JP3226334B2 - ポリエーテル類の製造方法 - Google Patents

ポリエーテル類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエーテル類の製造方
法に関し、特にポリエーテルポリオールの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】イニシエータにアルキレンオキシドなど
のモノエポキシドを開環反応させて得られるポリエーテ
ル類はポリウレタンなどの合成樹脂の原料、界面活性
剤、潤滑剤、その他の用途に広く用いられている。イニ
シエータはA−(H)(A;水酸基含有化合物の水酸
基の水素原子を除いた残基、n;1以上の整数)で表さ
れる水酸基含有化合物である。
【0003】イニシエータとしては、例えば1価アルコ
ール、多価アルコール、1価フェノール、多価フェノー
ルなどがある。また、ヒドロキシアルキルアミノ基を有
する化合物(アルカノールアミン類やアミン類−アルキ
レンオキシド付加物など)もイニシエータとして用いら
れる。さらに上記イニシエータにモノエポキシドを反応
させて得られるポリエーテル類もまたイニシエータとし
て用いられる。
【0004】ポリエーテル類は上記イニシエータにモノ
エポキシドを多数開環付加反応させて得られる下記のよ
うな化合物である。 A−[(R−O)−H] (R−O):モノエポキシドの開環した単位 n,m:1以上の整数
【0005】触媒として複合金属シアン化物錯体を用い
てポリエーテル類を製造することは知られている(US
P3278457、USP3278458、USP32
78459明細書)。この触媒は不飽和モノオールの生
成が少なく、また極めて高分子量のポリエーテル類を製
造することもできる。
【0006】しかし、重合後得られたポリエーテルポリ
オール類中に上記触媒が存在すると、ポリウレタンを製
造した場合にポリウレタン生成物の物性を低下させるた
め、上記触媒成分を失活させ、ポリエーテル類から除去
する必要がある。
【0007】この触媒を失活、除去する方法としては、
ポリエーテル類を合成したのち、これをアルカリ金属ア
ルコラートで処理して触媒を失活させ、任意にエチレン
オキシドを付加反応させ、続いて精製工程で吸着剤、有
機溶剤、またはイオン交換樹脂で処理することによって
触媒成分と処理剤を除去する方法がある(特開平2−2
76821号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記触媒成分
を失活させ、ポリエーテル類から除去するための従来の
方法には次の問題があった。
【0009】1)吸着剤による処理:触媒成分を失活さ
せるための処理剤および触媒成分の分解物を完全に取り
除くためには使用量が多量となり、濾過時間を多く要す
るとともにポリエーテルの収率も悪化する。
【0010】2)吸着剤による処理後、3価のリン化合
物および吸着剤で再処理(特開平2−242821号公
報参照):2回の濾過操作を必要とするため、精製工程
の所要時間が長くなりまたポリエーテルの収率も悪化す
る。
【0011】3)有機溶剤による処理:触媒成分を失活
させるための処理剤を完全に取り除くことは困難なた
め、吸着剤等による後処理が必要である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明は
複合金属シアン化物錯体触媒の存在下少なくとも1個の
水酸基を有するイニシエータに炭素数3以上のモノエポ
キシドを開環付加反応させて得られた上記触媒を含むポ
リエーテル類をアルカリ金属アルコラートからなる処理
剤で処理して上記触媒を失活させ、次いでポリエーテル
類に対し0.2〜5.0重量%の水の存在下で硫酸また
は塩酸からなる鉱酸で処理し、次いで濾過することなし
