JP2000154245A - ポリオキシアルキレンポリオールの精製方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレンポリオールの精製方法

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JP2000154245A
JP2000154245A JP32902098A JP32902098A JP2000154245A JP 2000154245 A JP2000154245 A JP 2000154245A JP 32902098 A JP32902098 A JP 32902098A JP 32902098 A JP32902098 A JP 32902098A JP 2000154245 A JP2000154245 A JP 2000154245A
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polyoxyalkylene polyol
polyol
compound
adsorbent
catalyst
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Satoshi Yamazaki
聡 山崎
Fumio Yamazaki
文雄 山▲崎▼
Tsukuru Izukawa
伊豆川作
Yasunobu Hara
康宣 原
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ性化合物触媒の残存量を5ppm以
下に制御し得るポリオキシアルキレンポリオールの精製
方法を提供する。 【解決手段】 触媒として、アルカリ性化合物を用いて
製造された粗製ポリオキシアルキレンポリオールに、比
表面積が600〜1200m2/g、平均細孔直径が4
0〜100Åであるケイ酸アルミニウム、及びケイ酸マ
グネシウムから選ばれた少なくとも1種の吸着剤を0.
01〜1.5重量%加え、ポリオキシアルキレンポリオ
ール中の触媒残存量を5ppm以下に制御するポリオキ
シアルキレンポリオールの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ性化合物
を触媒として製造した粗製ポリオキシアルキレンポリオ
ールの精製方法に関する。詳しくは、前記粗製ポリオキ
シアルキレンポリオールに、特定の形状を有する吸着剤
を接触させて、触媒残存量を特定濃度以下に制御する、
ポリオキシアルキレンポリオールの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ポリウレタン原料に用いられてい
るポリオキシアルキレンポリオールは、活性水素化合物
にアルカリ金属化合物を反応させ、活性水素化合物のア
ルカリ金属塩(重合開始剤に相当する)を製造し、次い
で、エポキサイド化合物の付加重合を行うことにより製
造されている。ポリオキシアルキレンポリオールに触媒
であるアルカリ金属化合物が多量に残存していると、ポ
リイソシアネート化合物との反応制御が困難である上、
ポリウレタンフォーム製造時において、フォーム内部に
スコーチ(こげ)を生じる。触媒残存量の低減を目的と
して、従来より種々の精製方法の検討がなされている。
【0003】ポリオキシアルキレンポリオールの生産
性、及び、収率の観点から、通常、アルカリ金属化合物
を触媒とした粗製ポリオキシアルキレンポリオールを、
酸水溶液による中和反応を行った後、吸着剤を添加し、
加熱減圧脱水を行う方法により、ポリオキシアルキレン
ポリオールの精製が行われている(以下、吸着処理法と
いう)。しかしながら、吸着処理法を、親水基の含有量
が少ない、又は、分子量が大きい(水酸基価が低い)粗
製ポリオキシアルキレンポリオールに適用すると、精製
処理後のポリオール中の触媒残存量が多くなり、ポリイ
ソシアネート化合物と反応させたイソシアネート基末端
プレポリマーの貯蔵安定性が低下するといった問題があ
った。さらに、アルカリ土類金属を触媒とした粗製ポリ
オキシアルキレンポリオールを前記吸着処理法により精
製すると、ポリオールの外観の透明性が低下するといっ
た意匠上の不具合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
カリ性化合物を触媒として用いて製造された粗製ポリオ
キシアルキレンポリオールから、効率的、且つ経済的に
触媒を除去し、触媒の残存量を5ppm以下に制御し得
る、ポリオキシアルキレンポリオールの精製方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、アルカリ性化合物を
触媒として製造された粗製ポリオキシアルキレンポリオ
ールを、特定の形状を有する吸着剤と接触させることに
より、残存触媒量を効率よく特定値以下に制御できるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】即ち、本発明により、アルカリ性化合物を
触媒として、活性水素化合物にエポキサイド化合物を付
加重合して得られた粗製ポリオキシアルキレンポリオー
ルに、比表面積が600〜1200m2/g、平均細孔
直径が40〜100Åであるケイ酸アルミニウム、及び
ケイ酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の吸着
剤を0.01〜1.5重量%加え、ポリオキシアルキレ
ンポリオール中の触媒残存量を5ppm以下に制御する
ことを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの精
製方法が提供される。本発明の好ましい態様として、粗
製ポリオキシアルキレンポリオールと吸着剤を接触させ
る前に、酸を加え、中和反応を行う前記精製方法が挙げ
