JP3025312B2 - ポリエーテル類の製造法 - Google Patents
ポリエーテル類の製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合金属シアン化物錯体
触媒を使用した高分子量のポリエーテルポリオールの製
造方法に関する。
触媒を使用した高分子量のポリエーテルポリオールの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イニシエーターにアルキレンオキサイド
などのモノエポキサイドを開環反応させて得られるポリ
エーテル類はポリウレタンなどの合成樹脂の原料、界面
活性剤、潤滑剤、その他の用途に広く用いられている。
イニシエーターはA-(H)n、(A;水酸基含有化合物の
水酸基の水素原子を除いた残基、n;1以上の整数)で
表わされる水酸基含有化合物である。イニシエーターと
しては、例えば1価アルコール、多価アルコール、1価
フェノール、多価フェノールなどがある。また、ヒドロ
キシアルキルアミノ基を有する化合物(アルカノールア
ミン類やアミン類−アルキレンオキサイド付加物など)
もイニシエーターとして用いられる。さらに上記イニシ
エーターにモノエポキサイドを反応させて得られるポリ
エーテル類もまたイニシエーターとして用いられる。
などのモノエポキサイドを開環反応させて得られるポリ
エーテル類はポリウレタンなどの合成樹脂の原料、界面
活性剤、潤滑剤、その他の用途に広く用いられている。
イニシエーターはA-(H)n、(A;水酸基含有化合物の
水酸基の水素原子を除いた残基、n;1以上の整数)で
表わされる水酸基含有化合物である。イニシエーターと
しては、例えば1価アルコール、多価アルコール、1価
フェノール、多価フェノールなどがある。また、ヒドロ
キシアルキルアミノ基を有する化合物(アルカノールア
ミン類やアミン類−アルキレンオキサイド付加物など)
もイニシエーターとして用いられる。さらに上記イニシ
エーターにモノエポキサイドを反応させて得られるポリ
エーテル類もまたイニシエーターとして用いられる。
【0003】ポリエーテル類は上記イニシエーターにモ
ノエポキサイドを多数開環付加反応させて得られる下記
のような化合物である。 A-[−(-R−O-)m −H]n ただし、(-R−O-)はモノエポキサイドの開環反応した
単位、mは整数を表わす。
ノエポキサイドを多数開環付加反応させて得られる下記
のような化合物である。 A-[−(-R−O-)m −H]n ただし、(-R−O-)はモノエポキサイドの開環反応した
単位、mは整数を表わす。
【0004】従来、ポリエーテル類を製造する方法とし
てアルカリ触媒存在下にモノエポキサイドを反応させる
方法が広く用いられている。アルカリ触媒としては水酸
化カリウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属化合
物が使用されていた。しかしアルカリ触媒を使用して得
られるポリエーテル類では、次のような問題点があっ
た。すなわちモノエポキサイド、特にプロピレンオキサ
イドの異性化により生成した不飽和モノオールが開始剤
となり、これにモノエポキサイドが開環付加した不飽和
ポリエーテルモノオール(以下、これも不飽和モノオー
ルという)が生成する。ポリエーテル類の分子量が高く
なるにつれて異性化の割合は増え、この傾向は、分子量
6500以上(3官能の場合)で顕著になるためモノエポキ
サイドにプロピレンオキサイドを用いた場合、分子量65
00以上のポリエーテル類の合成は事実上不可能であっ
た。
てアルカリ触媒存在下にモノエポキサイドを反応させる
方法が広く用いられている。アルカリ触媒としては水酸
化カリウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属化合
物が使用されていた。しかしアルカリ触媒を使用して得
られるポリエーテル類では、次のような問題点があっ
た。すなわちモノエポキサイド、特にプロピレンオキサ
イドの異性化により生成した不飽和モノオールが開始剤
となり、これにモノエポキサイドが開環付加した不飽和
ポリエーテルモノオール(以下、これも不飽和モノオー
ルという)が生成する。ポリエーテル類の分子量が高く
なるにつれて異性化の割合は増え、この傾向は、分子量
6500以上(3官能の場合)で顕著になるためモノエポキ
サイドにプロピレンオキサイドを用いた場合、分子量65
00以上のポリエーテル類の合成は事実上不可能であっ
た。
【0005】一方、触媒として複合金属シアン化物錯体
を用いてポリエーテル類を製造することは知られている
(例えば、次の米国特許明細書参照、US 3278457,US 32
78458,US 3278459,US 3427256,US 3427334,US 342733
5)。この触媒は上記不飽和モノオールの生成が少なく、
また極めて高分子量のポリエーテル類を製造することも
可能である。また、この触媒は高活性であり、同等活性
のアルカリ触媒使用量に比較して触媒使用量が少なくて
すむ(通常モル比で1/30〜1/500 )という特徴も有
している。
を用いてポリエーテル類を製造することは知られている
(例えば、次の米国特許明細書参照、US 3278457,US 32
78458,US 3278459,US 3427256,US 3427334,US 342733
5)。この触媒は上記不飽和モノオールの生成が少なく、
また極めて高分子量のポリエーテル類を製造することも
可能である。また、この触媒は高活性であり、同等活性
のアルカリ触媒使用量に比較して触媒使用量が少なくて
すむ(通常モル比で1/30〜1/500 )という特徴も有
している。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】しかし上記複合金属シ
アン化物錯体触媒は以下のような問題点を有している。
即ち、イニシエーターにモノエポサイドを開環反応させ
る初期の段階において、イニシエーターに対する複合金
属シアン化物錯体触媒の濃度が低い場合、モノエポキサ
イドの反応性が低下する、最終的に得られるポリエーテ
ル類の分子量分布が広くなる、最終的に得られるポリエ
ーテル類の粘度が高くなる、等の問題を生じる。
アン化物錯体触媒は以下のような問題点を有している。
即ち、イニシエーターにモノエポサイドを開環反応させ
る初期の段階において、イニシエーターに対する複合金
