JP3666275B2 - ブランクの打抜き、絞り成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形体を形成するために、板材よりブランクを打抜き、絞り成形する方法に関し、詳しくは有機被膜層を有するブランクから、絞り成形缶、再絞り成形缶、再絞りーしごき成形缶、缶蓋等の成形体を形成するために、基材の少なくとも片面に有機被膜層を形成された板材よりブランクを打抜き、絞り成形を行うブランクの打抜き、絞り成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭酸飲料缶、ジュース缶、コーヒ飲料缶あるいはゼリー等の固形食品缶等の食品缶詰等に用いられる、絞り成形缶(例えば特公昭60−11576号公報参照)、薄肉化再絞り成形缶(例えば特開平3−155419号公報、特開平4−324826号公報参照)、薄肉化再絞りーしごき成形缶(例えば特開平7−275961号公報参照)等のシームレス缶、および缶蓋(例えば特公平3−58814号公報参照)等を形成する場合に、金属層の少なくとも片面(通常は両面)に有機被膜層を形成された板材よりパンチとダイの協同によりブランクを打抜き、直ちに同じ工程で絞り加工を行って、絞り成形体を形成してから、次工程でシームレス缶体や缶蓋を形成する方法が採用されている。
【0003】
このようにして形成されたシームレス缶体や缶蓋の端縁(シームレス缶体の場合はフランジ部の端縁、缶蓋の場合はカール部の端縁)に、毛髪状の有機被膜片(以下有機被膜ヘアとよぶ:通常長さが約10mm以上)が多数発生し易い(特開昭58−16848号公報参照)。この有機被膜ヘアは端縁から剥離し、缶内面に付着残留して、内容物を充填密封して缶詰となった後、異物として発見された時、無害ではあるが、不衛生物として疑われて苦情の対象となり易い。そのため全数検査により有機被膜ヘアが発見された缶はリジェクトしている。従って製品歩留まりが低下するという問題を生ずる。なお缶蓋の有機被膜ヘアは、密封の際に缶内に入るおそれがある。
【0004】
本発明者は、有機被膜ヘアの発生原因について種々研究した結果、原因はおよそ次のようなものであるという知見を得た。この知見を薄肉化再絞りーしごき成形缶を製造する場合の例について以下に説明する。
従来薄肉化再絞りーしごき成形缶を製造するための絞り成形体は、例えば図6に示すような打抜き絞り成形機100によって次のようにして形成されていた。
【0005】
板材の打抜きが終了した直後の状態を示す図6、▲1▼において、101は、中空円筒形状のブランクパンチであって、絞りダイを兼ねており、中央の孔部101cはダイキャビティとなり、固定ロウアープレート111に固設されている。ブランクパンチ101の上面101aは全面が平坦であり、切刃101bは断面直角である。102は環状のブランクダイであって上下動可能のアッパープレート110に固着されている。
103は板材であって、金属層103zが、外面有機被膜層103xおよび内面有機被膜層103y(図7参照)によって,接着剤により、もしくは熱接着により接着被覆されてなっている。金属層103zはティンフリースチールよりなり、外面有機被膜層103xは白色顔料入りポリエチレンテレフタレート系プラスチックフィルム、内面有機被膜層103yは透明ポリエチレンテレフタレート系プラスチックフィルムよりなっている。
104はストリッパーリングであって、ばね105(通常、コイルばねまたは空気ばね)を介してロウアープレート111に着設されている。打抜かれる前は、ばね105が伸びきって、ストリッパーリング104の上面がブランクパンチ101の上面101aより僅かに高い位置(図6,▲2▼参照)にあり、ブランクダイ102の下面はストリッパーリング104より離れて若干上方に位置している。板材103は、打抜かれた後、ブランク103aと抜きかす103bになる。
【0006】
106は上下動可能の絞りパンチである。107は、ブランクパンチ101に対向する位置に配設されたしわ押えリングであって、アッパープレート110に着設されたエアシリンダー109およびピストン108を介して絞り加工時にブランク103aを押圧する。打抜かれたブランク103aは、周辺部をしわ押えリング107による押圧下に、絞りパンチ106の降下と共に、ブランクパンチ101の上面101aに沿って周辺部が半径方向内方に移動し、同時に中央部が絞りパンチ106によって押圧されて、常法により図6、▲2▼に示すように、ダイキャビティ101c内に入って絞り成形体112に形成される。
