JP2000183719A - 入力回路、出力回路及び入出力回路、並びに該入出力回路を備えた信号伝送システム - Google Patents

入力回路、出力回路及び入出力回路、並びに該入出力回路を備えた信号伝送システム

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JP2000183719A
JP2000183719A JP10353564A JP35356498A JP2000183719A JP 2000183719 A JP2000183719 A JP 2000183719A JP 10353564 A JP10353564 A JP 10353564A JP 35356498 A JP35356498 A JP 35356498A JP 2000183719 A JP2000183719 A JP 2000183719A
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output circuit
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Seiichi Watarai
誠一 渡会
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力回路及び出力回路の節電を図り、入力回
路から期待値の信号を発生させるようにすることにあ
る。 【解決手段】 出力回路12Aの出力端を高インピーダ
ンス状態にする制御信号を出力回路12A及び入力回路
14Aに供給したとき、入力回路12Aへの給電を生じ
させてこれを動作させると同時に、出力回路12Aへの
給電停止を生じさせ、また、上記制御信号が出力回路1
2A及び入力回路14Aに供給されないとき、出力回路
12Aへの給電を生じさせてこれを動作させると同時
に、入力回路12Aへの給電停止を生じさせる。また、
出力回路12Aの前記制御信号に基づいた期待値の信号
をオア回路45から発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入力回路、出力
回路、及び入出力回路、並びに該入出力回路を備えた信
号伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】通信伝送装置、コンピュータ等で論理信
号を複数の集積回路相互間で小振幅の伝送信号を2本の
バスラインなどの伝送路を経て伝送するのには、単相伝
送方式と、差動伝送方式とがある。その単相伝送方式
は、信号伝送に利用する1つの小振幅信号が、2本のバ
スラインを経て伝送される方式であるのに対して、差動
伝送方式は、単相伝送方式の転送信号と同等の小振幅信
号を2本のバスラインのうちの一方のラインを経て伝送
されると同時に、前記小振幅信号の位相のみが反転した
信号が2本のバスラインのうちの他方のラインを経て伝
送される方式である。以下の説明においては、差動伝送
方式について述べる。差動伝送方式により、複数の集積
回路相互間で2本のバスラインなどの伝送路を経て上記
2つの信号で論理信号を伝送する場合に、これらの伝送
路に論理信号を送出する出力回路を用いている。この出
力回路によって論理信号を伝送する場合、伝送される論
理信号(伝送信号ともいう。)は、2本の伝送路の一方
が高レベルの電圧で、他方が低レベルの電圧であると
き、論理値の1又は0を表し、2本の伝送路の一方が低
レベルの電圧で、他方が高レベルの電圧であるとき、論
理値の0又は1を表す。この論理値の1又は0を出力回
路が出力しているとき、出力回路は、1状態又は0状態
を出力していると呼ばれる。このような2つの出力状態
における高レベル及び低レベル間の電圧振幅は、従来、
集積回路に供給されている電源電圧に近い値の振幅を持
つものが殆どであった。しかし、近年においては、信号
振幅を極端に小振幅化して伝送する場合が多くなって来
ている。例えば、従来の伝送信号としてCMOSインタ
フェースを例に挙げると、その信号振幅は、供給電源電
圧にほぼ等しい、約5ボルトあるいは約3ボルトという
値が一般的であった。これに対し近年の小振幅による信
号の伝送の例として、LVDS(Low Voltage Diffr
ential Signaling )インタフェース出力回路を挙げる
と、その信号振幅は、約0.3ボルトという極めて小さ
い値になっている。
【0003】このように、信号振幅を小振幅化する理由
は、伝送速度の高速化、低消費電力化、信号伝送時に発
生するノイズの低下などに対し非常に大きな効果をもた
らすことが明らかになっているためである。したがっ
て、高速化或るいは低消費電力化を基本思想とする集積
回路には上記効果を得るために、低振幅信号の送出に低
振幅インタフェース出力回路を用いる要請が生じる。こ
のような要請に応え得る低振幅インタフェース出力回路
では、高速化、低電力化、及び低ノイズ化の達成ため
に、その出力振幅に、電源電圧以下の小さな信号振幅を
使用するのが一般的である。その低振幅インタフェース
出力回路としては、上述のLVDSのほか、GTL(Gu
nning Transceiver Logic)、CTT(Center Tapped T
ermination)、PECL(Pseudo Emitter Coupled Log
ic)が知られている。これらの低振幅インタフェースの
うちのPECLを例に挙げると、電源電圧は約3ボルト
又は約5ボルトを有するが、取り扱う信号の振幅は、約
0.6ボルトである。このような小振幅信号を転送する
ための手段は、終端電圧源と終端抵抗を利用している。
【0004】この構成の低振幅インタフェース回路の例
を図4に示す。この低振幅インタフェース回路は、半導
体集積回路を用いた信号伝送システムにおいて用いられ
る。この信号伝送システムにおいて用いられる低振幅イ
ンタフェース回路は、図4に示すように、そのバスライ
ン2、及び複数の半導体集積回路IC1、IC2、IC
3等の入出力回路4 、4 、4 、4 間に構成
されている。バスライン2は、2本のラインL1,L2
から構成され、終端抵抗RL1,RL2を経て終端電源
VSに接続されている。終端電源VSの終端電圧はV
TTである。入出力回路4 は、出力回路4 O及び
入力回路4 Iを有して構成され、出力回路4
は、CMOS内部回路5 からイネーブル信号ENが
供給される。イネーブル信号ENが供給されているとき
には、出力回路4 Oは、動作状態(イネーブル状
態)に設定され、イネーブル信号が供給されないときに
は、出力回路4 Oは、非動作状態(ディスエイブル
状態)に設定されると同時に、その出力は高インピーダ
ンス状態になる。また、図4中の参照文字INは、CM
OS内部回路5 から出力回路4 Oへの入力信号を
