JP2000158612A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JP2000158612A
JP2000158612A JP10337415A JP33741598A JP2000158612A JP 2000158612 A JP2000158612 A JP 2000158612A JP 10337415 A JP10337415 A JP 10337415A JP 33741598 A JP33741598 A JP 33741598A JP 2000158612 A JP2000158612 A JP 2000158612A
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JP
Japan
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decorative sheet
polyester
pattern layer
top coat
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JP10337415A
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English (en)
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Kazuteru Onoda
一輝 小野田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絵柄模様に同調した凹部の深い凹凸模様を有
する意匠性、およびVカット等の2次加工性にも優れた
化粧シートを提供することにある。 【解決手段】 着色剤を含有したポリエステル樹脂フイ
ルムからなる基材シートの一方の面に、着色下地層、絵
柄模様層、撥液性を有する硬化型インキによる撥液絵柄
層を形成した後、前記撥液絵柄層によりはじかれる性質
を有する透明インキを用いてトップコート層を施すこと
により、前記撥液絵柄層を形成した部分の前記トップコ
ート層がはじかれて凹状部を形成した化粧シートにおい
て、その引張破断点伸度が40%以上である化粧シート
とすることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種家具類や建築
内装材等に装飾、あるいは、表面保護の目的で貼着され
る、撥液剤とトップコート塗料により良好な凹凸模様を
有する化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種家具類や建築内装材等に表面
に装飾あるいは表面保護の目的で貼着される化粧シート
として、撥液作用のある絵柄層を印刷した後、この絵柄
層上にトップコート塗料を塗布し、このトップコート塗
料を前記絵柄層の表面のみ弾かせて硬化し、表面上に凹
凸模様を形成した化粧シートが知られている。
【0003】しかしながら、上記の化粧シートにおい
て、基材シートに紙質系シートを用いたものは、撥液性
のあるインキおよびトップコート塗料が基材シートに吸
収される割合が大きく、撥液効果が減少され凹凸の段差
が小さくなるものである。そのため撥液効果を大きくす
るためにトップコート塗料を厚く塗布する方法も考えら
れるが、撥液が充分に行われず、撥液剤を含む模様の上
にトップコート塗料が残り凹凸の段差が小さくなって立
体効果の乏しいものとなる。また、基材シートの加工性
が劣るため、合板、MDF等の木質基板に貼着後、Vカ
ットし折り曲げ加工を行うと曲げ部において基材シート
が破れ、基材シートの層間から剥離し易いという欠点が
あった。
【0004】また、上記の欠点を解決するために、基材
シートに着色ポリエステル樹脂フイルムを用いたものが
提案されている。そうすることによって、基材シートへ
の撥液性のあるインキおよびトップコート塗料の吸収も
ないため撥液も十分に行われ立体効果の優れたものとな
り、また、基材シートの加工性も優れるため、合板、M
DF等の木質基板に貼着後、Vカットをし折り曲げを行
っても基材シートが破れ、加工部から基材シートが剥離
するという問題は解決されたが、該加工部の塗膜に亀裂
が発生するとか、該加工部から絵柄インキ層が剥離し易
いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、絵柄模様に同調した凹部の深い凹凸模様を有する意
匠性、およびVカット等の2次加工性にも優れた化粧シ
ートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の解決手段は、着色剤を含有したポリエステル
樹脂フイルムからなる基材シートの一方の面に、着色下
地層、絵柄模様層、撥液性を有する硬化型インキによる
撥液絵柄層を形成した後、前記撥液絵柄層によりはじか
れる性質を有する透明インキを用いてトップコート層を
施すことにより、前記撥液絵柄層を形成した部分の前記
トップコート層がはじかれて凹状部を形成した化粧シー
トにおいて、その引張破断点伸度が40%以上であるこ
とを特徴とする化粧シートとすることである。この構成
とすることにより、化粧シートを木質基板に貼着後Vカ
ットをし折り曲げ等の2次加工を行っても、着色剤を含
有したポリエステル樹脂フイルムからなる基材シートの
伸びに塗膜層が追随して伸びるために、塗膜に亀裂が発
生したり、加工部から絵柄模様層が剥離する等の損傷が
発生することの少ないものとなる。また、基材シートが
着色剤を含有したポリエステル樹脂フイルムからなるこ
とにより、撥液性を有する硬化型インキ及び透明インキ
を吸収することが無いため、撥液効果が大きく立体感に
優れた意匠性を発現する。さらに、基材シートが強度、
耐熱性、特に耐熱寸法安定性に優れるので、印刷時やト
ップコート層硬化時にもシートの寸法が安定しており非
常に意匠性の高い化粧シートとすることが可能であり、
燃焼等により容易に廃棄処理のできる化粧シートとな
る。
【0007】また、前記基材シートと前記着色下地層と
の間にポリエステル系ポリウレタン樹脂よりなるプライ
マー層を設けたことを特徴とするものである。こうする
ことにより、基材シートとしての着色剤を含有したポリ
エステル樹脂フイルムと絵柄模様層との間で緩衝層とし
て作用し、化粧シートに柔軟性と伸度を付与することが
容易となり、優れた加工性を有する化粧シートとするこ
とができる。
【0008】また、絵柄模様層と撥液絵柄層との間に透
明樹脂層を設けたことを特徴とするものである。こうす
ることにより、耐摩耗性がよくなり、微細かつ複雑な形
状の凹凸模様に、より深みを持たせることが可能となる
とともに、撥液絵柄層の亀裂を生じ難いものとすること
ができる。
【0009】また、着色下地層、トップコート層がポリ
エステル系ポリウレタン樹脂よりなることを特徴とする
ものである。そうすることにより、化粧シートに柔軟性
と伸度を付与することが容易となり、Vカット等の2次
加工性に優れた化粧シートとすることができる。さら
に、トップコート層を形成する該ポリエステル系ポリウ
レタン樹脂がポリエステルポリオールを主成分とする主
剤と、芳香族系ポリイソシアネートと脂肪族系ポリイソ
シアネートの混合系からなるポリイソシアネート化合物
を主成分とする硬化剤とからなり、前記ポリイソシアネ
ート化合物の混合比率が芳香族系ポリイソシアネート1
00重量部に対して脂肪族系ポリイソシアネートが40
〜60重量部からなるものとすることにより、さらに、
優れた加工性を有する化粧シートとすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の化粧シ
ートの実施例の積層構成を示す断面図であり、1は化粧
シート、2は着色ポリエステル樹脂フイルム、3はプラ
イマー層、4は着色下地層、5は絵柄模様層、6は透明
樹脂層、7は撥液絵柄層、8はトップコート層をそれぞ
れ表している。
【0011】本発明の化粧シート1の構成は図1に示す
ように、着色ポリエステル樹脂フイルム2の表面にプラ
イマー層3を形成し、その上面に着色下地層4、絵柄模
様層5を設け、その表面全面に透明樹脂層6を形成し、
しかる後に前記透明樹脂層6面に前記絵柄模様層5と同
調した撥液性物質を含む硬化型インキを用いて撥液絵柄
層7を設け、次いで前記撥液絵柄層7を含む全面に透明
インキを塗布し、撥液絵柄層7によりはじかれたトップ
コート層8を形成したものである。
【0012】本発明に用いる着色ポリエステル樹脂フイ
ルム2とは、いわゆる押出口金から溶融押し出されたフ
イルムであって、通常、縦方向および横方向の二軸方向
に配向させたフイルムであり、ジカルボン酸とグリコー
ルとから縮重合によって得られたポリマーであり、ジカ
ルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、
セバチン酸などが挙げられ、またグリコールとしては、
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなど
が挙げられる。具体的には例えばポリエチレンテレフタ
