JP2000167625A - ブランクの打抜き方法とパンチ - Google Patents

ブランクの打抜き方法とパンチ

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JP2000167625A JP10342932A JP34293298A JP2000167625A JP 2000167625 A JP2000167625 A JP 2000167625A JP 10342932 A JP10342932 A JP 10342932A JP 34293298 A JP34293298 A JP 34293298A JP 2000167625 A JP2000167625 A JP 2000167625A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機被膜層を有する板材よりブランクを打抜
く場合に、ブランクより形成された成形体の端縁に、有
機被膜ヘアが発生しないようにする。 【解決手段】 基材3zの片面に有機被膜層3xを形成
された板材3をパンチ1によりブランク3aに打抜いた
後、成形体115を形成する際に、板材3とパンチ1が
接触して打抜きを始める時点において、パンチ1と接触
する有機被膜層3xと、パンチの切刃1bを通る、パン
チ端面の切刃近傍周辺部の接線2とのなす角度θが、3
〜60度になるようにして打抜く。パンチ1の端面は、
切刃1bよりも突出した平坦な主部1aと、切刃と主部
の間の環状凹部1cとよりなっていて、切刃1bと主部
1aの端部1dとを結ぶ直線と、切刃1bを通る凹部1
cの接線2とのなす角度θが3〜60度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形体を形成する
ために、板材よりブランクを打抜く方法、およびブラン
クを打抜くためのパンチに関し、更に詳しくは有機被膜
層を有するブランクから、絞り成形缶、再絞り成形缶、
再絞りーしごき成形缶、缶蓋等の成形体を形成するため
に、基材の少なくとも片面に有機被膜層を形成された板
材よりブランクを打抜く方法、およびブランクを打抜く
ためのパンチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸飲料缶、ジュース缶、コーヒ飲料缶
あるいはゼリー等の固形食品缶等の食品缶詰等に用いら
れる、絞り成形缶(例えば特公昭60−11576号公
報参照)、薄肉化再絞り成形缶(例えば特開平3−15
5419号公報、特開平4−324826号公報参
照)、薄肉化再絞りーしごき成形缶(例えば特開平7−
275961号公報参照)等のシームレス缶、および缶
蓋(例えば特公平3−58814号公報参照)等を形成
する場合に、金属層の少なくとも片面(通常は両面)に
有機被膜層を形成された板材よりパンチとダイの協同に
よりブランクを打抜き、直ちに同じ工程で絞り加工を行
って、絞り成形体を形成してから、次工程でシームレス
缶体や缶蓋を形成する方法が採用されている。
【0003】このようにして形成されたシームレス缶体
や缶蓋の端縁(シームレス缶体の場合はフランジ部の端
縁、缶蓋の場合はカール部の端縁)に、毛髪状の有機被
膜片(以下有機被膜ヘアとよぶ:通常長さが約10mm
以上)が多数発生し易い(特開昭58−16848号公
報参照)。この有機被膜ヘアは端縁から剥離し、缶内面
に付着残留して、内容物を充填密封して缶詰となった
後、異物として発見された時、無害ではあるが、不衛生
物として疑われて苦情の対象となり易い。そのため全数
検査により有機被膜ヘアが発見された缶はリジェクトし
ている。従って製品歩留まりが低下するという問題を生
ずる。なお缶蓋の有機被膜ヘアは、密封の際に缶内に入
るおそれがある。
【0004】本発明者は、有機被膜ヘアの発生原因につ
いて種々研究した結果、原因はおよそ次のようなもので
あるという知見を得た。この知見を薄肉化再絞りーしご
き成形缶を製造する場合の例について以下に説明する。
従来薄肉化再絞りーしごき成形缶を製造するための絞り
成形体は、例えば図6に示すような打抜き絞り成形機1
00によって次のようにして形成されていた。
【0005】板材の打抜きが終了した直後の状態を示す
図6、において、101は、中空円筒形状のブランク
パンチであって、絞りダイを兼ねており、中央の孔部1
01cはダイキャビティとなり、固定ロウアープレート
