JP2000166494A - 冷凍麺の製造方法 - Google Patents

冷凍麺の製造方法

Info

Publication number
JP2000166494A
JP2000166494A JP10353033A JP35303398A JP2000166494A JP 2000166494 A JP2000166494 A JP 2000166494A JP 10353033 A JP10353033 A JP 10353033A JP 35303398 A JP35303398 A JP 35303398A JP 2000166494 A JP2000166494 A JP 2000166494A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noodle
mold
aqueous solution
noodles
frozen noodles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10353033A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3688917B2 (ja
Inventor
Masao Ueda
雅夫 上田
Tosaku Miyahara
東作 宮原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Food Products Co Ltd
Original Assignee
Nissin Food Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Food Products Co Ltd filed Critical Nissin Food Products Co Ltd
Priority to JP35303398A priority Critical patent/JP3688917B2/ja
Publication of JP2000166494A publication Critical patent/JP2000166494A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3688917B2 publication Critical patent/JP3688917B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Noodles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃付与装置、シャワー装置などの特別な装
置等を設けなくとも、凍結した麺塊を型枠から取り外す
ことを容易にし、また製造工程中の冷凍麺塊の破損を防
止して生産歩留まりを向上させ、さらに冷凍麺の優れた
食感食味を損なわない冷凍麺の製造方法の提供を目的と
するものである。 【解決手段】 麺線をα化するα化工程2、麺線を型枠
に充填する充填工程5、麺線を冷凍する冷凍工程6及び
冷凍した麺線を型枠から取り外す離型工程7を含む冷凍
麺の製造方法において、前記充填工程5前に、麺線に対
する浸潤性が低い低分子量物質(分子量400以下のア
ルコール、糖又は糖アルコール)を含む水溶液を麺線表
面または型枠に付着させる付着工程4を経るものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α化処理が施され
た、うどん、そば、中華麺、パスタなどの麺線を冷凍し
たものであり、解凍、調理して食する冷凍麺の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷凍麺を適当な一定の形状に成形するこ
とは、生産ラインにより連続的に冷凍麺を製造する生産
段階において、冷凍麺のコンベアによる移動、冷凍麺を
包装する工程、箱詰する工程等を円滑に進める上で不可
欠である。また、流通、消費段階においても、取り扱い
上好ましく又見た目にも良く、望ましいことである。か
かる観点から、冷凍麺は一般的に一定の形状に成形され
ている。
