JP3099847B2 - 新規なフツ素含有ビスフエノール類及びその製造方法 - Google Patents

新規なフツ素含有ビスフエノール類及びその製造方法

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JP3099847B2 JP04156897A JP15689792A JP3099847B2 JP 3099847 B2 JP3099847 B2 JP 3099847B2 JP 04156897 A JP04156897 A JP 04156897A JP 15689792 A JP15689792 A JP 15689792A JP 3099847 B2 JP3099847 B2 JP 3099847B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフツ素含有ビス
フエノール類及びその製造方法に関し、詳しくは、3,3'
−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシテトラフエニルメタ
ン及び 3,3',5,5'−テトラフルオロ−4,4'−ジヒドロキ
シテトラフエニルメタン、並びにその製造方法に関す
る。これらビスフエノール類は、例えば、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポキシ樹脂等
の高分子材料の原料モノマーや、或いは種々の有機化合
物の製造中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】一般に、ビスフエノール類は、種々の高
分子材料の原料モノマーや、或いは種々の有機化合物の
製造のための中間体として有用である。近年、新規な機
能性高分子材料が種々開発されており、そのような高分
子材料を得るための原料として、新規な性質及び特異な
特徴を備えたビスフエノール類の開発が望まれている。
【0003】本発明は、特異な特徴を備えた高分子材
料、具体的には、低誘電率、低吸水性及び高耐熱性等の
性質を備えた高分子材料の原料として有用な新規なフツ
素含有ビスフエノール類及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。本発明による新規なフツ素含有ビスフ
エノール類に対応する分子構造中にフツ素原子をもたな
い4,4'−ジヒドロキシテトラフエニルメタン類の製造方
法は、既に、種々の文献に記載されている。
【0004】例えば、フエノールとα, α−ジクロルジ
フエニルメタンとを無触媒下に反応させる方法が Ind.
and Eng. Chem. (17) 2344頁 (1925) 、特公昭46−1
1651号公報、Brit. 1, 204, 459 (1970)、特開平2
−212447号公報等に開示されており、これらによ
れば、目的物である4,4'−ジヒドロキシテトラフエニル
メタンがα, α−ジクロルジフエニルメタン基準にて、
収率60〜75mol %にて単離されている。
【0005】上記特開平2−212447号公報には、
o−クレゾールとα, α−ジクロルジフエニルメタンと
を無触媒下に反応させる方法が開示されており、それに
よれば、目的物である3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロ
キシテトラフエニルメタンが収率70%で単離されてい
る。更に、o−シクロヘキシルフエノールとα, α−ジ
クロルジフエニルメタンとを無触媒下に反応させて、3,
3'−ジシクロヘキシル−4,4'−ジヒドロキシテトラフエ
ニルメタンを得る方法が特開昭64−70426号公報
に開示されている。
【0006】しかしながら、上記文献に記載された方法
に従つて、o−フルオロフエノール又は2,6−ジフルオ
ロフエノールのようなフツ素含有フエノール類とα, α
−ジクロルジフエニルメタンとを無触媒下で反応させて
も、副生物の生成が多く、目的とするフツ素含有ビスフ
エノールは、その収率が著しく低いか、又は殆ど得るこ
とができない。
【0007】他方、ベンゾトリクロライドとベンゼンと
の反応液にフエノール又はo−クレゾールを添加し、反
応させて、4,4'−ジヒドロキシジフエニルメタン又は3,
3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシテトラフエニルメタ
ンを得る方法が特開平1−31942号公報に開示され
ている。この方法において、フエノールに代えて、o−
フルオロフエノールを用いても、副生物が多量に生成
し、目的とする3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシ
テトラフエニルメタンの収率が著しく低く、その単離も
困難である。
【0008】上述したように、α, α−ジクロルジフエ
ニルメタンとフエノール類とを反応させて、4,4'−ジヒ