111に固設されている。ブランクパンチ101の上面
101aは全面が平坦であり、切刃101bは断面直角
である。102は環状のブランクダイであって上下動可
能のアッパープレート110に固着されている。103
は板材であって、金属層103zが、外面有機被膜層1
03xおよび内面有機被膜層103y(図7参照)によ
って,接着剤により、もしくは熱接着により接着被覆さ
れてなっている。金属層103zはティンフリースチー
ルよりなり、外面有機被膜層103xは白色顔料入りポ
リエチレンテレフタレート系プラスチックフィルム、内
面有機被膜層103yは透明ポリエチレンテレフタレー
ト系プラスチックフィルムよりなっている。104はス
トリッパーリングであって、ばね105(通常、コイル
ばねまたは空気ばね)を介してロウアープレート111
に着設されている。打抜かれる前は、ばね105が伸び
きって、ストリッパーリング104の上面がブランクパ
ンチ101の上面101aより僅かに高い位置(図6,
参照)にあり、ブランクダイ102の下面はストリッ
パーリング104より離れて若干上方に位置している。
板材103は、打抜かれた後、ブランク103aと抜き
かす103bになる。
【0006】106は上下動可能の絞りパンチである。
107は、ブランクパンチ101に対向する位置に配設
されたしわ押えリングであって、アッパープレート11
0に着設されたエアシリンダー109およびピストン1
08を介して絞り加工時にブランク103aを押圧す
る。打抜かれたブランク103aは、周辺部をしわ押え
リング107による押圧下に、絞りパンチ106の降下
と共に、ブランクパンチ101の上面101aに沿って
周辺部が半径方向内方に移動し、同時に中央部が絞りパ
ンチ106によって押圧されて、常法により図6、に
示すように、ダイキャビティ101c内に入って絞り成
形体112に形成される。
【0007】絞り成形体112より薄肉化再絞りーしご
き加工法によって形成されたシームレス缶体115のフ
ランジ部116の端縁下部には、図7、図8に示すよう
に多数の白い有機被膜ヘア117が発生し易い。その理
由は次のように考えられる。図9、は、ブランクダイ
102が降下して、板材103よりブランク103aが
打抜かれる直前の状態を示すものである。切刃102a
が断面直角であるブランクダイ102が、図9,の位
置から僅かに降下すると、切断予定線120に沿って亀
裂が生じて金属層103zの破断が起こる。ブランクパ
ンチ101の切刃101bが断面直角であり、かつ上面
101aが一様に平坦であるため、ブランク103aのブ
ランクパンチ101側の面にある外面有機被膜層103
xおよび金属層103zのエッジは、図9、に示すよ
うにほぼ垂直に切断される。その際、延性に富み、かつ
比較的強靱な外面有機被膜層103xおよび内面有機被
膜層103yは、引き延ばされて延びの限界に達し、そ
れぞれブランク103aの端面下端に生ずるバリ113
(図9、)および抜きかす103bの端面上端に生ず
るバリ(図示されない)の鋭い尖端によって破断し、こ
の延びのため外面有機被膜層103xの端面近傍部の金
属層103zとの密着性が低下、もしくは無くなるもの
と思われる。
【0008】図9,に示すように、切断直後にブラン
ク103aはしわ押えリング107によって押圧され
る。絞りパンチ106の降下に伴って、ブランク103
aの周辺部は、図9、に示すように、しわ押えリング
107による押圧下に半径方向内方に(矢印方向に)、
直径およびフランジ部幅が次第に減少しながら移動す
る。この際に金属層103zとの密着性を失った外面有
機被膜層103xの端面近傍部は、次第に厚くなろうと
するがしわ押えリング107によって押え付けられてい
るので、押潰されたバリ112の微少な隙間を通ってブ
ランク103aの端面下端部より外方に伸び出て、毛髪
状のはみ出し部121(有機被膜ヘア117の前身)が
発達し、はみ出し部121は絞り成形体112の端面部
112aに残る(図6、でははみ出し部121の図示
は省略した)。この段階でのはみ出し部121の長さは
比較的小さいが、次の再絞り加工の工程で、同様にフラ
ンジ部が押圧下に半径方向内方に移動するので、はみ出
し部121は伸長して比較的長い、例えば長さが約10
mm以上の有機被膜ヘア117に発達する。この有機被
膜ヘア117が、後の製造工程で剥離、飛散して、シー
ムレス缶内に入るものと思われる。シームレス缶体11