【0003】このように一定の形状を有する冷凍麺の製
造方法としては、従来、(イ)麺線(生)を茹で処理も
しくは蒸し処理等によりα化するα化工程、(ロ)α化
した麺線を適当な形状に成形された型枠に充填する充填
工程、(ハ)型枠に充填された状態で麺線を冷凍する冷
凍工程および(ニ)凍結して型枠の内部形状に成形され
た麺線群(以下、麺塊という)を型枠から取り外す離型
工程などの主工程を経ることによって所定形状の麺塊、
つまり冷凍麺を製造するものである。
【0004】しかし、上記従来の製造方法によれば、α
化工程で茹で処理、蒸し処理等が施された麺線をそのま
ま、または水洗して、充填工程で型枠に充填するため、
型枠内の麺線表面にはα化工程の茹で処理、蒸し処理等
に用いられる水が付着している。このように麺線表面に
水が介在する状態のまま型枠に充填すると、麺線と型枠
との接触面には水の層が形成される。この状態で冷凍工
程を経ると、水分が凍結し、麺線と型枠間に氷層が形成
される。かかる氷層によって麺塊が型枠に強く付着する
ため、離型工程において、麺塊の取り外しが容易にはで
きないという不都合がある。
【0005】この不都合を解決する手段としては、例え
ば (a)離型工程前に、麺塊の入った型枠の底板に繰り返
し衝撃力を付与する工程を設け、この衝撃力によって麺
塊と型枠とを剥離することで、麺塊を型枠から容易に取
り出す方法(特開平3−232469号公報参照) (b)麺塊の入った型枠を反転させた後、シャワー装置
によって型枠に上方から水を浴びせ、麺塊と型枠とを付
着させている氷層を解凍することで、麺塊の取り外しを
容易にする方法(特開平3−272659号公報参照)
などが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】冷凍麺の製造方法にお
ける、麺塊を型枠から容易に取り外す上述の方法には以
下に示す不都合がある。すなわち、 (1)上記(a)および(b)に記載の方法によれば、
確かに麺塊を型枠から取り外すことは可能であるが、
(a)に記載の方法には型枠に衝撃を付与する装置が必
要であり、(b)に記載の方法には型枠に水を浴びせる
シャワー装置が必要である。つまり、いずれの方法も、
麺塊を型枠から取り外すための特別な装置を必要とす
る。そのため、生産ラインが複雑化、大規模化してしま
う等の不都合がある。
【0007】(2)また、上記(a)に記載の方法によ
る場合は、型枠に付与した衝撃によって麺塊が壊れてし
まい、商品の歩留まりが低下するのみならず、破損して
発生した麺屑により製造ラインが汚染される等の不都合
が生じる。
【0008】(3)さらに、上記(b)に記載の方法に
よる場合は、型枠に浴びせた水の後処理等が必要となる
ので、既存の製造ラインに簡単に応用できない等の不都
合がある。
【0009】本発明はこれらの不都合に鑑みてなされた
ものであり、蒸し処理若しくは茹で処理等によりα化し
た麺線を型枠に充填し、該麺線を型枠に充填した状態で
冷凍し、その後、凍結した麺塊を型枠から取り外すこと
により一定形状を有する冷凍麺を製造する冷凍麺の製造
方法において、衝撃付与装置、シャワー装置などの特別
な装置等を設けなくとも、凍結した麺塊を型枠から取り
外すことを容易にし、また製造工程中の麺塊の破損を防
止して生産歩留まりを向上させ、さらに冷凍麺の優れた
食感・食味を損なわない冷凍麺の製造方法の提供を目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた発明は、麺線をα化するα化工程、麺線を型
枠に充填する充填工程、麺線を冷凍する冷凍工程及び冷
凍した麺線を型枠から取り外す離型工程を含む冷凍麺の
製造方法において、前記充填工程前に、麺線に対する浸
潤性が低い低分子量物質を含む水溶液を麺線表面または
型枠に付着させる付着工程を経ることを手段とする(請
求項1)。
【0011】この手段によれば、充填工程前に施される
付着工程によって、麺線表面または型枠に上記水溶液を
付着させることができる。この水溶液は麺線に対する浸
潤性が低い低分子量物質が溶解しているため、付着工程