られる。また、本発明の他の好ましい態様として、数平
均径が8〜60μmの吸着剤を用いる前記精製方法が挙
げられる。
【0007】本発明が好ましく適用できる粗製ポリオキ
シアルキレンポリオールとして、アルカリ金属、及びア
ルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の化合物を
触媒として製造されたものが挙げられる。アルカリ金属
としては、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセ
シウムから選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属化合
物が好適であり、アルカリ土類金属としては、バリウ
ム、及びストロンチウムから選ばれた少なくとも1種の
アルカリ土類金属化合物が好適である。これらの化合物
を、単独又は混合して、触媒として用いて製造された粗
製ポリオキシアルキレンポリオールでもよい。
【0008】従って、本発明の方法により精製されたポ
リオキシアルキレンポリオールは、軟質、硬質、及び半
硬質ポリウレタンフォーム用途のみならず、エラストマ
ー、シーリング、床材、靴底等のポリウレタン樹脂の原
料、あるいは界面活性剤等として好適に用い得る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明が精製の対象とする粗製ポリオキシ
アルキレンポリオールの触媒である、アルカリ性化合物
について説明する。アルカリ性化合物としては、アルカ
リ金属、及びアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも
1種の化合物が好適である。アルカリ金属化合物の具体
例としては、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及び
セシウムから選ばれた少なくとも1種の化合物であるこ
とが好ましい。そのような化合物としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セ
シウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム等のアルカ
リ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム等のアルカ
リ金属炭酸水素塩、又、これらアルカリ金属のアルコキ
シド等が挙げられる。これらのアルカリ金属化合物の
内、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩が好ま
しく、さらに好ましくは、アルカリ金属水酸化物であ
る。
【0010】一方、アルカリ土類金属としては、バリウ
ム、及びストロンチウムから選ばれた少なくとも1種の
化合物が好ましい。水酸化バリウム、水酸化ストロンチ
ウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸バリウム、炭
酸ストロンチウム等のアルカリ土類金属炭酸塩等が挙げ
られる。これらのアルカリ土類金属化合物の内、アルカ
リ土類金属水酸化物が好ましい。
【0011】又、本発明に係る、粗製ポリオキシアルキ
レンポリオールの開始剤となる活性水素化合物として
は、アルコール類、フェノール化合物、ポリアミン、ア
ルカノールアミン等が挙げられる。例えば、オクタノー
ル、ブタノール、水、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジオール等の2価アルコール類、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミンなどのアルカノールアミン類、グリセリン、ジグリ
セリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトー
ル、ポリグリセロール等の多価アルコール類、グルコー
ス、ソルビトール、デキストロース、フラクトース、蔗
糖、メチルグルコシド、ヒドロキシエチルグルコキシド
等の糖類またはその誘導体、エチレンジアミン、ジ(2
−アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン等の
脂肪酸アミン類、トルイレンジアミン、ジフェニルメタ
ンジアミン等の芳香族アミン類、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS、ノボラック、レゾ
ール、レゾルシン、ハイドロキノン、マンニッヒ化合物
等のフェノール化合物等が挙げられる。これらの活性水
素化合物は2種以上併用して使用することもできる。さ
らにこれらの活性水素化合物に従来公知の方法で活性水
素基1当量に対して、6モル以下のエポキサイド化合物
を付加重合して得られる化合物も使用できる。
【0012】アルカリ性化合物を触媒として、活性水素
化合物へ付加重合させるエポキサイド化合物としては、
プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、1,2−
ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、ス
チレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エピク
ロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジル
エーテル、アリルグリシジルエーテル、トリフルオロプ
ロピレンオキサイドなどが挙げられる。これらは2種以
上併用してもよい。これらのうち、好ましくはプロピレ
ンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、エチレン
