキャビティ対応部分の少なくと
も一部に、エンボス模様が刻設されている金型を使用す
る。少なくとも一部とは、成形品の方面を形成するキャ
ビティ対応部分の少なくとも一部を意味し、(i) 上面1
または下面2の一方の表面の全面、(ii)これら面の一
部、(iii) 上面1と側面の全部、(iv)(ii)と(iii) の組
合せ、などが含まれる。
【0013】図1および図2に示したような中空射出成
形品は、図3に工程を(a)〜(c)として概略図で示
したような手順で成形される。図3において、7は固定
側金型、8は可動側金型、9は金型キャビティ、10、
11はキャビティ面、12はランナー、13は溶融樹
脂、14サイドゲート、15は加圧流体圧入装置、1
6、17は中空部である。
【0014】本発明方法により中空射出成形品を製造す
る際には、まず、容積を縮小させた状態で型締されてい
る金型キャビティに十分な量の溶融樹脂を射出する{図
3(a)参照}。ここで、「十分な量の溶融樹脂」と
は、縮小状態にある金型キャビティ容積を満たすに十分
な量の溶融樹脂を意味し、縮小状態にある金型キャビテ
ィ容積の10%以内の過剰量は許される意味である。
【0015】本発明方法によるときは、金型キャビティ
に、縮小させた状態の金型キャビティ容積の87〜97
%に相当する量の溶融樹脂を射出した時点で、加圧流体
の溶融樹脂への注入を開始する。金型キャビティ容積の
97%相当量を越える溶融樹脂を射出すると、金型キャ
ビティ表面に密着した樹脂が体積収縮によりキャビティ
表面から離れ、この後、加圧流体圧入装置15から加圧
流体の溶融樹脂への注入を開始すると、キャビティ表面
から離れた樹脂面を再び加圧流体でキャビティ表面に密
着させることになり、成形品表面に艶むらが発生するの
は避けられない。他方、金型キャビティ容積の87%相
当量未満の溶融樹脂を射出した時点で加圧流体の溶融樹
脂への注入を開始すると、溶融樹脂が側面3、4側に押
圧されて、成形品の上面、下面の厚さが十分とならず、
補強リブも細くなり、強度の優れた成形品が得られない
ので好ましくない。
【0016】金型キャビティへの溶融樹脂の射出圧力
は、50〜150kg/cm2の範囲で選ぶことによって、
キャビティ表面に刻設したエンボス模様を成形品表面に
転写することができる。射出圧力が50kg/cm2以下で
も、溶融樹脂を金型キャビティに射出することはできる
が、成形品表面へのエンボス模様を転写性に劣るので、
好ましくない。射出圧力が150kg/cm2を越えると、
金型金型キャビティ容積拡大機構を、この圧力に耐える
ようにする必要があり、大きくなり過ぎ好ましくない。
【0017】図3(b)は、縮小させた状態の金型キャ
ビティに射出された溶融樹脂に、加圧流体圧入装置15
から加圧流体を注入し溶融樹脂を金型キャビテイ面に完
全に密着させた状態を示している。本発明方法によると
きは、ついで、溶融樹脂の加圧流体による加圧を継続し
ながら、図示されていない金型キャビテイ容積拡大機構
によって、金型キャビテイ容積を拡大する{図3(c)
参照}。金型キャビテイ容積の拡大の開始は、加圧流体
の溶融樹脂への注入を開始してからとし、加圧流体によ
る溶融樹脂の金型キャビテイ面への加圧を継続しながら
金型キャビテイ容積を拡大することにより、溶融樹脂の
体積が収縮してもキャビティ表面から離れるのを防ぐこ
とができる。
【0018】金型キャビテイ容積の拡大速度、すなわ
ち、対向する金型キャビテイ面の間隔を拡大する速度
は、成形品の大きさ、厚さ、成形に使用する樹脂の種
類、溶融粘度、樹脂添加物、成形温度、金型キャビテイ
面の温度などにより変るが、金型キャビテイ容積を拡大
する工程で溶融樹脂が金型キャビテイ面から離れない速
度であればよく、10〜30mm/minの範囲で選ぶことが
できる。容積の拡大速度が10mm/min未満であると、金
型キャビテイ容積を拡大する途中で溶融樹脂が冷えてし
まい、金型キャビテイ面に樹脂が追従しなくなり中空部
を形成するのが困難となり、好ましくない。他方、30
mm/minを越えると速度が大きすぎ、溶融樹脂が金型キャ
ビテイ面から剥離し、溶融樹脂に注入された加圧流体は
溶融樹脂の最も柔らかい部分(大抵は最高温部分)を押
圧し、場合によっては溶融樹脂が局部的に伸び過ぎて穴
があき加圧流体が漏洩し、目的の中空部を有する成形品
が得られないので、好ましくない。
【0019】金型キャビテイに射出された溶融樹脂は、
加圧流体による加圧を継続しながら金型キャビテイ容積
を拡大し、金型キャビテイを最大容積にした状態で成形
品をキャビテイ内で保持し、成形品を金型から取出して
も変形しない温度まで冷却し、冷却終了後は成形品の中
空部に残存する加圧流体をパージして圧力を常圧程度と
し、型開きし、成形品を離型することによって目的物が
得られる。成形品を離型した後の金型は、図示されてい
ない型締機構によって型締し、金型キャビテイ容積を、
図示されていない金型キャビテイ容積縮小機構によって
最小容積に縮小させ、次の成形サイクルを開始し、以後
同様の手順で連続成形を行うことができる。
【0020】図4は、本発明方法を実施する際の金型キ
