JP2001192448A - ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法

Info

Publication number
JP2001192448A
JP2001192448A JP2000002143A JP2000002143A JP2001192448A JP 2001192448 A JP2001192448 A JP 2001192448A JP 2000002143 A JP2000002143 A JP 2000002143A JP 2000002143 A JP2000002143 A JP 2000002143A JP 2001192448 A JP2001192448 A JP 2001192448A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
active hydrogen
polyoxyalkylene polyol
polyol
oxyalkylenated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000002143A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4311843B2 (ja
Inventor
Satoshi Yamazaki
聡 山崎
Fumio Yamazaki
文雄 山▲崎▼
Tsukuru Izukawa
作 伊豆川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2000002143A priority Critical patent/JP4311843B2/ja
Publication of JP2001192448A publication Critical patent/JP2001192448A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4311843B2 publication Critical patent/JP4311843B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い生産性を有するポリオキシアルキレンポ
リオールの製造方法を提供する。 【解決手段】 P=N結合を有する化合物触媒の存在
下、活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合す
るポリオキシアルキレンポリオールの製造方法であっ
て、活性水素化合物として、非オキシアルキレン化活性
水素化合物及びオキシアルキレン化活性水素化合物の混
合活性水素化合物を用い、混合活性水素化合物の活性水
素基に対し、オキシアルキレン化活性水素化合物の活性
水素基の濃度が0.01〜20モル%である混合活性水
素化合物を用いることを特徴とするポリオキシアルキレ
ンポリオールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、P=N結合を有す
る化合物を触媒として使用するポリオキシアルキレンポ
リオールの製造方法に関する。詳しくは、特定量のオキ
シアルキレン化活性水素化合物を含む、非オキシアルキ
レン化活性水素化合物及びオキシアルキレン化活性水素
化合物の混合活性水素化合物にエポキサイド化合物を付
加重合するポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシアルキレンポリオールのモノ
オール含有量を低減し、且つ、生産性を高める手段とし
て、P=N結合を有する化合物をポリオキシアルキレン
ポリオールの製造触媒とする方法が提案されている。P
=N結合を有する化合物としては、例えば、特開平11
−106500号公報記載のホスファゼニウム化合物、
特開平10−36499号公報記載のホスファゼン化合
物、及び、特開平11−302371号公報記載のホス
フィンオキシド化合物等が挙げられる。
【0003】これらP=N結合を有する化合物をポリオ
キシアルキレンポリオールの製造触媒とすることによ
り、ポリオキシアルキレンポリオールのモノオール含有
量を低減しつつ、高い生産性を維持しながらポリオキシ
アルキレンポリオールの製造を行うことが可能となっ
た。更に、該触媒を用いる方法は、プロピレンオキサイ
ドとエチレンオキサイドとの共重合化が可能である利点
も有する。
【0004】しかしながら、工業的な見地から、ポリオ
キシアルキレンポリオールを製造する上で、比較的少な
い触媒使用量により、ポリオキシアルキレンポリオール
の生産性を飛躍的に高める方法が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、P=
N結合を有する化合物を触媒とし、活性水素化合物にエ
ポキサイド化合物を付加重合するポリオキシアルキレン
ポリオールの製造方法において、高い生産性を有するポ
リオキシアルキレンポリオールの製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、P=N結合を含有
する化合物触媒の存在下、特定量のオキシアルキレン化
活性水素化合物を含む、非オキシアルキレン化活性水素
化合物及びオキシアルキレン化活性水素化合物の混合活
性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合すること
により付加重合の反応時間が短縮され、ポリオキシアル
キレンポリオールの生産性が向上することを見出し、本
発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明は、P=N結合を有する化合
物触媒の存在下、活性水素化合物にエポキサイド化合物
を付加重合するポリオキシアルキレンポリオールの製造
方法であって、活性水素化合物として、非オキシアルキ
レン化活性水素化合物及びオキシアルキレン化活性水素
化合物の混合活性水素化合物を用い、混合活性水素化合
物の活性水素基に対し、オキシアルキレン化活性水素化
合物の活性水素基の濃度が0.01〜20モル%である
混合活性水素化合物を用いることを特徴とするポリオキ
シアルキレンポリオールの製造方法である。
【0008】本発明において、P=N結合を有する化合
物触媒の使用量が、混合活性水素化合物の活性水素基に
対して0.01〜0.6モル%であることが好ましい。
P=N結合を有する化合物は、ホスファゼニウム化合
物、ホスフィンオキシド化合物、及びホスファゼン化合
物から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好
適である。また、オキシアルキレン化活性水素化合物の
好ましい水酸基価は、20〜450mgKOH/gであ
り、プロピレンオキサイドによりオキシアルキレン化さ