表し、参照文字OUTは、入力回路4 IからCMO
S内部回路5 への出力信号を表す。IO11,IO
12は、入出力回路4 の出力端の各々を表し、出力
端IO11,IO12は、バスライン2の2本のライン
L1,L2に接続されている。入出力回路4 、4
、4 も、入出力回路4 と同様の構成であるの
で、それぞれの出力回路及び入力回路、並びにCMOS
内部回路の参照番号の中に2、3、4の添え字を付して
その説明を省略する。これらの入出力回路4 、4
、4 、4 として知られている回路例を図5に
示す。図5に示す入出力回路10は、出力回路12及び
入力回路14から構成されている。入出力回路10は、
例えば、入出力回路4 である。出力回路12は、入
力信号を入力する入力信号供給回路16(図6)と、基
準電圧源18と、差動増幅段20と、出力信号の伝送及
び停止を切り換えるイネーブル/ディスエイブル切り替
え回路22(図7)と、差動増幅段24と、出力段26
とから構成されている。入力回路14は、差動増幅段4
2、出力段44、及びバッファB1から構成されてい
る。入力信号供給回路16は、図6に示すように、入力
端28に接続されたバッファ30と、インバータ32と
から構成されている。差動増幅段20は、Nチャンネル
MOSFET N1,N2,N3、及び抵抗R1、R2
を有して構成されている。NチャンネルMOSFET
N1のドレインは、抵抗R1を経て電圧源VDDに接続
され、そのソースはNチャンネルMOSFET N3の
ドレインに接続されている。また、NチャンネルMOS
FETN2のドレインは抵抗R2を経て電圧源VDD
接続され、そのソースは、NチャンネルMOSFET
N3のドレインに接続されている。そして、Nチャンネ
ルMOSFET N3のソースを大地電位に接続されて
いる。NチャンネルMOSFET N1のゲートは、入
力信号供給回路16の信号端36に接続されている。N
チャンネルMOSFET N2のゲートは、入力信号供
給回路16の出力端34に接続されている。Nチャンネ
ルMOSFET N3のゲートは、基準電圧源18の出
力に接続されている。NチャンネルMOSFET N3
が電流源を構成している。抵抗R1及びNチャンネルM
OSFET N1が、差動増幅段20の一方の枝路を構
成し、抵抗R2及びNチャンネルMOSFET N2
が、差動増幅段20の他方の枝路を構成している。
【0005】イネーブル/ディスエイブル切り替え回路
22は、図7に示すように、入力を入力端39に接続
し、出力を出力端40に接続したインバータ38で構成
されている。また、差動増幅段24は、NチャンネルM
OSFET N4,N5,N6、及びPチャンネルMO
SFET P1,P2、並びに抵抗R3,R4を有して
構成されている。PチャンネルMOSFET P1のソ
ースは、電圧源VDDに接続され、そのドレインは、抵
抗R3を介してNチャンネルMOSFET N4のドレ
インに接続されている。NチャンネルMOSFET N
4のソースはNチャンネルMOSFET N6のドレイ
ンに接続されている。PチャンネルMOSFET P2
のソースは、電圧源VDDに接続され、そのドレイン
は、抵抗R4を介してNチャンネルMOSFET N5
のドレインに接続されている。NチャンネルMOSFE
T N5のソースはNチャンネルMOSFET N6のド
レインに接続されている。NチャンネルMOSFET
N6のソースは大地電位に接続されている。そして、P
チャンネルMOSFET P1のゲートとPチャンネル
MOSFET P2のゲートとはイネーブル/ディスエ
イブル切り替え回路22の出力端40に接続されてい
る。NチャンネルMOSFET N4のゲートは、差動
増幅段20の出力端O1に接続されている。Nチャンネ
ルMOSFET N5のゲートは、差動増幅段20の出
力端O2に接続されている。NチャンネルMOSFET
N6のゲートは、基準電圧源18の出力端に接続されて
いる。NチャンネルMOSFET N6が電流源を構成
している。出力段26は、NチャンネルMOSFET
N7、N8、N9、N10を有して構成されている。N
チャンネルMOSFET N7のドレインは、電圧源V
に接続され、そのソースは出力端29(図4の、例
えばIO11)に接続されている。NチャンネルMOS
FET N7のゲートは、差動増幅段24の出力端O3
に接続され、また、NチャンネルMOSFET N8の
ドレインに接続されている。NチャンネルMOSFET
N8のソースは大地電位に接続されている。Nチャン
ネルMOSFET N9のドレインは、電圧源VDD
接続され、そのソースは出力端27(図4の、例えばI
12)に接続されている。NチャンネルMOSFET
N9のゲートは、差動増幅段24の出力端O4に接続
され、また、NチャンネルMOSFET N10のドレ
インに接続されている。NチャンネルMOSFET N
10のソースは、大地電位に接続されている。
【0006】入力回路14の差動増幅段42は、Nチャ
ンネルMOSFET N11、N12、N13、及びP
チャンネルMOSFET P3、P4を有して構成され
ている。PチャンネルMOSFET P3のソースは、
電圧源VDDに接続され、そのドレインは、Nチャンネ
ルMOSFET N11のドレインに接続されている。
NチャンネルMOSFET N11のソースはNチャン
ネルMOSFET N13のドレインに接続されてい
る。また、PチャンネルMOSFET P4のソース
は、電圧源VDDに接続され、そのドレインは、Nチャ
ンネルMOSFETN12のドレインに接続されてい
る。NチャンネルMOSFET N12のソースはNチ
ャンネルMOSFET N13のドレインに接続されて
いる。NチャンネルMOSFET N13のソースは大
地電位に接続されている。また、PチャンネルMOSF
ET P3のゲートとPチャンネルMOSFET P4の
ゲートとは接続され、PチャンネルMOSFET P4
のゲートとドレインとは接続されている。そして、Nチ
ャンネルMOSFET N11のゲートは、入出力回路
10の出力端IOAに接続され、NチャンネルMOSF
ET N12のゲートは、入出力回路10の出力端IO
Bに接続されている。NチャンネルMOSFET N1
3のゲートは、基準電圧源16の出力端に接続されてい
る。NチャンネルMOSFETN13は電流源を構成し
ている。また、PチャンネルMOSFET P3,P4
は能動負荷を構成している。出力段44は、Nチャンネ
ルMOSFET N14及びPチャンネルMOSFET
P5を有して構成されている。PチャンネルMOSFE
T P5のソースは、電圧源VDDに接続され、そのド
レインは、NチャンネルMOSFET N14のドレイ
ンに接続されている。NチャンネルMOS N14のソ
ースは、大地電位に接続されている。PチャンネルMO
SFET P5のドレインとNチャンネルMOSFET
