JP3299571B2 - 新規なフッ素化ビスフェノール類及びその製造方法 - Google Patents
新規なフッ素化ビスフェノール類及びその製造方法Info
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
ノール類及びその製造方法に関し、詳しくは、例えば、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポ
キシ樹脂等の原料単量体や種々の有機化合物の製造のた
めの中間体として有用である新規なフッ素化ビスフェノ
ール類及びその製造方法に関する。
体の原料単量体や種々の有機化合物の製造のための中間
体等として有用な化合物である。近年、新規な機能性高
分子材料の開発が盛んに行われており、その原料とし
て、新規な性質及び特異な特徴を備えたビスフェノール
類の開発が望まれている。
要望に応えるためになされたものであって、特異な特徴
を備えた高分子材料、具体的には、低誘電率、低吸水性
及びすぐれた耐熱性等の性質を備えた高分子材料の原料
として有用な新規なフッ素含有ビスフェノール類及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
ビスフェノール類である4,4'−ジヒドロキシジフェニル
メタン及び4,4'−ジヒドロキシトリフェニルメタン類の
製造方法については、既に、種々のものが知られてい
る。
タンの製造方法については、フェノールとホルマリンと
を種々の触媒の存在下に反応させる方法が多数知られて
いるものの、それらの方法によれば、大部分の場合、4,
4'−ジヒドロキシジフェニルメタンを主成分とし、2,2'
−及び2,4'−ジヒドロキシジフェニルメタンを含む異性
体の混合物が得られる。
928号公報に記載の方法によれば、85%リン酸を触
媒として、ホルマリンに基づいて、2,2'−、2,4'−及び
4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタンからなる異性体混
合物を収率89モル%にて、また、4,4'−ジヒドロキシ
ジフェニルメタンを収率49モル%にて得ることができ
ることが開示されている。
ば、10〜30%の希硫酸を触媒として用いることによ
って、ホルマリンの反応率57〜78%にて、4,4'−ジ
ヒドロキシジフェニルメタンを収率28〜64モル%に
て得ることができることが開示されている。特開昭55
−124730号公報によれば、シュウ酸を触媒とし
て、ホルマリンに基づいて、ジヒドロキシジフェニルメ
タンの異性体の混合物を収率97モル%にて、また、4,
4'−ジヒドロキシジフェニルメタンを収率33モル%に
て得ることができることが開示されている。
る。例えば、ヨーロツパ特許第331173号明細書に
よれば、活性白土を触媒として用いることによって、ジ
ヒドロキシジフェニルメタンの異性体の混合物を収率9
3モル%にて、また、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメ
タンを収率39モル%にて得ることができることが開示
されている。同様に、ヨーロツパ特許第265017号
明細書によれば、ゼオライトを触媒として、4,4'−ジヒ
ドロキシジフェニルメタンを収率29モル%にて得るこ
とができることが開示されている。
ェノールとホルマリンとを反応させて、4,4'−ジヒドロ
キシジフェニルメタンを製造する方法によれば、ホルマ
リンの反応性が大きいために、ジヒドロキシジフェニル
メタンの異性体と同時に、高沸点成分、即ち、樹脂状物
質も生成しやすく、従って、4,4'−ジヒドロキシジフェ
ニルメタンを選択的に製造するには、従来、特殊な条件
を用いる方法が提案されている。
書には、85%リン酸を触媒とし、10℃の低温反応に
よって、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタンを収率6
8モル%にて得ることができることが開示されている。
特公昭48−38694号公報によれば、35%塩酸と
ジメチルスルホキシド若しくはジメチルホルムアミドと
の組合わせからなる触媒を用いることによって、4,4'−
ジヒドロキシジフェニルメタンを72モル%の収率で得
ることができることが開示されている。特開平3−10
9342号公報によれば、塩酸とクラウンエーテルの組
み合せによって、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン
を80モル%の収率で得ることができるかとが開示され
ている。