レート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロ
ヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどが挙げられ
る。本発明の場合、特にポリエチレンテレフタレートが
好ましく、着色ポリエステル樹脂フイルム2の厚みとし
ては20〜100μm、コストおよび使用上の取扱の良
さから40〜50μmが好ましいものである。
【0013】本発明において、着色ポリエステル樹脂フ
イルム2には、顔料および/または染料を配合されてい
ることが必要である。顔料としては、無機顔料と有機顔
料とに分類することができ、無機顔料としては、酸化チ
タン白、亜鉛華、鉛白、がーボンブラック、弁柄、朱、
黄鉛、群青、コバルト青、コバルト紫、ジンククロメー
トなどが挙げられる。有機顔料としては、フタロシアニ
ン系、ジオキサジン系、アントラキノン系などの顔料で
代表的なものとして、キナクリドン、ウォッチアングレ
ッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。また
染料としては、天然染料と合成染料に分類することがで
き、天然染料としては、インジゴ(藍)等が代表され
る。合成染料としては、アゾ染料、インジゴイド染料、
硫化染料、ニトロ染料、ニトロソ染料等が挙げられる。
これらの顔料および染料は、1種または2種以上併用し
て使用することができ、耐光性に優れ、基材シートに隠
蔽性を持たすようにするためには、無機顔料が最適であ
る。
【0014】本発明の化粧シート1に用いられるプライ
マー層3は、着色ポリエステル樹脂フイルム2とその上
面に設けられる絵柄模様層4との密着性、および化粧シ
ート1に柔軟性、可撓性を付与し、化粧シート1の伸び
を良好とするものであって、用いられる樹脂としてはポ
リエステル系ポリウレタン樹脂が好ましい。ポリエステ
ル系ポリウレタン樹脂に用いられるポリエステルポリオ
ールは多塩基性有機酸と多価アルコールとの重縮合反応
によって得られ、多塩基性有機酸としては、例えばアジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ピメ
リン酸等の飽和脂肪酸、マレイン酸、フマール酸等の不
飽和脂肪酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフター
ル酸等の芳香族酸が挙げられ、多価アルコールとして
は、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ブチレングリコール等のジオールが挙げられ、このよう
な多塩基性有機酸と多価アルコールのいろいろな組み合
わせによって、多種のポリエステルポリオールが得られ
るが、飽和脂肪酸系のアジピン酸とジオール系のブチレ
ングリコールとの重縮合反応により作製した直鎖タイプ
のポリエステルポリオール樹脂が好ましいものである。
【0015】また、プライマー層3に用いられるポリイ
ソシアネート化合物としては、例えば、(1)脂肪族ポ
リイソシアネート化合物、例えば、テトラメチレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
(2)脂環族ポリイソシアネート化合物、例えば、1,
4シクロヘキサジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、1−メチル−2,4−シクロヘキサジイソシ
アネート、1−メチル−2,6−シクロヘキサジイソシ
アネート、(3)芳香族ポリイソシアネート化合物、例
えば、キシリレンジイソシアネート、4,4' −ジフェ
ニルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニ
レンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
1,5−ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
本発明では、脂肪族系、あるいは脂環族系のポリイソシ
アネート化合物が好ましく用いられ、中でも、イソホロ
ンジイソシアネートが特に好ましいものである。また、
プライマー層3の塗膜厚としては、1.5〜3.0μm
が好ましいものであり、その範囲内にすることにより、
着色ポリエステル樹脂フイルム2と着色下地層4および
絵柄模様層5との密着性を良好とし、さらに化粧シート
1に柔軟性と可撓性を付与するため、Vカット等の2次
