JP2000177615A - 電気式動力舵取装置 - Google Patents

電気式動力舵取装置

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JP2000177615A
JP2000177615A JP35591498A JP35591498A JP2000177615A JP 2000177615 A JP2000177615 A JP 2000177615A JP 35591498 A JP35591498 A JP 35591498A JP 35591498 A JP35591498 A JP 35591498A JP 2000177615 A JP2000177615 A JP 2000177615A
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JP
Japan
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steering
angular velocity
compensation current
torque
motor
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JP35591498A
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Inventor
Shinji Takeuchi
真司 竹内
Toshihiro Takahashi
俊博 高橋
Hirotsune Suzuki
弘恒 鈴木
Hiroshi Suzuki
浩 鈴木
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0457Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such
    • B62D5/046Controlling the motor
    • B62D5/0466Controlling the motor for returning the steering wheel to neutral position

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低速走行時におけるステアリングホイールの
中立位置への復元を確実に行うことができる電気式動力
舵取装置を実現する。 【解決手段】 ステアリングホイールから手を放すと、
ねじれていたトーションバーが、ねじれる前の状態に復
元するため、そのときのねじれ変化角速度がトーション
バーねじれ変化角速度演算手段26によって演算され、
その演算されたトーションバーねじれ変化角速度が加算
回路36に入力される。そのトーションバーねじれ変化
角速度に対応するステアリング戻し補償電流値がステア
リング戻し補償電流値決定手段27によって決定され、
電流指令決定手段23へ送出されモータMが回転する。
つまり、モータMの回転角速度が発生するきっかけを作
ることにより、その後のステアリング回転角速度に基づ
いた復元制御が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリングホイ
ールによる操舵力をモータによってアシストする電気式
動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気式動力舵取装置について図1
4を参照して説明する。図14は、従来の電気式動力舵
取装置の主な電気的構成をブロックで示す説明図であ
る。操舵トルクを検出するトルクセンサから出力された
トルク信号は、フィルタ回路20によってノイズが除去
され、さらに、位相補償手段21によって、トルクセン
サ出力に対する応答性を速くするために位相が進められ
る。続いて、アシストトルク決定手段22は、上記位相
補償されたトルク信号と、車速センサから出力された車
速信号とに基づいて、操舵力を補助するためにモータに
発生するトルク(以下、アシストトルクと称する)に対
応する電流値を決定する。慣性補償電流値決定手段32
は、トルク変化量演算手段31によって演算されたトル
ク変化量に基づいて慣性補償電流を決定し、この決定さ
れた慣性補償電流値は、加算回路33において上記アシ
ストトルク決定手段によって決定された電流値と加算さ
れ、この加算された電流値は、電流指令値決定手段23
へ送られる。つまり、慣性補償電流値を加算することに
より、モータ自身やモータに接続された減速機などによ
る慣性がアシストトルクに与える影響を排除する。
【0003】続いて、電流指令値決定手段23は、加算
回路33から送出された電流値に基づいてモータに送出
すべき電流指令値を決定し、この決定された電流指令値
は、増幅手段24によって増幅され、PWM回路25に
よって電流指令値に対応するパルス幅を有するパルス信
号に変換され、モータへ出力される。このモータに流れ
たモータ電流は、増幅手段24の前段に設けられた加算
回路34にフィードバックされ、電流指令値とモータ電
流の検出値とが一致するように、モータ電流が制御され
る。
【0004】また、モータ回転角速度検出手段28は、
ステアリングホイールが中立位置へ復元する際のモータ
の回転角速度を検出する。つまり、ステアリングホイー
ルから手を放すなど、操舵を中止した場合、ステアリン
グホイールがセルフアライニングトルクの作用によって
中立位置へ復元し、そのときモータは減速比倍されて回
転するため、そのモータの回転角速度を検出する。ステ
アリング回転角速度演算手段29は、上記検出されたモ