属シアン化物錯体触媒の濃度が低い場合、モノエポキサ
イドの反応性が低下する、最終的に得られるポリエーテ
ル類の分子量分布が広くなる、最終的に得られるポリエ
ーテル類の粘度が高くなる、等の問題を生じる。
【0007】この初期の反応における上記問題を解決す
るために触媒濃度を高めるとポリエーテル類製造後ポリ
エーテル類から触媒を除去する精製工程において十分に
触媒を除去することが困難となる。特に目的とするポリ
エーテル類が高分子量のものであるとその粘度が極めて
高いものとなるので、多量の触媒を除去することはます
ます困難となる。しかも反応の初期の段階以降はそれほ
ど高濃度の触媒を必要としないことより、経済性の面で
も好ましいとは言えない。
るために触媒濃度を高めるとポリエーテル類製造後ポリ
エーテル類から触媒を除去する精製工程において十分に
触媒を除去することが困難となる。特に目的とするポリ
エーテル類が高分子量のものであるとその粘度が極めて
高いものとなるので、多量の触媒を除去することはます
ます困難となる。しかも反応の初期の段階以降はそれほ
ど高濃度の触媒を必要としないことより、経済性の面で
も好ましいとは言えない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされた下記の発明を提供するものであ
る。
を解決すべくなされた下記の発明を提供するものであ
る。
【0009】複合金属シアン化物錯体触媒の存在下少な
くとも1個の水酸基を有するイニシエーターにモノエポ
キサイドを開環付加反応させてポリエーテル類を製造す
る方法において、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下
第1のイニシエーターにモノエポキサイドを開環付加反
応させてポリエーテル中間体を製造し、次いで第1のイ
ニシエーターと同一あるいは異なる第2のイニシエータ
ーと任意に複合金属シアン化物錯体触媒とを添加し、し
かもそのときのポリエーテル中間体と第2のイニシエー
ターの合計に対する複合金属シアン化物錯体触媒の濃度
を上記ポリエーテル中間体における複合金属シアン化物
錯体触媒の濃度よりも低いものとし、引き続きポリエー
テル中間体と第2のイニシエーターの混合物にモノエポ
キサイドを反応させることを特徴とするポリエーテル類
の製造法。
くとも1個の水酸基を有するイニシエーターにモノエポ
キサイドを開環付加反応させてポリエーテル類を製造す
る方法において、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下
第1のイニシエーターにモノエポキサイドを開環付加反
応させてポリエーテル中間体を製造し、次いで第1のイ
ニシエーターと同一あるいは異なる第2のイニシエータ
ーと任意に複合金属シアン化物錯体触媒とを添加し、し
かもそのときのポリエーテル中間体と第2のイニシエー
ターの合計に対する複合金属シアン化物錯体触媒の濃度
を上記ポリエーテル中間体における複合金属シアン化物
錯体触媒の濃度よりも低いものとし、引き続きポリエー
テル中間体と第2のイニシエーターの混合物にモノエポ
キサイドを反応させることを特徴とするポリエーテル類
の製造法。
【0010】本発明における複合金属シアン化物錯体
は、前記公知例に示されているように下記一般式(1) の
構造を有すると考えられる。 M1 a[M2 x(CN)y]b(H2O)c(R)d … (1)
は、前記公知例に示されているように下記一般式(1) の
構造を有すると考えられる。 M1 a[M2 x(CN)y]b(H2O)c(R)d … (1)
【0011】ただし、M1は Zn(II)、Fe(II)、Fe(III)、Co
(II)、Ni(II)、Al(III)、Sr(II)、Mn(II)、Cr(III)、Cu(II)、S
n(II)、Pb(II)、Mo(IV)、Mo(VI)、W(IV)、W(VI) などであ
り、M2はFe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(II
I)、Mn(II)、Mn(III)、Ni(II)、V(IV)、V(V) などであり、R
は有機配位子であり、a,b,xおよびyは、金属の原
子価と配位数により変わる正の整数であり、cおよびd
は金属の配位数により変わる正の数である。
(II)、Ni(II)、Al(III)、Sr(II)、Mn(II)、Cr(III)、Cu(II)、S
n(II)、Pb(II)、Mo(IV)、Mo(VI)、W(IV)、W(VI) などであ
り、M2はFe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(II
I)、Mn(II)、Mn(III)、Ni(II)、V(IV)、V(V) などであり、R
は有機配位子であり、a,b,xおよびyは、金属の原
子価と配位数により変わる正の整数であり、cおよびd
は金属の配位数により変わる正の数である。
【0012】一般式(1) におけるM1はZn(II)が好まし
く、M2はFe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III) などが好まし
い。有機配位子としては、たとえばケトン、エーテル、
アルデヒド、エステル、アルコール、アミドなどがあ
る。
く、M2はFe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III) などが好まし
い。有機配位子としては、たとえばケトン、エーテル、
アルデヒド、エステル、アルコール、アミドなどがあ
る。
【0013】上述のごとく一般式(1) で表わされる複合
金属シアン化物錯体は、金属塩 M1Xa ( M1、aは上述と
同様、X はM1と塩を形成するアニオン) とポリシアノメ
タレート(塩)Ze[ M2 x(CN)y]f(M2,x,yは上述と同
様。Z は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属など、
e,fは Z,M2の原子価と配位数により決まる正の整
数)のそれぞれの水溶液または水と有機溶剤の混合溶媒
の溶液を混ぜ合わせ、得られた複合金属シアン化物に有
機配位子Rを接触させた後、余分な溶媒および有機化合
物Rを除去することにより製造される。
金属シアン化物錯体は、金属塩 M1Xa ( M1、aは上述と