オキサイドである。
【0013】次に、上記アルカリ性化合物を触媒として
活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合した後
の粗製ポリオキシアルキレンポリオールの精製方法につ
いて説明する。
【0014】粗製ポリオキシアルキレンポリオール中の
アルカリ性化合物の除去において、本発明者らは、比表
面積が600〜1200m2/g、平均細孔直径が40
〜100Åであるケイ酸アルミニウム、及びケイ酸マグ
ネシウムから選ばれる少なくとも1種の吸着剤を、粗製
ポリオキシアルキレンポリオールに対して、0.01〜
1.5重量%接触させることにより、効率的、且つ経済
的に触媒を除去し、触媒の残存量を特定値以下に制御し
たポリオキシアルキレンポリオールが得られることを見
出した。
【0015】従来からアルカリ性化合物を触媒とした粗
製ポリオキシアルキレンポリオールの精製において、ケ
イ酸アルミニウム、及びケイ酸マグネシウムからなる吸
着剤は使用されていたが、アルカリ性化合物の吸着能に
おいて、特に、吸着剤の比表面積が重要な因子を発見し
た。吸着剤の比表面積は、600〜1200m2/g、
好ましくは、650〜1100m2/g、更に好ましく
は、700〜1000m2/gである。比表面積が60
0m2/g未満になると、粗製ポリオキシアルキレンポ
リオール中のアルカリ性化合物の吸着能が低下する。一
方、粗製ポリオキシアルキレンポリオール、及び吸着剤
の混合液から、精製ポリオキシアルキレンポリオールを
回収する際の効率を考慮すると、比表面積の上限として
は、1200m2/gである。
【0016】平均細孔直径は、40〜100Å、好まし
くは、50〜100Å、最も好ましくは、55〜95Å
である。平均細孔直径が40Å未満の吸着剤、例えば、
ゼオライト等では、アルカリ性化合物の吸着能は低下す
る。一方、アルカリ性化合物の分子直径、及び、吸着剤
の比表面積等を考慮すると、吸着剤の平均細孔直径の上
限は、100Åである。更に、アルカリ性化合物の吸着
能を更に向上させるためには、比表面積及び平均細孔直
径が上記範囲であり、且つ、直径が10〜60Åの範囲
の細孔を有する吸着剤を用いることが好ましい。
【0017】吸着剤は、ケイ酸アルミニウム、及びケイ
酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種の化合物を
用いる。前記、ケイ酸アルミニウム、及びケイ酸マグネ
シウムの中でも、合成品がより好ましい。これらの吸着
剤の数平均径は、8〜60μm、好ましくは10〜58
μm、さらに好ましくは18〜55μmである。吸着剤
と粗製ポリオキシアルキレンポリオールの混合液から、
ポリオキシアルキレンポリオールを回収する際、吸着剤
の数平均径が8μm未満であると、ポリオキシアルキレ
ンポリオールの回収速度が低下する。一方、吸着剤の比
表面積を考慮すると、数平均径の上限は60μmであ
る。これらの特性を有する吸着剤としては、KW−70
0SEL(協和化学工業(株)製、商品名)が挙げられ
る。
【0018】合成ケイ酸マグネシウムの例としては、二
酸化珪素の含有量が55〜75重量%、酸化マグネシウ
ムの含有量が5〜25重量%のものが好ましい。その化
学組成の例としては、MgO・nSiO2・mH2Oが挙
げられる(n、mは、酸化マグネシウムへの二酸化珪
素、及び水の配位数)。特に、水が配位したものが好ま
しい。合成ケイ酸アルミニウムの例としては、二酸化珪
素の含有量が55〜70wt%、酸化アルミニウムの含
有量が5〜20wt%のものが好ましい。その化学組成
の例としては、Al23・xSiO2・yH2Oが挙げら
れる(x、yは、酸化アルミニウムへの二酸化珪素、水
の配位数)。特に、水が配位したものが好ましい。
【0019】粗製ポリオキシアルキレンポリオール中の
アルカリ性化合物触媒濃度を低減するために、吸着剤添
加前に、酸を加え、アルカリ性化合物の中和反応を行う
ことが好ましい。又、酸の添加と共に、粗製ポリオキシ
アルキレンポリオールに水を加えることが好ましい。水
の使用量は、粗製ポリオキシアルキレンポリオール10
0重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは1.5
〜10重量部、さらに好ましくは2〜8重量部である。
【0020】酸は、水溶液の形態で添加することが好ま
しい。酸としては、無機酸、無機酸酸性塩、及び有機酸
等が挙げられる。無機酸としては、例えば、リン酸、亜
リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸等が挙げられる。無機
酸酸性塩としては、例えば、リン酸二リチウム、リン酸
二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸一水
素リチウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カ
リウム、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸
水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム(例
えば、ピロリン酸水素ナトリウム)等が挙げられる。有
機酸としては、例えば、ギ酸、シュウ酸、コハク酸、酢
酸、マレイン酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸等
が挙げられる。これらの酸の内、特に好ましくは、リン
酸、硫酸、ピロリン酸水素ナトリウム、シュウ酸であ
る。酸は、粗製ポリオキシアルキレンポリオール中のア
ルカリ性化合物1当量に対して、0.8〜1.5当量、
好ましくは0.9〜1.3当量、さらに好ましくは0.
