JP2000176877A - 多関節型ロボット - Google Patents

多関節型ロボット

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウジング内の機器・部品に対する保守・メ
ンテナンスが容易で、かつ組立が容易な多関節型ロボッ
トを提供する。 【解決手段】 旋回部2に第1のロボット腕3を構成す
る双腕構造の第1、第2の片腕3a、3bの一端が回動
可能に取り付けられている。第1の片腕3aは駆動力を
伝える骨格構造とされ、他端にハウジング4aが取り付
けられている。第2の片腕3bはケーブルや配管等を収
納する構造となっており、他端にカバー4bが回動自在
に取り付けられている。ハウジング4aにカバー4bが
固定具6で固着され第2のロボット腕4を形成してい
る。該腕4に手首が接続されている。固定具6を取り外
し、第2の片腕3bを第1の片腕3aに対して相対的に
回動させることによってハウジング4aを開放させる。
ハウジング4aが大きく開放されハウジングに格納され
た機器・部品へのアクセスが容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アーク溶接ロボッ
ト、バリ取りロボット、ハンドリングロボット等に用い
られる多関節型ロボットにおいて、双腕構造の一方の片
腕を駆動力を伝える骨格構造とし、他方の片腕をケーブ
ルや配管等を収納する腕とする双腕構造の腕を有する多
関節型ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】一方の片腕を駆動力を伝える骨格構造と
し、他方の片腕をケーブルや配管等を収納する腕とした
双腕構造のロボット腕を備えた多関節型ロボットはすで
に知られている。図3、図4はこの公知の双腕構造のロ
ボット腕を備えた多関節型ロボットの一例の概要を示す
図である。
【0003】基台1には、該基台1の取り付け面に垂直
な軸周りに旋回する旋回部2が取り付けられ、該旋回部
2には第1のロボット腕3を構成する双腕構造の第1、
第2の片腕3a、3bの一端が、基台1の取り付け面と
平行な軸でかつ同一軸の周りに回動可能に取り付けられ
ている。片腕の一方、例えば第1の片腕3aは駆動力を
伝える骨格構造とされ、回動可能に旋回部2に取り付け
られている。又、他方の片腕の第2の片腕3bの一端は
旋回部2に回動自在に軸支され、該第2の片腕3bはケ
ーブルや配管等を収納する構造となっている。
【0004】第1のロボット腕3の第1、第2の片腕3
a、3bの他端には、基台1の取り付け面と平行な軸で
かつ同一軸の周りに回動可能に、第2のロボット腕4を
形成するハウジング4cが取り付けられている。該ハウ
ジング4cには、この第2のロボット腕4を第1のロボ
ット腕3に対して相対的に回動させるためのモータや減
速機等の駆動源や、後述する手首5を回動させるモー
タ、減速機さらには、エンドエフェクタのためのエアー
配管、弁等が格納されている。又、ハウジング4cの上
部は開口され、該開口部を覆うカバー4dがボルト等の
固定具でハウジング4cに装着されている。該ハウジン
グ4c(第2のロボット腕4)には、エンドエフェクタ
を取り付ける手首5が連結されている。図示しない駆動
源を駆動して旋回部2を駆動すると、旋回部2が基台1
に対して回動し、旋回部2と共に第1のロボット腕3、
第2のロボット腕4及び手首5も旋回する。又、第1の
ロボット腕3を駆動する駆動源により、第1のロボット
腕3の第1の片腕3aを駆動すると、第1の片腕3aは
旋回部2に対して相対的に回動し、第2のロボット腕4
を移動させる。又、第2の片腕3bは第2のロボット腕
4のハウジング4cに回動自在に軸支され、かつ旋回部
2に回動自在に軸支されているから、該第2の片腕3b
も第1の片腕3aと共に回動する。又、第2ロボット腕
4を駆動する駆動源を駆動すれば、第2のロボット腕4
は第1のロボット腕3(第1、第2の片腕3a、3b)
に対して相対的に回動することになる。
【0005】以上のような双腕構造のロボット腕を備え
た多関節型ロボットにおいて、ハウジング4cに格納さ
れたモータや減速機、弁等の機器の保守・メンテナンス
を行う際には、図4に示すように、カバー4dを取り外
し、さらにはケーブルや配管が格納された第2の片腕3
bのカバーも取り外し、ハウジング4c内の機器・部品
にアクセスすることになるが、ハウジング4cの上方面
のみしか開放されないこと、さらにケーブルや配管がハ
ウジング4c内に敷設されていることから、カバーが取
り外された第2の片腕3b内のケーブルや配管を操作し
ながら、ハウジング4c内の機器・部品の保守目メンテ
ナンスを行う必要があり、操作性が悪く、保守・メンテ
ナンスが困難であった。また、ロボットの組立時におい
ても、ハウジング4c内にケーブルや配管を通す必要が
あり、ケーブルや配管を通す第1のロボット腕3の第2
の片腕3bのカバーの組み付けとハウジング4c内への
ケーブル、配管の配設を別工程で同時並行して組立がで
きず、生産効率が低かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、ハウジング内の機器・部品に対する保守・メンテナ
ンスが容易で、かつ組立が容易な多関節型ロボットを提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、駆動力を伝え
る骨格構造となる第1の片腕と、ケーブル,配管等を格
納する第2の片腕が平行に配設された双腕構造の第1の
ロボット腕と、該第1のロボット腕の先端に一端が軸支
された第2のロボット腕とを少なくとも備えた多関節型
ロボットにおいて、第1の片腕の先端には前記第2のロ
ボット腕のハウジングを、第2の片腕の先端には前記ハ
ウジングのカバーをそれぞれ回転可能に軸支し、カバー
はハウジングに固定具で固着しておき、固定具を取り外
し第2の片腕を第1の片腕に対して相対的に回動させる
ことによって、前記ハウジングとカバーを分離しハウジ
ングを開口できるようにすることによって、ハウジング
内の機器・部品の保守・メンテナンスを容易に実施でき
るようにした。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の多関節型ロボット
の一実施形態の概要斜視図である。図3,図4に示す従
来例の構成と同一構成のものは同一符号を付している。
【0009】基台1上には、該基台1の取り付け平面に
対して垂直な軸周りに旋回する旋回部2が取り付けら
れ、該旋回部2には第1のロボット腕3を構成する双腕
構造の第1、第2の片腕3a、3bが取り付けられてい
る。すなわち、従来例と同じように、第1、第2の片腕
3a、3bの一端は基台1の取り付け面と平行な軸でか
つ同一の軸の周りに回動可能に取り付けられている。第
1の片腕3aは駆動力を伝える骨格構造とされ、回動可
能に旋回部2に取り付けられている。又、第2の片腕3
bの一端は回動部2に回動自在に軸支され、該第2の片
腕3bはケーブルや配管等を収納する構造となってい
る。
【0010】一方、第1の片腕3aの他端には、基台1
の取り付け面と平行な軸周りに回動可能に第2のロボッ
ト腕4を構成するハウジング4aが取り付けられてい
る。該ハウジング4aには、この第2のロボット腕4を
第1のロボット腕3に対して相対的に回動させるための
モータM1や減速機等の駆動源、手首5を回動させるモ
ータM2、減速機、ケーブルさらには、エンドエフェク
タのためのエアー配管、弁等が格納されている。なお、
これらの構造は従来例と同様である。
【0011】従来例と相違する点は、第2のロボット腕
4のハウジング4aの開口面が第2の片腕3b側に設け
られている点である。そして、この開口面を覆うカバー
4bがボルト等の固定具6でハウジング4aに取り付け
られている。図1で示す例では、ハウジング4aとカバ
ー4bで略直方体を形成し、該直方体の上面の対角線
(ハウジング4a)に沿って、かつその対角線両端の直
方体の稜線に沿って縦方向に分断され、ハウジング4a
とカバー4bを形成している。
【0012】そして、カバー4bは第1のロボット腕3
の第2の片腕3bに回転自在に軸支され、該カバー4b
をハウジング4aに取り付けた際、第1の片腕3aに対
するハウジング4aの回転軸線と第2の片腕3bに対す
るカバー4bの回転軸線が一致するようにカバー4bは
第2の片腕3bに取り付けられている。又、ハウジング
4a(第2のロボット腕4)には、従来例と同様に先端
にエンドエフェクタを取り付ける手首5が連結されてい
る。従来例と同様に、旋回部2を基台1に対して回動さ
せると、旋回部2と共に第1のロボット腕3、第2のロ
ボット腕4及び手首5も旋回する。又、第1のロボット
腕3を駆動する駆動源により第1のロボット腕3の第1
の片腕3aを駆動すると、第1の片腕3aは旋回部2に
対して相対的に回動し、第2のロボット腕4を移動させ
る。又、第2の片腕3bは第2のロボット腕4のハウジ
ング4a、カバー4bを介して第1の片腕3aによって
駆動され、該第1の片腕3aと共に回動する。第2ロボ
ット腕4を駆動するモータM1を駆動すれば第2のロボ
ット腕4は第1のロボット腕3(第1、第2の片腕3
a、3b)に対して相対的に回動する。
【0013】ハウジング4a内のモータM1,M2や減
速機等の機器、配管、ケーブル、その他の部品等の保守
・メンテナンスの際には、ボルト等の固定具6を取り外
し、ハウジング4aとカバー4bを分離し、図2に示す
ように、第2の片腕3bを第1の片腕3aに対して反手
首方向に回動させる。第2の片腕3bは旋回部2に回動
自在に軸支されているだけであるから、図2に示すよう
に第2の片腕3bは自由に回動でき、ハウジング4aと
カバー4bが分離し、ハウジング4aを開放することが
できる。
【0014】この実施形態では、ハウジング4aとカバ
ー4bで形成する直方体を上面対角線上に沿って縦方向
に分離するようにしたから、ハウジング4aは、後面
(反手首側)、側面(第2の片腕3b側)及び上下面の
略半分の面が開放されることになり、ハウジング4aに
配置されているモータや減速機、配管、ケーブル、弁等
の機器、部品に対するアクセスが容易とり、保守・メン
テナンスが容易となる。しかも、ハウジング4aを開放
した際、ケーブルや配管も露出することになるから、従
来例のように第2の片腕3bを取り外しケーブルや配管
を操作する必要がなく、第2の片腕3bを分解しないで
よい分、保守・メンテナンスが容易となる。又、ロボッ
トの組立の際にも、ハウジング4a内へのモータM1,
M2や減速機等の機器・部品の取り付けと、第2の片腕
3bの組立を別工程で行い、その後、第2の片腕3bか
ら導き出されたケーブルや配管をハウジング4a内の機
器、部品に接続すればよく、ロボットの組立も容易とな
る。又、カバー4bは第2の片腕3bに取り付けられて
いることから、該第2の片腕3bがガイドの機能をはた
し、ハウジング4aに対するカバー4bの位置決めが容
易となる。さらには、ハウジング4aとカバー4bの分
割面を平面とすることができ、該分割面のパッキンやシ
ール構造を容易に構築することができる。
【0015】なお、上記実施形態ではハウジング4aと
カバー4bで形成される直方体を上面対角線上に沿って
縦方向に分割したが、必ずしもこのような分割方法を採
らなくてもよい。ハウジング4a内に格納する機器等を
取り付ける面が手首5を取り付ける面のみでよい場合
(第1の片腕3aを取り付ける面が一部必要)には、こ
の面だけでハウジングを形成し、他の5面(上面、下
面、両側面、後面)はカバーで形成してもよい。又、手
首5の取り付け面と反第2の片腕3b側の側面若しくは
底面で、ハウジングを形成し他の面はカバーとしてもよ
い。すなわち、ハウジング4aは、少なくとも該ハウジ
ング4aに格納する機器等を取り付ける面、及び手首
5、第1の片腕3aの取り付け面で形成し、ハウジング
4aを開放したとき該ハウジング4a内の機器にアクセ
スが容易となるように他の面をカバー4bで構成するよ
うにすればよい。
【0016】
【発明の効果】本発明は、ロボット腕等を分解すること
なく、ハウジング内に格納された機器、部品等に容易に
アクセスでき、これらの機器、部品の保守・メンテナン
スが容易となる。又、ロボット組立時も容易で、生産工
程も簡素化でき生産性を向上させることができる。又、
ハウジングとカバーの分割面を平面とすることができ、
その分割面のパッキン、シール構造を容易に構築するこ
とができる。又、カバーをハウジングに取り付ける際の
位置決めもカバーが取り付けられた片腕によってガイド
されるから容易に位置決めができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概要斜視図である。
【図2】同実施形態においてハウジングを開放したとき
を説明する説明図である。
【図3】双腕構造を備えた多関節型ロボットの従来例の
概要斜視図である。
【図4】同従来例におけるハウジングを開放したときを
説明する説明図である。
【符号の説明】
1 基台 2 旋回部 3 第1のロボット腕 3a 第1の片腕 3b 第2の片腕 4 第2のロボット腕 4a ハウジング 4b カバー 5 手首 6 固定具
フロントページの続き (72)発明者 小川 尚 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 長谷 貴弘 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 Fターム(参考) 3F060 AA05 EB13 EC13 HA00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力を伝える骨格構造となる第1の片
    腕と、ケーブル,配管を格納する第2の片腕が平行に配
    設された双腕構造の第1のロボット腕と、該第1のロボ
    ット腕の先端に一端が軸支された第2のロボット腕とを
    少なくとも備えた多関節型ロボットにおいて、 前記第1の片腕の先端には前記第2のロボット腕のハウ
    ジングが回転軸支され、前記第2の片腕の先端には前記
    第2のロボット腕のハウジングのカバーが回転軸支さ
    れ、該カバーは前記ハウジングに固定具で固着され、該
    固定具を取り外し、前記第2の片腕を前記第1の片腕に
    対して相対的に回動させることによって、前記ハウジン
    グとカバーを分離しハウジングを開口できるようにした
    ことを特徴とする多関節型ロボット。
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