れたものを用いることが好ましい。更に、非オキシアル
キレン化活性水素化合物及びオキシアルキレン化活性水
素化合物が、2〜8価の水酸基を有する化合物であるこ
とが好ましい。本発明の方法により製造されるポリオキ
シアルキレンポリオールの水酸基価は、2〜120mg
KOH/gであることが好ましい。
【0009】本発明のポリオキシアルキレンポリオール
の製造方法によれば、P=N結合を有する化合物触媒の
使用量を低減させても、ポリオールの生産性が飛躍的に
向上することができる。更に、プロピレンオキサイドを
モノマーとした場合、総不飽和度の低いポリオキシアル
キレンポリオールが効率良く製造可能できる。そのた
め、工業的なポリオキシアルキレンポリオールの製造コ
ストの低減が可能となる。従って、本発明のポリオキシ
アルキレンポリオールは、半硬質、軟質ポリウレタンフ
ォーム、塗料、接着剤、床材、防水材、エラストマー、
シーリング材、靴底等のポリウレタン分野、並びに、潤
滑剤、作動液、樹脂改質剤等の幅広い分野において、使
用し得る極めて有用な資材である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、P=N結合を有する化合物触媒の存在
下、活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合す
るポリオキシアルキレンポリオールの製造方法であっ
て、活性水素化合物として、特定量のオキシアルキレン
化活性水素化合物を含む非オキシアルキレン化活性水素
化合物及びオキシアルキレン化活性水素化合物の混合活
性水素化合物を用いることを特徴とするポリオキシアル
キレンポリオールの製造方法である。
【0011】P=N結合を有する化合物の好ましい形態
としては、ホスファゼニウム化合物、ホスフィンオキシ
ド化合物、及び、ホスファゼン化合物から選ばれる少な
くとも1種の化合物である。これらの内、工業的な利用
見地から、ホスファゼニウム化合物、及びホスフィンオ
キシド化合物が好ましい。
【0012】ホスファゼニウム化合物としては、特開平
11−106500号公報記載の化合物が挙げられる。
例えば、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシド、テ
トラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデ
ンアミノ]ホスフォニウムメトキシド、テトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホ
スフォニウムエトキシド、テトラキス[トリ(ピロリジ
ン−1−イル)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニ
ウム tert−ブトキシド等が例示される。
【0013】ホスファゼン化合物としては、特開平10
−36499号公報の化合物が挙げられる。例えば、1
−tert−ブチル−2,2,2−トリス(ジメチルア
ミノ)ホスファゼン、1−(1,1,3,3−テトラメ
チルブチル)−2,2,2−トリス(ジメチルアミノ)
ホスファゼン、1−エチル−2,2,4,4,4−ペン
タキス(ジメチルアミノ)−2λ5,4λ5−カテナジ
(ホスファゼン)、1−tert−ブチル−4,4,4
−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[ トリス
(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]−2
λ5,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)、1−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)−4,4,4−トリ
ス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]−2λ5,4λ5
−カテナジ(ホスファゼン)、1−tert−ブチル−
2,2,2−トリ(1−ピロリジニル)ホスファゼン、
または7−エチル−5,11−ジメチル−1,5,7,
11−テトラアザ−6λ5−ホスファスピロ[5,5]ウ
ンデカ−1(6)−エン等が例示できる。
【0014】ホスフィンオキシド化合物としては、特開
平11−302371号に記載の化合物が挙げられる。
例えば、トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラ
ニリデンアミノ]ホスフィンオキシド、トリス[トリス
(ジエチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフ
ィンオキシド等が例示できる。
【0015】非オキシアルキレン化活性水素化合物とし
ては、アルコール類、フェノール化合物等が挙げられ
る。2〜8価の水酸基を有する活性水素化合物が好まし
い。このような活性水素化合物としては、例えば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の
2価アルコール類、グリセリン、ジグリセリン、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエ
リスリトール、トリペンタエリスリトール等の多価アル
コール類、グルコース、ソルビトール、デキストロー
ス、フラクトース、蔗糖、メチルグルコシド等の糖類、
又は、その誘導体、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、ノボラック、ハイドロキノン、
レゾール、レゾルシン、1,4−ビス(ヒドロキシエト
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシエトキシ)
ベンゼン等のフェノール化合物等が挙げられる。
【0016】これらの活性水素化合物の中で、更に好ま
しくは、2〜4価の活性水素化合物である。最も好まし
くは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価
アルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等
の3価アルコール類、ペンタエリスリトールのような4
価アルコール類である。
【0017】本発明に係わるポリオキシアルキレンポリ
オールの製造方法では、上記非オキシアルキレン化活性
水素化合物、及び上記非オキシアルキレン化活性水素化
合物をオキシアルキレン化したオキシアルキレン化活性
水素化合物の混合活性水素化合物を用いる。オキシアル
キレン化活性水素化合物の使用量は、混合活性水素化合
物の全活性水素基に対して、オキシアルキレン化活性水
素化合物(以下、オキシアルキレン化合物と言う)の活
性水素基の濃度が0.01〜20モル%となる量であ