N14のドレインとの接続点は、バッファB1を経て出
力端OUTに接続されている。NチャンネルMOSFE
T N14のゲートは、基準電圧源16の出力に接続さ
れている。NチャンネルMOSFET N14は、能動
負荷を構成している。そして、バッファB1は、入力さ
れる電圧レベルをCMOS内部回路で使用されているレ
ベル(例えば、VDDフルスウィング又はそれに近い
値)にまで修復する作用を有する。
【0007】次に、図4乃至図8を参照して、この構成
の入出力回路の動作について説明する。今、出力回路1
2(図4の、例えば出力回路4 O)をイネーブル状
態に設定する高レベルのイネーブル信号がイネーブル/
ディスエイブル切り替え回路22の入力端39に供給さ
れ、入力信号供給回路16の入力端28に高レベルの入
力信号から低レベルの入力信号が入力される場合につい
て説明する(図8の期間)。高レベルのイネーブル信
号は、出力回路を出力状態、すなわち、イネーブル状態
に設定する上記の入力信号が入力されると、Nチャンネ
ルMOSFET N1のゲートに高レベルの電圧が供給
され(図8のBの期間)、差動増幅段20のNチャン
ネルMOSFET N2のゲートに低レベルの電圧が供
給される(図8のAの期間)から、NチャンネルMO
SFET N1が導通(以下、オンという。)し、Nチ
ャンネルMOSFET N2が非導通(以下、オフとい
う。)する。このような差動増幅段20の電流源を構成
するNチャンネルMOSFET N3には、差動増幅段
20の枝路を構成するトランジスタのオン/オフを問わ
ず、電流I1が流れている(図8のI1)。したがっ
て、差動増幅段20の出力端O1から低レベルの電圧が
出力され、出力端O2から高レベルの電圧が出力され
る。
【0008】また、イネーブル/ディスエイブル切り替
え回路22から低レベルの電圧が、差動増幅段24のP
チャンネルMOSFET P1、P2のゲートに印加さ
れるから、これらのトランジスタP1、P2は、オンに
する。そして、差動増幅手段20の出力端O1から低レ
ベルの電圧が、差動増幅段24の差動増幅段24のNチ
ャンネルMOSFET N4のゲートに印加され、出力
端O2から高レベルの電圧がNチャンネルMOSFET
N5のゲートに印加されるから、NチャンネルMOS
FET N4がオフし、NチャンネルMOSFET N5
がオンする。したがって、差動増幅段24の出力端O3
から高レベルの電圧が出力され、出力端O4から低レベ
ルの電圧が出力される。また、イネーブル/ディスエイ
ブル切り替え回路22から出力段26のNチャンネルM
OSFET N8、N10のゲートに低レベルの電圧が
印加される(図8のCの期間)から、これらのトラン
ジスタN8、N10は、オフする。そして、差動増幅段
24の出力端O3から高レベルの電圧が、出力段26の
NチャンネルMOSFET N7のゲートに印加され、
出力端O4から低レベルの電圧が、NチャンネルMOS
FET N9のゲートに印加される。トランジスタN
7,N9は、ソースホロワ回路のため常にオン状態にあ
り、それぞれのゲートに入力される信号レベルをレベル
シフトする作用を有する。したがって、出力段26から
一方の出力端27へ低レベルの信号IOAが出力され
(図8のIOAの期間)、出力段26から他方の出力
端29へ高レベルの信号IOBが出力される(図8のI
OBの期間)。その出力端27に出力された低レベル
の信号と出力端29に出力された高レベルの信号とで表
される信号出力状態(この信号出力状態が、例えば、2
進値の“0″を表す。)が、バスライン2を経て他の集
積回路へ伝送される。
【0009】例えば、図4に示す信号伝送システムの入
出力回路4 から同一半導体集積回路IC1上の入出
力回路4 へ、上記2進値の“0″を伝送するものと
する。この場合には、入出力回路4 の出力回路4
Oは、CMOS内部回路5からイネーブル信号ENが
供給されて高インピーダンス状態に設定される。入力回
路4 Iは、バスライン2を経て伝送されて来た2進
値の“0″を受信してCMOS内部回路5 へ出力す
る。そのCMOS内部回路5 は、2進値の“0″を
受信する。しかし、入出力回路4 、4 の入力回路
I、4 Iも2進値の“0″を受信して出力する
が、そのCMOS内部回路5 、5 は、この時刻に
は、それぞれ対応する入力回路4 I、4 Iからの
2進値“0″を受信する動作状態に設定されておらず、
その入力へ供給される2進値の“0″は入力に入って来
るだけで信号処理されず、すなわち2進値の“0″を認
識しない。
【0010】上述のように、バスライン2へ伝送された
2進値の“0″は、また、この2進値の“0″を伝送し
た入出力回路4 自身の入力回路4 、すなわち、図
5の入力回路14へも入力されて来る。その“0″を表
す低レベル及び高レベルの電圧は、差動増幅段42へ入
力される。この差動増幅段42は、電流I2を常時通電
している(図8のI2)。その差動増幅段42のNチャ
ンネルMOSFET N11 のゲートに上述の低レベル
の電圧が印加され、高レベルの電圧が、NチャンネルM
OSFET N12 のゲートに印加されるから、Nチャ
ンネルMOSFET N11がオフし、NチャンネルM
OSFET N12がオンする。したがって、Pチャン
ネルMOSFET P5 のゲートに高レベルの電圧が印
加されることになり、該トランジスタP5の導電度を弱
めてPチャンネルMOSFET P5に流れる電流を減
少させる(図8のI3の期間)。このトランジスタP
5の導電度の減少により、低レベルの電圧が、バッファ
B1へ入力される。バッファB1は、入力された低レベ
ルの電圧をCMOSレベルの低レベルにクランプする。
したがって、CMOSレベルにクランプされた低レベル
の電圧が入力回路14の出力端OUTに出力される。し
たがって、CMOS内部回路のCMOSに貫通電流が流
れる虞れはない。
【0011】これと同様に、入力信号供給回路16の入
力端28に高レベルの入力信号INが、入力された場合
にも(図8の期間)、バスライン2へ伝送されると同
時に、その伝送される信号出力状態(出力端27が高レ
ベルで、出力端29が低レベルで表わされる信号出力状
態)(図8のIOA、IOBの期間)で表される2進
値“1″に対応する高レベルの電圧が入力回路14の出
力端46から出力される(図8のOUTの期間)。こ
の高レベルの電圧も、バッファB1でCMOSレベルの
高レベルの電圧にクランプされる。この場合にも、CM
OS内部回路のCMOSに貫通電流が流れる虞れはな
い。そして、出力回路12が、信号の伝送を行わなわ
ず、その動作が必要でない場合には、イネーブル/ディ
スエイブル切り替え回路22の入力端39に入力される
イネーブル信号ENが、出力回路12をディスエイブル
状態に設定することを示す低レベルとされる(図8の期