同様、X はM1と塩を形成するアニオン) とポリシアノメ
タレート(塩)Ze[ M2 x(CN)y]f(M2,x,yは上述と同
様。Z は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属など、
e,fは Z,M2の原子価と配位数により決まる正の整
数)のそれぞれの水溶液または水と有機溶剤の混合溶媒
の溶液を混ぜ合わせ、得られた複合金属シアン化物に有
機配位子Rを接触させた後、余分な溶媒および有機化合
物Rを除去することにより製造される。
【0014】ポリシアノメタレート(塩)Ze[ M2 x(C
N)y]fは、Z には水素やアルカリ金属をはじめとする種
々の金属を使用しうるが、リチウム塩、ナトリウム塩、
カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩が好まし
い。特に好ましくは通常のアルカリ金属塩、即ちナトリ
ウム塩とカリウム塩である。
N)y]fは、Z には水素やアルカリ金属をはじめとする種
々の金属を使用しうるが、リチウム塩、ナトリウム塩、
カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩が好まし
い。特に好ましくは通常のアルカリ金属塩、即ちナトリ
ウム塩とカリウム塩である。
【0015】この複合金属シアン化物触媒を用いると、
不飽和モノオールの含有量の少ない、あるいは不飽和モ
ノオールの含有量が少なくかつ極めて高分子量の、ポリ
エーテル類を合成することが可能である。
不飽和モノオールの含有量の少ない、あるいは不飽和モ
ノオールの含有量が少なくかつ極めて高分子量の、ポリ
エーテル類を合成することが可能である。
【0016】ポリエーテル類は通常モノエポキサイドと
イニシエーターとの混合物に触媒を存在させて反応させ
ることにより製造される。また、反応系にモノエポキサ
イドを徐々に加えながら反応を行うこともできる。反応
は常温下でも起きるが、必要により、反応系を加熱ある
いは冷却することもできる。複合金属シアン化物錯体触
媒の使用量は特に限定されるものではないが、最終的に
得られるポリエーテル類中の濃度で表わして20〜200ppm
であることが好ましい。この触媒の最終濃度が低いほど
その後ポリエーテル類から触媒を除去する精製が容易と
なる。この触媒の最終濃度は、必ずしもイニシエーター
中の触媒濃度を規定するものではない。なぜなら、イニ
シエーター中の触媒濃度が一定であっても反応させるモ
ノエポキサイドの量が多くなるほど触媒の最終濃度は低
くなるからである。
イニシエーターとの混合物に触媒を存在させて反応させ
ることにより製造される。また、反応系にモノエポキサ
イドを徐々に加えながら反応を行うこともできる。反応
は常温下でも起きるが、必要により、反応系を加熱ある
いは冷却することもできる。複合金属シアン化物錯体触
媒の使用量は特に限定されるものではないが、最終的に
得られるポリエーテル類中の濃度で表わして20〜200ppm
であることが好ましい。この触媒の最終濃度が低いほど
その後ポリエーテル類から触媒を除去する精製が容易と
なる。この触媒の最終濃度は、必ずしもイニシエーター
中の触媒濃度を規定するものではない。なぜなら、イニ
シエーター中の触媒濃度が一定であっても反応させるモ
ノエポキサイドの量が多くなるほど触媒の最終濃度は低
くなるからである。
【0017】本発明ではモノエポキサイドの反応を少な
くとも2段に分けて行なう。前段では比較的高い触媒濃
度で反応を行ない、後段では比較的低い触媒濃度で反応
を行なう。そして、前段と後段の間で新たなイニシエー
ターが追加添加され、そのとき触媒が新たに追加添加さ
れてもよい。前段での触媒濃度が高いことより、モノエ
ポキサイドの高い反応性が発揮され、後段での触媒濃度
が低くてもモノエポキサイドの高い反応性が確保され、
しかも最終的に得られるポリエーテル類の分子量分布は
十分に狭くかつポリエーテル類の粘度が低いものとな
る。
くとも2段に分けて行なう。前段では比較的高い触媒濃
度で反応を行ない、後段では比較的低い触媒濃度で反応
を行なう。そして、前段と後段の間で新たなイニシエー
ターが追加添加され、そのとき触媒が新たに追加添加さ
れてもよい。前段での触媒濃度が高いことより、モノエ
ポキサイドの高い反応性が発揮され、後段での触媒濃度
が低くてもモノエポキサイドの高い反応性が確保され、
しかも最終的に得られるポリエーテル類の分子量分布は
十分に狭くかつポリエーテル類の粘度が低いものとな
る。
【0018】本発明において、上記の効果が発揮される
理由は明確なものではないが、反応開始時点において反
応系内の微量の水分や塩基性不純物などの存在により触
媒が被毒され活性が低下するためであると予想される。
従って、反応の初期の触媒濃度を高くして初期の活性を
確保することにより、たとえ触媒の総使用量が同一であ
っても上記のような1段法とは異なる効果が発揮され
る。なお、1段法の場合もモノエポキサイドの反応量に
比例して触媒濃度は低下するが、本発明は前段終了時に
おける触媒濃度よりも低い触媒濃度で後段の反応を始め
ることに特徴がある。
理由は明確なものではないが、反応開始時点において反
応系内の微量の水分や塩基性不純物などの存在により触
媒が被毒され活性が低下するためであると予想される。
従って、反応の初期の触媒濃度を高くして初期の活性を
確保することにより、たとえ触媒の総使用量が同一であ
っても上記のような1段法とは異なる効果が発揮され
る。なお、1段法の場合もモノエポキサイドの反応量に
比例して触媒濃度は低下するが、本発明は前段終了時に
おける触媒濃度よりも低い触媒濃度で後段の反応を始め
ることに特徴がある。
【0019】本発明における前段の反応では、複合金属
シアン化物錯体触媒存在下第1のイニシエーターにモノ
エポキサイドを反応させてポリエーテル中間体を製造す
る。前段における触媒濃度は、第1のイニシエーター中
の触媒濃度が200ppmを越える量であることが好ま
しい。上限は800ppmが好ましい。前記のように触
媒濃度が低過ぎると活性が不十分となり、高過ぎると精
製における触媒除去が困難となる。好ましい触媒濃度は
300〜800ppmであり、特に好ましい触媒濃度は
300〜700ppmである。
シアン化物錯体触媒存在下第1のイニシエーターにモノ
エポキサイドを反応させてポリエーテル中間体を製造す
