JP3202526B2 - 金属板のプレス加工装置 - Google Patents

金属板のプレス加工装置

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JP3202526B2 JP07627495A JP7627495A JP3202526B2 JP 3202526 B2 JP3202526 B2 JP 3202526B2 JP 07627495 A JP07627495 A JP 07627495A JP 7627495 A JP7627495 A JP 7627495A JP 3202526 B2 JP3202526 B2 JP 3202526B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属板に曲げ加工又は
バーリング加工を行なうプレス加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プレス加工装置において金属
板に曲げ加工又はバーリング加工を行なう場合には、金
型の上下型の間に金属板を挾み、その上下型から食出し
た金属板の食出し部をパンチで上方より押圧することに
より、当該食出し部を下方に折り曲げている。
【0003】例えば、図10に示す従来のバーリング加
工においては、金属板1に穴2を設けておき、その穴2
の周りを支持するように金属板1をダイ3とストリッパ
4との間に挾み込み、該穴2を押し拡げるように穴2の
上方からパンチ5を押圧して、ダイ3とストリッパ4か
ら食出した穴2の周縁部6を下方に曲げ込んでいる。
【0004】その際、パンチ5の先端は、穴2に滑らか
に進入するように、その周縁部の断面形状が曲線状に形
成されており、その曲率半径R0 は非常に大きくなって
いる。
【0005】そのため、曲げ込み加工時において、ダイ
3とストリッパ4から食出した食出し端6aは、図11
に示すように、常にパンチ5に接触した状態で、該パン
チ5表面と摩擦しながら下方に押圧される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のプレス加工は、
金属板1として塗装皮膜等が形成されていないものを用
いる場合には、問題なく処理可能であるが、少なくとも
一方面に塗装等の皮膜が形成された金属板(以下、既成
膜金属板という)を用いる場合には、いわゆるエナメル
ヘアが発生してしまう問題がある。
【0007】例えば、図12に示すような、金属の母材
7と、その両面に形成されたメッキ層8、8と、更に表
面側のメッキ層8上に設けられた塗膜層9とからなる4
層構造の既成膜金属板1に、バーリング加工や曲げ加工
を施す場合などに問題となる。このような既成膜金属板
1では、通常、表面である塗膜層9側からパンチ5を押
圧して、裏面側に穴2の周縁部6を曲げ込むため、食出
し端6aの表面に位置する塗膜層9の端部9aが、図1
1で述べたように、常にパンチ5に接触した状態で下方
に押圧される。そのため、塗膜層9の端部9aには、パ
ンチ5との摩擦によって、図12に示すような糸状に延
びるエナメルヘア100が形成され、これによる外観不
良のため商品化できないという問題がある。
【0008】以上のように、従来、既成膜金属板に曲げ
加工やバーリング加工を施すと、エナメルヘアが発生し
てしまうため、成膜されていない金属板に、先に曲げ加
工又はバーリング加工を施し、その後、粉体塗装等によ
って塗膜層を形成させなければならず、生産性等の点で
問題であった。
【0009】そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、既
成膜金属板を塗膜面側からパンチにより押圧する場合で
あっても、エナメルヘアを生じることなく、良好に曲げ
加工又はバーリング加工をすることができるプレス加工
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の金属
板のプレス加工装置は、金属板において折り曲げの対象
となる折曲部をその一方面側からパンチの先端によって
押圧して他方面側に折り曲げるプレス加工装置におい
て、前記パンチの先端の縁部の形状が、該パンチの押圧
方向の断面において曲線状となるように形成されてお
り、前記曲線状の縁部が、前記折曲部の前記一方面と平
行となるような接線を構成する接点を有し、前記接点
が、前記パンチによる押圧開始時において、前記折曲部
と接触するように、前記折曲部を前記パンチに対して配
するものである。