間以降)。そうすると、イネーブル/ディスエイブル
切り替え回路22から高レベルの電圧が発生されるから
(図8のCの期間以降)、出力回路12の差動増幅段
24のPチャンネルMOSFET P1、P2をオフに
し、NチャンネルMOSFET N8、N10をオンに
してNチャンネルMOSFET N7、N9をオフにし
て出力回路12をディスエイブル状態(非動作状態)に
置くようにしている。このとき、NチャンネルMOSF
ET N7、N9はオフしいるから、出力端27、29
間は高インピーダンス状態となる(図8の期間以降、
IOA,IOBのHz)。したがって、上述した従来の
入出力回路10の出力回路12には、信号を伝送しない
ときにそれをディスエイブル状態に置く手段が装備され
て消費電力の節減が図られている。このように、イネー
ブル信号ENは、その電圧レベルを低レベルにすること
により、NチャンネルMOSFET N7、N9をオフ
にして出力インピーダンスを高インピーダンス状態にす
るのに用いられている。なお、上述の高インピーダンス
状態における出力端27,29の電圧レベルは、終端電
源の電圧レベルVTTとなる。この電圧レベルV
TTは、図8のIOA,IOBで示される信号の高レベ
ルと低レベルとの間の中間にある(図8のIOA,IO
Bの期間)。また、図8のIOA,IOBの期間以
降は、自又は他の半導体集積回路から、入力回路14に
取っては入力端となる出力端27,29へ入力信号が供
給されて来ることを示している。したがって、出力回路
12の出力端27,29が高インタフェース状態になっ
た状態において、バスライン2を介して自又は他の半導
体集積回路から入力信号が入力されると、出力端27,
29の電圧レベルは、その入力信号の電圧レベルになる
(図8の期間以降)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の入出力回路10の出力回路12では、イネーブ
ル信号ENの電圧レベルを低レベルにすることにより、
PチャンネルMOSFET P1,P2、及びNチャン
ネルMOSFET N7、N9をオフにして出力端を高
インピーダンス状態にするのが、その主たる目的であ
る。この高インピーダンスを得ることにより、結果的に
出力回路12の差動増幅段24での電力消費は無くなる
が、差動増幅段20には常時電流が通電されており、電
力消費は無くならない。したがって、出力回路12での
節電は、為されてはいるとはいうものの、未だなお不十
分である。節電について、入力回路14を見ると、上述
のところから明らかにように、その差動増幅段も、出力
段も、常時電流が通電された状態にあり、入力回路14
には、何ら節電の手段は装備されていない。それ故、従
来の入出力回路には、節電についてなお解決すべき問題
がある。また、特願昭60−143498号公報には、
出力信号の送出を遮断するための回路が示されているだ
けで、その出力信号の送出遮断が回路の節電になること
までは、何等示されていない。また、従来の入力回路1
4は、入出力回路10の出力回路12が動作していると
き、その出力回路12からバスライン2上に伝送する2
進値の信号に対応した電圧レベルを入力回路14の出力
端から出力している。そのため、その入力回路14に接
続されるCMOS内部回路では、出力回路12が送信し
ている場合は入力に入って来る信号の処理は行わず、そ
の入力信号を認識しないようにしているのが一般的であ
る。したがって、CMOS内部回路が、その動作開始時
に、入力回路から受信したい信号、すなわち、期待値の
信号が、入力回路14から出力されるとは限らない。こ
のため、入力回路14が、期待値の信号を出力している
状態において、該信号と同一の信号が自又は他の半導体
集積回路から入力されれば、CMOS内部回路が誤デー
タを受信してしまう虞れはないが、入力回路14が出力
している信号と異なる信号が自又は他の半導体集積回路
から入力されると、誤データを受信してしまうという不
具合がある。
【0013】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、出力端を高インピーダンス状態に設定する
制御信号を利用して節電を達成し得る入力回路、出力回
路、及び入出力回路、並びに該入出力回路を備えた信号
伝送システムを提供することを第1の目的としている。
この発明は、出力端を高インピーダンス状態に設定する
制御信号に基づいた期待値の信号を入力回路から出力し
得る入力回路、及び入出力回路、並びに該入出力回路を
備えた信号伝送システムを提供することを第2の目的と
している。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、電流源を有する入力回路に
係り、入力動作を生じさせる信号が供給されくなったと
き、該信号が供給されなくなったことに基づいて前記入
力回路へ給電する前記電流源を停止させることを特徴と
している。
【0015】請求項2記載の発明は、電流源を有する出
力回路に係り、出力動作を生じさせる信号が供給されく
なったとき、該信号が供給されなくなったことに基づい
て前記出力回路へ給電する前記電流源を停止させること
を特徴としている。
【0016】請求項3記載の発明は、入出力回路に係
り、出力回路、及び該出力回路の出力端が入力端に接続
された入力回路を有し、制御信号が前記出力回路に供給
されるとき、前記出力回路の出力端が高インピーダンス
状態とされる入出力回路であって、前記制御信号が前記
入力回路に供給されるとき前記入力回路へ給電し、前記
制御信号が供給されないとき前記入力回路へ給電する電
流源を停止する給電制御回路を前記入力回路に設けたこ
とを特徴としている。
【0017】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載の入出力回路に係り、前記制御信号を1つの信号端か
ら前記入力回路及び前記出力回路へ供給することを特徴
としている。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項3又は4記
載の入出力回路に係り、前記入力回路に設けた給電制御
回路は、前記入力回路を構成する差動増幅段の電流源の
オン/オフを生じさせる回路であることを特徴としてい
る。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項3、4、又
は5記載の入出力回路に係り、前記入力回路に設けた給
電制御回路は、前記入力回路を構成する出力段の能動負
荷のオン/オフを生じさせる回路であることを特徴とし
ている。
【0020】請求項7記載の発明は、請求項3又は4記
載の入出力回路に係り、前記制御信号が前記出力回路に
供給されないとき前記出力回路へ給電し、前記制御信号