に無機質吸着剤で処理し、その後失活した上記触媒成分
と処理剤成分をポリエーテル類から除去することを特徴
とするポリエーテル類の製造方法である。
【0013】本発明はまた複合金属シアン化物錯体触媒
の存在下少なくとも1個の水酸基を有するイニシエータ
に炭素数3以上のモノエポキシドを開環付加反応させて
得られた上記触媒を含むポリエーテル類をアルカリ金属
アルコラートからなる処理剤で処理して上記触媒を失活
させ、次に上記ポリエーテル類をイニシエータとしてそ
れにエチレンオキシドを反応させ、さらにポリエーテル
類に対し0.2〜5.0重量%の水の存在下で硫酸また
は塩酸からなる鉱酸で処理し、次いで濾過することなし
に無機質吸着剤で処理し、その後得られたポリエーテル
類から失活した上記触媒成分と処理剤成分を除去するこ
とを特徴とするポリエーテル類の製造方法である。
【0014】本発明における複合金属シアン化物錯体
は、前記公知例に示されているように下記一般式(1)
の構造を有すると考えられる。
【0015】 M [M (CN)(HO) ・・・(1) ただし、MはZn(II)、Fe(II)、Fe(II
I)、Co(II)、Ni(II)、Al(III)、Sr(I
I)、Mn(II)、Cr(III)、Cu(II)、Sn(I
I)、Pb(II)、Mo(IV)、Mo(VI)、W(I
V)、W(VI)などであり、MはFe(II)、Fe(I
II)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(I
II)、Mn(II)、Mn(III)、Ni(II)、V(I
V)、V(V)などであり、Rは有機配位子であり、a、
b、xおよびyは金属の原子価と配位数により変わる正
の整数であり、cおよびdは金属への配位数により変わ
る正の数である。
【0016】一般式(1)におけるMはZn(II)が
好ましく、MはFe(II)、Fe(III)、Co(I
I)、Co(III)などが好ましい。有機配位子として
は、例えばケトン、エーテル、アルデヒド、エステル、
アルコール、アミドなどがある。
【0017】一般式(1)で表される複合金属シアン化
物錯体は、金属塩M(M、aは上述と同様、X
はMと塩を形成するアニオン)とポリシアノメタレー
ト(塩)Z[M (CN)(M、x、yは
上述と同様。Zは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金
属など。e、fはZ、Mの原子価と配位数により決ま
る正の整数)のそれぞれの水溶液または水と有機溶剤の
混合溶媒の溶液を混合し、得られた複合金属シアン化物
に有機配位子Rを接触させた後、余分な溶媒および有機
配位子Rを除去することにより製造される。
【0018】ポリシアノメタレート(塩)Z[M
(CN)は、Zとして水素やアルカリ金属をはじ
めとする種々の金属を使用しうるが、リチウム塩、ナト
リウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩
が好ましい。特に好ましくは通常のアルカリ金属塩、す
なわちナトリウム塩とカリウム塩である。
【0019】ポリエーテル類は通常モノエポキシドとイ
ニシエータとの混合物に触媒を存在させて反応させるこ
とにより製造される。また、反応系にモノエポキシドを
徐々に加えながら反応を行うこともできる。反応は常温
下でも起きるが、必要により、反応系を加熱または冷却
することもできる。
【0020】触媒の使用量は特に限定されないが、使用
するイニシエータに対して1〜5000ppm程度が適
当であり、30〜1000ppmがより好ましい。触媒
の反応系への導入は、初めに一括して導入してもよい
し、順次分割して導入してもよい。
【0021】本発明におけるアルカリ金属アルコラート
としてはナトリウムアルコラートまたはカリウムアルコ