料とする4,4'−ジヒドロキシトリフェニルメタンの製造
方法については、陽イオン交換樹脂を触媒とし、30℃
で1週間反応させて、収率60モル%にて目的物を得る
方法が特開平1−190713号公報に開示されてお
り、また、フェノールとホウ酸を反応させた後、濃硫酸
及びメルカプトプロピオン酸を触媒として、26〜20
℃にて約21時間反応させて、収率54モル%にて目的
物を得る方法がオーストラリア特許第489747号明
細書に開示されている。
ドロキシジフェニルメタン及びジヒドロキシトリフェニ
ルメタンの製造について広範な研究を重ねた結果、ベン
ズアルデヒド類とフェノール類の反応性を比較すれば、
フェノール類に対する反応性は、ベンズアルデヒドより
p−フルオロベンズアルデヒドの方が反応性が低いこ
と、また、ベンズアルデヒド類に対するフェノール類の
反応性は、フェノールよりもo−フルオロフェノールの
方が低く、o−フルオロフェノールよりも2,6−ジフル
オロフェノールの方が更に低いことを認めた。特に、2,
6−ジフルオロフェノールとベンズアルデヒド類を原料
とした場合、前述した従来の方法による反応条件では、
反応が非常に遅いことを認めた。
4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン及び4,4'−ジヒド
ロキシトリフェニルメタンの製造方法を分子中にフッ素
原子を含むフッ素化ビスフェノール類の製造に適用して
も、反応率が非常に低いので、収率が極めて低いうえ
に、その単離も容易ではない。
リエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポキ
シ樹脂等の原料単量体や種々の有機化合物の製造のため
の中間体として有用である新規なフッ素化ビスフェノー
ル類を提供することを目的とし、更に、上述したような
製造上の問題を解決して、高収率にてフッ素化ビスフェ
ノール類を製造し得る方法を提供することを目的とす
る。
素化ビスフェノール類の第1は、3,3'−ジフルオロ−4,
4'−ジヒドロキシジフェニルメタンである。
シジフェニルメタンは、本発明に従って、o−フルオロ
フェノールとホルマリンとを酸触媒の存在下に反応させ
ることによって得ることができる。
ル類の第2は、一般式(I)
原子又はフッ素原子を示す。)で表されることを特徴と
する。
明に従って、o−フルオロフェノール又は2,6−ジフル
オロフェノールとベンズアルデヒド又はp−フルオロベ
ンズアルデヒドとを酸触媒の存在下に反応させることに
よって得ることができる。
えば、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシトリフェ
ニルメタン、3,3',5,5’−テトラフルオロ−4,4'−ジヒ
ドロキシトリフェニルメタン、3,3',4" −トリフルオロ
−4,4'−ジヒドロキシトリフェニルメタン、3,3',4",5,
5'−ペンタフルオロ−4,4'−ジヒドロキシトリフェニル
メタン等を挙げることができる。
ずれのフッ素化ビスフェノール類の製造においても、酸
触媒としては、リン酸、硫酸、塩酸、塩化水素ガス、メ
タンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸から
選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
ホルマリンとの反応によって、本発明による第1のフッ
素化ビスフェノール類を得るには、好ましくは、リン
酸、塩酸、硫酸又はメタンスルホン酸が用いられる。こ
れらのなかでも、特に、リン酸(好ましくは85%程
度)、塩酸(好ましくは35%程度)、硫酸(好ましく
は70%程度)が用いられる。このような触媒を用いる
ことによって、高選択性にて、目的とする4,4'−体を得
ることができる。前述したように、ホルマリンとフェノ
ールとは、反応しやすいものの、異性体の混合物及び樹
脂状物が生成しやすいので、4,4'−体を得るには、特殊
な触媒や、或いは反応条件が必要とされる。
ジフルオロフェノールとベンズアルデヒド又はp−フル
オロベンズアルデヒドとの反応によつて、本発明による
第2のフッ素化ビスフェノール類を得るには、好ましく
は、塩化水素ガス又は塩化水素とトリフルオロメタンス
ルホン酸との混合物が触媒として用いられる。最も好ま
しい触媒は、塩化水素とトリフルオロメタンスルホン酸
との混合物である。
ド類とフェノール類とは反応し難く収率も低いが、本発
明において用いるフッ素化フェノール類は、ベンズアル
デヒド類に対する反応性がフェノールよりも更に低いの
