JP2000157150A - 複合菓子とその製造方法 - Google Patents

複合菓子とその製造方法

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JP2000157150A
JP2000157150A JP10341667A JP34166798A JP2000157150A JP 2000157150 A JP2000157150 A JP 2000157150A JP 10341667 A JP10341667 A JP 10341667A JP 34166798 A JP34166798 A JP 34166798A JP 2000157150 A JP2000157150 A JP 2000157150A
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pie
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pie dough
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浩之 久冨
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裕 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パイとシューの両方が一体的に合わさった様な
今までにない新規な外観、風味及食感をするとともに、
製品の形態が一定化した複合菓子とその製造方法を提供
する。 【解決手段】凹部を有する焼成型(10)の凹部内面に
シート状のパイ生地(2)を載置し、その中央部分を焼
成型(10)の凹部内面に沿わせるように窪ませる。次
いで、窪んだ状態のパイ生地(2)のほぼ中心部にシュ
ー生地(3)を塊状に絞り出して配置する。さらに、パ
イ生地(2)の各端縁部(2a・・2a)を内側に折り
畳んでシュー生地(3)をほぼ被覆した後、その合わせ
目(8)を上向きとしたままオーブンにて焼成し、焼成
後のシュー皮(6)の空洞部(4)内にクリームやジャ
ム等の具材(7)を充填することにより、シュー皮
(6)の下部を被覆するパイ皮(5a)と、シュー皮
(6)の下部以外に複数散在するパイ皮断片(5b)と
からなる複合菓子(11)する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、パイとシューを
組み合わせた複合菓子とその製造方法に係り、詳しく
は、シュー生地をパイ生地でほぼ被覆して焼成すること
により、パイの風味及び食感とシューの風味及び食感と
をそれぞれもち合わせることは勿論のこと、さらに、両
者が一体的に合わさった様な今までにない新規な外観、
風味及び食感を有することとなる複合菓子とその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パイとシューとを合わせた複合菓子とし
ては、特開昭58−56634号において、単にパイ生
地とシュー生地とを適宜形状で組み合わせてこれを焼成
するようにしたもの、例えば、円板状もしくは四角形状
のパイ生地の上にシュー生地をリング状に絞って設定し
たものや、長方形状のパイ生地の上にシュー生地を各長
辺に沿ってそれぞれ絞って設定したものが提案され、ま
た、特開平6−327408号において、シュー生地を
上からパイ生地で覆って完全に被覆するようにしたもの
が提案され、また、特開平10−66502号におい
て、展板の上へシュー生地を絞り出し、シュー生地の上
にパイ生地を載置して焼成するようにしたものが提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
シュー生地をパイ生地で包み、焼成することにより外側
の下部以外のパイ生地から内側のシュー生地が膨張し、
その一部が露出して、下部以外の表面にパイ皮とシュー
皮とが併存するようにした複合菓子は無かった。
【0004】そして、該複合菓子の製造方法としては、
パイ生地上にシュー生地を載置した後、該パイ生地の各
端縁部を内側に折り畳み(風呂敷で包むように各端縁部
を軽く折る)、このようにシュー生地をパイ生地でほぼ
被覆したものを常法の焼成条件(高温・短時間、すなわ
ち、200℃以上の温度で30分未満の時間)により焼
成することが考えられる。しかし、上掲従来の技術にお
けるパイ生地及びシュー生地の重量比に調整して、すな
わち、パイ生地の重量をシュー生地の重量に比して多く
して焼成した場合、パイ生地の内側にあるシュー生地を
十分に膨張させ、外側のパイ生地を分断して表面に露出
させることが困難であり、パイ生地が分断されて製品表
面上にパイ皮断片をランダムに複数存在させるようにす
ることも困難である。また、常法のシュー生地の焼成条
件で焼成した場合には、シュー生地が急激に膨張するた
めパイ生地の折り畳み端縁部間の隙間からシュー生地が
過度に膨張してしまうとともに、製品毎にシュー生地の
膨張の仕方が異なり、焼成後の形態が製品毎にバラつい
たものとなってしまう。
【0005】本願発明は、このような課題に対処しよう
とするものであり、パイ又はシューにおけるそれぞれ固
有の風味及び食感を有することは勿論のこと、それ以外
のパイとシューの両方が一体的に合わさった様な今まで
にない新規な外観、風味及び食感が得られる複合菓子及
びその製造方法を提供することを目的とするとともに、
シュー生地の膨張を安定化させて、製品の形態を一定と
するようにした複合菓子及びその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、シート状の
パイ生地上のほぼ中心部にシュー生地を、該パイ生地と
該シュー生地の重量比がパイ生地:シュー生地=20:
80〜50:50となるようにして塊状に配置し、そし
て、該パイ生地の端縁部を塊状の該シュー生地がほぼ被
覆されるように内側に折り畳み、このパイ生地を折り畳
んでシュー生地をほぼ被覆したものを、該折り畳みの合
わせ目が上向きとなるようにして加熱焼成することによ
り、内部に空洞部を有するシュー皮と、該シュー皮の下
部を被覆するパイ皮と、該シュー皮の下部以外の表面に
複数散在するパイ皮断片とから構成される複合菓子とし
たものである。ここで言うシューの下部とは、底部及び
その近辺の側部のことをいう。そして、焼成後必要に応
じて、シュー生地が膨化することにより形成された空洞
部を有するシュー皮の内部に、クリームやジャム等の具
材を充填するようにしたものである。
【0007】このようにパイ生地の重量をシュー生地の
重量に比して少な目にすることにより、焼成時にパイ生
地に閉じこめられたシュー生地の膨張力が大きくなって
該シュー生地の一部が表面に露出し易くなる。そして、
外側のパイ生地は内側のシュー生地より先に焼成されて
固化が進行することとなるので、該シュー生地は焼成に
伴って膨張することで先に焼成されて固化が進行した外
側のパイ生地を破壊するように膨張して表面に露出する
とともに、先に焼成されて固化が進行した外側のパイ生
地における内側の層部分、すなわち、内側のシュー生地
の表面と接触するパイ生地層部分を引きずるように伸び
ることとなって(これによりパイ生地は引き延ばされつ
つ積層状態を維持、又は積層状態を破壊され分断されな
がら焼成され)、シュー皮の下部以外の表面にパイ皮断
片がランダムに複数散在した新規な外観、風味及び食感
を有する複合菓子とすることが出来る。なお、パイ生地
の重量を少な目にした上で、さらにパイ生地の厚さも薄
くした方が望ましく、1.0〜3.0mm、より望まし
くは1.0〜2.0mmとした方がよい。
【0008】また、本願発明は、シート状のパイ生地上
のほぼ中心部にシュー生地を塊状に配置し、そして、該
パイ生地の端縁部を塊状の該シュー生地がほぼ被覆され
るように内側に折り畳み、このパイ生地を折り畳んでシ
ュー生地をほぼ被覆したものを、該折り畳みの合わせ目
が上向きとなるようにして、少なくとも焼成開始から焼
成時間の中間点までの焼成温度を170℃以上200℃
未満とし、かつ、焼成時間を30〜50分間として加熱
焼成することにより、内部に空洞部を有するシュー皮
と、該シュー皮の下部を被覆するパイ皮と、該シュー皮
の下部以外の表面に複数散在するパイ皮断片とから構成
される複合菓子としたものである。このように、焼成時
間を常法よりも低温で、かつ、焼成時間を常法よりも長
時間で焼成することにより、内側のシュー生地はゆっく
りと安定して膨張し、焼成後の製品の形態が一定化した
ものとなり、シュー皮の下部以外の表面にパイ皮断片が
ランダムに複数散在した新規な外観、風味及び食感を有
する複合菓子とすることが出来る。そして、本願発明の
目的からすると、上述した常法よりも低温で、かつ、長
時間の焼成条件とすることと、前記のパイ生地とシュー
生地の重量比においてパイ生地を少な目にすること、の
両手段を重ねて用いることが望ましい。
【0009】また、本願発明は、シート状のパイ生地を
凹部を有する焼成型の凹部内面に沿わせるように載置し
て窪んだ状態とし、次いで、窪んだ状態の該シート状の
パイ生地上のほぼ中心部にシュー生地を塊状に配置し、
そして、該パイ生地の端縁部を塊状の該シュー生地がほ
ぼ被覆されるように内側に折り畳み、該折り畳みの合わ
せ目を上向きとしてオーブンにて焼成することにより、
または、シート状のパイ生地上の略中心部にシュー生地
を塊状に配置し、そして、該パイ生地の端縁部を塊状の
該シュー生地がほぼ被覆されるように内側に折り畳み、
このパイ生地を折り畳んでシュー生地をほぼ被覆したも
のを、該折り畳みの合わせ目が上向きとなるようにして
凹部を有する焼成型の凹部内面に載置し、オーブンにて
焼成することにより、内部に空洞部を有するシュー皮
と、該シュー皮の下部を被覆するパイ皮と、該シュー皮
の下部以外の表面に複数散在するパイ皮断片とから構成
される複合菓子を製造するようにしたものである。そし
て、焼成後必要に応じて、シュー生地が膨化することに
より形成された空洞部を有するシュー皮の内部に、クリ
ームやジャム等の具材を充填するようにしたものであ
る。
【0010】このように、凹状の焼成型を用いてパイ生
地でほぼ被覆されたシュー生地を焼成するようにする
と、該焼成型により無闇に横方向へ膨張することなく高
さ方向へ膨張するように矯正されるとともに、生地に対
する加熱が焼成型における側面からも効果的に成されて
火通りの良いものとなるので、該シュー生地の一部は焼
成に伴って膨張することでその一部が外側のパイ生地か
ら容易に表面に露出し、しかも、シュー生地は全体的に
十分に、ムラ無く加熱され、安定的に膨張し、焼成後の
製品は十分な高さを得ることが出来るものとなる。
【0011】そして、本願発明の目的からすると、
(A)上述したように凹部を有する焼成型を用いること
に加えて、(B)窪んだ状態の該シート状のパイ生地上
のほぼ中心部に塊状に配置されるシュー生地を、パイ生
地とシュー生地の重量比がパイ生地:シュー生地=2
0:80〜50:50となるようにすること、又は
(C)少なくとも焼成開始から焼成時間の中間点までの
焼成温度を170℃以上200℃未満とし、かつ、焼成
時間を30〜50分間とした焼成条件とすることが望ま
しい。そして、上記手段(A)、(B)、(C)を全て
用いることが最も望ましい。
【0012】また、本願発明は、上記発明においてシュ
ー生地に使用する小麦粉を、薄力粉と強力粉の重量比が
薄力粉:強力粉=90:10〜50:50となるように
調整するようにしたもの、すなわち、シュー生地に使用
される小麦粉は薄力粉だけでなく、強力粉を加えるよう
にしたものでもある。なお、ここで言う薄力粉とは、蛋
白含有量が約9%以下であり、麩量が少なく麩質が粗弱
な小麦粉のことをいい、また、強力粉とは、蛋白含有量
が約11%以上であり、麩量が多く麩質が強靱な小麦粉
のことをいう。
【0013】これにより、シュー生地はグルテン組織が
強化されるために、焼成時はゆっくりと膨張するととも
に、膨張力が強化され、より容易かつ確実にボリューム
がアップすることが出来、さらに、焼成後の収縮も抑え
ることが出来ることとなる。
【0014】また、本願発明は、上記発明においてシー
ト状のパイ生地を、練りパイ生地ではなく折りパイ生地
を用いるようにしたものでもある。これにより、シュー
生地の下部以外のパイ生地は、シュー生地の膨張に伴い
(シュー生地表面と接触する部分で膨張するシュー生地
に引っ張られ)、層の水平方向に引き延ばされつつ積層
状態を維持し、又は、積層状態を破壊され分断されなが
ら焼成され、焼成後の製品のシュー皮の下部以外の表面
にパイ皮断片がランダムに複数散在させることを容易か
つ確実にし、新規な外観、風味及び食感を有するものと
することが出来ることとなる。
【0015】すなわち、練りパイ生地は焼成時に端部が
中心に引っ張られるように膨張するため、上述のように
層の水平方向に引き延ばされつつ分断されるようにしに
くいが、折りパイは焼成時に層の垂直方向へ膨張するも
のであり、層の水平方向に引き延ばされつつ分断される
ことに支障がないからである。そして、その際、必要以
上に膨張して製品の食感が劣ることを防止するために、
生地の折り層を増やして、例えば、100層以上の折り
層とすることにより、高さ方向への膨張を制御するよう
にするとより好ましいものとすることが出来る。
【0016】
【実施例】以下、本願発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。本願発明における複合菓子は、図1及び図2
に示すように、内部に空洞部(4)を有するシュー皮
(6)と、該シュー皮(6)の下方部分を被覆するパイ
皮(5a)と、該シュー皮(6)の下方部分以外の表面
に複数散在するパイ皮断片(5b)とから構成されるよ
うにしたものである。
【0017】本願発明における前記複合菓子を製造する
にあたって、まず、パイ皮(5a)及びパイ皮断片(5
b)を構成するパイ生地(2)と、シュー皮(6)を構
成するシュー生地(3)とをそれぞれ準備する。
【0018】パイ生地は、小麦粉100重量%、食塩
0.3重量%、水45重量%、及びロールイン油脂40
重量%の配合からなる原料を用い、ロールイン油脂以外
の各成分をミキサーによりミキシングして生地を作成
し、数時間ねかせた後、この生地でロールイン油脂を包
み込み折り畳んで再びねかせる。そして、この折り畳ん
でからねかせる工程を数回繰り返す。以上のようにして
作られたパイ生地は、例えば、約25gを110mm四
方で厚さ1.5mm程した所定のシート状の形状に予め
成形しておく。
【0019】なお、パイ生地には、任意に複数箇所に小
穴を開けたり、スリットを入れたりする等の“ピケ”を
形成することが望ましい。これにより、焼成時に下部以
外での分断がなされやすくなるとともに、火通りが良く
なり、焼成後のパイ皮の食感が良くなる。また、このよ
うにして作成したパイ生地を冷凍保管し、必要に応じて
解凍して使用しても良い。
【0020】また、シュー生地は、小麦粉として薄力粉
80重量%及び強力粉20重量%、砂糖2.5重量%、
食塩1重量%、練り込み用油脂120重量%、卵180
重量%、水140重量%、の配合からなる原料を用い、
まず、油脂と水、砂糖、食塩とをなべに入れて強火にか
け、沸騰させ油脂を完全に溶かしてから火を弱めて小麦
粉を入れ、へらでだまにならないように手早くかき混ぜ
る。次に、これをミキサーに移し替え、ビーターで攪拌
し、生地の粘度を調整しながら液卵を3回ぐらいに分け
て投入する。
【0021】ここで、ボリュームを増強させるために、
膨張剤として重曹及び/又は炭酸アンモニウムを添加し
ても良く、本願発明においては、縦方向へのボリューム
アップのために重曹を単独で1重量%未満添加すること
が望ましい。そして、重曹は全体的に分散して混ざるよ
うに液卵投入の2回目までに投入しておくと良い。
【0022】そして、パイ生地(2)とシュー生地
(3)とをそれぞれ準備したら、図3(イ)乃至(ニ)
に示すように、前記四角形に成形した縦110mm×横
110mm×厚さ1.5mmで25gのシート状のパイ
生地(2)のほぼ中心部にシュー生地(3)約35gを
塊状に絞り出して配置し((イ)参照)、次いで、該パ
イ生地(2)の各端縁部(2a・・2a)をシュー生地
(3)の上面に向かって内側に折り畳むことによりシュ
ー生地(3)をほぼ被覆し((ロ)及び(ハ)参照)、
その後、該パイ生地(2)の端縁部(2a)の合わせ目
(8)を上向きとしたまま、焼成開始から焼成時間の中
間時点までの前半の焼成温度を185〜195℃とし、
焼成時間の中間時点から焼成終了までの後半の焼成温度
を210〜220℃とするように設定したオーブンにて
焼成時間を約40分間として上下方向から焼成すること
により複合菓子(1)を製造する((ニ)参照)。そし
て、該シュー皮(6)の空洞部(4)内には、必要に応
じてクリームやジャム等の具材(7)を充填することと
する。
【0023】以上のように製造した複合菓子(1)は、
焼成時に内側のシュー生地の膨張に伴って外側のパイ生
地が引き延ばされつつ分断されることにより該シュー皮
の下部以外の表面に部分的にパイ皮断片が散在すること
となるので、パイ皮におけるパイ固有の風味及び食感、
及びパイ皮で覆われていないシュー生地部分におけるシ
ュー固有の風味及び食感をそれぞれ有することは勿論の
こと、該薄層パイ皮断片においてパイとシューの両方が
一体的に合わさった様な今までにない新規な外観、風味
及び食感を有する製品とすることが出来、しかも、シュ
ー生地の膨張が安定化し、製品の形態を一定のものとす
ることが出来た。
【0024】また、複合菓子の他の製造方法としては、
図4(イ)乃至(ホ)に示すように、凹部を有する円筒
状の焼成型(10)の凹部内面に前記四角形をした25
gのシート状のパイ生地(2)を載置し((イ)参
照)、該パイ生地(2)を該焼成型(10)の凹部内面
に沿わせるようにその中央部分を窪ませて該焼成型(1
0)の形状に適合させ、次いで、窪んだ状態のシート状
のパイ生地(2)上のほぼ中心部にシュー生地(3)約
35gを塊状に絞り出して配置し((ロ)参照)、さら
に、該パイ生地(2)の各端縁部(2a・・2a)をシ
ュー生地(3)の上面に向かって内側に折り畳むことに
よりシュー生地(3)をほぼ被覆し((ハ)及び(ニ)
参照)、その後、該パイ生地(2)の端縁部(2a)の
合わせ目(8)を上向きとしたまま、焼成開始から焼成
時間の中間時点までの前半の焼成温度を185〜195
℃とし、焼成時間の中間時点から焼成終了までの後半の
焼成温度を210〜220℃とするように設定したオー
ブンにて焼成時間を約38分間として上下方向、すなわ
ち、パイ生地で包まれたシュー生地を、上方からは勿論
のこと焼成型の底面及び側面からも焼成することにより
複合菓子(11)としてなるものである((ホ)参
照)。
【0025】なお、上記実施例においては、最初から凹
部を有する円筒状の焼成型にその凹部内に沿わせるよう
に直接シート状のパイ生地を載置し、その上に塊状に絞
り出したシュー生地をほぼ被覆した後、そのまま加熱焼
成するようにしたが、先ずシート状のパイ生地上に塊状
に絞り出したシュー生地をほぼ被覆した後、これを焼成
型内に載置して加熱焼成するようにしても良い。また、
焼成条件について焼成開始から焼成終了まで焼成温度を
約190℃とし、焼成時間を約40分間としても良い。
そして、該シュー皮(6)の空洞部(4)内には、必要
に応じてクリームやジャム等の具材(7)を充填するこ
ととする。この際、焼成型は、図示したように単独の凹
部を有するものに限らず、複数の凹部が連設されている
焼成型としても良い。
【0026】以上のように製造した複合菓子(11)
は、パイ皮におけるパイ固有の風味及び食感、及びパイ
皮で覆われていないシュー生地部分におけるシュー固有
の風味及び食感をそれぞれ有することは勿論のこと、パ
イとシューの両方が一体的に合わさった様な今までにな
い新規な外観、風味及び食感を有する製品とすることが
出来、しかも、シュー生地は焼成型によって膨張時に高
さ方向へ十分に安定的に膨化し、十分かつ均一に焼成し
た一定化した形態のものとすることが出来た。
【0027】
【発明の効果】以上のように本願発明によれば、焼成時
におけるシュー生地の膨張が妨げられることなく容易に
達成されることが出来るとともに、膨張したシュー生地
の表面にパイ皮断片がランダムに複数散在した、パイ又
はシューにおけるそれぞれ固有の風味及び食感を有する
ことは勿論のこと、パイとシューの両方が一体的に合わ
さった様な今までにない新規な風味及び食感をした、新
規な外観を有するものとすることが出来た。
【0028】しかも、凹部を有する焼成型を用いて焼成
が行われるので、生地の膨張は該焼成型により無闇に横
方向へ膨張することなく高さ方向へ膨張するように矯正
され、製品の形態が一定とされるとともに、生地に対す
る加熱が該焼成型からもなされれて火通りの良いものと
することが出来る。
【0029】また、本願発明によれば、シュー生地に使
用される小麦粉を薄力粉だけでなく強力粉を加えるよう
にすることで、シュー生地の膨張力が強化されるととも
に、焼成後の収縮を押さえた、製品の形態を一定化した
ものとすることが出来た。
【0030】さらに、パイ生地として折りパイ生地を使
用することで、焼成後製品のシュー皮の下部以外の表面
に大小のパイ皮断片をランダムに複数散在させることを
容易かつ確実にすることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明における複合菓子を示す斜視図。
【図2】本願発明における複合菓子を示す縦断面図
【図3】(イ)乃至(ニ)本願発明における複合菓子の
製造方法を説明する概略図。
【図4】(イ)乃至(ホ)本願発明における複合菓子の
他の製造方法を説明する概略図。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・複合菓子 2・・・・・・・・・・・・パイ生地 2a・・・・・・・・・・・・パイ生地端縁部 3・・・・・・・・・・・・シュー生地 4・・・・・・・・・・・・空洞部 5a・・・・・・・・・・・・パイ皮 5b・・・・・・・・・・・・パイ皮断片 6・・・・・・・・・・・・シュー皮 7・・・・・・・・・・・・具材 8・・・・・・・・・・・・合わせ目 10・・・・・・・・・・・・焼成型 11・・・・・・・・・・・・複合菓子

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に空洞部を有するシュー皮と、該シ