る。ここで、全活性水素基とは、オキシアルキレン化合
物の活性水素基及び非オキシアルキレン化活性水素化合
物の活性水素基の総量である。驚くべき事に、混合活性
水素化合物の全活性水素基に対して、オキシアルキレン
化合物の活性水素基の濃度が0.01〜20モル%とな
る量のオキシアルキレン化合物を含む混合活性水素化合
物にエポキサイド化合物の付加重合を行うことにより、
ポリオキシアルキレンポリオールの生産性が飛躍的に向
上することを見出した。
【0018】オキシアルキレン化合物は、P=N結合を
有する化合物触媒の存在下、前記非オキシアルキレン化
活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合するこ
とにより製造される。通常、ポリオキシアルキレンポリ
オールは、反応機の容積の制約があるため、非オキシア
ルキレン化活性水素化合物に対し、2〜4回程度のエポ
キサイド化合物の付加重合反応を繰り返すことにより、
高分子量化を行う。例えば、グリセリンを活性水素化合
物として用いた場合、1回目の反応により、水酸基価3
70〜450mgKOH/g程度のポリオキシアルキレ
ンポリオールを製造し、次いで、該ポリオールを開始剤
とし、水酸基価100mgKOH/g程度のポリオキシ
アルキレンポリオールの製造を行う(2回目の反応)。
更に、2回目の反応で得られたポリオールを開始剤と
し、所定の水酸基価、例えば、20〜30mgKOH/
g程度まで高分子量化反応を行う。
【0019】本発明に用いるオキシアルキレン化合物
は、目的の水酸基価のポリオキシアルキレンポリオール
を製造する過程における中間体ポリオールを使用するこ
とが好ましい。オキシアルキレン化合物の水酸基価は2
0〜450mgKOH/gである。好ましくは24〜3
90mgKOH/g、更に好ましくは30〜250mg
KOH/gであり、最も好ましくは30〜200mgK
OH/gである。オキシアルキレン化合物の水酸基価が
20mgKOH/gより低下すると、得られるポリオキ
シアルキレンポリオールの分子量分布が広くなるので好
ましくない。一方、水酸基価が450mgKOH/gを
超えると、オキシアルキレン化合物の添加によるポリオ
キシアルキレンポリオールの生産性の向上効果が低い。
オキシアルキレン化合物の総不飽和度は0.06me
q./g以下が好適ある。総不飽和度が0.06me
q./gを超えると、得られるポリオキシアルキレンポ
リオールの総不飽和度が上昇するため、好ましくない。
【0020】オキシアルキレン化合物は、混合活性水素
化合物の全活性水素基に対して、オキシアルキレン化合
物の活性水素基の濃度が0.01〜20モル%となる量
を添加する。好ましくは0.1〜15モル%、更に好ま
しくは、0.2〜10モル%、最も好ましくは0.2〜
5モル%である。オキシアルキレン化合物の添加量が
0.01モル%未満であると、オキシアルキレン化合物
の添加効果が少ない。一方、オキシアルキレン化合物の
添加量が20モル%を超えると、用いるオキシアルキレ
ン化合物の水酸基価に依っては、混合活性水素化合物中
のオキシアルキレン化合物の濃度が高くなるため、通常
のポリオキシアルキレンポリオールの製造における2回
目以降の反応操作方法と同じになる。そのため、ポリオ
キシアルキレンポリオールの生産性向上における改良効
果が少ない。
【0021】オキシアルキレン化合物の製造において、
非オキシアルキレン化活性水素化合物に付加重合するエ
ポキサイド化合物としては、プロピレンオキサイド、エ
チレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキ
サイド、シクロヘキセンオキサイド、エピクロロヒドリ
ン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、
アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは2
種以上併用してもよい。この中で、好ましくは、プロピ
レンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド、スチレンオキサイドであり、更に好ましくは、プ
ロピレンオキサイド、エチレンオキサイドである。オキ
シアルキレン化合物の製造において、最も好ましくはプ
ロピレンオキサイドである。
【0022】オキシアルキレン化合物の製造触媒は、上
記P=N結合を有する化合物が好ましい。その使用量
は、活性水素化合物の活性水素基に対して0.01〜
0.6モル%である。好ましくは0.05〜0.5モル
%、最も好ましくは、0.07〜0.45モル%であ
る。触媒使用量が0.01モル%未満であると、ポリオ
キシアルキレンポリオールの製造時間が長くなる。一
方、触媒使用量が0.6モル%を超えると、ポリオキシ
アルキレンポリオールの製造コストに占める触媒コスト
が増大する。
【0023】オキシアルキレン化合物の製造において、
活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合する温
度は70〜130℃が好ましい。更に好ましくは80〜
130℃、最も好ましくは90〜120℃の範囲であ
る。エポキサイド化合物の付加重合温度が70℃未満で
あると、エポキサイド化合物の重合速度が低下する。一
方、付加重合温度が130℃を超えると、ポリオキシア
ルキレンポリオールの水酸基価にも依るが、総不飽和度
が高くなるので好ましくない。
【0024】エポキサイド化合物の付加重合反応の最大
圧力は、0.8MPaG以下が好適である。通常、耐圧
反応機内で活性水素化合物にエポキサイド化合物の付加
重合が行われる。エポキサイド化合物の反応は減圧状態
から開始しても、大気圧の状態から開始してもよい。大
気圧状態から開始する場合には、窒素、又は、ヘリウム
等の不活性気体存在下で行うことが望ましい。エポキサ
イド化合物の最大反応圧力が0.8MPaGを超えると
プロピレンオキサイドの副生物であるモノオール量(総
不飽和度)が増加する。最大反応圧力は、0.6MPa
G以下がより好ましく、最も好ましくは0.5MPaG
以下である。重合系へのエポキサイド化合物の供給方法
は、必要量のエポキサイド化合物の一部を一括して供給
し、残部を連続的に供給する方法、又は、全てのエポキ
サイド化合物を連続的に供給する方法等が用いられる。
【0025】前記した方法により、オキシアルキレン化
合物を製造する。P=N結合を有する化合物触媒の除去
を行っても構わないが、通常、触媒が残存して用いる方
法が好ましい。
【0026】次いで、ポリオキシアルキレンポリオール
の製造方法について説明する。本発明では、上記非オキ
シアルキレン化活性水素化合物、及び、上記オキシアル
キレン化合物の混合活性水素化合物を用いる。非オキシ
アルキレン化活性水素化合物にオキシアルキレン化合物
を添加して混合活性水素化合物とし、得られた混合活性
水素化合物にエポキサイド化合物の付加重合を行うこと
により、ポリオキシアルキレンポリオールを製造する。
混合活性水素化合物の活性水素基に対して、0.01〜
0.6モル%の触媒が存在していることが好ましい。通
常、本発明の製造方法によれば、触媒濃度は0.6モル
%を超えることはなく、むしろ、0.01モル%より低
下することがある。このような場合には、再度、P=N
結合を有する化合物触媒を添加し、活性水素基に対し
て、0.01〜0.6モル%の範囲に調整する。触媒を
添加した後、例えば、80〜130℃、2.66kPa
以下の条件で1〜7時間の加熱減圧操作を行い、系内の
水分等の除去を行うことが好ましい。このような方法に
より、ポリオキシアルキレンポリオールの重合開始剤を
調製後、エポキサイド化合物の付加重合を行い、ポリオ
キシアルキレンポリオールを製造する。
【0027】エポキサイド化合物の種類、付加重合温
度、及び、最大反応圧力等の条件は、前記したオキシア
ルキレン化合物と同様の方法が好ましい。特に、エポキ
サイド化合物として、プロピレンオキサイド及びエチレ
ンオキサイドを併用する場合の重合方法には、プロピ
レンオキサイドを重合した後、エチレンオキサイドをブ
ロックで共重合するエチレンオキサイドキャップ反応、
プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドをランダ
ムに共重合するランダム反応、プロピレンオキサイド
を重合した後、エチレンオキサイドを重合し、次いで、
プロピレンオキサイドを重合するトリブロック共重合反
応が挙げられる。これらの中で好ましい重合方法は、
とである。
【0028】付加重合機の最大圧力は、エポキサイド化
合物の装入速度、重合温度、触媒量等に影響される。エ
ポキサイド化合物の装入速度は、付加重合機の最大圧力
が0.8MPaGを超えないように制御することが好ま
しい。エポキサイド化合物の装入が完了すると、付加重
合機の内圧は徐々に低下する。内圧の変化が認められな
くなるまで付加重合反応を継続することが好ましい。ポ
リオキシアルキレンポリオールの水酸基価を基準とする
と、水酸基価が2〜120mgKOH/gとなるまで付
加重合を継続することが好ましい。
【0029】前記した方法により、ポリオキシアルキレ
ンポリオールの製造を行う。エポキサイド化合物の付加
重合後には、触媒を含んだポリオキシアルキレンポリオ
ールが得られる(以下、粗製ポリオールと言う)。通
常、粗製ポリオールから触媒の除去を行う。
【0030】次に、上記のようにして製造された粗製ポ
リオールの精製方法について説明する。精製の主たる目
的は、粗製ポリオール中に残存するP=N結合を有する
化合物を除去することに有る。本発明者らは、粗製ポリ
オールを特定の比表面積、及び平均細孔直径を有する固
体酸に接触させることにより、効率的に残存触媒が除去
され、触媒の残存量を特定値以下に制御できることを見
出した。特に、比表面積が450〜1200m2/gで
あり、且つ、平均細孔直径が40〜100Åである固体
酸が有用である。
【0031】P=N結合を有する化合物(以下、触媒と
いう)の除去能を考慮すると、固体酸の比表面積が重要
な因子である。固体酸の比表面積は、好ましくは500
〜1100m2/g、更に好ましくは550〜1000
2/gである。比表面積が450m2/g未満になる
と、粗製ポリオール中の触媒の除去能が低下する。一
方、粗製ポリオール、及び固体酸の混合液から、精製ポ
リオールを回収する際の効率を考慮すると、比表面積の
上限としては1200m2/gである。
【0032】好ましい平均細孔直径は50〜100Åで
あり、更に好ましくは55〜95Åである。平均細孔直
径が40Å未満の固体酸、例えば、ゼオライト等は、触
媒の除去能が低い。一方、触媒の分子直径、及び固体酸
の比表面積等を考慮すると、固体酸の平均細孔直径の上
限は100Åである。更に、触媒の除去能を向上させる
ためには、比表面積、及び平均細孔直径が上記範囲であ
り、且つ、直径が10〜60Åの範囲の細孔を有する固
体酸を用いることが好ましい。
【0033】上記形状を有する固体酸としては、酸性白
土、モンモリロナイト等の粘土鉱物、ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸マグネシウム等の複合金属酸化物、金属の硫
酸塩又はリン酸塩等、シリカゲル−リン酸等の固形化
酸、陽イオン交換樹脂が挙げられる。本発明の目的に
は、上記比表面積、及び平均細孔直径を有する複合金属
酸化物が好適である。この様な複合金属酸化物として
は、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化アルミ
ニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カ
ルシウム、及び酸化亜鉛等の異なる酸化物同士から調製
される複合金属酸化物が挙げられる。具体的には、ケイ
酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニ
ウム、ケイ酸チタニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸亜
鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸
ジルコニウム、ホウ酸チタニウム、ジルコン酸アルミニ
ウム、ジルコン酸マグネシウム等が挙げられる。これら
の複合金属酸化物以外に、前記した形状を満たしていれ
ば、シリカゲル等の金属酸化物単体も使用できる。
【0034】特に好ましく用いられる固体酸は、ケイ酸
アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、及びこれらの混合
物である。これらは天然品より合成品が好ましい。これ
らの特性を有する固体酸の市販品としては、協和化学工
業(株)製、商品名:KW−600BUP−S、KW−
700PEL、KW−700SEL等が挙げられる。こ
れらの内、KW−700PEL、及びKW−700SE
Lが好ましい。最も好ましくはKW−700SELであ
る。
【0035】合成ケイ酸アルミニウムの例としては、二
酸化珪素の含有量が55〜75重量%、酸化アルミニウ
ムの含有量が5〜25重量%のものが好ましい。その化
学組成の例としては、Al23・nSiO2・mH2Oが
挙げられる(n、mは、酸化アルミニウムへの二酸化珪
素、または水の配位数)。水が配位したものが好まし
い。合成ケイ酸マグネシウムの例としては、二酸化珪素
の含有量が55〜70重量%、酸化マグネシウムの含有
量が5〜20重量%のものが好ましい。その化学組成の
例としては、MgO・xSiO2・yH2Oが挙げられる
(x、yは、酸化マグネシウムへの二酸化珪素、または
水の配位数)。特に水が配位したものが好ましい。
【0036】粗製ポリオールと固体酸との接触温度は、
室温近傍の温度でも良い。しかし、処理時間の短縮、触
媒除去能の向上を図ること等を考慮すると、接触温度は
50〜150℃の範囲が好ましい。より好ましくは60
〜140℃、更に好ましくは70〜130℃である。ポ
リオキシアルキレンポリオールの分子量が大きい場合に
は、粘度が高くなるので50℃以上で接触させることが
好ましい。150℃より高くなると、粗製ポリオールが
着色する傾向にある。
【0037】粗製ポリオールと固体酸との接触方法とし
ては、回分式と連続式の2方法が挙げられる。回分式と
は、例えば、反応機に仕込んだ粗製ポリオールに固体酸
を装入し、攪拌混合する方法である。ポリオキシアルキ
レンポリオールの着色、劣化を防止する目的で、不活性
ガスの存在下、攪拌混合することが好ましい。固体酸の
使用量としては、粗製ポリオールに対して0.01〜5
重量%である。好ましくは0.05〜3重量%、更に好
ましくは0.1〜2重量%である。接触時間は、スケー
ルにも依るが、前記温度条件で1〜6時間程度が好まし
い。連続式とは、固体酸を充填した塔に粗製ポリオール
を通液する方法である。空塔速度は、スケールにも依る
が、0.1〜3(1/hr)程度が好ましい。固体酸と
接触した後、ろ過、遠心分離等の常用の方法によりポリ
オキシアルキレンポリオールを回収する。
【0038】固体酸による触媒の吸着能を更に向上させ
るために、粗製ポリオールと固体酸とを接触させる際
に、粗製ポリオールに対して、0.1〜10重量%の水
を共存させても構わない。水を共存させる場合の好まし
い添加量としては、1〜8重量%、更に好ましくは2〜
7重量%である。固体酸と水を共存させる方法は、ポリ
オール中にそれらを添加すればよい。両者を添加する順
序は問わない。粗製ポリオールに水を添加する時の温度
は、50〜150℃が好ましい。水を添加した場合、例
えば、90℃で5時間、粗製ポリオールと固体酸を攪拌
混合した後、例えば、110℃、1.33kPa以下の
条件で減圧脱水操作を行い、水分を除去する。
【0039】ポリオキシアルキレンポリオールの劣化を
防止する目的で、酸化防止剤を添加することが好まし
い。酸化防止剤は、単独、又は2種以上を併用しても良
い。酸化防止剤としては、例えば、tert−ブチルヒ
ドロキシトルエン(BHT)、ペンタエリスリチル−テ
トラキス−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニール)プロピオネート、オクタデシル
−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニール)−プロピオネート、エチルヘキシルホス
ファイト、4,4‘−ビス−α、α’−ジメチルベンジ
ルジフェニルアミン、2−tert−ブチル−4−エチ
ルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エ
チルフェノール等が挙げられる。酸化防止剤の添加量
は、ポリオキシアルキレンポリオールに対して、100
〜2000ppm程度である。
【0040】上記操作により得られるポリオキシアルキ
レンポリオールの水酸基価は2〜120mgKOH/g
が好ましい。更に好ましくは10〜120mgKOH/
gであり、最も好ましくは、12〜60mgKOH/g
である。一方、ポリオキシアルキレンポリオールの総不
飽和度は0.07meq./g以下が好ましい。更に好
ましくは0.05meq./gである。総不飽和度が
0.07meq./gより大きくなると、軟質ポリウレ
タンフォーム、エラストマー、シーリング材等のポリウ
レタン樹脂の機械的性質が低下するので好ましくない。
【0041】更に、ポリオキシアルキレンポリオール中
の触媒の残存量は150ppm以下が好ましい。触媒の
残存量が150ppmを超えると、ポリオールをポリイ
ソシアネート化合物と反応させて得られるイソシアネー
ト基末端プレポリマーの経時的な粘度変化が生じる。触
媒の残存量は好ましくは90ppm以下、更に好ましく
は50ppm以下である。触媒残存量の下限値は、可能
な限り少ない方が良い。通常、上記精製方法によれば、
1ppm程度まで低減することが可能である。
【0042】以上、詳述したように、本発明のポリオキ
シアルキレンポリオールの製造方法は、P=N結合を有
する化合物触媒の使用量を低減させても、ポリオールの
生産性が飛躍的に向上する。更に、プロピレンオキサイ
ドをモノマーとした場合、総不飽和度の低いポリオキシ
アルキレンポリオールが効率良く製造可能できる。その
ため、工業的なポリオキシアルキレンポリオールの製造
コストの低減が可能となる。従って、本発明に係わる方
法により製造されるポリオキシアルキレンポリオール
は、半硬質、軟質ポリウレタンフォーム、塗料、接着
剤、床材、防水材、エラストマー、シーリング材、靴底
等のポリウレタン分野、並びに、潤滑剤、作動液、樹脂
改質剤等の幅広い分野において、使用し得る極めて有用
な資材である。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明の熊様
を更に明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。実施例、比較例における分析、及び
評価は、下記の方法に従って行った。
【0044】(1)ポリオキシアルキレンポリオール
(以下、ポリオールと言う)の水酸基価(以下、OHV
と言う、単位:mgKOH/g)、及び、総不飽和度
(以下、C=Cという、単位:meq./g) JIS K−1557記載の方法により測定する。
【0045】(2)ポリオールのP=N結合を有する化
合物触媒残存量(以下、触媒残存量と言う、単位:pp
m) ポリオール中の窒素残存量を定量することにより、P=
N結合を有する化合物の残存量を逆算する。ポリオール
をメススラスコに秤量し、トルエン(試薬特級)を用い
て希釈し、次いで、微量全窒素分析装置(三菱化学
(株)製、型式:TN−100型)を用いて窒素濃度の
定量を行う。
【0046】調製例1 <ホスファゼニウム化合物(以下、PZNと言う)>テ
トラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデ
ンアミノ]ホスフォニウムクロリド(Fluka社製)
31.02g(40mmol)を200mlの50重量
%のメタノール−水の混合溶媒に溶解させて、0.2m
ol/lの溶液を調製した。この溶液を、室温にて、1
40mlの水酸基型に交換した陰イオン交換樹脂(バイ
エル社製、商品名;レバチットMP500)を充填した
カラム(直径20mm、高さ450mm)に140ml
/hの速度で流通した。次いで、450mlの50重量
%のメタノール−水の混合溶媒を同速度で流通した。流
出液を濃縮した後、80℃、665Paの条件で乾燥
し、固形状とした。この固形物をテトラヒドロフランと
ジエチルエーテルの体積比1:15の混合溶媒に溶解
後、再結晶することにより、28.76gの無色の化合
物を得た。収率は95重量%であった。
【0047】りん酸トリ−n−ブチルを内部標準化合物
とした、該化合物の重水素化ジメチルスルホキシド溶液
中の31P−NMR(日本電子(株)製核磁気共鳴装置)
の化学シフトは−33.3(5重線、1P)ppm、
7.7(2重線、4P)ppmであり、テトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホ
スフォニウムカチオン中の中心のリン原子、及び、周り
の4つのりん原子として帰属される。又、テトラメチル
シランを内部標準とした1H−NMRの化学シフトは
2.6ppmであり、テトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムカチ
オン中のメチル基に帰属され、リン原子とのカップリン
グにより、2重線として観測される。元素分析値(重量
%)はC:38.28、H:9.82、N:29.4
3、P:19.94(理論値、C:38.09、H:
9.72、N:29.61、P:20.46)であっ
た。後述の調製例2、及び実施例において、得られたホ
スファゼニウム化合物をエポキサイド化合物の付加重合
触媒として用いた。
【0048】調製例2 <オキシアルキレン化された活性水素化合物(オキシア
ルキレン化合物)>攪拌機、温度制御計、窒素導入管、
及び、水冷式コンデンサーを付属したセパラブルフラス
コ(以下、フラスコと言う)に、グリセリン、及びグリ
セリンの水酸基に対して、0.3モル%のPZN(50
重量%のトルエン溶液の形態)を添加し、110℃、
1.33kPa以下の条件で、3時間、加熱減圧操作を
行い、重合開始剤を調製した。次いで、該重合開始剤を
攪拌機、温度制御計、圧力計、窒素導入管、及び、モノ
マー導入管を付属した耐圧製オートクレーブ(以下、単
にオートクレーブと言う)に仕込み、窒素置換を行っ
た。その後、付加重合温度80℃、最大反応圧力0.3
MPaGの条件で、OHVが110mgKOH/gにな
る量のプロピレンオキサイドを逐次装入した。プロピレ
ンオキサイドを装入後、オートクレーブの圧力が一定に
なるまで監視を行い、最終的に圧力の変化が無くなった
時点で、反応を終了した。その後、同温度にて、665
Paの条件で30分間減圧し、未反応のプロピレンオキ
サイドを回収し、オキシアルキレン化合物を得た。該オ
キシアルキレン化合物から触媒を除去した後のOHVは
111mgKOH/g、C=Cは0.006meq./
gであった。
【0049】実施例1 ポリオールA グリセリン、及び、グリセリンの水酸基とオキシアルキ
レン化合物の水酸基の総量に対して、1.8モル%の水
酸基となる量のオキシアルキレン化合物(調製例2で得
られたもの)をフラスコに装入した。次いで、これら混
合活性水素化合物の全水酸基に対して、0.13モル%
のPZN濃度となるように、PZNを新たに添加し、1
10℃、1.33kPa以下の条件で、3時間、加熱減
圧操作を行い、重合開始剤を調製した。次いで、該重合
開始剤をオートクレーブに仕込み、窒素置換を行った。
その後、6.65kPaまで減圧し、付加重合温度11
0℃、最大反応圧力0.3MPaGの条件で、OHVが
350mgKOH/gになる量のプロピレンオキサイド
を逐次装入した。プロピレンオキサイドを装入後、オー
トクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的
に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。反
応時間は、310分であった。その後、同温度にて、6
65Paの条件で30分間減圧し、未反応のプロピレン
オキサイドを回収し、粗製ポリオールAを得た。80℃
に調整した該粗製ポリオールAに対して、5重量%のイ
オン交換水、及び5重量%の固体酸(協和化学(株)
製、商品名:KW−700SEL、以下、同様)を添加
後、同温度にて3時間、吸着反応を行い、加熱減圧操作
を行った。最終的に、110℃、1.33kPa以下の
条件で3時間操作を行った。その後、ろ紙による減圧ろ
過を行い、精製ポリオールを得た。ポリオールのOHV
は、350mgKOH/g、C=Cは0.005me
q./gであった。
【0050】実施例2 ポリオールB 実施例1で得られた粗製ポリオールAをオートクレーブ
に装入後、6.65kPaまで減圧し、付加重合温度1
00℃、最大反応圧力0.3MPaGの条件で、OHV
が87mgKOH/gになる量のプロピレンオキサイド
を逐次装入した。プロピレンオキサイドを装入後、オー
トクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的
に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。反
応時間は、400分であった。その後、同温度にて、6
65Paの条件で30分間減圧し、未反応のプロピレン
オキサイドを回収し、粗製ポリオールBを得た。80℃
に調整した該粗製ポリオールBに対して、3重量%のイ
オン交換水、及び1重量%の固体酸を添加後、同温度に
て3時間、吸着反応を行い、加熱減圧操作を行った。最
終的に、110℃、1.33kPa以下の条件で3時間
操作を行った。その後、ろ紙による減圧ろ過を行い、精
製ポリオールを得た。ポリオールのOHVは、88.5
mgKOH/g、C=Cは0.007meq./gであ
った。
【0051】実施例3 ポリオールC 実施例2で得られた粗製ポリオールBをオートクレーブ
に装入後、6.65kPaまで減圧し、付加重合温度1
00℃、最大反応圧力0.3MPaGの条件で、OHV
が39mgKOH/gになる量のプロピレンオキサイド
を逐次装入した。プロピレンオキサイドを装入後、オー
トクレーブの圧力が一定になるまで監視を行い、最終的
に圧力の変化が無くなった時点で、反応を終了した。反
応時間は、480分であった。その後、同温度にて、6
65Paの条件で30分間減圧し、未反応のプロピレン
オキサイドを回収し、粗製ポリオールCを得た。実施例
2と同様の操作により、粗製ポリオールCの精製を行っ
た。ポリオールのOHVは、40.1mgKOH/g、
C=Cは0.014meq./gであった。
【0052】比較例1 ポリオールD 実施例1において、オキシアルキレン化合物を添加せ
ず、グリセリンのみを使用した。PZN触媒濃度、プロ
ピレンオキサイドの使用量、及び、反応条件等は実施例
1と同様にしてポリオールの製造を行った。プロピレン
オキサイドの反応時間は、470分であった。ポリオー
ルのOHVは、350mgKOH/g、C=Cは0.0
01meq./gであった。
【0053】比較例2 ポリオールE 比較例1において得られた粗製ポリオールを重合開始剤
として用いた以外は、実施例2と同様にしてポリオール
の製造を行った。プロピレンオキサイドの反応時間は、
550分であった。ポリオールのOHVは、89.1m
gKOH/g、C=Cは0.006meq./gであっ
た。
【0054】比較例3 ポリオールF 比較例2において得られた粗製ポリオールを重合開始剤
として用いた以外は、実施例3と同様にしてポリオール
の製造を行った。プロピレンオキサイドの反応時間は、
600分であった。ポリオールのOHVは、40.2m
gKOH/g、C=Cは0.013meq./gであっ
た。実施例、比較例の結果を[表1]に示す。表中のPO
はプロピレンオキサイドの略号である。
【0055】
【表1】
【0056】<実施例の考察>混合活性水素化合物の全
活性水酸基に対して、オキシアルキレン化された活性水
素化合物(オキシアルキレン化合物)の活性水素基の濃
度が1.8モル%となる量のオキシアルキレン化合物を
含む混合活性水素化合物に、プロピレンオキサイドの付
加重合を行った結果(実施例1〜3)、オキシアルキレ
ン化合物を添加しない方法と比較して(比較例1〜
3)、各反応段階におけるプロピレンオキサイドの反応
時間が短縮されている。低分子量の活性水素化合物を用
いて、OHV40mgKOH/g程度の高分子量ポリオ
キシアルキレンポリオールを製造した場合、実施例の方
法(実施例1〜3におけるプロピレンオキサイドの反応
時間の総計)が1190分に対して、比較例の方法では
1620分である。又、ポリオキシアルキレンポリオー
ルの品質の指標である総不飽和度は、実施例、比較例と
もに同等レベルである。
【0057】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、ポリオキシ
アルキレンポリオールの品質を維持したまま、生産性を
飛躍的に向上させることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊豆川 作 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J005 AA04 AA11 BB02 4J034 BA03 DA01 DB03 DG01 DG02 DG03 DG04 DG14 HA01 HA06 HA07 QA02 QB15 QB16 RA03 RA07 RA08 RA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 P=N結合を有する化合物触媒の存在
    下、活性水素化合物にエポキサイド化合物を付加重合す
    るポリオキシアルキレンポリオールの製造方法であっ
    て、活性水素化合物として、非オキシアルキレン化活性
    水素化合物及びオキシアルキレン化活性水素化合物の混
    合活性水素化合物を用い、混合活性水素化合物の活性水
    素基に対し、オキシアルキレン化活性水素化合物の活性
    水素基の濃度が0.01〜20モル%である混合活性水
    素化合物を用いることを特徴とするポリオキシアルキレ
    ンポリオールの製造方法。
  2. 【請求項2】 P=N結合を有する化合物触媒の使用量
    が、混合活性水素化合物の活性水素基に対して0.01
    〜0.6モル%であることを特徴とする請求項1記載の
    ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
  3. 【請求項3】 P=N結合を有する化合物が、ホスファ
    ゼニウム化合物、ホスフィンオキシド化合物、及びホス
    ファゼン化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で
    あることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキ
    レンポリオールの製造方法。
  4. 【請求項4】 オキシアルキレン化活性水素化合物の水
    酸基価が20〜450mgKOH/gであることを特徴
    とする請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオール
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 プロピレンオキサイドによりオキシアル
    キレン化されたオキシアルキレン化活性水素化合物を用
    いることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキ
    レンポリオールの製造方法。
  6. 【請求項6】 非オキシアルキレン化活性水素化合物及
    びオキシアルキレン化活性水素化合物が、2〜8価の水
    酸基を有する化合物であることを特徴とする請求項1記
    載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリオキシアルキレンポリオールの水酸
    基価が2〜120mgKOH/gであることを特徴とす
    る請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオールの製
    造方法。
JP2000002143A 2000-01-11 2000-01-11 ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 Expired - Lifetime JP4311843B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000002143A JP4311843B2 (ja) 2000-01-11 2000-01-11 ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000002143A JP4311843B2 (ja) 2000-01-11 2000-01-11 ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001192448A true JP2001192448A (ja) 2001-07-17
JP4311843B2 JP4311843B2 (ja) 2009-08-12

Family

ID=18531280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000002143A Expired - Lifetime JP4311843B2 (ja) 2000-01-11 2000-01-11 ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4311843B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022048099A1 (zh) * 2020-09-01 2022-03-10 万华化学集团股份有限公司 一种窄分布三乙醇胺嵌段聚醚的制备方法、嵌段聚醚及其应用

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0459825A (ja) * 1990-06-29 1992-02-26 Asahi Glass Co Ltd ポリエーテル類の製造方法
JPH04216823A (ja) * 1990-12-18 1992-08-06 Asahi Glass Co Ltd ポリエーテル類の製造法
JPH1036499A (ja) * 1995-09-12 1998-02-10 Mitsui Petrochem Ind Ltd アルキレンオキシド化合物重合用触媒およびポリアルキレンオキシドの製造方法
JPH11302371A (ja) * 1998-04-16 1999-11-02 Mitsui Chem Inc ポリアルキレンオキシドの製造方法
JPH11322918A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Mitsui Chem Inc ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0459825A (ja) * 1990-06-29 1992-02-26 Asahi Glass Co Ltd ポリエーテル類の製造方法
JPH04216823A (ja) * 1990-12-18 1992-08-06 Asahi Glass Co Ltd ポリエーテル類の製造法
JPH1036499A (ja) * 1995-09-12 1998-02-10 Mitsui Petrochem Ind Ltd アルキレンオキシド化合物重合用触媒およびポリアルキレンオキシドの製造方法
JPH11302371A (ja) * 1998-04-16 1999-11-02 Mitsui Chem Inc ポリアルキレンオキシドの製造方法
JPH11322918A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Mitsui Chem Inc ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022048099A1 (zh) * 2020-09-01 2022-03-10 万华化学集团股份有限公司 一种窄分布三乙醇胺嵌段聚醚的制备方法、嵌段聚醚及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP4311843B2 (ja) 2009-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3905638B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオール及びその誘導体、並びに、該ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
KR101290422B1 (ko) 폴리에스테르에테르폴리(모노)올의 제조 방법
KR100368077B1 (ko) 폴리옥시알킬렌폴리올 및 그 유도체의 제조방법
JP4912602B2 (ja) Dmc触媒法において、開始剤フィードストリームの酸性化
JP3933790B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオール及びポリマー分散ポリオール
CN110885435B (zh) 高官能度聚醚多元醇的制备方法
KR20120080597A (ko) 폴리에테르류 및 그 제조 방법
AU619359B2 (en) Process for the preparation of polyether polyols with reduced unsaturation
CN1264889C (zh) 由膦酸铝催化的聚醚醇生产的聚氨酯产物
US5003111A (en) Isobutylene oxide polyols
CN105579491B (zh) 用于制造聚(环氧丁烷)多元醇的方法
JP2001106780A (ja) ポリオキシアルキレンポリオール及びその誘導体の製造方法
CN104497298B (zh) 制备低不饱和度、高分子量、高活性聚醚多元醇的方法
JP4128182B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP4311843B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP3739178B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP2001261813A (ja) ポリオキシアルキレンポリオール及びその製造方法
JP4041586B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP3933791B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
CN104497046B (zh) 有机醇盐及其制备方法
JP3739175B2 (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP2000154245A (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの精製方法
CN115141368B (zh) 有机磷醇盐催化剂及其制备方法
JPH08143659A (ja) ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法
JP3865476B2 (ja) 潤滑性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20010522

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090512

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4311843

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130522

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130522

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term