【0011】請求項2の金属板のプレス加工装置は、金
属板が略楕円形状の穴を有し、該穴が直線又は曲率の小
さいストレート領域とその両端に位置してより曲率の大
きいコーナー領域とよりなり、この金属板に対して、そ
の一方面側から該穴の周縁部である折曲部をパンチによ
って押圧して他方面側に曲げるバーリング加工を行なう
プレス加工装置において、前記パンチの先端面が、前記
穴の前記ストレート領域を押圧するストレート部と、前
記穴の前記コーナー領域を押圧するコーナー部とよりな
る略楕円形状に形成され、前記ストレート部が、前記コ
ーナー部よりも隆起しており、前記パンチの先端の周縁
部が、該パンチの押圧方向断面において曲線状となるよ
うに形成されており、前記曲線状の周縁部が、前記穴の
前記折曲部の前記一方面と平行となるような接線を構成
する接点を有し、前記接点が、前記パンチによる押圧開
始時において、前記折曲部と接触するように、前記穴を
前記パンチに対して配するものである。
【0012】請求項3の金属板のプレス加工装置は、請
求項2のものにおいて、前記金属板が前記パンチの押圧
方向に垂直に配される主部と該主部から傾斜した傾斜部
とよりなり、前記主部と前記傾斜部にはそれぞれ穴が設
けられており、この金属板の前記穴に対してバーリング
加工を行なうプレス加工装置であって、前記パンチに
は、前記主部に設けられた前記穴にバーリング加工を行
なう主部用パンチと、前記傾斜部に設けられた前記穴に
バーリング加工を行なう傾斜部用パンチとがあり、前記
主部用パンチの先端面が前記主部と平行に、前記傾斜部
用パンチの先端面が前記傾斜部と平行に形成されている
ものである。
【0013】請求項4の金属板のプレス加工装置は、請
求項1又は2のものにおいて、前記パンチの先端面に逃
し穴が設けられており、前記パンチの押圧開始時におい
て、前記折曲部の先端が前記パンチの逃し穴の領域に位
置しているものである。
【0014】
【作用】請求項1の金属板のプレス加工装置では、パン
チを押圧方向に前進させると、パンチ先端の曲線状の縁
部が、金属板の折曲部をその一方面側から押圧して他方
面側に折り曲げる。その押圧開始時において、縁部のう
ち金属板の折曲部と接触するのは、その折曲部と平行と
なるような接線を構成する接点である。そして、さらに
パンチを押圧方向に前進させると、パンチと折曲部との
接触点は、パンチ縁部の曲面に沿って、折曲部の根元に
向って移動する。そのため、折曲部の先端は、パンチの
先端よりも押圧方向前方に位置して、パンチとは非接触
の状態となる。
【0015】請求項2の金属板のプレス加工装置では、
パンチを押圧方向に前進させると、パンチ先端の曲線状
の周縁部が、穴の折曲部をその一方面側から押圧して他
方面側に折り曲げて、その穴を押し拡げるバーリング加
工を行なう。その際、折曲部は、請求項1の場合と同様
に、押圧開始時よりさらに押圧されたとき、折曲部の先
端がパンチとは非接触の状態となる。これに加えて、こ
の装置では、パンチの先端面のストレート部がコーナー
部よりも隆起しているので、ストレート部は、コーナー
部よりも折曲部をより深く曲げ込む。
【0016】請求項3の金属板のプレス加工装置では、
主部と傾斜部にそれぞれ穴が設けられた金属板に対し
て、主部用パンチと傾斜部用パンチが、それぞれの折曲
部に平行な面を有して、それらを押圧するので、一度の
プレスで主部のみならず傾斜部のバーリング加工をも行
なうことができる。
【0017】請求項4の金属板のプレス加工用パンチで
は、パンチが金属板を押圧し始めたとき、折曲部の先端
が、パンチ先端に設けられた逃し穴の領域まで達してい
るので、曲げ加工又はバーリング加工時において、前記
折曲部の先端がパンチに全く接触しない。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0019】図1には、冷蔵庫の機械室を覆うカバーで
ある背面グリル10が示されている。本実施例では、こ
の背面グリル10を製造する場合を例に挙げて、その際
に行なうバーリング加工について説明する。
【0020】まず、この背面グリル10の構成及び製造
方法について説明する。
【0021】この背面グリル10は、図12で上述し
た、表面に塗膜層9が形成された4層構造の既成膜金属
板1である鋼板(以下、実施例においてこの鋼板をカラ
ー鋼板1という)よりなる。この背面グリル10は、表
面側に隆起したトレー状に形成されており、中央におけ
る隆起した主部(この実施例では水平部12)とこの水
平部12から外方に傾斜する傾斜部14と傾斜部14の
