JP4311843B2 - ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、P=N結合を有する化合物を触媒として使用するポリオキシアルキレンポリオールの製造方法に関する。詳しくは、特定量のオキシアルキレン化活性水素化合物を含む、非オキシアルキレン化活性水素化合物及びオキシアルキレン化活性水素化合物の混合活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合するポリオキシアルキレンポリオールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオキシアルキレンポリオールのモノオール含有量を低減し、且つ、生産性を高める手段として、P=N結合を有する化合物をポリオキシアルキレンポリオールの製造触媒とする方法が提案されている。P=N結合を有する化合物としては、例えば、特開平11−106500号公報記載のホスファゼニウム化合物、特開平10−36499号公報記載のホスファゼン化合物、及び、特開平11−302371号公報記載のホスフィンオキシド化合物等が挙げられる。
【0003】
これらP=N結合を有する化合物をポリオキシアルキレンポリオールの製造触媒とすることにより、ポリオキシアルキレンポリオールのモノオール含有量を低減しつつ、高い生産性を維持しながらポリオキシアルキレンポリオールの製造を行うことが可能となった。更に、該触媒を用いる方法は、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの共重合化が可能である利点も有する。
【0004】
しかしながら、工業的な見地から、ポリオキシアルキレンポリオールを製造する上で、比較的少ない触媒使用量により、ポリオキシアルキレンポリオールの生産性を飛躍的に高める方法が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、P=N結合を有する化合物を触媒とし、活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合するポリオキシアルキレンポリオールの製造方法において、高い生産性を有するポリオキシアルキレンポリオールの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、P=N結合を含有する化合物触媒の存在下、特定量のオキシアルキレン化活性水素化合物を含む、非オキシアルキレン化活性水素化合物及びオキシアルキレン化活性水素化合物の混合活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合することにより付加重合の反応時間が短縮され、ポリオキシアルキレンポリオールの生産性が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明は、P=N結合を有する化合物触媒の存在下、活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合するポリオキシアルキレンポリオールの製造方法であって、活性水素化合物として、非オキシアルキレン化活性水素化合物及びオキシアルキレン化活性水素化合物の混合活性水素化合物を用い、混合活性水素化合物の活性水素基に対し、オキシアルキレン化活性水素化合物の活性水素基の濃度が0.01〜20モル%である混合活性水素化合物を用いることを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの製造方法である。
【0008】
本発明において、P=N結合を有する化合物触媒の使用量が、混合活性水素化合物の活性水素基に対して0.01〜0.6モル%であることが好ましい。P=N結合を有する化合物は、ホスファゼニウム化合物、ホスフィンオキシド化合物、及びホスファゼン化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好適である。また、オキシアルキレン化活性水素化合物の好ましい水酸基価は、20〜450mgKOH/gであり、プロピレンオキサイドによりオキシアルキレン化されたものを用いることが好ましい。更に、非オキシアルキレン化活性水素化合物及びオキシアルキレン化活性水素化合物が、2〜8価の水酸基を有する化合物であることが好ましい。本発明の方法により製造されるポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価は、2〜120mgKOH/gであることが好ましい。
【0009】
本発明のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法によれば、P=N結合を有する化合物触媒の使用量を低減させても、ポリオールの生産性が飛躍的に向上することができる。更に、プロピレンオキサイドをモノマーとした場合、総不飽和度の低いポリオキシアルキレンポリオールが効率良く製造可能できる。そのため、工業的なポリオキシアルキレンポリオールの製造コストの低減が可能となる。従って、本発明のポリオキシアルキレンポリオールは、半硬質、軟質ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤、床材、防水材、エラストマー、シーリング材、靴底等のポリウレタン分野、並びに、潤滑剤、作動液、樹脂改質剤等の幅広い分野において、使用し得る極めて有用な資材である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明は、P=N結合を有する化合物触媒の存在下、活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合するポリオキシアルキレンポリオールの製造方法であって、活性水素化合物として、特定量のオキシアルキレン化活性水素化合物を含む非オキシアルキレン化活性水素化合物及びオキシアルキレン化活性水素化合物の混合活性水素化合物を用いることを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの製造方法である。
【0011】
P=N結合を有する化合物の好ましい形態としては、ホスファゼニウム化合物、ホスフィンオキシド化合物、及び、ホスファゼン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。これらの内、工業的な利用見地から、ホスファゼニウム化合物、及びホスフィンオキシド化合物が好ましい。
【0012】
ホスファゼニウム化合物としては、特開平11−106500号公報記載の化合物が挙げられる。例えば、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムメトキシド、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムエトキシド、テトラキス[トリ(ピロリジン−1−イル)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム tert−ブトキシド等が例示される。
【0013】
ホスファゼン化合物としては、特開平10−36499号公報の化合物が挙げられる。例えば、1−tert−ブチル−2,2,2−トリス(ジメチルアミノ)ホスファゼン、1−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−2,2,2−トリス(ジメチルアミノ)ホスファゼン、1−エチル−2,2,4,4,4−ペンタキス(ジメチルアミノ)−2λ5,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)、1−tert−ブチル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[ トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]−2λ5,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)、1−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]−2λ5,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)、1−tert−ブチル−2,2,2−トリ(1−ピロリジニル)ホスファゼン、または7−エチル−5,11−ジメチル−1,5,7,11−テトラアザ−6λ5−ホスファスピロ[5,5]ウンデカ−1(6)−エン等が例示できる。
【0014】
ホスフィンオキシド化合物としては、特開平11−302371号に記載の化合物が挙げられる。例えば、トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシド、トリス[トリス(ジエチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシド等が例示できる。
【0015】
非オキシアルキレン化活性水素化合物としては、アルコール類、フェノール化合物等が挙げられる。2〜8価の水酸基を有する活性水素化合物が好ましい。このような活性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の2価アルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等の多価アルコール類、グルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトース、蔗糖、メチルグルコシド等の糖類、又は、その誘導体、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ノボラック、ハイドロキノン、レゾール、レゾルシン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等のフェノール化合物等が挙げられる。
【0016】
これらの活性水素化合物の中で、更に好ましくは、2〜4価の活性水素化合物である。最も好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール類、ペンタエリスリトールのような4価アルコール類である。
【0017】
本発明に係わるポリオキシアルキレンポリオールの製造方法では、上記非オキシアルキレン化活性水素化合物、及び上記非オキシアルキレン化活性水素化合物をオキシアルキレン化したオキシアルキレン化活性水素化合物の混合活性水素化合物を用いる。オキシアルキレン化活性水素化合物の使用量は、混合活性水素化合物の全活性水素基に対して、オキシアルキレン化活性水素化合物(以下、オキシアルキレン化合物と言う)の活性水素基の濃度が0.01〜20モル%となる量である。ここで、全活性水素基とは、オキシアルキレン化合物の活性水素基及び非オキシアルキレン化活性水素化合物の活性水素基の総量である。驚くべき事に、混合活性水素化合物の全活性水素基に対して、オキシアルキレン化合物の活性水素基の濃度が0.01〜20モル%となる量のオキシアルキレン化合物を含む混合活性水素化合物にエポキサイド化合物の付加重合を行うことにより、ポリオキシアルキレンポリオールの生産性が飛躍的に向上することを見出した。
【0018】
オキシアルキレン化合物は、P=N結合を有する化合物触媒の存在下、前記非オキシアルキレン化活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合することにより製造される。通常、ポリオキシアルキレンポリオールは、反応機の容積の制約があるため、非オキシアルキレン化活性水素化合物に対し、2〜4回程度のエポキサイド化合物の付加重合反応を繰り返すことにより、高分子量化を行う。例えば、グリセリンを活性水素化合物として用いた場合、1回目の反応により、水酸基価370〜450mgKOH/g程度のポリオキシアルキレンポリオールを製造し、次いで、該ポリオールを開始剤とし、水酸基価100mgKOH/g程度のポリオキシアルキレンポリオールの製造を行う(2回目の反応)。更に、2回目の反応で得られたポリオールを開始剤とし、所定の水酸基価、例えば、20〜30mgKOH/g程度まで高分子量化反応を行う。
【0019】
本発明に用いるオキシアルキレン化合物は、目的の水酸基価のポリオキシアルキレンポリオールを製造する過程における中間体ポリオールを使用することが好ましい。オキシアルキレン化合物の水酸基価は20〜450mgKOH/gである。好ましくは24〜390mgKOH/g、更に好ましくは30〜250mgKOH/gであり、最も好ましくは30〜200mgKOH/gである。オキシアルキレン化合物の水酸基価が20mgKOH/gより低下すると、得られるポリオキシアルキレンポリオールの分子量分布が広くなるので好ましくない。一方、水酸基価が450mgKOH/gを超えると、オキシアルキレン化合物の添加によるポリオキシアルキレンポリオールの生産性の向上効果が低い。オキシアルキレン化合物の総不飽和度は0.06meq./g以下が好適ある。総不飽和度が0.06meq./gを超えると、得られるポリオキシアルキレンポリオールの総不飽和度が上昇するため、好ましくない。
【0020】
オキシアルキレン化合物は、混合活性水素化合物の全活性水素基に対して、オキシアルキレン化合物の活性水素基の濃度が0.01〜20モル%となる量を添加する。好ましくは0.1〜15モル%、更に好ましくは、0.2〜10モル%、最も好ましくは0.2〜5モル%である。オキシアルキレン化合物の添加量が0.01モル%未満であると、オキシアルキレン化合物の添加効果が少ない。一方、オキシアルキレン化合物の添加量が20モル%を超えると、用いるオキシアルキレン化合物の水酸基価に依っては、混合活性水素化合物中のオキシアルキレン化合物の濃度が高くなるため、通常のポリオキシアルキレンポリオールの製造における2回目以降の反応操作方法と同じになる。そのため、ポリオキシアルキレンポリオールの生産性向上における改良効果が少ない。
【0021】
オキシアルキレン化合物の製造において、非オキシアルキレン化活性水素化合物に付加重合するエポキサイド化合物としては、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは2種以上併用してもよい。この中で、好ましくは、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドであり、更に好ましくは、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドである。オキシアルキレン化合物の製造において、最も好ましくはプロピレンオキサイドである。
【0022】
オキシアルキレン化合物の製造触媒は、上記P=N結合を有する化合物が好ましい。その使用量は、活性水素化合物の活性水素基に対して0.01〜0.6モル%である。好ましくは0.05〜0.5モル%、最も好ましくは、0.07〜0.45モル%である。触媒使用量が0.01モル%未満であると、ポリオキシアルキレンポリオールの製造時間が長くなる。一方、触媒使用量が0.6モル%を超えると、ポリオキシアルキレンポリオールの製造コストに占める触媒コストが増大する。
【0023】
オキシアルキレン化合物の製造において、活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合する温度は70〜130℃が好ましい。更に好ましくは80〜130℃、最も好ましくは90〜120℃の範囲である。エポキサイド化合物の付加重合温度が70℃未満であると、エポキサイド化合物の重合速度が低下する。一方、付加重合温度が130℃を超えると、ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価にも依るが、総不飽和度が高くなるので好ましくない。
【0024】
エポキサイド化合物の付加重合反応の最大圧力は、0.8MPaG以下が好適である。通常、耐圧反応機内で活性水素化合物にエポキサイド化合物の付加重合が行われる。エポキサイド化合物の反応は減圧状態から開始しても、大気圧の状態から開始してもよい。大気圧状態から開始する場合には、窒素、又は、ヘリウム等の不活性気体存在下で行うことが望ましい。エポキサイド化合物の最大反応圧力が0.8MPaGを超えるとプロピレンオキサイドの副生物であるモノオール量(総不飽和度)が増加する。最大反応圧力は、0.6MPaG以下がより好ましく、最も好ましくは0.5MPaG以下である。重合系へのエポキサイド化合物の供給方法は、必要量のエポキサイド化合物の一部を一括して供給し、残部を連続的に供給する方法、又は、全てのエポキサイド化合物を連続的に供給する方法等が用いられる。
【0025】
前記した方法により、オキシアルキレン化合物を製造する。P=N結合を有する化合物触媒の除去を行っても構わないが、通常、触媒が残存して用いる方法が好ましい。
【0026】
次いで、ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法について説明する。本発明では、上記非オキシアルキレン化活性水素化合物、及び、上記オキシアルキレン化合物の混合活性水素化合物を用いる。非オキシアルキレン化活性水素化合物にオキシアルキレン化合物を添加して混合活性水素化合物とし、得られた混合活性水素化合物にエポキサイド化合物の付加重合を行うことにより、ポリオキシアルキレンポリオールを製造する。混合活性水素化合物の活性水素基に対して、0.01〜0.6モル%の触媒が存在していることが好ましい。通常、本発明の製造方法によれば、触媒濃度は0.6モル%を超えることはなく、むしろ、0.01モル%より低下することがある。このような場合には、再度、P=N結合を有する化合物触媒を添加し、活性水素基に対して、0.01〜0.6モル%の範囲に調整する。触媒を添加した後、例えば、80〜130℃、2.66kPa以下の条件で1〜7時間の加熱減圧操作を行い、系内の水分等の除去を行うことが好ましい。このような方法により、ポリオキシアルキレンポリオールの重合開始剤を調製後、エポキサイド化合物の付加重合を行い、ポリオキシアルキレンポリオールを製造する。
【0027】
エポキサイド化合物の種類、付加重合温度、及び、最大反応圧力等の条件は、前記したオキシアルキレン化合物と同様の方法が好ましい。特に、エポキサイド化合物として、プロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドを併用する場合の重合方法には、▲1▼プロピレンオキサイドを重合した後、エチレンオキサイドをブロックで共重合するエチレンオキサイドキャップ反応、▲2▼プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドをランダムに共重合するランダム反応、▲3▼プロピレンオキサイドを重合した後、エチレンオキサイドを重合し、次いで、プロピレンオキサイドを重合するトリブロック共重合反応が挙げられる。これらの中で好ましい重合方法は、▲1▼と▲2▼である。
【0028】
付加重合機の最大圧力は、エポキサイド化合物の装入速度、重合温度、触媒量等に影響される。エポキサイド化合物の装入速度は、付加重合機の最大圧力が0.8MPaGを超えないように制御することが好ましい。エポキサイド化合物の装入が完了すると、付加重合機の内圧は徐々に低下する。内圧の変化が認められなくなるまで付加重合反応を継続することが好ましい。ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価を基準とすると、水酸基価が2〜120mgKOH/gとなるまで付加重合を継続することが好ましい。
【0029】
前記した方法により、ポリオキシアルキレンポリオールの製造を行う。エポキサイド化合物の付加重合後には、触媒を含んだポリオキシアルキレンポリオールが得られる(以下、粗製ポリオールと言う)。通常、粗製ポリオールから触媒の除去を行う。
【0030】
次に、上記のようにして製造された粗製ポリオールの精製方法について説明する。精製の主たる目的は、粗製ポリオール中に残存するP=N結合を有する化合物を除去することに有る。本発明者らは、粗製ポリオールを特定の比表面積、及び平均細孔直径を有する固体酸に接触させることにより、効率的に残存触媒が除去され、触媒の残存量を特定値以下に制御できることを見出した。特に、比表面積が450〜1200m2/gであり、且つ、平均細孔直径が40〜100Åである固体酸が有用である。
【0031】
P=N結合を有する化合物(以下、触媒という)の除去能を考慮すると、固体酸の比表面積が重要な因子である。固体酸の比表面積は、好ましくは500〜1100m2/g、更に好ましくは550〜1000m2/gである。比表面積が450m2/g未満になると、粗製ポリオール中の触媒の除去能が低下する。一方、粗製ポリオール、及び固体酸の混合液から、精製ポリオールを回収する際の効率を考慮すると、比表面積の上限としては1200m2/gである。
【0032】
好ましい平均細孔直径は50〜100Åであり、更に好ましくは55〜95Åである。平均細孔直径が40Å未満の固体酸、例えば、ゼオライト等は、触媒の除去能が低い。一方、触媒の分子直径、及び固体酸の比表面積等を考慮すると、固体酸の平均細孔直径の上限は100Åである。更に、触媒の除去能を向上させるためには、比表面積、及び平均細孔直径が上記範囲であり、且つ、直径が10〜60Åの範囲の細孔を有する固体酸を用いることが好ましい。
【0033】
上記形状を有する固体酸としては、酸性白土、モンモリロナイト等の粘土鉱物、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等の複合金属酸化物、金属の硫酸塩又はリン酸塩等、シリカゲル−リン酸等の固形化酸、陽イオン交換樹脂が挙げられる。本発明の目的には、上記比表面積、及び平均細孔直径を有する複合金属酸化物が好適である。この様な複合金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、及び酸化亜鉛等の異なる酸化物同士から調製される複合金属酸化物が挙げられる。具体的には、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸チタニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸チタニウム、ジルコン酸アルミニウム、ジルコン酸マグネシウム等が挙げられる。これらの複合金属酸化物以外に、前記した形状を満たしていれば、シリカゲル等の金属酸化物単体も使用できる。
【0034】
特に好ましく用いられる固体酸は、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、及びこれらの混合物である。これらは天然品より合成品が好ましい。これらの特性を有する固体酸の市販品としては、協和化学工業(株)製、商品名:KW−600BUP−S、KW−700PEL、KW−700SEL等が挙げられる。これらの内、KW−700PEL、及びKW−700SELが好ましい。最も好ましくはKW−700SELである。
【0035】
合成ケイ酸アルミニウムの例としては、二酸化珪素の含有量が55〜75重量%、酸化アルミニウムの含有量が5〜25重量%のものが好ましい。その化学組成の例としては、Al2O3・nSiO2・mH2Oが挙げられる(n、mは、酸化アルミニウムへの二酸化珪素、または水の配位数)。水が配位したものが好ましい。合成ケイ酸マグネシウムの例としては、二酸化珪素の含有量が55〜70重量%、酸化マグネシウムの含有量が5〜20重量%のものが好ましい。その化学組成の例としては、MgO・xSiO2・yH2Oが挙げられる(x、yは、酸化マグネシウムへの二酸化珪素、または水の配位数)。特に水が配位したものが好ましい。
【0036】
粗製ポリオールと固体酸との接触温度は、室温近傍の温度でも良い。しかし、処理時間の短縮、触媒除去能の向上を図ること等を考慮すると、接触温度は50〜150℃の範囲が好ましい。より好ましくは60〜140℃、更に好ましくは70〜130℃である。ポリオキシアルキレンポリオールの分子量が大きい場合には、粘度が高くなるので50℃以上で接触させることが好ましい。150℃より高くなると、粗製ポリオールが着色する傾向にある。
【0037】
粗製ポリオールと固体酸との接触方法としては、回分式と連続式の2方法が挙げられる。回分式とは、例えば、反応機に仕込んだ粗製ポリオールに固体酸を装入し、攪拌混合する方法である。ポリオキシアルキレンポリオールの着色、劣化を防止する目的で、不活性ガスの存在下、攪拌混合することが好ましい。固体酸の使用量としては、粗製ポリオールに対して0.01〜5重量%である。好ましくは0.05〜3重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%である。接触時間は、スケールにも依るが、前記温度条件で1〜6時間程度が好ましい。連続式とは、固体酸を充填した塔に粗製ポリオールを通液する方法である。空塔速度は、スケールにも依るが、0.1〜3(1/hr)程度が好ましい。固体酸と接触した後、ろ過、遠心分離等の常用の方法によりポリオキシアルキレンポリオールを回収する。
【0038】
固体酸による触媒の吸着能を更に向上させるために、粗製ポリオールと固体酸とを接触させる際に、粗製ポリオールに対して、0.1〜10重量%の水を共存させても構わない。水を共存させる場合の好ましい添加量としては、1〜8重量%、更に好ましくは2〜7重量%である。固体酸と水を共存させる方法は、ポリオール中にそれらを添加すればよい。両者を添加する順序は問わない。粗製ポリオールに水を添加する時の温度は、50〜150℃が好ましい。水を添加した場合、例えば、90℃で5時間、粗製ポリオールと固体酸を攪拌混合した後、例えば、110℃、1.33kPa以下の条件で減圧脱水操作を行い、水分を除去する。
【0039】
ポリオキシアルキレンポリオールの劣化を防止する目的で、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤は、単独、又は2種以上を併用しても良い。酸化防止剤としては、例えば、tert−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニール)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニール)−プロピオネート、エチルヘキシルホスファイト、4,4‘−ビス−α、α’−ジメチルベンジルジフェニルアミン、2−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等が挙げられる。酸化防止剤の添加量は、ポリオキシアルキレンポリオールに対して、100〜2000ppm程度である。
【0040】
上記操作により得られるポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価は2〜120mgKOH/gが好ましい。更に好ましくは10〜120mgKOH/gであり、最も好ましくは、12〜60mgKOH/gである。一方、ポリオキシアルキレンポリオールの総不飽和度は0.07meq./g以下が好ましい。更に好ましくは0.05meq./gである。総不飽和度が0.07meq./gより大きくなると、軟質ポリウレタンフォーム、エラストマー、シーリング材等のポリウレタン樹脂の機械的性質が低下するので好ましくない。
【0041】
更に、ポリオキシアルキレンポリオール中の触媒の残存量は150ppm以下が好ましい。触媒の残存量が150ppmを超えると、ポリオールをポリイソシアネート化合物と反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーの経時的な粘度変化が生じる。触媒の残存量は好ましくは90ppm以下、更に好ましくは50ppm以下である。触媒残存量の下限値は、可能な限り少ない方が良い。通常、上記精製方法によれば、1ppm程度まで低減することが可能である。
【0042】
以上、詳述したように、本発明のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法は、P=N結合を有する化合物触媒の使用量を低減させても、ポリオールの生産性が飛躍的に向上する。更に、プロピレンオキサイドをモノマーとした場合、総不飽和度の低いポリオキシアルキレンポリオールが効率良く製造可能できる。そのため、工業的なポリオキシアルキレンポリオールの製造コストの低減が可能となる。従って、本発明に係わる方法により製造されるポリオキシアルキレンポリオールは、半硬質、軟質ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤、床材、防水材、エラストマー、シーリング材、靴底等のポリウレタン分野、並びに、潤滑剤、作動液、樹脂改質剤等の幅広い分野において、使用し得る極めて有用な資材である。
【0043】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、本発明の熊様を更に明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例、比較例における分析、及び評価は、下記の方法に従って行った。
【0044】
(1)ポリオキシアルキレンポリオール(以下、ポリオールと言う)の水酸基価(以下、OHVと言う、単位:mgKOH/g)、及び、総不飽和度(以下、C=Cという、単位:meq./g)
JIS K−1557記載の方法により測定する。
【0045】
(2)ポリオールのP=N結合を有する化合物触媒残存量(以下、触媒残存量と言う、単位:ppm)
ポリオール中の窒素残存量を定量することにより、P=N結合を有する化合物の残存量を逆算する。ポリオールをメススラスコに秤量し、トルエン(試薬特級)を用いて希釈し、次いで、微量全窒素分析装置(三菱化学(株)製、型式:TN−100型)を用いて窒素濃度の定量を行う。
【0046】
調製例1
<ホスファゼニウム化合物(以下、PZNと言う)>
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムクロリド(Fluka社製)31.02g(40mmol)を200mlの50重量%のメタノール−水の混合溶媒に溶解させて、0.2mol/lの溶液を調製した。この溶液を、室温にて、140mlの水酸基型に交換した陰イオン交換樹脂(バイエル社製、商品名;レバチットMP500)を充填したカラム(直径20mm、高さ450mm)に140ml/hの速度で流通した。次いで、450mlの50重量%のメタノール−水の混合溶媒を同速度で流通した。流出液を濃縮した後、80℃、665Paの条件で乾燥し、固形状とした。この固形物をテトラヒドロフランとジエチルエーテルの体積比1:15の混合溶媒に溶解後、再結晶することにより、28.76gの無色の化合物を得た。収率は95重量%であった。
【0047】
りん酸トリ−n−ブチルを内部標準化合物とした、該化合物の重水素化ジメチルスルホキシド溶液中の31P−NMR(日本電子(株)製核磁気共鳴装置)の化学シフトは−33.3(5重線、1P)ppm、7.7(2重線、4P)ppmであり、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムカチオン中の中心のリン原子、及び、周りの4つのりん原子として帰属される。又、テトラメチルシランを内部標準とした1H−NMRの化学シフトは2.6ppmであり、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムカチオン中のメチル基に帰属され、リン原子とのカップリングにより、2重線として観測される。元素分析値(重量%)はC:38.28、H:9.82、N:29.43、P:19.94(理論値、C:38.09、H:9.72、N:29.61、P:20.46)であった。
後述の調製例2、及び実施例において、得られたホスファゼニウム化合物をエポキサイド化合物の付加重合触媒として用いた。
【0048】
調製例2
<オキシアルキレン化された活性水素化合物(オキシアルキレン化合物)>
攪拌機、温度制御計、窒素導入管、及び、水冷式コンデンサーを付属したセパラブルフラスコ(以下、フラスコと言う)に、グリセリン、及びグリセリンの水酸基に対して、0.3モル%のPZN(50重量%のトルエン溶液の形態)を添加し、110℃、1.33kPa以下の条件で、3時間、加熱減圧操作を行い、重合開始剤を調製した。次いで、該重合開始剤を攪拌機、温度制御計、圧力計、窒素導入管、及び、モノマー導入管を付属した耐圧製オートクレーブ(以下、単にオートクレーブと言う)に仕込み、窒素置換を行った。その後、付加重合温度80℃、最大反応圧力0.3MPaGの条件で、OHVが110mgKOH/gになる量のプロピレンオキサイドを逐次装入した。プロピレンオキサイドを装入後、オートクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。その後、同温度にて、665Paの条件で30分間減圧し、未反応のプロピレンオキサイドを回収し、オキシアルキレン化合物を得た。該オキシアルキレン化合物から触媒を除去した後のOHVは111mgKOH/g、C=Cは0.006meq./gであった。
【0049】
実施例1
ポリオールA
グリセリン、及び、グリセリンの水酸基とオキシアルキレン化合物の水酸基の総量に対して、1.8モル%の水酸基となる量のオキシアルキレン化合物(調製例2で得られたもの)をフラスコに装入した。次いで、これら混合活性水素化合物の全水酸基に対して、0.13モル%のPZN濃度となるように、PZNを新たに添加し、110℃、1.33kPa以下の条件で、3時間、加熱減圧操作を行い、重合開始剤を調製した。次いで、該重合開始剤をオートクレーブに仕込み、窒素置換を行った。その後、6.65kPaまで減圧し、付加重合温度110℃、最大反応圧力0.3MPaGの条件で、OHVが350mgKOH/gになる量のプロピレンオキサイドを逐次装入した。プロピレンオキサイドを装入後、オートクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。反応時間は、310分であった。その後、同温度にて、665Paの条件で30分間減圧し、未反応のプロピレンオキサイドを回収し、粗製ポリオールAを得た。80℃に調整した該粗製ポリオールAに対して、5重量%のイオン交換水、及び5重量%の固体酸(協和化学(株)製、商品名:KW−700SEL、以下、同様)を添加後、同温度にて3時間、吸着反応を行い、加熱減圧操作を行った。最終的に、110℃、1.33kPa以下の条件で3時間操作を行った。その後、ろ紙による減圧ろ過を行い、精製ポリオールを得た。ポリオールのOHVは、350mgKOH/g、C=Cは0.005meq./gであった。
【0050】
実施例2
ポリオールB
実施例1で得られた粗製ポリオールAをオートクレーブに装入後、6.65kPaまで減圧し、付加重合温度100℃、最大反応圧力0.3MPaGの条件で、OHVが87mgKOH/gになる量のプロピレンオキサイドを逐次装入した。プロピレンオキサイドを装入後、オートクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。反応時間は、400分であった。その後、同温度にて、665Paの条件で30分間減圧し、未反応のプロピレンオキサイドを回収し、粗製ポリオールBを得た。80℃に調整した該粗製ポリオールBに対して、3重量%のイオン交換水、及び1重量%の固体酸を添加後、同温度にて3時間、吸着反応を行い、加熱減圧操作を行った。最終的に、110℃、1.33kPa以下の条件で3時間操作を行った。その後、ろ紙による減圧ろ過を行い、精製ポリオールを得た。ポリオールのOHVは、88.5mgKOH/g、C=Cは0.007meq./gであった。
【0051】
実施例3
ポリオールC
実施例2で得られた粗製ポリオールBをオートクレーブに装入後、6.65kPaまで減圧し、付加重合温度100℃、最大反応圧力0.3MPaGの条件で、OHVが39mgKOH/gになる量のプロピレンオキサイドを逐次装入した。プロピレンオキサイドを装入後、オートクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。反応時間は、480分であった。その後、同温度にて、665Paの条件で30分間減圧し、未反応のプロピレンオキサイドを回収し、粗製ポリオールCを得た。実施例2と同様の操作により、粗製ポリオールCの精製を行った。ポリオールのOHVは、40.1mgKOH/g、C=Cは0.014meq./gであった。
【0052】
比較例1
ポリオールD
実施例1において、オキシアルキレン化合物を添加せず、グリセリンのみを使用した。PZN触媒濃度、プロピレンオキサイドの使用量、及び、反応条件等は実施例1と同様にしてポリオールの製造を行った。プロピレンオキサイドの反応時間は、470分であった。ポリオールのOHVは、350mgKOH/g、C=Cは0.001meq./gであった。
【0053】
比較例2
ポリオールE
比較例1において得られた粗製ポリオールを重合開始剤として用いた以外は、実施例2と同様にしてポリオールの製造を行った。プロピレンオキサイドの反応時間は、550分であった。ポリオールのOHVは、89.1mgKOH/g、C=Cは0.006meq./gであった。
【0054】
比較例3
ポリオールF
比較例2において得られた粗製ポリオールを重合開始剤として用いた以外は、実施例3と同様にしてポリオールの製造を行った。プロピレンオキサイドの反応時間は、600分であった。ポリオールのOHVは、40.2mgKOH/g、C=Cは0.013meq./gであった。
実施例、比較例の結果を[表1]に示す。表中のPOはプロピレンオキサイドの略号である。
【0055】
【表1】
【0056】
<実施例の考察>
混合活性水素化合物の全活性水酸基に対して、オキシアルキレン化された活性水素化合物(オキシアルキレン化合物)の活性水素基の濃度が1.8モル%となる量のオキシアルキレン化合物を含む混合活性水素化合物に、プロピレンオキサイドの付加重合を行った結果(実施例1〜3)、オキシアルキレン化合物を添加しない方法と比較して(比較例1〜3)、各反応段階におけるプロピレンオキサイドの反応時間が短縮されている。低分子量の活性水素化合物を用いて、OHV40mgKOH/g程度の高分子量ポリオキシアルキレンポリオールを製造した場合、実施例の方法(実施例1〜3におけるプロピレンオキサイドの反応時間の総計)が1190分に対して、比較例の方法では1620分である。又、ポリオキシアルキレンポリオールの品質の指標である総不飽和度は、実施例、比較例ともに同等レベルである。
【0057】
【発明の効果】
本発明の製造方法によると、ポリオキシアルキレンポリオールの品質を維持したまま、生産性を飛躍的に向上させることが可能である。
Claims (6)
- P=N結合を有する化合物触媒の存在下、活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合するポリオキシアルキレンポリオールの製造方法であって、活性水素化合物として、非オキシアルキレン化活性水素化合物及び水酸基価が20〜450mgKOH/gであるオキシアルキレン化活性水素化合物の混合活性水素化合物を用い、混合活性水素化合物の活性水素基に対し、オキシアルキレン化活性水素化合物の活性水素基の濃度が0.01〜20モル%である混合活性水素化合物を用いることを特徴とするポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
- P=N結合を有する化合物触媒の使用量が、混合活性水素化合物の活性水素基に対して0.01〜0.6モル%であることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
- P=N結合を有する化合物が、ホスファゼニウム化合物、ホスフィンオキシド化合物、及びホスファゼン化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
- プロピレンオキサイドによりオキシアルキレン化されたオキシアルキレン化活性水素化合物を用いることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
- 非オキシアルキレン化活性水素化合物及びオキシアルキレン化活性水素化合物が、2〜8価の水酸基を有する化合物であることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
- ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価が2〜120mgKOH/gであることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
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