ャビティ内の溶融樹脂の量、加圧流体の注入、圧力、キ
ャビティ容積の変化などと、成形サイクル(時間)との
関係を示した概念図である。縦軸は、金型キャビティ内
に射出された溶融樹脂の量、金型キャビティの容積、溶
融樹脂に注入された加圧流体の圧力などの相対値をとっ
ており、横軸は、成形時の経過時間をとっている。
【0021】まず、容積を縮小された金型キャビティ内
への溶融樹脂の射出が開始され、次いで、この金型キャ
ビティ内への溶融樹脂の射出量が縮小させた状態の金型
キャビティ容積の87〜97%に相当する量の溶融樹脂
を射出した時点で、加圧流体の溶融樹脂への注入を開始
する。金型キャビティ内の加圧流体の圧力は、金型キャ
ビティの容積拡大を開始する迄は急激に上昇し続け、金
型キャビティの容積拡大を開始すると、急激に一定の圧
力に低下するが、金型キャビティ容積が最大容積に達し
た後も、成形品を金型キャビティ内で冷却が終了する時
点で、かつ、成形品の中空部に残存する加圧流体はパー
ジする時点まで、この加圧状態を維持する。
【0022】本発明方法を実施する際に使用できる樹脂
は、特に制約はなく、通常、射出成形が適用できる熱可
塑性樹脂全般が挙げられる。本発明において、加圧流体
とは、常温・常圧で気体または液体のものであって、加
圧した際に化学変化しないものを言う。具体的には、空
気、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス
などの気体、水、グリセリン、流動パラフィンなどの液
体が挙げられる。これらの中では、窒素ガス、ヘリウム
ガスなどの不活性ガスが好ましい。
【0023】本発明方法によると、ラジオ、テレビジョ
ンなどの外箱、テレビジョン載置台などの電気製品;パ
ーソナルコンピュータ、オフィスコンピュータなどのハ
ウジング、複写機、プリンターのハウジングなどのOA
機器製品;自動車ドアノブ、インスツルメントパネルな
どの自動車部品など、内部に中空構造を有し、表面の一
部にエンボス模様を通擦る各種の成形品を、製造するこ
とができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例に基づいて詳
細に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り以下
の記載例に限定されるものではない。以下に記載の例で
は、大きさが200mm×400mm×厚さ(変更可能)の
長方形状の平板で、図1に示した補強リブを有する成形
品が得られる金型であって、一方の平面と長手方向の2
つの側面、および短い方向の2つの側面のそれぞれに、
90μm程度の粗さのエンボス模様を付し、キャビテイ
の最小容積時の対向面の間隔が5mm、最大容積時の対向
面の間隔を20mmまで、容積の拡大速度を10〜30mm
/minの範囲で選ぶことができる金型を使用した。この金
型の可動機構の詳細は、本発明の出願人の先の出願(特
開平6−339950号公報)に記載されている。
【0025】[実施例1]射出成形機(三菱重工業社
製、機種:850MG)で、耐衝撃性ポリスチレン(三
菱化学社製、銘柄名:ダイヤレックスHT88)をシリ
ンダー温度220℃で溶融させた。この成形機に上記の
金型を装着し、金型キャビテイ表面温度を50℃とし、
キャビテイ容積を最小にした状態のキャビテイに射出し
た。金型キャビテイ内への溶融樹脂の充填率が95%に
達した時に、50kg/cm2の加圧空気の注入を開始し
た。金型キャビテイへの溶融樹脂の射出量は102%と
し、溶融樹脂の射出を完了した際の金型キャビテイ面に
設置した圧力センサーによってキャッチした溶融樹脂圧
は80kg/cm2であった。溶融樹脂の金型キャビテイへ
の射出を完了してから0.5秒経過後に、金型キャビテ
イ容積を30mm/minの速度で拡大した。キャビテイ容積
を拡大し終えたときの金型キャビテイ面に設置した圧力
センサーによってキャッチしたキャビテイ面の圧力は4
8kg/cm2であった。
【0026】この例における成形サイクルは、溶融樹脂
の金型キャビテイへの射出(95%)10秒、キャビテ
イ容積拡大に30秒、冷却に90秒、型開・離型に20
秒を要し、トータルサイクルは150秒である。この例
で得られた成形品は、厚さ20mm、重量480mm、中空
率61%であって、成形品内部に図1、図2に示した様
な補強リブを有し、かつ、その表面に金型キャビテイ面
に刻設した約90μmのエンボス模様がそのまま転写さ
れ、成形品表面全体に亘ってウエルドライン、ひけ、お
よび艶むらは観察されなず、外観の優れたものであっ
た。
【0027】[実施例2]実施例1に記載の例におい
て、溶融樹脂の金型キャビテイ充填率が90%に達した
時に、50kg/cm2の空気を注入を開始するように代え
た他は、同例におけると同様の手順で中空部を有する成
形品を射出成形法によって製造した。この例で得られた
成形品は、補強リブ、外観、エンボス模様の転写ともに
実施例1で得られたものと同様に優れたものであった。
【0028】[実施例3]実施例1に記載の例におい
て、キャビテイ容積の拡大速度を10mm/minに代えた他