【0007】
絞り成形体112より薄肉化再絞りーしごき加工法によって形成されたシームレス缶体115のフランジ部116の端縁下部には、図7、図8に示すように多数の白い有機被膜ヘア117が発生し易い。
その理由は次のように考えられる。
図9、▲1▼は、ブランクダイ102が降下して、板材103よりブランク103aが打抜かれる直前の状態を示すものである。切刃102aが断面直角であるブランクダイ102が、図9,▲1▼の位置から僅かに降下すると、切断予定線120に沿って亀裂が生じて金属層103zの破断が起こる。
ブランクパンチ101の切刃101bが断面直角であり、かつ上面101aが一様に平坦であるため、ブランク103aのブランクパンチ101側の面にある外面有機被膜層103xおよび金属層103zのエッジは、図9、▲2▼に示すようにほぼ垂直に切断される。
その際、延性に富み、かつ比較的強靱な外面有機被膜層103xおよび内面有機被膜層103yは、引き延ばされて延びの限界に達し、それぞれブランク103aの端面下端に生ずるバリ113(図9、▲2▼)および抜きかす103bの端面上端に生ずるバリ(図示されない)の鋭い尖端によって破断し、この延びのため外面有機被膜層103xの端面近傍部の金属層103zとの密着性が低下、もしくは無くなるものと思われる。
【0008】
図9,▲2▼に示すように、切断直後にブランク103aはしわ押えリング107によって押圧される。絞りパンチ106の降下に伴って、ブランク103aの周辺部は、図9、▲3▼に示すように、しわ押えリング107による押圧下に半径方向内方に(矢印方向に)、直径およびフランジ部幅が次第に減少しながら移動する。この際に金属層103zとの密着性を失った外面有機被膜層103xの端面近傍部は、次第に厚くなろうとするがしわ押えリング107によって押え付けられているので、押潰されたバリ112の微少な隙間を通ってブランク103aの端面下端部より外方に伸び出て、毛髪状のはみ出し部121(有機被膜ヘア117の前身)が発達し、はみ出し部121は絞り成形体112の端面部112aに残る(図6、▲2▼でははみ出し部121の図示は省略した)。
この段階でのはみ出し部121の長さは比較的小さいが、次の再絞り加工の工程で、同様にフランジ部が押圧下に半径方向内方に移動するので、はみ出し部121は伸長して比較的長い、例えば長さが約10mm以上の有機被膜ヘア117に発達する。この有機被膜ヘア117が、後の製造工程で剥離、飛散して、シームレス缶内に入るものと思われる。シームレス缶体115は、次いで薄肉化再絞りーしごき加工後底部成形を行われ、次いでフランジ部116を含む開口端部を切断された後、外面印刷、ネックイン部成形、フランジ部成形加工されて、薄肉化再絞りーしごき成形缶となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シームレス缶体や缶蓋等に形成した後、有機被膜ヘアが端縁に発生し難い、有機被膜層を有する板材よりブランクを打抜き、上記ブランクを絞り成形するブランクの打抜き、絞り成形方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のブランクの打抜き、絞り成形方法は、
少なくとも片面に有機被膜層を有する成形体を絞り成形するために、基材の少なくとも片面に有機被膜層が形成された板材を、ブランクパンチとブランクダイの協働によりブランクに打抜き、絞り成形する方法において、少なくとも板材とブランクパンチが接触して打抜きを始める時点において、ブランクパンチと接触する上記有機被膜層と、ブランクパンチの切刃を通るブランクパンチ端面の切刃近傍周辺部の接線とのなす角度が3〜60度になるように打抜き、絞り成形を行うことを特徴とする。
【0011】
基材は通常金属板、例えばティンフリースチール、ぶりき及びアルミニュム(アルミニュム合金を含む)板又は箔であるが、可塑性のあるプラスチック板であってもよい。有機被膜を形成する有機物としては、熱可塑性プラスチックフィルム、例えばポリエチレンテレフタレート系フィルム等の熱可塑性ポリエステル系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエチレン系フィルム、あるいは塩化ビニール系塗料等の塗料等が例示される。