加工性の向上に寄与するものである。
【0016】また、着色ポリエステル樹脂フイルム2の
上面には、着色下地層4及び、例えば、オーク、チー
ク、ウォルナット等の柾目、板目状の木目模様を現出す
る絵柄模様層5がグラビア印刷によって形成されてお
り、着色下地層4を形成するインキとしては、プライマ
ー層3を形成したと同様のポリエステル系ポリウレタン
樹脂が好ましいものであり、また、塗膜厚としても、
2.0〜3.0μmの範囲が好ましいものである。ま
た、絵柄模様層5を形成するインキとしては、従来のセ
ルロース系、セルロース−アルキッド系、塩−酢ビ系、
アクリル系、アクリルポリオール系のバインダー用樹脂
を利用したものが用いられ、木目の「照り」を良く表現
できるようにするためには、パール顔料や金属粉などの
光輝性顔料を添加したものが好ましい。
【0017】また、絵柄模様層5と撥液絵柄層7との間
にウレタン樹脂からなる透明樹脂層6を形成すること
で、絵柄模様層5の耐摩耗性、及び撥液絵柄層7の密着
性が向上するとともに、より深みのある意匠性を表現可
能とするものである。
【0018】撥液性を有する撥液絵柄層7は、表面のト
ップコート層8をはじかせるためにワックス、シリコー
ン、フッ素化合物等の撥液剤を含むインキを用いて設け
られる。また、撥液絵柄層7はその部分が凹部で有るよ
うに見るものにより強く感じさせるためにトップコート
層8よりも艶消し度の高いインキを用いて設けることが
好ましく、また、天然木の導管の色調に近づけるように
するためには、カーボンブラック等の着色顔料を添加し
たインキを用いることが好ましいものである。また、撥
液絵柄層7でのはじき性を良くするために、撥液剤を表
面に浮きださせることから、硬化が速い熱硬化型の印刷
インキを用いることが好ましく、また、化粧シートの表
面に好ましい意匠性を現出することは勿論のこと、耐溶
剤性、耐汚染性、耐油性等の化学的性質に優れた性能を
備えていることも望ましく、ビヒクルとしては、アミノ
アルキッド系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、
不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等の硬化性
樹脂が挙げられ、中でも、尿素樹脂又はメラミン樹脂等
のアミノ樹脂にアルキッド樹脂を加えた尿素アルキッド
樹脂、メラミンアルキッド樹脂などのアミノアルキッド
系樹脂が好ましいものであり、本発明においては、塗膜
層の柔軟性が主な目的となるので、アミノ樹脂に対する
アルキッド樹脂の混合比率を、アミノ樹脂100重量部
に対して、100〜200重量部の添加としたものが好
ましいものである。また、撥液剤としては、公知のも
の、例えば、シリコーン、ポリエチレンワックス、パラ
フィンワックス、アマイドワックス、蝋ワックス、フッ
化ビニル化合物等の撥液性物質を使用することができ、
中でもシリコーンが最も適したもので、その添加量はイ
ンキ組成物中に該組成物に対して4〜10重量%とする
のが好ましい。
【0019】本発明のトップコート層8は、撥液絵柄層
7によりはじかれ、凹部を形成するものであるから、該
トップコート層8を形成する樹脂ワニスの表面張力の値
が、上記撥液性物質を含んだ撥液絵柄層7の臨界表面張
力の値より大きくなるものを使用すればよく、また、化
粧シート1に耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性等の表面物
性を付与し、さらに、Vカット等の2次加工性にも適応
する延伸性を必要とすることから、用いられる樹脂とし
ては、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が適しており、
前記化粧シート1の引張破断点伸度が40%以上となる
ことで、着色ポリエステル樹脂フイルム2からなる基材
シートの伸びに塗膜層が追随して伸びており、該化粧シ
ート1を木質基板等に貼着後Vカットをし、折り曲げ等
の2次加工を行っても塗膜に亀裂が生じたり、加工部か
ら絵柄模様層が剥離する等の損傷の発生することが少な
いものとなる。
【0020】本発明のトップコート層8に用いられるポ
リエステル系ポリウレタン樹脂としては、多塩基性有機
酸と多価アルコールとの重縮合反応によって得られるポ
リエステルポリオールを主成分とする主剤と、ポリイソ
シアネート化合物を主成分とする硬化剤とからなるもの
であり、ここで使用される多塩基性有機酸としては、例
えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン
酸、ピメリン酸等の飽和脂肪酸、マレイン酸、フマール
酸等の不飽和脂肪酸、フタール酸、イソフタール酸、テ
レフタール酸等の芳香族酸が挙げられ、多価アルコール
としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール等のジオール、トリメチロール
プロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオー
ル、グリセリン等のトリオール、ソルビトール等のヘキ
サオールが挙げられる。
【0021】また、硬化剤として用いられるポリイソシ
アネート化合物としては、例えば、キシリレンジイソシ
アネート、4,4' −ジフェニルジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソ
シアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物、テト
ラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物、1,4
シクロヘキサジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、1−メチル−2,4−シクロヘキサジイソシア
ネート、1−メチル−2,6−シクロヘキサジイソシア
ネート等の脂環族ポリイソシアネート化合物が挙げられ
る。
【0022】さらに、本発明では、硬化剤として前記ポ
リイソシアネート化合物を数種混合して用いることが望
ましく、特に、芳香族ポリイソシアネート化合物と脂肪
族系ポリイソシアネート化合物の混合系が好ましいもの
であり、その混合比率としては、芳香族ポリイソシアネ
ート化合物100重量部に対して脂肪族ポリイソシアネ
ート化合物が40〜60重量部としたものが最適であ
り、そうすることで、ポリエステル系ポリウレタン樹脂
よりなるトップコート層8を設けた化粧シート1の引張
破断点伸度を大きくすることができるものである。化粧
シート1の引張破断点伸度を40%以上と設定すること
により、着色剤を含有したポリエステル樹脂フイルムか
らなる基材シート2の伸びに塗膜層が追随して伸びるた
めに、木質基板に貼着後Vカットをし折り曲げ等の2次
加工を行っても塗膜に亀裂が発生したり、加工部から絵
柄インキ層が剥離する等の損傷が発生することの非常に
少ない化粧シートとなるものである。ここで、芳香族ポ
リイソシアネート化合物と脂肪族系ポリイソシアネート
化合物の混合比率が芳香族ポリイソシアネート化合物1
00重量部に対して脂肪族ポリイソシアネート化合物が
40重量部未満の場合には、ポリエステル系ポリウレタ
ン樹脂層の架橋結合が密、あるいは架橋点間距離が短か
くなり網目構造が密となることから、形成されるトップ
コート層8が硬くなり、耐溶剤性、耐薬品性等の表面物
性には優れるものとなるが、必要とする塗膜の延伸性が
得られない可能性が高くなり、一方、脂肪族ポリイソシ
アネート化合物の混合比率が60重量部を超える場合に
は、トップコート層8の柔軟性が増し、化粧シート1の
延伸性は良好となるが、耐摩耗性、耐溶剤性、耐薬品性
等の表面物性を維持することが出来にくくなるものであ
る。また、トップコート層8には、シリカ、プラスチッ
クビーズなどの無機および/又は有機系の微粒子を艶消
し剤及び表面強化剤として添加してもよい。
【0023】本発明の化粧シートを用いて化粧板を製造
するには、上記で得られた化粧シートの、絵柄層を設け
ない面に酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウ
レタン系樹脂などの接着剤を使用して、合板、MDF、
パーチクルボード等の基板に接着積層するものである。
さらに、この化粧板の製造において、化粧シートと基板
との接着を強固にするために、化粧シートの裏面に予め
ポリエステル樹脂などのプライマー層を設けてもよいも
のである。
【0024】実施例1 厚さ50μmの着色ポリエステル樹脂フイルム(ダイヤ
ホイル(株)製、Z−210)の表面にポリエステル系
ウレタン樹脂からなるプライマー層を2μmの塗膜厚に
なるように塗布し、次いで、同じくポリエステル系ウレ
タン樹脂よりなる着色下地層を1μmの塗膜厚に塗布す
る。さらに、ニトロセルロース・アルキッド系樹脂から
なるインキを使用して木目模様絵柄層をグラビア印刷
し、その上にポリエステル系ウレタン樹脂からなる透明
樹脂層を3.2g/m2 (ドライ)塗布し、さらに、木