外方の水平な外周部16とよりなる。そして、水平部1
2と傾斜部14とには、多数の長穴18…、20…が並
設されており、各長穴18…、20…の周縁部がカラー
鋼板1の裏面側に曲げ込まれている。
【0022】この背面グリル10を製造するには、ま
ず、平らなカラー鋼板1に絞り加工を施して、塗膜層9
側に隆起するトレー状に成形する。このトレー状のカラ
ー鋼板1に塗膜層9側から打ち抜き加工を施して、長穴
18…、20…を形成する。そして、長穴18…、20
…の切断面によるケガを防止するために、各長穴18
…、20…の周縁部を裏面側に曲げ込むバーリング加工
を施す。
【0023】以下、このバーリング加工について詳細に
説明する。
【0024】まず、バーリング加工の対象となる打ち抜
き加工後の長穴18、20の形状について説明する。
【0025】水平部12に設けられた長穴18は、図2
に示すように、その長手方向に平行に延びるストレート
領域22、22と、長手方向の両端に位置する半円弧状
のコーナー領域24、24とよりなる細長い略楕円形状
を有する。ここで、長穴18を取囲む点線26は、バー
リング加工を行なう際の曲げ線であるバーリング線を示
したものであり、このバーリング線26の内側に位置す
る長穴18の周縁部が、バーリング加工によって折り曲
げられる折曲部28となる。この折曲部28の幅、即
ち、バーリング線26から折曲部28の先端28aまで
の距離をLとすると、ここではL=3mmとなってい
る。なお、このバーリング加工前の長穴18の寸法は、
40mm×6.5mmである。傾斜部14に設けられた
長穴20も同一の形状を有する。
【0026】次に、この長穴18、20にバーリング加
工を施すプレス加工装置32の構成について説明する。
【0027】図3は、バーリング加工を施している状態
を示すプレス加工装置32の要部断面図であり、カラー
鋼板1の断面が図1におけるA−A線と一致している。
【0028】このプレス金型32は、トレー状のカラー
鋼板1を上下よりそれぞれ支持するストリッパ34及び
ダイ36と、各長穴18、20の折曲部28を下方に押
圧するパンチ38とよりなる。
【0029】カラー鋼板1の裏面に当接するダイ36に
は、各長穴18、20に対応するように複数の凹部37
が鉛直に設けられており、この凹部37の側壁の上端が
各長穴18、20のバーリング線26と一致している。
【0030】カラー鋼板1の表面に当接するストリッパ
34には、ダイ36の凹部37と同一の横断面を有する
鉛直な空間部35が、凹部37と同様に各長穴18、2
0に対応して複数設けられている。このストリッパ34
は、パンチ38と連動して上下動するようなされてい
る。
【0031】パンチ38は、ストリッパ34の各空間部
35内で上下動するよう配されており、背面グリル10
の水平部12の長穴18の上方に配されたものは、その
先端面が水平であり、傾斜部16の長穴20の上方に配
されたものは、その先端面が当該傾斜部16の傾斜と同
様に傾斜している。
【0032】この先端面が水平なパンチ38の先端部の
形状について説明する。
【0033】図4は、このパンチ38の先端部を示す図
であり、(a)はその先端面を示す底面図、(b)は
(a)におけるA−A線断面図、(c)は(a)におけ
るB−B線断面図である。
【0034】図4(a)に示すように、パンチ38の先
端面は、長穴18と同様に、細長い略楕円形状に形成さ
れており、ストレート部40と、その両端の半円形状の
コーナー部42、42とよりなる。そして、図4
(a)、(b)に示すように、そのストレート部40の
図4(b)における両端を除く部分が、コーナー部4
2、42よりもM=1mmだけ隆起するように凸状に形
成されており、この隆起した部分から両端のコーナー部
42、42へはなだらかに傾斜して形成されている。
【0035】また、図4(a)〜(c)に示すように、
パンチ38の先端部には、その全周縁において、曲率半
径R=0.5mmで面取りされて曲面部44が形成され
ている。この曲面部44とその内側の平面部46との境
界線45は、パンチ38と同様の略楕円形になってい
る。
【0036】図5は、バーリング加工時におけるプレス
金型32の要部断面図であり、パンチ38を図4(a)
のB−B線で切断しているものである。この図5に示す
ように、パンチ38の曲率半径Rは、長穴18の折曲部
28の幅Lよりも小さく、折曲部の先端28aは、パン
チ38の先端の曲面部44の内側に位置する平面部46
に当接している。すなわち、パンチ38の曲面部44