5は、次いで薄肉化再絞りーしごき加工後底部成形を行
われ、次いでフランジ部116を含む開口端部を切断さ
れた後、外面印刷、ネックイン部成形、フランジ部成形
加工されて、薄肉化再絞りーしごき成形缶となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シームレス
缶体や缶蓋等に形成した後、有機被膜ヘアが端縁に発生
し難い、有機被膜層を有する板材よりブランクを打抜く
方法、及び上記打抜きのためのパンチを提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる発明の
ブランクの打抜き方法は、少なくとも片面に有機被膜層
を有する成形体を形成するために、基材の少なくとも片
面に有機被膜層を形成された板材をパンチとダイの協同
によりブランクに打抜く方法において、少なくとも板材
とパンチが接触して打抜きを始める時点において、パン
チと接触する上記有機被膜層と、パンチの切刃を通る、
パンチ端面の切刃近傍周辺部の接線とのなす角度が、3
〜60度になるようにして打抜くことを特徴とする。
【0011】基材は通常金属板、例えばティンフリース
チール、ぶりき及びアルミニュム(アルミニュム合金を
含む)板又は箔であるが、可塑性のあるプラスチック板
であってもよい。有機被膜を形成する有機物としては、
熱可塑性プラスチックフィルム、例えばポリエチレンテ
レフタレート系フィルム等の熱可塑性ポリエステル系フ
ィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエチレン系フ
ィルム、あるいは塩化ビニール系塗料等の塗料等が例示
される。成形体としては、絞り成形缶、再絞り成形缶、
再絞りーしごき成形缶、薄肉化再絞り成形缶、薄肉化再
絞りーしごき成形缶等のシームレス缶、及びこれらを形
成する途中の中間成形体(シームレス缶体)、ならびに
缶蓋が例示される。ダイが固定体であって、パンチが可
動体であってもよく、逆にダイが可動体であり、パンチ
が固定体であってもよい。パンチは、絞りダイを兼ねて
いてもよい。 切刃近傍周辺部が断面直線の場合は、こ
の直線が接線となる。
【0012】少なくとも板材とパンチが接触して打抜き
を始める時点において、パンチと接触する上記有機被膜
層と、パンチの切刃を通る、パンチ端面の切刃近傍周辺
部の接線とのなす角度が、3〜60度になるようにして
打抜くので、打抜き初期に有機被膜層が切刃によって楔
形状に打ち込まれて切断されてから基材の亀裂に基づく
破断が起こる。従って打抜きの際に、打抜かれるべきブ
ランクの周辺部の有機被膜層が引き延ばされて金属層か
ら剥離することがない。また金属層の有機被膜層に隣接
する切断面はパンチの面から離れる方向に傾斜するの
で、絞り加工の際にパンチの平面主部で押圧されない
(図3,参照)。よって有機被膜ヘアが発達し難い。
従って請求項1の方法で打抜かれたブランクより形成さ
れた成形体内に有機被膜ヘアが入るおそれがなく、製品
歩留まりが向上する。上記角度が3度より小さいと、有
機被膜層が切刃と当たる角度の鋭さが小さくなるので、
ブランクの周辺部の有機被膜層が引き延ばされてから切
断されるため、有機被膜ヘアが発生し易い。上記角度が
60度より大きいと、切刃が刃零れを生じ易くなった
り、または板材の曲げ角が過大となり、後の成形に支障
を生じて、打抜き機の故障が起こり易くなるので生産性
が低下する。
【0013】請求項2に係わる発明のブランクの打抜き
パンチは、少なくとも片面に有機被膜層を有する成形体
を形成するために、基材の少なくとも片面に有機被膜層
を形成された板材をダイとの協同によりブランクに打抜
くためのパンチにおいて、パンチの端面が、切刃よりも
突出した平坦な主部と、切刃と主部の間の環状凹部とよ
りなっていて、切刃と主部の端部とを結ぶ直線と、切刃
を通る凹部の接線とのなす角度θが3〜60度であるこ
とを特徴とする。
【0014】請求項2の打抜きパンチは、請求項1の発
明の方法を実施するためのパンチであって、請求項1の
発明と同様の作用を有する。平坦な主部は、切刃よりも
突出しているので、主部を研削、研磨等によって形成す
るのが容易であるという利点を有する。さらにブランク
となるべき部分の周辺部がダイとパンチ主部との間で曲
げられながら打抜かれるので、ブランクの直径、従って
抜きかすの内径がパンチの直径より極く僅かに大きくな
る。そのため抜き出しの際に、抜きかすとパンチ側面と