を経た麺線の表面には当該水溶液が浸潤せずに存在す
る。よって、充填工程で充填された麺線と型枠との接触
面にはこの水溶液の層が形成される。一方、当該水溶液
は、上記低分子量物質が溶解しているために凝固点降下
が効果的に生じ、上記冷凍工程においても凝固しない
か、あるいは凝固の度合いが低い。そのため、型枠と麺
線との間の水溶液の層は、冷凍工程を経た後も強固な氷
層を形成せず、その結果、離型工程において型枠から麺
線を容易に取り出すことができる。従って、麺塊を型枠
から取り外す際に、従来の製造方法のような強い衝撃力
を加えたり水を噴射したりする必要がなく、例えば、型
枠を反転させ軽く振動させるだけで、麺塊を型枠から取
り外すことができる。その結果、製造工程中の冷凍麺塊
の破損を防止し、生産歩留まりを向上できる。
【0012】上記浸潤性が低い低分子量物質としては、
麺線中に浸潤しにくく麺線表面に存在し、かつ、水に溶
解して凝固点降下を起こす物質でなければならず、さら
に冷凍麺の食感・食味を損なうことがないものでなけれ
ばならない。この点を考慮すると、分子量400以下の
アルコール、糖及び糖アルコールからなる群より選択さ
れる1種又は2種以上のものを用いるとよい(請求項
2)。また、これらの物質の水溶液を付着させると、麺
の食感を向上させる作用もある。
【0013】上記水溶液の濃度は、5重量%以上30重
量%以下の範囲が好適である(請求項3)。なぜなら
ば、水溶液の濃度が上記範囲未満であると上述の型枠か
らの麺塊の取り出しを容易にする作用が不十分であり、
一方、上記範囲を超えると食感がゴツゴツしたものとな
るからである。
【0014】上記被覆工程における水溶液の付着処理方
法としては、水溶液に麺線若しくは型枠を浸漬する方法
又は麺線若しくは型枠に水溶液を噴霧する方法を用いる
とよい(請求項4)。この手段によれば、上記水溶液を
麺線若しくは型枠の表面全体に均一に付着させることが
できる。そのため、上述の型枠からの麺塊の取り出しを
容易にする作用が有効に発揮できる。
【0015】上記付着工程は麺線若しくは型枠の表面に
水溶液を付着させるだけでよいことを考慮すると、その
処理時間は1分以内でよい(請求項5)。
【0016】なお、本明細書に記載の「分子量」とは、
繰り返し数が特定できない高分子化合物などの場合は液
体クロマトグラフィー法による分子量分布から算出した
平均分子量を意味し、それ以外のNaClのような無機イオ
ン結晶物質および糖、糖アルコールなどの有機物の場合
は化学式量を意味する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しつつ本発
明の実施の形態を詳説するが、この実施形態の記載に基
づいて本発明が限定的に解釈されるべきものではないこ
とはもちろんである。図1は本発明の一実施形態に係る
冷凍麺の製造方法を説明する工程図である。当該冷凍麺
の製造方法は、図1に示すように、主工程として、麺線
製造工程1、α化工程2、水冷工程3、付着工程4、充
填工程5、冷凍工程6、離型工程7および包装工程8を
有し、前記付着工程4を除けば普通に用いられている冷
凍麺の製造方法と同様である。以下、各工程ごとに説明
する。
【0018】麺線製造工程1は生の麺線を製造する工程
であり、具体的には、小麦粉等の穀粉に、食塩、かん
水、増粘類、グルテン等の麺質改良剤、その他の副原料
を添加し、これに水を添加して混練する工程、混練した
麺生地を生麺線に成形する工程などの細部工程からな
る。この生麺線に成形する工程は、麺生地をシート状に
圧延し、これをカッターで線状に切断する方法や、麺生
地から直接線状に押し出す方法などがある。この生麺線
の種類は、特に限定されるものではなく、例えば蕎麦、
うどん、中華麺、スパゲッティ、マカロニなど、いずれ
の麺類でも可能である。なお、当該麺線製造工程1で製
造された生麺線は1食分に分けられ、1食分ごとにコン
ベアに連結された網状のバケットに充填され、コンベア
によって後述するα化工程2や水冷工程3などの各工程
に搬送される。なお、一食分に分ける操作は、α化工程
2や水冷工程3の後に行ってもよい。
【0019】α化工程2は、茹で処理や蒸し処理などを