で、リン酸や硫酸等を単独で用いた場合、反応性が極度
に低く、目的物を単離することができない。しかし、本
発明に従って、塩化水素ガス又は塩化水素とトリフルオ
ロメタンスルホン酸との混合物を触媒として用いて、反
応速度を速めることによって、目的とする4,4'−体を高
選択率高収率にて得ることができる。
にも、助触媒として、メルカプタン類、例えばメチルメ
ルカプタンナトリウム、エチルメルカプタン、オクチル
メルカプタン、ラウリルメルカプタン等を前記酸触媒と
併用することが好ましい。
に限定されるものではないが、余りに少ないときは、反
応を促進する触媒としての効果が乏しく、他方、過多に
用いるときは、反応後の処理が面倒となり、また、目的
物の収率の低下を招くことがある。従って、通常、仕込
みフルオロフェノール類に対して、0.1〜5倍モル量が
好ましい。
ール類/アルデヒド類についても、本発明においては、
特に限定されるものではないが、通常、上記モル比は2
〜30の範囲にあるのが好ましい。上記モル比が余りに
小さいときは、副生物の生成割合が多くなり、他方、上
記モル比を余りに大きくするときは、目的物の生産効率
が低下すると共に、高価なフルオロフェノール類の損失
量が多くなる。
てもよいが、反応速度、目的物の生産効率及び反応後処
理を考慮すれば、無溶剤下に反応を行うのが好ましい。
ェノール類及びアルデヒド類を仕込んだ後に、触媒を添
加するか、又はフルオロフェノール類及び触媒を仕込ん
だ後に、アルデヒド類を滴下する方法が好ましい。
が、反応温度が低すぎるときは、反応速度が遅く、ま
た、高すぎるときは、タール状の副生物が増加して、収
率の低下を招くので、通常、10〜200℃、好ましく
は20〜150℃の範囲が好適である。
いが、本発明によるフッ素化ビスフェノール類に対応す
る分子骨格にフッ素原子を含まないビスフェノール類の
製造に要するよりも長時間を要する。
(HPLC分析)又はガスクロマトグラフィー分析(G
C分析)にて追跡することができるので、目的物の増加
が認められなくなった時点を反応終点とすればよい。
を単離するには、精留による分離精製も可能ではある
が、操作性及び不純物の除去効率の面から、アルキルベ
ンゼン類による再結晶精製が好ましい。上記アルキルベ
ンゼン類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン類、ジエチ
ルベンゼン類等が好ましく用いられるが、特に、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等が好ましく用いられる。
結晶に際して、反応液に含まれる触媒はそのままでもよ
いが、好ましくは、予め水洗又はアルカリ水溶液にて中
和除去するのがよい。再結晶において用いるアルキルベ
ンゼン類の量は、特に、限定されるものではないが、通
常、未反応フルオロフェノール類を回収した残液に対し
て、1〜5重量倍を用いることが好ましい。
フェノール類も、そのままでもよいが、好ましくは、予
め減圧蒸留等により回収してから、上記のようにして、
目的とするフッ素化ビスフェノール類をアルキルベンゼ
ン類から再結晶するのが好ましい。
ェノール類として、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロ
キシジフェニルメタンと前記一般式(I)で表わされる
ものが提供される。
ゼン核の水酸基のo−位にフッ素原子を有するジフェニ
ルメタン類及びトリフェニルメタン類であることに特徴
を有する。このように、水酸基のo−位にフッ素原子を
有するビスフェノール類は、そのフッ素原子の強い電子
吸引性と疎水性の性質によって、これを原料として得ら
れる種々の高分子材料に低誘電率及び低吸水性を与える
ことができる。
子に対する強い結合力によって、高分子材料の耐熱性を
向上させることもできる。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
ガスの吸収装置に接続した還流コンデンサーを備えた5
00ml容量四つ口フラスコにo−フルオロフェノール1
68g(1.5モル)、35%ホルマリン13g(0.15
モル)及び85%リン酸173g(1.5モル)を仕込
み、内温40〜42℃にて25時間反応させた。
を分液除去し、油層を20%炭酸ナトリウム水溶液にて
中和した後、水洗し、それより未反応o−フルオロフェ
ノールを蒸留回収した。
フィーにて分析したところ、その組成は、o−フルオロ
フェノール1.87%、副生物(2,2'−体)3.79%、副
生物(2,4'−体)12.56%及び主成分(目的物)76.
09%(仕込みホルマリンに基づく存在収率は76.7モ
ル%)であった。
結晶して、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシジフ
ェニルメタン21.9gを融点102.3℃、GC分析純度
99.6%の白色粉末結晶として得た。分析データを以下
に示す。
〜3100) 上記以外の強い吸収ピーク:1600, 1510, 1440, 1340,
1280, 1190, 1100,950, 800 NMR(270 MHz、CDCl3 溶剤使用、δ値、シグナル形
及びプロトン積分比) 3.83(s, 2H), 5.19-5.20 (d, 2H), 6.86-7.04 (m, 6H) フッ素の定量分析 実測値 15.40% 理論値 16.10%
g(0.3モル)、35%ホルマリン5.1g(0.06モ
ル)及び70%硫酸26g(0.18モル)を仕込み、内
温40〜42℃にて20時間反応させた。
分液除去した後、中和水洗して、黄褐色の油層37.3g
を得た。この油層を液体クロマトグラフィーにて分析し
たところ、その組成は、未反応o−フルオロフェノール
61.51%、副生物(2,2'−体)2.99%、副生物(2,
4'−体)6.71%及び目的物(3,3'−ジフルオロ−4,4'
−ジヒドロキシジフェニルメタン)27.0%(仕込みホ
ルマリンに基づく存在収率は71.1モル%)であった。
g(1.0モル)、ベンズアルデヒド21.2g(0.2モ
ル)及び15%メチルメルカプタンナトリウム水溶液2
gを仕込んだ。この後、塩化水素ガスを吹き込みつつ、
内温40℃で4時間反応させた。
0%炭酸ナトリウム水溶液にて中和した後、水洗し、そ
れより未反応o−フルオロフェノールを蒸留回収した。
フイー分析したところ、その組成は、o−フルオロフェ
ノール0.69%及び主成分(目的物)89.90%(仕込
みベンズアルデヒドに基づく存在収率は84.3モル%)
であった。
再結晶して、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシト
リフェニルメタン45.5gを融点123.3℃、GC分析
純度99.5%の淡褐色粉末結晶として得た。以下に分析
データを示す。
ノール) 赤外線吸収スペクトル分析(KBr錠剤法、cm-1) フェノール性水酸基特有の強い吸収ピーク:3300(3600
〜3100) 上記以外の強い吸収ピーク:1600, 1600, 1510, 1440,
1360, 1290, 1200,1100, 700 NMR(270 MHz、CDCl3 溶剤使用、δ値、シグナル形
及びプロトン積分比) 5.26-5.27 (d, 2H), 5.45 (s, 1H), 6.81-7.43 (m, 11
H) フッ素の定量分析 実測値 11.96% 理論値 12.18%
1g及び濃塩酸2.8gを用いた以外は、実施例3と同様
に原料を仕込んだ。内温40℃で31時間反応させた
後、実施例3と同様に後処理して、目的物である3,3'−
ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシトリフェニルメタンを
存在収率67.0モル%にて得た。
g(1.0モル)、p−フルオロベンズアルデヒド24.8
g(0.2モル)及び水5.6gを仕込んだ。この後、塩化
水素ガスを吹き込みつつ、内温39〜41℃にて69時
間反応させた。
0%炭酸ナトリウム水溶液にて中和した後、水洗し、そ
れより未反応o−フルオロフェノールを蒸留回収した。
フイーにて分析したところ、その組成は、o−フルオロ
フェノール3.50%及び主成分(目的物)87.0%(仕
込みp−フルオロベンズアルデヒドに基づく存在収率は
85.9モル%)であった。
再結晶して、3,3',4" −トリフルオロ−4,4'−ジヒドロ
キシトリフェニルメタン40gを融点115.7℃、GC
分析純度99.2%のベージュ色粉末結晶として得た。以
下に分析データを示す。
オロフェノール) 赤外線吸収スペクトル分析(cm-1) フェノール性水酸基有の強い吸収ピーク:3300(3600〜
3100) 上記以外の強い吸収ピーク:1600, 1510, 1430, 1360,
1290, 1230, 1100,750 NMR(200 MHz、DMSO溶剤使用、δ値、シグナル形及
びプロトン積分比) 5.41 (s, 1H), 6.66-6.92 (m, 6H), 7.04-7.14 (m, 4H) フッ素の定量分析 実測値 17.0% 理論値 17.27%
に2,6−ジフルオロフェノール65g(0.5モル)、ト
リフルオロメタンスルホン酸1.5g(0.01モル)及び
ベンズアルデヒド10.6g(0.1モル)を仕込んだ。こ
の後、塩化水素ガスを吹き込みつつ、昇温し、内温78
〜103℃にて67時間反応させた。
5%炭酸ナトリウム水溶液にて中和した後、水洗し、そ
れより未反応2,6−ジフルオロフェノールを蒸留回収し
た。
フイーにて分析したところ、その組成は、2,6−ジフル
オロフェノール27.6%、ベンズアルデヒド9.2%及び
主成分(目的物)54.4%(仕込みベンズアルデヒドに
基づく存在収率は52.1モル%)であった。
再結晶して、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシト
リフェニルメタン12.5gを融点101.2℃、GC分析
純度98.9%の淡緑色粉末結晶として得た。以下に分析
データを示す。
ェノール) 赤外線吸収スペクトル分析(KBr錠剤法、cm-1) フェノール性水酸基特有の強い吸収ピーク:3380(3600
〜3100) 上記以外の強い吸収ピーク:1600, 1518, 1440, 1320,
1010, 800, 700 NMR(270 MHz、CDCl3 溶剤使用、δ値、シグナル形
及びプロトン積分比) 1.68 (s, 2H), 5.32 (s, 1H), 6.57-6.69 (m, 4H), 7.0
4-7.07 (m, 2H),7.28-7.36 (m, 3H) フッ素の定量分析 実測値 21.01% 理論値 21.84%
5g(0.5モル)、p−フルオロベンズアルデヒド12.
4g(0.1モル)及びトリフルオロメタンスルホン酸3.
0g(0.02モル)を仕込み、塩化水素ガスを吹き込み
つつ、昇温し、内温120〜125℃にて9時間反応さ
せた。反応終了後、得られた赤褐色の反応液を中和水洗
し、それより未反応2,6−ジフルオロフェノールを蒸留
回収した。
フイーにて分析したところ、その組成は、2,6−ジフル
オロフェノール(0.85%及び主成分(目的物)76.5
5%(仕込みp−フルオロベンズアルデヒドに基づく存
在収率は62.7モル%)であった。この蒸留残渣をトル
エンから2回再結晶して、3,3',5,5',4"−ペンタフルオ
ロ−4,4'−ジヒドロキシトリフェニルメタン12.0gを
融点92.2℃、GC分析純度97.3%の淡黄色粉末結晶
として得た。以下に分析データを示す。
ルオロフェノール)赤外線吸収スペクトル分析(KBr
錠剤法、cm-1) フェノール性水酸基有の強い吸収ピーク:3360(3600〜
3100) 上記以外の強い吸収ピーク:1600, 1520, 1440, 1320,
1220, 1020, 850 NMR(270 MHz、CDCl3 溶剤使用、δ値、シグナル形
及びプロトン積分比) 5.22 (s, 1H), 5.28 (s, 1H), 6.52-6.63 (m, 4H), 6.9
7-7.00 (m, 4H) フッ素の定量分析 実測値 25.53% 理論値 25.95%
6g(0.2モル)、35%ホルマリン3.4g(0.040
モル)及び15%メチルメルカプタンナトリウム水溶液
2.6gを仕込み、内温51〜70℃にて塩化水素ガスを
吹き込みつつ、24時間反応させた。
0g及び水30gを加え、20%炭酸ナトリウム水溶液
で中和した後、水洗し、それよりベンゼン及び未反応2,
6−ジフルオロフェノールを蒸留回収した。
イーにて分析したところ、その組成は、2,6−ジフルオ
ロフェノール(6.61%)及び主成分(目的物)68.0
%(仕込みホルマリンに基づく存在収率は52.5モル
%)であった。
(0.97モル)を用いた以外は、実施例3と同様に原料
及び触媒を仕込み、130℃にて44時間反応させた。
得られた反応液を液体クロマトグラフィー分析したとこ
ろ、目的とする3,3'−ジフルオロ-4,4'-ジヒドロキシト
リフェニルメタンの存在収率は27.5モル%にすぎなか
った。
g(1.0モル)を用いた以外は、実施例5と同様にし
て、原料を仕込み、50〜70℃にて96時間反応させ
た。得られた反応液を液体クロマトグラフィーにて分析
したところ、目的とする3,3',4" −トリフルオロ−4,4'
−ジヒドロキシトリフェニルメタンの存在収率は7.3モ
ル%にすぎず、目的物を単離することができなかった。
タンナトリウム水溶液6.5gを仕込んだ以外は、実施例
6と同様に、原料を仕込み、塩化水素ガスを吹き込みつ
つ、40℃にて48時間反応させた。しかし、目的とす
る3,3',5,5' −テトラフルオロ−4,4'−ジヒドロキシト
リフェニルメタンは殆ど生成していないことが確かめら
れた。
Claims (7)
- 【請求項1】3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシジ
フェニルメタン。 - 【請求項2】o−フルオロフェノールとホルマリンとを
酸触媒の存在下に反応させることを特徴とする3,3'−ジ
フルオロ−4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタンの製造
方法。 - 【請求項3】酸触媒がリン酸、塩酸、硫酸又はメタンス
ルホン酸であることを特徴とする請求項2記載の3,3'−
ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタンの製
造方法。 - 【請求項4】一般式(I) 【化1】 (式中、X1及びX2は、それぞれ独立に水素原子又はフッ
素原子を示す。) で表されることを特徴とするフッ素化ビスフェノール
類。 - 【請求項5】o−フルオロフェノール又は2,6−ジフル
オロフェノールとベンズアルデヒド又はp−フルオロベ
ンズアルデヒドとを塩化水素ガス又は塩化水素ガスとト
リフルオロメタンスルホン酸との混合物を酸触媒として
用いて反応させることを特徴とする一般式(I) 【化2】 (式中、X1及びX2は、それぞれ独立に水素原子又はフッ
素原子を示す。) で表されるフッ素化ビスフェノール類の製造方法。 - 【請求項6】反応終了後、得られた反応液から必要に応
じて未反応のo−フルオロフェノール及び/又は2,6−
ジフルオロフェノールを蒸留にて回収した後、得られた
蒸留残渣から目的とするビスフェノール類をアルキルベ
ンゼン類にて抽出することを特徴とする請求項2、3又
は5記載のフッ素化ビスフェノール類の製造方法。 - 【請求項7】反応を無溶剤下に行うことを特徴とする請
求項2、3、5又は6記載のフッ素化ビスフェノール類
の製造方法。
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