JP2000169422A - フマル酸の製造方法 - Google Patents

フマル酸の製造方法

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JP2000169422A
JP2000169422A JP10343769A JP34376998A JP2000169422A JP 2000169422 A JP2000169422 A JP 2000169422A JP 10343769 A JP10343769 A JP 10343769A JP 34376998 A JP34376998 A JP 34376998A JP 2000169422 A JP2000169422 A JP 2000169422A
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fumaric acid
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Naoyuki Watanabe
尚之 渡辺
Yoshizo Ubukawa
喜三 生川
Naoki Kato
尚樹 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臭素供与化合物と酸化剤とを組み合わせた触
媒系を用いてマレイン酸を異性化してフマル酸を製造す
る際に、フマル酸の着色を防止しつつ、転化率を改善す
る方法の提供。 【解決手段】 標準電極電位1V以上である化合物の存
在下、マレイン酸を異性化してフマル酸を製造する方法
において、反応水溶液中の溶存酸素濃度が1ppm以下
であることを特徴とするフマル酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フマル酸の製造方
法に関する。詳しくは標準電極電位1V以上である化合
物の触媒を用いてマレイン酸を異性化してフマル酸を製
造する方法の改良に関する。フマル酸は、ポリエステル
樹脂、リンゴ酸、アスパラギン酸等の製造原料、界面活
性剤、殺虫剤等の中間原料として、更には清涼飲料、菓
子類等の食品に広く使用されている有用な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】公知のマレイン酸異性化触媒として、例
えば、チオ尿素類(米国特許第2,454,387号明
細書)、チオシアン酸類(米国特許第2,208,51
9号明細書)、臭素酸塩類(米国特許第2,914,5
59号明細書)、臭素供与化合物と酸化剤を組み合わせ
た触媒(ベルギー特許第60491号明細書)が知られ
ている。このうち、臭素供与化合物と酸化剤を組み合わ
せた触媒系を用いて反応を行うと、得られるフマル酸は
着色し、使用する目的によっては活性炭等の精製工程が
必要となる。これを解決するため、反応系中に空気を吹
き込みながら反応を行う方法が提案されている(特公昭
40−6043号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの検討結果によれば、この方法では得られるフマル
酸の着色は改善されるものの、酸素による反応阻害のた
め、転化率が低下することが判明した。本発明の目的
は、上記の問題点を解決し、着色を防止しつつ、フマル
酸を効率的に製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記実状
に鑑み鋭意検討した結果、着色する原因として触媒とし
て使用する水溶性臭素供与化合物の添加量が多くなると
フマル酸の着色が激しくなること、また添加する水溶性
臭素供与化合物を少なくするとマレイン酸の転化率が低
下するが、反応系の溶存酸素レベルを低く保つことによ
り、転化率が改善されることを見出し、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明の要旨は、標準電極電位1V
以上である化合物の存在下、マレイン酸を異性化してフ
マル酸を製造する方法において、反応水溶液中の溶存酸
素濃度が1ppm以下であることを特徴とするフマル酸
の製造方法にある。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 (マレイン酸)本発明で使用されるマレイン酸は、マレ
イン酸又は無水マレイン酸の精製品でも粗精製品でもよ
い。精製品であれば、市販のマレイン酸や無水マレイン
酸を水に溶解して使用できる。また、無水マレイン酸の
場合には溶融して異性化反応に供給することもできる。
この場合には、反応系中で水和されてマレイン酸とな
り、反応が進行することになる。粗精製品であれば、無
水マレイン酸製造プロセスの中間工程で得られる粗マレ
イン酸水溶液(例えばB.C.Trivedi and
