JP2000180575A - 沸騰水型原子炉用燃料集合体及びそれを用いた炉心 - Google Patents

沸騰水型原子炉用燃料集合体及びそれを用いた炉心

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JP2000180575A
JP2000180575A JP10354301A JP35430198A JP2000180575A JP 2000180575 A JP2000180575 A JP 2000180575A JP 10354301 A JP10354301 A JP 10354301A JP 35430198 A JP35430198 A JP 35430198A JP 2000180575 A JP2000180575 A JP 2000180575A
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uranium
assembly
gadolinia
fuel assembly
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JP10354301A
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Toshimitsu Horiuchi
敏光 堀内
Masanobu Takei
正信 武井
Yuzo Inaba
勇三 稲葉
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Nuclear Fuel Industries Ltd
Original Assignee
Nuclear Fuel Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、沸騰水型原子炉(BWR)で用い
られるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料
集合体当たりのプルトニウム充填量を損なうことなく、
出力分布が平坦であり、且つ多様な反応度特性を持った
MOX燃料集合体と余剰反応度特性の優れた沸騰水型原
子炉の炉心とを提供する。 【解決手段】 MOX燃料集合体において、ウラン燃料
棒の一部又は全てが集合体最外周コーナー位置又は最外
周から2層目のコーナー位置に配置され、且つ、これら
ウラン燃料棒の一部又は全てが可燃性毒物を含んでいる
もの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子炉
(以下、「BWR」と記す)で用いられるウラン・プル
トニウム混合酸化物(以下、「MOX」と記す)燃料集
合体と沸騰水型原子炉の炉心とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ウラン燃料集合体を用いたBWRでは、
制御棒や炉心流量の制御に加え、燃料集合体内の燃料棒
にガドリニア(Gd)等の可燃性毒物を入れて炉
心の反応度を制御している。ガドリニアによる反応度制
御は、ガドリニア入り燃料棒(Gd燃料棒)の本数とそ
の濃度によって特徴付けられる。
【0003】即ち、集合体内のGd燃料棒の本数を増や
すことは燃焼初期の無限増倍率を小さくする効果を持
ち、Gd燃料棒のガドリニア濃度が高いほど燃焼中期に
おける無限増倍率のピーク値を低くし、そのピークの現
れる燃焼度をより高くする効果を持つ。このガドリニア
による反応度制御の特徴を用いて、運転サイクル期間中
の余剰反応度が適切で平坦な変化を持つ炉心の設計が行
われている。
【0004】原子炉は余剰反応度の燃焼変化を補償する
ように制御棒の挿入量を調整しながら運転されており、
余剰反応度の変化が大きいほど制御棒操作の回数が多く
なる。この制御棒操作時には出力低下を伴うので、頻繁
に制御棒操作を行うと原子炉稼働率が下がることにな
る。よって、原子炉運転の安全性と経済性の観点から、
運転サイクル期間中の余剰反応度が平坦であり、適切な
値となるような炉心が好ましい。
【0005】現在、BWRでは集合体当たりのGd燃料
棒の本数が多い高ガドリニア(高Gd)燃料集合体とG
d燃料棒の本数が少ない低ガドリニア(低Gd)燃料集
合体を装荷したものが用いられている。このような炉心