が前記出力回路に供給されるとき前記出力回路へ給電す
る電流源を停止する給電制御回路を前記出力回路に設け
たことを特徴としている。
【0021】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載の入出力回路に係り、前記出力回路は前記電流源を含
む差動増幅段から構成され、かつ、前記出力回路に設け
た給電制御回路は、前記差動増幅段に含まれる前記電流
源のオン/オフを生じさせる回路であることを特徴とし
ている。
【0022】請求項9記載の発明は、請求項3乃至8の
いずれか1に記載の入出力回路に係り、前記制御信号に
基づいた期待値の信号を出力する信号出力回路を前記入
力回路に設け、供給された前記制御信号に基づいて前記
信号出力回路から前記入力回路の出力端に期待値の信号
を出力することを特徴としている。
【0023】請求項10記載の発明は、入出力回路を備
えた信号伝送システムに係り、出力回路、及び該出力回
路の出力端が入力端に接続された入力回路を有し、制御
信号が前記出力回路に供給されるとき、前記出力回路の
出力端が高インピーダンス状態とされる入出力回路を少
なくとも1つ有する半導体集積回路と、該半導体集積回
路の出力回路の出力端及び入力回路の入力端を接続した
バスラインとを有する入出力回路を備えた信号伝送シス
テムであって、前記制御信号が前記入力回路に供給され
るとき前記入力回路に給電し、前記制御信号が前記入力
回路に供給されないとき前記入力回路へ給電する電流源
を停止する給電制御回路を前記入力回路に設けたことを
特徴としている。
【0024】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の入出力回路を備えた信号伝送システムに係り、前記制
御信号が前記出力回路に供給されないとき前記出力回路
に給電し、前記制御信号が前記出力回路に供給されると
き前記出力回路へ給電する電流源を停止する給電制御回
路を前記出力回路に設けたことを特徴としている。
【0025】請求項12記載の発明は、請求項10又は
11記載の入出力回路を備えた信号伝送システムに係
り、前記制御信号を1つの信号端から前記入力回路及び
前記出力回路へ供給することを特徴としている。
【0026】請求項13記載の発明は、請求項10、1
1又は12記載の入出力回路を備えた信号伝送システム
に係り、前記制御信号に基づいた期待値の信号を出力す
る信号出力回路を前記入力回路に設け、供給された前記
制御信号に基づいて前記信号出力回路から前記入力回路
の出力端に前記期待値の信号を出力することを特徴とし
ている。
【0027】請求項14記載の発明は、請求項10、1
1、12、又は13記載の入出力回路を備えた信号伝送
システムに係り、前記入力回路は、前記電流源を含む差
動増幅段から構成され、かつ、前記入力回路に設けた給
電制御回路は、前記差動増幅段に含まれる前記電流源の
オン/オフを生じさせる回路であることを特徴としてい
る。
【0028】請求項15記載の発明は、請求項10乃至
14のいずれか1に記載の入出力回路を備えた信号伝送
システムに係り、前記入力回路に設けた給電制御回路
は、前記入力回路を構成する出力段の能動負荷のオン/
オフを生じさせる回路であることを特徴としている。
【0029】また、請求項16記載の発明は、請求項1
1乃至15のいずれか1に記載の入出力回路を備えた信
号伝送システムに係り、前記出力回路は、前記電流源を
含む差動増幅段から構成され、かつ、前記出力回路に設
けた給電制御回路は、前記差動増幅段に含まれる前記電
流源のオン/オフを生じさせる回路であることを特徴と
している。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。図1は、この発明の実施例である入出
力回路の構成を示す図、図2は、同入出力回路の通断制
御回路の構成を示す図、また、図3は、同入出力回路の
動作を説明するためのタイミングチャートである。この
例の入出力回路は、入出力回路を備えた信号伝送システ
ムの入出力回路を構成する出力回路の出力端を高インピ
ーダンス状態に設定する制御信号を用いて出力回路及び
入力回路の節電を達成すると共に、入力回路が動作して
いないときその出力から前記制御信号に基づいた期待値
の信号を出力する回路に係り、その回路10Aの出力回
路12Aは、基準電圧源18と、差動増幅段20及び差
動増幅段24との間に通断制御回路19を設けた点にお
いて、従来の入出力回路10の出力回路12と相違す
る。また、入力回路14Aは、差動増幅段42Aと、出
力段44Aと、オア回路45と、電流源18と差動増幅
段42A及び出力段44Aとの間に設けた通電制御回路
47とで構成した点において、従来の入力回路14と相
違する。この相違点は、その差動増幅段42A及び出力
段44Aの構成は、図5について説明した従来の入力回
路14の差動増幅段42及び出力段44の構成と大部分
同じくし、後述する相違点があるのみである。
【0031】出力回路12Aについての相違点である通
断制御回路19は、NチャンネルMOSFET N1
5,N16、インバータ38、及びバッファ43を有し
て構成される。インバータ38及びバッファ43は、通
断制御信号発生回路22Aを構成し、そのインバータ3
8及びバッファ43の入力は、図2に示すように、イネ
ーブル信号が供給される入力端39に接続され、インバ
ータ38の出力は出力端40に接続され、バッファ43
の出力は、出力端41に接続されている。そして、Nチ
ャンネルMOSFET N15のドレインは、基準電圧
源18の出力端に接続され、そのドレインは、差動増幅
段20のNチャンネルMOSFET N3のゲート及び
差動増幅段24のNチャンネルMOSFET N6のゲ
ートに接続されている。NチャンネルMOSFET N
16のドレインは、NチャンネルMOSFET N15
のソースとNチャンネルMOSFET N3のゲート及
びNチャンネルMOSFET N6のゲートとの接続点
に接続され、そのソースは、大地電位に接続されてい
る。NチャンネルMOSFET N15のゲートは、通
断制御信号発生回路22Aの出力端41に接続され、N
チャンネルMOSFET N16のゲートは、通断制御
信号発生回路22Aの出力端40に接続されている。
【0032】また、入力回路には、以下に述べる4つの
相違点がある。第1の相違点は、基準電圧源18の出力
と、差動増幅段42のNチャンネルMOSFET N1
3のゲート及び出力段44のNチャンネルMOSFET
N14のゲートとの間に通断制御回路47を設けた点
である。通断制御回路47は、NチャンネルMOSFE
T N17,N18を有して構成される。すなわち、N
チャンネルMOSFET N17 のドレインは、基準電
圧源18の出力に接続され、そのドレインは、差動増幅