B.M.Culbertson“Maleic An
hydride”(1982年))や無水フタル酸製造
プロセスの排ガスに水を接触させて回収される粗マレイ
ン酸水溶液(例えば特開昭40−23784号公報)を
直接使用することも可能である。これらの水溶液は、通
常、水を20〜60%程度含んでいる。異性化反応時の
溶媒としては、通常、水が用いられ、水溶液中のマレイ
ン酸濃度は、反応仕込量の5〜60重量%、好ましくは
10〜50重量%である。上記濃度より低いと固体とし
て回収されるフマル酸が少ないため経済性に乏しく実用
的でなく、上記濃度より高いと反応進行と共に大量のフ
マル酸が析出し、反応系が固化し、系の撹拌ができない
状況になり好ましくない。
【0006】(標準電極電位が1V以上である化合物)
標準電極電位の絶対値については、例えばLange′
s Handbookof Chemistry 13
th Section 6に記載されている。標準電極
電位が1V以上である化合物としては、例えば、四価の
セリウムイオンを含む化合物としては、例えば、硝酸ア
ンモニウムセリウム(IV):Ce(NH4 2 (NO
3 6 、硫酸セリウム(IV):Ce(SO4 2 、硫
酸セリウム(IV)アンモニウム:Ce(NH4
4 (SO4 4 等、過硫酸イオンを含む化合物として
は、過硫酸ナトリウム:Na2 2 8 、過硫酸カリウ
ム:K 2 2 8 、過硫酸アンモニウム:(NH4 2
2 8 等、臭素酸イオンを含む臭素酸ナトリウム:N
aBrO3 、臭素酸カリウム:KBrO3 、及び過酸化
水素等が挙げられ、好ましくは、標準電極電位が1.5
V以上である硝酸アンモニウムセリウム(IV)、硫酸
セリウム(IV)、硫酸セリウム(IV)アンモニウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウムである。また、これらの化合物を二種以上併用し
て使用することも可能である。異性化反応の標準電極電
位が1V以上である化合物の添加量は、マレイン酸仕込
量に対し0.005〜10重量%、好ましくは0.01
〜5重量%である。
【0007】(水溶性臭素供与化合物)水溶性臭素供与
化合物としては、例えば臭化リチウム、臭化ナトリウ
ム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化マグネシウ
ム、臭化カルシウム、臭化鉄、臭化銅、臭化亜鉛、臭化
アルミニウム、テトラブチルアンモニウムブロマイド
(以上臭素の原子価:−1)、臭素(臭素の原子価:
0)、N−ブロモコハク酸イミド、ナトリウムハイポブ
ロマイド(以上臭素の原子価:+1)等が挙げられ、好
ましくは臭素の原子価が−1であるもの及び臭素の原子
価が0であるものである。また、これらの化合物を二種
以上併用して使用することも可能である。
【0008】異性化反応工程に使用される水溶性臭素供
与化合物の添加量は、仕込みのマレイン酸に対し、臭素
イオン換算で通常1.0×10-3〜0.09モル%、好
ましくは1.0×10-2〜0.08モル%である。ここ
で添加量とは、系外より新たに添加される量のことを示
す。また、仕込みのマレイン酸とは、反応開始時、反応
中を含め、反応系に供給されたマレイン酸の合計量を指
す。なお、標準電極電位が1V以上である化合物単独で
も異性化触媒能を有するが、更に水溶性臭素供与化合物
を組み合わせることが好ましい。
【0009】(不活性ガス)本発明に用いられる不活性
ガスとしては、例えばアルゴン、ヘリウム、窒素、炭酸
ガス等が挙げられる。これらの中、窒素が好ましい。ま
た、これらのガスは二種類以上併用してもよい。なお、
溶存酸素濃度の設定値が0.1〜1.0ppmの場合に
は、不活性ガスと共に少量の空気を併用してもよい。
【0010】(異性化反応)本発明の方法における異性
化反応では、異性化触媒の存在下、マレイン酸を異性化
してフマル酸を得る。この異性化反応は、バッチ法で行
っても、連続法で行ってもよい。バッチ法の場合、原料
マレイン酸、異性化触媒の添加順序、添加方法について
は特に限定はされないが、特に収率の面からマレイン酸
に水溶性臭素供与化合物を混合後、標準電極電位が1V
以上である化合物を添加する方法、マレイン酸に異性化
触媒を添加する方法、マレイン酸、助触媒及び異性化触
媒を低温で混合した後、昇温し反応を行う方法が好まし
い。
【0011】異性化触媒は、粉体で添加してもよいが、
スラリー又は水溶液で添加する方が、反応温度を制御す
る点で好ましい。例えば臭化アンモニウムの場合には、
濃度が30重量%以下であると室温で水に溶解するの
で、均一な水溶液で添加することができる。添加時間に
ついては、反応スケール又は反応器の除熱能力にも依存
するので、特に規定されるものではないが、10分以
上、例えば反応容量1リットルの場合には、1〜2時間
までの時間をかけて添加することが好ましい。上記時間
以下で行うと、発熱量が大きいため工業的なスケールア
ップを行った場合、一般的に除熱が困難となる。
【0012】連続反応としては、マレイン酸及び異性化
触媒を連続的に供給する一方で、生成するフマル酸結晶
含有スラリーを連続的に抜き出す連続式でもよいし、連
続的に供給する一方で抜き出しを間欠的に行う方法を採
ることも可能である。本異性化反応は、マレイン酸及び
異性化触媒を混合することによりほぼ瞬時に起こるが、
反応形式として連続式、間歇式の方法を採る場合には、
マレイン酸の転化率の面から反応を二段以上の直列多段
方式で行うことが好ましい。反応温度は、50〜100
℃であり、好ましくは、55〜90℃である。温度が高
くなるとリンゴ酸の生成量が多くなり、目的とするフマ
ル酸の選択率が低下することとなり、温度が低いと、異
性化反応が遅くなり好ましくない。
【0013】本発明では、本異性化反応における溶存酸
素レベルを1ppm以下、更に好ましくは0.5ppm
以下、最も好ましくは0.1ppm以下にする。溶存酸
素レベルが高いと、酸素による触媒の阻害が起こり、転
化率が低下する。本発明において、異性化反応液中の溶
存酸素濃度を調節する方法としては、通常、異性化反応
液に前記不活性なガスを流通させる方法、又は系内の圧
力を減圧にして脱気する方法等が挙げられる。不活性な
ガスの流通方法としては、例えば異性化反応液中に前記
ガスを連続的又は間欠的に吹き込みながら撹拌する方法
が一般的である。この際の吹き込み量としては、異性化
反応液の体積に対して1時間当り0.01〜120容量
倍、好ましくは0.1〜100容量倍である。
【0014】なお、不活性ガスの吹き込みにより反応液
中の溶存酸素を除去する際に、溶存酸素濃度の設定値が
0.1〜1ppmである場合には、不活性ガスと共に少
量の空気を併用してもよい。また、不活性ガスの吹き込
みは反応直前に、例えばマレイン酸と臭化アンモニウム
を含む反応液に過硫酸アンモニウム水溶液を添加する前
に行うのが好ましい。
【0015】また、工業的には反応熱の除去を溶媒であ
る水の蒸発によって行う方法が、本プロセスにおいても
好適に用いられる。この方法は、反応が発熱反応である
ため、減圧下で反応温度を調節して行うこと、同時に系
内の酸素を除去することができるため好都合である。こ
の際に、少量の不活性ガスを流通させてもよい。この際
の減圧度としては、反応を実施する温度にもよるが、通
常0.004〜0.09MPa好ましくは0.005〜
0.08MPaが選ばれる。また、反応原料としてマレ
イン酸水溶液を使用する場合には、予め脱気しておいて
から異性化反応工程に供することも可能である。本異性
化反応は反応生成物であるフマル酸の溶解度が小さいた
めに、フマル酸結晶が析出する反応晶析の形になる。異
性化反応の結果、フマル酸結晶含有スラリーを得る。
【0016】(固液分離)異性化反応で得られるフマル
酸結晶含有スラリーをフマル酸結晶と母液とに固液分離
する。フマル酸結晶含有スラリーの固液分離の温度条件
は、特に限定されるものではないが、0〜80℃の温度
範囲、好ましくは、10〜50℃で行なう。低温下では
スラリーの粘性が高く取扱いが困難になり、高温下で
は、フマル酸の溶解度が高くなり、回収率が低下する。
固液分離装置は、限定されるものではないが、ヌッチ
ェ、遠心分離器等を使用できる。この操作を行うことに
より得られるフマル酸結晶の純度は、異性化反応で得ら
れるフマル酸の含水率にもよるが、概ね99%以上であ
る。必要に応じてフマル酸結晶を水でリンスしても良
い。リンス操作に用いる水の量は、特に限定されるもの
ではないが、フマル酸結晶含有スラリーから固液分離し
て得たフマル酸結晶の湿ケーキに対して5重量倍以下、
好ましくは、3重量倍以下で行なう。水の量が少なすぎ
るとリンス効果が充分でなく、多すぎるとフマル酸の回
収率が低下する。リンスに用いる水の温度についても特
に限定されるものではない。リンス操作を行うことによ
り得られる結晶は、99.8%以上の純度を持つフマル
酸として回収することができる。
【0017】(付加的工程) (リサイクル)固液分離により得られる母液は、溶解度
分のフマル酸、未反応のマレイン酸及び異性化触媒を含
む。必要に応じて濃縮工程により水を除去する。母液又
は濃縮された母液に原料となるマレイン酸を添加して、
再び異性化反応を行うことができる。二回目以降の異性
化反応において、マレイン酸転化率を向上させるため
に、異性化触媒を更に添加することが好ましい。水溶性
臭素供与化合物は、初回の反応に使用した水溶性臭素供
与化合物の添加量に対して80%以下、好ましくは70
%以下、より好ましくは50%以下、標準電極電位が1
V以上である化合物の添加量は、初回の反応に対して3
0〜1000%、好ましくは50〜500%、に相当す