を2ストリーム炉心と呼んでいる。2ストリーム炉心
は、高Gd燃料集合体と低Gd燃料集合体の装荷体数割
合を変えることで、通常の運転サイクルや運転サイクル
の長期化においても余剰反応度の調整が容易に行えるの
で、最適な余剰反応度特性を得ることができ、特に運転
サイクル初期(BOC)の余剰反応度を適切な値にする
ことができる。
【0006】前述した通り、原子炉は余剰反応度を調整
するように制御棒や炉心流量を制御して運転されてい
る。それに加えて、原子炉の構成品が熱による損傷を受
けないと言うような機械的な健全性や安全性の観点から
も、制御棒や炉心流量の制御が行われている。集合体に
おける各燃料棒の出力を全燃料棒の平均出力で除した値
を相対出力と言い、その相対出力の最大値を局所出力ピ
ーキング係数(LPF)と言う。
【0007】各集合体出力と各燃料棒の相対出力を乗ず
ることで、その集合体における各燃料棒の出力を求める
ことができるので、各燃料棒の単位長さ当たりの出力
(線出力)を知ることができる。即ちLPFは、集合体
中の最大線出力を表す指標となる。燃料棒はある値以上
の線出力が発生すると破損する危険性が高くなるので、
燃料棒の安全性と健全性の観点から線出力の上限を定
め、その制限値を越えないように原子炉の運転が行われ
ている。集合体の出力が等しいならば、最大線出力はL
PFが低い程小さくなるので、燃料棒の健全性と安全性
の観点から、集合体内の出力分布が平坦、即ちLPFが
小さな集合体が望ましい。
【0008】しかしGd燃料棒の使用は、前述したとお
り原子炉の反応度調整が可能である反面、次のような問
題点を持っている。ガドリニアは核分裂性物質よりも熱
中性子に対する吸収断面積が大きいので、ガドリニアを
含有させた燃料棒は、ガドリニアを含有させる前に比
べ、自身と周囲の燃料棒の相対出力を減少させる。
【0009】従来の燃料集合体設計と同様にGd燃料棒
を燃料集合体の中心部に配置した場合、中心部の相対出
力が低下し、集合体外周部、特にコーナー部の相対出力
やLPFが増加する。燃料の濃縮度の種類数を増やし、
外周部やコーナー領域の濃縮度を下げる等して、集合体
の濃縮度分布を最適化することで、LPFを小さくし、
相対出力を均一にできるが、このことは集合体の設計と
製造のコストを増大させ、経済性を損なうことになる。
この特性は、Gd燃料棒の本数が増加するほど大きくな
るので、Gd燃料棒の本数の増加は好ましくない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
ガドリニアによる反応度制御方法を、MOX燃料集合体
を用いたBWR炉心に適用しようとするものである。
【0011】即ち、MOX燃料集合体内の中性子スペク
トルはウラン燃料集合体内のそれよりも硬い(熱中性子
束の割合が小さい)ため、燃焼初期のGd燃料棒1本当
たりの反応度抑制効果が小さくなり、また、ガドリニア
の燃焼速度が遅くなる。更に、MOX燃料集合体では、
中性子スペクトルが硬いために燃焼初期の反応度が低い
が、燃焼に伴う反応度の低下が少ないという特徴を持
つ。
【0012】よって、同じガドリニア濃度を有するGd
燃料棒を同数本用いたとき、ウラン燃料集合体と比較す
ると、燃焼初期の無限増倍率はMOX燃料集合体の方が
大きくなり、また燃焼中期の無限増倍率のピークはMO
X燃料集合体の方が低くなる。
【0013】一方、MOX燃料集合体はウラン燃料集合
体に比べて燃焼に伴う無限増倍率の減少が緩やかで燃焼
初期での無限増倍率は、それ程大きくないものの、従来
のウラン燃料集合体設計と同様にGd燃料棒をMOX燃
料集合体の中心部に配置した場合、BOCにおいて適当
な余剰反応度に抑えるために集合体当たりのGd燃料棒
の本数を増やさねばならない。Gd燃料棒の本数の増加
は、出力分布をゆがめ、LPFを大きくする。またMO
X燃料集合体のGd燃料棒にはウラン燃料棒が想定され
ているので、Gd燃料棒の本数の増加は、プルトニウム
充填量を減少させるので好ましくない。
【0014】また、MOX炉心においてもウラン炉心と
同様に、高Gd燃料集合体と低Gd燃料集合体を用いた
2ストリーム炉心とする可能性がある。2ストリーム炉
心は、高Gd燃料集合体と低Gd燃料集合体の装荷体数