る。前段における触媒濃度は、第1のイニシエーター中
の触媒濃度が200ppmを越える量であることが好ま
しい。上限は800ppmが好ましい。前記のように触
媒濃度が低過ぎると活性が不十分となり、高過ぎると精
製における触媒除去が困難となる。好ましい触媒濃度は
300〜800ppmであり、特に好ましい触媒濃度は
300〜700ppmである。
【0020】ポリエーテル中間体を製造するための第1
のイニシエーターに対するモノエポキサイドの反応量
は、イニシエーターの水酸基1個当たりモノエポキサイ
ド1分子以上が好ましい。即ち、N個の水酸基を有する
イニシエーター1モル当たりNモル以上が好ましい。上
限は特に限定されるものではないが、本発明の目的や経
済性等の面から、ポリエーテル類の製造に用いる全モノ
エポキサイドの10重量%以下が好ましい。通常、これに
より目的ポリエーテル類よりも低分子量のポリエーテル
中間体が得られる。
のイニシエーターに対するモノエポキサイドの反応量
は、イニシエーターの水酸基1個当たりモノエポキサイ
ド1分子以上が好ましい。即ち、N個の水酸基を有する
イニシエーター1モル当たりNモル以上が好ましい。上
限は特に限定されるものではないが、本発明の目的や経
済性等の面から、ポリエーテル類の製造に用いる全モノ
エポキサイドの10重量%以下が好ましい。通常、これに
より目的ポリエーテル類よりも低分子量のポリエーテル
中間体が得られる。
【0021】ポリエーテル中間体を製造した後、次に第
2のイニシエーターを加える。後段においては、ポリエ
ーテル中間体と第2のイニシエーターの混合物がイニシ
エーターとなる。この混合イニシエーターにおける触媒
濃度は、ポリエーテル中間体における触媒濃度よりも低
いものとする。通常第2のイニシエーターは多量に使用
されるので触媒を追加しないと混合イニシエーターにお
ける触媒濃度が低過ぎる結果となるおそれがある。従っ
て、通常は後段の反応を始める前に触媒を追加する。
2のイニシエーターを加える。後段においては、ポリエ
ーテル中間体と第2のイニシエーターの混合物がイニシ
エーターとなる。この混合イニシエーターにおける触媒
濃度は、ポリエーテル中間体における触媒濃度よりも低
いものとする。通常第2のイニシエーターは多量に使用
されるので触媒を追加しないと混合イニシエーターにお
ける触媒濃度が低過ぎる結果となるおそれがある。従っ
て、通常は後段の反応を始める前に触媒を追加する。
【0022】後段の反応を始める際の混合イニシエータ
ー中の触媒濃度は、50〜250ppmであることが好
ましい。加えて、この触媒濃度は、前段の終了時におけ
るポリエーテル中間体中の触媒濃度よりも両者の差で表
わして100ppm以上少ないことが好ましい。追加の
触媒は、第2のイニシエーターとは別に添加してもよ
く、予め第2のイニシエーターに添加して使用してもよ
い。なお、追加の触媒の使用量は、第2のイニシエータ
ー中の触媒濃度が50〜250ppmとなる量が適当で
ある。
ー中の触媒濃度は、50〜250ppmであることが好
ましい。加えて、この触媒濃度は、前段の終了時におけ
るポリエーテル中間体中の触媒濃度よりも両者の差で表
わして100ppm以上少ないことが好ましい。追加の
触媒は、第2のイニシエーターとは別に添加してもよ
く、予め第2のイニシエーターに添加して使用してもよ
い。なお、追加の触媒の使用量は、第2のイニシエータ
ー中の触媒濃度が50〜250ppmとなる量が適当で
ある。
【0023】第1のイニシエーターと第2のイニシエー
ターの使用割合は特に限定されるものではないが、本発
明の目的や経済性等の面から、使用する第1のイニシエ
ーターと第2のイニシエーターとの重量比(第1のイニ
シエーター/第2のイニシエーター)は、40/60〜5/
95であることが好ましい。特に、30/70〜10/90である
ことが好ましい。
ターの使用割合は特に限定されるものではないが、本発
明の目的や経済性等の面から、使用する第1のイニシエ
ーターと第2のイニシエーターとの重量比(第1のイニ
シエーター/第2のイニシエーター)は、40/60〜5/
95であることが好ましい。特に、30/70〜10/90である
ことが好ましい。
【0024】後段の反応では、上記混合イニシエーター
に目的とする分子量のポリエーテル類が得られるまでモ
ノエポキサイドを反応させる。2つのイニシエーターの
水酸基数が同一でかつモノエポキサイドの反応量が十分
に多い場合、得られるポリエーテル類は分子量の面で実
質上単一と見なすことができるポリエーテル類が得られ
る。
に目的とする分子量のポリエーテル類が得られるまでモ
ノエポキサイドを反応させる。2つのイニシエーターの
水酸基数が同一でかつモノエポキサイドの反応量が十分
に多い場合、得られるポリエーテル類は分子量の面で実
質上単一と見なすことができるポリエーテル類が得られ
る。
【0025】目的の分子量を有するポリエーテル類が得
られた後、通常触媒を失活させポリエーテル類から触媒
残渣を除去する精製が行なわれる。ある場合には、他の
触媒を用いてモノエポキサイドを反応させてもよい。例
えば、複合金属シアン化物錯体触媒を用いて比較的高分
子量の水酸基末端ポリエーテルにエチレンオキサイドを
反応させることは困難であり、そのため触媒をアルカリ
金属触媒に変換した後エチレンオキサイドを反応させる
手段が知られている。従って、本発明により製造したポ
リエーテル類にこの手段を適用して、その後に精製を行
なってもよい。
られた後、通常触媒を失活させポリエーテル類から触媒
残渣を除去する精製が行なわれる。ある場合には、他の
触媒を用いてモノエポキサイドを反応させてもよい。例
えば、複合金属シアン化物錯体触媒を用いて比較的高分
子量の水酸基末端ポリエーテルにエチレンオキサイドを
反応させることは困難であり、そのため触媒をアルカリ
金属触媒に変換した後エチレンオキサイドを反応させる
手段が知られている。従って、本発明により製造したポ
リエーテル類にこの手段を適用して、その後に精製を行
なってもよい。
【0026】本発明におけるイニシエーターは少なくと
も1個の水酸基を有する化合物である。水酸基の数に上
限はないが、好ましくは1〜8である。またその分子量
は、目的とするポリエーテル類よりも低分子量のもので
あり、好ましくは、目的とするポリエーテル類の分子量
の1/2以下、または水酸基当たりの分子量が1000以下
(勿論、目的とするポリエーテル類の分子量以下)の化