ラートが好ましい。さらに本発明におけるアルカリ金属
アルコラートとしては、炭素数4以下のアルコールのア
ルコラートが好ましい。アルコールとしては低級モノオ
ール、特にメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、アリルアルコールなどが好ましい。
【0022】アルカリ金属アルコラートの使用方法とし
ては粉末のまま使用してもよいが、アルコールなどの低
沸点の有機溶剤に溶解したものを使用してもよい。
【0023】アルカリ金属アルコラートの使用量は触媒
の使用量、アルコラートの種類によっても異なるが、例
えばポリエーテル中の触媒量が500ppm(Znを1
30ppm、Coを60ppm程度含有する)の場合、
添加するアルコラート中のアルカリ金属成分量は、ポリ
エーテル類に対し、0.1〜0.6重量%の範囲、好ま
しくは0.1〜0.4重量%添加するのが適当である。
【0024】複合金属シアン化物錯体を含むポリエーテ
ル類を精製するにあたり、まず前記触媒を含むポリエー
テル類に触媒を失活させるに充分な量のアルカリ金属ア
ルコラートを添加し、撹拌条件下で常温から180℃の
温度条件下、混合して上記触媒を失活させる。
【0025】熱処理時間としては、製造するポリエーテ
ル類、アルカリ成分の形態、温度条件によって異なる
が、例えば前記触媒量を含有する分子量10000のポ
リエーテルを温度70〜140℃で処理する際、0.1
〜3.0時間、好ましくは0.3〜1.0時間が適当で
ある。
【0026】熱処理終了後、100〜150℃にて、数
10Torr以下に減圧して、生成したアルコールやあ
らかじめ添加したアルコールなどの揮発成分を除去す
る。この時間としては0.5〜4時間、特には0.5〜
3.0時間が適当である。
【0027】ついで必要に応じてポリエーテルの水酸基
末端をエチレンオキシドでキャップし、続いて水と鉱酸
を添加して精製処理を行う。水の添加量はポリエーテル
類に対し0.2〜5.0重量%、好ましくは0.2〜
4.0重量%であり、ポリエーテル類の種類により最適
量が異なる。0.2重量%未満ではアルカリ成分と鉱酸
との中和反応が充分に進行せず5.0重量%超では中和
後の脱水時間が長くなるため適当でない。
【0028】本発明において塩酸または硫酸からなる鉱
酸を使用する。これらは価格、濾過性の面からすぐれ
る。例えばリン酸、ホウ酸のような鉱酸は、中和塩粒子
の結合が弱いため、安定した濾過性が得られない。
【0029】鉱酸の添加量は処理するポリエーテル類、
鉱酸の種類によっても異なるが、通常、アルカリ成分に
対して当量比で1.0〜2.0、好ましくは1.0〜
1.5を添加するのが好ましい。添加量が1.0当量未
満ではアルカリ成分を充分中和できないだけでなく、濾
過性の良好な中和塩を析出させることができない。2.
0当量を超えると過剰の鉱酸の処理剤が多量となり、適
当でない。
【0030】本発明において鉱酸による処理は、温度が
30〜150℃、好ましくは50〜120℃の条件下で
0.2時間以上ポリエーテル類と混合するのがよい。温
度が低すぎると鉱酸とアルカリ成分との中和反応に長時
間を要すること、温度150℃を超えるとポリエーテル
類が一部変質すること、から上記温度範囲に保つのがよ
い。処理時間が短すぎると、鉱酸とアルカリ成分との中
和が不充分となるため、上記時間以上で処理するのがよ
い。
【0031】本発明において、前記鉱酸で処理したポリ
エーテル中に残存する過剰分の鉱酸を吸着する目的で
成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸マグネシウム、活
性アルミナ、活性白土、ヒドロタルサイト類、シリカゲ
ル等の無機質吸着剤で処理するが、その量はポリエーテ
ル類に対して0.02〜3.0重量%、好ましくは0.