割合を変えることで、運転サイクルに応じ最適な余剰反
応度特性を得ることができるので、炉心設計や炉心運用
の柔軟性が高くなり、最終的に見ると経済性が良くなる
と考えられる。しかしながら、原子炉停止余裕や余剰反
応度の適切な設定、経済性の面から、高Gd燃料集合体
のGd燃料棒の最大装荷本数はそれ程多くできず、高G
d燃料集合体と低Gd燃料集合体のGd燃料棒の本数差
は小さく、通常4本以内である。
【0015】このような課題を解決するため、本発明
は、BWRで用いられるMOX燃料集合体において、集
合体当たりのプルトニウム充填量を損なうことなく、出
力分布が平坦であり、且つ多様な反応度特性を持ったM
OX燃料集合体と余剰反応度特性の優れた沸騰水型原子
炉の炉心とを提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本請求項1に記載された
発明に係るBWR用燃料集合体は、複数本のプルトニウ
ムを含まないウラン燃料棒と、複数本のプルトニウム・
ウラン混合酸化物燃料棒とをバンドル状に装荷した沸騰
水型原子炉用燃料集合体において、前記ウラン燃料棒の
一部又は全てが集合体最外周コーナー位置又は最外周か
ら2層目のコーナー位置に配置され、且つ、これらウラ
ン燃料棒の一部又は全てが可燃性毒物を含んでいるもの
である。
【0017】本請求項2に記載された発明に係るBWR
用燃料集合体は、請求項1に記載されたウラン燃料棒で
使用されているウランが天然ウラン(NU)又は劣化ウ
ラン(DU)であるものである。
【0018】本請求項3に記載された発明に係るBWR
炉心は、請求項1に記載されたBWR用燃料集合体を装
荷したBWR炉心であって、前記燃料集合体は、予め定
められた本数の可燃性毒物含有ウラン燃料棒を有する第
1燃料集合体と、前記本数より少ない本数の可燃性毒物
含有ウラン燃料棒を有する第2燃料集合体とからなる2
ストリーム構成を成しているものである。
【0019】本請求項4に記載された発明に係るBWR
炉心は、請求項3に記載された第2燃料集合体の最外周
又は2層目のコーナー位置のウラン燃料棒は、全て可燃
性毒物を含んでいるものである。
【0020】本請求項5に記載された発明に係るBWR
炉心は、請求項3に記載された第2燃料集合体の最外周
又は2層目のコーナー位置のウラン燃料棒は、全て可燃
性毒物を含んでいないものである。
【0021】本請求項6に記載された発明に係るBWR
炉心は、請求項3〜5の何れかに記載されたウラン燃料
棒で使用されているウランが天然ウラン(NU)又は劣
化ウラン(DU)であるものである。
【0022】
【発明の実施の形態】1)MOX燃料集合体の外周につ
いて、集合体の最外周コーナー領域はチャンネルボック
スに2方向で面している。そのためにチャンネルボック
スの外側の非沸騰水領域から流入する中性子の影響を受
けやすく、最外周コーナー領域は最外周のコーナー領域
以外や集合体中心部に比べて熱中性子束が高く、また中
性子スペクトルが軟らかい領域である。故に集合体コー
ナー領域は、最も出力が高くなりやすく、またガドリニ
アの反応度抑制効果が最も高くなる領域である。
【0023】コーナー領域の出力が高くなりやすいこと
から、この領域はMOX燃料棒を配置するときプルトニ
ウム富化度が相対的に低いものを配置して、この領域の
出力が大きくならないようにする。従って、集合体コー
ナー領域にGd燃料棒を配置した場合、低富化度のMO
X燃料棒との交換になるので、プルトニウム充填量の減
少を比較的低く抑えることができる。
【0024】また、集合体コーナー領域にGd燃料棒を
配置すると、この領域の出力を抑制することができる。
更に集合体コーナー領域は、ガドリニアの反応度抑制効
果が高いので、少数本のGd燃料棒を配置することで、
燃焼初期での無限増倍率を充分に低減することができる
ことから、Gd燃料棒の本数を増やしたり、Gd燃料棒
を集合体中心部に配置しなくて済むので、出力分布をゆ
がめることがないので、MOX燃料棒の富化度の種類を
増やすことなく出力分布の平坦な集合体を設計すること
ができる。
【0025】次に集合体の最外周コーナー位置と最外周
から2層目のコーナー位置とのガドリニアの反応度制御
効果について説明を行う。集合体の最外周コーナー位置