単独で、または複数組み合わせて行い、上記麺線製造工
程1で製造された生麺線をα化させる工程である。
【0020】水冷工程3は、α化した麺線を水冷する工
程であり、例えば冷水への浸漬、冷水の散布又は噴霧な
どの方法がある。当該工程で使用する冷水は、水道水で
も十分であるが、低温の冷水が好ましく、10℃以下の
冷水が特に好ましい。当該工程は、水冷によってα化し
た麺線を引き締めると同時に、麺線表面を洗浄する目的
で行われ、麺線表面のぬめり等を洗い流すことができ
る。
【0021】付着工程4は、アルコール、糖、糖アルコ
ール等の物質であって、分子量が400以下のものの水
溶液を麺線表面に付着させる工程である。この水溶液の
溶質の分子量を400以下とすることで水溶液に凝固点
降下を生じさせ、凝固点が降下した水溶液を麺線表面に
付着させることによって、麺線と型枠との間に強固な氷
層が形成されることを防止し、後述する離型工程7の離
型作業を容易にする。分子量が400以上のオリゴ糖や
デキストリン、各種多糖類等では効果的な凝固点降下は
得られないため、本発明の要旨である麺線と型枠間に強
固な氷層が形成されることを防止する作用は少ない。
【0022】また麺線と型枠間に強固な氷層を形成しな
いようにする手段としては、上述のように麺線表面に凝
固点の低い水溶液を付着させること以外に、水溶液の麺
線への浸透性、水溶液の粘性等も強く影響していると考
えられる。つまり、水溶液の麺線への浸潤性が高く、ま
た水溶液の粘性が低い場合、麺線表面に付着した凝固点
の低い水溶液が麺線内部に浸潤してしまい、麺線と型枠
間に介在できず、麺線と型枠間の強固な氷層の形成を防
止する効果が発揮できないと考えられる。例えば、食塩
水は十分低い凝固点を有しているはずだが、麺線への浸
透性が高く、麺線内に容易に浸潤してしまうために、麺
線の型枠からの取り外しを容易にする効果を有さないと
考えられる。一般に、麺線への浸潤性は溶液の浸透圧に
相関し、浸透圧が高い溶液ほど麺線への浸潤性が高いと
考えられる。
【0023】以上の説明をまとめると、本発明の効果、
つまり麺線と型枠間の強固な氷層の形成を防止して麺塊
の取り出しを容易にする効果を得るには、付着工程4で
麺線表面に付着させる水溶液の溶質は、低分子量であ
り、かつ適度な粘性と麺線への浸潤非容易性を有してい
なければならないと考えられる。さらに、当然、食品と
して使用可能であり、食味・食感に対する悪影響(例え
ば強い塩味、酸味を呈する等)を与えないものである必
要がある。かかる点を考慮すると、付着工程4で麺線表
面に付着させる水溶液の溶質は、分子量が400以下の
アルコール、糖、糖アルコール等の物質が最適である。
【0024】上記分子量400以下のアルコール、糖、
糖アルコール等の物質としては、特に限定されるもので
はなく、例えば(a)エタノール等の1価アルコール、
(b)グリセリン、プロピレングリコール等の多価アル
コール、(c)トリオース、テトロース、ペントース、
ヘキソース等の単糖及びそれらのオリゴ糖、(d)前記
糖類の糖アルコールなどが挙げられ、特にソルビトー
ル、エリスリトール、ラクチトール、キシロール、グリ
セロール、プロピレングリコールが望ましい。これは、
これらの物質が麺塊の型枠からの取り外しを容易にする
だけでなく、冷凍麺の食感を向上させる効果をも有して
いるからである。製造する冷凍麺の種類や製造条件等に
よって望ましいアルコール、糖、糖アルコール等の物質
を適宜選択するとよい。
【0025】また、上記水溶液におけるアルコール、
糖、糖アルコール等の物質の濃度は、5〜30重量%で
あることが望ましい。なぜならば、水溶液の濃度が5重
量%より低いと麺塊を型枠から取り外す効果が不十分で
あり、一方30重量%より高いとゴツゴツした食感にな
るからである。
【0026】かかる水溶液を付着させる方法としては、
水溶液中に麺線を浸漬させる方法、麺線に水溶液を噴霧
する方法などがある。いずれを用いても上記効果は得ら
れるが、麺線表面に一様に十分な溶液を付着させるとい
う点では、麺線を溶液に浸漬する方法の方がより安定し
た付着が得られる。また当該工程は、麺線表面に水溶液
が単に付着すればよいことから、1分以下の極短時間の
処理で十分な効果が発揮できる。
【0027】なお、上記付着工程4は水溶液を麺線に付
着させるが、水溶液を後述する充填工程5で使用する型
枠の内面に付着させる工程とすることも可能である。か
かる工程でも、麺線と型枠との間に水溶液の層が形成で
き、上記と同様に、離型工程7での離型作業を容易にで
きる。また、当該工程で型枠に水溶液を付着させる方法
も、上記と同様に、浸漬させる方法や噴霧する方法が可
能である。
【0028】充填工程5は、上記付着工程4で水溶液が
コーティングされた麺線を1食分ごとの型枠に充填する
工程である。この型枠の形状は、特に制限はなく、例え
ばカップ状、弁当箱状、角筒状等が可能である。ただ
し、後述の離型工程7での麺塊の取り外しを考慮すれ
ば、底部から開口部に向かって拡がるテーパー状である
ことが望ましい。また型枠の材質としては、離型工程7
での麺塊の取り外し作業を考慮すると、やや柔軟性のあ
るプラスチック容器が好ましいが、本発明の冷凍麺の製
造方法は型枠からの取り外しが容易であるため、金属製
等の容器でも差し支えない。当該工程は、具体的には、
型枠を搬送用バケットの下に位置するように配設し、バ
ケットの開口部を下向きに反転させ、麺線を落下させて
型枠に充填する工程である。
【0029】冷凍工程6は、上記充填工程5で麺線を充
填された型枠をフリーザーに移動させ、麺線を急速に冷
凍する工程である。このフリーザーの温度は、−35℃
以下が望ましい。
【0030】離型工程7は、冷凍工程6で冷凍された麺
塊を型枠から取り外す工程である。本発明の冷凍麺の製
造方法によれば、付着工程4を有し、麺線表面に凝固点
降下を起こした水溶液をコーティングしていることか
ら、型枠と麺線との接触面には強固な氷層が形成されて
いない。そのため、当該離型工程7は、型枠を反転させ
て開口部を下方に向ける操作のみ、あるいはかかる操作
の後にゴムハンマーなどによって軽い振動を付与するこ
とで、容易に型枠から麺塊を取り外すことができる。従
って、離型工程7には、従来の冷凍麺の製造方法で必要
であったシャワー装置や振動装置などが不要である。ま
た、離型工程7において、麺線の損傷を低減でき、材料
歩留まりを向上させることができる。
【0031】包装工程8は、上記離型工程7で取り外さ
れた麺塊を、この麺塊の形状に合わせたプラスチック容
器、紙容器等で包装する工程である。通常は1食ごとに
包装するが、複数食ごとに包装することも可能であり、
複数食分を包装するための適切な形状に麺塊を成型する
ことも可能である。かかる包装工程8を経て、冷凍麺の
製造が完了する。
【0032】本発明の冷凍麺の製造方法は、上記実施の
形態に限定されるものではなく、例えば、上記麺線製造
工程1での混練や成形を減圧下で行ってもよく、また麺
線製造工程1や該工程とα化工程2の間に、麺線のこし
や食感を向上させるために麺生地や生麺線を熟成させる
工程を設けてもよい。また、水冷工程3を経た後に、麺
線に付着した水分を取り除く水切り工程を設けてもよ
い。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、
この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈され
るべきものではないことはもちろんである。
【0034】(1)実験1 従来の冷凍麺の製造方法と本発明の要旨である付着工程
を付加した製造方法とについて、麺塊の取り外し容易性
を比較し、また両方法で得られた冷凍麺の食感を評価し
た。
【0035】[実施例1]上述と同様の麺線製造工程、
α化工程、水冷工程、付着工程、充填工程、冷凍工程お
よび離型工程を順に経ることによって、実施例1の冷凍
麺(中華麺)を得た。本実施例1の製造方法における麺
線製造工程では、小麦粉100重量部に、粉末かん水
1.0重量部、澱粉5.0重量部、食塩1.2重量部お
よび水41重量部を混合し、これを真空ミキサーを用い
て常圧下で3分間、真空(−760mmHg)下で8分
間混練して麺生地を得、この麺生地を圧延ロールで1.
