JP2000159711A - シクロヘキセニルフェノール類とその製造方法 - Google Patents

シクロヘキセニルフェノール類とその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】フェノール骨格にアルキル基、シクロヘキシル
基若しくはフェニル基を有するか、又はシクロヘキセニ
ル基に炭素数2以上のアルキル基か、若しくは2つ以上
のアルキル基を有する新規なシクロヘキセニルフェノー
ル類とその製造方法を提供することにある。 【解決手段】本発明によれば、一般式(Ia) 【化1】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素
数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基又はフェニル
基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル
基を示し、nは1〜3の整数を示す。但し、R1 及びR
2 が共に水素原子であり、R3 が水素原子又はメチル基
であり、nが1である場合を除く。)で表わされる新規
なシクロヘキセニルフェノール類が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なシクロヘキ
セニルフェノール類に関し、詳しくは、フェノール骨格
にアルキル基、シクロヘキシル基若しくはフェニル基を
有するか、及び/又はシクロヘキセニル基に2つ以上の
アルキル基を有するか、若しくは炭素数2以上のアルキ
ル基を有する新規なシクロヘキセニルフェノール類に関
する。
【0002】このようなシクロヘキセニルフェノール類
は、これと種々のフェノール類や多価フェノール類との
付加反応によって、選択的な反応性を有し、或いは種々
の溶剤やアルカリに対して選択的な溶解性を有する非対
称のシクロヘキシリデンビスフェノール類や非対称のシ
クロヘキシリデン多価フェノール類を製造するための原
料として有用である。
【0003】更に、本発明は、上述した新規なシクロヘ
キセニルフェノール類を含むシクロヘキセニルフェノー
ル類の製造方法に関する。
【0004】
【従来の技術】従来、ジヒドロキシジアリールアルカン
類を塩基性触媒の存在下に熱分解することによって、分
子が非対称的に開裂して、対応するアルケニルフェノー
ル類とフェノール類とが生成することは既に知られてお
り、このような反応を利用して、従来、種々のアルケニ
ルフェノール類が製造されている。
【0005】例えば、ドイツ特許公報第1235894
号には、ジヒドロキシジフェニルアルカン類をアルカリ
金属水酸化物を触媒として、減圧下に熱分解し、得られ
た反応生成物をシクロヘキサンから再結晶して、アルケ
ニルフェノール類の精製品を得ることが記載されてい
る。即ち、この文献には、この方法によって、2,2−
(4,4'−ジヒドロキシジフェニル)プロパン(ビスフェ
ノールA)からp−イソプロペニルフェノールを、2,2
−(4,4'−ジヒドロキシジフェニル)ブタンから2−
(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブテンを、2,2−
(4,4'−ジヒドロキシジフェニル)ペンタンから2−
(p−ヒドロキシフェニル)−2−ペンテンを、1,1−
(4,4'−ジヒドロキシジフェニル)エタンからα−ヒド
ロキシフェニル)スチレンを、1,1−(4,4'−ジヒドロ
キシジフェニル)−2−メチルプロパンから1−(p−
ヒドロキシフェニル)−1−イソブテン等がそれぞれ得
られることが記載されている。
【0006】このように、上記文献には、種々のアルケ
ニルフェノール類が記載されているものの、シクロアル
ケニルフェノール類については、1,1−(4,4'−ジヒド
ロキシジフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノール
Z)からp−シクロヘキセニルフェノールが得られるこ
とが記載されているにすぎず、フェノール骨格やシクロ
ヘキセニル骨格に(シクロ)アルキル基やフェニル基等
のような置換基を有するものは何も記載されていない。
【0007】チェコスロバキアの科学アカデミーの報文
である Collection Czechoslov.Chem. Commun., Vol. 3
6(5), 1986-1994 (1971))には、ジヒドロキシジフェニ
ルプロパン類の熱分解によって、p−イソプロペニルフ
ェノールのほか、種々の2−アルキル−又は2,6−ジア
ルキル−4−アルケニルフェノール類が得られることが
記載されている。また、反応によって得られた反応生成
物をヘキサン、ヘキサン−ベンゼン混合溶剤、メタノー
ル等を溶剤として、再結晶精製することも記載されてい
る。しかし、シクロヘキセニルフェノール類については
記載がない。
【0008】更に、ドイツ特許公開公報第206057
3号公報には、4−ブロモアニソールと4−メチルシク
ロヘキサノンを原料とするグリニヤール反応によって1
−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキ
センを合成する方法が記載されている。
【0009】上記のほか、ビスフェノールAの熱分解に
よるp−イソプロペニルフェノールの製造方法を改善す
ることを目的として、特開平4−9347号公報には、
反応器に塩基性触媒を仕込む際に微量の蒸気を吹き込む