段42のNチャンネルMOSFET N13のゲート及
び出力段44のNチャンネルMOSFET N14のゲ
ートに接続されている。NチャンネルMOSFET N
18 のドレインは、NチャンネルMOSFET N17
のソースとNチャンネルMOSFET N13のゲート
及びNチャンネルMOSFET N14 のゲートとの接
続点に接続され、そのソースは、大地電位に接続されて
いる。NチャンネルMOSFET N17 のゲートは、
通断制御信号発生回路22Aの出力端40に接続され、
NチャンネルMOSFET N18 のゲートは、通断制
御信号発生回路22Aの出力端41に接続された点であ
る。第2の相違点は、従来の入力回路14の差動増幅段
42にPチャンネルMOSFET P6を設けた点であ
る。すなわち、PチャンネルMOSFET P6のソー
スが電圧源VDDに接続され、そのドレインが従来の入
力回路14の差動増幅段42のPチャンネルMOSFE
T P3及びPチャンネルMOSFET P4のゲートに
接続され、PチャンネルMOSFET P6のゲートが
通断制御信号発生回路22Aの出力端40が接続された
点である。この相違点を有する差動増幅段を参照番号4
2Aで参照する。第3の相違点は、従来の入力回路14
の出力段44にPチャンネルMOSFET P7を設け
た点である。すなわち、PチャンネルMOSFET P
7のソースが電圧源VDDに接続され、そのドレインが
従来の入力回路14の差動増幅段42のNチャンネルM
OSFET N11 のドレイン及び出力段44のPチャ
ンネルMOSFET P5のゲートに接続され、そのP
チャンネルMOSFET P7のゲートが通断制御信号
発生回路22Aの出力端40を接続された点である。こ
の相違点を有する出力段を参照番号44Aで参照する。
そして、最後の相違点は、出力段44の出力にオア回路
45を設けた点である。すなわち、オア回路45の一方
の入力は、出力段44のNチャンネルMOSFET N
14のドレインとPチャンネルMOSFET P5のド
レインとの接続点に接続され、その他方の入力が通電制
御信号発生回路手段22Aの出力端41に接続された点
である。このオア回路45は、その入力の電圧レベルを
CMOS内部回路の電圧レベルにクランプする作用をす
る。したがって、図1及び図2においては、図5乃至図
7の構成部分と同一の各部には同一の符号を付してその
説明を省略する。
【0033】次に、図1、図2、図3、及び図6を参照
して、この実施例の動作について説明する。この例にお
ける信号の入出力も、その基本的な動作は、図5乃至図
8を参照して説明した動作と略同じである。その大きな
相違は、高レベルのイネーブル信号が供給されて出力回
路12Aが動作しているときに入力回路14Aで電力を
消費せず、逆に、低レベルのイネーブル信号が供給され
て入力回路14Aが動作しているときは出力回路12A
で電力を消費しないことである。また、これに加えて、
高レベルのイネーブル信号が供給されて入力回路14A
が動作していないとき、その出力端から該出力端に接続
されるCMOS内部回路で期待される値の信号を入力回
路14AからCMOS内部回路に供給するようにしたこ
とである。
【0034】その説明をするために、先ず、上記高レベ
ルのイネーブル信号ENが供給されている状態における
出力回路12Aの動作状態について説明する。この場合
には、高レベルのイネーブル信号が通断制御信号発生回
路22Aのイネーブル入力端39に入力されると(図3
のENの期間)、通断制御信号発生回路22Aの出力
端40から低レベルの信号Cが出力され(図3のCの期
間)、出力端41から高レベルの信号Dが出力される
(図3のDの期間)。高レベルのイネーブル信号が入
力されているときに、図3のINに示されるような2値
入力信号が入力信号供給回路16の入力端28に入力さ
れると(図3のINの期間)、入力信号供給回路16
の出力端34から図3のAの期間に示されるような低
レベルの信号Aが出力され、また、入力信号供給回路1
6の出力端36から図3のBの期間に示されるような
高レベルの信号Bが出力される。そうすると、信号Dが
高レベルであり、信号Cが低レベルであることにより、
出力回路14AのNチャンネルMOSFET N15が
オンになり、NチャンネルMOSFET N16がオフ
になるから、差動増幅段20のNチャンネルMOSFE
T N3、及び差動増幅段24のNチャンネルMOSF
ET N6は、電流源として動作する。NチャンネルM
OSFET N3には、電流I1が流れる(図3のI1
の期間)。したがって、差動増幅段20は、図5に示
す従来回路と同様の動作をする。
【0035】このとき、NチャンネルMOSFET N
6も、電流源として動作し、信号Cが低レベルであるこ
とにより、PチャンネルMOSFET P1、P2はオ
ンするから、差動増幅段24も、図5に示す従来回路と
同様の動作をする。また、信号Cが低レベルにあること
により、NチャンネルMOSFET N8、N10はオ
フするから、出力段26も、図5に示す従来回路での動
作と同じになる。したがって、出力回路12Aの出力端
27,29から、図5に示す従来回路について説明した
と同様であって、入力信号INに対応する出力信号IO
A、IOBが出力される(図3のIOA、IOBの期間
)。
【0036】次に、上記高レベルのイネーブル信号EN
が供給されている状態における入力回路14Aの動作状
態について説明する。信号Dが高レベルであり、信号C
が低レベルであることにより、NチャンネルMOSFE
T N17がオフになり、NチャンネルMOSFET N
18がオンになるから、NチャンネルMOSFET N
13は、電流源として動作しない。したがって、Nチャ
ンネルMOSFET N13に電流は流れない(図3の
I2の期間)。NチャンネルMOSFET N13
が、電流源として動作しないことに加えて、Pチャンネ
ルMOSFET P6がオンしてPチャンネルMOSF
ET P3、P4をオフにするので、差動増幅段42A
での電力消費は無くなる。また、低レベルの電圧がNチ
ャンネルMOSFET N14のゲートに供給されるか
ら、NチャンネルMOSFET N14に電流は流れず
(図3のI3の期間)、能動負荷として作用しない。
したがって、出力段44Aでの電力消費も無くなる。
【0037】出力段44Aに電流が流れず、Pチャンネ
ルMOSFET P5 ,NチャンネルMOSFET N
14 は共にオフしているため、その出力端は高インピ
ーダンス状態であるが、信号Dは、高レベルにあるか
ら、オア回路45から高レベルの信号が出力される(図
3のOUTの期間)。したがって、出力段44Aの出
力端にオア回路45が接続されているから、入力回路1
4Aの出力端OUTに接続されるCMOS内部回路によ
って要求される期待値の信号をCMOS内部回路に供給
することができる。期待値は、この例では、高レベルで
ある。ここに、期待値とは、入力回路14Aが入力動作
を開始するときの最初に受信する信号と同一レベルにあ
る値をいう。この入力動作開始時の受信信号初期値(期
待値)の設定が有効とされる一例としては、IEEE1
394と呼ばれる高速シリアルバスインタフェース方式
がある。IEEE1394の伝送方式は、2組の差動信
号(4本)で1つのデータ及び調停信号を転送するもの
であり、本実施例では図1の入出力回路10Aを2組利
用し、前記データ及び調停信号を送受信するものであ
る。IEEE1394の伝送方式では、入力回路にてデ
ータ信号を受信する前には必ずデータプリフィックスと
呼ばれる調停信号を受信し、その論理は前記2組の信号
論理は必ず、1組目は“1″で2組目は“0″であるこ
とが定義されている。したがって、入力回路14Aを例
えば前記1組目の入力回路とすれば、前記期待値は入力
動作を開始するときの最初に受信する信号に適合する。
一方、2組目の“0″の期待値を出力するには、入力回
路14Aにおいてオア回路をアンド回路に変更すると同
時に、信号Dを信号Cに変更することで容易に実現でき
る。これによって、入力回路では入力動作を開始する
際、前記調停信号の論理を誤りなく、後段のCMOS内
部回路に伝達することができる。
【0038】イネーブル信号ENが、高レベルから低レ
ベルへ切り替えられると、通断制御信号発生回路22A
の出力端40から高レベルの信号Cが出力され、出力端
41から低レベルの信号Dが出力される。そうすると、
NチャンネルMOSFET N15はオフし、Nチャン
ネルMOSFET N16はオンする。これにより、N
チャンネルMOSFET N3、N6は、電流源として
動作しなくなる。したがって、差動増幅段20での電力
消費は無くなる。また、NチャンネルMOSFET N
6が、電流源として動作しなくなることに加えて、Pチ
ャンネルMOSFET P1、P2がオフするので、差
動増幅段24での電力消費は無くなる。このとき、従来
の入出力回路と同様に、差動増幅段24Aの出力端O
3、O4から出力される電圧レベルは、オンしたNチャ
ンネルMOSFET N8、N10により大地電位とさ
れるから、出力回路12Aの出力段26を構成するNチ
ャンネルMOSFET N7、N9は、完全にオフす
る。したがって、出力段26の出力端OUTA、OUT
B間は、高インピーダンス状態に設定される。この高イ
ンタフェース状態に設定された後に、当該入出力回路の
入力回路へ自又は他の半導体集積回路から入力信号が伝
送されて来る場合の動作は、図5乃至図8を参照して説
明したところと同じである(図3の期間以降)。
【0039】このように、この例の構成によれば、入出
力回路10Aの出力回路12Aの出力端27,29がバ
スライン2に接続される出力端であると同時に、入力回
路14Aの入力端でもある入出力回路を備えた信号伝送
システムにおいて、その出力回路12Aの出力端を高イ
ンピーダンス状態にする制御信号(低レベルにあるイネ
ーブル信号)が出力回路12A及び入力回路14Aに供
給されるとき、入力回路14Aへの給電を生じさせてこ
れを動作させると同時に、出力回路12Aへの給電停止
を生じさせ、また、上記制御信号が出力回路12A及び
入力回路14Aに供給されないとき、出力回路12Aへ
の給電を生じさせてこれを動作させると同時に、入力回
路14Aへの給電停止を生じさせることができる。した
がって、出力回路12Aの出力端を高インピーダンス状
態にする制御信号を用いて出力回路12A及び入力回路
14Aでの電力消費を無くすことができる。また、出力
回路12Aの出力端を高インピーダンス状態にする制御
信号が供給されて入力回路14Aが動作しないとき、入
力回路14Aの出力端に接続された信号処理回路が入力
回路14Aから信号を受信するその開始時に入力回路1
4Aから出力して欲しいレベルの信号、すなわち、期待
値の信号を上記制御信号に基づいてオア回路45から出
力することができる。制御信号に基づく期待値の信号を
入力回路14Aから出力することができるから、誤デー
タをCMOS内部回路で受信してしまう虞れはない。
【0040】以上、この発明の実施例を図面を参照して
詳述して来たが、この発明の具体的な構成は、これらの
実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱
しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれ
る。例えば、イネーブル信号の出力回路12A及び入力
回路14Aへの供給を1つの入力端でなく、別々の入力
端から供給するようにしてもよい。また、出力回路を非
動作状態にして出力端を高インピーダンス状態にすると
同時に、入力回路を動作状態にする信号と、出力回路を
動作状態にすると同時に、入力回路を非動作状態にする
信号とを別々の信号としてもよい。また、イネーブル信
号による通断制御は、電流源に直列に介挿したスイッチ
素子による通断制御であってもよい。また、期待値の信
号として、低レベルの電圧を出力するようにしてもよ
い。期待値出力回路としては、アンド回路が用いられ
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、出力回路の出力端と入力回路の入力端とを接続
している入出力回路や入出力回路を備えた信号伝送シス
テムにおいて、その出力回路の出力端を高インピーダン
ス状態にする制御信号を出力回路及び入力回路に供給し
たとき、入力回路への給電を生じさせてこれを動作させ
ると同時に、出力回路への給電停止を生じさせ、また、
上記制御信号が出力回路及び入力回路に供給されないと
き、出力回路への給電を生じさせてこれを動作させると
同時に、入力回路への給電停止を生じさせるようにし
て、制御信号が出力回路の出力端を高インピーダンス状
態にする信号であると同時に、出力回路及び入力回路で
の通断制御信号でもあるようにしたので、上記制御信号
によって、出力回路が動作しないときその出力端に高イ
ンピーダンス状態を提供できると同時に、入力回路での
節電も達成することができる。また、入力回路の動作時
に、出力回路の節電を達成することができる。また、出
力回路の出力端を高インピーダンス状態にする制御信号
に基づいた期待値の信号を出力可能な回路に入力回路を
構成したので、該制御信号に基づいた期待値の信号を入
力回路から出力することができる。したがって、入力回
路に接続された信号処理回路で誤データを受信してしま
う虞れはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例である入出力回路を備えた信
号伝送システムの入出力回路の構成を示す図である。