合物である。特に好ましくは、目的とするポリエーテル
類の分子量の1/2以下でかつ水酸基当たりの分子量が
500以下の化合物である。
も1個の水酸基を有する化合物である。水酸基の数に上
限はないが、好ましくは1〜8である。またその分子量
は、目的とするポリエーテル類よりも低分子量のもので
あり、好ましくは、目的とするポリエーテル類の分子量
の1/2以下、または水酸基当たりの分子量が1000以下
(勿論、目的とするポリエーテル類の分子量以下)の化
合物である。特に好ましくは、目的とするポリエーテル
類の分子量の1/2以下でかつ水酸基当たりの分子量が
500以下の化合物である。
【0027】第1のイニシエーターと第2のイニシエー
ターは、同一の化合物であっても異なる化合物であって
もよい。通常は同一の化合物が使用される。しかし、水
酸基数が同一の異なる化合物も使用できる。なぜなら、
目的とするポリエーテル類の分子量が高くなるほど、水
酸基数が同一である限り低分子量のイニシエーターの残
基がポリエーテル類の性質に及ぼす影響は少ないからで
ある。この場合は特に、モノエポキサイドの付加量が異
なる以外は同一のイニシエーターの使用が好ましい。ま
たある場合には、水酸基数の異なるイニシエーターを使
用してもよい。その場合、ポリエーテル類として異なる
水酸基数を有するポリエーテルの混合物が得られる。
ターは、同一の化合物であっても異なる化合物であって
もよい。通常は同一の化合物が使用される。しかし、水
酸基数が同一の異なる化合物も使用できる。なぜなら、
目的とするポリエーテル類の分子量が高くなるほど、水
酸基数が同一である限り低分子量のイニシエーターの残
基がポリエーテル類の性質に及ぼす影響は少ないからで
ある。この場合は特に、モノエポキサイドの付加量が異
なる以外は同一のイニシエーターの使用が好ましい。ま
たある場合には、水酸基数の異なるイニシエーターを使
用してもよい。その場合、ポリエーテル類として異なる
水酸基数を有するポリエーテルの混合物が得られる。
【0028】イニシエーターとしては特に2〜8個の水
酸基を有するポリヒドロキシ化合物が好ましい。ポリヒ
ドロキシ化合物としては、たとえばエチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどの2価アルコール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール
などの3価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリ
セリン、デキストロース、ソルビトール、シュークロー
スなどの4価以上のアルコール、およびこれらのアルコ
ールにアルキレンオキサイドなどのモノエポキサイドを
反応させて得られる目的物よりも低分子量のポリエーテ
ル類がある。
酸基を有するポリヒドロキシ化合物が好ましい。ポリヒ
ドロキシ化合物としては、たとえばエチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどの2価アルコール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール
などの3価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリ
セリン、デキストロース、ソルビトール、シュークロー
スなどの4価以上のアルコール、およびこれらのアルコ
ールにアルキレンオキサイドなどのモノエポキサイドを
反応させて得られる目的物よりも低分子量のポリエーテ
ル類がある。
【0029】また、ビスフェノールA、レゾール、ノボ
ラックなどのフェノール性水酸基やメチロール基を有す
る化合物、エタノールアミン、ジエタノールアミンなど
の水酸基と他の活性水素を有する化合物、およびこれら
にアルキレンオキサイドなどのモノエポキサイドを反応
させて得られる目的物よりも低分子量のポリエーテル類
がある。さらに、窒素原子に結合した水素原子を少なく
とも2個有するモノアミンやポリアミンにアルキレンオ
キサイドなどのモノエポキサイドを反応させて得られる
目的物よりも低分子量のポリエーテル類がある。その
他、リン酸やその誘導体、その他のポリヒドロキシ化合
物も使用できる。これらポリヒドロキシ化合物は2種以
上を併用することもできる。
ラックなどのフェノール性水酸基やメチロール基を有す
る化合物、エタノールアミン、ジエタノールアミンなど
の水酸基と他の活性水素を有する化合物、およびこれら
にアルキレンオキサイドなどのモノエポキサイドを反応
させて得られる目的物よりも低分子量のポリエーテル類
がある。さらに、窒素原子に結合した水素原子を少なく
とも2個有するモノアミンやポリアミンにアルキレンオ
キサイドなどのモノエポキサイドを反応させて得られる
目的物よりも低分子量のポリエーテル類がある。その
他、リン酸やその誘導体、その他のポリヒドロキシ化合
物も使用できる。これらポリヒドロキシ化合物は2種以
上を併用することもできる。
【0030】本発明は、また、1価のイニシエーターに
モノエポキサイドを開環反応せしめてポリエーテルモノ
オールを製造する方法にも適用できる。1価のイニシエ
ーターとしては、たとえばメタノール、エタノール、ブ
タノール、ヘキサノール、その他のモノオール、フェノ
ール、アルキル置換フェノールなどのフェノール誘導
体、およびこれらにアルキレンオキサイドなどのモノエ
ポキサイドを反応させて得られる目的物よりも低分子量
のポリエーテル類がある。さらに、窒素原子に結合した
水素原子を1個有するモノアミンやポリアミンにアルキ
レンオキサイドなどのモノエポキサイドを反応させて得
られる目的物よりも低分子量のポリエーテル類がある。
モノエポキサイドを開環反応せしめてポリエーテルモノ
オールを製造する方法にも適用できる。1価のイニシエ
ーターとしては、たとえばメタノール、エタノール、ブ
タノール、ヘキサノール、その他のモノオール、フェノ
ール、アルキル置換フェノールなどのフェノール誘導
体、およびこれらにアルキレンオキサイドなどのモノエ
ポキサイドを反応させて得られる目的物よりも低分子量
のポリエーテル類がある。さらに、窒素原子に結合した
水素原子を1個有するモノアミンやポリアミンにアルキ
レンオキサイドなどのモノエポキサイドを反応させて得
られる目的物よりも低分子量のポリエーテル類がある。