ータの回転角速度に対してラック&ピニオンの減速比を
乗算することにより、ピニオンの回転角速度、つまりス
テアリングホイールの回転角速度を演算する。
【0005】そして、ステアリング戻し補償電流値決定
手段27は、ステアリングホイールをモータ駆動で中立
位置に復元させるためのステアリング戻し補償電流値を
決定し、このステアリング戻し補償電流値を加算回路3
5へ送る。ステアリング戻し補償電流値の決定は、その
原理を説明する図15に示すように、ステアリング回転
角速度および車速に基づいて行われ、車速に応じた重み
付けを行い、低速域では重み付けを大きくし、その低速
域を出て高速になるほど重み付けを小さくする。これに
より、低速域ではステアリングホイールを中立位置に戻
すためのアシストトルクが大きくなり、摩擦力に打ち勝
ち、ステアリングホイールを中立位置に戻すことがで
き、高速域ではアシストトルクが小さくなるため操舵の
安定感が増す。
【0006】粘性補償電流値決定手段30は、中高速走
行時に操舵した場合にアシストトルクと逆向きのトルク
を発生させるための粘性補償電流値を決定し、この粘性
補償電流値を加算回路35へ送る。粘性補償電流値の決
定は、その原理を説明する図16に示すように、ステア
リング回転角速度および車速に基づいて行われ、車速に
応じた重み付けを行い、低速域では重み付けをせず、そ
の低速域を出て高速になるほど重み付けを大きくする。
これにより、中高速域で横風やわだちなどによってステ
アリングホイールが操舵されるような、回転トルクが発
生した場合であっても、その回転トルクと逆向きのトル
クを発生させることができるため、ステアリングホイー
ルを速く復元させることができる。そして、ステアリン
グ戻し補償電流値および粘性補償電流値は、加算回路3
5によって加算され、その加算された補償電流値が電流
指令値決定手段23へ送出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、微低速走行
時に操舵を行い、ステアリングホイールから手を放した
場合などでは、路面の摩擦抵抗などが、セルフアライニ
ングトルクに勝ってしまい、ステアリングホイールが中
立位置へ復元し難い、あるいは、復元しない場合があ
る。このような場合は、ステアリングホイールの復元時
のステアリング回転角速度が小さいため、そのステアリ
ング回転角速度を用いてモータを駆動し、ステアリング
ホイールの復元制御を行う従来の電気式動力舵取装置で
は、モータ駆動によってステアリングホイールを復元で
きないという問題がある。なお、従来の電気式動力舵取
装置では、トルク検出値やモータ電流値などにノイズが
混入すると、あたかも操舵トルクが入力されたかのよう
な微小な信号が発生してしまい、アシストトルクが変動
し、その結果、操舵トルクも変動してしまう可能性があ
る。
【0008】そこで、本発明は、低速走行時におけるス
テアリングホイールの中立位置への復元を確実に行うこ
とができる電気式動力舵取装置を実現することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、請求項1に記載の発明では、ステアリング
ホイールに連結された入力軸と操舵機構に連結された出
力軸とを相対回転可能に連結する弾性部材に作用する操
舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、この操舵ト
ルク検出手段によって検出された操舵トルクに基づい
て、操舵力を補助するアシストトルクを発生するモータ
と、前記ステアリングホイールが中立位置へ復元する際
の前記ステアリングホイールの回転角速度を演算する回
転角速度演算手段と、前記ステアリングホイールを中立
位置へ復元させるために前記モータに出力する第1の補
償電流を、前記回転角速度演算手段によって演算された
回転角速度に基づいて決定する第1の補償電流決定手段
と、前記弾性部材のねじれ変化角速度を演算し、その演
算されたねじれ変化角速度に基づいて、前記第1の補償
電流を補正する補正手段と、が備えられたという技術的
手段を採用する。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の電気式動力舵取装置において、前記補正手段は、前
記回転角速度演算手段が所定の回転角速度を演算できな
い場合に、前記モータが前記ステアリングホイールを中
立位置へ復元させる方向へ所定量回転するように前記第
1の補償電流を補正するという技術的手段を採用する。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は請求項2に記載の電気式動力舵取装置において、前記
アシストトルクの発生方向とは逆方向のトルクを発生さ
せて粘性補償を行うために前記モータに出力する第2の
補償電流を、前記ねじれ変化角速度および前記回転角速
度に基づいて決定する第2の補償電流決定手段が備えら
れたという技術的手段を採用する。
【0012】請求項4に記載の発明では、請求項1ない
し請求項3のいずれか1つに記載の電気式動力舵取装置
において、前記第1の補償電流決定手段は、前記回転角
速度検出手段によって検出された回転角速度が所定範囲
の回転角速度である場合には、前記第1の補償電流の決
定を禁止するという技術的手段を採用する。
【0013】請求項5に記載の発明では、請求項3また
は請求項4に記載の電気式動力舵取装置において、前記
第2の補償電流決定手段は、前記回転角速度検出手段に
よって検出される回転角速度が所定範囲の回転角速度で
ある場合には、前記第2の補償電流の決定を禁止すると
いう技術的手段を採用する。