ことが記載されており、特開昭62−148441号公
報には、予め、フェノールを準備し、これと塩基性触媒
を混合して、反応器に仕込むことが記載されている。更
に、特開昭50−37736号公報には、p−イソプロ
ペニルフェノールと共に、そのダイマーやオリゴマー等
を含む反応混合物を加熱、蒸留する際に、アルコール等
の極性溶剤と接触させることによって、高純度のp−イ
ソプロペニルフェノールのアルコール溶液を得ることが
できることが記載されている。
【0010】以上のように、従来、アルケニルフェノー
ル類については、多くのものが知られているが、フェノ
ール骨格にアルキル基やシクロヘキシル基やフェニル基
を有するか、及び/又はシクロヘキセニル基に炭素数2
以上のアルキル基か、若しくは2つ以上のアルキル基を
有するシクロヘキセニルフェノール類は、従来、知られ
ていない。しかし、このようなシクロヘキセニルフェノ
ール類は、これに種々のフェノール類や多価フェノール
類を付加反応させることによって、フェノール骨格やシ
クロヘキセニル骨格の有する上記置換基に基づいて、前
記選択的反応性や、溶剤やアルカリに対する選択的溶解
性が一層顕著である非対称のシクロヘキシリデンビスフ
ェノール類や非対称のシクロヘキシリデン多価フェノー
ル類を得るための原料として有用である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のシク
ロヘキセニルフェノール類における上述したような事情
に鑑みてなされたものであって、非対称のシクロヘキシ
リデンビスフェノール類や非対称のシクロヘキシリデン
多価フェノール類の製造原料として有用であり、また、
置換ジシクロヘキサノール類の製造原料としても有用で
ある、フェノール骨格にアルキル基、シクロヘキシル基
若しくはフェニル基を有するか、及び/又はシクロヘキ
セニル基に炭素数2以上のアルキル基か、若しくは2つ
以上のアルキル基を有する新規なシクロヘキセニルフェ
ノール類を提供することを目的とする。
【0012】更に、本発明は、このような新規なシクロ
ヘキセニルフェノール類を含め、一般に、シクロヘキセ
ニルフェノール類を簡単に高収率で得ることができる製
造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(Ia)
【0014】
【化7】
【0015】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基
又はフェニル基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜
3のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示す。但
し、R1 及びR2 が共に水素原子であり、R3 が水素原
子又はメチル基であり、nが1である場合を除く。)で
表わされる新規なシクロヘキセニルフェノール類が提供
される。
【0016】また、本発明によれば、一般式(IIb)
【0017】
【化8】
【0018】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基
又はフェニル基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜
3のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示す。)で
表わされるシクロヘキシリデンビスフェノール類を塩基
性触媒の存在下、不活性雰囲気中、減圧下に熱分解し、
生成するフェノール類とシクロヘキセニルフェノール類
を留出させ、シクロヘキセニルフェノール類を回収する
ことを特徴とする一般式(Ib)
【0019】
【化9】
【0020】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基
又はフェニル基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜
3のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示す。)で
表わされるシクロヘキセニルフェノール類の製造方法が
提供される。更に、本発明によれば、酸触媒の存在下に
一般式(IIIb)
【0021】
【化10】
【0022】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基
又はフェニル基を示す。)で表わされるフェノール類と
一般式(IVb)
【0023】
【化11】
【0024】(式中、R3 は水素原子又は炭素数1〜3
のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示す。)で表
わされるシクロヘキサノン類とを脱水縮合させ、得られ
た反応混合物をアルカリで中和した後、水層を分液にて
除去し、得られた油分を塩基性触媒の存在下、不活性雰
囲気中、減圧下に熱分解し、生成するフェノール類を分
留にて留出させ、次いで、シクロヘキセニルフェノール
類を留出させて、これを回収することを特徴とする一般
式(Ib)
【0025】
【化12】
【0026】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基
又はフェニル基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜
3のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示す。)で
表わされるシクロヘキセニルフェノール類の製造方法が
提供される。
【0027】
【発明の実施の形態】先ず、本発明によれば、一般式
(IIb)
【0028】
【化13】
【0029】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基
又はフェニル基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜
3のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示す。)で
表わされるシクロヘキシリデンビスフェノール類を塩基
性触媒の存在下、不活性雰囲気中、減圧下に熱分解し、
生成するフェノール類とシクロヘキセニルフェノール類
を留出させ、シクロヘキセニルフェノール類を回収する
ことによって、一般式(Ib)
【0030】
【化14】
【0031】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基
又はフェニル基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜
3のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示す。)で
表わされるシクロヘキセニルフェノール類を得ることが
できる。
【0032】本発明によれば、このような方法の態様の
一つとして、例えば、シクロヘキシリデンビスフェノー
ル類を熱分解して、生成するフェノール類を分留にて留
出させ、次いで、目的とするシクロヘキセニルフェノー
ル類を留出させ、これを回収し、必要に応じて、精製す
る。しかし、別の態様として、シクロヘキシリデンビス
フェノール類を熱分解して、生成するフェノール類とシ
クロヘキセニルフェノール類とを含む混合物を蒸留物と
して得、これを更に分留して、シクロヘキセニルフェノ
ール類を留分として得、必要に応じて、精製してもよ
い。
【0033】上記一般式(IIb)で表わされるシクロヘ
キシリデンビスフェノール類において、R1 又はR2
炭素数1〜4のアルキル基であるとき、それらの具体例
として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基又は
ブチル基を挙げることができる。プロピル基及びブチル
基は、直鎖状でも、分岐鎖状状でもよい。従って、この
ようなシクロヘキシリデンビスフェノール類の具体例と
して、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−4−n−プロピルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒド
ロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−tert.−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等を挙げ
ることができる。
【0034】シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱
分解に用いる上記塩基性触媒としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭
酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアル
カリ金属重炭酸塩等を挙げることができる。これらのな
かでは、特に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物が好ましく用いられる。
【0035】上記塩基性触媒は、特に、限定されるもの
ではないが、通常、シクロヘキシリデンビスフェノール
類に対して、0.5〜20モル%の範囲で用いられる。シ
クロヘキシリデンビスフェノール類に対して、用いる塩
基性触媒の量が0.5モル%よりも少ないときは、熱分解
の速度が遅く、実用的でない。他方、20モル%よりも
多いときは、蒸留残渣の量が多くなって、目的物の収率
が低くなる。即ち、本発明の方法においては、シクロヘ
キシリデンビスフェノール類を熱分解し、生成するフェ
ノール類を分留留出させ、その後に目的とするシクロヘ
キセニルフェノール類を留出させるが、用いる塩基性触
媒の量が多すぎるときは、このような方法において、蒸
留残渣の量が多くなって、目的物の収率が低くなるので
ある。
【0036】本発明によれば、シクロヘキシリデンビス
フェノール類の熱分解に際して、反応器にシクロヘキシ
リデンビスフェノール類を仕込み、反応器内を不活性ガ
ス、例えば、窒素ガスで置換した後に上記塩基性触媒を
反応器に仕込むようにすれば、望ましくない副反応によ
るキノン類の生成を抑えて、目的物の収率を高くするこ
とができる。
【0037】本発明によれば、シクロヘキシリデンビス
フェノール類の熱分解は、好ましくは、減圧下、例え
ば、30〜5mmHgの減圧下、不活性ガス、例えば、
窒素ガス雰囲気下に、160〜270℃の範囲の温度に
シクロヘキシリデンビスフェノール類を加熱することに
よって行なわれ、この熱分解によって、生成するフェノ
ール類を先に分留にて留出させ、その後、目的とするシ
クロヘキセニルフェノール類を留出させ、これを回収す
るか、又はフェノール類とシクロヘキセニルフェノール