と最外周から2層目のコーナー位置とを比べたとき、最
外周から2層目のコーナー位置は、チャンネルボックス
外側からの熱中性子が最外周部の燃料棒により吸収され
るため、最外周コーナー位置よりも熱中性子束は低くな
る。
【0026】そのために最外周コーナー位置よりもガド
リニアの燃焼速度が遅くなり、ガドリニア濃度を濃くし
たときと同じ効果が得られる。また、同じ理由から最外
周から2層目のコーナー位置は、最外周コーナー位置よ
りも中性子スペクトルは硬くなり、そのためにガドリニ
アの反応度抑制効果が小さくなる。
【0027】よって、同じGd燃料棒を用いたとしても
その配置位置によって、燃焼初期における無限増倍率の
低減率や燃焼中期に現れる無限増倍率のピークの燃焼度
を調整することができる。よってGd燃料棒の配置位置
を変えることにより、Gd燃料棒の本数やガドリニア濃
度を変えた時と同じ反応度制御効果が得られる。このこ
とから、より多様な反応度特性を持った燃料集合体を設
計することができる。
【0028】2)2ストリーム炉心について、Gd燃料
棒及びウラン燃料棒を集合体の最外周又は/及び最外周
から2層目のコーナー位置に配置することで、少数本の
Gd燃料棒で充分な反応度特性を持った高Gd燃料集合
体と低Gd燃料集合体との2種類のGd燃料集合体を設
計することができる。従って、このガドリニア入り燃料
棒の本数の異なる集合体を用いることで、運転サイクル
に応じた2ストリーム炉心を作成することができる。更
に、高Gd燃料集合体と低Gd燃料集合体とにおいて、
Gd燃料棒をコーナー領域に配置したことで、両集合体
における集合体中心部の高Gd燃料集合体と低Gd燃料
集合体の設計を共用化することができるので、燃料集合
体の設計と製造のコストが低減できる。
【0029】3)本発明について、即ち、本発明では、
集合体の最外周コーナー位置又は最外周から2層目のコ
ーナー位置にGd燃料棒及びウラン燃料棒を配置するこ
とで、少数本のウラン燃料棒を用いて充分な性能を持つ
高Gd燃料集合体(第1燃料集合体)と低Gd燃料集合
体(第2燃料集合体)とを集合体当たりのプルトニウム
充填量を損なうことなく設計することができ、この高G
d燃料集合体と低Gd燃料集合体とを用いることで、運
転サイクルに応じた適切な余剰反応度特性を持った2ス
トリーム炉心を設計することができる。
【0030】またウラン燃料棒のウランに濃縮ウランで
はなく天然ウラン(NU)又は劣化ウラン(DU)を用
いると、ウラン燃料棒の出力低下により集合体全体の反
応度が下がる。集合体反応度の低下分はMOX燃料棒の
プルトニウム富化度を上げて補償することになるので、
集合体当たりのプルトニウム充填量を増加させることと
なり、MOX燃料集合体の経済性が向上される。
【0031】
【実施例】本発明の実施例を以下に示す。 実施例1.燃料集合体 図1は本発明の第1の実施例におけるMOX燃料集合体
の燃料棒配置を示す説明図である。また、図2は可燃性
毒物を含まないMOX燃料棒だけで構成されたMOX燃
料集合体の燃料棒配置を示す説明図である。図1及び図
2において、1はMOX燃料棒(プルトニウム富化度:
最高)、2はMOX燃料棒(プルトニウム富化度:
高)、3はMOX燃料棒(プルトニウム富化度:中)、
4はMOX燃料棒(プルトニウム富化度:低)、G1は高
濃度ガドリニア入りウラン(NU)燃料棒、G2は低濃度
ガドリニア入りウラン(NU)燃料棒を示す。
【0032】第1の実施例は、MOX燃料棒だけで構成
された図2の集合体において、最外周と最外周から2層
目のコーナー位置へガドリニア含有ウラン燃料棒を配置
した集合体である。図2から、最外周と最外周から2層
目のコーナー位置は低富化度のMOX燃料棒が配置され
ていることが分かる。よって、この位置にガドリニア含
有ウラン燃料棒を配置した場合に、プルトニウム充填量
の低減を量小限で行えることになる。尚、本実施例にお
けるガドリニア濃度は、最外周の方が最外周から2層目
のコーナーのガドリニア含有ウラン燃料棒よりも濃く、
また、本実施例で用いたガドリニア含有ウラン燃料棒の
ウランは天然ウラン(NU)であるが、劣化ウラン(D
U)であってもよい。
【0033】図3は本実施例のMOX燃料集合体の集合
体燃焼度に対する無限増倍率の変化を示す線図である。