は、その押圧方向断面において、折曲部28と平行とな
るような接線を構成する接点(即ち、ここでは境界線4
5と図5の紙面との交点が相当する)を有し、この接点
が、パンチ38の押圧開始時において、折曲部28に、
その先端28aよりもバーリング線26よりで接触する
ようになっている。この接点についてより詳細に説明す
ると、該接点は、パンチ38の押圧方向断面において、
曲面部44に接する接線xが折曲部28の上面と平行と
なる(図5では折曲部28の上面と一致する)ときの、
その接線x0 の曲面部44との接点をいう。
【0037】なお、パンチ38の側壁とダイ36の側壁
との隙間、即ち、それらの水平方向における距離Nは、
カラー鋼板1の厚みと同等かそれ以上となるように、パ
ンチ38の断面の大きさが設定されている。
【0038】先端面が傾斜したパンチ38の先端部も、
上記の先端が水平なパンチ38と同様の構成を有する。
ただし、この場合、先端部の傾斜方向の上下端にコーナ
ー部が傾斜して配されており、その間で同じく傾斜して
いるストレート部が前記コーナー部よりも傾斜面に垂直
な方向にMだけ隆起している点が上記の水平なパンチ3
8とは異なる。
【0039】次に、このプレス加工装置32によりカラ
ー鋼板1に対してバーリング加工する方法及びそのとき
のパンチ38の動作状態について説明する。
【0040】このバーリング加工は、ダイ36上にカラ
ー鋼板1をその表面の塗膜層9が上方に向くように載置
し、ストリッパ34を降下させてカラー鋼板1を支持す
るとともに、パンチ38…を降下させて、一度に全ての
長穴18…、20…の折曲部28を下方に曲げ込むこと
により行う。
【0041】先端面が水平なパンチ38のストレート部
40における、長穴18の折曲部28に対する動作状態
について、図5〜7を参照して説明する。
【0042】図5に示すように、上方から降下してきた
パンチ38がカラー鋼板1に接触したとき、パンチ38
の先端面の境界線45が折曲部28にその先端28aよ
りもバーリング線26よりで接触するため、長穴18の
折曲部28はパンチ38の平面部46と接触し、その先
端28aも平面部46と接触する。
【0043】図5の状態から、さらにパンチ38を降下
させると、図6に示すように、折曲部28は、パンチ3
8により下方に押圧されて曲り始める。その際、折曲部
28とパンチ38との接触点は、パンチ38においては
曲面部44に沿って上方に、折曲部28においては折曲
部28の固定端(バーリング線26)側に移動する。そ
して、折曲部先端28aは、パンチ38の平面部46か
ら離れて下方に移動し、パンチ38とは非接触状態とな
る。
【0044】パンチ38は、図7に示すように、そのス
トレート部40において、ダイ36とストリッパ34と
の間に挾まれているカラー鋼板1の水平な部分とこの折
曲部28とのなす角度αが、70°〜80°となるまで
降下させる。
【0045】以上、パンチ38のストレート部40にお
ける動作状態について説明したが、コーナー部42にお
いても同様に、曲げ当初のみ折曲部の先端28aにパン
チ38が接触し、その後は非接触状態となる。
【0046】以上の動作状態は、先端面が傾斜したパン
チ38においても同様である。
【0047】以上のようにしてバーリング加工した後の
長穴18は、図8に示すように、長穴18の折曲部28
が、バーリング線26に沿って裏面側に曲げ込まれてい
る。そして、そのストレート領域22においては、図8
(b)に示すように、折曲部28がα=70°〜80°
傾斜しており、一方、コーナー領域24、24において
は、図8(c)に示すように、折曲部28がβ=30°
〜45°傾斜している。なお、ここで、βとは、コーナ
ー領域24、24における、バーリング線26より外側
のカラー鋼板1と折曲部28とのなす角度である。な
お、傾斜部14の長穴20も同様に曲げ込まれる。
【0048】本実施例のプレス加工装置32であると、
折曲部先端28aは、押圧開始時のみパンチ38と接触
し、その後のパンチ38が折曲部28を下方に押圧して
いる段階では、非接触となる。そのため、折曲部先端2
8aとパンチ38との摩擦に起因するエナメルヘアーの
発生を防ぐことができる。
【0049】また、パンチ38が、ストレート部40と
その両端のコーナー部42、42とでMだけ隆起した凸
状に形成されているので、コーナー領域24、24では
ストレート領域22、22に比べて折曲部28の傾斜角
が浅い。そのため、バーリング加工時において、大きく
引き延ばされてしまうコーナー領域24、24の延びを
押さえることができ、よって、カラー鋼板1が大きく引
き延ばされることによって生じる塗膜割れを防ぐことが
できる。すなわち、長穴18、20のストレート領域2
2、22においては、傾斜角が深くても折曲部28が大
きく引き延ばされることがないので、傾斜角を深くと
り、コーナー領域24、24においては、傾斜角を浅く
して、塗膜割れを防いでいる。そのため、バーリング加
工後の長穴18、20の開口面積を大きく維持しつつ、
塗膜割れを防止することができる。
【0050】次に、本発明の他の実施例について、図9
を参照して説明する。
【0051】この実施例では、折曲部28を押圧するパ
ンチ50の先端面に逃し穴52が設けられている点が上
述した実施例におけるパンチ38とは異なる。この逃し
穴52は、図9(a)に示すように、パンチ50先端部
の全周縁に沿って形成された曲面部44の内側に設けら
れた凹部であり、パンチ50の断面形状と同様の細長い
略楕円形状に形成されている。
【0052】このパンチ50では、図9(b)に示すよ
うに、カラー鋼板1の曲げ始めの段階において、逃し穴
52を取囲む先端面の平らな凸部54が、カラー鋼板1
の折曲部28と接触する。そして、そのとき、ダイ36
の側壁から凸部54の先端面の内縁までの距離Kが、折
曲部28の幅Lよりも短くなるように、逃し穴52が形
成されている。これにより、カラー鋼板1の折曲部先端
28aは、曲げ始めの段階でもパンチ50と接触せず、
よって、バーリング加工中パンチ50と全く接触するこ
とがない。そのため、エナメルヘアーの発生防止の点で
より優れる。
【0053】なお、以上において、長穴18、20のス
トレート領域22は、必ずしも上述した直線状に打ち抜
かれたものでなくてもよく、コーナー領域24と比較し
て曲率が十分小さければ、多少湾曲していてもよい。
【0054】また、以上では、冷蔵庫の背面グリル10
の長穴18、20をバーリング加工する場合について説
明したが、本発明はこれに限定されることなく、種々の
曲げ加工又はバーリング加工に適用可能である。
【0055】
【発明の効果】請求項1の金属板のプレス加工用パンチ
であると、折曲部先端は、少なくとも曲がり始めたとき
には、パンチと非接触となるので、既成膜金属板の塗膜
面側からパンチで押圧する場合であっても、折曲部先端
においてエナメルヘアーを生じることなく、良好に曲げ
加工又はバーリング加工を行なうことができる。
【0056】請求項2のプレス加工用パンチであると、
さらに、パンチ先端面のストレート部がコーナー部より
も折曲部をより深く曲げ込むので、引き延ばされやすい
コーナー領域の曲げ込み角度を、ストレート領域の曲げ
込み角度よりも浅くすることができる。よって、穴のコ
ーナー領域での塗膜の伸びに起因する塗膜割れを防止す
ることができるとともに、ストレート領域の曲げ込み角
度を深くしてバーリング加工後の穴の開口面積を大きく
確保することができる。
【0057】請求項3のプレス加工用パンチであると、
主部と傾斜部にそれぞれ穴が設けられた金属板に対し
て、一度のプレスで主部と傾斜部のバーリング加工を行
なうことができる。
【0058】請求項4のプレス加工用パンチであると、
曲げ加工又はバーリング加工時において、折曲部の先端
がパンチと全く接触しないので、エナメルヘアーの防止
効果がより優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷蔵庫の背面グリル10の斜視図である。
【図2】背面グリル10の長穴18の平面図である。
【図3】本発明の一実施例に係るプレス加工装置32の
要部断面図である。
【図4】実施例におけるパンチ38先端部の図であり、
(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面
図、(c)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図5】実施例のバーリング加工時におけるパンチ38
先端部の要部断面図である。
【図6】実施例のバーリング加工時におけるパンチ38
先端部の要部断面図である。
【図7】実施例のバーリング加工時におけるパンチ38
先端部の要部断面図である。
【図8】実施例におけるバーリング加工後の長穴18の
図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるB
−B線断面図、(c)は(a)におけるA−A線断面図
である。
【図9】本発明の他の実施例におけるパンチ50先端部