類を含む蒸留物を得、これを分留して、シクロヘキセニ
ルフェノール類を回収してもよい。
【0038】上記熱分解温度が低すぎるときは、上記熱
分解に際して、未反応のシクロヘキシリデンビスフェノ
ール類が留出しやすく、他方、熱分解温度が高すぎると
きは、シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解に
よって生成したシクロヘキセニルフェノール類が自己重
合するので、目的とするシクロヘキセニルフェノール類
の収率が低下する。
【0039】しかしながら、本発明に従って、最初に、
生成するフェノール類を分留にて留出させ、その後に目
的とするシクロヘキセニルフェノール類を留出させるこ
とによって、シクロヘキセニルフェノール類にフェノー
ル類が付加して、出発物質であるシクロヘキシリデンビ
スフェノール類を再生するのを防止することができるの
で、高収率にて目的とするシクロヘキセニルフェノール
類を得ることができる。
【0040】このようにして得たシクロヘキセニルフェ
ノール類は、常温付近で結晶性であれば、これを適宜の
溶剤から再結晶することによって精製品を得ることがで
きる。好ましい再結晶のための溶剤として、例えば、メ
タノール水溶液を挙げることができる。用いるメタノー
ル水溶液は、通常、メタノール/水重量比が90〜10
〜10/90程度である。他方、得られたシクロヘキセ
ニルフェノール類が常温付近で液体であれば、好ましく
は減圧下に、蒸留することによって精製品を得ることが
できる。
【0041】このようにして、本発明によれば、出発物
質である前記一般式(IIb)で表わされるシクロヘキシ
リデンビスフェノール類に対応して、前記一般式(I
b)で表わされるシクロヘキセニルフェノール類を得る
ことができる。ここに、前述したように、R1 又はR2
が炭素数1〜4のアルキル基であるとき、具体例とし
て、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチ
ル基を挙げることができ、プロピル基及びブチル基は、
直鎖状でも、分岐鎖状状でもよく、R3 が炭素数1〜3
のアルキル基であるとき、その具体例として、例えば、
メチル基、エチル基又はプロピル基を挙げることがで
き、プロピル基は、直鎖状でも、分岐鎖状状でもよい。
【0042】本発明によれば、このような方法を利用し
て、前記一般式(Ia)
【0043】
【化15】
【0044】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基
又はフェニル基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜
3のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示す。但
し、R1 及びR2 が共に水素原子であり、R3 が水素原
子又はメチル基であり、nが1である場合を除く。)で
表わされる新規なシクロヘキセニルフェノール類を得る
ことができる。
【0045】上記一般式(Ia)で表わされるシクロヘ
キセニルフェノール類において、R 1 又はR2 が炭素数
1〜4のアルキル基であるとき、それらの具体例とし
て、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチ
ル基を挙げることができる。プロピル基及びブチル基
は、直鎖状でも、分岐鎖状状でもよい。また、R3 が炭
素数1〜3のアルキル基であるとき、その具体例とし
て、例えば、メチル基、エチル基又はプロピル基を挙げ
ることができる。プロピル基は、直鎖状でも、分岐鎖状
状でもよい。
【0046】このようなシクロヘキセニルフェノール類
を得るためには、前述した方法において、出発物質とし
て、これらシクロヘキセニルフェノール類に対応するシ
クロヘキシリデンビスフェノール類を用いればよい。
【0047】即ち、上記一般式(Ia)で表わされるシ
クロヘキセニルフェノール類は、一般式(IIa)
【0048】
【化16】
【0049】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基
又はフェニル基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜
3のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示す。但
し、R1 及びR2 が共に水素原子であり、R3 が水素原
子又はメチル基であり、nが1である場合を除く。)で
表わされるシクロヘキシリデンビスフェノール類を出発
物質として用いて、前述したように、これを熱分解する
ことによって得ることができる。R1 、R2 又はR3
アルキル基であるとき、その具体例は前述したとおりで
ある。
【0050】従って、本発明による新規なシクロヘキセ
ニルフェノール類の好ましい具体例として、例えば、1
−(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシク
ロヘキセン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−n
−プロピルシクロヘキセン、1−(3−シクロヘキシル
−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキセン、1−(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキセン、
1−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキセン、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキセン、1−(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキセ
ン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキセン、1−(3−tert.−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキセン等を挙げることが
できる。
【0051】次に、前記一般式(Ib)で表わされるシ
クロヘキセニルフェノール類の製造において、出発物質
として用いる前記一般式(IIb)で表わされるシクロヘ
キシリデンビスフェノール類は、酸触媒の存在下に一般
式(IIIb )
【0052】
【化17】
【0053】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基
又はフェニル基を示す。)で表わされるフェノール類と
一般式(IVb)
【0054】
【化18】
【0055】(式中、R3 は水素原子又は炭素数1〜3
のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示す。)で表
わされるシクロヘキサノン類とを縮合させることによっ
て得ることができる。
【0056】そこで、前記一般式(Ib)で表わされる
シクロヘキセニルフェノール類の製造においては、上記
フェノール類とシクロヘキサノン類とを縮合させて、シ
クロヘキシリデンビスフェノール類を生成させ、これを
単離することなく、得られた反応生成物をそのままか、
又は好ましくは、未反応フェノール類や、場合によって
は、未反応シクロヘキサノン類を蒸留にて除いた後、こ
れを塩基性触媒の存在下に減圧下に熱分解することによ
って、上記フェノール類とシクロヘキサノン類とから、
直ちに、目的とするシクロヘキセニルフェノール類を得
ることができる。
【0057】上記一般式(IIIb) で表わされるフェノ
ール類において、R1 又はR2 が炭素数1〜4のアルキ
ル基であるとき、前述したように、具体例として、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を挙
げることができる。プロピル基及びブチル基は、直鎖状
でも、分岐鎖状状でもよい。
【0058】従って、上記フェノール類の具体例とし
て、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシ
レノール、o−tert.−ブチルフェノール、o−シクロ
ヘキシルフェノール、o−フェニルフェノール等を挙げ
ることができる。
【0059】他方、上記一般式(IVb)で表わされるシ
クロヘキサノン類において、R3 が炭素数1〜3のアル
キル基であるとき、その具体例として、例えば、メチル
基、エチル基又はプロピル基を挙げることができる。プ
ロピル基は、直鎖状でも、分岐鎖状状でもよい。
【0060】従って、上記シクロヘキサノン類の具体例
として、シクロヘキサノン、4−イソプロピルシクロヘ
キサノン、4−n−プロピルシクロヘキサノン、3,3,5
−トリメチルシクロヘキサノン等を挙げることができ
る。
【0061】上記フェノール類と上記シクロヘキサノン
類との縮合によるシクロヘキシリデンビスフェノール類
の製造において、特に、限定されるものではないが、フ
ェノール類は、通常、シクロヘキサノン類1モル部に対
して、理論値(2モル部)以上が用いられ、特に、シク
ロヘキサノン類1モル部に対して、4〜10モル部の範
囲で用いられる。シクロヘキサノン類1モル部に対し
て、フェノール類が2モル部よりも少ないときは、望ま
しくない副生物の生成割合が多くなって、目的とするシ
クロヘキシリデンビスフェノール類の収率が低下する。
しかし、シクロヘキサノン類1モル部に対して、フェノ
ール類を10モル部よりも多く用いると、未反応のフェ
ノール類が多く残存するので、反応経済の点からみて経
済的に不利であり、しかも、生産効率が低下する。
【0062】上記フェノール類と上記シクロヘキサノン
類との縮合に用いる酸触媒には、限定されるものではな
いが、例えば、濃塩酸、塩化水素ガス、60〜98%硫
酸、85%リン酸、メタンスルホン酸等が用いられる。
【0063】上記フェノール類と上記シクロヘキサノン
類とは、このような酸触媒のみの存在下においても、縮
合するが、しかし、用いるシクロヘキサノンによって
は、アルキルメルカプタンを酸触媒と共に併用するのが
好ましい場合がある。特に、炭素数1〜12のアルキル
メルカプタンが好ましい。このようなアルキルメルカプ
タンは、通常、シクロヘキサノン類に対して、0.1〜1
0重量%の範囲で用いられる。
【0064】用いるフェノール類が常温で固体であると
きは、シクロヘキサノン類との縮合反応に際しては、好
ましくは、例えば、脂肪族アルコール類や芳香族炭化水
素類等が反応溶剤として用いられる。
【0065】上記フェノール類と上記シクロヘキサノン
類との縮合反応は、特に、限定されるものではないが、
反応温度が低すぎるときは、反応速度が実用上、遅す
ぎ、他方、高すぎるときは、望ましくない副反応が起こ
って、目的とするシクロヘキシリデンビスフェノール類