の摩擦が減り、金属粉の発生が減少するという利点を有
する。金属粉は飛散して、有機被膜に付着し、有機被膜
を損傷して成形体の耐食性を低下させるので好ましくな
い。
【0015】請求項3に係わる発明のブランクの打抜き
パンチは、少なくとも片面に有機被膜層を有する成形体
を形成するために、基材の少なくとも片面に有機被膜層
を形成された板材をダイとの協同によりブランクに打抜
くためのパンチにおいて、パンチの端面が、切刃よりも
凹んで位置する平坦な主部と、切刃と主部を接続する切
刃近傍周辺部とよりなり、切刃を通る仮想平面と、切刃
を通る切刃周辺近傍部の接線とのなす角度μが3〜60
度であることを特徴とする。請求項3の打抜きパンチ
は、請求項1の発明の方法を実施するためのパンチであ
って、請求項1の発明と同様の作用を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のブランクパンチ
1によってブランクを打抜く直前の状態,すなわちブラ
ンクダイ102が僅かに下降して板材3の外部有機被膜
層3xが、曲率部1dに接触した後板材3が曲げられ
て、切刃1bに接触し始めた瞬間の状態を示す図面であ
る。ブランクパンチ1の上面は、平坦で水平な主部1a
と、切刃1bおよび主部1aと曲率部1dを介して接続
する環状凹部1cよりなっている。環状凹部1cは、図
1では断面弧状であるが、断面が複数の直線または曲線
からなっていてもよい(図4参照)。この状態における
切刃1bと曲率部1dを結ぶ直線(図では外面有機被膜
層3xの下面で示される)と、切刃1bを通る凹部1c
の接線2とのなす角θが、3〜60度、好ましくは5〜
30度になっている。パンチ1の側面1e(円筒形で垂
下する)と接線2とのなす角αは、60〜100度、好
ましくは70〜90度の範囲で、(90−θ)度より大
きい。これらの点を除いては、本発明を実施するのに用
いられる打抜き絞り成形機の構造は、図6に示す成形機
100と同様である。3yは内面有機被膜層であり、3
zは金属層である。図1の状態で、板材3は、ブランク
ダイ102の断面直角の切刃102aを起点として角度
δすなわち(180−θーα)度だけ上方に折れ曲がっ
ている。
【0017】図2、は、図1の切刃1bの近傍部を拡
大して示したものである。図2,は、ブランクダイ1
02の降下が更に極く僅かに進んで、切刃1bによる外
面有機被膜層3xの切り込みが終わった状態を示す。上
記角θが、3〜60度、好ましくは5〜30度であるの
で、外面有機被膜層3xが引き延ばされることなく、上
記の切り込みは容易に行われる。図2、は、更にブラ
ンクダイ102の降下が僅かに進んで切刃1bが僅かに
金属層3zに楔形状に喰い込んだ状態を示す。上記角θ
が3〜60度であるので、ブランク1の金属層3zの端
面となるべき部分(図2,の5)の近傍下面4は、ブ
ランク3aとなるべき部分の下面に対して上方に向かっ
て僅かに傾斜して傾斜部となっている。この状態よりブ
ランクダイ102の降下が更に極く僅かに進むと、図
2,に点線で示す切断予定線5に沿って亀裂が生じて
板材3は打抜かれ、切断予定線5より右側の部分、すな
わちブランクパンチ1の上の部分がブランク3aとな
る。
【0018】図3、は、ブランク3aが形成された直
後に、絞りパンチ106としわ押えリング107が降下
して、ブランク3aがブランクパンチ1の平坦な主部1a
としわ押えリング107の間で押圧され始めた時の状態
を示す。絞りパンチ106の降下に伴って、図3,に
示すように、ブランク3aは半径方向内方に,周辺の折れ
曲り部分が減少しながら移動し、図3、に示すよう
に、切断端面6近傍の外面有機被膜層3xは主部1aに
沿って押圧下に半径方向内方(矢印方向)に移動する。
この場合、外面有機被膜層3xのブランク端面6近傍の
部分は、金属層3zとの接着性を保っており、さらに傾
斜部4が、絞りダイすなわちブランクパンチの上面主部
1aから離れているので、有機被膜ヘア117が生じ難
い。
【0019】図4は、凹部が切刃1bから半径方向内方
に断面直線状に延びる平坦な環状平面部1fおよび環状
平面部1fの終端部から半径方向内方に斜め上方に曲率
部1dまで延びる台形部1gよりなる点を除いては、図
1に示すブランクパンチ1と同様なブランクパンチ1に
よって、ブランク3を打抜く直前の状態、すなわちブラ
ンクダイ102が僅かに下降して板材3の外部有機被膜
層3xが切刃1bと接触し始めた瞬間の状態を示す図面
である。この場合は、断面直線1fが、図1の接線2に
対応する。すなわち切刃1bと曲率部1dを結ぶ直線
と、断面直線1fとのなす角θが、3〜60度、好まし
くは5〜30度になっている。またパンチ1の側面1e
と断面直線1fとのなす角αは、60〜100度、好ま
しくは70〜90度の範囲で、(90−θ)度より大き
い。
【0020】図5は、本発明の他の形態のブランクパン
チ11によって、ブランク3を打抜く直前の状態、すな
わちブランクダイ102が僅かに下降して板材3の外部
有機被膜層3xが切刃11bと接触し始めた瞬間の状態
を示す図面である。ダイ11の上面は、断面弧状の切刃
近傍周辺部11cと、切刃11bより凹んだ、切刃面
(外面有機被膜層3xの下面)に平行な平坦な主部11
aとよりなっている。主部11aと、切刃11bを通る切
刃周辺近傍部11cの接線とのなす角度μが3〜60
度、好ましくは5〜30度になっている。切刃11bか
ら主部11aまでの深さhは、(外面有機被膜層3xの
厚さ+約10〜500μm)であることが好ましい。ブ
ランクパンチ11を用いて図6に示すタイプの打抜き絞
り成形機100を用いて、板材3を打抜き絞り成形を行
う場合の作用は、ブランク3aとなるべき部分の周辺部
が折れ曲がらない点を除いては、ブランクパンチ1を用
いる場合とほぼ同様である。
【0021】
【実施例】実施例1:板材3として、厚さ0.26mm
のティンフリースチール(3z)の、絞り成形体112
の外面側となるべき面に、厚さ17μmの白色顔料入り
ポリエチレンテレフタレート系フィルム(3x)を、内
面側となるべき面に厚さ25μmの透明ポリエチレンテ
レフタレート系フィルム(3y)を熱接着により接着し
てなるラミネート鋼板を用いた。ブランクパンチ1とし
て、切刃1bの直径179mm、角αが72度、角θが
28度、切刃1bから曲率部1dまでの水平方向距離が
1.5mm、凹部1cの曲率半径が1.6mmの図1に
示すタイプのものを用いた。ブランクパンチ1とブラン
クダイ102間のクリアランスは約30μmであった。
以上の板材3およびブランクパンチ1を用いて、図6に
示すタイプの打抜き絞り成形機100を用いて、絞り比
1.6で絞り成形体112を形成したが、有機被膜ヘア
117の発生は皆無であった。更に絞り成形体112
に、二回の薄肉化再絞り成形を施し、直径66mm、高
さ127mmのシームレス缶体115を形成したが、有
機被膜ヘア117の発生は皆無であった。
【0022】比較例1:切刃が断面直角である従来のブ
ランクパンチ101を用いた点以外は、段落番号002
1に記載の方法と同様にして絞り成形体112を形成し
た所、長さが約1〜15mmの多数の有機被膜ヘア11
7の発生がみられた。
【0023】比較例2:ブランクパンチ1として、角α
が30度、角θが65度、凹部1cの曲率半径が0.8
mmであるものを用いた点以外は、段落番号0021に
記載の方法と同様にして絞り成形体112を形成した
所、有機被膜ヘア117の発生はみられなかったが、ほ
ぼ30回の打抜きで、切刃1bが折損して、その後の打
抜きが不可能になった。
【0024】実施例2:ブランクパンチ1として、角α
が90度、角θが10度、水平環状部1fの幅が0.7
mm、切刃1bから曲率部1dまでの水平方向距離が
1.5mmである、図4に示すタイプのパンチを用いた
点以外は、実施例1に記載の方法と同様にして絞り成形
体112を形成した。有機被膜ヘア117の発生は皆無
であった。更に絞り成形体112に、二回の薄肉化再絞
り成形を施し、直径66mm、高さ127mmのシーム
レス缶体115を形成したが、有機被膜ヘア117の発
生は皆無であった。
【0025】
【発明の効果】請求項1に係わる発明の方法は、この方
法により有機被膜層を有する板材よりブランクを打抜い
た場合、シームレス缶体や缶蓋等の成形体に形成した
後、有機被膜ヘアが端縁に発生し難く、かつ打抜き生産
性が低下しないという効果を奏する。請求項2に係わる
発明のパンチは、上記効果に加えて、主部を研削、研磨
等によって形成するのが容易であるという利点を有す
る。さらに打抜き後の抜きかすの抜き出しの際に、金属
粉の発生が少なく、そのため有機被膜の損傷による成形
体の耐食性を低下が起こり難いというメリットを有す
る。請求項3に係わる発明のパンチは、請求項1に係わ
る発明と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態のパンチを用いて、打抜き
を開始する直前の状態を示す要部縦断面図である。
【図2】本発明の第1の形態のパンチを用いて、打抜き
が行われる過程を示す要部縦断面図であって、図2,
は、図1の更に要部を示す図面であって、切刃が板材に
接触し始めた状態を示す縦断面図、図2,は、切刃が
有機被膜層のみを切断した状態を示す要部縦断面図、図
2,は、切刃が金属層に食い込んだ状態を示す要部縦
断面図、図2,は、切刃が更に金属層に食い込んで、
板材の打抜きが終了する直前の状態を示す要部縦断面図
である。
【図3】図2に示す打抜きを終了直後に絞り加工を行う
工程の初期における、ブランクの周辺部の状態を示す要
部縦断面図であって、図3,は、絞り加工を行う直前
の状態を示す要部縦断面図、図3,は、更に絞り加工
が進んだ状態を示す要部縦断面図、図3,は、更に絞
り加工が進んで、ブランクの周辺部全体がパンチの平坦
な主部に達した時点の状態を示す要部縦断面図である。
【図4】本発明の第2の形態のパンチを用いて、打抜き
を開始する直前の状態を示す要部縦断面図である。
【図5】本発明の第3の形態のパンチを用いて、打抜き
を開始する直前の状態を示す要部縦断面図である。
【図6】従来の、および本発明の打抜きに用いられる、
打抜き絞り成形機の例の概略縦断面図であって、図6、
は、打抜きが行われた直後の状態を示す縦断面図、図
6、は、絞り加工が終了した状態を示す縦断面図であ
る。
【図7】従来の打抜き方法によって形成されたブランク
から作製された成形体のフランジ部近傍の状態の例を示
す縦断面図である。
【図8】図7に示すフランジ部の平面図である。
【図9】従来のパンチを用いて打抜き絞り加工を行う初
期の状態を示す縦断面図であって、図9,は、打抜き
が終わる直前の状態を示す要部縦断面図、図9,は、
絞り加工が始まる直前の状態を示す要部縦断面図、図
9,は、絞り加工が更に進んだ状態を示す要部縦断面
図である。
【符号の説明】
1 ブランクパンチ(パンチ) 1a 主部 1b 切刃 1c 環状凹部 1d 曲率部(主部の端部) 1f 環状平面部(凹部の一部) 1g 台形部(凹部の一部) 2 接線 3 板材 3a ブランク 3x 外面有機被膜(有機被膜) 3z 金属層(基材) 11 ブランクパンチ(パンチ) 11a 主部 11b 切刃 11c 切刃近傍周辺部 12 接線 102 ブランクダイ(ダイ) 115 シームレス缶体(成形体)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に有機被膜層を有する成
    形体を形成するために、基材の少なくとも片面に有機被
    膜層を形成された板材をパンチとダイの協同によりブラ
    ンクに打抜く方法において、少なくとも板材とパンチが
    接触して打抜きを始める時点において、パンチと接触す
    る上記有機被膜層と、パンチの切刃を通る、パンチ端面
    の切刃近傍周辺部の接線とのなす角度が、3〜60度に
    なるようにして打抜くことを特徴とするブランクの打抜
    き方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも片面に有機被膜層を有する成
    形体を形成するために、基材の少なくとも片面に有機被
    膜層を形成された板材をダイとの協同によりブランクに
    打抜くためのパンチにおいて、パンチの端面が、切刃よ
    りも突出した平坦な主部と、切刃と主部の間の環状凹部
    とよりなっていて、切刃と主部の端部とを結ぶ直線と、
    切刃を通る凹部の接線とのなす角度θが3〜60度であ
    ることを特徴とするブランクの打抜きパンチ。
  3. 【請求項3】 少なくとも片面に有機被膜層を有する成
    形体を形成するために、基材の少なくとも片面に有機被
    膜層を形成された板材をダイとの協同によりブランクに
    打抜くためのパンチにおいて、パンチの端面が、切刃よ
    りも凹んで位置する平坦な主部と、切刃と主部を接続す
    る切刃近傍周辺部とよりなり、切刃を通る仮想平面と、
    切刃を通る切刃周辺近傍部の接線とのなす角度μが3〜
    60度であることを特徴とするブランクの打抜きパン
    チ。
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