の図であり、(a)は要部欠載斜視図、(b)は(a)
のA−A線断面におけるバーリング加工時の要部断面図
である。
【図10】従来のパンチ5のバーリング加工時における
要部断面図である。
【図11】従来のパンチ5のバーリング加工時における
要部断面図である。
【図12】エナメルヘアー100を説明するための既成
膜金属板1の要部欠載斜視図である。
【符号の説明】
1……カラー鋼板 9……塗膜層 10……背面グリル 12……背面グリル10の水平部 14……背面グリル10の傾斜部 18……水平部12に設けられた長穴 20……傾斜部14に設けられた長穴 22……長穴18、20のストレート領域 24……長穴18、20のコーナー領域 28……折曲部 28a……折曲部28の先端 34……ストリッパ 36……ダイ 38、50……パンチ 40……パンチ38、50のストレート部 42……パンチ38、50のコーナー部 44……曲面部 45……境界線 52……逃し穴 R……曲面部44の曲率半径 L……折曲部28の幅

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板において折り曲げの対象となる折曲
    部をその一方面側からパンチの先端によって押圧して他
    方面側に折り曲げるプレス加工装置において、 前記パンチの先端の縁部の形状が、該パンチの押圧方向
    の断面において曲線状となるように形成されており、 前記曲線状の縁部が、前記折曲部の前記一方面と平行と
    なるような接線を構成する接点を有し、 前記接点が、前記パンチによる押圧開始時において、前
    記折曲部と接触するように、前記折曲部を前記パンチに
    対して配し、 これにより、前記パンチを更に押圧方向に前進させたと
    きに、前記折曲部の先端が、前記パンチの先端よりも押
    圧方向前方に位置してパンチとは非接触の状態となる
    とを特徴とする金属板のプレス加工装置。
  2. 【請求項2】金属板が略楕円形状の穴を有し、該穴が直
    線又は曲率の小さいストレート領域とその両端に位置し
    てより曲率の大きいコーナー領域とよりなり、この金属
    板に対して、その一方面側から該穴の周縁部である折曲
    部をパンチによって押圧して他方面側に曲げるバーリン
    グ加工を行なうプレス加工装置において、 前記パンチの先端面が、前記穴の前記ストレート領域を
    押圧するストレート部と、前記穴の前記コーナー領域を
    押圧するコーナー部とよりなる略楕円形状に形成され、
    前記ストレート部が、前記コーナー部よりも隆起してお
    り、 前記パンチの先端の周縁部が、該パンチの押圧方向断面
    において曲線状となるように形成されており、 前記曲線状の周縁部が、前記穴の前記折曲部の前記一方
    面と平行となるような接線を構成する接点を有し、 前記接点が、前記パンチによる押圧開始時において、前
    記折曲部と接触するように、前記穴を前記パンチに対し
    て配し、 これにより、前記パンチを更に押圧方向に前進させたと
    きに、前記折曲部の先 端が、前記パンチの先端よりも押
    圧方向前方に位置してパンチとは非接触の状態となる
    とを特徴とする金属板のプレス加工装置。
  3. 【請求項3】前記金属板が前記パンチの押圧方向に垂直
    に配される主部と該主部から傾斜した傾斜部とよりな
    り、前記主部と前記傾斜部にはそれぞれ穴が設けられて
    おり、この金属板の前記穴に対してバーリング加工を行
    なうプレス加工装置であって、 前記パンチには、前記主部に設けられた前記穴にバーリ
    ング加工を行なう主部用パンチと、前記傾斜部に設けら
    れた前記穴にバーリング加工を行なう傾斜部用パンチと
    があり、 前記主部用パンチの先端面が前記主部と平行に、前記傾
    斜部用パンチの先端面が前記傾斜部と平行に形成されて
    いることを特徴とする請求項2に記載の金属板のプレス
    加工装置。
  4. 【請求項4】前記パンチの先端面に逃し穴が設けられて
    おり、 前記パンチの押圧開始時において、前記折曲部の先端が
    前記パンチの逃し穴の領域に位置していることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の金属板のプレス加工装置。
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