    ュー皮の下部を被覆するパイ皮と、該シュー皮の下部以
    外の表面に複数散在するパイ皮断片とからなることを特
    徴とする複合菓子。
  2. 【請求項2】 シート状のパイ生地上のほぼ中心部にシ
    ュー生地を、該パイ生地と該シュー生地の重量比がパイ
    生地:シュー生地=20:80〜50:50となるよう
    にして塊状に配置し、そして、該パイ生地の端縁部を塊
    状の該シュー生地がほぼ被覆されるように内側に折り畳
    み、このパイ生地を折り畳んでシュー生地をほぼ被覆し
    たものを、該折り畳みの合わせ目が上向きとなるように
    して加熱焼成してなることを特徴とする複合菓子の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 シート状のパイ生地上のほぼ中心部にシ
    ュー生地を塊状に配置し、そして、該パイ生地の端縁部
    を塊状の該シュー生地がほぼ被覆されるように内側に折
    り畳み、このパイ生地を折り畳んでシュー生地をほぼ被
    覆したものを、該折り畳みの合わせ目が上向きとなるよ
    うにして、少なくとも焼成開始から焼成時間の中間点ま
    での焼成温度を170℃以上200℃未満とし、かつ、
    焼成時間を30〜50分間として加熱焼成してなること
    を特徴とする複合菓子の製造方法。
  4. 【請求項4】 シート状のパイ生地を凹部を有する焼成
    型の凹部内面に沿わせるように載置して窪んだ状態と
    し、次いで、窪んだ状態の該シート状のパイ生地上のほ
    ぼ中心部にシュー生地を塊状に配置し、そして、該パイ
    生地の端縁部を塊状の該シュー生地がほぼ被覆されるよ
    うに内側に折り畳み、その後、該折り畳みの合わせ目を
    上向きとして加熱焼成してなることを特徴とする複合菓
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】 シート状のパイ生地上のほぼ中心部にシ
    ュー生地を塊状に配置し、そして、該パイ生地の端縁部
    を塊状の該シュー生地がほぼ被覆されるように内側に折
    り畳み、このパイ生地を折り畳んでシュー生地をほぼ被
    覆したものを、該折り畳みの合わせ目が上向きとなるよ
    うにして凹部を有する焼成型の凹部内面に載置し、その
    後、加熱焼成してなることを特徴とする複合菓子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも焼成開始から焼成時間の中間
    点までの焼成温度を170℃以上200℃未満とし、か
    つ、焼成時間を30〜50分間として焼成してなること
    を特徴とする請求項4又は5に記載の複合菓子の製造方
    法。。
  7. 【請求項7】 パイ生地とシュー生地の重量比を、パイ
    生地:シュー生地=20:80〜50:50とすること
    を特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載の複合菓子
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 シュー生地に使用する小麦粉は、薄力粉
    と強力粉の重量比が薄力粉:強力粉=90:10〜5
    0:50となるように調整したものであることを特徴と
    する請求項2乃至7の何れかに記載の複合菓子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 シート状のパイ生地は折りパイ生地であ
    ることを特徴とする請求項2乃至8の何れかに記載の複
    合菓子の製造方法。
JP34166798A 1998-12-01 1998-12-01 複合菓子とその製造方法 Expired - Lifetime JP3693510B2 (ja)

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WO2003043426A1 (fr) * 2001-01-16 2003-05-30 Muginoho Co., Ltd. Structure de pate pour garniture exterieure de choux a la creme

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