【0031】これらイニシエーターとしては特に1〜多
価のアルコールあるいはフェノール類のアルキレンオキ
サイド付加物が好ましい。その水酸基当たりの分子量
は、1000以下、特に 500以下が好ましい。その下限は、
水酸基当たり1個のアルキレンオキサイドが付加した場
合の分子量である。
価のアルコールあるいはフェノール類のアルキレンオキ
サイド付加物が好ましい。その水酸基当たりの分子量
は、1000以下、特に 500以下が好ましい。その下限は、
水酸基当たり1個のアルキレンオキサイドが付加した場
合の分子量である。
【0032】本発明におけるモノエポキサイドは、炭素
数3以上のアルキレンオキサイドが好ましい。さらに好
ましくは、プロピレンオキサイド、1,2 −ブチレンオキ
サイド、2,3 −ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリ
ンなどの炭素数3〜4のアルキレンオキサイドが好まし
く、最も好ましくはプロピレンオキサイドである。それ
ら単独あるいはそれらの2種以上またはそれらとスチレ
ンオキサイド、グリシジルエーテル、グリシジルエステ
ルなどの他のモノエポキサイドを併用して使用すること
ができる。場合によっては、炭素数2のモノエポキサイ
ド、即ちエチレンオキサイド、をこれらモノエポキサイ
ドと併用することもできる。2種以上のアルキレンオキ
サイドの使用あるいはアルキレンオキサイドと他のモノ
エポキサイドの使用の場合は、それらを混合して付加し
あるいは順次付加し、ランダム重合鎖やブロック重合鎖
を形成することができる。
数3以上のアルキレンオキサイドが好ましい。さらに好
ましくは、プロピレンオキサイド、1,2 −ブチレンオキ
サイド、2,3 −ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリ
ンなどの炭素数3〜4のアルキレンオキサイドが好まし
く、最も好ましくはプロピレンオキサイドである。それ
ら単独あるいはそれらの2種以上またはそれらとスチレ
ンオキサイド、グリシジルエーテル、グリシジルエステ
ルなどの他のモノエポキサイドを併用して使用すること
ができる。場合によっては、炭素数2のモノエポキサイ
ド、即ちエチレンオキサイド、をこれらモノエポキサイ
ドと併用することもできる。2種以上のアルキレンオキ
サイドの使用あるいはアルキレンオキサイドと他のモノ
エポキサイドの使用の場合は、それらを混合して付加し
あるいは順次付加し、ランダム重合鎖やブロック重合鎖
を形成することができる。
【0033】得られるポリエーテル類の分子量は特に限
定されるものではない。しかし、常温で液状である製品
がその用途の面から好ましい。イニシエーター1モルに
対するモノエポキサイドの反応量は少なくとも約10モル
が好ましく、少なくとも約50モルがより好ましい。さら
に好ましくは、イニシエーターの水酸基当たり平均少な
くとも約10分子、特に少なくとも約30分子反応させて得
られるポリエーテル類が好ましい。また水酸基価で表わ
せば、200 以下、特に100 以下が適当である。たとえ
ば、ポリウレタンの原料としては、水酸基価で表して約
5〜200、特に5〜60の液状ポリエーテルポリオールが好
ましい。他の用途、 例えば作動油等の油の原料なども上
記範囲のポリエーテルポリ(あるいはモノ)オールが好
ましい。
定されるものではない。しかし、常温で液状である製品
がその用途の面から好ましい。イニシエーター1モルに
対するモノエポキサイドの反応量は少なくとも約10モル
が好ましく、少なくとも約50モルがより好ましい。さら
に好ましくは、イニシエーターの水酸基当たり平均少な
くとも約10分子、特に少なくとも約30分子反応させて得
られるポリエーテル類が好ましい。また水酸基価で表わ
せば、200 以下、特に100 以下が適当である。たとえ
ば、ポリウレタンの原料としては、水酸基価で表して約
5〜200、特に5〜60の液状ポリエーテルポリオールが好
ましい。他の用途、 例えば作動油等の油の原料なども上
記範囲のポリエーテルポリ(あるいはモノ)オールが好
ましい。
【0034】本発明により得られるポリエーテルポリオ
ールは、それ単独であるいは他のポリオール類と併用し
て用いられるポリウレタン原料用のポリオールとして最
も有用である。また、本発明により得られるポリエーテ
ルポリ(あるいはモノ)オールは、ポリウレタン以外の
合成樹脂の原料や添加剤の用途にも用いられる。さら
に、潤滑油、絶縁油、作動油、その他の油として、ある
いはその原料として用いることができる。さらに、本発
明により得られたポリエーテル類はアルキルエーテル化
物やアシル化物などの他の化合物に変換して種々の用途
に使用しうる。
ールは、それ単独であるいは他のポリオール類と併用し
て用いられるポリウレタン原料用のポリオールとして最
も有用である。また、本発明により得られるポリエーテ
ルポリ(あるいはモノ)オールは、ポリウレタン以外の
合成樹脂の原料や添加剤の用途にも用いられる。さら
に、潤滑油、絶縁油、作動油、その他の油として、ある
いはその原料として用いることができる。さらに、本発
明により得られたポリエーテル類はアルキルエーテル化
物やアシル化物などの他の化合物に変換して種々の用途
に使用しうる。
【0035】以下に本発明を実施例および比較例により
具体的に説明するが、本発明は、これら実施例にのみ限
定されるものではない。
具体的に説明するが、本発明は、これら実施例にのみ限
定されるものではない。
【0036】
【実施例】[実施例1] 平均分子量1000のグリセリン−プロピレンオキサイド付
加物 120gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒0.08gを添加し、 120℃においてプロピレン
オキサイド24gを反応させた。次いでこれに上記と同じ
平均分子量1000のグリセリン−プロピレンオキサイド付
加物 880gと亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライム
錯体触媒0.13gを添加混合し、 120℃においてプロピレ
ンオキサイド1976gを反応させて、水酸基価54.7のポリ
オキシプロピレントリオールを得た。得られたポリオー
ル中の触媒濃度は 70ppmであり、その粘度は25℃におい
て620cp 、(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値