の収率が低下する。従って、上記フェノール類と上記シ
クロヘキサノン類との縮合反応は、好ましくは、20〜
80℃の範囲の温度で行なわれる。
【0066】上記フェノール類と上記シクロヘキサノン
類との縮合反応は、液体クロマトグラフィー分析又はガ
スクロマトグラフィー分析によって追跡することがで
き、未反応シクロヘキサノン類が消失し、目的とするシ
クロヘキシリデンビスフェノール類の増加が認められな
くなった時点を反応の終点とすればよい。
【0067】そこで、反応の終了後、得られた反応混合
物をアルカリ水溶液で中和した後、水層を分液除去し、
得られた油分をいわば出発物質として、前述したと同様
にして、これを熱分解することによって、目的とするシ
クロヘキセニルフェノール類を得ることができる。
【0068】このように、上記フェノール類と上記シク
ロヘキサノン類との縮合反応によって得られた油分を出
発物質とする場合にも、この油分を反応器に仕込み、反
応器内を不活性ガスにて置換した後、塩基性触媒を加え
るのが好ましい。また、塩基性触媒は、前記シクロヘキ
サノン類、即ち、シクロヘキシリデンビスフェノール類
の理論生成量に対して、前述したと同様に、0.5〜20
モル%の範囲で用いられる。
【0069】本発明によれば、このような方法を利用す
ることによっても、前記一般式(Ia)で表わされる本
発明による新規なシクロヘキセニルフェノール類を得る
ことができる。
【0070】この場合には、出発物質として、前記一般
式(IIb)に対応して、フェノール類とシクロヘキサノ
ン類とを選び、これらを前述したようにして縮合させ、
得られた反応混合物をアルカリで中和した後、水層を分
液にて除去し、得られた油分を塩基性触媒の存在下、不
活性雰囲気中、減圧下に熱分解し、生成するフェノール
類を分留にて留出させ、次いで、シクロヘキセニルフェ
ノール類を留出させて、これを回収すればよい。
【0071】
【発明の効果】本発明による新規なシクロヘキセニルフ
ェノール類は、フェノール骨格にアルキル基、シクロヘ
キシル基若しくはフェニル基を有するか、及び/又はシ
クロヘキセニル基に炭素数2以上のアルキル基若しくは
2つ以上のアルキル基を有し、非対称のシクロヘキシリ
デンビスフェノール類や非対称のシクロヘキシリデン多
価フェノール類の製造原料として有用であり、また、置
換ジシクロヘキサノール類の製造原料として用いる有用
である。そして、そのような非対称のシクロヘキシリデ
ンビスフェノール類や非対称のシクロヘキシリデン多価
フェノール類は、このような置換基や非対称構造によっ
て、従来にない高い耐熱性や耐薬品性を有する新規な重
合体を与えることを可能とし、また、新しい機能や特性
を備えたフォトレジスト関連材料等の提供を可能とす
る。
【0072】また、本発明によれば、シクロヘキシリデ
ンビスフェノール類を熱分解することによって、容易に
シクロヘキセニルフェノール類を得ることができる。
【0073】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0074】実施例1 (1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピル
シクロヘキセンの合成)攪拌機、温度計、窒素ガス吹き
込み管及び蒸留留出管(ヘリパック10cm充填)を備
えた500mL容量の四つ口フラスコ(蒸留装置)に1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピ
ルシクロヘキサン200g(0.645モル)を仕込み、
反応器内を窒素ガス置換した後、48%水酸化ナトリウ
ム水溶液1.0g(0.012モル)を加え、昇温した。
【0075】15〜10mmHgの減圧条件下、上記出
発物質を内温190〜230℃で2.5時間、加熱し、熱
分解して、フェノール留分60.2g、主留分(留出温度
188℃/10mmHg)106.5g及び蒸留残渣27.
3gを得た。上記主留分(主成分94.3%)にメタノー
ル150gと水50gを加え、反応生成物を再結晶させ
た後、30℃で濾過し、50%メタノール水溶液で洗浄
し、減圧乾燥して、1−(4−ヒドロキシフェニル)−
4−イソプロピルシクロヘキセン99.3g(ガスクロマ
トグラフィーによる純度98.6%)を白色結晶として得
た。 融点:154.0℃(DSC法) 質量分析:216 (M+), 201 (M+−CH3), 146 (M+−C
5H10) 赤外線吸収スペクトル(cm-1):3226.7-3028.0 (フ
ェノール性水酸基), 2956.7, 2868.0, 2835.2, 2726.2,
1596.0, 1512.1, 1454.2, 1365.5, 1234.4, 1181.3, 80
9.1, 735.8, 623.9 プロトンNMR分析(DMSO溶媒、60MHz):
【0076】
【化19】
【0077】
【表1】
【0078】実施例2 (1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−n−プロピル
シクロヘキセンの合成)実施例1と同様の蒸留装置に1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−n−プロピ
ルシクロヘキサン160g(0.516モル)を仕込み、
反応器内を窒素ガス置換した後、48%水酸化ナトリウ
ム水溶液0.8g(9.6ミリモル)を加え、内温が約18
0℃に達するまで昇温し、その後、反応器内を徐々に減
圧し、内温188℃/33mmHg〜220℃/8mm
Hgの減圧条件下、上記出発物質を7時間、加熱し、熱
分解して、フェノール留分46.6g、主留分97.0g及
び蒸留残渣9.6gを得た。
【0079】上記主留分は1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−n−プロピルシクロヘキセン(ガスクロマト
グラフィー純度98.8%)であった。
【0080】上記主留分にメタノール145.5gと水7
7.6gを加え、再結晶させた後、得られた結晶を25℃
で濾過し、65%メタノールで洗浄し、減圧下に乾燥し
て、1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−n−プロピ
ルシクロヘキセン93.2g(ガスクロマトグラフィー純
度99.0%)を黄色結晶として得た。 融点:115.2℃ 質量分析:216 (M+), 201 (M+−CH3), 187 (M+−C2H5),
173 (M+−C3H7), 159 (M+−C4H9), 146 (M+−C5H10) 赤外線吸収スペクトル(cm-1):3287.2-3027.1 (フ
ェノール性水酸基), 2954.7, 2912.3, 2840.0, 2622.0,
1646.1, 1594.1, 1514.0, 1453.3, 1379.0, 1239.2, 11
79.4, 1134.1,1110.9, 1077.2, 1011.6, 915.2, 838.0,
809.1, 715.5, 631.6, 519.8 プロトンNMR分析(CDCl3 溶媒、60MHz):
【0081】
【化20】
【0082】
【表2】
【0083】実施例3 (1−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキセンの合成)攪拌機、温度計、窒素ガス
吹き込み管及び蒸留留出管(ヘリパック10cm充填)
を備えた500mL容量の四つ口フラスコ(蒸留装置)
に1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン250g(0.58モル)を仕込
み、反応器内を窒素ガス置換した後、48%水酸化ナト
リウム水溶液1.25g(0.015モル)を加え、昇温し
た。
【0084】10〜5mmHgの減圧条件下、上記出発
物質を内温196〜250℃で7時間、加熱し、熱分解
して、o−シクロヘキシルフェノール留分101.4g、
主留分(留出温度180℃/5mmHg)98.5g及び
蒸留残渣31.0gを得た。
【0085】上記主留分は、少量(8.2%)の2,4−ジ
シクロヘキシルフェノールを含む1−(3−シクロヘキ
シル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキセンの赤褐
色の粘稠な液体であった(ガスクロマトグラフィーによ
る純度90.7%)。これは、室温では凝固しなかった。 沸点:180℃/5mmHg 質量分析:256 (M+), 173 (M+−C6H11) 赤外線吸収スペクトル(cm-1):3429.2-2851.6 (フ
ェノール性水酸基), 2925.8, 2851.6, 1604.7, 1504.4,
1447.5, 1435.9, 1418.5, 1343.3, 1300.9, 1272.0, 12
50.8, 1177.5,1137.0, 1098.4, 881.4, 847.7, 812.0,
620.1, 418.5 プロトンNMR分析(DMSO溶媒、60MHz):
【0086】
【化21】
【0087】
【表3】
【0088】実施例4 (1−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキセンの合成)攪拌機、温度計、窒素ガス吹
き込み管及び単蒸留装置を備えた1000mL容量の四
つ口フラスコに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン887.6g(2.8
6モル)を仕込み、反応器内を窒素ガス置換した後、4
8%水酸化ナトリウム水溶液17.8g(0.21モル)を
加え、200℃まで昇温し、内温が180℃/30mm
Hg〜200℃/5mmHgの減圧条件下、上記出発物
質を加熱し、熱分解して、留出物809.2g及び蒸留残
渣77.6gを得た。
【0089】次に、上記留出物を温度計、窒素ガス吹き
込み管及び蒸留塔(ヘリパック10cm充填)を備えた
1000mL容量の蒸留装置に仕込み、内温が130℃
/100mmHg〜200℃/10mmHgの減圧条件
下で分留し、フェノール留分237.4g、中間留分53.
8g、主留分491.5g及び蒸留残渣5.8gを得た。
【0090】上記主留分は1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキセン(ガスクロマ
トグラフィー純度92.7%)であった。 沸点:171〜173℃/10mmHg 質量分析:216 (M+), 201 (M+−CH3) 赤外線吸収スペクトル(cm-1):3286.5(フェノール
性水酸基), 3023.2, 2950.9, 2902.7, 2840.0, 2716.6-
2322.1, 1704.0, 1646.1, 1609.5, 1591.2, 1514.0, 14
54.2, 1361.7,1235.3, 1175.5, 1108.0, 1054.0, 1014.