る量をそれぞれ添加することにより実施可能である。
【0018】(ブリード)本発明のフマル酸の製造方法
は、リサイクル工程を含むため、不純物や反応副生物の
蓄積を考慮して固液分離で得られる母液をブリードする
ことも可能である。ブリード量は、使用する原料にもよ
るが、例えば精製した無水マレイン酸を使用する場合に
は、母液の全量に対して0.1〜40重量%、好ましく
は1〜30重量%、また、粗精製品例えば上記の粗マレ
イン酸水溶液であれば、母液の全量に対して10〜90
重量%、好ましくは20〜80重量%である。ブリード
率が低いと安定した連続運転が困難になり、その効果が
小さく意味が無く、ブリード率が高いと廃水処理に負荷
がかかることになり経済性に劣るものとなる。ブリード
する方法は、このブリード率を満足する範囲において連
続であっても、また間歇であってもよい。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これら
の実施例に限定されるものではない。尚、マレイン酸
(以下MAと略記する)、フマル酸(以下FAと略記す
る)、の分析は高速クロマトグラフィーにより分析し
た。また、無水マレイン酸はMAH、臭化アンモニウム
はABRと略記する。また、溶存酸素濃度の測定は、エ
イブル社製MODEL M−1032を用いて行った
(検出限界0.1ppm)。また、MAの転化率及びM
AHからFAへの選択率はモル%で表す。
【0020】(比較例−1)MAH(三菱化学社製)を
水に添加して調製した40.0重量%MA水溶液100
0.0gとABR490mg(仕込みのMAに対して
0.14モル%)を2Lガラス製反応器に仕込み、80
℃に昇温した。この時の溶存酸素濃度は2.8ppmで
あった。この水溶液に1重量%過硫酸アンモニウム水溶
液40g(仕込みのMAに対して0.1重量%)を定量
ポンプで60分かけて添加した。更にこの温度で1時間
撹拌の後、MA濃度を分析したところ、MAの転化率は
98.5%であった。反応液を30℃まで冷却後、得ら
れたFAを遠心分離器を用いて回収した。FAの回収量
は423.6g(回収率は97.3%)、得られたFA
の含水率は8重量%、母液量は、616.9gであっ
た。FAを減圧下で乾燥後、乾燥したFAを5g採取
し、4%苛性ソーダ水溶液で100mlにメスアップし
た。この液の430nmの透過率を測定した(対照:4
%苛性ソーダ)ところ、93.0%であった。
【0021】(比較例−2)1重量%過硫酸アンモニウ
ム水溶液を添加する際に、空気を2L/hrにて水溶液
にバブリングを行う以外は、比較例−1と同様にして行
った。その時のマレイン酸の転化率は50.0%、得ら
れたFAの透過率は99.0%であった。
【0022】(比較例−3)1重量%過硫酸アンモニウ
ム水溶液を添加する際に、窒素を2L/hrにて水溶液
にバブリングを行い、溶存酸素を0.1ppm以下(検
出限界以下)にする以外は、比較例−1と同様にして行
った。その時のマレイン酸の転化率は99.5%、得ら
れたFAの透過率は93.0%であった。
【0023】(比較例−4)ABR294mg(仕込み
のMAに対して0.09モル%)を添加する以外は、比
較例−1と同様にして行った。その時のマレイン酸の転
化率は90.0%、得られたFAの透過率は98.0%
であった。
【0024】(実施例−1)1重量%過硫酸アンモニウ
ム水溶液を添加する際に、窒素を1.6L/hr、空気
を0.4L/hrにて水溶液にバブリングを行い、溶存
酸素を1ppmにて行う以外は、比較例−4と同様にし
て行った。その時のマレイン酸の転化率は94.0%、
得られたFAの透過率は98.0%であった。 (実施例−2)1重量%過硫酸アンモニウム水溶液を添
加する際に、窒素を1.8L/hr、空気を0.2L/
hrにて水溶液にバブリングを行い、溶存酸素を0.5
ppmにて行う以外は、比較例−4と同様にして行っ
た。その時のマレイン酸の転化率は95.0%、得られ
たFAの透過率は95.0%であった。 (実施例−3)1重量%過硫酸アンモニウム水溶液を添
加する際に、窒素を1.96L/hr、空気を0.04
L/hrにて水溶液にバブリングを行い、溶存酸素を
0.1ppmにて行う以外は、比較例−4と同様にして
行った。その時のマレイン酸の転化率は98.0%、得
られたFAの透過率は95.0%であった。
【0025】(実施例−4)ABR294mg(仕込み
のMAに対して0.09モル%)を添加する以外は、比
較例−3と同様にして行った。その時のマレイン酸の転
化率は99.5%、得られたFAの透過率は95.0%
であった。 (実施例−5)ABR98mg(仕込みのMAに対して
0.03モル%)を添加する以外は、比較例−3と同様
にして行った。その時のマレイン酸の転化率は99.0
%、得られたFAの透過率は99.0%であった。 (実施例−6)反応系の圧力を0.0473MPa(8
0℃)として、反応液を加熱還流しながら、溶存酸素を
0.1ppm以下(検出限界以下)にする以外は、実施
例−2と同様にして行った。その時のマレイン酸の転化
率は98.5%、得られたFAの透過率は96.0%で
あった。
【0026】(実施例−7)添加する水を脱気後、窒素
を気体中に2L/hrにて吹き込みながら、マレイン酸
水溶液を調整し、溶存酸素を0.1ppm以下(検出限
界以下)にする以外は、比較例−4と同様にして行っ
た。その時のマレイン酸の転化率は99.0%、得られ
たFAの透過率は96.0%であった。結果を表1に纏
める。
【0027】
【表1】 表1 溶存酸素 気体吹き込み比 ABR 転化率 透過率 (ppm) (vol/vol*) (モル%) (%) (%) 比較例1 2.8 − 0.14 98.5 93.0 2 2.8 1 0.14 50.0 99.0 3 0.1以下 0 0.14 99.5 93.0 4 2.8 − 0.06 90.0 98.0 実施例1 1.0 0.2 0.06 94.0 98.0 2 0.5 0.1 0.06 95.0 96.0 3 0.1 0.01 0.06 98.0 95.0 4 0.1以下 0 0.06 99.5 95.0 5 0.1以下 0 0.03 99.0 99.0 6 0.1以下 − 0.06 98.5 96.0 7 0.1以下 0 0.06 99.0 96.0 *:吹き込み空気の体積/(吹き込み窒素の体積+吹き込み空気の体積)
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、標準電極電位1V以上
である化合物の触媒系を用いてマレイン酸を異性化して
フマル酸を製造する際に、フマル酸の着色を防止しつ
つ、転化率を改善することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 尚樹 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC27 BA08 BA30 BA36 BA37 BB31 BB49 BB61 BC11 BS10 4H039 CA65 CJ10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標準電極電位1V以上である化合物の存
    在下、マレイン酸を異性化してフマル酸を製造する方法
    において、反応水溶液中の溶存酸素濃度が1ppm以下
    であることを特徴とするフマル酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 水溶性臭素供与化合物を共存させること
    を特徴とする請求項1に記載のフマル酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応水溶液中に不活性ガスを流通させる
    ことにより、反応水溶液中の溶存酸素濃度を1ppm以
    下にすることを特徴とする請求項1に記載のフマル酸の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 反応系を減圧下に保持することにより、
    反応水溶液中の溶存酸素濃度を1ppm以下にすること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のフマル酸の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 標準電極電位が1V以上である化合物が
    四価のセリウムイオンを含む化合物、過硫酸イオンを含
    む化合物、臭素酸イオンを含む化合物及び過酸化水素か
    ら選ばれた少なくとも一種の化合物であることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載のフマル酸の製
    造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003104934A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Kawasaki Kasei Chem Ltd フマル酸及び/又はリンゴ酸の製造方法

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JP2003104934A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Kawasaki Kasei Chem Ltd フマル酸及び/又はリンゴ酸の製造方法

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