9〜1.2当量である。
【0021】酸、及び水を添加した後、50〜100℃
で0.5〜3時間の中和反応を行う。酸装入後、あるい
は、中和反応後に、ポリオキシアルキレンポリオールの
劣化を抑制する目的で、酸化防止剤を添加することが好
ましい。酸化防止剤としては、粗製ポリオキシアルキレ
ンポリオールに対して、100〜2000ppm程度で
ある。
【0022】中和反応が終了した後、加熱減圧脱水操作
により、添加した水を留去する。吸着剤は、中和反応終
了直後、或いは、中和反応終了後の加熱減圧脱水工程に
おいて添加する。吸着剤を添加後、例えば、100〜1
20℃、1.33kPa以下の条件で、ポリオキシアル
キレンポリオール中の水分が0.1重量%以下となるま
で加熱減圧脱水操作を行う。吸着剤との接触後、ポリオ
キシアルキレンポリオールの回収は、ろ過、遠心分離等
の常用の方法により実施する。
【0023】以上、詳述した本発明の精製方法で得られ
たポリオキシアルキレンポリオールは、軟質、硬質、半
硬質ポリウレタンフォーム、及び、エラストマー、塗
料、接着剤、床材、防水材、シーリング剤、靴底、弾性
補強剤等の幅広いポリウレタン分野の他に、界面活性
剤、潤滑剤分野等において使用できる。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明の熊様
を明らかにする。ポリオキシアルキレンポリオールの製
造用触媒として、水酸化カリウム(日本曹達(株)製、
以下、KOHという)、並びに、水酸化セシウム(ケメ
タル社製、以下、CsOHという)を用いた。CsOH
は、50重量%の水溶液の形態で使用した。以下に、吸
着剤{下記(1)、(2)項}、及び、ポリオキシアル
キレンポリオール{下記(3)〜(7)項}の分析方法
について示す。
【0025】(1)吸着剤の組成 吸着剤に硝酸を加えて加熱処理を行い、均一溶液とし、
高周波誘導結合プラズマ測定装置〔(株)島津製作所
製、形式:ICPS−8000C〕により、ケイ素、ア
ルミニウム、及び、マグネシウムの定量を行った。
【0026】(2)吸着剤の比表面積、平均細孔直径、
及び数平均径 比表面積(単位;m2/g)、及び平均細孔直径(単
位;Å)の測定には、測定装置(カンタクロム社製、形
式:オートソルブ3)を用いた。測定前に吸着剤を15
0℃、1.33kPa以下で1時間、加熱減圧処理を行
った。吸脱着ガスには窒素を用いた。数平均径(単位;
μm)の測定には、粒径分布測定装置(リーズ、アン
ド、ノースラップ社製、形式:マイクロトラックX−1
00)を用いた。吸着剤の分散媒として、イオン交換水
を用いた。
【0027】(3)ポリオキシアルキレンポリオールの
水酸基価(単位;mgKOH/g) ポリオキシアルキレンポリオール(以下、ポリオールと
いう)の水酸基価(以下、OHVという)は、JIS
K−1557記載の方法により求めた。
【0028】(4)粗製ポリオール中のアルカリ性化合
物の残存濃度(単位;重量%) 粗製ポリオール中のアルカリ性化合物の残存濃度を1/
10規定の塩酸による電位差滴定法により測定した。溶
媒として、イソプロパノールとイオン交換水の体積比1
0:6の混合液を使用した。
【0029】(5)精製処理後のポリオール中のアルカ
リ性化合物の残存濃度(単位;ppm) 精製処理後のポリオール中のアルカリ性化合物の残存濃
度(以下、触媒残存量という)を原子吸光分析装置(パ
ーキンエルマ社製、形式:5100PC型)を用いて定
量した。
【0030】(6)ポリオールの回収速度(単位;g/
cm2・min.) 粗製ポリオールに吸着剤を添加し、精製処理を行った後
のポリオールの回収速度(以下、回収速度という)を測
定した。測定方法を以下に記す。吸着剤、及びアルカリ
性化合物の中和塩が混在委している精製処理後のポリオ
ールを90℃に調整し、予め、60℃に加熱したガラス
製ロート(桐山製作所製、直径95mm)にろ紙〔アド
バンテック東洋(株)製、型式:5B〕を敷いた。その
後、真空ポンプによる減圧ろ過を行い、ポリオールの回
収を行った。回収されたポリオールの重量(x、単位;
g)を、ろ過に要した時間(y、単位;min.)、及
び、ろ紙の面積(z、単位;cm2)で割ることによ
り、回収速度を求めた。
【0031】(7)ポリオールの外観 精製処理後のポリオールの外観(以下、外観という)を
目視により評価した。無色透明、やや濁り、白濁といっ
た基準で評価した。
【0032】実施例、比較例において使用した吸着剤の
組成、及びその特性を[表1]に示す。吸着剤の組成は、
酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al
23)、及び、二酸化珪素(SiO2)の重量%で表示
した。吸着剤Aは、協和化学工業(株)品である。吸着
剤B、Cは、富田製薬(株)品である。
【0033】
【表1】
【0034】製造例1 粗製ポリオールa 開始剤としてグリセリン、触媒としてKOHをそれぞれ
用いて、温度115℃、最大反応圧力0.5MPaにお
いて、OHVが33.6mgKOH/gになるまでプロ
ピレンオキサイドの付加重合を行って、粗製ポリオール
を調製した。粗製ポリオール中のKOH触媒残存量を上
記方法により測定した結果、0.28重量%であった。
以下、該ポリオールを粗製ポリオールaという。
【0035】製造例2 粗製ポリオールb 開始剤としてジプロピレングリコール、触媒としてCs
OHをそれぞれ用いて、温度95℃、最大反応圧力0.
4MPaにおいて、OHVが18.7mgKOH/gに
なるまでプロピレンオキサイドの付加重合を行って、粗
製ポリオールを調製した。粗製ポリオール中のCsOH
触媒残存量を上記方法により測定した結果、0.52重
量%であった。以下、該ポリオールを粗製ポリオールb
という。
【0036】実施例1 窒素雰囲気下、80℃に加熱した粗製ポリオールaに対
し、8重量%のイオン交換水、及び、粗製ポリオールa
中のカリウム1モルに対して、1.02モルのリン酸
(75.2重量%の水溶液の形態)を添加し、80℃に
おいて、2時間の中和反応を行った。その後、昇温しな
がら、減圧脱水を開始し、圧力が40kPaの時点で、
粗製ポリオールaに対して、0.3重量%の吸着剤Aを
添加した。最終的に、105℃、1.33kPa以下の
条件で3時間加熱減圧処理を行った。次いで、上記した
ろ過操作により、ポリオールの回収を行った。精製処理
後のポリオール中の触媒残存量は0.1ppm、OHV
は33.8mgKOH/gであり、回収速度は0.48
g/cm2・min.であり、無色透明であった。
【0037】実施例2 窒素雰囲気下、80℃に加熱した粗製ポリオールbに対
し、8重量%のイオン交換水、及び、粗製ポリオールa
中のカリウム1モルに対して、1.01モルのシュウ酸
(5重量%の水溶液の形態)を添加し、80℃におい
て、2時間の中和反応を行った。その後、昇温しなが
ら、減圧脱水を開始し、圧力が40kPaの時点で、粗
製ポリオールbに対して、0.3重量%の吸着剤Aを添
加した。最終的に、105℃、1.33kPa以下の条
件で3時間加熱減圧処理を行った。次いで、上記したろ
過操作により、ポリオールの回収を行った。精製処理後
のポリオール中の触媒残存量は0.5ppm、OHVは
18.9mgKOH/gであり、回収速度は0.44g
/cm2・min.であり、無色透明であった。
【0038】比較例1 製造例1で調製した粗製ポリオールaを用いた。吸着剤
Bを使用した以外、実施例1と同様にして粗製ポリオー
ルaを精製し、ポリオールを回収した。精製処理後のポ
リオール中の触媒残存量は6.3ppm、OHVは3
3.9mgKOH/gであり、回収速度は0.19g/
cm2・min.であり、やや濁りがあった。
【0039】比較例2 製造例1で調製した粗製ポリオールaを用いた。吸着剤
Cを使用した以外、実施例1と同様にして粗製ポリオー
ルaを精製し、ポリオールを回収した。精製処理後のポ
リオール中の触媒残存量は67.5ppm、OHVは3
4.1mgKOH/gであり、回収速度は0.04g/
cm2・min.であり、白濁していた。
【0040】比較例3 製造例2で調製した粗製ポリオールbを用いた。吸着剤
Cを使用した以外、実施例2と同様にして粗製ポリオー
ルbを精製し、ポリオールを回収した。精製処理後のポ
リオール中の触媒残存量は93.5ppm、OHVは1
9.1mgKOH/gであり、回収速度は0.03g/
cm2・min.であり、白濁していた。実施例1〜
2、及び、比較例1〜3の結果を[表2]に示す。