【0014】請求項6に記載の発明では、請求項1ない
し請求項5のいずれか1つに記載の電気式動力舵取装置
において、前記第1の補償電流決定手段は、前記ステア
リングホイールの回転角速度と補償電流とが対応付けら
れた第1のマップを用いて前記第1の補償電流の決定を
行い、かつ、前記補正手段は、前記ねじれ変化角速度と
補正値とが対応付けられた第2のマップを用いて前記補
正をするという技術的手段を採用する。
【0015】請求項7に記載の発明では、請求項1ない
し請求項6のいずれか1つに記載の電気式動力舵取装置
において、前記操舵トルクの変化量を演算する操舵トル
ク変化量演算手段と、少なくとも前記モータと、そのモ
ータに接続された減速機とが有する慣性をキャンセルす
るための慣性補償を、前記操舵トルク変化量演算手段に
よって演算された操舵トルクの変化量に基づいて行い、
かつ、前記操舵トルクの変化量が所定範囲の変化量であ
る場合には、前記慣性補償を禁止する慣性補償手段と、
が備えられたという技術的手段を採用する。
【0016】
【作用】請求項1ないし請求項7に記載の発明では、第
1の補償電流決定手段は、ステアリングホイールを中立
位置へ復元させるためにモータに出力する第1の補償電
流を、回転角速度演算手段によって演算された回転角速
度に基づいて決定し、補正手段は、弾性部材のねじれ変
化角速度を演算し、その演算されたねじれ変化角速度に
基づいて第1の補償電流を補正する。つまり、たとえ
ば、微低速走行しているときに操舵し、ステアリングホ
イールから手を放した場合に、操舵系の摩擦抵抗などが
セルフアライニングトルクより勝っていると、ステアリ
ングホイールが中立位置に向けて回転しない場合があ
る。このような場合は、ステアリングホイールの回転角
速度が演算されないか、演算されても演算値が小さいた
め、第1の補償電流決定手段は、ステアリングホイール
を中立位置へ復元するためにモータに出力する第1の補
償電流を決定できないか、決定してもモータを駆動する
に十分な第1の補償電流値ではない。しかし、そのよう
な場合であっても、上記操舵によってねじれていた弾性
部材は、手放しにより、ねじれる前の状態に戻るため、
そのねじれ変化角速度を利用して第1の補償電流を補正
できる。したがって、ステアリングホイールの回転角速
度が小さい場合、あるいは、回転角速度が発生しない場
合であっても、第1の補償電流を補正することにより、
モータの駆動が可能となり、ステアリングホイールを中
立位置へ復元させることが可能となる。
【0017】特に、請求項2に記載の発明では、上記補
正手段は、回転角速度演算手段が所定の回転角速度を演
算できない場合に、モータがステアリングホイールを中
立位置へ復元させる方向へ所定量回転するように第1の
補償電流を補正する。したがって、モータがステアリン
グホイールを中立位置へ復元させる方向へ所定量回転す
ることにより、ステアリング回転角速度が発生するた
め、ステアリング回転角速度の演算が可能となり、その
後は、第1の補償電流決定手段が、ステアリング回転角
速度に基づいて第1の補償電流を決定できる。つまり、
ステアリングホイールが中立位置へ復元できないことに
より、回転角速度を演算できない場合であっても、モー
タを所定量回転させることにより、回転角速度が発生す
るきっかけを作り、回転角速度に基づいたステアリング
ホイールの復元制御を行うことができる。
【0018】また、請求項3に記載の発明では、第2の
補償電流決定手段は、アシストトルクの発生方向とは逆
方向のトルクを発生させて粘性補償を行うためにモータ
に出力する第2の補償電流を、ねじれ変化角速度および
回転角速度に基づいて決定する。つまり、ステアリング
ホイールの回転角速度は、セルフアライニングトルクに
よって中立位置へ復元する際に発生するものであるが、
ねじれ変化角速度は、操舵や手放しなどにより弾性部材
がねじれることにより発生するものであるため、パラメ
ータの異なる両者を用いることにより、一方が不十分な
部分を他方が補うことができるため、粘性補償の精度を
高めることができる。
【0019】さらに、請求項4に記載の発明では、上記
第1の補償電流決定手段は、回転角速度検出手段によっ
て検出された回転角速度が所定範囲の回転角速度である
場合には、第1の補償電流の決定を禁止する。つまり、
回転角速度が小さい場合は、ノイズによる影響が大きく
なるため、回転角速度が小さい場合には、第1の補償電
流値を送出しないようにすることにより、何らかのノイ
ズにより、あたかも第1の補償電流が発生したような微
小な信号が発生した場合であっても、ステアリングホイ
ールが復元制御されないようにすることができる。これ
により、操舵時の違和感をなくすことができる。
【0020】また、請求項5に記載の発明では、上記第
2の補償電流決定手段は、回転角速度検出手段によって
検出された回転角速度が所定範囲の回転角速度である場
合には、第2の補償電流の決定を禁止する。つまり、回
転角速度が小さい場合は、ノイズによる影響が大きくな
るため、回転角速度が小さい場合には、第2の補償電流
値を送出しないようにすることにより、何らかのノイズ
により、あたかも第2の補償電流が発生したような微小
な信号が発生した場合であっても、アシストトルクの発
生方向とは逆方向のトルクが発生しないようにすること
ができる。これにより、操舵時の違和感をなくすことが
できる。
【0021】そして、請求項6に記載の発明では、第1
の補償電流決定手段および補正手段は、それぞれ異なる
マップを用いるため、第1の補償電流の決定および第1
の補償電流の補正を個別に調整することができる。した
