JP2000177814A - 材料移動位置決め装置およびその方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺重量物のような材料に対しても、所定の
位置に容易に前後左右方向に移動位置決めできる。 【解決手段】 床面上で一方向に走行自在な装置本体３
を設け、この装置本体３の上部で他方向に移動自在に設
けたリニアガイド１９の上に材料Ｍが載置される。材料
Ｍを一方向に移動位置決めする際には、装置本体３と床
面との対向面間で多数のローラ５が装置本体３の走行方
向と反対方向に移動して装置本体３の内部に設けた循環
路７を通過し再び前記対向面間に循環するので、装置本
体３は小さな力で一方向に移動位置決めされる。また、
材料Ｍを他方向に移動位置決めする際には、材料Ｍが装
置本体３の上部でリニアガイド１９を介して小さな力で
他方向に容易に移動位置決めされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、材料移動位置決め
装置及びその方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、材料としての例えば長尺材の重量
物Ｍを図４に示されているように所定の位置に移動して
位置決めする場合、前記長尺重量材Ｍの長手方向の両端
側を一方向に移動自在な２個の材料移動位置決め装置１
０１の上に載せて、Ｙ方向に移動位置決めする。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の材料
移動位置決め装置１０１は、Ｙ方向（前後方向）には容
易に位置決めできるが左右方向には動かないので、例え
ば図４の矢印Ａに示されているようにＹ方向に移動して
所定の位置に近づいたところで長尺重量材Ｍが図５に示
されているようにクレーンやジャッキ１０３等の装置で
一旦持ち上げられる。その間に２個の材料移動位置決め
装置１０１をそれぞれ９０度回転させてから、再度前記
長尺重量材Ｍが２個の材料移動位置決め装置１０１の上
に降ろされる。

【０００４】次に図４の矢印Ｂに示されているように長
尺重量材ＭがＸ方向（左右方向）へ移動されて左右の位
置決めが行われる。長尺重量材Ｍは上述した図５と同様
に例えばジャッキ１０３で再び持ち上げられて、２個の
材料移動位置決め装置１０１をそれぞれ再び９０度回転
させてから前記長尺重量材Ｍが２個の材料移動位置決め
装置１０１の上に降ろされる。

【０００５】次に図４の矢印Ｃに示されているように長
尺重量材ＭがＹ方向に移動されて所定の位置に位置決め
される。

【０００６】したがって、上記のような方法では長尺重
量材Ｍは２回ほど待機させて２個の材料移動位置決め装
置１０１を２回ほど９０度ずつ回転させる必要があるの
で、長尺重量物Ｍを所定の位置に簡単に移動位置決めす
ることができないという問題点があった。

【０００７】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、長尺重量物のような材料に対
しても、所定の位置に容易に前後左右方向に移動位置決
めし得る材料移動位置決め装置及びその方法を提供する
ことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１によるこの発明の材料移動位置決め装置は、
装置本体と床面との対向面間で多数のローラを介して前
記装置本体を床面上で一方向に走行自在に設けると共に
前記多数のローラを前記装置本体の走行方向と反対方向
に移動して前記装置本体の内部を通過し再び前記対向面
間に循環する循環路を装置本体に設け、前記装置本体の
上部に、材料を載置可能なリニアガイドを前記装置本体
の走行方向に対して直交する他方向に移動自在に設けて
なることを特徴とするものである。

【０００９】したがって、多数のローラが装置本体と床
面との対向面間で支持すると共に装置本体の走行方向に
対して反対方向に転がりながら循環路に沿って上方へ持
ち上げられてから装置本体内の循環路を通過し再び前記
対向面間に循環するので、装置本体は一方向に円滑に移
動され、材料は一方向に容易に移動位置決めされる。ま
た、作業者が材料を他方向へ移動すると、材料は重量物
であってもリニアガイドにより軽い力で装置本体の上部
を他方向に移動され容易に位置決めされる。