3mmの厚さの麺帯とし、該麺帯を切り刃を用いて約
1.4mm巾に切り出し、さらに一食毎に裁断して生麺
線を得た。また当該α化工程では、得られた生麺線に5
0秒間、茹で処理を施し、湯切りして、α化した麺線を
得た。その後、水冷工程では、15℃の水に30秒間浸
漬し、さらに5℃の水に30秒間浸漬して水冷し、水切
りした。次の付着工程では、水冷工程を経て表面温度が
5℃程度になった麺線を、5℃に調製したエリスリトー
ル(分子量:122.12)の10%水溶液に30秒間
浸漬した。充填工程では、15.0cm×10.5cm
×4.5cmの大きさのトレー状型枠に充填した。冷凍
工程では、麺線を型枠に充填した状態で−35℃の雰囲
気下に35分間置いて急速冷凍させた。
【0036】[実施例2〜11]付着工程において、水
溶液の溶質をエリスリトールに替えて、それぞれキシリ
トール(分子量:152.15)、ソルビトール(分子
量:182.17)、ラクチトール(分子量:344.
33)、キシロース(分子量:150.13)、グルコ
ース(分子量:180.16)、乳糖(分子量:34
2.30)、グリセリン(分子量:92.10)、プロ
ピレングリコール(分子量:76.10)、還元澱粉加
水分解物A(平均分子量:264、日研化学(株)製の
商品名「エスイ−600」)及び還元澱粉加水分解物B
(平均分子量395、日研化学(株)製の商品名「エス
イ−20」)を用いた他は上記実施例1の冷凍麺の製造
方法と同様にして実施例2〜11の冷凍麺を得た。
【0037】[比較例1]付着工程を経ず、水冷工程か
ら直接充填工程に移行する他は上記実施例1の冷凍麺の
製造方法と同様にして比較例1の冷凍麺を得た。
【0038】[特性の評価]上記実施例1〜11および
比較例1の冷凍麺について、それらの製造過程の離型工
程における型枠からの麺塊の取り外し容易性を評価し
た。この麺塊の取り外し容易性の評価基準は、取り外し
が一番困難な比較例1の冷凍麺の場合を1点とし、楽に
取り外しができる場合を5点(最高点)とする相対的評
価とした。
【0039】また上記実施例1〜11および比較例1の
冷凍麺について、2分間の茹で処理による調理を施し、
実際に食してみる官能検査を行い、その食感を評価し
た。その評価結果を下記の表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】上記表1に示すように、麺塊の取り外し容
易性は、いずれの実施例の冷凍麺の製造方法について
も、付着工程を用いない比較例1の冷凍麺の製造方法に
比べて改善している。また食感についても、比較例1の
冷凍麺より実施例の冷凍麺の方が優れている。さらに、
実施例1〜11の中では、食感の点で、付着工程の水溶
液の溶質にアルコール、糖アルコールを用いた実施例の
方が、糖を用いた実施例よりも優れている。
【0042】(2)実験2 上記実施例3の冷凍麺の製法方法を基準とし、付着工程
で使用する水溶液の濃度を替えて、麺塊の取り外し容易
性と食感を評価した。
【0043】[実施例12〜15]付着工程において、
水溶液の濃度を、それぞれ1%、5%、30%および5
0%に替えた他は実施例3の冷凍麺の製造方法と同様に
して実施例12〜15の冷凍麺を得た。
【0044】[特性の評価]上記実施例3および実施例
12〜15の冷凍麺の製造方法について、上記実験
(1)と同様にして麺塊の取り外し容易性を評価し、そ
れらの冷凍麺についても上記実験(1)と同様にしてそ
の食感を評価した。その評価結果を下記の表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】上記表2に示すように、麺塊の取り外し容
易性は、付着工程で用いる水溶液の濃度が5%以上で向
上するが、反対に50%になるとゴツゴツした食感にな
る不都合が発生する。
【0047】(3)実験3 付着工程で用いる水溶液の溶質として、平均分子量が4
00を超える糖アルコール等や、麺線への浸潤性がよい
食塩などを用いて、麺塊の取り外し容易性と食感を評価
した。
【0048】[比較例2〜6]付着工程において、水溶
液の溶質として、それぞれ還元澱粉加水分解物C(平均
分子量:920、日研化学(株)製の商品名「エスイ−
100」)、オリゴ糖(平均分子量:480、(株)林
原製の商品名「テトラップ」)、デキストリンA(平均
分子量:2373、三和澱粉工業(株)製の商品名「サ
ンデック#300」)、デキストリンB(平均分子量:
10695、三和澱粉工業(株)製の商品名「サンデッ
ク#150」)および食塩を用いた他は上記実施例1の
冷凍麺の製造方法と同様にして比較例2〜6の冷凍麺を
得た。
【0049】[参照例]付着工程において、水溶液の溶
質として、乳酸(分子量:90.1)を用いた他は上記
実施例1の冷凍麺の製造方法と同様にして参照例の冷凍
麺を得た。
【0050】[特性の評価]上記比較例2〜6および参
照例の冷凍麺の製造方法について、上記実験(1)と同
様にして麺塊の取り外し容易性を評価し、それらの冷凍
麺について上記実験(1)と同様にしてその食感を評価
した。その評価結果を下記の表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】上記表3に示すように、比較例2〜5の冷
凍麺の製造方法は、麺塊の取り外し容易性が向上してい
ない。これは、付着工程に用いる水溶液の溶質の分子量
が400を超えることから、効果的な凝固点降下が得ら
れず、冷凍工程において麺線と型枠間に強固な氷層が形
成されてしまったものと考えられる。また、比較例6の
冷凍麺の製造方法も麺塊の取り外し容易性が向上してい
ない。これは、水溶液の溶質が分子量が小さい食塩であ
り、凝固点降下は十分に生じるが、麺線に浸潤してしま
って、麺線と型枠間の強固な氷層の形成を防止する効果
が発揮できなかったものと考えられる。一方、参照例の
冷凍麺の製造方法は、麺塊の取り外し容易性が向上して
いる。水溶液の溶質が分子量400以下の乳酸であり、
かつ、麺線に対する浸潤性が低いためであると考えられ
る。ただし、乳酸の水溶液を用いると、大変酸っぱい食
感を与えることに留意する必要がある。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の冷凍麺の
製造方法によれば、簡易な処理の付着工程を付加するこ
とで、離型工程における型枠からの麺塊の取り出しを容
易にすることができる。従って、凍結麺塊を型枠から取
り外す際に、従来の製造方法のような強い衝撃力を加え
たり水を噴射したりする必要がなく、その結果、製造工
程中の冷凍麺塊の破損を防止し、生産歩留まりを向上で
きる。さらに、冷凍麺の食感を向上させる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る冷凍麺の製造方法を
示す工程図である。
【符号の説明】
1 麺線製造工程 2 α化工程 3 水冷工程 4 付着工程 5 充填工程 6 冷凍工程 7 離型工程 8 包装工程

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麺線をα化するα化工程、麺線を型枠に
    充填する充填工程、麺線を冷凍する冷凍工程及び冷凍し
    た麺線を型枠から取り外す離型工程を有する冷凍麺の製
    造方法において、 麺線に対する浸潤性が低い低分子量物質を含む水溶液を
    麺線表面または型枠に付着させる付着工程を、前記充填
    工程前に経ることを特徴とする冷凍麺の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記浸潤性が低い低分子量物質として、
    分子量400以下のアルコール、糖及び糖アルコールか
    らなる群より選択される1種又は2種以上のものを用い
    る請求項1に記載の冷凍麺の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記水溶液の濃度が、5重量%以上30
    重量%以下である請求項1又は請求項2に記載の冷凍麺
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記付着工程における水溶液の付着処理
    方法として、麺線若しくは型枠を水溶液に浸漬する方法
    又は麺線若しくは型枠に水溶液を噴霧する方法を用いる
    請求項1、請求項2又は請求項3に記載の冷凍麺の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 上記付着工程の処理時間が1分以内であ
    る請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷凍麺の製
    造方法。
JP35303398A 1998-12-11 1998-12-11 冷凍麺の製造方法 Expired - Fee Related JP3688917B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35303398A JP3688917B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 冷凍麺の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35303398A JP3688917B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 冷凍麺の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000166494A true JP2000166494A (ja) 2000-06-20
JP3688917B2 JP3688917B2 (ja) 2005-08-31

Family

ID=18428121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35303398A Expired - Fee Related JP3688917B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 冷凍麺の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3688917B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006121925A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Ajinomoto Co Inc 冷凍包餡麺帯食品の製造法
JP2012244945A (ja) * 2011-05-27 2012-12-13 Tablemark Co Ltd 成型冷凍麺塊の製造方法
JP2021058107A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 物産フードサイエンス株式会社 ドウ加熱食品のボリューム向上剤、ドウ伸展性向上剤、ドウ加熱食品の柔らかさ向上剤、ドウ加熱食品の食感向上剤、ドウの製造方法及びドウ加熱食品の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006121925A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Ajinomoto Co Inc 冷凍包餡麺帯食品の製造法
JP4649949B2 (ja) * 2004-10-27 2011-03-16 味の素株式会社 冷凍包餡麺帯食品の製造法
JP2012244945A (ja) * 2011-05-27 2012-12-13 Tablemark Co Ltd 成型冷凍麺塊の製造方法
JP2021058107A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 物産フードサイエンス株式会社 ドウ加熱食品のボリューム向上剤、ドウ伸展性向上剤、ドウ加熱食品の柔らかさ向上剤、ドウ加熱食品の食感向上剤、ドウの製造方法及びドウ加熱食品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3688917B2 (ja) 2005-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011030501A (ja) 即席麺の製造方法
JP2000166494A (ja) 冷凍麺の製造方法
EP1871176A1 (en) Method for moulding a food product
JPS60137255A (ja) 冷凍麺類の製造法
EP1871175B1 (en) Method for freezing a food product
WO2006054374A1 (ja) 即席春雨およびその製造方法
JP2001314163A (ja) 即席麺類の製造方法
JP4909975B2 (ja) 麺類の製造方法およびその製造装置
JP3615197B2 (ja) チルド流通タイプの麺類およびその製造方法
JP3664570B2 (ja) 即席麺類の製造方法
JP6249646B2 (ja) 包装済み冷凍うどん
JP4420311B2 (ja) 凍結果実及びその製法
JP2670981B2 (ja) 納豆成形食品の製造方法
JP2002223714A (ja) 麺及びその製造方法
JPH10337161A (ja) 冷凍麺類の製造方法
JP3980209B2 (ja) ウェットタイプの麺類の製造方法
JP3892997B2 (ja) 蒸練麺の製造方法
JP2003285295A (ja) 食品用切断機、この食品用切断機により切断された食品および食品の製造方法
JP3647990B2 (ja) 早茹でパスタ及び早茹で麺の製造法
JPS61100157A (ja) 冷凍被覆に適したもち様組成物にて被覆された冷菓およびその製造方法
JP2016208865A (ja) 凍結乾燥パスタ及びその製造方法
JP2002518117A (ja) 澱粉を主原料とする通孔のある管の製造方法
JP2023019315A (ja) 冷凍麺の製造方法
US20060240162A1 (en) Method for the production of frozen fluid food products
JP2000175642A (ja) 冷凍麺類およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040412

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110617

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110617

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees