JP4128182B2 - ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4128182B2
JP4128182B2 JP2005060234A JP2005060234A JP4128182B2 JP 4128182 B2 JP4128182 B2 JP 4128182B2 JP 2005060234 A JP2005060234 A JP 2005060234A JP 2005060234 A JP2005060234 A JP 2005060234A JP 4128182 B2 JP4128182 B2 JP 4128182B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
polyoxyalkylene polyol
polyol
crude
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2005060234A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005154783A (ja
Inventor
聡 山崎
文雄 山▲崎▼
作 伊豆川
雅博 磯部
和彦 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2005060234A priority Critical patent/JP4128182B2/ja
Publication of JP2005154783A publication Critical patent/JP2005154783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4128182B2 publication Critical patent/JP4128182B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)

Description

本発明は、分子末端のオキシエチレン基による1級水酸基化率の高いポリオキシアルキレンポリオールの製造方法に関する。
ポリオキシアルキレンポリオールとポリイソシアネート化合物との反応性を向上させるために、分子末端にエチレンオキサイドを共重合したポリオキシアルキレンポリオールが広く使用されている。触媒として、水酸化カリウムを使用するポリオキシアルキレンポリオールの製造方法によれば、エチレンオキサイドの使用量が増加するのに伴い、ポリオキシアルキレンポリオールの1級水酸基化率は向上する(非特許文献1参照、28頁)。開始剤として、グリセリンを使用する場合、1分子あたりのエチレンオキシド付加モル数が22モル程度(水酸基価:35mgKOH/gの軟質ポリウレタンフォーム用ポリオールであれば20重量%に相当する)まで増加すると、1級水酸基化率は末端水酸基中、80%程度まで向上することが知られている(非特許文献1参照、33頁)。
しかし、更に1級水酸基化率を向上するためにエチレンオキシド付加量を増加していくと、オキシエチレン基の増加に伴いポリオキシアルキレンポリオールの粘度の向上、或いは、室温での固化が生じるため、その作業性が低下することが知られている(特許文献1参照)。更に、オキシエチレン基の含有量が高いポリオキシアルキレンポリオールをポリウレタン樹脂にした場合、樹脂の吸水性が上昇するため、その用途に依っては、強度、耐水性等の物性が低下する。従って、ポリウレタン樹脂の物性を低下させずに、ポリイソシアネート化合物との反応性を高めるため、より少ないエチレンオキサイド付加量で、分子末端の1級水酸基化率を高める方法が望まれていた。
特開平2−191628号公報 特開平11−106500号公報(〔0019〕〜〔0020〕など) 特開平10−036499号公報(〔0042〕〜〔0049〕など) 特開平11−302371号公報(〔0007〕〜〔0008〕、〔0027〕など) INTERNATTIONAL PROGRESS IN URETHANES VOLUME 5、1988年、K.ASHIDA, K.C.FRISCH編、TECHNOMIC PUBLIHING CO.,INC. 発行(第28〜44頁) ジャーナル オブ ジェネラル ケミストリー オブ ザ ユーエスエスアール(USSR)、第55巻、1985年発行(1453頁)
本発明の目的は、分子末端のオキシエチレン基による1級水酸基化率が高いポリオキシアルキレンポリオールの製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、P=N結合を有する化合物触媒の存在下、活性水素化合物にエチレンオキサイドを除くエポキサイド化合物のプロピレンオキサイドの含有量が少なくとも50重量%である化合物を付加重合し、次いで、特定量のアルカリ金属触媒を添加し、エチレンオキサイドを付加重合することにより、ポリオキシアルキレンポリオールの分子末端のオキシエチレン基による1級水酸基化率(以下、1級水酸基化率という)が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、活性水素化合物の活性水素基に対して、0.01〜0.6モル%のP=N結合を有する化合物触媒の存在下、(a)反応温度70〜115℃、最大反応圧力0.5MPaG以下の条件で、エチレンオキサイドを除くエポキサイド化合物のプロピレンオキサイドの含有量が少なくとも50重量%である化合物の付加重合を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオール1を製造する工程、(b)粗製ポリオキシアルキレンポリオール1の水酸基に対して、0.6モル%超、50モル%以下のアルカリ金属化合物触媒を添加する工程、(c)反応温度100〜150℃、最大反応圧力0.8MPaG以下の条件でエチレンオキサイドの付加重合を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオール2を製造する工程、(d)粗製ポリオキシアルキレンポリオール2と、比表面積が450〜1200m/g、平均細孔直径が40〜100Åである固体酸とを接触させる工程、を含むことを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの製造方法である。
本発明の好ましい態様として、P=N結合を有する化合物触媒とアルカリ金属化合物触媒を共存させた状態でエチレンオキサイドの付加重合を行う前記製造方法、P=N結合を有する化合物が、ホスファゼニウム化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスファゼン化合物、又はこれらの2種以上の混合物である前記製造方法、固体酸が、ケイ酸アルミニウム、及びケイ酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の複合金属酸化物である前記製造方法、得られるポリオキシアルキレンポリオールのオキシエチレン基の含有量が2〜30重量%である前記製造方法が挙げられる。
本発明に係わるポリオキシアルキレンポリオールの製造方法により、分子末端に特定量のオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオールであって、分子末端の1級水酸基化率が高いポリオキシアルキレンポリオールを製造できる。更に、P=N結合を有する化合物を触媒とし、特定の反応条件で製造するため、総不飽和度の低いポリオキシアルキレンポリオールが効率良く製造できる。また、触媒除去工程において、特定の形状、組成を有する固体酸を用いているため、工業的に、高品質のポリオキシアルキレンポリオールを製造することが可能となる。
従って、本発明により製造されるポリオキシアルキレンポリオールは、硬質、半硬質、軟質ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤、床材、防水材、エラストマー、シーリング材、靴底等のポリウレタン分野、並びに、潤滑剤、作動液、樹脂改質剤等の幅広い分野において、使用し得る極めて有用な資材である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に係わるポリオキシアルキレンポリオールの製造方法の概要は、P=N結合を有する化合物触媒の存在下、活性水素化合物に、エチレンオキサイドを除くエポキサイド化合物のプロピレンオキサイドの含有量が少なくとも50重量%である化合物を付加重合し、次いで、特定量のアルカリ金属触媒を添加し、エチレンオキサイドを付加重合してポリオキシアルキレンポリオールを製造する。更に、触媒除去工程において、得られたポリオキシアルキレンポリオールを特定の形状、組成を有する固体酸と接触させて残存触媒を除去する。
先ず、本発明に係わる製造方法により得られるポリオキシアルキレンポリオールの特性について説明する。本発明により得られるポリオキシアルキレンポリオールは、分子末端にオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオールである。ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価(以下、OHVと言う)は、得られるポリウレタン樹脂の強度及び柔軟性に影響を及ぼす。OHVが低過ぎると得られるポリウレタン樹脂の強度が低下する。一方、OHVが高過ぎると、ポリウレタン樹脂の柔軟性が低下する。かかる点を考慮すると、本発明により得られるポリオキシアルキレンポリオールのOHVは10〜58mgKOH/gであることが好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールのオキシエチレン基の含有量は、2〜30重量%であり、好ましくは4〜20重量%であり、更に好ましくは4〜18重量%である。オキシエチレン基の含有量が2重量%未満であると、ポリオキシアルキレンポリオールの分子末端の1級水酸基化率が低下する。一方、オキシエチレン基の含有量が30重量%を超えると、得られるポリウレタン樹脂の湿熱下における機械強度が低下する。
例えば、P=N結合を有する化合物触媒により、プロピレンオキサイドをモノマーとして、エチレンオキサイドを共重合する前のポリオキシプロピレンポリオールを合成した場合、ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基は、主に、2級水酸基の形態となる。オキシエチレン基の含有量は、NMR法により測定を行うことが好ましい。本発明の方法で得られるポリオキシアルキレンポリオールでは、例えば、OHVが34mgKOHg、オキシエチレン基含有量が15重量%の時、分子末端の1級水酸基化率が89〜93モル%程度の範囲である。
次いで、本発明に係わるポリオキシアルキレンポリオールの製造方法について説明する。上記の通り、本発明は、活性水素化合物の活性水素基に対して、0.01〜0.6モル%のP=N結合を有する化合物触媒の存在下、(a)反応温度70〜115℃、最大反応圧力0.5MPaG以下の条件で、エチレンオキサイドを除くエポキサイド化合物のプロピレンオキサイドの含有量が少なくとも50重量%である化合物の付加重合を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオール1を製造する工程、(b)粗製ポリオキシアルキレンポリオール1の水酸基に対して、0.6モル%超、50モル%以下のアルカリ金属化合物触媒を添加する工程、(c)反応温度100〜150℃、最大反応圧力0.8MPaG以下の条件でエチレンオキサイドの付加重合を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオール2を製造する工程、(d)粗製ポリオキシアルキレンポリオール2と、比表面積が450〜1200m/g、平均細孔直径が40〜100Åである固体酸とを接触させる工程、を含むことを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの製造方法である。
P=N結合を有する化合物の好ましい形態としては、ホスファゼニウム化合物、ホスフィンオキシド化合物、及び、ホスファゼン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。これらの内、工業的な利用見地から、ホスファゼニウム化合物、及びホスフィンオキシド化合物が特に好ましい。
ホスファゼニウム化合物としては、特開平11−106500号公報(特許文献2参照)記載の化合物が挙げられる。例えば、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムメトキシド、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムエトキシド、テトラキス[トリ(ピロリジン−1−イル)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム tert−ブトキシド等が例示される。
ホスファゼン化合物としては、特開平10−36499号公報(特許文献3参照)の化合物が挙げられる。例えば、1−tert−ブチル−2,2,2−トリス(ジメチルアミノ)ホスファゼン、1−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−2,2,2−トリス(ジメチルアミノ)ホスファゼン、1−エチル−2,2,4,4,4−ペンタキス(ジメチルアミノ)−2λ,4λ−カテナジ(ホスファゼン)、1−tert−ブチル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]−2λ,4λ−カテナジ(ホスファゼン)、1−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]−2λ,4λ−カテナジ(ホスファゼン)、1−tert−ブチル−2,2,2−トリ(1−ピロリジニル)ホスファゼン、または7−エチル−5,11−ジメチル−1,5,7,11−テトラアザ−6λ−ホスファスピロ[5,5]ウンデカ−1(6)−エン等が例示できる。
ホスフィンオキシド化合物としては、特開平11−302371号公報(特許文献4参照)に記載の化合物が挙げられる。例えば、トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシド、トリス[トリス(ジエチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシド等が例示できる。
活性水素化合物としては、アルコール類、フェノール化合物等が挙げられる。特に、2〜8価の水酸基を有する活性水素化合物が好ましい。このような活性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の2価アルコール類、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等の多価アルコール類、グルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトース、蔗糖、メチルグルコシド等の糖類、又は、その誘導体、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ノボラック、ハイドロキノン、レゾール、レゾルシン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等のフェノール化合物等が挙げられる。
これらの活性水素化合物の中で、更に好ましくは、2価、3価、4価の活性水素化合物である。最も好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール類、ペンタエリスリトールのような4価アルコール類である。
活性水素化合物の活性水素基に対して、0.01〜0.6モル%のP=N結合を有する化合物触媒を用いる。P=N結合を有する化合物触媒の好ましい使用量は、0.03〜0.5モル%、更に好ましくは、0.09〜0.5モル%である。活性水素基に対するP=N結合を有する化合物触媒の使用量が、0.01モル%未満となると、ポリオキシアルキレンポリオールの生産性が低下する。一方、0.6モル%を超えると、ポリオキシアルキレンポリオールの製造コストに占める触媒コストが増加する上、触媒を除去する工程において、固体酸の使用量が増加する。次に、各工程について説明する。
(工程a)
P=N結合を有する化合物触媒の存在下、活性水素化合物にエチレンオキサイドを除くエポキサイド化合物のプロピレンオキサイドの含有量が少なくとも50重量%である化合物の付加重合を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオール1を製造する。エチレンオキサイドを除くエポキサイド化合物としては、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは2種以上併用してもよい。この中で、好ましくはプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドであり、更に好ましくはプロピレンオキサイドであり、プロピレンオキサイドの含有量が少なくとも50重量%であるエポキサイド化合物である。
粗製ポリオキシアルキレンポリオール1を製造する工程において、反応温度70〜115℃、最大反応圧力0.5MPaG以下の条件で、エチレンオキサイドを除くエポキサイド化合物のプロピレンオキサイドの含有量が少なくとも50重量%である化合物の付加重合反応を行う。該エポキサイド化合物の付加重合温度が70℃未満であると、エポキサイド化合物の重合速度が低下する。一方、付加重合温度が115℃を超えると、ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価にも依るが、総不飽和度が高くなるので好ましくない。
エポキサイド化合物の付加重合反応の最大圧力は、0.5MPaG以下が好適である。通常、耐圧反応機内でエポキサイド化合物の付加重合が行われる。エポキサイド化合物の反応は減圧状態から開始しても、大気圧の状態から開始してもよい。大気圧状態から開始する場合には、窒素、又はヘリウム等の不活性気体存在下で行うことが望ましい。プロピレンオキサイドの副生物であるモノオール量(総不飽和度)を抑制するために、エポキサイド化合物の最大反応圧力が0.5MPaG以下が好適である。最大反応圧力は、0.48MPaG以下がより好ましく、最も好ましくは0.3MPaG以下である。
重合系へのエポキサイド化合物の供給方法は、必要量のエポキサイド化合物の一部を一括して供給し、残部を連続的に供給する方法、又は、全てのエポキサイド化合物を連続的に供給する方法等が用いられる。付加重合機の最大圧力は、エポキサイド化合物の装入速度、重合温度、触媒量等に影響される。エポキサイド化合物の装入速度は、付加重合機の最大圧力が0.5MPaGを超えないように制御することが好ましい。エポキサイド化合物の装入が完了すると、付加重合機の内圧は徐々に低下する。内圧の変化が認められなくなるまで付加重合反応を継続することが好ましい。
(工程b)
粗製ポリオキシアルキレンポリオール1の水酸基に対して、0.6モル%超、50モル%以下のアルカリ金属化合物触媒を添加する工程である。本発明のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法の特徴は、前記工程aにおいて、P=N結合を有する化合物触媒で、エチレンオキサイドを除くエポキサイド化合物のプロピレンオキサイドの含有量が少なくとも50重量%である化合物の重合を行った後に、工程bにおいて、特定量のアルカリ金属化合物触媒を添加し、後述する工程cにおいて、エチレンオキサイドの付加重合反応を行うことにある。本発明者らは、粗製ポリオキシアルキレンポリオール1へのエチレンオキサイドの付加重合反応において、特定量のアルカリ金属化合物触媒とP=N結合を有する化合物触媒を共存させ、特定の反応条件でエチレンオキサイドを付加重合することにより、本発明記載の特定範囲の分布定数Cを有するポリオキシアルキレンポリオールを製造できることを見出した。
粗製ポリオキシアルキレンポリオール1の製造工程(工程a)において、アルカリ金属化合物触媒を添加すると、ポリオキシアルキレンポリオールの総不飽和度が高くなるため、好ましくない。エチレンオキサイドを除くエポキサイド化合物のプロピレンオキサイドの含有量が少なくとも50重量%である化合物付加重合反応時(工程a)には、P=N結合を有する化合物触媒を使用して、特定範囲の総不飽和度に制御し、次いで、工程bにおいて、特定量のアルカリ金属化合物触媒を添加し、P=N結合を有する化合物触媒と共存させて、工程cにおいて、エチレンオキサイドを重合することが重要である。
本発明に用いられるアルカリ金属化合物触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウム等のアルカリ金属化合物触媒であり、金属の状態でも構わない。これらアルカリ金属化合物の好ましい形態は、アルコキシド、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等が挙げられる。更に好ましくは、アルコキシド、水酸化物の形態である。具体的に例示すると、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、ナトリウムメトキサイド、カリウムメトキサイド等で挙げられる。これらアルカリ金属の内、カリウム、セシウム、ルビジウム等が好ましく、更に好ましくは、カリウム、セシウム等のアルカリ金属化合物である。これらアルカリ金属化合物は単独でも、2種類以上の組み合わせで使用しても構わない。
アルカリ金属化合物触媒の使用量は、粗製ポリオキシアルキレンポリオール1の水酸基に対して、0.6モル%超、50モル%以下である。好ましくは4〜40モル%、更に好ましくは7〜35モル%である。アルカリ金属化合物触媒の使用量が、0.6モル%以下であると、エチレンオキサイド付加重合後のポリオキシアルキレンポリオールの分布定数Cが本発明の範囲より低下する。一方、50モル%を超えると、精製ポリオキシアルキレンポリオール中の触媒残存量が多くなる。
通常、粗製ポリオキシアルキレンポリオール1にアルカリ金属化合物触媒を添加後、90〜140℃、2.66kPa以下の条件で、加熱減圧操作を行い、アルコラート化反応を行うことが好ましい。反応のスケールにも依るが、通常、前記した操作を1〜10時間程度実施し、反応系の水分を0.1重量%以下に制御することが好ましい。
(工程c)
反応温度100〜150℃、最大反応圧力0.8MPaG以下の条件でエチレンオキサイドの付加重合を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオール2を製造する工程である。本発明者らは、P=N結合を有する化合物触媒とアルカリ金属化合物触媒を共存させた状態で、エチレンオキサイドの付加重合反応温度を高めることにより、ポリオキシアルキレンポリオールの分子末端1級水酸基化率が向上することを見出した。好ましいエチレンオキサイドの反応温度は、110〜145℃、更に好ましくは115〜140℃である。エチレンオキサイドの反応温度が100℃より低いと、ポリオキシアルキレンポリオールの1級水酸基化率が低下する。一方、反応温度が150℃を超えると、ポリオキシアルキレンポリオールが着色し易い。エチレンオキサイドの最大反応圧力は、0.7MPaG以下が好ましく、更に好ましくは0.6MPaG以下である。
ポリオキシアルキレンポリオールのオキシエチレン基の含有量は、エチレンオキサイドの使用量により制御する。通常、エチレンオキサイドの反応率は高いため、使用したエチレンオキサイドの反応を完結させれば、ポリオキシアルキレンポリオールのオキシエチレン基の含有量は制御可能である。エポキサイド化合物の反応の終点は、反応圧力の経時変化により決定する。一定時間後の圧力変化が無くなった時点で、反応を終了し、必要に応じて、加熱減圧操作等を実施し、未反応モノマーを回収する。前記した操作方法により、粗製ポリオキシアルキレンポリオール2を製造する。
(工程d)
粗製ポリオキシアルキレンポリオール2と、比表面積が450〜1200m/g、平均細孔直径が40〜100Åである固体酸とを接触させ、粗製ポリオールの精製する工程である。精製の主たる目的は、粗製ポリオール2中に残存するP=N結合を有する化合物、及びアルカリ金属化合物触媒を除去することに有る。本発明者らは、粗製ポリオールを特定の比表面積、及び平均細孔直径を有する固体酸に接触させることにより、効率的に残存触媒が除去され、触媒の残存量を特定値以下に制御できることを見出した。特に、比表面積が450〜1200m/gであり、且つ、平均細孔直径が40〜100Åである固体酸が有用である。
アルカリ金属化合物、及びP=N結合を有する化合物(以下、触媒という)の除去能を考慮すると、固体酸の比表面積が重要な因子である。特に、P=N結合を有する化合物触媒を除去するためには、前記した因子は重要である。固体酸の比表面積は、好ましくは500〜1100m/g、更に好ましくは550〜1000m/gである。比表面積が450m/g未満になると、粗製ポリオール2中の触媒の除去能が低下する。一方、粗製ポリオール、及び固体酸の混合液から、精製ポリオールを回収する際の効率を考慮すると、比表面積の上限としては1200m/gである。
好ましい平均細孔直径は50〜100Åであり、更に好ましくは55〜95Åである。平均細孔直径が40Å未満の固体酸、例えば、ゼオライト等は、触媒の除去能が低い。一方、触媒の分子直径、及び固体酸の比表面積等を考慮すると、固体酸の平均細孔直径の上限は100Åである。更に、触媒の除去能を向上させためには、比表面積、及び平均細孔直径が上記範囲であり、且つ、直径が10〜60Åの範囲の細孔を有する固体酸を用いることが好ましい。
上記形状を有する固体酸としては、酸性白土、モンモリロナイト等の粘土鉱物、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等の複合金属酸化物、金属の硫酸塩又はリン酸塩等、シリカゲル−リン酸等の固形化酸、陽イオン交換樹脂が挙げられる。本発明の目的には、上記比表面積、及び平均細孔直径を有する複合金属酸化物が好適である。この様な複合金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、及び酸化亜鉛等の異なる酸化物同士から調製される複合金属酸化物が挙げられる。具体的には、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸チタニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸チタニウム、ジルコン酸アルミニウム、ジルコン酸マグネシウム等が挙げられる。これらの複合金属酸化物以外に、前記した形状を満たしていれば、シリカゲル等の金属酸化物単体も使用できる。
特に好ましく用いられる固体酸は、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、及びこれらの混合物である。これらは天然品より合成品が好ましい。これらの特性を有する固体酸の市販品としては、協和化学工業(株)製、商品名:KW−600BUP−S、KW−700PEL、KW−700SEL等が挙げられる。これらの内、KW−700PEL、及びKW−700SELが好ましい。最も好ましくはKW−700SELである。
合成ケイ酸アルミニウムの例としては、二酸化珪素の含有量が55〜75重量%、酸化アルミニウムの含有量が5〜25重量%のものが好ましい。その化学組成の例としては、Al・nSiO・mHOが挙げられる(n、mは、酸化アルミニウムへの二酸化珪素、または水の配位数)。水が配位したものが好ましい。合成ケイ酸マグネシウムの例としては、二酸化珪素の含有量が55〜70重量%、酸化マグネシウムの含有量が5〜20重量%のものが好ましい。その化学組成の例としては、MgO・xSiO・yHOが挙げられる(x、yは、酸化マグネシウムへの二酸化珪素、または水の配位数)。特に水が配位したものが好ましい。
粗製ポリオールと固体酸との接触温度は、室温近傍の温度でも良い。しかし、処理時間の短縮、触媒除去能の向上を図ること等を考慮すると、接触温度は50〜150℃の範囲が好ましい。より好ましくは60〜140℃、更に好ましくは70〜130℃である。ポリオキシアルキレンポリオールの分子量が大きい場合には、粘度が高くなるので50℃以上で接触させることが好ましい。150℃より高くなると、粗製ポリオールが着色する傾向にある。
また、粗製ポリオキシアルキレンポリオール2中には、P=N結合を有する化合物触媒とアルカリ金属化合物触媒が共存している。アルカリ金属化合物触媒の使用量が、粗製ポリオキシアルキレンポリオール1の水酸基に対して、20〜50モル%の範囲では、前記した固体酸と共に、酸を添加し、アルカリ金属化合物触媒を中和する方法が好ましい。通常、前記した範囲でアルカリ金属化合物触媒を用いた場合、粗製ポリオキシアルキレンポリオール2の全塩基濃度(全塩基濃度とは、P=N結合を有する化合物濃度とアルカリ金属化合物濃度との総和)に対して、0.8〜2当量程度の酸の水溶液を添加し、50〜120℃で、0.5〜3時間程度の中和反応を行う。その後、110℃の昇温しながら、徐々に減圧していく。減圧工程の間に、上記した固体酸を、粗製ポリオキシアルキレンポリオール2に対して、0.1〜3重量%程度添加し、更に、ポリオキシアルキレンポリオールの水分が0.1重量%以下になるまで加熱減圧処理を行う。その後、ろ過操作等により、精製ポリオキシアルキレンポリオールを回収する。
上記操作において、無機酸、有機酸から選ばれる少なくとも1種の酸を使用することが好ましい。無機酸として、例えば、リン酸、ピロリン酸、シュウ酸、塩酸、硫酸等が挙げられる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、マレイン酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。これらの酸は水溶液の形態で使用することが好ましく、2種類以上、併用しても構わない。
粗製ポリオールと固体酸との接触方法としては、回分式と連続式の2方法が挙げられる。回分式とは、例えば、反応機に仕込んだ粗製ポリオールに固体酸を装入し、攪拌混合する方法である。ポリオキシアルキレンポリオールの着色、劣化を防止する目的で、不活性ガスの存在下、攪拌混合することが好ましい。固体酸の使用量としては、粗製ポリオールに対して0.01〜5重量%である。好ましくは0.05〜3重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%である。接触時間は、スケールにも依るが、前記温度条件で1〜6時間程度が好ましい。連続式とは、固体酸を充填した塔に粗製ポリオールを通液する方法である。空塔速度は、スケールにも依るが、0.1〜3(1/hr)程度が好ましい。固体酸と接触した後、ろ過、遠心分離等の常用の方法によりポリオキシアルキレンポリオールを回収する。
固体酸による触媒の吸着能を更に向上させるために、粗製ポリオールと固体酸とを接触させる際に、粗製ポリオールに対して、0.1〜10重量%の水を共存させても構わない。水を共存させる場合の好ましい添加量としては、1〜8重量%、更に好ましくは2〜7重量%である。固体酸と水を共存させる方法は、ポリオール中にそれらを添加すればよい。両者を添加する順序は問わない。粗製ポリオールに水を添加する時の温度は、50〜150℃が好ましい。水を添加した場合、例えば、90℃で5時間、粗製ポリオールと固体酸を攪拌混合した後、例えば、110℃、1.33kPa以下の条件で減圧脱水操作を行い、水分を除去する。
ポリオキシアルキレンポリオールの劣化を防止する目的で、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤は、単独、又は2種以上を併用しても良い。酸化防止剤としては、例えば、tert−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニール)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニール)−プロピオネート、エチルヘキシルホスファイト、4,4’−ビス−α、α’−ジメチルベンジルジフェニルアミン、2−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等が挙げられる。酸化防止剤の添加量は、ポリオキシアルキレンポリオールに対して、100〜2000ppm程度である。
ポリオキシアルキレンポリオール中のP=N結合を有する化合物触媒の残存量は、150ppm以下が好ましい。触媒の残存量が150ppmより多くなると、ポリオールをポリイソシアネート化合物と反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーの経時的な粘度変化が生じる。触媒の残存量は、好ましくは90ppm以下、更に好ましくは50ppm以下である。触媒残存量の下限値は、可能な限り少ない方が良い。通常、上記精製方法によれば、1ppm程度まで低減することが可能である。一方、アルカリ金属化合物触媒の残存量は、20ppm以下、好ましくは、15ppm以下、更に好ましくは、5ppm以下であり、最も好ましくは、0.1ppm(検出限界値)未満である。
以上、詳述したように、本発明のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法に依れば、分子末端の1級水酸基化率が高いポリオキシアルキレンポリオールが製造できる。更に、P=N結合を有する化合物を触媒とし、特定の反応条件で製造するため、総不飽和度の低いポリオキシアルキレンポリオールが効率良く製造できる。また、触媒除去工程において、特定の形状、組成を有する固体酸を用いているため、工業的に、高品質のポリオキシアルキレンポリオールの製造が可能となる。
従って、本発明により得られるポリオキシアルキレンポリオールは、ポリマー分散ポリオール、及びイソシアネート基末端プレポリマー等のポリウレタンの素原料、或いは、硬質、半硬質、軟質ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤、床材、防水材、エラストマー、シーリング材、靴底等のポリウレタン分野、並びに、潤滑剤、作動液、樹脂改質剤等の幅広い分野において、使用し得る極めて有用な資材である。
以下に本発明の実施例を示し、本発明の熊様を更に明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例に示した各種特性の測定は、下記の方法に従って行った。
(1)ポリオキシアルキレンポリオール(以下、ポリオールと言う)の水酸基価(OHV、単位:mgKOH/g)、及び、総不飽和度(以下、C=Cという、単位:meq./g)
JIS K−1557記載の方法により測定する。
(2)ポリオールのオキシエチレン基(以下、EO量と言う。単位:重量%)、及びオキシプロピレン基の含有量(以下、PO量と言う。単位:重量%)
日本電子(株)製、400MHz13C−NMR(核磁気共鳴)装置を用い、重水素化アセトンを溶媒とし、ポリオキシアルキレンポリオールのNMRスペクトルを測定することにより、オキシエチレン基、及びオキシプロピレン基の含有量を測定する。
(3)ポリオールの分子末端の1級水酸基化率(単位:モル%)
無水トリフルオロ酢酸(以下、TFAと言う)とポリオールの末端水酸基とを反応させ、反応物のCF基を19F−NMR(日本電子(株)製)装置により定量測定することにより、1級水酸基化率の測定を行う。尚、NMR測定において、TFA化したポリオールを10(w/v)%の重水素化クロロホルム溶液に調製する。
(4)ポリオールのP=N結合を有する化合物触媒残存量(単位:ppm)
ポリオール中の窒素残存量を定量することにより、P=N結合を有する化合物の残存量を逆算する。ポリオールをメススラスコに秤量し、トルエン(試薬特級)を用いて希釈し、次いで、微量全窒素分析装置(三菱化学(株)製、型式:TN−100型)を用いて窒素濃度の定量を行う。
(5)ポリオールのアルカリ金属化合物触媒残存量(単位:ppm)
原子吸光分析装置(パーキンエルマ社製、形式:5100PC型)を用いて定量する。カリウムの定量限界は0.1ppm、セシウムの定量限界は0.4ppmである。
(6)固体酸及びその特性値
実施例(固体酸A)、及び、比較例(固体酸B、C)で使用した固体酸、及びその特性値を[表1]に示す。固体酸の組成、比表面積、及び、平均細孔直径は下記(7)〜(8)項に記載した方法により測定する。固体酸の組成は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、及び、二酸化珪素(SiO)の重量%で表示した。固体酸Aは、協和化学工業(株)品である。固体酸B、Cは、富田製薬(株)品である。
Figure 0004128182
(7)固体酸の組成
固体酸1重量部に対して5重量部の硝酸を添加し、80℃にて24時間加熱する。室温まで冷却して均一溶液を得て試料とする。試料溶液を高周波誘導結合プラズマ測定装置(島津製作所(株)製、形式:ICPS−8000C)を用いて分析し、ケイ素、アルミニウム、及びマグネシウムの定量を行う。
(8)固体酸の比表面積、及び、平均細孔直径
比表面積(単位;m/g)、及び、平均細孔直径(単位;Å)の測定には、測定装置(カンタクロム社製、オートソルブ3)を用いる。測定前に固体酸を150℃、1.33kPa以下で1時間、加熱減圧処理を行う。吸脱着ガスには窒素を用いる。
次に、実施例について説明する。エポキサイド化合物の付加重合触媒として、以下に示すホスファゼニウム化合物、及びホスフィンオキシド化合物を用いた。
調製例1
<ホスファゼニウム化合物(以下、PZNと言う)>
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリド(Fluka社製)31.02g(40mmol)を200mlの50重量%のメタノール−水の混合溶媒に溶解させて、0.2mol/lの溶液を調整した。この溶液を、室温にて、140mlの水酸基型に交換した陰イオン交換樹脂(バイエル社製、商品名;レバチットMP500)を充填したカラム(直径20mm、高さ450mm)に140ml/hの速度で流通した。次いで、450mlの50重量%のメタノール−水の混合溶媒を同速度で流通した。流出液を濃縮した後、80℃、665Paの条件で乾燥し、固形状とした。
この固形物をテトラヒドロフランとジエチルエーテルの体積比1:15の混合溶媒に溶解後、再結晶することにより、28.76gの無色の化合物を得た。収率は95%であった。
りん酸トリ−n−ブチルを内部標準化合物とした、該化合物の重水素化ジメチルスルホキシド溶液中の31P−NMR(日本電子(株)製核磁気共鳴装置)の化学シフトは−33.3(5重線、1P)ppm、7.7(2重線、4P)ppmであり、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムカチオン中の中心のリン原子、及び、周りの4つのりん原子として帰属される。又、テトラメチルシランを内部標準としたH−NMRの化学シフトは2.6ppmであり、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムカチオン中のメチル基に帰属され、リン原子とのカップリングにより、2重線として観測される。元素分析値(重量%)はC:38.28、H:9.82、N:29.43、P:19.94(理論値、C:38.09、H:9.72、N:29.61、P:20.46)であった。
調製例2
<ホスフィンオキシド化合物(以下、PZOという)>
五塩化リン、ジメチルアミン、及び、アンモニアを原料とし、溶媒に、o−ジクロロベンゼンを使用して、ジャーナル オブ ジェネラル ケミストリー オブ ザ ユーエスエスアール(USSR)、第55巻、1453ページ(1985年発行)(非特許文献2参照)記載の方法により、トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシド{[(MeN)P=N−]P=O・0.29(HO)}(Meはメチル基を示す。以下、同様)の合成を行った。次いで、該化合物を、五酸化リンを乾燥剤としたデシケーターに入れ、23℃、655Paの条件で、1週間乾燥させ、水を含まないトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシド{[(MeN)P=N−]P=O}を得た。化学式の同定は、31P−NMR、1H−NMR、及び、元素分析法により実施した。
実施例1
ポリオールA
グリセリンの水酸基に対して、0.25モル%のPZNを添加し、110℃、1.33kPa以下の条件で、4時間、加熱減圧操作を行い、重合開始剤を調製した。次いで、該重合開始剤をオートクレーブに仕込み、窒素置換を行った。その後、6.65kPaまで減圧し、付加重合温度80℃、最大反応圧力0.3MPaGの条件で、OHVが40mgKOH/gになるまで、プロピレンオキサイドの多段反応を行った。プロピレンオキサイドを装入後、オートクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。以下、該ポリオールを粗製ポリオールAと言う。次いで、該粗製ポリオールAの水酸基に対して、40モル%のカリウムメトキサイド(以下、KOMeと言う。30重量%のメタノール溶液の形態)を添加し、液相の窒素を通気しながら、110℃、1.33kPa以下の条件で、5時間、加熱減圧操作を実施した。その後、反応温度140℃、最大反応圧力0.5MPaG以下の条件で、OHVが34mgKOH/gになる量のエチレンオキサイドを逐次装入した。エチレンオキサイドを装入後、オートクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。次に、105℃、1.33kPa以下の条件で、0.5時間、加熱減圧処理を行い、エチレンオキサイドを共重合した粗製ポリオールを得た。
上記粗製ポリオール中の塩基成分(PZNとKOMeの総モル数)1モルに対して、1.02モルの硫酸(2重量%の水溶液の形態)、及び粗製ポリオールに対して、6重量%のイオン交換水を添加し、90℃、2時間の中和反応を行った。徐々に加熱減圧脱水を行いながら、40kPaの時点で、粗製ポリオールに対して、3重量%の固体酸Aを添加し、更に、減圧脱水を行った。最終的に、110℃、1.33kPaの条件で、3時間減圧操作を行った。その後、ポリオールにろ過助剤(昭和化学工業(株)製、商品名:ラジオライト#900、以下、同様)を添加した後、加圧ろ過操作を繰り返すことにより、精製したポリオールAを回収した。
ポリオールAのOHVは34.1mgKOH/g、C=Cは0.010meq./g、PO量は83.0重量%、EO量は15.1重量%であった。分子末端の1級水酸基化率は、89.6モル%であった。ポリオール中のP=N結合を有する化合物触媒残存量は8.9ppmであり、カリウム濃度は、1.3ppmであった。
実施例2
ポリオールB
グリセリンの水酸基に対して、0.35モル%のPZOを添加し、110℃、1.33kPa以下の条件で、2時間、加熱減圧操作を行い、重合開始剤を調製した。次いで、該重合開始剤をオートクレーブに仕込み、窒素置換を行った。その後、6.65kPaまで減圧し、付加重合温度80℃、最大反応圧力0.3MPaGの条件で、OHVが33mgKOH/gになるまで、プロピレンオキサイドの多段反応を行った。プロピレンオキサイドを装入後、オートクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。以下、該ポリオールを粗製ポリオールBと言う。次いで、該粗製ポリオールBの水酸基に対して、32モル%の水酸化セシウム(以下、CsOHと言う。50重量%の水溶液の形態)を添加し、液相の窒素を通気しながら、110℃、1.33kPa以下の条件で、7時間、加熱減圧操作を実施した。その後、反応温度135℃、最大反応圧力0.5MPaG以下の条件で、OHVが28mgKOH/gになる量のエチレンオキサイドを逐次装入した。エチレンオキサイドを装入後、オートクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。次に、105℃、1.33kPa以下の条件で、0.5時間、加熱減圧処理を行い、エチレンオキサイドを共重合した粗製ポリオールを得た。
上記粗製ポリオール中の塩基成分(PZOとCsOHの総モル数)1モルに対して、1.02モルの硫酸(2重量%の水溶液の形態)、及び粗製ポリオールに対して、6重量%のイオン交換水を添加し、90℃、2時間の中和反応を行った。徐々に加熱減圧脱水を行いながら、40kPaの時点で、粗製ポリオールに対して、3重量%の固体酸Aを添加し、更に、減圧脱水を行った。最終的に、110℃、1.33kPaの条件で、3時間減圧操作を行った。その後、ポリオールにろ過助剤を添加した後、加圧ろ過操作を繰り返すことにより、精製したポリオールBを回収した。
