JP3299571B2 - 新規なフッ素化ビスフェノール類及びその製造方法 - Google Patents

新規なフッ素化ビスフェノール類及びその製造方法

Info

Publication number
JP3299571B2
JP3299571B2 JP28893292A JP28893292A JP3299571B2 JP 3299571 B2 JP3299571 B2 JP 3299571B2 JP 28893292 A JP28893292 A JP 28893292A JP 28893292 A JP28893292 A JP 28893292A JP 3299571 B2 JP3299571 B2 JP 3299571B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
mol
dihydroxydiphenylmethane
reaction
fluorophenol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28893292A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06135875A (ja
Inventor
陽一郎 磯田
光暁 長藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honshu Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Honshu Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honshu Chemical Industry Co Ltd filed Critical Honshu Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP28893292A priority Critical patent/JP3299571B2/ja
Publication of JPH06135875A publication Critical patent/JPH06135875A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3299571B2 publication Critical patent/JP3299571B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なフッ素化ビスフェ
ノール類及びその製造方法に関し、詳しくは、例えば、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポ
キシ樹脂等の原料単量体や種々の有機化合物の製造のた
めの中間体として有用である新規なフッ素化ビスフェノ
ール類及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノール類は、種々の高分子重合
体の原料単量体や種々の有機化合物の製造のための中間
体等として有用な化合物である。近年、新規な機能性高
分子材料の開発が盛んに行われており、その原料とし
て、新規な性質及び特異な特徴を備えたビスフェノール
類の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
要望に応えるためになされたものであって、特異な特徴
を備えた高分子材料、具体的には、低誘電率、低吸水性
及びすぐれた耐熱性等の性質を備えた高分子材料の原料
として有用な新規なフッ素含有ビスフェノール類及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】従来、分子構造中にフッ素原子をもたない
ビスフェノール類である4,4'−ジヒドロキシジフェニル
メタン及び4,4'−ジヒドロキシトリフェニルメタン類の
製造方法については、既に、種々のものが知られてい
る。
【0005】例えば、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメ
タンの製造方法については、フェノールとホルマリンと
を種々の触媒の存在下に反応させる方法が多数知られて
いるものの、それらの方法によれば、大部分の場合、4,
4'−ジヒドロキシジフェニルメタンを主成分とし、2,2'
−及び2,4'−ジヒドロキシジフェニルメタンを含む異性
体の混合物が得られる。
【0006】具体的には、例えば、特開昭58−177
928号公報に記載の方法によれば、85%リン酸を触
媒として、ホルマリンに基づいて、2,2'−、2,4'−及び
4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタンからなる異性体混
合物を収率89モル%にて、また、4,4'−ジヒドロキシ
ジフェニルメタンを収率49モル%にて得ることができ
ることが開示されている。
【0007】ソ連特許第449027号明細書によれ
ば、10〜30%の希硫酸を触媒として用いることによ
って、ホルマリンの反応率57〜78%にて、4,4'−ジ
ヒドロキシジフェニルメタンを収率28〜64モル%に
て得ることができることが開示されている。特開昭55
−124730号公報によれば、シュウ酸を触媒とし
て、ホルマリンに基づいて、ジヒドロキシジフェニルメ
タンの異性体の混合物を収率97モル%にて、また、4,
4'−ジヒドロキシジフェニルメタンを収率33モル%に
て得ることができることが開示されている。
【0008】他方、固体触媒を用いる方法も知られてい
る。例えば、ヨーロツパ特許第331173号明細書に
よれば、活性白土を触媒として用いることによって、ジ
ヒドロキシジフェニルメタンの異性体の混合物を収率9
3モル%にて、また、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメ
タンを収率39モル%にて得ることができることが開示
されている。同様に、ヨーロツパ特許第265017号
明細書によれば、ゼオライトを触媒として、4,4'−ジヒ
ドロキシジフェニルメタンを収率29モル%にて得るこ
とができることが開示されている。
【0009】しかし、このように、酸触媒の存在下にフ
ェノールとホルマリンとを反応させて、4,4'−ジヒドロ
キシジフェニルメタンを製造する方法によれば、ホルマ
リンの反応性が大きいために、ジヒドロキシジフェニル
メタンの異性体と同時に、高沸点成分、即ち、樹脂状物
質も生成しやすく、従って、4,4'−ジヒドロキシジフェ
ニルメタンを選択的に製造するには、従来、特殊な条件
を用いる方法が提案されている。
【0010】例えば、米国特許第4400554号明細
書には、85%リン酸を触媒とし、10℃の低温反応に
よって、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタンを収率6
8モル%にて得ることができることが開示されている。
特公昭48−38694号公報によれば、35%塩酸と
ジメチルスルホキシド若しくはジメチルホルムアミドと
の組合わせからなる触媒を用いることによって、4,4'−
ジヒドロキシジフェニルメタンを72モル%の収率で得
ることができることが開示されている。特開平3−10
9342号公報によれば、塩酸とクラウンエーテルの組
み合せによって、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン
を80モル%の収率で得ることができるかとが開示され
ている。
【0011】他方、フェノールとベンズアルデヒドを原
料とする4,4'−ジヒドロキシトリフェニルメタンの製造
方法については、陽イオン交換樹脂を触媒とし、30℃
で1週間反応させて、収率60モル%にて目的物を得る
方法が特開平1−190713号公報に開示されてお
り、また、フェノールとホウ酸を反応させた後、濃硫酸
及びメルカプトプロピオン酸を触媒として、26〜20
℃にて約21時間反応させて、収率54モル%にて目的
物を得る方法がオーストラリア特許第489747号明
細書に開示されている。
【0012】本発明者らは、上述したような従来のジヒ
ドロキシジフェニルメタン及びジヒドロキシトリフェニ
ルメタンの製造について広範な研究を重ねた結果、ベン
ズアルデヒド類とフェノール類の反応性を比較すれば、
フェノール類に対する反応性は、ベンズアルデヒドより
p−フルオロベンズアルデヒドの方が反応性が低いこ
と、また、ベンズアルデヒド類に対するフェノール類の
反応性は、フェノールよりもo−フルオロフェノールの
方が低く、o−フルオロフェノールよりも2,6−ジフル
オロフェノールの方が更に低いことを認めた。特に、2,
6−ジフルオロフェノールとベンズアルデヒド類を原料
とした場合、前述した従来の方法による反応条件では、
反応が非常に遅いことを認めた。
【0013】それ故に、分子中にフッ素原子を含まない
4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン及び4,4'−ジヒド
ロキシトリフェニルメタンの製造方法を分子中にフッ素
原子を含むフッ素化ビスフェノール類の製造に適用して
も、反応率が非常に低いので、収率が極めて低いうえ
に、その単離も容易ではない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、例えば、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポキ
シ樹脂等の原料単量体や種々の有機化合物の製造のため
の中間体として有用である新規なフッ素化ビスフェノー
ル類を提供することを目的とし、更に、上述したような
製造上の問題を解決して、高収率にてフッ素化ビスフェ
ノール類を製造し得る方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による新規なフッ
素化ビスフェノール類の第1は、3,3'−ジフルオロ−4,
4'−ジヒドロキシジフェニルメタンである。
【0016】この3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキ
シジフェニルメタンは、本発明に従って、o−フルオロ
フェノールとホルマリンとを酸触媒の存在下に反応させ
ることによって得ることができる。
【0017】本発明による新規なフッ素化ビスフェノー
ル類の第2は、一般式(I)
【0018】
【化3】
【0019】(式中、X1及びX2は、それぞれ独立に水素
原子又はフッ素原子を示す。)で表されることを特徴と
する。
【0020】かかるフッ素化ビスフェノール類は、本発
明に従って、o−フルオロフェノール又は2,6−ジフル
オロフェノールとベンズアルデヒド又はp−フルオロベ
ンズアルデヒドとを酸触媒の存在下に反応させることに
よって得ることができる。
【0021】上記ビスフェノール類の具体例として、例
えば、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシトリフェ
ニルメタン、3,3',5,5’−テトラフルオロ−4,4'−ジヒ
ドロキシトリフェニルメタン、3,3',4" −トリフルオロ
−4,4'−ジヒドロキシトリフェニルメタン、3,3',4",5,
5'−ペンタフルオロ−4,4'−ジヒドロキシトリフェニル
メタン等を挙げることができる。
【0022】本発明においては、上記第1及び第2のい
ずれのフッ素化ビスフェノール類の製造においても、酸
触媒としては、リン酸、硫酸、塩酸、塩化水素ガス、メ
タンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸から
選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0023】しかし、特に、o−フルオロフェノールと
ホルマリンとの反応によって、本発明による第1のフッ
素化ビスフェノール類を得るには、好ましくは、リン
酸、塩酸、硫酸又はメタンスルホン酸が用いられる。こ
れらのなかでも、特に、リン酸(好ましくは85%程
度)、塩酸(好ましくは35%程度)、硫酸(好ましく
は70%程度)が用いられる。このような触媒を用いる
ことによって、高選択性にて、目的とする4,4'−体を得
ることができる。前述したように、ホルマリンとフェノ
ールとは、反応しやすいものの、異性体の混合物及び樹
脂状物が生成しやすいので、4,4'−体を得るには、特殊
な触媒や、或いは反応条件が必要とされる。
【0024】他方、o−フルオロフェノール又は2,6−
ジフルオロフェノールとベンズアルデヒド又はp−フル
オロベンズアルデヒドとの反応によつて、本発明による
第2のフッ素化ビスフェノール類を得るには、好ましく
は、塩化水素ガス又は塩化水素とトリフルオロメタンス
ルホン酸との混合物が触媒として用いられる。最も好ま
しい触媒は、塩化水素とトリフルオロメタンスルホン酸
との混合物である。
【0025】前述したように、一般に、ベンズアルデヒ
ド類とフェノール類とは反応し難く収率も低いが、本発
明において用いるフッ素化フェノール類は、ベンズアル
デヒド類に対する反応性がフェノールよりも更に低いの
で、リン酸や硫酸等を単独で用いた場合、反応性が極度
に低く、目的物を単離することができない。しかし、本
発明に従って、塩化水素ガス又は塩化水素とトリフルオ
ロメタンスルホン酸との混合物を触媒として用いて、反
応速度を速めることによって、目的とする4,4'−体を高
選択率高収率にて得ることができる。
【0026】更に、本発明によれば、上記いずれの場合
にも、助触媒として、メルカプタン類、例えばメチルメ
ルカプタンナトリウム、エチルメルカプタン、オクチル
メルカプタン、ラウリルメルカプタン等を前記酸触媒と
併用することが好ましい。
【0027】本発明において、上記触媒の使用量は、特
に限定されるものではないが、余りに少ないときは、反
応を促進する触媒としての効果が乏しく、他方、過多に
用いるときは、反応後の処理が面倒となり、また、目的
物の収率の低下を招くことがある。従って、通常、仕込
みフルオロフェノール類に対して、0.1〜5倍モル量が
好ましい。
【0028】原料の仕込モル比、即ち、フルオロフェノ
ール類/アルデヒド類についても、本発明においては、
特に限定されるものではないが、通常、上記モル比は2
〜30の範囲にあるのが好ましい。上記モル比が余りに
小さいときは、副生物の生成割合が多くなり、他方、上
記モル比を余りに大きくするときは、目的物の生産効率
が低下すると共に、高価なフルオロフェノール類の損失
量が多くなる。
【0029】更に、本発明においては、反応溶剤を用い
てもよいが、反応速度、目的物の生産効率及び反応後処
理を考慮すれば、無溶剤下に反応を行うのが好ましい。
【0030】反応を行うに際しては、通常、フルオロフ
ェノール類及びアルデヒド類を仕込んだ後に、触媒を添
加するか、又はフルオロフェノール類及び触媒を仕込ん
だ後に、アルデヒド類を滴下する方法が好ましい。
【0031】反応温度は、特に限定されるものではない
が、反応温度が低すぎるときは、反応速度が遅く、ま
た、高すぎるときは、タール状の副生物が増加して、収
率の低下を招くので、通常、10〜200℃、好ましく
は20〜150℃の範囲が好適である。
【0032】反応時間も、特に、限定されるものではな
いが、本発明によるフッ素化ビスフェノール類に対応す
る分子骨格にフッ素原子を含まないビスフェノール類の
製造に要するよりも長時間を要する。
【0033】反応は、高速液体クロマトグラフィー分析
(HPLC分析)又はガスクロマトグラフィー分析(G
C分析)にて追跡することができるので、目的物の増加
が認められなくなった時点を反応終点とすればよい。
【0034】反応の終了後、得られた反応液から目的物
を単離するには、精留による分離精製も可能ではある
が、操作性及び不純物の除去効率の面から、アルキルベ
ンゼン類による再結晶精製が好ましい。上記アルキルベ
ンゼン類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン類、ジエチ
ルベンゼン類等が好ましく用いられるが、特に、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等が好ましく用いられる。
【0035】アルキルベンゼン類を溶剤として用いる再
結晶に際して、反応液に含まれる触媒はそのままでもよ
いが、好ましくは、予め水洗又はアルカリ水溶液にて中
和除去するのがよい。再結晶において用いるアルキルベ
ンゼン類の量は、特に、限定されるものではないが、通
常、未反応フルオロフェノール類を回収した残液に対し
て、1〜5重量倍を用いることが好ましい。
【0036】また、反応液中に残存する未反応フルオロ
フェノール類も、そのままでもよいが、好ましくは、予
め減圧蒸留等により回収してから、上記のようにして、
目的とするフッ素化ビスフェノール類をアルキルベンゼ
ン類から再結晶するのが好ましい。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、新規なフッ素化ビスフ
ェノール類として、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロ
キシジフェニルメタンと前記一般式(I)で表わされる
ものが提供される。
【0038】かかるフッ素化ビスフェノール類は、ベン
ゼン核の水酸基のo−位にフッ素原子を有するジフェニ
ルメタン類及びトリフェニルメタン類であることに特徴
を有する。このように、水酸基のo−位にフッ素原子を
有するビスフェノール類は、そのフッ素原子の強い電子
吸引性と疎水性の性質によって、これを原料として得ら
れる種々の高分子材料に低誘電率及び低吸水性を与える
ことができる。
【0039】また、フッ素原子の水素原子に勝る炭素原
子に対する強い結合力によって、高分子材料の耐熱性を
向上させることもできる。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0041】実施例1 攪拌機、温度計及び滴下ろうとを備え、更に、塩化水素
ガスの吸収装置に接続した還流コンデンサーを備えた5
00ml容量四つ口フラスコにo−フルオロフェノール1
68g(1.5モル)、35%ホルマリン13g(0.15
モル)及び85%リン酸173g(1.5モル)を仕込
み、内温40〜42℃にて25時間反応させた。
【0042】反応終了後、得られた反応液からリン酸層
を分液除去し、油層を20%炭酸ナトリウム水溶液にて
中和した後、水洗し、それより未反応o−フルオロフェ
ノールを蒸留回収した。
【0043】その蒸留残渣35.7gを液体クロマトグラ
フィーにて分析したところ、その組成は、o−フルオロ
フェノール1.87%、副生物(2,2'−体)3.79%、副
生物(2,4'−体)12.56%及び主成分(目的物)76.
09%(仕込みホルマリンに基づく存在収率は76.7モ
ル%)であった。
【0044】この蒸留残渣をトルエン70gから2回再
結晶して、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシジフ
ェニルメタン21.9gを融点102.3℃、GC分析純度
99.6%の白色粉末結晶として得た。分析データを以下
に示す。
【0045】 質量分析(m/z) 236 (M+), 235 (M-H), 125 (M−フルオロフェノール) 赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法、cm-1) フェノール性水酸基特有の強い吸収ピーク:3320(3600
〜3100) 上記以外の強い吸収ピーク:1600, 1510, 1440, 1340,
1280, 1190, 1100,950, 800 NMR(270 MHz、CDCl3 溶剤使用、δ値、シグナル形
及びプロトン積分比) 3.83(s, 2H), 5.19-5.20 (d, 2H), 6.86-7.04 (m, 6H) フッ素の定量分析 実測値 15.40% 理論値 16.10%
【0046】実施例2 実施例1と同様の装置にo−フルオロフェノール33.6
g(0.3モル)、35%ホルマリン5.1g(0.06モ
ル)及び70%硫酸26g(0.18モル)を仕込み、内
温40〜42℃にて20時間反応させた。
【0047】反応終了後、得られた反応液から触媒層を
分液除去した後、中和水洗して、黄褐色の油層37.3g
を得た。この油層を液体クロマトグラフィーにて分析し
たところ、その組成は、未反応o−フルオロフェノール
61.51%、副生物(2,2'−体)2.99%、副生物(2,
4'−体)6.71%及び目的物(3,3'−ジフルオロ−4,4'
−ジヒドロキシジフェニルメタン)27.0%(仕込みホ
ルマリンに基づく存在収率は71.1モル%)であった。
【0048】実施例 実施例1と同様の装置にo−フルオロフェノール112
g(1.0モル)、ベンズアルデヒド21.2g(0.2モ
ル)及び15%メチルメルカプタンナトリウム水溶液2
gを仕込んだ。この後、塩化水素ガスを吹き込みつつ、
内温40℃で4時間反応させた。
【0049】反応終了後、得られた赤褐色の反応液を2
0%炭酸ナトリウム水溶液にて中和した後、水洗し、そ
れより未反応o−フルオロフェノールを蒸留回収した。
【0050】その蒸留残渣58.5gをガスクロマトグラ
フイー分析したところ、その組成は、o−フルオロフェ
ノール0.69%及び主成分(目的物)89.90%(仕込
みベンズアルデヒドに基づく存在収率は84.3モル%)
であった。
【0051】この蒸留残渣をトルエン150gから2回
再結晶して、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシト
リフェニルメタン45.5gを融点123.3℃、GC分析
純度99.5%の淡褐色粉末結晶として得た。以下に分析
データを示す。
【0052】 質量分析(m/z) 312 (M+), 235 (M−フェニル), 201 (M−フルオロフェ
ノール) 赤外線吸収スペクトル分析(KBr錠剤法、cm-1) フェノール性水酸基特有の強い吸収ピーク:3300(3600
〜3100) 上記以外の強い吸収ピーク:1600, 1600, 1510, 1440,
1360, 1290, 1200,1100, 700 NMR(270 MHz、CDCl3 溶剤使用、δ値、シグナル形
及びプロトン積分比) 5.26-5.27 (d, 2H), 5.45 (s, 1H), 6.81-7.43 (m, 11
H) フッ素の定量分析 実測値 11.96% 理論値 12.18%
【0053】実施例 実施例において、触媒として、ラウリルメルカプタン
1g及び濃塩酸2.8gを用いた以外は、実施例3と同様
に原料を仕込んだ。内温40℃で31時間反応させた
後、実施例3と同様に後処理して、目的物である3,3'−
ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシトリフェニルメタンを
存在収率67.0モル%にて得た。
【0054】実施例 実施例1と同様の装置にo−フルオロフェノール112
g(1.0モル)、p−フルオロベンズアルデヒド24.8
g(0.2モル)及び水5.6gを仕込んだ。この後、塩化
水素ガスを吹き込みつつ、内温39〜41℃にて69時
間反応させた。
【0055】反応終了後、得られた赤褐色の反応液を2
0%炭酸ナトリウム水溶液にて中和した後、水洗し、そ
れより未反応o−フルオロフェノールを蒸留回収した。
【0056】その蒸留残渣65.2gをガスクロマトグラ
フイーにて分析したところ、その組成は、o−フルオロ
フェノール3.50%及び主成分(目的物)87.0%(仕
込みp−フルオロベンズアルデヒドに基づく存在収率は
85.9モル%)であった。
【0057】この蒸留残渣をトルエン130gから2回
再結晶して、3,3',4" −トリフルオロ−4,4'−ジヒドロ
キシトリフェニルメタン40gを融点115.7℃、GC
分析純度99.2%のベージュ色粉末結晶として得た。以
下に分析データを示す。
【0058】 量分析(m/z) 330 (M+), 235 (M−フルオロフェニル), 219 (M−フル
オロフェノール) 赤外線吸収スペクトル分析(cm-1) フェノール性水酸基有の強い吸収ピーク:3300(3600〜
3100) 上記以外の強い吸収ピーク:1600, 1510, 1430, 1360,
1290, 1230, 1100,750 NMR(200 MHz、DMSO溶剤使用、δ値、シグナル形及
びプロトン積分比) 5.41 (s, 1H), 6.66-6.92 (m, 6H), 7.04-7.14 (m, 4H) フッ素の定量分析 実測値 17.0% 理論値 17.27%
【0059】実施例 実施例1と同様の装置を備えた200ml四つ口フラスコ
に2,6−ジフルオロフェノール65g(0.5モル)、ト
リフルオロメタンスルホン酸1.5g(0.01モル)及び
ベンズアルデヒド10.6g(0.1モル)を仕込んだ。こ
の後、塩化水素ガスを吹き込みつつ、昇温し、内温78
〜103℃にて67時間反応させた。
【0060】反応終了後、得られた赤褐色の反応液を1
5%炭酸ナトリウム水溶液にて中和した後、水洗し、そ
れより未反応2,6−ジフルオロフェノールを蒸留回収し
た。
【0061】その蒸留残渣33.3gをガスクロマトグラ
フイーにて分析したところ、その組成は、2,6−ジフル
オロフェノール27.6%、ベンズアルデヒド9.2%及び
主成分(目的物)54.4%(仕込みベンズアルデヒドに
基づく存在収率は52.1モル%)であった。
【0062】この蒸留残渣をトルエン100gから2回
再結晶して、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシト
リフェニルメタン12.5gを融点101.2℃、GC分析
純度98.9%の淡緑色粉末結晶として得た。以下に分析
データを示す。
【0063】 質量分析(m/z) 348 (M+), 271 (M−フェニル), 219 (M−ジフルオロフ
ェノール) 赤外線吸収スペクトル分析(KBr錠剤法、cm-1) フェノール性水酸基特有の強い吸収ピーク:3380(3600
〜3100) 上記以外の強い吸収ピーク:1600, 1518, 1440, 1320,
1010, 800, 700 NMR(270 MHz、CDCl3 溶剤使用、δ値、シグナル形
及びプロトン積分比) 1.68 (s, 2H), 5.32 (s, 1H), 6.57-6.69 (m, 4H), 7.0
4-7.07 (m, 2H),7.28-7.36 (m, 3H) フッ素の定量分析 実測値 21.01% 理論値 21.84%
【0064】実施例 実施例1と同様の装置に2,6−ジフルオロフェノール6
5g(0.5モル)、p−フルオロベンズアルデヒド12.
4g(0.1モル)及びトリフルオロメタンスルホン酸3.
0g(0.02モル)を仕込み、塩化水素ガスを吹き込み
つつ、昇温し、内温120〜125℃にて9時間反応さ
せた。反応終了後、得られた赤褐色の反応液を中和水洗
し、それより未反応2,6−ジフルオロフェノールを蒸留
回収した。
【0065】この蒸留残渣30.0gをガスクロマトグラ
フイーにて分析したところ、その組成は、2,6−ジフル
オロフェノール(0.85%及び主成分(目的物)76.5
5%(仕込みp−フルオロベンズアルデヒドに基づく存
在収率は62.7モル%)であった。この蒸留残渣をトル
エンから2回再結晶して、3,3',5,5',4"−ペンタフルオ
ロ−4,4'−ジヒドロキシトリフェニルメタン12.0gを
融点92.2℃、GC分析純度97.3%の淡黄色粉末結晶
として得た。以下に分析データを示す。
【0066】 質量分析(m/z) 366 (M+), 271 (M−フルオロフェニル), 237 (M−ジフ
ルオロフェノール)赤外線吸収スペクトル分析(KBr
錠剤法、cm-1) フェノール性水酸基有の強い吸収ピーク:3360(3600〜
3100) 上記以外の強い吸収ピーク:1600, 1520, 1440, 1320,
1220, 1020, 850 NMR(270 MHz、CDCl3 溶剤使用、δ値、シグナル形
及びプロトン積分比) 5.22 (s, 1H), 5.28 (s, 1H), 6.52-6.63 (m, 4H), 6.9
7-7.00 (m, 4H) フッ素の定量分析 実測値 25.53% 理論値 25.95%
【0067】実施例 実施例1と同様の装置に2,6−ジフルオロフェノール2
6g(0.2モル)、35%ホルマリン3.4g(0.040
モル)及び15%メチルメルカプタンナトリウム水溶液
2.6gを仕込み、内温51〜70℃にて塩化水素ガスを
吹き込みつつ、24時間反応させた。
【0068】反応終了後、得られた反応液にベンゼン4
0g及び水30gを加え、20%炭酸ナトリウム水溶液
で中和した後、水洗し、それよりベンゼン及び未反応2,
6−ジフルオロフェノールを蒸留回収した。
【0069】その蒸留残渣8.4gをガスクロマトグラフ
イーにて分析したところ、その組成は、2,6−ジフルオ
ロフェノール(6.61%)及び主成分(目的物)68.0
%(仕込みホルマリンに基づく存在収率は52.5モル
%)であった。
【0070】比較例1 実施例において、触媒として、85%リン酸112g
(0.97モル)を用いた以外は、実施例と同様に原料
及び触媒を仕込み、130℃にて44時間反応させた。
得られた反応液を液体クロマトグラフィー分析したとこ
ろ、目的とする3,3'−ジフルオロ-4,4'-ジヒドロキシト
リフェニルメタンの存在収率は27.5モル%にすぎなか
った。
【0071】比較例2 実施例において、触媒として、85%リン酸115.3
g(1.0モル)を用いた以外は、実施例と同様にし
て、原料を仕込み、50〜70℃にて96時間反応させ
た。得られた反応液を液体クロマトグラフィーにて分析
したところ、目的とする3,3',4" −トリフルオロ−4,4'
−ジヒドロキシトリフェニルメタンの存在収率は7.3モ
ル%にすぎず、目的物を単離することができなかった。
【0072】比較例3 実施例において、触媒として、15%メチルメルカプ
タンナトリウム水溶液6.5gを仕込んだ以外は、実施例
と同様に、原料を仕込み、塩化水素ガスを吹き込みつ
つ、40℃にて48時間反応させた。しかし、目的とす
る3,3',5,5' −テトラフルオロ−4,4'−ジヒドロキシト
リフェニルメタンは殆ど生成していないことが確かめら
れた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 37/72 C07C 37/72 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 39/367 C07C 37/20 C07C 37/72 C07C 37/74 C07B 61/00 300 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシジ
    フェニルメタン。
  2. 【請求項2】o−フルオロフェノールとホルマリンとを
    酸触媒の存在下に反応させることを特徴とする3,3'−ジ
    フルオロ−4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタンの製造
    方法。
  3. 【請求項3】酸触媒がリン酸、塩酸、硫酸又はメタンス
    ルホン酸であることを特徴とする請求項2記載の3,3'−
    ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタンの製
    造方法。
  4. 【請求項4】一般式(I) 【化1】 (式中、X1及びX2は、それぞれ独立に水素原子又はフッ
    素原子を示す。) で表されることを特徴とするフッ素化ビスフェノール
    類。
  5. 【請求項5】o−フルオロフェノール又は2,6−ジフル
    オロフェノールとベンズアルデヒド又はp−フルオロベ
    ンズアルデヒドとを塩化水素ガス又は塩化水素ガスとト
    リフルオロメタンスルホン酸との混合物を酸触媒として
    用いて反応させることを特徴とする一般式(I) 【化2】 (式中、X1及びX2は、それぞれ独立に水素原子又はフッ
    素原子を示す。) で表されるフッ素化ビスフェノール類の製造方法。
  6. 【請求項6】反応終了後、得られた反応液から必要に応
    じて未反応のo−フルオロフェノール及び/又は2,6−
    ジフルオロフェノールを蒸留にて回収した後、得られた
    蒸留残渣から目的とするビスフェノール類をアルキルベ
    ンゼン類にて抽出することを特徴とする請求項2、3又
    は5記載のフッ素化ビスフェノール類の製造方法。
  7. 【請求項7】反応を無溶剤下に行うことを特徴とする請
    求項2、3、5又は6記載のフッ素化ビスフェノール類
    の製造方法。
JP28893292A 1992-10-27 1992-10-27 新規なフッ素化ビスフェノール類及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3299571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28893292A JP3299571B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 新規なフッ素化ビスフェノール類及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28893292A JP3299571B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 新規なフッ素化ビスフェノール類及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06135875A JPH06135875A (ja) 1994-05-17
JP3299571B2 true JP3299571B2 (ja) 2002-07-08

Family

ID=17736681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28893292A Expired - Fee Related JP3299571B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 新規なフッ素化ビスフェノール類及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3299571B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105884584A (zh) * 2014-12-25 2016-08-24 江南大学 新型氟代双酚f及其制备方法
JP7404873B2 (ja) 2017-08-22 2023-12-26 三菱ケミカル株式会社 ビスフェノール組成物及びその製造方法、並びにポリカーボネート樹脂及びその製造方法
CN116234791A (zh) * 2020-10-07 2023-06-06 本州化学工业株式会社 具有联苯骨架的四酚化合物的制造方法
CN113004144B (zh) * 2021-03-09 2022-09-30 西安瑞联新材料股份有限公司 一种全氟双酚a的合成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06135875A (ja) 1994-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7446234B2 (en) Bisphenol compound and process for preparation thereof
US4239918A (en) Meta, para-substituted isopropylidene bisphenols and methods for making
US3855306A (en) Process for the preparation of 2,4,5-trimethoxybenzaldehyde
JP3299571B2 (ja) 新規なフッ素化ビスフェノール類及びその製造方法
EP1868978B1 (en) Novel 1-bromo-4- (4'-bromophenoxy)-2-pentadecyl benzene and a process for the preparation thereof
JPS6058738B2 (ja) P−イソプロペニルフエノ−ルの線状3量体の製法
CA1293265C (en) Preparation process of 4,4'-biphenol, precursor of same and preparation process of precursor
JP3881469B2 (ja) アルケニルフェノール類又はそれらの異性体混合物
JP4020517B2 (ja) 非対称シクロヘキシリデン多価フェノール類とその製造方法
CN116283504B (zh) 一种2,4-二枯基酚的合成方法
JP2557382B2 (ja) メタ臭素化ビフュノールの製造方法
JPH0710812B2 (ja) ビス(3−ニトロフエノキシ)化合物の製造方法
JP2585628B2 (ja) ハロゲンアルコールの製法
JP2000239206A (ja) 非対称アルキリデン多価フェノール類とその製造方法
US5118889A (en) Process for preparing allyl chloride
JP3099847B2 (ja) 新規なフツ素含有ビスフエノール類及びその製造方法
WO1993006072A1 (en) Process for preparing hydroxybenzocyclobutenes
US4562266A (en) Process for the preparation of 2,3-dihydro-2,2-dimethyl-7-benzofuranol
JPH0699352B2 (ja) p―またはm―〔2―(メトキシ)エチル〕フェノールの合成法
JPH0692339B2 (ja) オルトー脂肪族オキシフェノール誘導体の製造方法
JP2003104928A (ja) ヒドロキシアセトフェノン類の製造方法
KR100976749B1 (ko) 글리시딜 에테르의 제조 방법
EP1185491B1 (en) Process for the preparation of tetrafluorohalogenbenzenes
GB2047235A (en) Process for the preparation of 3-phenoxybenzene derivatives
EP0188031A1 (en) Novel substituted phenyl ethers, process for their preparation, and their use in the preparation of substituted phenols

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080419

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090419

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090419

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100419

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees