JP2000157765A - ミシンの模様選択装置 - Google Patents

ミシンの模様選択装置

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JP2000157765A
JP2000157765A JP10335521A JP33552198A JP2000157765A JP 2000157765 A JP2000157765 A JP 2000157765A JP 10335521 A JP10335521 A JP 10335521A JP 33552198 A JP33552198 A JP 33552198A JP 2000157765 A JP2000157765 A JP 2000157765A
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follower
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cams
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Minoru Ito
実 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 模様選択装置の簡単化且つ小型化を図りつつ
縫製可能な縫目模様数を極力増加すること、模様選択操
作の操作性を向上すること、製作コストを安価にするこ
と。 【解決手段】 リリースカム体50の前端側に3条から
なる渦巻き状の模様選択第1カム52を形成するととも
に、リリースカム体50の後端側に3条からなる渦巻き
状の模様選択第2カム57を形成し、針振り摺動ピン4
3を渦巻き状の模様選択第1カム52のカム溝53に沿
って移動可能に構成するととにも、送り摺動ピン48を
渦巻き状の模様選択第2カム57のカム溝58に沿って
移動可能に構成したので、リリースカム体50を3回転
させることができ、模様選択装置15の簡単化且つ小型
化を図りつつ、模様選択ダイヤル64を1回転で選択可
能な縫目模様数を約3倍まで増加させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、針振りカム群の何
れかの針振りカムに当接する針振り従動子の揺動で針振
りを行なう模様選択装置、送りカム群の何れかの送りカ
ムに当接する送り従動子の揺動で布送りを行なう模様選
択装置、これら針振りカム群や送りカム群に夫々当接す
る従動子の揺動で針振りや布送りを行なう模様選択装置
に関し、特に縫製できる模様数を極力増加させるように
したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、針棒を揺動させる複数の針振りカ
ムからなる針振りカム群と、送り調節器の傾斜角度を調
節して送り量を設定する複数の送りカムからなる送りカ
ム群とを備えた機械駆動式のジグザグミシンにおいて
は、模様選択ダイヤルを手動操作で回転させて模様を選
択することにより、従動子がその模様に対応する針振り
カム及び送りカムに夫々移動し、これら従動子の揺動に
より針棒が揺動するとともに、設定された送り量で送り
歯が移動し、これら針振り動作と送り動作とにより、加
工布に種々の縫目模様が形成できるようになっている。
【0003】ところで、この種のジグザグミシンにおい
ては、模様選択ダイヤルを最大で1回転させることがで
き、この模様選択ダイヤルを1回転させる間に極力多数
の模様、例えば30〜40種類の模様を選択できるよう
になっている。一方、実用的な縫製模様としては、実施
形態に係る図14に示すように、ジグザグ模様、たち目
かがり、パッチワーク用模様等を含む基本的な複数の模
様「1A〜18A」があり、更に、この基本模様を形成
するときの前進送りと後進送りの送りタイミングを変更
するだけで、スーパー模様と呼ばれる複数種類の模様
「2B〜18B、3C〜11C、3D〜10D」を形成
できることから、40〜50種類もの多数の縫目模様が
知られている。
【0004】即ち、40〜50種類もの多数の模様が縫
製用として知られているが、模様選択ダイヤルを1回転
させる間に選択可能な模様数には限界があるのが現実で
ある。ここで、機械式の模様選択装置について簡単に説
明すると、図19に示すように、複数枚の針振りカムを
積層した針振りカム群116と、複数枚の送りカムを積
層した送りカム群119とが支軸124に回転可能に枢
支され、主軸100の回転で所定回転方向に回転可能で
ある。一方、針振りカムの1つに当接可能な針振り従動
子131には水平向きの摺動ピン143が連結され、こ
の摺動ピン143は円形のリリースカム体150の一側
面の外周部に形成された階段状の模様選択第1カム(フ
ェイスカム)152(図20参照)に押圧状に当接して
いる。
【0005】また、送りカムの1つに当接可能な送り従
動子136には水平向きの摺動ピン148が連結され、
この摺動ピン148はリリースカム体150の他側面の
外周部に形成された階段状の模様選択第2カム157
(図20参照)に押圧状に当接している。ところで、そ
のリリースカム体150の外周部に、ギヤ歯状の突起カ
ムからなる複数のリリースカム165と、模様を切換え
る為のピンギヤ162が形成されている。このリリース
カム165により、針振り揺動枠130を介して針振り
従動子131が針振りカムから離間するとともに、送り
揺動枠135を介して送り従動子136が送りカムから
離間するようになり、この離間状態のときにこれら従動
子131,136が積層方向Sに移動されるようになっ
ている。
【0006】そして、図示外の模様選択ダイヤルを手動
にて回転操作させることにより、この模様選択ダイヤル
に連結された駆動ギヤ163が所定方向に回転駆動さ
れ、ピンギヤ162によりリリースカム体150が回転
する。このとき、リリースカム165の一方の傾斜面に
よる針振り揺動枠130と送り揺動枠135との揺動を
介して、針振り従動子131が針振りカムから離間する
のと同時に、送り従動子136が送りカムから離間す
る。この離間状態のときに、摺動ピン143が模様選択
第1カム152により積層方向Sに移動するのと同時
に、針振り従動子131が隣の針振りカムに対応するよ
うに移動するとともに、摺動ピン148が模様選択第2
カム157により積層方向Sに移動するのと同時に、送
り従動子136が隣の送りカムに対応するように移動す
る。
【0007】その後、リリースカム165の他方の傾斜
面により針振り揺動枠130と送り揺動枠135とが元
の位置に復帰することにより、針振り従動子131が隣
の針振りカムに対応し且つ送り従動子136が隣の送り
カムに対応する。即ち、図20に示すように、リリース
カム体150は最大で1回転(360 °)するので、40
種類の模様を発生する場合には、1つのリリースカム1
65のピッチ角度Pは360°/40=9°であり、2
つの斜面の為の傾斜用角度Pa,Pb と移動用角度Phとから
なっている。また、模様選択第1カム152の階段状カ
ムの傾斜角度Kaは、{リリースカムピッチ/(模様選
択カムの直径×π×Ph/360 °) }で求められる。
【0008】また、リリースカム165の傾斜角度Kb
は、{カム高さ/(リリースカムの直径×π×Pa/360
°) }で求められる。例えば、発生させる模様数Nが
「40」、模様選択カム152,157の直径が「4
0」、リリースカム165の直径が「45」、針振りカ
ムと送りカムの隣接ピッチが「2mm」、リリースカム1
65のカム高さが「3mm」とすると、模様選択第1カム
152の傾斜角度Kaが約62°であり、リリースカム
165の傾斜角度Kbが約68.5°となる。
【0009】ここで、各傾斜角度Ka,Kbを約30°
前後に設定することが経験的に望ましく、最大でも45
°までに抑えたいが、上述したように、約60°以上の
角度になる。このように、リリースカム165の傾斜角
度Kbが大きくなって従動子の追従が円滑でなくなった
り、或いは追従できずにロックしてしまうことにる。そ
の為に、模様選択カム152,157やリリースカム1
65の直径を大きくすれば外周が長くなることから、こ
れらの傾斜角度Ka,Kbを緩やかにできるが、模様選
択装置を設ける脚柱部の大型化、つまりミシンが大型化
するという問題がある。
【0010】更に、リリースカム165の直径を大きく
しても、模様選択カム152,157の傾斜角度Kaの
関係から、同様の問題が発生する故、発生模様数を増加
させるには限界があるとともに、模様選択装置を実現す
る為にはかなり複雑な構成となり、また種々の制約条件
が発生する。ところで、実公昭58−41914号公報
に記載の「ミシンにおける積層カム選択装置」において
は、模様選択ダイヤルに連結されたディスクカムの裏面
に、針振りカム選択溝が螺旋状に形成されるとともに、
送りカム選択溝が螺旋状に形成されている。
【0011】そして、このダイヤルを手動にて回転操作
することでディスクカムが回転し、針振りカム選択溝に
係合するピンの移動を介して操作板が上下動し、同時に
模様従動レバーが上下に移動して隣接する針振りカムに
対応するのと同時に、送りカム選択溝に係合するピンの
移動を介してスライドブロックが上下動し、同時に送り
従動レバーが上下に移動して隣接する送りカムに対応す
るようにすることで、模様選択ダイヤルで回転駆動され
るディスクカムを複数回転させながら模様選択すること
で、ディスクカムの直径を大きくすることなく、極力多
数の模様を発生できるようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述した実公昭58−
41914号公報に記載の技術においては、針振りカム
選択溝と送りカム選択溝とを螺旋状に形成することによ
り、極力多数の模様を発生させるようになっているが、
模様選択ダイヤルを所定の回転方向に手動操作して模様
選択する場合、実施形態の図14に示す縫製模様のう
ち、3点ジグザグの針振りカムにより第1送りカムAを
用いて基本模様「7A」を発生させる一方、針振りカム
を順次変更してその他の模様「8A〜18A」を発生さ
せた後、第2送りカムBを用いて基本模様「7A」を変
化させたスーパー模様「7B」を発生させるときには、
針振りカム選択溝は螺旋状の途中部で交差させることが
できない為、3点ジグザグの針振りカムをその位置に重
複させて設けることになる。
【0013】また、送りカムについても同様に、第1送
りカムAにより3点ジグザグの針振りカムを用いて基本
模様「7A」を発生させる一方、送りカムを順次変更し
てその他の模様「7B〜7D」を発生させた後、第1送
りカムAを用いて次の基本模様「8A」を発生させると
きには、送りカム選択溝は螺旋状の途中部で交差させる
ことができない為、第1送りカムをその位置に重複させ
て設けることになり、模様選択装置が大型化し、また組
付け作業が複雑化し、製作コストが高くなること、など
の問題がある。本発明の目的は、模様選択装置の簡単化
且つ小型化を図りつつ縫製可能な縫目模様数を極力増加
すること、模様選択操作の操作性を向上すること、製作
コストを安価にすること、などである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1のミシンの模様
選択装置は、複数の針振りカムを含む針振りカム群と、
この針振りカム群の1つの針振りカムに当接する針振り
従動子とを有し、複数の縫目模様のうちの選択したもの
を縫製する為に、針振り従動子の揺動で針振りを行うと
ともに、針振り従動子を針振りカム群の積層方向へ移動
させて針振りカムを選択するようにしたミシンにおい
て、積層方向と平行な軸心を有しかつ模様選択に際して
手動操作で回転駆動される回転カム体と、針振り従動子
に連結された第1従動子と、回転カム体の軸方向一端側
部分に渦巻き状に形成され、第1従動子を案内して針振
り従動子の積層方向位置を複数の針振りカムに対応する
位置に択一的に設定可能な模様選択第1カムと、を備え
たことを特徴とするものである。
【0015】模様選択に際して回転カム体を手動操作で
回転駆動すると、この回転カム体の一端側部分に渦巻き
状に形成された模様選択第1カムにより第1従動子が案
内されて軸方向に移動するのと同時に、この第1従動子
に連結された針振り従動子が積層方向に一体的に同期し
て移動して別の針振りカムに対応する。ここで、模様選
択第1カムは回転カム体の一端側部分に渦巻き状に形成
されているので、回転カム体を複数回転させることがで
き、しかも回転カム体を複数回転させても、第1従動子
を回転カム体の回転位相に関係することなく軸方向に独
立的に案内することができる。即ち、回転カム体の1回
転で選択可能な針振りカムの数(縫目模様の数)に、回
転カム体の回転数を掛け算した多くの針振りカム(縫目
模様)を選択することができる。
【0016】請求項2のミシンの模様選択装置は、複数
の送りカムを含む送りカム群と、この送りカム群の1つ
の送りカムに当接する送り従動子とを有し、送り従動子
の揺動で送り調節器を調節するとともに、送り従動子を
送りカム群の積層方向へ移動させて送りカムを選択する
ようにしたミシンにおいて、積層方向と平行な軸心を有
しかつ模様選択に際して手動操作で回転駆動される回転
カム体と、送り従動子に連結された第2従動子と、回転
カム体の軸方向他端側部分に渦巻き状に形成され、第2
従動子を案内して送り従動子の積層方向位置を複数の送
りカムに対応する位置に択一的に設定可能な模様選択第
2カムとを備えたことを特徴とするものである。
【0017】模様選択に際して回転カム体を手動操作で
回転駆動すると、この回転カム体の他端側部分に渦巻き
状に形成された模様選択第2カムにより第2従動子が案
内されて軸方向に移動するのと同時に、この第2従動子
に連結された送り従動子が積層方向に一体的に同期して
移動して別の送りカムに対応する。ここで、模様選択第
2カムは回転カム体の他端側部分に渦巻き状に形成され
ているので、回転カム体を複数回転させることができ、
しかも回転カム体を複数回転させても、第2従動子を回
転カム体の回転位相に関係することなく軸方向に独立的
に案内することができる。即ち、回転カム体の1回転で
選択可能な送りカムの数に、回転カム体の回転数を掛け
算した多くの送りカムを選択することができる。
【0018】請求項3のミシンの模様選択装置は、複数
枚の針振りカムを積層した針振りカム群と、針振りカム
の1つに当接する針振り従動子の揺動を針棒の揺動に変
換する針振り機構と、針振り従動子を針振りカム群の積
層方向へ移動させて何れかの針振りカムに対応させる針
振り従動子移動機構と、複数枚の送りカムを積層した送
りカム群と、送りカムの1つに当接する送り従動子の揺
動を送り調節器に伝達する送り伝達機構と、送り従動子
を送りカム群の積層方向へ移動させて何れかの送りカム
に対応させる送り従動子移動機構と、針振り従動子を針
振りカムからリリースさせ且つ送り従動子を送りカムか
らリリースさせるリリース機構とを備えたミシンにおい
て、リリース機構は、針振りカム群及び送りカム群の共
通の積層方向と平行な軸心を有し且つ外周部にリリース
カムが形成されたリリースカム体を備え、針振り従動子
移動機構は、針振り従動子に連結された第1従動子と、
リリースカム体の軸心方向の一端側に渦巻き状に形成さ
れて第1従動子を案内して針振り従動子の積層方向位置
を複数の針振りカムに対応する位置に択一的に設定する
模様選択第1カムとを備え、送り従動子移動機構は、送
り従動子に連結された第2従動子と、リリースカム体の
軸心方向の他端側に渦巻き状に形成されて第2従動子を
案内して送り従動子の積層方向位置を複数の送りカムに
対応する位置に択一的に設定する模様選択第2カムとを
備えたことを特徴とするものである。
【0019】針振りカム群と送りカム群とが主軸を介し
て一体的に回転駆動されることにより、針振り機構を介
して針振り従動子の揺動で針棒が揺動されるとともに、
送り伝達機構を介して送り従動子の揺動が送り調節器に
伝達され、加工布に縫目模様が形成される。一方、模様
選択に際してリリースカム体を手動操作で回転駆動する
と、リリース機構のリリースカムにより、針振り従動子
が針振りカムからリリースされるとともに、送り従動子
が送りカムからリリースされる。これと同時に、このリ
リースカム体の一端側に渦巻き状に形成された模様選択
第1カムにより第1従動子が案内されて軸方向に移動す
るのと同時に、この第1従動子に連結された針振り従動
子が積層方向に一体的に同期して移動して別の針振りカ
ムに対応する。
【0020】更に、このリリースカム体の他端側に渦巻
き状に形成された模様選択第2カムにより第2従動子が
案内されて軸方向に移動するのと同時に、この第2従動
子に連結された送り従動子が積層方向に一体的に同期し
て移動して別の送りカムに対応する。ここで、模様選択
第1カムと模様選択第2カムとはリリースカム体に渦巻
き状に形成されているので、リリースカム体を複数回転
させることができ、しかもリリースカム体を複数回転さ
せても、第1従動子と第2従動子とをリリースカム体の
回転位相に関係することなく軸方向に独立的に案内する
ことができる。即ち、リリースカム体の1回転で選択可
能な縫目模様の数に、リリースカム体の回転数を掛け算
した多くの縫目模様を選択することができる。
【0021】請求項4のミシンの模様選択装置は、請求
項1又は3の発明において、前記模様選択第1カムは、
渦巻き状のカム溝と、このカム溝の奥端面に形成され第
1従動子の従動部が当接する渦巻き状のフェイスカム
と、カム溝の両側部を仕切る渦巻き状の仕切り壁とを有
することを特徴とするものである。即ち、模様選択に際
してリリースカム体を回転駆動すると、第1従動子が仕
切り壁で仕切られた渦巻き状のカム溝に沿って渦巻き状
に移動するときに、その従動部を介してフェイスカムに
当接しながら軸方向に揺動し、これに連結された針振り
従動子を積層方向に確実に移動させることができる。
【0022】請求項5のミシンの模様選択装置は、請求
項2又は3の発明において、前記模様選択第2カムは、
渦巻き状のカム溝と、このカム溝の奥端面に形成され第
2従動子の従動部が当接する渦巻き状のフェイスカム
と、カム溝の両側部を仕切る渦巻き状の仕切り壁とを有
することを特徴とするものである。即ち、模様選択に際
してリリースカム体を回転駆動すると、第2従動子が仕
切り壁で仕切られた渦巻き状のカム溝に沿って渦巻き状
に移動するときに、その従動部を介してフェイスカムに
当接しながら軸方向に揺動し、これに連結された送り従
動子を積層方向に確実に移動させることができる。
【0023】請求項6のミシンの模様選択装置は、請求
項1又は3の発明において、前記模様選択第1カムは渦
巻き状のカム用突条を有し、第1従動子はカム用突条に
摺動自在に係合した係合部を有することを特徴とするも
のである。即ち、模様選択に際してリリースカム体を回
転駆動すると、第1従動子は、その係合部を介して渦巻
き状のカム用突条を摺動しながら渦巻き状に移動すると
き、軸方向に揺動し、これに連結された針振り従動子を
積層方向に確実に移動させることができる。
【0024】請求項7のミシンの模様選択装置は、請求
項2又は3の発明において、前記模様選択第2カムは渦
巻き状のカム用突条を有し、第2従動子はカム用突条に
摺動自在に係合した係合部を有することを特徴とするも
のである。即ち、模様選択に際してリリースカム体を回
転駆動すると、第2従動子は、その係合部を介して渦巻
き状のカム用突条を摺動しながら渦巻き状に移動すると
き、軸方向に揺動し、これに連結された送り従動子を積
層方向に確実に移動させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基いて説明する。本実施形態は、針棒上下動機
構、針棒揺動機構、送り駆動機構などを備え、複数の実
用模様やスーパー模様に関する針振り動作や送り動作
を、カムやリンク機構により発生させて縫製するように
した機械式ジグザグミシンの模様選択装置に本発明を適
用した場合の一例である。
【0026】図1に示すように、このジグザグミシンM
においては、ベッド部1の右端部に脚柱部2が立設さ
れ、この脚柱部2の上端から左方に延びるアーム部3は
ベッド部1の上方に対向するように水平に配設され、こ
のアーム部3の頭部4には縫針9を着脱可能に装着され
た針棒8と押え足(図示略)を装着した押え棒(図示
略)とが上下方向向きに配設されている。前記針棒8
は、上端部がダイキャスト製のフレーム12に枢支ピン
6を介して揺動自在に枢支された針棒支持部材7に、上
下動可能に且つ揺動可能に支持されている。
【0027】前記アーム部3内には、フレーム12に回
転可能に支持された主軸10が水平に配設され、図示外
のミシンモータで所定の回転方向に回転駆動されるよう
になっている。そして、針棒8は、主軸10に連結され
た針棒上下動機構(図示略)により上下駆動されるとと
もに、後述する針振り機構17に連結された揺動用連杆
13を介して針棒支持部材7が揺動するのと同時に揺動
可能になっている。次に、前記脚柱部2に設けられた模
様選択装置15について、図1〜図7に基づいて説明す
る。
【0028】この模様選択装置15は、複数枚の針振り
カム16a〜16rを一体的に積層した針振りカム群1
6と、針振り従動子31の揺動を針棒8の揺動に変換す
る針振り機構17と、針振り従動子31を針振りカム群
16の何れかの針振りカム16a〜16rに対応させる
ようにその積層方向へ移動させる針振り従動子移動機構
18と、複数枚の送りカム19A〜19Dを一体的に積
層した送りカム群19と、送り従動子36の揺動を送り
調節器37に伝達する送り伝達機構20と、送り従動子
36を送りカム群19の何れかの送りカム19A〜19
Dに対応するようにその積層方向に移動させる送り従動
子移動機構21と、針振り従動子31を針振りカムから
リリースさせ且つ送り従動子36を送りカム19A〜1
9Dからリリースさせるリリース機構22とを有してい
る。
【0029】図2、図6に示すように、前記針振りカム
群16と送りカム群19とは、前後方向向きに配設され
た支軸24であって、脚柱部2の前側フレーム11と後
側フレーム12とに夫々固着された支軸24に夫々回転
自在に枢支されている。そして、これら両カム群16,
19の間に設けられたウォームホイール25が主軸10
に設けられたウォーム26に噛合されており、主軸10
が回転されるのと同時に、ウォーム26によりウォーム
ホイール25が回転され、これら両カム群16,19が
所定の回転方向に回転駆動されるようになっている。
【0030】即ち、図15に示すように、針振りカム群
16には18枚の針振りカム16a〜16rが一体的に
積層され、また送りカム群19には4枚の送りカム19
A〜19Dが一体的に積層されている。但し、図15に
おいては、18枚の針振りカム16a〜16rを分かり
易いように、数字「1」〜「18」で示すものである。
つまり、図14に示すように、送りカム19Aを用い
て、針振りカム16aにより「1A」で示す「直線」の
縫目模様が形成でき、針振りカム16bにより「2A」
で示す「ジグザグ」の縫目模様が形成でき、以下同様に
して針振りカム16rにより「18A」で示す「サテン
ステッチ」の縫目模様が形成できる。
【0031】また、次の送りカム19Bを用いて、針振
りカム16a〜16rを順次切換えることで、「1B」
〜「18B」からなる18種類の縫目模様が形成でき、
また次の送りカム19Cを用いて、針振りカム16a〜
16mを順次切換えることで、「1C」〜「13C」か
らなる13種類の縫目模様が形成でき、次の送りカム1
9Dを用いて、針振りカム16a〜16mを順次切換え
ることで、「1D」〜「13D」からなる13種類の縫
目模様が形成できる。ここで、積層方向Sとは、これら
複数枚の針振りカム16a〜16rや送りカム19A〜
19Dを積層した方向であって、前後方向と平行な方向
である。
【0032】次に、針棒8を揺動させる針振り機構17
について説明する。前記支軸24の右側近傍部において
前後方向向きに配設されて両フレーム11,12に夫々
固着された第1枢支軸27の手前側には、平面視略コ字
状の針振り揺動枠30が回動自在に支持され、この第1
枢支軸27には、何れかの針振りカム16a〜16rに
当接する針振り従動子31の基端部が軸方向(前後方
向)に移動自在に枢支されるとともに、この針振り従動
子31の突出部が針振り揺動枠30に係合され、その針
振り揺動枠30に前記揺動用連杆13の右端部が連結さ
れている。また、その針振り揺動枠30には、後述する
リリースカム体50の上側まで左方に延びる針振りリリ
ース従動子30aが一体的に形成されている。
【0033】即ち、針振りカム群16が所定の回転方向
に回転されると、針振り従動子31はこれに対応する針
振りカム16a〜16rのカム形状に応じて揺動するの
で、針振り揺動枠30が当時に揺動され、この揺動が揺
動用連杆13を介して針棒支持部材7に伝達され、針棒
支持部材7と共に針棒8が揺動される。次に、送り調節
器37に送り従動子36の揺動を伝達する作動させる送
り伝達機構20について説明する。
【0034】図2、図4、図5に示すように、前記第1
枢支軸27の奥側には平面視略コ字状の送り揺動枠35
が固着され、この第1枢支軸27には、何れかの送りカ
ム19A〜19Dに当接する送り従動子36の基端部が
軸方向(前後方向)に移動自在に枢支されるとともに、
この送り従動子36の突出部が送り揺動枠35に係合さ
れ、その送り揺動枠35の揺動が送り揺動レバー部35
bを介してが送り調節器37に伝達され、送り調節器3
7の傾きが変更されるようになっている。また、その送
り揺動枠35には、後述するリリースカム体50の上側
まで左方に延びる送りリリース従動子35aが一体的に
形成されている。
【0035】即ち、主軸10が回転されると、この主軸
10に取付けた偏心カム38に当接する送り駆動レバー
39が揺動するので、この揺動により送り歯5が前後に
移動駆動されるようになっており、送り揺動枠35の揺
動の度合いに応じて送り調節器37の傾きが変更され、
正送りや逆送りが実現される。次に、針振り従動子移動
機構18について説明する。図2〜図3、図6〜図7に
示すように、前記第1枢支軸27の右側近傍部で前後方
向向きに配設されて両フレーム11,12に夫々固着さ
れた第2枢支軸28の略前半部分には、平面視コ字状の
針振り従動子移動枠40が回動自在に支持されている。
【0036】そして、図7に示すように、この針振り従
動子移動枠40の前側の係合部40aが、針振り従動子
31の基端部の溝部31aに係合し、針振り従動子移動
枠40は針振り従動子31を積層方向Sへ移動させて何
れかの針振りカム16a〜16rに対応するようにな
る。この針振り従動子移動枠40はフレーム11との間
に設けた圧縮コイルバネ41により常に後方に弾性付勢
されている。
【0037】一方、図3、図6に示すように、針振り従
動子移動枠40には、下方且つ左方に延びる略L字状の
第1連結板42の上端部が固着され、その第1連結板4
2の下端部には、前後方向に所定長さを有する針振り摺
動ピン43(これが第1従動子に相当する)の後端が固
着され、その針振り摺動ピン43の後端部の従動部43
aは、圧縮コイルバネ41により後述する模様選択第1
カム52の第1フェイスカム54に押圧状に当接して案
内されるようになっている。
【0038】次に、送り従動子移動機構21について説
明する。図2、図4、図6〜図7に示すように、前記第
2枢支軸28の右側近傍部で前後方向向きに配設されて
両フレーム11,12に夫々固着された第3枢支軸29
には、側面視コ字状の送り従動子移動枠45が回動自在
に支持されている。そして、この送り従動子移動枠45
の後側の係合部45aが、送り従動子36の基端部の溝
部36aに係合し、送り従動子移動枠45は送り従動子
36を積層方向Sへ移動させて何れかの送りカム19A
〜19Dに対応するようになる。この送り従動子移動枠
45はフレーム12との間に設けた圧縮コイルバネ46
により常に前方に弾性付勢されている。
【0039】一方、図4、図6に示すように、送り従動
子移動枠45には、下方且つ右方に延びる略L字状の第
2連結板47の上端部が固着され、その第2連結板47
の下端部には、前後方向に所定長さを有する送り摺動ピ
ン48(これが第2従動子に相当する)の後端が固着さ
れ、その送り摺動ピン48の前端部の従動部48aは、
圧縮コイルバネ46により後述する模様選択第2カム5
7の第2フェイスカム59に押圧状に当接して案内され
るようになっている。
【0040】ところで、図3〜図4、図6に示すよう
に、前記第1枢支軸27の下側に設けられた所定幅を有
するリリースカム体(回転カム体に相当する)50は、
前後方向向きに配設されて両フレーム11,12に夫々
固着された第4枢支軸51に回動可能に枢支されてい
る。即ち、この第4枢支軸51の軸心は、針振りカム群
16及び送りカム群19の共通の積層方向Sと平行であ
る。そして、このリリースカム体50の前端側には、渦
巻き状の模様選択第1カム52が形成されるとともに、
リリースカム体50の後端側には、渦巻き状の模様選択
第2カム57が形成されている。
【0041】この模様選択第1カム52は、図3、図
6、図8に示すように、渦巻き状に3周するカム溝53
と、このカム溝53の奥端面に形成された渦巻き状の第
1フェイスカム54と、カム溝53の両端部を仕切る渦
巻き状の仕切り壁55とからなっており、後述するよう
に模様選択に際してリリースカム体50が回転駆動され
るときには、前記針振り摺動ピン43は、仕切り壁55
に案内されてカム溝53に沿って移動する。即ち、摺動
ピン43は最外側の第1カム溝53aと、その直ぐ内側
の第2カム溝53bと、その直ぐ内側の第3カム溝53
cとに亙って連続的に移動することができる。
【0042】ここで、前記第1フェイスカム54は、図
15〜図17に針振りカム番号「1〜18」で示すよう
に、第4枢支軸51の軸心方向に針振りカム番号に応じ
た高さを有する階段状のカムであり、図15に示す第1
カム溝53aに対応するフェイスカム54aにより模様
番号1〜模様番号18の縫目を形成でき、図16に示す
第2カム溝53bに対応するフェイスカム54bにより
模様番号19〜模様番号36)の縫目を形成でき、図1
7に示す第3カム溝53cに対応するフェイスカム54
cにより模様番号37〜模様番号54の縫目を形成でき
る。
【0043】これにより、リリースカム体50が回転さ
れるとき、針振り摺動ピン43がフェイスカム54a〜
54cに沿って、つまり針振りカム番号の高さに基づい
て第4枢支軸51の軸心方向に移動するので、この針振
り摺動ピン43に連結された針振り従動子31は、複数
の針振りカム16a〜16rの1つに択一的に対応する
よに積層方向Sに移動する。即ち、模様番号「1」のと
きには、そのときのフェイスカム45a(1)に当接す
る針振り摺動ピン43の移動に同期して針振り従動子3
1が積層方向Sに移動して針振りカム番号「1」に対応
する。
【0044】一方、前記模様選択第2カム57は、図
4、図6、図9に示すように、渦巻き状に3周するカム
溝58と、このカム溝58の奥端面に形成された渦巻き
状の第2フェイスカム59と、カム溝58の両端部を仕
切る渦巻き状の仕切り壁60とからなっており、後述す
るように模様選択に際してリリースカム体50が回転駆
動されるときには、前記送り摺動ピン48は、仕切り壁
60に案内されてカム溝58に沿って移動する。即ち、
送り摺動ピン48は最外側の第1カム溝58aと、その
直ぐ内側の第2カム溝58bと、その直ぐ内側の第3カ
ム溝58cとに亙って連続的に移動することができる。
【0045】ここで、前記第2フェイスカム57は、図
15〜図17に送りカム番号「A〜D」で示すように、
第4枢支軸51の軸心方向に送りカム番号に応じた高さ
を有する階段状のカムであり、図15に第1カム溝58
aに対応するフェイスカム59a(模様番号1〜模様番
号18)を示し、図16に第2カム溝58bに対応する
フェイスカム59b(模様番号19〜模様番号36)を
示し、図17に第3カム溝58cに対応するフェイスカ
ム59c(模様番号37〜模様番号54)を示す。
【0046】これにより、リリースカム体50が回転さ
れるとき、送り摺動ピン48がフェイスカム59a〜5
9cに沿って、つまり送りカム番号の高さに基づいて第
4枢支軸51の軸心方向に移動するので、この送り摺動
ピン48に連結された送り従動子36は、複数の送りカ
ム19A〜19Dの1つに択一的に対応するよに積層方
向Sに移動する。即ち、模様番号「1」のときには、そ
のときのフェイスカム59a(A)に当接する送り摺動
ピン48の移動に同期して送り従動子36が積層方向S
に移動して送りカム番号「A」に対応する。
【0047】これにより、模様番号「1」のときには、
針振り従動子31が針振りカム番号「1」に対応し且つ
送り従動子36が送りカム番号「A」に対応するので、
縫目模様「1Aの直線」が形成されることになる。ここ
で、リリースカム体50の前端面の外周部には、複数の
小型のピンを円弧状に設けたピンギヤ62が形成され、
このピンギヤ62には駆動ギヤ63が噛合され、この駆
動ギヤ63は模様選択ダイヤル64に連結されている。
これにより、模様選択に際して、模様選択ダイヤル64
を手動で回動操作すると、駆動ギヤ63とピンギヤ62
とを介してリリースカム体50が時計回り方向又は反時
計回り方向に回転し、前述したように模様選択が可能に
なる。
【0048】次に、針振り従動子31と送り従動子36
とをリリースさせるリリース機構22について説明す
る。図1〜図4、図6に示すように、前記リリースカム
体50の外周部には、ギヤ歯状の突起カムからなる複数
のリリースカム65が形成されている。即ち、図3、図
8に示すように、前記針振り揺動枠30に設けられた針
振りリリース従動子30aの先端部がこれらリリースカ
ム65を順々に摺動可能になっている。
【0049】これにより、針振りリリース従動子30a
の先端部がリリースカム65の谷部65aに当接してい
るとき、針振り従動子31が1つの針振りカム16a〜
16rに当接して揺動するが、その先端部がリリースカ
ム65の山部65bに乗り上げたときには、図10に示
すように、針振り従動子31が時計回り方向に回動する
ので、針振り従動子31は針振りカム16a〜16rか
らリリースされ、針振り従動子31の積層方向Sへの移
動が可能になる。一方、図4、図9に示すように、前記
送り揺動枠54に設けられた送りリリース従動子35a
の先端部がこれらリリースカム65を順々に摺動可能に
なっている。
【0050】これにより、送りリリース従動子35aの
先端部がリリースカム65の谷部65aに当接している
とき、送り従動子36が送りカム19A〜19Dに当接
して揺動するが、その先端部がリリースカム65の山部
65bに乗り上げたときには、図11に示すように、送
り従動子36が時計回り方向に回動するので、送り従動
子36は送りカム19A〜19Dからリリースされ、送
り従動子36の積層方向Sへの移動が可能になる。
【0051】次に、以上のように構成された模様選択装
置15で模様選択するときの作用及び効果について説明
する。縫製に供する所望の縫目模様を選択する為に、模
様選択ダイヤル64が手動操作によりを回転されると、
この模様選択ダイヤル64に連結された駆動ギヤ63が
回転して、駆動ギヤ63に噛合するピンギヤ62を介し
てリリースカム体50が回動する。即ち、このリリース
カム体50が回動するとき、リリース機構22により、
針振りリリース従動子30aの揺動を介して針振り従動
子31が針振りカム16a〜16rからリリースされる
とともに、送りリリース従動子35aの揺動を介して送
り従動子36が送りカム19A〜19Dからリリースさ
れる。
【0052】次に、リリースカム体50が回転されて、
針振り摺動ピン43が第1フェイスカム54に沿って移
動することで、針振りカム番号の高さに基づいて軸心方
向に移動するのと同期して針振り従動子31が積層方向
Sに移動して、模様番号に対応する針振りカム16a〜
16rに移動するとともに、送り摺動ピン48が第2フ
ェイスカム57に沿って移動することで、送りカム番号
の高さに基づいて軸心方向に移動するのと同期して送り
従動子36が積層方向Sに移動して、模様番号に対応す
る送りカム19A〜19Dに移動する。
【0053】このように、模様選択ダイヤル64を回動
操作して模様選択する毎に、リリース機構22によるこ
れら針振り従動子31と送り従動子36のリリース動作
と、これら針振り従動子31と送り従動子36の積層方
向Sへの移動動作が行なわれる。そして、リリースカム
体50が1周目のときには、図8、図9に示すように、
針振り摺動ピン43が第1カム溝53aを連続的に移動
し且つ送り摺動ピン48が第1カム溝58aを連続的に
移動して、模様番号「1」から模様番号「18」までの
18種類の縫目模様を選択することができる(図15参
照)。
【0054】そして、リリースカム体50が2周目にな
ったときには、図12、図13に示すように、針振り摺
動ピン43が第2カム溝53bを連続的に移動し且つ送
り摺動ピン48が第2カム溝58bを連続的に移動し
て、模様番号「19」から模様番号「36」までの18
種類の縫目模様を選択することができる(図16参
照)。更に、リリースカム体50が3周目になったとき
には、同様に、針振り摺動ピン43が第3カム溝53c
を連続的に移動し且つ送り摺動ピン48が第3カム溝5
8cを連続的に移動して、模様番号「37」から模様番
号「54」までの18種類の縫目模様を選択することが
できる(図17参照)。
【0055】このように、リリースカム体50の前端側
に3条からなる渦巻き状の模様選択第1カム52を形成
するとともに、リリースカム体50の後端側に3条から
なる渦巻き状の模様選択第2カム57を形成し、針振り
摺動ピン43を渦巻き状の模様選択第1カム52のカム
溝53に沿って移動可能に構成するととにも、送り摺動
ピン48を渦巻き状の模様選択第2カム57のカム溝5
8に沿って移動可能に構成したので、リリースカム体5
0を3回転させることができ、模様選択装置15の簡単
化且つ小型化を図りつつ、リリースカム体50(模様選
択ダイヤル64)を1回転で選択可能な縫目模様数を約
3倍まで増加させることができる。
【0056】しかも、従来技術において発生模様数を4
0種類としたときのリリースカム65のピッチ角度P
は、360/40=9°であったものが、3条のカム溝
53を有する第1フェイスカム54で模様選択第1カム
52を構成するとともに、3条のカム溝58を有する第
2フェイスカム59で模様選択第2カム57を構成する
ことにより、リリースカム65のピッチ角度Pは9°×
3=27°となる。更に、リリースカム65及び第1及
び第2フェイスカム54,59の傾斜角度は概略1/3
の緩い傾斜角度にすることが可能となる。
【0057】従来技術における計算例からすると、リリ
ースカム65及びフェイスカム54,59の傾斜角度は
62°と68.5°であり、これを1/3に分割すると
約25°以下である。即ち、傾斜角度を30°に設定し
た場合、リリースカム65のピッチ角度Pは前記27°
より小さくすることが可能となり、発生模様数を40種
類よりも増加させることが可能となる。本実施例の形態
では、従来技術のような第1カム又は針振りカムに重複
するカムを設けず、模様選択装置を簡素化且つ小型化す
ることができる。
【0058】次に、前記実施形態の変更形態について説
明する。 1〕 図18に示すように、前記模様選択第1カム52
Aを渦巻き状のカム用突条52aで構成するとともに、
前記模様選択第2カム57Aを渦巻き状のカム用突条5
7aで構成するようにし、針振り従動子43Aに設けた
係合部43bをこのカム用突条52aに摺動自在に係合
するようにし、また送り従動子48Aに設けた係合部4
8bをこのカム用突条57aに摺動自在に係合するよう
にしてもよい。
【0059】2〕 前記模様選択第1カム52,52A
や模様選択第2カム57,57Aの条数を更に増やすこ
とで、発生模様数を更に増加させるようにしてもよい。 3〕 また、発生模様数を増加させるときのリリースカ
ム65等の傾斜角度に起因する、これらのカムを追従す
る従動子の追従安定性等の拘束条件を十分に満足した上
で、更に発生模様数を増やすようにしてもよい。 4〕 更に、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々
の変更を加えて実施し得ることは勿論であり、各種のミ
シンの模様選択装置に本発明を適用し得ることは勿論で
ある。
【0060】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、針振りカム群
と針振り従動子とを有するミシンにおいて、回転カム体
と、第1従動子と、渦巻き状の模様選択第1カムとを設
けたので、模様選択第1カムが渦巻き状であることか
ら、回転カム体を複数回転させることができ、しかも回
転カム体を複数回転させるときに、何れの回転位相にお
いても、第1従動子を軸方向に独立的に案内することが
でき、回転カム体の1回転で選択可能な針振りカムの数
(縫目模様の数)に、回転カム体の回転数を掛け算した
多くの針振りカム(縫目模様)を選択することができ
る。
【0061】請求項2の発明によれば、送りカム群と送
り従動子とを有するミシンにおいて、回転カム体と、第
2従動子と、渦巻き状の模様選択第2カムとを設けたの
で、模様選択第2カムが渦巻き状であることから、回転
カム体を複数回転させることができ、しかも回転カム体
を複数回転させるときに、何れの回転位相においても、
第2従動子を軸方向に独立的に案内することができ、回
転カム体の1回転で選択可能な送りカムの数に、回転カ
ム体の回転数を掛け算した多くの送りカムを選択するこ
とができる。
【0062】請求項3の発明によれば、針振りカム群
と、針振り機構と、針振り従動子移動機構と、送りカム
群と、送り伝達機構と、送り従動子移動機構と、リリー
ス機構とを備えたミシンにおいて、リリース機構はリリ
ースカムが形成されたリリースカム体を備え、針振り従
動子移動機構は第1従動子と模様選択第1カムとを備
え、送り従動子移動機構は第2従動子と模様選択第2カ
ムとを備えたので、模様選択第1カムと模様選択第2カ
ムとが渦巻き状であることから、リリースカム体を複数
回転させることができ、しかもリリースカム体を複数回
転させるときに、何れの回転位相においても、第1従動
子と第2従動子とを軸方向に独立的に案内することがで
き、リリースカム体の1回転で選択可能な縫目模様の数
に、リリースカム体の回転数を掛け算した多くの縫目模
様を選択することができる。
【0063】ここで、前記模様選択第1カムは、渦巻き
状のカム溝と、このカム溝の奥端面に形成され第1従動
子の従動部が当接する渦巻き状のフェイスカムと、カム
溝の両側部を仕切る渦巻き状の仕切り壁とを有する場合
には、模様選択第1カムを容易に作成でき、第1従動子
を確実にカム溝に沿って渦巻き状に移動させることがで
きるとともに、第1従動子に連結された針振り従動子を
積層方向に確実に移動させることができる(請求項
4)。
【0064】ここで、前記模様選択第2カムは、渦巻き
状のカム溝と、このカム溝の奥端面に形成され第2従動
子の従動部が当接する渦巻き状のフェイスカムと、カム
溝の両側部を仕切る渦巻き状の仕切り壁とを有する場合
には、模様選択第2カムを容易に作成でき、第2従動子
を確実にカム溝に沿って渦巻き状に移動させることがで
きるとともに、第2従動子に連結された送り従動子を積
層方向に確実に移動させることができる(請求項5)。
【0065】ここで、前記模様選択第1カムは渦巻き状
のカム用突条を有し、前記第1従動子は前記カム用突条
に摺動自在に係合した係合部を有する場合には、模様選
択第1カムを容易に作成でき、第1従動子を確実にカム
用突条に摺動させながら渦巻き状に移動させることがで
きるとともに、第1従動子に連結された針振り従動子を
積層方向に確実に移動させることができる(請求項
6)。
【0066】ここで、前記模様選択第2カムは渦巻き状
のカム用突条を有し、前記第2従動子は前記カム用突条
に摺動自在に係合した係合部を有する場合には、模様選
択第2カムを容易に作成でき、第2従動子を確実にカム
用突条に摺動させながら渦巻き状に移動させることがで
きるとともに、第2従動子に連結された送り従動子を積
層方向に確実に移動させることができる(請求項7)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る機械式ジグザグミシン
の正面図である。
【図2】ミシン脚柱部の内部機構を示す部分平面図であ
る。
【図3】ミシン脚柱部の内部機構を示す部分正面図であ
る。
【図4】ミシン脚柱部の内部機構を示す部分背面図であ
る。
【図5】図2のE−E線縦断側面図である。
【図6】ミシン脚柱部の内部機構を示す部分側面図であ
る。
【図7】図3のG−G線横断平面図である。
【図8】図2のH−H線縦断正面図である。
【図9】図2のI−I線縦断背面図である。
【図10】リリース作動時の図8相当図である。