5, 983.6, 907.4, 824.5 プロトンNMR分析(CDCl3 溶媒、60MHz):
【0091】
【化22】
【0092】
【表4】
【0093】実施例5 (1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−n−プロピル
シクロヘキセンの合成)攪拌機、温度計、滴下漏斗及び
還流コンデンサを備えた500mL容量四つ口フラスコ
にフェノール400g(4.255モル)と濃塩酸38.0
gを仕込み、内温を50℃に維持しつつ、これに4−n
−プロピルシクロヘキサノン70g(0.50モル)とフ
ェノール70g(0.745モル)の混合液を4時間で滴
下して反応させ、滴下終了後、50℃で更に19時間反
応させた。
【0094】反応終了後、得られた反応混合物に16%
水酸化ナトリウム水溶液90g(0.36モル)と水45
gを加え、pH5〜6まで中和した後、水層を分液除去
し、油分614.0gを得た。
【0095】この油分中に残存する4−n−プロピルシ
クロヘキサノンは0.1%以下であり、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−4−n−プロピルシクロヘキサ
ンの選択率は97.7モル%であった。
【0096】この油分を減圧下、単蒸留して、未反応フ
ェノールを回収した後、蒸留残留液163.2gに48%
水酸化ナトリウム水溶液0.8g(9.6ミリモル)を加
え、精留塔(ヘリパック10cm充填)を備えた四つ口
フラスコに仕込み、80〜7mmHgの減圧条件下に内
温188〜235℃でアルカリ熱分解しつつ、分留し
て、フェノール留分42.3g、主留分96.5g及び蒸留
残渣14.6gを得た。
【0097】上記主留分にメタノール145gと水77.
0gを加え、再結晶させた後、25℃まで冷却して、遠
心濾過し、エバポレータで減圧乾燥して、1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−n−プロピルシクロヘキセン
88.6g(液体クロマトグラフィー純度99.0%)を黄
色結晶として得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中口 徹 和歌山市小雑賀二丁目5番115号 本州化 学工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 磯田 陽一郎 和歌山市小雑賀二丁目5番115号 本州化 学工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AB84 AC25 AC26 AD11 AD16 BA02 BA29 BA32 BA66 BA69 BB61 BC10 BC11 BD70 BE10 BE11 FC22 FC52 FE13 4H039 CA40 CA41 CD10 CD40 CG50

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(Ia) 【化1】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素
    数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基又はフェニル
    基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル
    基を示し、nは1〜3の整数を示す。但し、R1 及びR
    2 が共に水素原子であり、R3 が水素原子又はメチル基
    であり、nが1である場合を除く。)で表わされるシク
    ロヘキセニルフェノール類。
  2. 【請求項2】一般式(IIb) 【化2】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素
    数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基又はフェニル
    基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル
    基を示し、nは1〜3の整数を示す。)で表わされるシ
    クロヘキシリデンビスフェノール類を塩基性触媒の存在
    下、不活性雰囲気中、減圧下に熱分解し、生成するフェ
    ノール類とシクロヘキセニルフェノール類を留出させ、
    シクロヘキセニルフェノール類を回収することを特徴と
    する一般式(Ib) 【化3】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素
    数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基又はフェニル
    基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル
    基を示し、nは1〜3の整数を示す。)で表わされるシ
    クロヘキセニルフェノール類の製造方法。
  3. 【請求項3】酸触媒の存在下に一般式(IIIb) 【化4】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素
    数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基又はフェニル
    基を示す。)で表わされるフェノール類と一般式(IV
    b) 【化5】 (式中、R3 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
    を示し、nは1〜3の整数を示す。)で表わされるシク
    ロヘキサノン類とを脱水縮合させ、得られた反応混合物
    をアルカリで中和した後、水層を分液にて除去し、得ら
    れた油分を塩基性触媒の存在下、不活性雰囲気中、減圧
    下に熱分解し、生成するフェノール類を分留にて留出さ
    せ、次いで、シクロヘキセニルフェノール類を留出させ
    て、これを回収することを特徴とする一般式(Ib) 【化6】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、炭素
    数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基又はフェニル
    基を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル
    基を示し、nは1〜3の整数を示す。)で表わされるシ
    クロヘキセニルフェノール類の製造方法。
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WO2002022534A1 (fr) * 2000-09-11 2002-03-21 Honshu Chemical Industry Co., Ltd. Methode de production de 1,1-bis-(4-hydroxyphenyl)-3,3,5-trimethylcyclohexane
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