がって、第2のマップにおいて、第1の補償電流の補正
を禁止する範囲を小さくできるため、微低速走行時に操
舵した場合のように、セルフアライニングトルクによっ
てステアリングホイールが回転せず、回転角速度が得ら
れないような場合であっても、第1の補償電流の補正を
行うことができるため、ステアリングホイールの復元制
御を行うことができる。
【0022】また、請求項7に記載の発明では、操舵ト
ルク変化量演算手段は、操舵トルクの変化量を演算し、
慣性補償手段は、少なくともモータと、そのモータに接
続された減速機とが有する慣性をキャンセルするための
慣性補償を、操舵トルク変化量演算手段によって演算さ
れた操舵トルクの変化量に基づいて行い、かつ、操舵ト
ルクの変化量が所定範囲の変化量である場合には、慣性
補償を禁止する。つまり、たとえば、ゆっくりと操舵し
た場合など、操舵トルクの変化量が小さい場合には、慣
性補償を禁止できるため、操舵トルクの検出値に微小な
ノイズが混入した場合であっても、アシストトルクが変
動することがなく、モータの振動や異音が発生すること
がない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電気式動力舵取装
置のいくつかの実施形態について図を参照して説明す
る。なお、以下の各実施形態では、本発明の電気式動力
舵取装置として、自動車などの車両に備えられた電気式
動力舵取装置を例に挙げて説明する。また、図14に示
した従来の電気式動力舵取装置と同一の構成について
は、同一の符号を用いるものとし、その説明を省略す
る。最初に、本発明第1実施形態の電気式動力舵取装置
の主な電気的構成について、それをブロックで示す図1
を参照して説明する。トルクセンサ11は、車両の操舵
ステアリングに連結された入力軸と操舵機構に連結され
た出力軸とを相対回転可能に連結するトーションバーの
ねじれ量から操舵トルクを検出する。この検出された操
舵トルクは、車速センサ12によって検出された車速と
共に、ECU10に入力される。ECU10に備えられ
たCPU14、インターフェース13を介して入力され
る操舵トルクおよび車速に基づいて、モータ駆動回路1
5へ送出すべき電流指令値を決定する。モータ駆動回路
15は、CPU14から送出された電流指令値に対応す
る駆動電流をモータMへ出力する。そして、モータM
は、操舵力を補助するためのアシストトルクを発生し、
あるいは、ステアリングホイールを復元するためのトル
クを発生する。
【0024】次に、ECU10およびモータ駆動回路1
5の動作について図2ないし図4を参照して説明する。
図2は、ECU10およびモータ駆動回路15の主な電
気的構成をブロックで示す説明図であり、図3および図
4は、図2の詳細説明図である。図2に示すように、ト
ーションバーねじれ変化角速度演算手段26は、フィル
タ回路20によってノイズが除去されたトルクセンサ出
力に基づいてトーションバーのねじれ変化角速度を求め
る。トーションバーのねじれ変化角速度は、図3に示す
ように、フィルタリングされたトルクセンサ出力に対し
て、トーションバーのばね定数(1/Ks)を乗算する
ことにより求める。そして、その求められたトーション
バーのねじれ変化角速度は、加算回路36へ送出され
る。
【0025】また、セルフアライニングトルクによって
ステアリングホイールが中立位置に向けて回転すると、
モータMも回転し、そのときモータMに発生した電流
は、図4に示すように、モータ電流検出器38によって
検出され、モータ端子間電圧と共にローパスフィルタ3
9によってフィルタリングされる。続いて、A/D変換
回路40によってデジタルデータ化され、モータインピ
ーダンス(Ls+R)が加算され、その値に逆起電力定
数(1/Ke)を乗算することにより、モータMの回転
角速度が求められ、ラック&ピニオンの減速比(1/G
i)を乗算することにより、ステアリング回転角速度が
演算される。そして、その演算されたステアリング回転
角速度は、図3に示すように、加算回路36へ送出され
る。つまり、加算回路36は、トーションバーのねじれ
変化角速度およびステアリングホイール回転角速度を加
算し、その加算された角速度をステアリング戻し補償電
流決定手段27へ送出する。
【0026】そして、ステアリング戻し補償電流決定手
段27は、図6に示すように、縦軸にステアリング戻し
補償電流値Ihを、横軸に角速度ωhをそれぞれ設定し
たステアリング戻しマップ27aを用い、上記加算回路
36から出力された角速度に対応するステアリング戻し
補償電流値Ihを決定し、その決定したステアリング戻
し補償電流値Ihを乗算回路27cへ送出する。また、
図6に示すように、縦軸に重み値を、横軸に車速をそれ
ぞれ設定した車速マップ27bを用い、車速センサ12
から送出された車速に対応する重み値を選択し、その選
択した重み値を乗算回路27cへ送出する。つまり、乗
算回路27cは、ステアリング戻し補償電流値Ihに重
み値を乗算し、ステアリング戻し補償電流値Ihに対し
て車速に対応した重み付けを行う。
【0027】一方、位相補償手段21によって位相を進
める補償をされた操舵トルク値は、アシストトルク決定
手段22に送出され、アシストトルク決定手段22は、
縦軸にアシスト電流値を、横軸に操舵トルクをそれぞれ
設定したアシストマップを用い、上記位相補償された操
舵トルクに対応するアシスト電流値を決定し、その決定
したアシスト電流値を乗算回路22cへ送出する。ま
た、縦軸に重み値を、横軸に車速をそれぞれ設定した車
速マップ22bを用い、車速センサから送出された車速
に対応する重み値を決定し、その決定した重み値を乗算
回路22cへ送出する。つまり、乗算回路22cは、ア
シスト電流値に重み値を乗算し、アシスト電流値に対し
て車速に対応した重み付けを行う。
【0028】そして、アシストトルク決定手段22によ
って決定されたアシスト電流値およびステアリング戻し
補償電流決定手段27によって決定されたステアリング
戻し補償電流値は、加算回路33によって加算され、図
4に示すように、電流指令決定手段23へ送出される。
続いて、電流指令決定手段23は、加算回路33から送
出された電流値に基づいて電流指令値を決定し、その決
定された電流指令値は、増幅手段24によって増幅さ
れ、PWM回路25によって電流指令値に対応するパル
ス信号が生成され、モータMへ送出される。そして、モ
ータMは、与えられたパルス信号によって回転し、アシ
ストトルクあるいはアシストトルクとは逆向きのトルク
を発生する。
【0029】ここで、車両が微低速走行している際に操
舵を行い、操舵する手を放して操舵トルクを加えること
を中止したが、操舵系の摩擦抵抗などがセルフアライニ
ングトルクよりも勝っており、ステアリングホイールが
中立位置へ回転しなかったとする。この場合、モータM
は回転しないため、ステアリング回転角速度が演算され
ない。しかし、ステアリングホイールから手を放した瞬
間に、ねじれていたトーションバーが、ねじれる前の状
態に復元するため、そのときのねじれ変化角速度がトー
ションバーねじれ変化角速度演算手段26によって演算
され、その演算されたトーションバーねじれ変化角速度
が加算回路36に入力される。そして、その入力された
トーションバーねじれ変化角速度に対応するステアリン
グ戻し補償電流値がステアリング戻しマップ27cによ
って決定され、車速に対応する重み付けがなされた後
に、電流指令リミッタ23へ送出され、電流指令値が決
定されるため、、モータMが、ステアリングホイールを
中立位置へ復元するように駆動される。そして、そのモ
ータMの回転角速度に基づいてステアリング回転角速度
が演算され、その演算されたステアリング回転角速度に
基づいてステアリング戻し制御を行うことができる。
【0030】つまり、ステアリングホイールが復元しな
い場合であっても、モータMを駆動することにより、ス
テアリング回転角速度を検出するきっかけを作ることが
できるため、ステアリング回転角速度に基づいたステア
リングホイールの復元制御を行うことができる。
【0031】また、図2に示すように、トーションバー
ねじれ変化角速度は、粘性補償電流決定手段30へも送
出されるため、ステアリング回転角速度のみに基づいて
粘性補償を行う場合よりも、精度の高い粘性補償を行う
ことができる。つまり、ステアリングホイールの回転角
速度は、セルフアライニングトルクによって中立位置へ
復元する際に発生するものであるが、ねじれ変化角速度
は、操舵や手放しなどにより弾性部材がねじれることに
より発生するものであるため、パラメータの異なる両者
を用いることにより、一方で決定されたステアリング戻
し補償電流値を他方で決定されたステアリング戻し補償
電流値で補うことができるため、粘性補償の精度を高め
ることができる。
【0032】次に、本発明第2実施形態の電気式動力舵
取装置について図5、図10および図11を参照して説
明する。本第2実施形態の電気式動力舵取装置は、電気
系統にノイズがのった場合のステアリングの誤操舵を防
止できることを特徴とする。図5は、本第2実施形態の
電気式動力舵取装置に備えられたCPU14が、ステア
リング戻し補償電流決定手段27(図2)において実行
する処理の流れを示すフローチャートである。図10
は、操舵中にステアリングホイールから手を放した場合
の操舵トルクの変化を示すグラフであり、図11は、操
舵中にステアリングホイールから手を放した場合のステ
アリング回転角速度およびトーションバーねじれ変化角
速度の変化を示すグラフである。なお、CPU14が実
行する図5に示す処理以外は、前述の第1実施形態と同
じ構成であるため、その同じ構成の説明を省略する。
【0033】前述のように、トーションバーねじれ変化
角速度は、トルクセンサ11で検出した操舵トルクを微
分し、トーションバーのばね定数で除算することにより
求める。また、ステアリング回転角速度は、モータ電流
およびモータ電圧に基づいてモータの電圧方程式を解く
ことによりモータの回転角速度を求め減速比を乗ずるこ
とにより求める。つまり、トーションバーねじれ変化角
速度およびステアリング回転角速度は、共にその演算過
程において微分が行われる。したがって、トルクセン
サ、モータ電流・電圧検出回路にノイズがのると、図1
1に示すように、トーションバーねじれ変化角速度およ
びステアリング回転角速度は、共にノイズが重畳した状
態となることがある。そのため、非操舵時にもかかわら
ず、CPU14内部では左右にステアリングが振れてい
ると誤認識し、その大きさに応じてステアリング戻し電
流を流してしまうので、ステアリングが左右に振動する
現象が発生するおそれがある。たとえば、図10に示す
ように、操舵中にステアリングから手を放した場合、操
舵トルクの変動が継続し、操舵トルクの減衰特性が悪く
なる場合がある。特に、ステアリング回転角速度が小さ
い場合には、ステアリング戻し補償電流値が小さいた
め、ノイズによる影響が大きくなる。
【0034】そこで、本第2実施形態の電気式動力舵取
装置では、上記事態を防止するため、CPU14は、以
下の制御を行う。CPU14は、ステアリング回転角速
度演算手段29によって演算されたステアリング回転角
速度ωhを読み込み(ステップ(以下、Sと略す)1
0)、その読み込んだステアリング回転角速度ωhが、
予め設定した範囲−ωlimit<ωh<ωlimit
の範囲にあるか否かを判定する(S12)。続いて、C
PU14は、ステアリング回転角速度ωhが上記範囲に
ないと判定した場合は(S12:No)、ステアリング
回転角速度ωhから上記範囲の上限値ωlimitを減
算した(ωh−ωlimit)にゲインGhを乗算して
ステアリング戻し補償電流値Ihoを演算する(S1
4)。続いて、CPU14は、車速を読み込み(S1
6)、その車速に対応する重み値を車速ゲインマップ2
7bから読出し(S18)、その重み値にS14で演算
されたステアリング戻し補償電流値Ihoを乗算するこ
とにより、ステアリング戻し補償電流値Ihを演算する
(S20)。また、CPU14は、ステアリング回転角
速度ωhが上記範囲であると判定した場合は(S12:
Yes)、ステアリング戻し補償電流値を「0」に設定
する(S22)。
【0035】以上のように、第2実施形態の電気式動力
舵取装置を使用すれば、ステアリング回転角速度ωh
が、上記範囲にある場合は、ステアリング戻し補償電流
値を送出しないことにより、何らかのノイズにより、あ
たかもステアリング戻し補償電流が発生したような微小
な信号が入力された場合であっても、ステアリングホイ
ールが自然に操舵されないようにすることができる。つ
まり、操舵時の違和感をなくすことができる。
【0036】また、上述の条件文を用いた制御に代え
て、図6に示すようなマップを用いて制御を行うことも
できる。図6に示すように、ステアリング戻しマップ2
7aは、縦軸にステアリング戻し補償電流値Ihを、横
軸にステアリング回転角速度ωhをそれぞれ設定し、ス
テアリング回転角速度ωhが−ωlimitからωli
mitiまでの範囲は、ステアリング戻し補償電流値I
hが「0」である不感帯に設定されている。つまり、ス
テアリング回転角速度ωhが不感帯の範囲にある場合
は、ステアリング戻し補償電流値は「0」になるため、
ノイズによる自然操舵をなくして操舵時の違和感をなく
すことができる。
【0037】次に、本発明第3実施形態の電気式動力舵
取装置について図7を参照して説明する。本第3実施形
態の電気式動力舵取装置は、粘性補償電流値がノイズに
よる影響を受けないようにすることを特徴とする。図7
は、本第3実施形態の電気式動力舵取装置に備えられた
CPU14が、粘性補償電流決定手段30(図2)にお
いて実行する処理の流れを示すフローチャートである。
なお、CPU14が実行する図7に示す処理以外は、前
述の第1実施形態と同じ構成であるため、その同じ構成
の説明を省略する。
【0038】CPU14は、ステアリング回転角速度演
算手段29によって演算されたステアリング回転角速度
ωhを読み込み(S30)、その読み込んだステアリン
グ回転角速度ωhが、予め設定した範囲−ωlimit
<ωh<ωlimitの範囲にあるか否かを判定する
(S32)。続いて、CPU14は、ステアリング回転
角速度ωhが上記範囲にないと判定した場合は(S3
2:No)、ステアリング回転角速度ωhから上記範囲
の上限値ωlimitを減算した(ωh−ωlimi
t)にゲインGdを乗算して粘性補償電流値Idoを演
算する(S34)。続いて、CPU14は、車速を読み
込み(S36)、その車速に対応する重み値を車速ゲイ
ンマップから読出し(S38)、その重み値にS34で
演算された粘性補償電流値Idoを乗算することによ
り、粘性補償電流値Idを演算する(S40)。
【0039】また、CPU14は、ステアリング回転角
速度ωhが上記範囲であると判定した場合は(S32:
Yes)、粘性補償電流値を「0」に設定する(S4
2)。以上のように、第3実施形態の電気式動力舵取装
置を使用すれば、ステアリング回転角速度ωhが、上記
範囲にある場合は、粘性補償電流値を送出しないことに
より、操舵時の違和感を少なくできるとともに、何らか
のノイズにより、あたかも粘性補償電流が発生したよう
な微小な信号が入力された場合であっても、ステアリン
グホイールが自然に操舵されないようにすることができ
る。
【0040】また、上述の条件文を用いた制御に代え
て、図8に示すようなマップを用いて制御を行うことも
できる。図8に示すように、粘性補償マップ30aは、
縦軸に粘性補償電流値Idを、横軸にステアリング回転
角速度ωhをそれぞれ設定し、ステアリング回転角速度
ωhが予め設定した範囲−ωlimitからωlimi
tiまでの範囲は、粘性補償電流値Idが「0」である
不感帯に設定されている。つまり、ステアリング回転角
速度ωhが不感帯の範囲にある場合は、粘性補償電流値
は「0」になるため、ノイズによる自然操舵をなくして
操舵時の違和感をなくすことができる。なお、上記第2
および第3実施形態では、たとえば、−ωlimit
は、約−0.4rad/sであり、ωlimitiは、
約0.4rad/sである。
【0041】次に、本発明第4実施形態の電気式動力舵
取装置について図9を参照して説明する。本第4実施形
態の電気式動力舵取装置は、微低速走行時におけるステ
アリング戻しを良好にできることを特徴とする。図9
は、本第4実施形態の電気式動力舵取装置の電気的構成
の一部をブロックで示す説明図である。なお、図9に示
す電気的構成の一部を除いて前述の第1実施形態と同じ
構成であるため、その同じ構成の説明を省略する。
【0042】前述の第2および第3実施形態では、ステ
アリング戻しマップに不感帯を持たせて、ステアリング
の誤操舵を防止した。しかし、微低速時にステアリング
を操舵後、ステアリングから手を放した瞬間に演算され
るトーションバーねじれ変化角速度は、たとえば、0.
4〜0.8rad/s程度ときわめて小さく不感帯(±
0.4rad/s)に近いため、十分なステアリング戻
し電流が得られない場合があり、ステアリングが中立位
置方向へ復元しないことも考えられる。そこで、本第4
実施形態の電気式動力舵取装置は、微低速走行時におけ
るステアリング戻しを良好にするため、電気的構成を以
下のように行う。
【0043】図9に示すように、ステアリング戻し補償
電流値決定手段27には、ステアリング戻しマップ27
aおよびステアリング戻しマップ27eの2つのステア
リング戻しマップと、車速ゲインマップ27bおよび車
速ゲインマップ27dの2つの車速ゲインマップが備え
られている。ステアリング戻しマップ27aは、トーシ
ョンバーねじれ変化角速度に対応するステアリング戻し
補償電流値を決定し、そのステアリング戻し補償電流値
を乗算回路27cへ送出する。車速ゲインマップ27b
は、車速に対応する重み値を乗算回路27cへ送出す
る。つまり、ステアリング戻しマップ27aおよび車速
ゲインマップ27bを用いてトーションバーねじれ変化
角速度および車速に対応するステアリング戻し補償電流
値を決定する。
【0044】また、ステアリング戻しマップ27eは、
ステアリング回転角速度に対応するステアリング戻し補
償電流値を乗算回路27fへ送出し、車速ゲインマップ
27dは、車速に対応する重み付け値を乗算回路27f
へ送出する。つまり、ステアリング戻しマップ27eお
よび車速ゲインマップ27dを用いてステアリング回転
角速度および車速に対応するステアリング戻し補償電流
値を決定する。そして、乗算回路27cおよび乗算回路
27fにおいて、それぞれ算出されたステアリング戻し
補償電流値は、加算回路27gによって加算され、電流
指令リミッタ23(図4)へ送出される。
【0045】以上のように、本第4実施形態の電気式動
力舵取装置は、トーションバーねじれ変化角速度に対応
してステアリング戻し補償電流値を決定するステアリン
グ戻しマップ27aと、ステアリング回転角速度に対応
してステアリング戻し補償電流値を決定するステアリン
グ戻しマップ27eの2つのステアリング戻しマップを
備えるため、各ステアリング戻しマップを個別にチュー
ニングすることができる。したがって、ステアリング戻
しマップ27aの不感帯を小さく設定することができる
ため、演算値の小さいトーションバーねじれ変化角速度
がノイズの影響を受けるのを防止できる。また、図9に
示すように、ばね定数を乗じた後にローパスフィルタ4
2によってフィルタリングすることにより、ステアリン
グ戻しマップ27aの不感帯を容易に小さくすることが
できる。
【0046】次に、本発明第5実施形態の電気式動力舵
取装置について図12を参照して説明する。本第5実施
形態の電気式動力舵取装置は、ゆっくりと操舵した場合
にモータMから振動や異音などが発生するのを防止でき
ることを特徴とする。図12は、本第5実施形態の電気
式動力舵取装置に備えられたCPU14が実行する処理
の流れを示すフローチャートである。なお、CPU14
が実行する図12に示す処理以外は、前述の第1実施形
態と同じ構成であるため、その同じ構成の説明を省略す
る。
【0047】前述のように、慣性補償電流値決定手段3
2は、操舵トルクの変化量に応じてモータMへの慣性補
償電流値を決定し、モータMにトルクを発生させること
により、モータMや減速機などが有する慣性をキャンセ
ルしている。ところで、非操舵の場合や非常にゆっくり
とした操舵の場合には、上記慣性の影響がほとんどない
ため、慣性補償を行う必要はない。しかし、慣性補償電
流値は、検出された操舵トルク値を微分することにより
求められるトルク変化量を用いて決定するため、操舵ト
ルク値にノイズが混入していると、その値が慣性ゲイン
を介してモータMへの電流指令値に直接加算されるた
め、電流指令が変動し、モータMの振動や異音が問題と
なることがある。そこで、かかる問題を解決するためC
PU14は慣性補償電流値決定手段32において以下の
処理を行う。
【0048】CPU14は、トルク変化量演算手段31
によって演算されたトルク変化量ΔTrを読込み(S5
0)、そのトルク変化量ΔTrが、所定の小さい範囲
(−ΔTrlimit<ΔTr<ΔTrlimit)に
あるか否かを判定する(S52)。続いて、CPU14
は、トルク変化量ΔTrが上記範囲にないと判定すると
(S52:No)、慣性補償電流値Iiを演算する(S
54)。また、CPU14は、トルク変化量ΔTrが上
記範囲にあると判定すると(S52:Yes)、慣性補
償電流値Iiを「0」に設定する(S56)。このよう
に、トルク変化量ΔTrが小さい場合、つまりゆっくり
と操舵した場合には、慣性補償電流値Iiを「0」にす
ることができるため、ゆっくりと操舵している際に操舵
トルク値にノイズが混入した場合であっても、モータの
振動や異音が発生するのを防止できる。
【0049】また、上述の条件文を用いた制御に代え
て、図13に示すような慣性補償マップを用いて制御を
行うこともできる。図13に示すように、慣性補償マッ
プ50は、縦軸に慣性補償電流値Iiを、横軸に操舵ト
ルク変化量ΔTrをそれぞれ設定し、操舵トルク変化量
ΔTrが予め設定した−ΔTrlimitからΔTrl
imitiまでの範囲は、慣性補償電流値Iiが「0」
である不感帯に設定されている。つまり、操舵トルク変
化量ΔTrが不感帯の範囲にある場合は、慣性補償電流
値は「0」になる。
【0050】ところで、上記各実施形態では、モータM
の回転角速度をモータ電流値およびモータ電圧に基づい
て電圧方程式を解くことにより求めた場合を説明した
が、モータMに回転角速度センサを取り付けて検出する
こともできる。なお、トルクセンサ11が、本発明の操
舵トルク検出手段に対応し、ステアリング回転角速度演
算手段29が回転角速度演算手段に対応する。また、ス
テアリング戻し補償電流値決定手段27が、本発明の第
1の補償電流決定手段に対応し、トーションバーねじれ
変化角速度演算手段26が、補正手段に対応する。さら
に、粘性補償電流値決定手段30が、本発明の第2の補
償電流決定手段に対応し、ステアリング戻しマップ27
aが、第1のマップに対応し、ステアリング戻しマップ
27eが第2のマップに対応する。そして、CPU14
が実行するS10〜S22が、本発明の第1の補償電流
決定手段として機能し、S30〜S40が、第2の補償
電流決定手段として機能し、S50〜S56が、慣性補
償手段として機能する。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、低速走
行時におけるステアリングホイールの中立位置への復元
を確実に行うことができ、かつ、ノイズによって操舵ト
ルクやアシストトルクが変動することのない電気式動力
舵取装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の電気式動力舵取装置の主
な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図2】図1に示すECU10およびモータ駆動回路1
5の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図3】図2の一部の詳細説明図である。
【図4】図3の続きを示す詳細説明図である。
【図5】本発明第2実施形態の電気式動力舵取装置に備
えられたCPU14が、ステアリング戻し補償電流決定
手段27において実行する処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図6】ステアリング戻しマップ27aの説明図であ
る。
【図7】本発明第3実施形態の電気式動力舵取装置に備
えられたCPU14が、粘性補償電流決定手段30にお
いて実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】粘性補償マップ30aの説明図である。
【図9】本発明第4実施形態の電気式動力舵取装置の電
気的構成の一部をブロックで示す説明図である。
【図10】操舵中にステアリングホイールから手を放し
た場合の操舵トルクの変化を示すグラフである。
【図11】操舵中にステアリングホイールから手を放し
た場合のステアリング回転角速度およびトーションバー
ねじれ変化角速度の変化を示すグラフである。
【図12】本発明第5実施形態の電気式動力舵取装置に
備えられたCPU14が実行する処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図13】慣性補償マップ50の説明図である。
【図14】従来の電気式動力舵取装置の主な電気的構成
をブロックで示す説明図である。
【図15】ステアリング戻し補償電流値の決定の原理を
示す説明図である。
【図16】粘性補償電流値の決定の原理を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
10 ECU 11 トルクセンサ 12 車速センサ 14 CPU 15 モータ駆動回路 22 アシストトルク決定手段 23 電流指令値決定手段 26 トーションバーねじれ変化角速度演算手段(補
正手段) 27 ステアリング戻し補償電流値決定手段(第1の
補償電流決定手段) 28 モータ回転角速度検出手段 29 ステアリング回転角速度演算手段 30 粘性補償電流値決定手段(第2の補償電流決定
手段)
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 弘恒 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 鈴木 浩 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC08 CC50 DA09 DA15 DA23 DA63 DA64 DA65 DB03 DC03 DC08 DC12 DC17 DC21 DC35 DD06 DD10 DD17 DE09 EB08 EB11 EC23 GG01 3D033 CA03 CA13 CA16 CA20 CA21 CA24 CA32

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールに連結された入力
    軸と操舵機構に連結された出力軸とを相対回転可能に連
    結する弾性部材に作用する操舵トルクを検出する操舵ト
    ルク検出手段と、 この操舵トルク検出手段によって検出された操舵トルク
    に基づいて、操舵力を補助するアシストトルクを発生す
    るモータと、 前記ステアリングホイールが中立位置へ復元する際の前
    記ステアリングホイールの回転角速度を演算する回転角
    速度演算手段と、 前記ステアリングホイールを中立位置へ復元させるため
    に前記モータに出力する第1の補償電流を、前記回転角
    速度演算手段によって演算された回転角速度に基づいて
    決定する第1の補償電流決定手段と、 前記弾性部材のねじれ変化角速度を演算し、その演算さ
    れたねじれ変化角速度に基づいて、前記第1の補償電流
    を補正する補正手段と、 が備えられたことを特徴とする電気式動力舵取装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、 前記回転角速度演算手段が所定の回転角速度を演算でき
    ない場合に、前記モータが前記ステアリングホイールを
    中立位置へ復元させる方向へ所定量回転するように前記
    第1の補償電流を補正することを特徴とする請求項1に
    記載の電気式動力舵取装置。
  3. 【請求項3】 前記アシストトルクの発生方向とは逆方
    向のトルクを発生させて粘性補償を行うために前記モー
    タに出力する第2の補償電流を、前記ねじれ変化角速度
    および前記回転角速度に基づいて決定する第2の補償電
    流決定手段が備えられたことを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の電気式動力舵取装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の補償電流決定手段は、 前記回転角速度検出手段によって検出された回転角速度
    が所定範囲の回転角速度である場合には、前記第1の補
    償電流の決定を禁止することを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれか1つに記載の電気式動力舵取装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第2の補償電流決定手段は、 前記回転角速度検出手段によって検出される回転角速度
    が所定範囲の回転角速度である場合には、前記第2の補
    償電流の決定を禁止することを特徴とする請求項3また
    は請求項4に記載の電気式動力舵取装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の補償電流決定手段は、前記ス
    テアリングホイールの回転角速度と補償電流とが対応付
    けられた第1のマップを用いて前記第1の補償電流の決
    定を行い、かつ、前記補正手段は、前記ねじれ変化角速
    度と補正値とが対応付けられた第2のマップを用いて前
    記補正をすることを特徴とする請求項1ないし請求項5
    のいずれか1つに記載の電気式動力舵取装置。
  7. 【請求項7】 前記操舵トルクの変化量を演算する操舵
    トルク変化量演算手段と、 少なくとも前記モータと、そのモータに接続された減速
    機とが有する慣性をキャンセルするための慣性補償を、
    前記操舵トルク変化量演算手段によって演算された操舵
    トルクの変化量に基づいて行い、かつ、前記操舵トルク
    の変化量が所定範囲の変化量である場合には、前記慣性
    補償を禁止する慣性補償手段と、 が備えられたことを特徴とする請求項1ないし請求項6
    のいずれか1つに記載の電気式動力舵取装置。
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