【図11】リリース作動時の図9相当図である。
【図12】模様選択時の図8相当図である。
【図13】模様選択時の図9相当図である。
【図14】発生可能な縫目模様を示す図である。
【図15】模様選択第1カムに設けた第1フェイスカム
の最外側カム形状と模様選択第2カムに設けた第2フェ
イスカムの最外側カム形状とを示す図である。
【図16】第1フェイスカムの中央側カム形状と第2フ
ェイスカムの中央側カム形状とを示す図である。
【図17】第1フェイスカムの最内側カム形状と第2フ
ェイスカムの最内側カム形状とを示す図である。
【図18】変更形態に係る図6相当図である。
【図19】従来技術に係る図6相当図である。
【図20】従来技術に係る模様選択第1カム及び模様選
択第2カムとリリースカムの説明図である。
【符号の説明】
M 機械式ジグザグミシン 15 模様選択装置 16 針振りカム群 16a〜16r 針振りカム 17 針振り機構 18 針振り従動子移動機構 19 送りカム群 19A〜19D 送りカム 20 送り伝達機構 21 送り従動子移動機構 22 リリース機構 31 針振り従動子 36 送り従動子 37 送り調節器 43 針振り摺動ピン 48 送り摺動ピン 50 リリースカム体 52 模様選択第1カム 53 カム溝 54 第1フェイスカム 55 仕切り壁 57 模様選択第2カム 58 カム溝 59 第2フェイスカム 60 仕切り壁 43A 針振り従動子 43b 係合部 48A 送り従動子 48b 係合部 52A 模様選択第1カム 52a カム用突条 57A 模様選択第2カム 57a カム用突条

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の針振りカムを含む針振りカム群
    と、この針振りカム群の1つの針振りカムに当接する針
    振り従動子とを有し、複数の縫目模様のうちの選択した
    ものを縫製する為に、針振り従動子の揺動で針振りを行
    うとともに、針振り従動子を針振りカム群の積層方向へ
    移動させて針振りカムを選択するようにしたミシンにお
    いて、 前記積層方向と平行な軸心を有しかつ模様選択に際して
    手動操作で回転駆動される回転カム体と、 前記針振り従動子に連結された第1従動子と、 前記回転カム体の軸方向一端側部分に渦巻き状に形成さ
    れ、第1従動子を案内して針振り従動子の前記積層方向
    位置を複数の針振りカムに対応する位置に択一的に設定
    可能な模様選択第1カムと、 を備えたことを特徴とするミシンの模様選択装置。
  2. 【請求項2】 複数の送りカムを含む送りカム群と、こ
    の送りカム群の1つの送りカムに当接する送り従動子と
    を有し、送り従動子の揺動で送り調節器を調節するとと
    もに、送り従動子を送りカム群の積層方向へ移動させて
    送りカムを選択するようにしたミシンにおいて、 前記積層方向と平行な軸心を有しかつ模様選択に際して
    手動操作で回転駆動される回転カム体と、 前記送り従動子に連結された第2従動子と、 前記回転カム体の軸方向他端側部分に渦巻き状に形成さ
    れ、第2従動子を案内して送り従動子の前記積層方向位
    置を複数の送りカムに対応する位置に択一的に設定可能
    な模様選択第2カムと、 を備えたことを特徴とするミシンの模様選択装置。
  3. 【請求項3】 複数枚の針振りカムを積層した針振りカ
    ム群と、針振りカムの1つに当接する針振り従動子の揺
    動を針棒の揺動に変換する針振り機構と、針振り従動子
    を針振りカム群の積層方向へ移動させて何れかの針振り
    カムに対応させる針振り従動子移動機構と、複数枚の送
    りカムを積層した送りカム群と、送りカムの1つに当接
    する送り従動子の揺動を送り調節器に伝達する送り伝達
    機構と、送り従動子を送りカム群の積層方向へ移動させ
    て何れかの送りカムに対応させる送り従動子移動機構
    と、針振り従動子を針振りカムからリリースさせ且つ送
    り従動子を送りカムからリリースさせるリリース機構と
    を備えたミシンにおいて、 前記リリース機構は、針振りカム群及び送りカム群の共
    通の積層方向と平行な軸心を有し且つ外周部にリリース
    カムが形成されたリリースカム体を備え、 前記針振り従動子移動機構は、針振り従動子に連結され
    た第1従動子と、リリースカム体の軸心方向の一端側に
    渦巻き状に形成されて第1従動子を案内して針振り従動
    子の前記積層方向位置を複数の針振りカムに対応する位
    置に択一的に設定する模様選択第1カムとを備え、 前記送り従動子移動機構は、送り従動子に連結された第
    2従動子と、リリースカム体の軸心方向の他端側に渦巻
    き状に形成されて第2従動子を案内して送り従動子の前
    記積層方向位置を複数の送りカムに対応する位置に択一
    的に設定する模様選択第2カムとを備えた、 ことを特徴とするミシンの模様選択装置。
  4. 【請求項4】 前記模様選択第1カムは、渦巻き状のカ
    ム溝と、このカム溝の奥端面に形成され第1従動子の従
    動部が当接する渦巻き状のフェイスカムと、カム溝の両
    側部を仕切る渦巻き状の仕切り壁とを有することを特徴
    とする請求項1又は3に記載のミシンの模様選択装置。
  5. 【請求項5】 前記模様選択第2カムは、渦巻き状のカ
    ム溝と、このカム溝の奥端面に形成され第2従動子の従
    動部が当接する渦巻き状のフェイスカムと、カム溝の両
    側部を仕切る渦巻き状の仕切り壁とを有することを特徴
    とする請求項2又は3に記載のミシンの模様選択装置。
  6. 【請求項6】 前記模様選択第1カムは渦巻き状のカム
    用突条を有し、前記第1従動子は前記カム用突条に摺動
    自在に係合した係合部を有することを特徴とする請求項
    1又は3に記載のミシンの模様選択装置。
  7. 【請求項7】 前記模様選択第2カムは渦巻き状のカム
    用突条を有し、前記第2従動子は前記カム用突条に摺動
    自在に係合した係合部を有することを特徴とする請求項
    2又は3に記載のミシンの模様選択装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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