【0041】
【表2】
【0042】<実施例の考察>[表2]より、実施例1で
は、比較例1及び比較例2と同じ粗製ポリオールを使用
し、且つ、同様な精製方法であるが、ポリオール中の触
媒残存量が低く、ポリオールの回収速度が速い、又、精
製ポリオールの外観は無色透明である。実施例2、及び
比較例3との対比においても、実施例で用いた吸着剤の
比表面積、平均細孔径、並びに数平均径が本発明が限定
する範囲内では、アルカリ性化合物の吸着能に優れてい
る。実施例で用いた吸着剤を使用すると、ポリオール中
の触媒残存量が低く、無色透明のポリオキシアルキレン
ポリオールが、効率良く得られる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、アルカリ性化合物を触
媒として製造された粗製ポリオキシアルキレンポリオー
ル中に残存する触媒を効率的、且つ経済的に除去するこ
とができ、該触媒残存量を5ppm以下に制御すること
が可能である。従って、本発明記載の方法により精製さ
れたポリオキシアルキレンポリオールは、軟質、硬質、
及び半硬質ポリウレタンフォーム用途以外にもエラスト
マー、シーリング、床材、靴底等のポリウレタン樹脂の
原料、あるいは界面活性剤、潤滑剤、作動液等として好
適に用い得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊豆川作 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 原 康宣 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J005 AA02 BB02 BC00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性化合物触媒により、活性水素
    化合物にエポキサイド化合物を付加重合して得られた粗
    製ポリオキシアルキレンポリオールに、比表面積が60
    0〜1200m2/g、平均細孔直径が40〜100Å
    であるケイ酸アルミニウム、及びケイ酸マグネシウムか
    ら選ばれた少なくとも1種の吸着剤を0.01〜1.5
    重量%加え、ポリオキシアルキレンポリオール中の触媒
    残存量を5ppm以下に制御することを特徴とするポリ
    オキシアルキレンポリオールの精製方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ性化合物が、アルカリ金属及び
    アルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種の化合物
    であることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアル
    キレンポリオールの精製方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属化合物が、ナトリウム、カ
    リウム、ルビジウム、及びセシウムから選ばれた少なく
    とも1種の化合物であることを特徴とする請求項2記載
    のポリオキシアルキレンポリオールの精製方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ土類金属化合物が、バリウム及
    びストロンチウムから選ばれた少なくとも1種の化合物
    であることを特徴とする請求項2記載のポリオキシアル
    キレンポリオールの精製方法。
  5. 【請求項5】 粗製ポリオキシアルキレンポリオールと
    吸着剤を接触させる前に、酸を加えて中和反応を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレンポ
    リオールの精製方法。
  6. 【請求項6】 数平均径が8〜60μmの吸着剤である
    ことを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレン
    ポリオールの精製方法。
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