目模様絵柄層に同調した木目導管模様を撥液剤を含有す
るアミノアルキッド系樹脂インキでグラビア印刷し、1
50℃、20秒間の加熱により、溶剤を除去するととも
に、撥液絵柄層を硬化する。さらに、その印刷面全面に
ポリエステルポリオール系樹脂100重量部に、TDI
(トリレンジイソシアネート)とHMDI(ヘキサメチ
レンジイソシアネート)を100重量部対50重量部の
比率で混合したポリイソシアネート化合物を配合した透
明トップコート塗料を6.5〜8.0g/m2 (ドラ
イ)塗布して、170℃で20秒間の加熱により乾燥
後、40℃で14時間加温養生し、撥液絵柄層によりは
じかれ木目模様絵柄層に同調した凹状木目導管模様を有
する化粧シートを得た。
【0025】実施例2 着色下地層の塗膜厚を2μmとし、70℃で24時間加
温養生した以外は実施例1と同様にして化粧シートを得
た。
【0026】比較例1 厚さ50μmの着色ポリエステル樹脂フイルム(ダイヤ
ホイル(株)製、Z−210)の表面にプライマー層を
設けなかった以外は実施例1と同様にして化粧シートを
得た。
【0027】比較例2 厚さ50μmの着色ポリエステル樹脂フイルム(ダイヤ
ホイル(株)製、Z−210)の表面にプライマー層を
設けなく、透明トップコート塗料に配合するポリイソシ
アネート化合物の混合比率をTDI(トリレンジイソシ
アネート)100重量部にHMDI(ヘキサメチレンジ
イソシアネート)30重量部とした以外は実施例1と同
様にして化粧シートを得た。
【0028】上記、実施例で作製した各化粧シートにつ
いて、引張破断点伸度測定を行い、ついで、前記各化粧
シートを厚さ2.7mmのMDFにエチレン−酢酸ビニ
ル系接着剤を用いて貼合せた化粧板を作製した。そし
て、得られた化粧板について、Vカット加工性試験を行
い、その結果を表1にまとめて示した。 (1)引張破断点伸度測定 JIS−P8113に準拠し、下記の機器条件で測定し
た。 使用機器:テンシロン万能試験機(株)オリエンテック
製 測定サンプルサイズ: 15mm×100mm チャック間隔: 50mm 引張速度: 50mm/min 測定雰囲気: 25℃/50%RH (2)Vカット加工性試験 得られた化粧板の裏面から、Vカット切削機を用いてV
カット加工を行った。この際、シート裏面からVカット
の最深部頂点までの距離を0μmとし、Vカット面に接
着剤を塗布し、折り曲げてセロハンテープで固定し、折
り曲げた外側の化粧シート角面を比較評価した。 〔比較評価(割れの長さ)〕 ◎:0%、 ○:0〜5%、 △:5〜10%、 ×:
10%以上
【0029】
【表1】 上記結果から判るように、実施例1、2はいずれも引張
破断点伸度が40%以上でVカット加工性に良好な結果
が得られた。これに対し比較例1、2は引張破断点伸度
が40%以下となり、Vカット加工性が不良であった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化粧シー
トは、その引張破断点伸度が40%以上であるため、着
色剤を含有したポリエステル樹脂フイルムからなる基材
シートの伸びに塗膜層が追随して伸びることができるの
で、木質基板に貼着後Vカットをし折り曲げ等の2次加
工を行っても塗膜に亀裂が発生したり、加工部から絵柄
インキ層が剥離する等の損傷が発生することの少ないも
のである。また、プライマー層、および着色下地層が基
材シートとしての着色剤を含有したポリエステル樹脂フ
イルムと絵柄模様層との間で緩衝層として作用し、化粧
シートに柔軟性と伸度を付与することが容易となり、優
れた加工性を発揮する。また、基材シートが着色剤を含
有したポリエステル樹脂フイルムからなることにより、
撥液性を有する硬化型インキ及び透明インキを吸収する
ことが無いため、撥液効果が大きく立体感に優れた意匠
性を発現する。さらに、基材シートが強度、耐熱性、特
に耐熱寸法安定性に優れるので、印刷時やトップコート
層硬化時にもシートの寸法が安定しており非常に意匠性
の高い化粧シートとすることが可能であり、燃焼等によ
り容易に廃棄処理のできる化粧シートとなる。
【0031】また、トップコート層を形成するポリエス
テル系ポリウレタン樹脂がポリエステルポリオールを主
成分とする主剤と、芳香族系ポリイソシアネートと脂肪
族系ポリイソシアネートの混合系からなるポリイソシア
ネート化合物を主成分とする硬化剤とからなり、前記ポ
リイソシアネート化合物の混合比率が芳香族系ポリイソ
シアネート100重量部に対して脂肪族系ポリイソシア
ネートが40〜60重量部からなるポリエステル系ポリ
ウレタン樹脂からなることを特徴とするものである。こ
うすることによって、トップコート層を形成する透明イ
ンキの伸びをより向上させ、また、撥液絵柄層とトップ
コート層との密着性が良好となるため、2次加工性、特
に、Vカット適性に優れた化粧シートとすることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの実施例の積層構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 化粧シート 2 着色ポリエステル樹脂フイルム 3 プライマー層 4 着色下地層 5 絵柄模様層 6 透明樹脂層 7 撥液絵柄層 8 トップコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01E AK35 AK41 AK41A AK41B AK41E AK51B AK51E AL05 AT00A BA05 BA07 BA10A BA10D BA10E CA02E CA13A CC00 DC21D DD02E EH46 EJ08 GB08 GB81 HB00 HB00B HB01 HB31D HB31E HB35C JB06D JB07 JB12D JJ03 JK02 JK06 JK08 JK13 JK14 JK17 JL01 JL04 JL10B JN01E YY00E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤を含有したポリエステル樹脂フイ
    ルムからなる基材シートの一方の面に、着色下地層、絵
    柄模様層、撥液性を有する硬化型インキによる撥液絵柄
    層を形成した後、前記撥液絵柄層によりはじかれる性質
    を有する透明インキを用いてトップコート層を施すこと
    により、前記撥液絵柄層を形成した部分の前記トップコ
    ート層がはじかれて凹状部を形成した化粧シートにおい
    て、その引張破断点伸度が40%以上であることを特徴
    とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 前記基材シートと前記着色下地層との間
    にポリエステル系ポリウレタン樹脂よりなるプライマー
    層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の化粧シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記絵柄模様層と前記撥液絵柄層との間
    に透明樹脂層を設けたことを特徴とする請求項1または
    2に記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 前記着色下地層がポリエステル系ポリウ
    レタン樹脂よりなることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の化粧シート。
  5. 【請求項5】 前記トップコート層を形成する透明イン
    キがポリエステル系ポリウレタン樹脂よりなることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 【請求項6】 前記トップコート層を形成するポリエス
    テル系ポリウレタン樹脂がポリエステルポリオールを主
    成分とする主剤と、芳香族系ポリイソシアネートと脂肪
    族系ポリイソシアネートの混合系からなるポリイソシア
    ネート化合物を主成分とする硬化剤とからなり、前記ポ
    リイソシアネート化合物の混合比率が芳香族系ポリイソ
    シアネート100重量部に対して脂肪族系ポリイソシア
    ネートが40〜60重量部からなることを特徴とする請
    求項5に記載の化粧シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002086658A (ja) * 2000-09-13 2002-03-26 Dainippon Printing Co Ltd 化粧材
JP2009214490A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及び該化粧シートを用いた化粧板
JP2016198746A (ja) * 2015-04-14 2016-12-01 凸版印刷株式会社 化粧鋼板の製造方法および化粧鋼板

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