図において、実線は第1の実施例の集合体(図1)、破
線は後述する第2の実施例の低Gd燃料集合体(図
5)、点線は後述する第3の実施例の低Gd燃料集合体
(図6)、一点鎖線はガドリニア含有ウラン燃料棒を含
まない集合体(図2)である。
【0034】図に示す通り、ガドリニアを含まない集合
体と比べて分かる通り、燃焼初期の無限増倍率の低減が
充分に行われ、燃焼中期で無限増倍率のピークが現れる
という、従来通りのガドリニア燃料棒を用いたときの無
限増倍率特性が得られている。このことから、本実施例
の集合体は、従来と同様に用いることができる。
【0035】図4は本実施例のMOX燃料集合体の集合
体燃焼度に対するLPF変化を示す線図である。図にお
いて、実線は第1の実施例の集合体(図1)、破線は後
述する第2の実施例の低Gd燃料集合体(図5)、点線
は後述する第3の実施例の低Gd燃料集合体(図6)、
一点鎖線はガドリニア含有ウラン燃料棒を含まない集合
体(図2)である。
【0036】図に示す通り、MOX燃料棒だけで構成し
た集合体に比べ、燃焼初期から燃焼中期のLPFが小さ
くなっている。このことから、最外周と最外周から2層
目のコーナー位置へガドリニア含有ウラン燃料棒を配置
することは、燃焼初期から燃焼中期のLPFを低減し、
集合体の熱的な安全性を高めることができる。
【0037】実施例2.低GdMOX燃料集合体1及び
2ストリーム炉心 本発明の第2の実施例は、異なるガドリニア含有ウラン
燃料棒の本数を持つ、即ち、高Gd燃料集合体と低Gd
燃料集合体の2種類の集合体を用いたBWRの炉心であ
る。尚、第2の実施例における高Gd燃料集合体は、第
1の実施例に記載の集合体である。
【0038】図5は第2の実施例における低GdMOX
燃料集合体の燃料棒配置図を示す説明図である。図にお
いて、1はMOX燃料棒(プルトニウム富化度:最
高)、2はMOX燃料棒(プルトニウム富化度:高)、
3はMOX燃料棒(プルトニウム富化度:中)、4はM
OX燃料棒(プルトニウム富化度:低)、5はウラン
(NU)燃料棒、Gは高濃度ガドリニア入りウラン(N
U)燃料棒を示す。尚、Gは図1のG1と同じものであ
る。
【0039】図に示す通り、第2の実施例における低G
d燃料集合体は、MOX燃料棒が配置された集合体にお
ける最外周コーナー位置にガドリニア含有ウラン燃料棒
を配置し、且つ最外周から2層目のコーナー位置にガド
リニアを含まないウラン燃料棒を配置した集合体であ
る。即ち、各コーナー領域にあるガドリニア含有ウラン
燃料棒とガドリニアを含まないウラン燃料棒の本数は各
々1本であるので、本実施例の低Gd燃料集合体のガド
リニア含有ウラン燃料棒の総数は4本である。
【0040】本実施例における低Gd燃料集合体と高G
d燃料集合体の最外周コーナー位置のガドリニア含有ウ
ラン燃料棒は同一のガドリニア濃度を有している。尚、
本実施例で用いたガドリニア含有ウラン燃料棒とガドリ
ニアを含まないウラン燃料棒のウランは天然ウラン(N
U)であるが、劣化ウラン(DU)であってもよい。本
実施例では、最外周と最外周から2層目のコーナー位置
の燃料棒を除き、低Gd燃料集合体と高Gd燃料集合体
設計は同一であり、集合体の設計と製造のコストを低減
している。
【0041】この第2の実施例における低Gd燃料集合
体の無限増倍率特性も前述の図3に示す。第2の実施例
の低Gd燃料集合体の燃焼初期における無限増倍率が高
Gd燃料集合体よりも大きいので、2ストリーム炉心と
することでBOCにおける余剰反応度を適切な値に調整
することができる。また、本実施例のMOX燃料集合体
のLPFの特性も前述の図4に示す。本実施例の低Gd
燃料集合体は、第2の実施例の高Gd燃料集合体とMO
X燃料棒だけで構成した集合体に比べて、燃焼初期のL
PFを低減させることができる。
【0042】以上のように、第2の実施例の高Gd燃料
集合体と低Gd燃料集合体を用いた2ストリーム炉心で
は、燃料集合体の機械的な健全性と安全性が更に確保さ
れることになるので、原子炉の運転が行い易くなり原子
炉の稼働率が向上する。本実施例では、集合体の設計と
製造の経済性の観点から、低Gd燃料集合体と高Gd燃
料集合体の同一位置のガドリニア含有ウラン燃料棒のガ
ドリニア濃度は同一のものを用いたが、最適な反応度特