ドロキシジフエニルメタン類を製造する場合に、フエノ
ール類の種類によつて反応性が大きく異なり、特に、フ
ルオロフエノール類は、分子中にフツ素をもたないフエ
ノール又はアルキルフエノール類に比べて、はるかに反
応し難く、また、反応しても、副生物が多く、目的とす
るフツ素含有ビスフエノール類の収率が低いので、その
単離が困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フツ素含有
ビスフエノール類の製造における上記した問題を解決す
るためになされたものであつて、所定の触媒の存在下に
フツ素含有フエノール類とα, α−ジクロルジフエニル
メタンとを反応させることによつて、新規なフツ素含有
ビスフエノール類、特に、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジ
ヒドロキシテトラフエニルメタンと 3,3',5,5'−テトラ
フルオロ−4,4'−ジヒドロキシテトラフエニルメタンと
をそれぞれ高収率に得ることができ、且つ、容易に単離
することができる方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による新規なフツ
素含有ビスフエノール類は、一般式(I)
【0011】
【化3】
【0012】(式中、Xは水素原子又はフツ素原子を示
す。)で表わされる。かかる本発明による新規なフツ素
含有ビスフエノール類は、o−フルオロフエノール又は
2,6−ジフルオロフエノールとα, α−ジクロルジフエ
ニルメタンとを触媒量の酸化マグネシウム又は塩化アル
ミニウムの存在下に反応させることによつて得ることが
できる。
【0013】本発明による前記一般式(I)で表わされ
るフツ素含有ビスフエノール類は、好ましくは、3,3'−
ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシテトラフエニルメタン
及び3,3',5,5'−テトラフルオロ−4,4'−ジヒドロキシ
テトラフエニルメタンとである。本発明によるかかるフ
ツ素含有ビスフエノール類は、o−フルオロフエノール
又は2,6−ジフルオロフエノール(以下、これらを単に
フツ素含有フエノール類ということがある。)とα, α
−ジクロルジフエニルメタンとを触媒量の酸化マグネシ
ウム又は塩化アルミニウムの存在下に反応させることに
よつて得ることができる。
【0014】本発明においては、フツ素含有フエノール
類とα, α−ジクロルジフエニルメタンとは、特に限定
されるものではないが、通常、これらは、フツ素含有フ
エノール類/α, α−ジクロルジフエニルメタンの仕込
みモル比が2〜10の範囲にて用いられる。この仕込み
モル比が小さすぎるときは、反応において、副生物の生
成が多くなり、一方、大きすぎるときは、目的物の収率
が低下すると共に、高価なフツ素含有フエノール類の損
失量が多くなる。
【0015】本発明において、触媒として用いる酸化マ
グネシウム又は塩化アルミニウムの使用量は、特に限定
されるものではないが、通常、仕込みのα, α−ジクロ
ルジフエニルメタンに対して、0.01〜10mol %の範
囲であることが好ましい。酸化マグネシウム又は塩化ア
ルミニウムの使用量が少なすぎるときは、触媒としての
効果が乏しく、反応が十分に進行しない。しかし、過多
に用いるときは、反応後の処理が煩雑となり、しかも、
目的物の収率が低下することがある。
【0016】本発明の方法において、必要に応じて、反
応溶剤を用いてもよいが、目的物の収率及び反応の後処
理を考慮すれば、通常、無溶剤下に反応を行なうのが有
利である。前述した触媒、原料であるフツ素含有フエノ
ール類及びα, α−ジクロルジフエニルメタンの仕込み
方法、更に、反応温度についても、本発明においては、
特に限定されるものではないが、一つの方法として、室
温乃至60℃の比較的低い温度にてフツ素含有フエノー
ル類と触媒を仕込み、少なくとも温度110℃まで昇温
し、次いで、ジクロルジフエニルメタンを滴下する方法
を好ましい方法として挙げることができる。また、別の
方法として、フツ素含有フエノール類、α,α−ジクロ
ルジフエニルメタン及び触媒を一括して仕込み、これら
を20〜60℃の比較的低い温度にて反応させた後、少
なくとも110℃まで昇温する2段階法を好ましい方法
として挙げることができる。
【0017】本発明によれば、上記いずれの方法による
場合も、上記した反応の後に、温度110〜200℃、
好ましくは120〜180℃での後反応が必要である。
この後反応の温度が低すぎるときは、目的物が殆ど生成
しないし、他方、後反応の温度が高すぎるときは、ター
ル状物の生成量が増加し、目的物の収率が低下する。ま
た、反応時間についても、特に限定されるものではない
が、反応液の液体クロマトグラフイー分析又はガスクロ
マトグラフイー分析によつて、目的物の増加が認められ
なくなつた時点を反応終点とすればよい。また、上記し
た後反応時間は、通常、20〜40時間の範囲である。
【0018】原料の一つであるα, α−ジクロルジフエ
ニルメタンは、加水分解しやすい化合物であり、加水分
解したときは、本発明による目的とするフツ素含有ビス
フエノール類を得ることができない。従つて、本発明に
おいては、反応系内に水分が混入することを防止するこ
とが必要である。従つて、本発明においては、例えば、
乾燥させた窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下に反応を行
なうのが好ましい。
【0019】反応終了後に得られた反応液から目的とす
るフツ素含有ビスフエノール類を単離する方法は、特に
限定されるものではないが、通常、先ず、得られた反応
液から触媒を除去した後、そのまま、或いは未反応のフ
ツ素含有フエノール類を減圧蒸留によつて分離回収した
後、メタノール、エタノール等の低級脂肪族アルコール
類又はベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素溶剤を用いて、再結晶して、高純度品を単離回収する
ことが好ましい。
【0020】本発明による新規なフツ素含有ビスフエノ
ール類は、分子骨格に4個のフエニル基を有し、且つ、
ベンゼン核の水酸基のo−位にフツ素原子を有する。こ
のように、本発明によるフツ素含有ビスフエノール類
は、それ自体、大きな分子骨格を有すると共に、フツ素
原子の強い電子吸収性と疎水性の作用によつて、それよ
り導かれる高分子材料に低誘電率や低吸水性を与えるこ
とができる。
【0021】更に、本発明によるフツ素含有ビスフエノ
ール類は、フツ素原子が水素原子よりも炭素原子に対し
て強い結合力を有することから、それより導かれる高分
子材料に高い耐熱性を与えることができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0023】実施例1 攪拌機、温度計、滴下漏斗及び発生塩酸ガスの吸収装置
に接続した還流コンデンサーを備えた2000ml容量四
つ口フラスコにo−フルオロフエノール448g(4.0
mol)と酸化マグネシウム2.2g(0.055 mol)とを
仕込み、窒素ガス置換を行つた後、昇温させた。内温を
137〜145℃に保持しつつ、α, α−ジクロルジフ
エニルメタン237g(1.0 mol)を約2.5時間で滴下
した。この滴下の終了後、数時間で結晶が析出し、反応
液は濃赤褐色のスラリー状となつた。この後、内温を1
45〜161℃に保持しつつ、30時間、後反応を行な
つた。反応終了後、得られた反応液にトルエン1000
gを添加し、熱濾過にて触媒を除去した。この後、トル
エンと未反応o−フルオロフエノールを減圧蒸留で回収
した。
【0024】得られた蒸留残352.4gのガスクロマト
グラフイー分析組成は、o−フルオロフエノール5.60
%、ベンゾフエノン8.81%、第1の副生物7.66%、
第2の副生物3.80%、及び主成分(目的物)63.50
%であつた。上記蒸留残にメタノール1100gを添加
し、活性炭にて脱色処理した後、再結晶を2回行なつ
て、融点243.1℃、ガスクロマトグラフイー純度99.
5%の白色粉末結晶160gを得た。この白色粉末結晶
は、下記の分析結果から、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジ
ヒドロキシテトラフエニルメタンであることが確認され
た。収率は、α, α−ジクロルジフエニルメタン基準に
て41.2 mol%であつた。
【0025】質量分析(m/z) 388(M+) 、311(M−フエニル)、277(M
−o−フルオロフエノール)赤外線吸収スペクトル(cm-1 (A)フエノール性の水酸基特有の強い吸収ピーク:3
530〜3430(このピークは、分子骨格中にフツ素
原子を含まない4,4'−ジヒドロキシジフエニルメタンの
吸収ピーク(3530〜3430)とほぼ同じ位置 (波
数) にあり、且つ、4,4'−ジヒドロキシジフエニルメタ
ンにおけるよりは、多少幅の狭い吸収ピークであること
を確認した。) (B)上記(A)以外の強い吸収ピーク:1620、1
600、1500、1440〜1420、1290、1
260、1220、1180、1100、810、78
0、740、700 (C)弱いが、ベンゼン環特有の吸収ピーク:3070
〜3020、2000〜1650
【0026】プロトン核磁気共鳴スペクトル(DMSO
溶媒、200MHz、化学シフト(δ値)、シグナル形
及びプロトン積分比 (A)6.65〜6.8ppm (多重線)、6.8〜6.9ppm
(多重線)計6H (B)7.1〜7.15ppm (多重線)、7.15〜7.3ppm
(多重線)計10H (C)9.65ppm (単線、2H)フツ素の元素分析値 目的物の白色粉末5g(0.0129 mol)を精秤し、8
5%水酸化カリウム10.0g(0.152 mol)と共にニ
ツケル製のるつぼに入れ、950〜1000℃で4時間
加熱燃焼させた。その後、室温まで冷却し、るつぼ残を
イオン交換水で溶解し、500mlまで希釈し、このよう
にして得られた水溶液中のフツ素イオン(F- ) をイオ
ンメータで定量した。その結果、目的物の白色粉末中の
フツ素含有量は、8.9%(理論値9.8%)であつた。
【0027】実施例2 実施例1と同様の装置を備えた500ml容量四つ口フラ
スコに2,6−ジフルオロフエノール104g(0.8 mo
l)、酸化マグネシウム1.0g(0.025 mol)及びα,
α−ジクロルジフエニルメタン47.5g(0.20 mo
l)を仕込み、反応系内に窒素ガスを流通させつつ、3
8〜45℃で1時間攪拌下に反応させた。その後、徐々
に昇温させ、150〜160℃で24時間攪拌しつつ、
反応させた。
【0028】このようにして得られた暗褐色の反応液1
37.0gにトルエンを添加し、触媒を濾過除去した後、
トルエン及び未反応の2,6−ジフルオロフエノールを蒸
留により回収して、蒸留残72.0gを得た。この蒸留残
のガスクロマトグラフイー分析組成は、2,6−ジフルオ
ロフエノール7.22%、ベンゾフエノン26.01%、第
1の副生物7.61%、第2の副生物4.11%、及び主成
分(目的物)49.57%であつた。
【0029】上記蒸留残にトルエン140gを添加し
て、溶解させた後、10%水酸化ナトリウム水溶液20
0gでアルカリ抽出した。得られたアルカリ水層を17.
5%塩酸水溶液で中和した後、トルエンで2回再結晶し
て、ガスクロマトグラフイー純度99.4%、融点211.
1℃の白色結晶21.5gを得た。この白色粉末結晶は、
分析結果から、3,3',5,5' −テトラフルオロ−4,4'−ジ
ヒドロキシテトラフエニルメタンであることが確認され
た。収率は、α, α−ジクロルジフエニルメタン基準に
て25.4 mol%であつた。
【0030】質量分析(m/z) 424(M+ ) 、347(M−フエニル)、295(M
−ジフルオロフエノール)赤外線吸収スペクトル(cm-1 (A)フエノール性の水酸基特有の強い吸収ピーク:3
520〜3470 (B)上記(A)以外の強い吸収ピーク:1600、1
520、1480、1430、1320、1300、1
220、1200、1030、1010、1000、8
50、840、740、700 (C)弱いが、ベンゼン環特有の吸収ピーク:3080
〜3020、2000〜1660
【0031】プロトン核磁気共鳴スペクトル(DMSO
溶媒、200MHz、化学シフト(δ値)、シグナル形
及びプロトン積分比 (A)6.6〜6.7ppm (多重線、4H) (B)7.1〜7.2ppm (多重線)、7.2〜7.4ppm (多
重線)計10H (C)10.1ppm (単線、2H)フツ素の元素分析値 目的物の白色粉末5g(0.012 mol)を精秤し、85
%水酸化カリウム20.0g(0.303 mol)と共にニツ
ケル製るつぼに入れ、950〜1000℃で4時間加熱
燃焼させた。その後、室温まで冷却し、るつぼ残をイオ
ン交換水で溶解し、500mlまで希釈し、かくして、得
られた水溶液中のフツ素イオン(F- )をイオンメータ
で定量した。その結果、目的物の白色粉末中のフツ素含
有量は16.9%(理論値17.9%)であつた。
【0032】実施例3 実施例1と同様の装置を備えた1000ml容量四つ口フ
ラスコにo−フルオロフエノール224g(2.0 mol)
と塩化アルミニウム1.1g(0.01 mol)とを仕込み、
窒素ガス置換を行つた後、昇温させた。内温を136〜
141℃に保持しつつ、α, α−ジクロルジフエニルメ
タン118.5g(0.5 mol)を約2.5時間で滴下した。
この滴下終了後、139〜142℃で更に20時間攪拌
しつつ、反応させた。このようにして得られた赤褐色の
反応液にトルエン400g及び水100gを添加し、1
0%水酸化ナトリウム水溶液にて中和した。更に、不溶
物を濾過によつて除去した後、トルエン及び未反応o−
フルオロフエノールを減圧蒸留により回収した。
【0033】このようにして得られた蒸留残200.5g
のガスクロマトグラフイー分析組成は、未反応o−フル
オロフエノール1.56%、ベンゾフエノン14.44%、
第1の副生物2.75%、第2の副生物9.00%、目的物
である3,3'−ジフロロ−4,4'−ジヒドロキシテトラフエ
ニルメタン62.15%であつた。その存在収率は、仕込
みα, α−ジクロルジフエニルメタン基準にて64.2 m
ol%であつた。
【0034】上記蒸留残を少量の抱水ヒドラジンの存在
下、トルエン溶剤から再結晶を2回繰り返して、目的物
である3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシテトラフ
エニルメタンの白色粉末結晶87.5gを得た。収率は、
仕込みα, α−ジクロルジフエニルメタン基準にて45.
1 mol%であつた。この白色粉末は、融点242.8℃、
ガスクロマトグラフイー分析純度99.45%であつた。
【0035】実施例4 実施例1と同様の装置を備えた100ml容量四つ口フラ
スコにo−フルオロフエノール20g(0.178 mo
l)、塩化アルミニウム0.2g(0.0018 mol)及び
α, α−ジクロルジフエニルメタン11.0g(0.046
mol)を仕込み、反応系内に窒素ガスを流通させつつ、
20〜40℃で4時間攪拌下に反応させた。かくして得
られた赤褐色泥状の反応液を徐々に昇温し、140〜1
45℃で20時間攪拌しつつ、更に反応させた。
【0036】このようにして得られた反応液27.0gの
ガスクロマトグラフイー分析組成は、未反応o−フルオ
ロフエノール34.60%、ベンゾフエノン20.87%、
第1の副生物0.21%、第2の副生物3.59%、目的物
である3,3'−ジフロロ−4,4'−ジヒドロキシテトラフエ
ニルメタン40.04%であつた。その存在収率は、仕込
みα, α−ジクロルジフエニルメタン基準にて60.6 m
ol%であつた。
【0037】実施例5 実施例1と同様の装置を備えた100ml容量四つ口フラ
スコにo−フルオロフエノール22.4g(0.20 mo
l)、酸化マグネシウム0.2g(0.005 mol)及びα,
α−ジクロルジフエニルメタン11.9g(0.05 mo
l)を仕込み、反応系内に窒素ガスを流通させつつ、2
0〜25℃で1時間攪拌下に反応させた。かくして得ら
れた赤褐色泥状の反応液を徐々に昇温し、150〜16
0℃で24時間攪拌しつつ、更に反応させた。
【0038】このようにして得られたスラリー状の反応
液30.6gにトルエン92gを添加し、触媒を熱濾過し
て、除去した。更に、トルエン及び未反応o−フルオロ
フエノールを蒸留により回収して、蒸留残16.4gを得
た。この蒸留残のガスクロマトグラフイー分析組成は、
未反応o−フルオロフエノール4.26%、ベンゾフエノ
ン14.74%、第1の副生物5.22%、第2の副生物1.
90%、目的物である3,3'−ジフロロ−4,4'−ジヒドロ
キシテトラフエニルメタン64.23%であつた。その存
在収率は、仕込みα, α−ジクロルジフエニルメタン基
準にて54.4 mol%であつた。上記蒸留残にトルエン7
0gを添加して再結晶し、ガスクロマトグラフイー純度
99.2%の3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシテト
ラフエニルメタン7.7gを得た。収率は、仕込みのα,
α−ジクロルジフエニルメタン基準にて39.7mol %で
あつた。
【0039】実施例6 実施例1と同様の装置を備えた100ml容量四つ口フラ
スコに2,6−ジフルオロフエノール26g(0.20 mo
l)と塩化アルミニウム0.2g(0.0018 mol)とを
仕込み、反応系内に窒素ガスを流通させつつ、120℃
まで昇温した。内温122〜126℃において、α, α
−ジクロルジフエニルメタン11.9g(0.05 mol)を
2.5時間要して滴下した。その後、徐々に昇温し、15
0〜153℃で30時間攪拌して、反応を終えた。得ら
れた反応液にトルエン及び水を添加し、触媒を除去した
後、トルエン及び未反応2,6−ジフルオロフエノールを
蒸留で回収した。
【0040】得られた蒸留残15.6gのガスクロマトグ
ラフイー分析組成は、未反応2,6−ジフルオロフエノー
ル0.11%、ベンゾフエノン16.33%、第1の副生物
11.52%、第2の副生物5.01%、目的物である 3,
3',5,5'−テトラフロロ−4,4'−ジヒドロキシテトラフ
エニルメタン43.62%であつた。その存在収率は、仕
込みα, α−ジクロルジフエニルメタン基準にて32.1
mol%であつた。
【0041】実施例7 実施例1と同様の装置を備えた100ml容量四つ口フラ
スコに2,6−ジフルオロフエノール26g(0.20 mo
l)と酸化マグネシウム0.1g(0.001 mol)とを仕
込み、窒素ガス置換しつつ、120℃まで昇温させた。
【0042】内温123〜128℃に保ちつつ、α, α
−ジクロルジフエニルメタン11.9g(0.95 mol)を
2時間要して滴下した。この滴下終了後、150℃まで
昇温し、更に28時間、後攪拌して、反応を終えた。か
くして得られた赤褐色の反応液から、未反応の2,6−ジ
フルオロフエノールを蒸留により回収した。
【0043】得られた蒸留残17.0gのガスクロマトグ
ラフイー分析組成は、2,6−ジフルオロフエノール1.7
4%、ベンゾフエノン19.60%、第1の副生物8.30
%、第2の副生物15.62%、及び目的とする 3,3',5,
5'−テトラフロロ−4,4'−ジヒドロキシテトラフエニル
メタン49.51%であつた。その存在収率は、仕込み
α, α−ジクロルジフエニルメタン基準にて39.7 mol
%であつた。
【0044】比較例1 実施例1と同様の装置を備えた100ml容量四つ口フラ
スコにo−フルオロフエノール26.9g(0.24 mol)
を仕込み、窒素ガスを流通させつつ、昇温させた。内温
を145〜151℃に保持しつつ、α, α−ジクロルジ
フエニルメタン14.2g(0.06 mol)を3.5時間で滴
下した。その後、151〜156℃で20時間、後反応
させた。かくして得られた赤褐色泥状の反応液から、未
反応o−フルオロフエノールを蒸留で回収した。
【0045】得られた蒸留残18.3gのガスクロマトグ
ラフイー分析組成は、o−フルオロフエノール3.37
%、ベンゾフエノン12.29%、第1の副生物2.57
%、第2の副生物42.83%、及び目的とする3,3'−ジ
フロロ−4,4'−ジヒドロキシテトラフエニルメタン35.
73%であつた。その存在収率は、仕込みα, α−ジク
ロルジフエニルメタン基準にて28.1 mol%であつた。
【0046】比較例2 実施例2と同様の装置を備えた100ml容量四つ口フラ
スコに2,6−ジフルオロフエノール26g(0.20 mo
l)を仕込み、117℃まで昇温させた。内温117〜
125℃に保ちつつ、α, α−ジクロルジフエニルメタ
ン11.9g(0.05 mol)を2.5時間で滴下した。この
滴下終了後、118〜123℃の温度にて更に12時間
攪拌して、反応を終えた。このようにして得られた赤褐
色の反応液にトルエン及び水を添加し、次いで、10%
水酸化ナトリウム水溶液で中和した。
【0047】更に、濾過により触媒を除去した後、減圧
蒸留によりトルエン及び未反応2,6−ジフルオロフエノ
ール24.0gを回収した。得られた蒸留残14.4gのガ
スクロマトグラフイー分析の結果は、2,6−ジフルオロ
フエノール0.23%、ベンゾフエノン13.40%、副生
物81.2%、目的物とする 3,3',5,5'−テトラフロロ−
4,4'−ジヒドロキシテトラフエニルメタン2.85%であ
つた。その存在収率は、仕込みα, α−ジクロルジフエ
ニルメタン基準にて1.9 mol%であつた。この蒸留残か
らは、目的とする 3,3',5,5'−テトラフロロ−4,4'−ジ
ヒドロキシテトラフエニルメタンを単離することができ
なつた。
【0048】比較例3 実施例1と同様の装置を備えた200ml容量四つ口フラ
スコにベンゼン40g(0.51 mol)と塩化アルミニウ
ム6.8g(0.06 mol)とを仕込み、氷浴中で内温を5
〜10℃に冷却しつつ、ベンゾトリクロライド20g
(0.10 mol)を1時間を要して滴下した。この後、更
に内温を10〜20℃とし、攪拌下に18時間反応させ
た。
【0049】反応終了後、未反応のベンゼン(極少量)
を減圧蒸留によつて反応液から回収した後、o−フルオ
ロフエノール33.6g(0.3 mol)を添加し、140〜
150℃で5時間攪拌しつつ、反応させた。反応終了
後、室温まで冷却し、水及びトルエンを添加して、塩化
アルミニウムを水洗除去した。トルエン層を減圧蒸留
し、トルエン及び未反応o−フルオロフエノールを蒸留
し、回収した。
【0050】このようにして得られた蒸留残24.3gの
ガスクロマトグラフイー分析結果は、o−フルオロフエ
ノール4.99%、ベンゾフエノン2.86%、第1の副生
物25.44%、第2の副生物27.33%、目的とする3,
3'−ジフロロ−4,4'−ジヒドロキシテトラフエニルメタ
ン24.08%であつた。その存在収率は、仕込みα,α
−ジクロルジフエニルメタン基準にて15.08 mol%で
あつた。また、目的物を単離することが困難であつた。
【0051】
【発明の効果】本発明によるフツ素含有ビスフエノール
類は、分子骨格に4個のフエニル基を有し、且つ、ベン
ゼン核の水酸基のo−位にフツ素原子を有する。このよ
うに、本発明によるフツ素含有ビスフエノール類は、そ
れ自体、大きな分子骨格を有すると共に、フツ素原子の
強い電子吸収性と疎水性の作用によつて、それより導か
れる高分子材料に低誘電率や低吸水性を与えることがで
きる。
【0052】また、本発明によるフツ素含有ビスフエノ
ール類は、フツ素原子が水素原子よりも炭素原子に対し
て強い結合力を有することから、それより導かれる高分
子材料に高い耐熱性を与えることができる。即ち、本発
明によるフツ素含有ビスフエノール類は、従来にない新
しい機能や特性を備えた種々のフツ素含有高分子材料の
製造を可能とするものである。
【0053】このようなフツ素含有ビスフエノール類
は、本発明に従つて、フツ素含有ビスフエノール類と
α, α−ジクロルジフエニルメタンとを反応させるに際
して、触媒として、酸化マグネシウム又は塩化アルミニ
ウムを用いることによつて、高収率にて得ることができ
る。また、得られた反応混合物からのその単離回収も容
易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 39/367 B01J 21/10 B01J 27/125 C07C 37/18 C07B 61/00 300 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、Xは水素原子又はフツ素原子を示す。)で表わ
    されるフツ素含有ビスフエノール類。
  2. 【請求項2】3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシテ
    トラフエニルメタン。
  3. 【請求項3】3,3',5,5'−テトラフルオロ−4,4'−ジヒ
    ドロキシテトラフエニルメタン。
  4. 【請求項4】o−フルオロフエノール又は2,6−ジフル
    オロフエノールとα, α−ジクロルジフエニルメタンと
    を触媒量の酸化マグネシウム又は塩化アルミニウムの存
    在下に反応させることを特徴とする一般式(I) 【化2】 (式中、Xは水素原子又はフツ素原子を示す。)で表わ
    されるフツ素含有ビスフエノール類の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の方法において、α, α−ジ
    クロルジフエニルメタンに対して、0.01〜10 mol%
    の範囲にて酸化マグネシウム又は塩化アルミニウムを用
    いることを特徴とするフツ素含有ビスフエノール類の製
    造方法。
  6. 【請求項6】請求項4記載の方法において、o−フルオ
    ロフエノール又は2,6−ジフルオロフエノールとα, α
    −ジクロルジフエニルメタンとをo−フルオロフエノー
    ル又は2,6−ジフルオロフエノール/α, α−ジクロル
    ジフエニルメタンのモル比を2〜10の範囲で反応させ
    ることを特徴とするフツ素含有ビスフエノール類の製造
    方法。
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