【００１０】請求項２によるこの発明の材料移動位置決
め方法は、床面上で一方向に走行自在な装置本体の上部
で他方向に移動自在なリニアガイドを備えた材料移動位
置決め装置を材料の両端側に設け、この２つの材料移動
位置決め装置の前記リニアガイドの上に前記材料を載置
し、この材料を一方向に移動位置決めする際には、前記
装置本体と床面との対向面間で多数のローラが前記装置
本体の走行方向と反対方向に移動して前記装置本体の内
部に設けた循環路を通過し再び前記対向面間に循環する
ことにより前記装置本体を一方向に移動せしめ、前記材
料を他方向に移動位置決めする際には、前記材料を前記
装置本体の上部で前記リニアガイドを介して他方向に移
動せしめることを特徴とするものである。

【００１１】したがって、材料移動位置決め装置を材料
の両側に置き、多数のローラが装置本体と床面との対向
面間で支持すると共に装置本体の走行方向に対して反対
方向に転がりながら循環路に沿って上方へ持ち上げられ
てから装置本体内の循環路を通過し再び前記対向面間に
循環するので、装置本体は一方向に円滑に移動され、材
料は一方向に容易に移動位置決めされる。また、作業者
が材料を他方向へ移動すると、材料は重量物であっても
リニアガイドにより軽い力で装置本体の上部を他方向に
移動され容易に位置決めされる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の材料移動位置決め
装置及びその方法の実施の形態について、図面を参照し
て説明する。

【００１３】図１及び図２を参照するに、本実施の形態
に係わる材料移動位置決め装置１は、装置本体３が床面
との対向面間で多数のローラ５を介して床面上を一方向
（Ｙ方向）に走行自在に設けられている。さらに、上記
の装置本体３には多数のローラ５が装置本体３の走行方
向と反対方向に移動して装置本体３の内部を通過し再び
前記対向面間に循環する循環路７が設けられている。

【００１４】より詳しくは、装置本体３は循環路７の上
下方向の中間に位置する中間部９が図２において左右側
の両側壁部１１にほぼ水平方向に一体に連結された状態
であり、前記循環路７の前後には図１に示されているよ
うに循環路７の湾曲面を有する前壁部１３と後壁部１５
が設けられている。

【００１５】前壁部１３の湾曲凹面ＣＡと中間部９の前
側の湾曲凸面ＣＢとの間で形成される循環路７はローラ
５の直径より僅かに大きい間隔で形成されており、後壁
部１５の湾曲凹面ＣＣと中間部９の後側の湾曲凸面ＣＤ
との間で形成される循環路７も同様である。また、装置
本体３の上壁部１７と中間部９の上面との間で形成され
る循環路７はローラ５の直径よりかなり大きい間隔で形
成されても構わない。

【００１６】上記の装置本体３の上部には、材料として
の長尺材重量物Ｍを載置可能なリニアガイド１９が装置
本体３の走行方向に対して直交する他方向（Ｘ方向）に
移動自在に設けられている。リニアガイド１９として
は、例えば装置本体３のＹ方向の走行方向に対して直交
するＸ方向に延伸するリニアガイドレール２１が装置本
体３の上壁部１７の上面に設けられており、長尺材重量
物Ｍを載置可能なリニアガイドナット２３がリニアガイ
ドレール２１上をＸ方向に移動自在に設けられている。

【００１７】上記構成により、材料としての例えば長尺
重量材Ｍが図３に示されているように所定の位置に移動
して位置決めされる場合、長尺重量材Ｍの長手方向の両
端側が２個の材料移動位置決め装置１の上に載せられて
Ｙ方向に移動される。

【００１８】このとき、多数のローラ５が中間部９を介
して装置本体３を支持すると共に装置本体３の中間部９
の下面と床面との対向面間で装置本体３の走行方向（図
１において右方向）に対して反対方向（図１において左
方向）に転がりながら移動し、後壁部１５の湾曲面ＣＣ
の循環路７に沿って上方へ持ち上げられてから中間部９
の上面に移動される。

【００１９】さらに、多数のローラ５は中間部９の上面
と上壁面との間の循環路７を通過し再び前記対向面間に
循環するので、装置本体３はＹ方向の前後に円滑に移動
し、長尺重量材Ｍは図３の矢印Ａに示されているように
Ｙ方向の上方に容易に移動される。ちなみに、Ｙ方向に
は作業者が長尺重量材Ｍの約１０％程度の力で移動させ
ることができる。

【００２０】長尺材重量物Ｍが位置決めすべき所定の位
置の近くまで移動された後に、作業者が図３の矢印Ｂに
示されているように長尺重量材ＭをＸ方向の左方向へ移
動すると、長尺重量材Ｍは装置本体３の上部でリニアガ
イド１９を介してＸ方向に容易に移動位置決めされる。
ちなみに、Ｘ方向には作業者が長尺重量材Ｍの約１％程
度の力で移動させることができる。

【００２１】次に、長尺重量材Ｍは図３の矢印Ｃに示さ
れているようにＹ方向の上方向に容易に移動され所定の
位置へ位置決めされる。

【００２２】以上のことから、本発明の材料移動位置決
め装置１を用いることにより、長尺重量材Ｍのような重
量物の材料Ｍであっても、従来のようにジャッキやクレ
ーン等の装置で材料Ｍを持ち上げて材料移動位置決め装
置１を９０度回転させるなどの煩わしい作業をすること
なく、Ｘ方向とＹ方向の移動位置決めを簡単に行うこと
ができる。

【００２３】なお、この発明は前述した発明の実施の形
態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより
その他の態様で実施し得るものである。

【００２４】

【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明か
ら理解されるように、請求項１の発明によれば、多数の
ローラにより装置本体と床面との対向面間で装置本体を
支持でき、多数のローラが装置本体の走行方向に対して
反対方向に転がりながら装置本体内の循環路を通過し再
び前記対向面間に循環するので、装置本体を一方向に円
滑に移動でき、材料を一方向に容易に移動位置決めでき
る。また、作業者が材料を他方向へ移動すると、材料が
重量物であってもリニアガイドにより軽い力で装置本体
の上部を他方向に移動できるので容易に位置決めでき
る。

【００２５】請求項２の発明によれば、材料移動位置決
め装置を材料の両側に置き、多数のローラにより装置本
体と床面との対向面間で装置本体を支持でき、多数のロ
ーラが装置本体の走行方向に対して反対方向に転がりな
がら装置本体内の循環路を通過し再び前記対向面間に循
環するので、装置本体を一方向に円滑に移動でき、材料
を一方向に容易に移動位置決めできる。また、作業者が
材料を他方向へ移動すると、材料が重量物であってもリ
ニアガイドにより軽い力で装置本体の上部を他方向に移
動できるので容易に位置決めできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示すもので、材料移動位
置決め装置の幅方向のほぼ中央の縦断面図である。

【図２】図１の矢視ＩＩ−ＩＩ線の断面図である。

【図３】本発明の材料移動位置決め装置を用いて材料を
所定の位置へ移動位置決めする状態説明図である。

【図４】従来の材料移動位置決め装置を用いて材料を所
定の位置へ移動位置決めする状態説明図である。

【図５】従来例を示すもので、材料を一旦持ち上げて材
料移動位置決め装置を回転する状態説明図である。

【符号の説明】

１ 材料移動位置決め装置 ３ 装置本体 ５ ローラ ７ 循環路 １９ リニアガイド

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体と床面との対向面間で多数のロ
   ーラを介して前記装置本体を床面上で一方向に走行自在
   に設けると共に前記多数のローラを前記装置本体の走行
   方向と反対方向に移動して前記装置本体の内部を通過し
   再び前記対向面間に循環する循環路を装置本体に設け、 前記装置本体の上部に、材料を載置可能なリニアガイド
   を前記装置本体の走行方向に対して直交する他方向に移
   動自在に設けてなることを特徴とする材料移動位置決め
   装置。
2. 【請求項２】 床面上で一方向に走行自在な装置本体の
   上部で他方向に移動自在なリニアガイドを備えた材料移
   動位置決め装置を材料の両端側に設け、この２つの材料
   移動位置決め装置の前記リニアガイドの上に前記材料を
   載置し、 この材料を一方向に移動位置決めする際には、前記装置
   本体と床面との対向面間で多数のローラが前記装置本体
   の走行方向と反対方向に移動して前記装置本体の内部に
   設けた循環路を通過し再び前記対向面間に循環すること
   により前記装置本体を一方向に移動せしめ、 前記材料を他方向に移動位置決めする際には、前記材料
   を前記装置本体の上部で前記リニアガイドを介して他方
   向に移動せしめることを特徴とする材料移動位置決め方
   法。