ポリオールBのOHVは28.2mgKOH/g、C=Cは0.015meq./g、PO量は83.4重量%、EO量は15.1重量%であった。分子末端の1級水酸基化率は、90.2モル%であった。ポリオール中のP=N結合を有する化合物触媒残存量は9.5ppmであり、セシウム濃度は、0.8ppmであった。
比較例1
ポリオールC
実施例1の粗製ポリオールAの水酸基に対して、0.3モル%のKOMeを添加した以外は、実施例1と同じ条件でエチレンオキサイドの共重合を行い、粗製ポリオールを得た。又、エチレンオキサイドを共重合した粗製ポリオールの精製において、固体酸Aを固体酸Cに変更した以外は、実施例1と同操作により、ポリオールの精製を行い、ポリオールCを得た。ポリオールCのOHVは34.0mgKOH/g、C=Cは0.012meq./g、PO量は83.1重量%、EO量は15.0重量%であった。分子末端の1級水酸基化率は、82.1モル%であった。ポリオール中のP=N結合を有する化合物触媒残存量は162ppmであり、カリウム濃度は、2.3ppmであった。
比較例2
ポリオールD
実施例2の粗製ポリオールBに対して、CsOHを添加しない以外は、実施例2と同様な方法により、エチレンオキサイドの共重合反応を行った。エチレンオキサイドを共重合した粗製ポリオールの精製において、硫酸を添加せず、粗製ポリオールに対して、6重量%のイオン交換水の添加と同時に、3重量%の固体酸Bを添加し、90℃、2時間の吸着反応を行った以外は、実施例2と同様な方法により、粗製ポリオールの精製を行い、ポリオールDを得た。ポリオールDのOHVは28.1mgKOH/g、C=Cは0.016meq./g、PO量は83.3重量%、EO量は15.0重量%であった。分子末端の1級水酸基化率は、81.4モル%であった。ポリオール中のP=N結合を有する化合物触媒残存量は159ppmであった。
比較例3
ポリオールE
グリセリンの水酸基に対して、8モル%のKOMeを添加し、110℃、1.33kPa以下の条件で、5時間、加熱減圧操作を行い、重合開始剤を調製した。次いで、該重合開始剤をオートクレーブに仕込み、窒素置換を行った。その後、6.65kPaまで減圧し、付加重合温度110℃、最大反応圧力0.45MPaGの条件で、OHVが33mgKOH/gになるまで、プロピレンオキサイドの多段反応を行った。プロピレンオキサイドを装入後、オートクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。その後、反応温度135℃、最大反応圧力0.5MPaG以下の条件で、OHVが28mgKOH/gになる量のエチレンオキサイドを逐次装入した。エチレンオキサイドを装入後、オートクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。次に、105℃、1.33kPa以下の条件で、0.5時間、加熱減圧処理を行い、エチレンオキサイドを共重合した粗製ポリオールを得た。
上記粗製ポリオール中のカリウム1モルに対して、1.02モルの硫酸(2重量%の水溶液の形態)、及び粗製ポリオールに対して、6重量%のイオン交換水を添加し、90℃、2時間の中和反応を行った。徐々に加熱減圧脱水を行いながら、40kPaの時点で、粗製ポリオールに対して、0.5重量%の固体酸Bを添加し、更に、減圧脱水を行った。最終的に、110℃、1.33kPaの条件で、3時間減圧操作を行った。その後、ポリオールにろ過助剤を添加した後、加圧ろ過操作を行い、ポリオールEを回収した。ポリオールEのOHVは28.1mgKOH/g、C=Cは0.065meq./g、PO量は83.2重量%、EO量は15.3重量%であった。分子末端の1級水酸基化率は、77.5モル%であった。ポリオール中のカリウム濃度は、0.1ppm未満であった。
実施例、比較例の結果を[表2]に示す。表中のPZNはホスファゼニウム化合物、PZOはホスフィンオキシド化合物、KOMeはカリウムメトキサイド、CsOHは水酸化セシウムの略号である。
Figure 0004128182
<実施例の考察>
本発明の方法に依れば、同じオキシエチレン基含有量(EO量)において、1級水酸基化率の高いポリオキシアルキレンポリオールが製造できる(実施例1と比較例1との対比)。エチレンオキサイドを共重合する前に添加するアルカリ金属触媒濃度が、粗製ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基に対して、0.3モル%(比較例1)、或いは無添加(比較例2)であると、分子末端一級水酸基化率が低下する。また、活性水素化合物へのエポキサイド化合物の付加重合触媒として、KOMeのようなアルカリ金属化合物触媒を高濃度に使用しても、分子末端一級水酸基化率が低下する上、モノオール量の指標である総不飽和度(C=C)が0.065meq./gと高くなり、好ましくない(比較例3)。更に、粗製ポリオキシアルキレンポリオールの精製において、特定の組成、形状を有する固体酸を使用することにより、P=N結合を有する化合物触媒残存量を低下させることができる(実施例1及び実施例2)。しかし、本発明記載の形状を満足しない固体酸を使用すると、P=N結合を有する化合物触媒残存量が150ppmを超える(比較例1及び比較例2)。
本発明に係わる製造方法により得られるポリオキシアルキレンポリオールは、硬質、半硬質、軟質ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤、床材、防水材、エラストマー、シーリング材、靴底等のポリウレタン分野、並びに、潤滑剤、作動液、樹脂改質剤等の幅広い分野において、使用し得る極めて有用な資材である。

Claims (5)

  1. 活性水素化合物の活性水素基に対して、0.01〜0.6モル%のP=N結合を有する化合物触媒の存在下、(a)反応温度70〜115℃、最大反応圧力0.5MPaG以下の条件で、エチレンオキサイドを除くエポキサイド化合物のプロピレンオキサイドの含有量が少なくとも50重量%である化合物の付加重合を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオール1を製造する工程、(b)粗製ポリオキシアルキレンポリオール1の水酸基に対して、0.6モル%超、50モル%以下のアルカリ金属化合物触媒を添加する工程、(c)反応温度100〜150℃、最大反応圧力0.8MPaG以下の条件でエチレンオキサイドの付加重合を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオール2を製造する工程、(d)粗製ポリオキシアルキレンポリオール2と、比表面積が450〜1200m/g、平均細孔直径が40〜100Åである固体酸とを接触させる工程、を含むことを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
  2. P=N結合を有する化合物触媒とアルカリ金属化合物触媒を共存させた状態でエチレンオキサイドの付加重合を行うことを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
  3. P=N結合を有する化合物が、ホスファゼニウム化合物、ホスフィンオキシド化合物、及びホスファゼン化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
  4. 固体酸が、ケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の複合金属酸化物であることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
  5. 得られるポリオキシアルキレンポリオールのオキシエチレン基の含有量が2〜30重量%である請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
JP2005060234A 2005-03-04 2005-03-04 ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 Expired - Lifetime JP4128182B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005060234A JP4128182B2 (ja) 2005-03-04 2005-03-04 ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005060234A JP4128182B2 (ja) 2005-03-04 2005-03-04 ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000071456A Division JP2001261813A (ja) 2000-03-15 2000-03-15 ポリオキシアルキレンポリオール及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005154783A JP2005154783A (ja) 2005-06-16
JP4128182B2 true JP4128182B2 (ja) 2008-07-30

Family

ID=34737746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005060234A Expired - Lifetime JP4128182B2 (ja) 2005-03-04 2005-03-04 ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4128182B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012031286A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Sanyo Chem Ind Ltd ポリウレタンスラブフォーム製造用ポリオール成分及びこれを用いたポリウレタンスラブフォームの製造方法
JP2012072251A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Sanyo Chem Ind Ltd 軟質ポリウレタンフォームの製造方法
JP6744412B2 (ja) * 2016-08-05 2020-08-19 三井化学Skcポリウレタン株式会社 揮発性有機化合物の低減方法、ポリウレタンフォームの製造方法およびレジンプレミックス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005154783A (ja) 2005-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4912602B2 (ja) Dmc触媒法において、開始剤フィードストリームの酸性化
JP3703263B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP3905638B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオール及びその誘導体、並びに、該ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP3933790B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオール及びポリマー分散ポリオール
WO2000023500A1 (fr) Procedes de production de polyols de polyoxyalkylene et de production de son derive
JPWO2007020879A1 (ja) ポリエステルエーテルポリ(モノ)オールの製造方法
TWI419910B (zh) 聚伸丙基醚乙二醇之製造
JP2017171708A (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP4128182B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP2007284585A (ja) ポリエーテルポリオールまたはポリエーテルモノオールの製造方法
JP4327724B2 (ja) テトラヒドロフラン−コポリマーの製造法
CN104497298B (zh) 制备低不饱和度、高分子量、高活性聚醚多元醇的方法
JP2001261813A (ja) ポリオキシアルキレンポリオール及びその製造方法
JP3739178B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP3739175B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP4041586B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP4311843B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
CN104497046B (zh) 有机醇盐及其制备方法
JP2000154245A (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの精製方法
JP3034163B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールならびにその製造方法
EP2281796A1 (en) Method for producing polyoxyalkylene alkyl ether
EP1601708B1 (en) Process for preparation of polyether polyols
CN105523905B (zh) 一种对苯二酚双羟乙醚的合成方法
JPH11322918A (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP2006089581A (ja) ポリエーテルポリオールの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080502

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080513

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4128182

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term