は1.12であった。
加物 120gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒0.08gを添加し、 120℃においてプロピレン
オキサイド24gを反応させた。次いでこれに上記と同じ
平均分子量1000のグリセリン−プロピレンオキサイド付
加物 880gと亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライム
錯体触媒0.13gを添加混合し、 120℃においてプロピレ
ンオキサイド1976gを反応させて、水酸基価54.7のポリ
オキシプロピレントリオールを得た。得られたポリオー
ル中の触媒濃度は 70ppmであり、その粘度は25℃におい
て620cp 、(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値
は1.12であった。
【0037】[実施例2] 平均分子量1000のグリセリン−プロピレンオキサイド付
加物 250gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒 0.165gを添加し、 120℃においてプロピレ
ンオキサイド50gを反応させた。次いでこれに上記と同
じ平均分子量1000のグリセリン−プロピレンオキサイド
付加物 750gと亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒 0.045gを添加混合し、 120℃においてプロ
ピレンオキサイド1950gを反応させて、水酸基価54.4の
ポリオキシプロピレントリオールを得た。得られたポリ
オール中の触媒濃度は 70ppmであり、その粘度は25℃に
おいて630cp 、(重量平均分子量)/(数平均分子量)
の値は1.13であった。
加物 250gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒 0.165gを添加し、 120℃においてプロピレ
ンオキサイド50gを反応させた。次いでこれに上記と同
じ平均分子量1000のグリセリン−プロピレンオキサイド
付加物 750gと亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒 0.045gを添加混合し、 120℃においてプロ
ピレンオキサイド1950gを反応させて、水酸基価54.4の
ポリオキシプロピレントリオールを得た。得られたポリ
オール中の触媒濃度は 70ppmであり、その粘度は25℃に
おいて630cp 、(重量平均分子量)/(数平均分子量)
の値は1.13であった。
【0038】[比較例1] 平均分子量1000のグリセリン−プロピレンオキサイド付
加物1000gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒0.45gを添加し、 120℃においてプロピレン
オキサイド2000gを反応させて、水酸基価54.8のポリオ
キシプロピレントリオールを得た。得られたポリオール
中の触媒濃度は150ppmであり、その粘度は25℃において
620cp 、(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値は
1.14であった。
加物1000gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒0.45gを添加し、 120℃においてプロピレン
オキサイド2000gを反応させて、水酸基価54.8のポリオ
キシプロピレントリオールを得た。得られたポリオール
中の触媒濃度は150ppmであり、その粘度は25℃において
620cp 、(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値は
1.14であった。
【0039】[比較例2] 平均分子量1000のグリセリン−プロピレンオキサイド付
加物1000gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒0.21gを添加し、 120℃においてプロピレン
オキサイド2000gを反応させて、水酸基価54.6のポリオ
キシプロピレントリオールを得た。得られたポリオール
中の触媒濃度は 70ppmであり、その粘度は25℃において
750cp 、(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値は
1.29であった。
加物1000gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒0.21gを添加し、 120℃においてプロピレン
オキサイド2000gを反応させて、水酸基価54.6のポリオ
キシプロピレントリオールを得た。得られたポリオール
中の触媒濃度は 70ppmであり、その粘度は25℃において
750cp 、(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値は
1.29であった。
【0040】[比較例3] 平均分子量1000のグリセリン−プロピレンオキサイド付
加物1000gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒0.15gを添加し、 120℃においてプロピレン
オキサイド1000gを反応させた。次いでこれに上記と同
じ亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライム錯体触媒0.
06gを添加混合し、 120℃においてプロピレンオキサイ
ド1000gを反応させて、水酸基価55.6のポリオキシプロ
ピレントリオールを得た。得られたポリオール中の触媒
濃度は 70ppmであり、その粘度は25℃において800cp 、
(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値は1.36であ
った。
加物1000gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライ
ム錯体触媒0.15gを添加し、 120℃においてプロピレン
オキサイド1000gを反応させた。次いでこれに上記と同
じ亜鉛ヘキサシアノコバルテート/グライム錯体触媒0.
06gを添加混合し、 120℃においてプロピレンオキサイ
ド1000gを反応させて、水酸基価55.6のポリオキシプロ
ピレントリオールを得た。得られたポリオール中の触媒
濃度は 70ppmであり、その粘度は25℃において800cp 、
(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値は1.36であ
った。
【0041】
【発明の効果】本発明により、より少量の複合金属シア
ン化物錯体触媒を用いて、低粘度で分子量分布の狭いポ
リエーテル類が得られる。例えば、前記比較例1と実施
例を比較することより明らかなように、触媒使用量が1
/2以下となっても同等のポリエーテルが得られる。ま
た、他の比較例より明らかなように、触媒使用量が同じ
場合、単なる低濃度の触媒で反応を開始した場合や単に
反応途中で触媒を追加した場合は、高粘度で分子量分布
の広いポリエーテル類が生成し、触媒使用量が多い場合
と同等のポリエーテル類が得られない。触媒使用量が少
なくてすむことにより、ポリエーテル類から触媒成分を
除去する精製工程が容易となり、経済的にも有利であ
る。
ン化物錯体触媒を用いて、低粘度で分子量分布の狭いポ
リエーテル類が得られる。例えば、前記比較例1と実施
例を比較することより明らかなように、触媒使用量が1
/2以下となっても同等のポリエーテルが得られる。ま
た、他の比較例より明らかなように、触媒使用量が同じ
場合、単なる低濃度の触媒で反応を開始した場合や単に
反応途中で触媒を追加した場合は、高粘度で分子量分布
の広いポリエーテル類が生成し、触媒使用量が多い場合
と同等のポリエーテル類が得られない。触媒使用量が少
なくてすむことにより、ポリエーテル類から触媒成分を
除去する精製工程が容易となり、経済的にも有利であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−59825(JP,A) 特開 平2−265923(JP,A) 特開 昭58−185621(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/00 - 65/48
Claims (5)
- 【請求項1】複合金属シアン化物錯体触媒の存在下少な
くとも1個の水酸基を有するイニシエーターにモノエポ
キサイドを開環付加反応させてポリエーテル類を製造す
る方法において、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下
第1のイニシエーターにモノエポキサイドを開環付加反
応させてポリエーテル中間体を製造し、次いで第1のイ
ニシエーターと同一あるいは異なる第2のイニシエータ
ーと任意に複合金属シアン化物錯体触媒とを添加し、し
かもそのときのポリエーテル中間体と第2のイニシエー
ターの合計に対する複合金属シアン化物錯体触媒の濃度
を上記ポリエーテル中間体における複合金属シアン化物
錯体触媒の濃度よりも低いものとし、引き続きポリエー
テル中間体と第2のイニシエーターの混合物にモノエポ
キサイドを反応させることを特徴とするポリエーテル類
の製造法。 - 【請求項2】使用する第1のイニシエーターと第2のイ
ニシエーターとの重量比(第1のイニシエーター/第2
のイニシエーター)が40/60〜5/95である、請
求項1記載の製造法。 - 【請求項3】複合金属シアン化物錯体触媒の使用量が最
終的に得られるポリエーテル類中の濃度で表わして20
〜200ppmである、請求項1または2記載の製造
法。 - 【請求項4】第1のイニシエーターに対し複合金属シア
ン化物錯体触媒を、第1のイニシエーター中の触媒濃度
が300〜800ppmとなる量使用してポリエーテル
中間体を得た後、該ポリエーテル中間体に第2のイニシ
エーターと複合金属シアン化物錯体触媒を加えることか
らなり、かつ、追加の複合金属シアン化物錯体触媒の使
用量が、第2のイニシエーター中の触媒濃度が250p
pm以下となる量である、請求項1、2または3記載の
製造法。 - 【請求項5】第1のイニシエーターに、第1のイニシエ
ーターの水酸基あたり平均1分子以上かつ全モノエポキ
サイドに対して10重量%以下のモノエポキサイドを反
応させてポリエーテル中間体を製造する、請求項1、
2、3または4記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2411338A JP3025312B2 (ja) | 1990-12-18 | 1990-12-18 | ポリエーテル類の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2411338A JP3025312B2 (ja) | 1990-12-18 | 1990-12-18 | ポリエーテル類の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04216823A JPH04216823A (ja) | 1992-08-06 |
JP3025312B2 true JP3025312B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=18520356
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2411338A Expired - Lifetime JP3025312B2 (ja) | 1990-12-18 | 1990-12-18 | ポリエーテル類の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3025312B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5767323A (en) * | 1995-12-22 | 1998-06-16 | Arco Chemical Technology, L.P. | Process for preparing polyoxyalkylene polyether polyols having low levels of transition metals through double metal cyanide complex polyoxyalkylation |
JP4311843B2 (ja) * | 2000-01-11 | 2009-08-12 | 三井化学株式会社 | ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 |
US6835801B2 (en) * | 2002-07-19 | 2004-12-28 | Bayer Antwerp, N.V. | Activated starter mixtures and the processes related thereto |
EP1710268B1 (en) | 2004-01-30 | 2008-08-27 | Kaneka Corporation | Method for producing oxyalkylene polymer |
WO2005073276A1 (ja) * | 2004-01-30 | 2005-08-11 | Kaneka Corporation | 加水分解性珪素基含有オキシアルキレン重合体の製造方法およびその硬化性組成物 |
US7538162B2 (en) * | 2006-06-23 | 2009-05-26 | Bayer Materialscience Llc | Process for the production of polyoxyalkylene containing polyols from phenol condensation products |
CN101925630A (zh) * | 2008-02-01 | 2010-12-22 | 陶氏环球技术公司 | 低二醇含量的单官能烷氧基聚亚烷基二醇及其制备方法 |
-
1990
- 1990-12-18 JP JP2411338A patent/JP3025312B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04216823A (ja) | 1992-08-06 |
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