は、同例におけると同様の手順で中空部を有する成形品
を射出成形法によって製造した。この例で得られた成形
品は、補強リブ、外観、エンボス模様の転写ともに実施
例1で得られたものと同様に優れたものであった。
【0029】[実施例4]実施例1に記載の例におい
て、金型キャビテイへの溶融樹脂の射出量を107%に
代えた他は、同例におけると同様の手順で中空部を有す
る成形品を射出成形法によって製造した。この例では、
金型キャビテイへの溶融樹脂の射出を完了した際の金型
キャビテイ面に設置した溶融樹脂圧は150kg/cm2
あり、キャビテイ容積を拡大し終へた後の金型キャビテ
イ面でキャッチした圧力は48kg/cm2であった。この
例で得られた成形品は、補強リブ、外観、エンボス模様
の転写ともに実施例1で得られたものと同様に優れたも
のであった。
【0030】[比較例1]実施例1に記載の例におい
て、金型キャビテイへの溶融樹脂の充填率が100%に
達した時に、50kg/cm2の空気を注入を開始した他
は、同例におけると同様の手順で中空部を有する成形品
を射出成形法によって製造した。この例で得られた成形
品は、成形品表面には艶むらが認められ、光沢のよい部
分のエンボス模様の粗さは30μであり、エンボス模様
の転写が不良であった。
【0031】[比較例2]実施例1に記載の例におい
て、金型キャビテイへの溶融樹脂の射出量を98%と代
えた他は、同例におけると同様の手順で中空部を有する
成形品を射出成形法によって製造した。この例で得られ
た成形品は、四周の壁面が上下の平面に比して肉厚で、
外観は四周の壁面に艶むらが生じ、エンボス模様の転写
が不良であった。
【0032】
【発明の効果】本発明方法は、次のような特別に有利な
効果を奏し、その産業上の利用価値は、極めて大であ
る。 1.本発明方法によれば、射出成形品の内部に大きな中
空部を有し、かつ、両表面を補強する補強リブを有する
成形品を成形品を製造することができる。 2.本発明方法によれば、金型キャビテイに射出された
溶融樹脂に注入する加圧流体の注入時期を調節している
ので、成形品表面に艶むらのないエンボス模様を有する
成形品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法で得られる中空射出成形品につ
き、中空部を平面部分に平行に切断した面の平面図を示
す。
【図2】 図1のA−A部分における切断面の正面図を
示す。
【図3】 本発明方法で中空射出成形品を製造する工程
の概略図を示す。
【図4】 本発明方法を実施する際の金型キャビティ内
の溶融樹脂の量、加圧流体の注入、圧力、キャビティ容
積の変化などと、成形サイクル(時間)との関係を示し
た概念図である。
【符号の説明】
1:上面 2:下面 3、4:側面 5:中空部 6:補強リブ 7:固定側金型 8:可動側金型 9:金型キャビティ 10、11:キャビティ面 12:ランナー 13:溶融樹脂 14:サイドゲート 15:加圧流体圧入装置 16、17:中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−178752(JP,A) 特開 平7−232772(JP,A) 特開 平8−290486(JP,A) 特開 平8−150637(JP,A) 特開 平6−339950(JP,A) 特開 平8−11151(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/17 B29C 45/46 - 45/84 B29L 22:00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型キャビテイ面の移動によりキャビテ
    イ容積の縮小・拡大が可能で、かつ、その内表面のうち
    の少なくとも一部にエンボス模様が付された金型を使用
    し、金型キャビテイ内へ、金型キャビテイ容積を縮小し
    た状態でキャビテイを満たすに十分な量の溶融樹脂を射
    出し、キャビテイ容積の87〜97%の溶融樹脂を射出
    した時点で、溶融樹脂への加圧流体の注入を開始して溶
    融樹脂を金型キャビテイ面に完全に密着させた後、溶融
    樹脂の加圧流体による加圧を継続しながら金型キャビテ
    イ容積を拡大することを特徴とする、中空射出成形品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 金型キャビテイ内への溶融樹脂の射出し
    た直後の金型キャビテイ内の圧力を、50〜150kg/
    cm2の範囲で選ぶことを特徴とする、請求項1に記載の
    中空射出成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 金型キャビテイ容積を拡大する際の速度
    を、10〜30mm/minの範囲で選ぶことを特徴とする、
    請求項1または請求項2に記載の中空射出成形品の製造
    方法。
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