【図2】同入出力回路の通断制御回路の構成を示す図で
ある。
【図3】同入出力回路の動作を説明するタイミングチャ
ートである。
【図4】従来の半導体集積回路を用いた信号伝送システ
ムの構成を示す図である。
【図5】同信号伝送システムの入出力回路の構成を示す
図である。
【図6】同信号伝送システムの入力信号供給回路を示す
図である。
【図7】同信号伝送システムのイネーブル/ディスエイ
ブル切り替え回路の構成を示す図である。
【図8】同信号伝送システムの入出力回路の動作を説明
するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
2 バスライン 10A 入出力回路 12A 出力回路 14A 入力回路 19 通断制御回路(出力回路の給電制御回路) 27 出力端 29 出力端 45 オア回路(期待値出力回路) 47 通断制御回路(入力回路の給電制御回路) IC1,IC2,… 半導体集積回路

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流源を有する入力回路であって、 入力動作を生じさせる信号が供給されくなったとき、該
    信号が供給されなくなったことに基づいて前記入力回路
    へ給電する前記電流源を停止させることを特徴とする入
    力回路。
  2. 【請求項2】 電流源を有する出力回路であって、 出力動作を生じさせる信号が供給されくなったとき、該
    信号が供給されなくなったことに基づいて前記出力回路
    へ給電する前記電流源を停止させることを特徴とする出
    力回路。
  3. 【請求項3】 出力回路、及び該出力回路の出力端が入
    力端に接続された入力回路を有し、制御信号が前記出力
    回路に供給されるとき、前記出力回路の出力端が高イン
    ピーダンス状態とされる入出力回路であって、 前記制御信号が前記入力回路に供給されるとき前記入力
    回路へ給電し、前記制御信号が供給されないとき前記入
    力回路へ給電する電流源を停止する給電制御回路を前記
    入力回路に設けたことを特徴とする入出力回路。
  4. 【請求項4】 前記制御信号を1つの信号端から前記入
    力回路及び前記出力回路へ供給することを特徴とする請
    求項3記載の入出力回路。
  5. 【請求項5】 前記入力回路に設けた給電制御回路は、
    前記入力回路を構成する差動増幅段の電流源のオン/オ
    フを生じさせる回路であることを特徴とする請求項3又
    は4記載の入出力回路。
  6. 【請求項6】 前記入力回路に設けた給電制御回路は、
    前記入力回路を構成する出力段の能動負荷のオン/オフ
    を生じさせる回路であることを特徴とする請求項3、
    4、又は5記載の入出力回路。
  7. 【請求項7】 前記制御信号が前記出力回路に供給され
    ないとき前記出力回路へ給電し、前記制御信号が前記出
    力回路に供給されるとき前記出力回路へ給電する電流源
    を停止する給電制御回路を前記出力回路に設けたことを
    特徴とする請求項3又は4記載の入出力回路。
  8. 【請求項8】 前記出力回路は、前記電流源を含む差動
    増幅段から構成され、かつ、前記出力回路に設けた給電
    制御回路は、前記差動増幅段に含まれる前記電流源のオ
    ン/オフを生じさせる回路であることを特徴とする請求
    項7記載の入出力回路。
  9. 【請求項9】 前記制御信号に基づいた期待値の信号を
    出力する信号出力回路を前記入力回路に設け、供給され
    た前記制御信号に基づいて前記信号出力回路から前記入
    力回路の出力端に期待値の信号を出力することを特徴と
    する請求項3乃至8のいずれか1に記載の入出力回路。
  10. 【請求項10】 出力回路、及び該出力回路の出力端が
    入力端に接続された入力回路を有し、制御信号が前記出
    力回路に供給されるとき、前記出力回路の出力端が高イ
    ンピーダンス状態とされる入出力回路を少なくとも1つ
    有する半導体集積回路と、該半導体集積回路の出力回路
    の出力端及び入力回路の入力端を接続したバスラインと
    を有する入出力回路を備えた信号伝送システムであっ
    て、 前記制御信号が前記入力回路に供給されるとき前記入力
    回路に給電し、前記制御信号が前記入力回路に供給され
    ないとき前記入力回路へ給電する電流源を停止する給電
    制御回路を前記入力回路に設けたことを特徴とする入出
    力回路を備えた信号伝送システム。
  11. 【請求項11】 前記制御信号が前記出力回路に供給さ
    れないとき前記出力回路に給電し、前記制御信号が前記
    出力回路に供給されるとき前記出力回路へ給電する電流
    源を停止する給電制御回路を前記出力回路に設けたこと
    を特徴とする請求項10記載の入出力回路を備えた信号
    伝送システム。
  12. 【請求項12】 前記制御信号を1つの信号端から前記
    入力回路及び前記出力回路へ供給することを特徴とする
    請求項10又は11記載の入出力回路を備えた信号伝送
    システム。
  13. 【請求項13】 前記制御信号に基づいた期待値の信号
    を出力する信号出力回路を前記入力回路に設け、供給さ
    れた前記制御信号に基づいて前記信号出力回路から前記
    入力回路の出力端に前記期待値の信号を出力することを
    特徴とする請求項10、11又は12記載の入出力回路
    を備えた信号伝送システム。
  14. 【請求項14】 前記入力回路は、前記電流源を含む差
    動増幅段から構成され、かつ、前記入力回路に設けた給
    電制御回路は、前記差動増幅段に含まれる前記電流源の
    オン/オフを生じさせる回路であることを特徴とする請
    求項10、11、12、又は13記載の入出力回路を備
    えた信号伝送システム。
  15. 【請求項15】 前記入力回路に設けた給電制御回路
    は、前記入力回路を構成する出力段の能動負荷のオン/
    オフを生じさせる回路であることを特徴とする請求項1
    0乃至14のいずれか1に記載の入出力回路を備えた信
    号伝送システム。
  16. 【請求項16】 前記出力回路は、前記電流源を含む差
    動増幅段から構成され、かつ、前記出力回路に設けた給
    電制御回路は、前記差動増幅段に含まれる前記電流源の
    オン/オフを生じさせる回路であることを特徴とする請
    求項11乃至15のいずれか1に記載の入出力回路を備
    えた信号伝送システム。
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