成形体としては、絞り成形缶、再絞り成形缶、再絞りーしごき成形缶、薄肉化再絞り成形缶、薄肉化再絞りーしごき成形缶等のシームレス缶、及びこれらを形成する途中の中間成形体(シームレス缶体)、ならびに缶蓋が例示される。
ダイが固定体であって、パンチが可動体であってもよく、逆にダイが可動体であり、パンチが固定体であってもよい。パンチは、絞りダイを兼ねていてもよい。 切刃近傍周辺部が断面直線の場合は、この直線が接線となる。
【0012】
少なくとも板材とパンチが接触して打抜きを始める時点において、パンチと接触する上記有機被膜層と、パンチの切刃を通る、パンチ端面の切刃近傍周辺部の接線とのなす角度が、3〜60度になるようにして打抜くので、打抜き初期に有機被膜層が切刃によって楔形状に打ち込まれて切断されてから基材の亀裂に基づく破断が起こる。従って打抜きの際に、打抜かれるべきブランクの周辺部の有機被膜層が引き延ばされて金属層から剥離することがない。
また金属層の有機被膜層に隣接する切断面はパンチの面から離れる方向に傾斜するので、絞り加工の際にパンチの平面主部で押圧されない(図3,▲3▼参照)。よって有機被膜ヘアが発達し難い。従って請求項1の方法で打抜かれたブランクより形成された成形体内に有機被膜ヘアが入るおそれがなく、製品歩留まりが向上する。
上記角度が3度より小さいと、有機被膜層が切刃と当たる角度の鋭さが小さくなるので、ブランクの周辺部の有機被膜層が引き延ばされてから切断されるため、有機被膜ヘアが発生し易い。上記角度が60度より大きいと、切刃が刃零れを生じ易くなったり、または板材の曲げ角が過大となり、後の成形に支障を生じて、打抜き機の故障が起こり易くなるので生産性が低下する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のブランクパンチ1によってブランクを打抜く直前の状態,すなわちブランクダイ102が僅かに下降して板材3の外部有機被膜層3xが、曲率部1dに接触した後板材3が曲げられて、切刃1bに接触し始めた瞬間の状態を示す図面である。
ブランクパンチ1の上面は、平坦で水平な主部1aと、切刃1bおよび主部1aと曲率部1dを介して接続する環状凹部1cよりなっている。環状凹部1cは、図1では断面弧状であるが、断面が複数の直線または曲線からなっていてもよい(図4参照)。
この状態における切刃1bと曲率部1dを結ぶ直線(図では外面有機被膜層3xの下面で示される)と、切刃1bを通る凹部1cの接線2とのなす角θが、3〜60度、好ましくは5〜30度になっている。パンチ1の側面1e(円筒形で垂下する)と接線2とのなす角αは、60〜100度、好ましくは70〜90度の範囲で、(90−θ)度より大きい。
これらの点を除いては、本発明を実施するのに用いられる打抜き絞り成形機の構造は、図6に示す成形機100と同様である。3yは内面有機被膜層であり、3zは金属層である。
図1の状態で、板材3は、ブランクダイ102の断面直角の切刃102aを起点として角度δすなわち(180−θーα)度だけ上方に折れ曲がっている。
【0017】
図2、▲1▼は、図1の切刃1bの近傍部を拡大して示したものである。図2,▲2▼は、ブランクダイ102の降下が更に極く僅かに進んで、切刃1bによる外面有機被膜層3xの切り込みが終わった状態を示す。上記角θが、3〜60度、好ましくは5〜30度であるので、外面有機被膜層3xが引き延ばされることなく、上記の切り込みは容易に行われる。
図2、▲3▼は、更にブランクダイ102の降下が僅かに進んで切刃1bが僅かに金属層3zに楔形状に喰い込んだ状態を示す。上記角θが3〜60度であるので、ブランク1の金属層3zの端面となるべき部分(図2,▲4▼の5)の近傍下面4は、ブランク3aとなるべき部分の下面に対して上方に向かって僅かに傾斜して傾斜部となっている。
この状態よりブランクダイ102の降下が更に極く僅かに進むと、図2,▲4▼に点線で示す切断予定線5に沿って亀裂が生じて板材3は打抜かれ、切断予定線5より右側の部分、すなわちブランクパンチ1の上の部分がブランク3aとなる。
【0018】
図3、▲1▼は、ブランク3aが形成された直後に、絞りパンチ106としわ押えリング107が降下して、ブランク3aがブランクパンチ1の平坦な主部1aとしわ押えリング107の間で押圧され始めた時の状態を示す。絞りパンチ106の降下に伴って、図3,▲2▼に示すように、ブランク3aは半径方向内方に,周辺の折れ曲り部分が減少しながら移動し、図3、▲3▼に示すように、切断端面6近傍の外面有機被膜層3xは主部1aに沿って押圧下に半径方向内方(矢印方向)に移動する。この場合、外面有機被膜層3xのブランク端面6近傍の部分は、金属層3zとの接着性を保っており、さらに傾斜部4が、絞りダイすなわちブランクパンチの上面主部1aから離れているので、有機被膜ヘア117が生じ難い。
【0019】
図4は、凹部が切刃1bから半径方向内方に断面直線状に延びる平坦な環状平面部1fおよび環状平面部1fの終端部から半径方向内方に斜め上方に曲率部1dまで延びる台形部1gよりなる点を除いては、図1に示すブランクパンチ1と同様なブランクパンチ1によって、ブランク3を打抜く直前の状態、すなわちブランクダイ102が僅かに下降して板材3の外部有機被膜層3xが切刃1bと接触し始めた瞬間の状態を示す図面である。この場合は、断面直線1fが、図1の接線2に対応する。すなわち切刃1bと曲率部1dを結ぶ直線と、断面直線1fとのなす角θが、3〜60度、好ましくは5〜30度になっている。またパンチ1の側面1eと断面直線1fとのなす角αは、60〜100度、好ましくは70〜90度の範囲で、(90−θ)度より大きい。
【0020】
図5は、本発明の他の形態のブランクパンチ11によって、ブランク3を打抜く直前の状態、すなわちブランクダイ102が僅かに下降して板材3の外部有機被膜層3xが切刃11bと接触し始めた瞬間の状態を示す図面である。ダイ11の上面は、断面弧状の切刃近傍周辺部11cと、切刃11bより凹んだ、切刃面(外面有機被膜層3xの下面)に平行な平坦な主部11aとよりなっている。主部11aと、切刃11bを通る切刃周辺近傍部11cの接線とのなす角度μが3〜60度、好ましくは5〜30度になっている。切刃11bから主部11aまでの深さhは、(外面有機被膜層3xの厚さ+約10〜500μm)であることが好ましい。
ブランクパンチ11を用いて図6に示すタイプの打抜き絞り成形機100を用いて、板材3を打抜き絞り成形を行う場合の作用は、ブランク3aとなるべき部分の周辺部が折れ曲がらない点を除いては、ブランクパンチ1を用いる場合とほぼ同様である。
【0021】
【実施例】
実施例1:板材3として、厚さ0.26mmのティンフリースチール(3z)の、絞り成形体112の外面側となるべき面に、厚さ17μmの白色顔料入りポリエチレンテレフタレート系フィルム(3x)を、内面側となるべき面に厚さ25μmの透明ポリエチレンテレフタレート系フィルム(3y)を熱接着により接着してなるラミネート鋼板を用いた。
ブランクパンチ1として、切刃1bの直径179mm、角αが72度、角θが28度、切刃1bから曲率部1dまでの水平方向距離が1.5mm、凹部1cの曲率半径が1.6mmの図1に示すタイプのものを用いた。ブランクパンチ1とブランクダイ102間のクリアランスは約30μmであった。
以上の板材3およびブランクパンチ1を用いて、図6に示すタイプの打抜き絞り成形機100を用いて、絞り比1.6で絞り成形体112を形成したが、有機被膜ヘア117の発生は皆無であった。
更に絞り成形体112に、二回の薄肉化再絞り成形を施し、直径66mm、高さ127mmのシームレス缶体115を形成したが、有機被膜ヘア117の発生は皆無であった。
【0022】
比較例1:切刃が断面直角である従来のブランクパンチ101を用いた点以外は、段落番号0021に記載の方法と同様にして絞り成形体112を形成した所、長さが約1〜15mmの多数の有機被膜ヘア117の発生がみられた。
【0023】
比較例2:ブランクパンチ1として、角αが30度、角θが65度、凹部1cの曲率半径が0.8mmであるものを用いた点以外は、段落番号0021に記載の方法と同様にして絞り成形体112を形成した所、有機被膜ヘア117の発生はみられなかったが、ほぼ30回の打抜きで、切刃1bが折損して、その後の打抜きが不可能になった。
【0024】
実施例2:ブランクパンチ1として、角αが90度、角θが10度、水平環状部1fの幅が0.7mm、切刃1bから曲率部1dまでの水平方向距離が1.5mmである、図4に示すタイプのパンチを用いた点以外は、実施例1に記載の方法と同様にして絞り成形体112を形成した。有機被膜ヘア117の発生は皆無であった。
更に絞り成形体112に、二回の薄肉化再絞り成形を施し、直径66mm、高さ127mmのシームレス缶体115を形成したが、有機被膜ヘア117の発生は皆無であった。
【0025】
【発明の効果】
請求項1に係わる発明の方法は、この方法により有機被膜層を有する板材よりブランクを打抜いた場合、シームレス缶体や缶蓋等の成形体に形成した後、有機被膜ヘアが端縁に発生し難く、かつ打抜き生産性が低下しないという効果を奏する。
さらに打抜き後の抜きかすの抜き出しの際に、金属粉の発生が少なく、そのため有機被膜の損傷による成形体の耐食性を低下が起こり難いというメリットを有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態のパンチを用いて、打抜きを開始する直前の状態を示す要部縦断面図である。
【図2】本発明の第1の形態のパンチを用いて、打抜きが行われる過程を示す要部縦断面図であって、図2,▲1▼は、図1の更に要部を示す図面であって、切刃が板材に接触し始めた状態を示す縦断面図、図2,▲2▼は、切刃が有機被膜層のみを切断した状態を示す要部縦断面図、図2,▲3▼は、切刃が金属層に食い込んだ状態を示す要部縦断面図、図2,▲4▼は、切刃が更に金属層に食い込んで、板材の打抜きが終了する直前の状態を示す要部縦断面図である。
【図3】図2に示す打抜きを終了直後に絞り加工を行う工程の初期における、ブランクの周辺部の状態を示す要部縦断面図であって、図3,▲1▼は、絞り加工を行う直前の状態を示す要部縦断面図、図3,▲2▼は、更に絞り加工が進んだ状態を示す要部縦断面図、図3,▲3▼は、更に絞り加工が進んで、ブランクの周辺部全体がパンチの平坦な主部に達した時点の状態を示す要部縦断面図である。
【図4】本発明の第2の形態のパンチを用いて、打抜きを開始する直前の状態を示す要部縦断面図である。
【図5】 本発明の第3の形態のパンチを用いて、打抜きを開始する直前の状態を示す要部縦断面図である。
【図6】従来の、および本発明の打抜きに用いられる、打抜き絞り成形機の例の概略縦断面図であって、図6、▲1▼は、打抜きが行われた直後の状態を示す縦断面図、図6、▲2▼は、絞り加工が終了した状態を示す縦断面図である。
【図7】従来の打抜き方法によって形成されたブランクから作製された成形体のフランジ部近傍の状態の例を示す縦断面図である。
【図8】図7に示すフランジ部の平面図である。
【図9】従来のパンチを用いて打抜き絞り加工を行う初期の状態を示す縦断面図であって、図9,▲1▼は、打抜きが終わる直前の状態を示す要部縦断面図、図9,▲2▼は、絞り加工が始まる直前の状態を示す要部縦断面図、図9,▲3▼は、絞り加工が更に進んだ状態を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 ブランクパンチ(パンチ)
1a 主部
1b 切刃
1c 環状凹部
1d 曲率部(主部の端部)
1f 環状平面部(凹部の一部)
1g 台形部(凹部の一部)
2 接線
3 板材
3a ブランク
3x 外面有機被膜(有機被膜)
3z 金属層(基材)
11 ブランクパンチ(パンチ)
11a 主部
11b 切刃
11c 切刃近傍周辺部
12 接線
102 ブランクダイ(ダイ)
115 シームレス缶体(成形体)
Claims (1)
- 少なくとも片面に有機被膜層を有する成形体を絞り成形するために、基材の少なくとも片面に有機被膜層が形成された板材を、ブランクパンチとブランクダイの協働によりブランクに打抜き、絞り成形する方法において、少なくとも板材とブランクパンチが接触して打抜きを始める時点において、ブランクパンチと接触する上記有機被膜層と、ブランクパンチの切刃を通るブランクパンチ端面の切刃近傍周辺部の接線とのなす角度が3〜60度になるように打抜き、絞り成形を行うことを特徴とするブランクの打抜き、絞り成形方法。
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