性を得るために、ガドリニアの濃度が変えられることは
言うまでもない。
【0043】実施例3.低GdMOX燃料集合体2及び
2ストリーム炉心 本発明の第3の実施例は、異なるガドリニア含有ウラン
燃料棒の本数を持つ、即ち、高Gd燃料集合体と低Gd
燃料集合体の2種類の集合体を用いたBWRの炉心であ
る。尚、第3の実施例における高Gd燃料集合体は、第
1の実施例に記載の集合体である。
【0044】図6は第3の実施例における低GdMOX
燃料集合体の燃料棒配置図を示す説明図である。図にお
いて、1はMOX燃料棒(プルトニウム富化度:最
高)、2はMOX燃料棒(プルトニウム富化度:高)、
3はMOX燃料棒(プルトニウム富化度:中)、4はM
OX燃料棒(プルトニウム富化度:低)、5はウラン
(NU)燃料棒、Gは低濃度ガドリニア入りウラン(N
U)燃料棒を示す。尚、Gは図1のG2と同じものであ
る。
【0045】図に示す通り、第3の実施例における低G
d燃料集合体は、MOX燃料棒が配置された集合体にお
ける最外周コーナー位置にガドリニアを含まないウラン
燃料棒を配置し、且つ最外周から2層目のコーナー位置
にガドリニア含有ウラン燃料棒を配置した集合体であ
る。即ち、各コーナー領域にあるガドリニア含有ウラン
燃料棒とガドリニアを含まないウラン燃料棒の本数は各
々1本であるので、本実施例の低Gd燃料集合体のガド
リニア含有ウラン燃料棒の総数は4本である。
【0046】本実施例における低Gd燃料集合体と高G
d燃料集合体の最外周から2層目のコーナー位置のガド
リニア含有ウラン燃料棒は同一のガドリニア濃度を有し
ている。尚、本例で用いたガドリニア含有ウラン燃料棒
とガドリニアを含まないウラン燃料棒のウランは天然ウ
ラン(NU)であるが、劣化ウラン(DU)であっても
よい。本実施例では、最外周と最外周から2層目のコー
ナー位置の燃料棒を除き、低Gd燃料集合体と高Gd燃
料集合体設計は同一であり、集合体の設計と製造のコス
トを低減している。
【0047】この第3の実施例における低Gd燃料集合
体の無限増倍率特性も前述の図3に示す。第3の実施例
の低Gd燃料集合体の燃焼初期における無限増倍率が高
Gd燃料集合体よりも大きい。更に、第2の実施例の低
Gd燃料集合体と比べても、本実施例の低Gd燃料集合
体の方が燃焼初期の無限増倍率が大きいので、2ストリ
ーム炉心とすることでBOCにおける余剰反応度をより
大きな値へ調整することができる。また、本実施例のM
OX燃料集合体のLPFの特性も前述の図4に示す。本
実施例の低Gd燃料集合体は、MOX燃料棒だけで構成
した集合体に比べて、燃焼初期のLPFが低減してい
る。
【0048】以上のように、第3の実施例の高Gd燃料
集合体と低Gd燃料集合体を用いた2ストリーム炉心で
は、燃料集合体の機械的な健全性と安全性が更に確保さ
れることになるので、原子炉の運転が行い易くなり原子
炉の稼働率が向上する。本実施例では、集合体の設計と
製造の経済性の観点から、低Gd燃料集合体と高Gd燃
料集合体の同一位置のガドリニア含有ウラン燃料棒のガ
ドリニア濃度は同一のものを用いたが、最適な反応度特
性を得るために、ガドリニアの濃度が変えられることは
言うまでもない。特に、低Gd燃料集合体においてガド
リニア濃度を高めることにより長期運転サイクルに適し
た2ストリーム燃料とすることが可能である。
【0049】以上、実施例1〜3に示した通り、本発明
では、ガドリニア含有ウラン燃料棒及びウラン燃料棒を
集合体の最外周と最外周から2層目のコーナー位置に配
置することで、出力が高くなりやすいコーナー領域の出
力を下げることが可能である。また、集合体中心部にガ
ドリニア含有ウラン燃料棒がないため、大きく出力分布
をゆがめ、LPFを悪くすることがない。従って出力分
布が平坦、即ちLPFが小さな集合体が得られるので、
集合体の熱的な安全性が高くなり、制御棒や炉心流量操
作をする機会が減少する。このことは原子炉の稼働率を
向上させることにつながり、原子炉の経済性が向上す
る。
【0050】また少数本のガドリニア含有ウラン燃料棒
で、多様な反応度特性を持った高Gd燃料集合体と低G
d燃料集合体を提供できるので、2ストリーム炉心を設
計することができるので、通常の運転サイクルのみなら
ず運転サイクルが長期化されたときにも、集合体設計を
変えずに原子炉運転時に最適な余剰反応度特性を持つ炉
心を設計することができる。加えて、高Gd燃料集合体
と低Gd燃料集合体の設計を共用化することで、集合体
の設計と製造のコストを低減し、原子炉運転時の操作性
を高め、また原子炉稼働率が高くなるので炉心の安全性
と経済性が向上する。
【0051】また本発明では、ガドリニア含有ウラン燃
料棒を集合体の最外周部に配置することでMOX燃料棒
の本数を増やし、またウラン燃料棒のウランにNU又は
DUを用いることで、集合体当たりのプルトニウム充填
量を増加させている。集合体当たりのプルトニウム充填
量を高めることは、プルトニウム利用率を高め、MOX
燃料集合体の製造費・維持管理費を低減することになる
ので、MOX燃料集合体の経済性が向上する。
【0052】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、BWRで用
いられるMOX燃料集合体において、集合体当たりのプ
ルトニウム充填量を損なうことなく、出力分布が平坦で
あり、且つ多様な反応度特性を持ったMOX燃料集合体
と余剰反応度特性の優れた沸騰水型原子炉の炉心とを提
供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるMOX燃料集合
体の燃料棒配置を示す説明図である。
【図2】可燃性毒物を含まないMOX燃料棒だけで構成
されたMOX燃料集合体の燃料棒配置を示す説明図であ
る。
【図3】本実施例のMOX燃料集合体の集合体燃焼度に
対する無限増倍率の変化を示す線図である。
【図4】本実施例のMOX燃料集合体の集合体燃焼度に
対するLPF変化を示す線図である。
【図5】第2の実施例における低GdMOX燃料集合体
の燃料棒配置図を示す説明図である。
【図6】第3の実施例における低GdMOX燃料集合体
の燃料棒配置図を示す説明図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本のプルトニウムを含まないウラン
    燃料棒と、複数本のプルトニウム・ウラン混合酸化物燃
    料棒とをバンドル状に装荷した沸騰水型原子炉用燃料集
    合体において、 前記ウラン燃料棒の一部又は全てが集合体最外周コーナ
    ー位置又は最外周から2層目のコーナー位置に配置さ
    れ、且つ、これらウラン燃料棒の一部又は全てが可燃性
    毒物を含んでいることを特徴とする沸騰水型原子炉用燃
    料集合体。
  2. 【請求項2】 前記ウラン燃料棒で使用されているウラ
    ンが天然ウラン(NU)又は劣化ウラン(DU)である
    ことを特徴とする請求項1に記載の沸騰水型原子炉用燃
    料集合体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された沸騰水型原子炉用
    燃料集合体を装荷した沸騰水型原子炉炉心であって、 前記燃料集合体は、予め定められた本数の可燃性毒物含
    有ウラン燃料棒を有する第1燃料集合体と、前記本数よ
    り少ない本数の可燃性毒物含有ウラン燃料棒を有する第
    2燃料集合体とからなる2ストリーム構成を成している
    ことを特徴とする沸騰水型原子炉炉心。
  4. 【請求項4】 前記第2燃料集合体の最外周又は2層目
    のコーナー位置のウラン燃料棒は、全て可燃性毒物を含
    んでいることを特徴とする請求項3に記載の沸騰水型原
    子炉炉心。
  5. 【請求項5】 前記第2燃料集合体の最外周又は2層目
    のコーナー位置のウラン燃料棒は、全て可燃性毒物を含
    んでいないことを特徴とする請求項3に記載の沸騰水型
    原子炉炉心。
  6. 【請求項6】 前記ウラン燃料棒で使用されているウラ
    ンが天然ウラン(NU)又は劣化ウラン(DU)である
    ことを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の沸騰水
    型原子炉炉心。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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