05〜1重量%の範囲で使用する。
【0032】本発明の採用により、ポリエーテル中の触
媒部分、アルカリ成分のほとんどを含有した濾過性の良
好な鉱酸のアルカリ塩を主成分とする沈殿物が形成さ
れ、通常の濾過操作により、触媒やアルカリ成分の残留
物を含まない透明性の高いポリエーテル類を製造でき
る。
【0033】本発明の方法によって得られるポリエーテ
ル類としてはポリオキシアルキレンポリオールが好まし
い。ポリオキシアルキレンポリオールは少くとも2個
の水酸基を有するイニシエータにアルキレンオキシドな
どのモノエポキシドを順次開環付加反応させたものであ
る。
【0034】イニシエータとしては特に2〜8個の水酸
基を有するポリヒドロキシ化合物が好ましい。ポリヒド
ロキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコールなどの2価アルコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなど
の3価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリセリ
ン、デキストロース、ソルビトール、シュークロースな
どの4価以上のアルコール、およびこれらのアルコール
にアルキレンオキシドなどのモノエポキシドを反応させ
て得られる目的物よりも低分子量のポリエーテル類があ
る。
【0035】また、ビスフェノールA、レゾール、ノボ
ラックなどのフェノール性水酸基やメチロール基を有す
る化合物、エタノールアミン、ジエタノールアミンなど
の水酸基と他の活性水素を有する化合物、およびこれら
にアルキレンオキシドなどのモノエポキシドを反応させ
て得られる目的物よりも低分子量のポリエーテル類があ
る。
【0036】さらに、窒素原子に結合した水素原子を少
なくとも2個有するモノアミンやポリアミンにアルキレ
ンオキシドなどのモノエポキシドを反応させて得られる
目的物よりも低分子量のポリエーテル類がある。その
他、リン酸やその誘導体、その他のポリヒドロキシ化合
物も使用できる。これらポリヒドロキシ化合物は2種以
上を併用することもできる。
【0037】本発明は、また、1価のイニシエータにモ
ノエポキシドを開環反応させてポリエーテルモノオール
を製造する方法にも適用できる。1価のイニシエータと
しては、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、
ヘキサノール、その他のモノオール、フェノール、アル
キル置換フェノールなどのフェノール誘導体、およびこ
れらにアルキレンオキシドなどのモノエポキシドを反応
させて得られる目的物よりも低分子量のポリエーテル類
がある。
【0038】さらに、窒素原子に結合した水素原子を1
個有するモノアミンやポリアミンにアルキレンオキシド
などのモノエポキシドを反応させて得られる目的物より
も低分子量のポリエーテル類がある。
【0039】本発明におけるモノエポキシドは、炭素数
3以上のモノエポキシドであり、特に炭素数3以上のア
ルキレンオキシドが好ましい。さらに好ましくは、プロ
ピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−
ブチレンオキシド、エピクロルヒドリンなどの炭素数3
〜4のアルキレンオキシドが好ましく、最も好ましくは
プロピレンオキシドである。
【0040】それら単独もしくはそれらの2種以上また
はそれらとスチレンオキシド、グリシジルエーテル、グ
リシジルエステルなどの他のモノエポキシドを併用して
使用できる。2種以上のアルキレンオキシドの使用また
はアルキレンオキシドと他のモノエポキシドの使用の場
合は、それらを混合して付加しまたは順次付加し、ラン
ダム重合鎖やブロック重合鎖を形成できる。
【0041】しかし、複合金属シアン化物錯体を触媒に
用いてイニシエータやポリエーテル類に直接エチレンオ
キシドを反応させようとしても、エチレンオキシドのホ
モポリマーであるポリエチレングリコールが生成する。
【0042】このため、例えばこの触媒を用いてエチレ
ンオキシドと他のモノエポキシドを共重合させること
や、複合金属シアン化物錯体を触媒に用いて得られたポ
リエーテル類に引き続きエチレンオキシドを反応させて
1級水酸基の割合の高いポリエーテル類を得ることは不
可能である。ただし、イニシエータとしてオキシエチレ
ン基を有するヒドロキシ化合物、例えばオキシエチレン
基を有するポリオキシアルキレンポリオール、を用いる
ことはできる。
【0043】本発明の方法により、アルカリ金属アルコ
ラートで処理することによってポリエーテル類の水酸基
をアルコラート化し、次にエチレンオキシドを反応させ
て分子末端にオキシエチレン基を導入し、さらに触媒成
分を分離して1級水酸基の割合の高いポリエーテル類を
得ることが可能となる。
【0044】得られるポリエーテル類の分子量は特に限
定されない。しかし、常温で液状である製品がその用途
の面から好ましい。水酸基価で表せば、200以下、特
に100以下が適当である。例えば、ポリウレタンの原
料としては、水酸基価で表して約5〜200、特に5〜
60の液状ポリエーテルポリオールが好ましい。他の用
途、例えば作動油等の油の原料などとしても上記範囲の
ポリエーテルポリ(またはモノ)オールが好ましい。
【0045】
【実施例】以下に本発明を実施例(例1〜4、例6〜
9)および比較例(例5、例10〜11)により具体的
に説明するが、本発明は、これら実施例にのみ限定され
ない。なお、以下においてポリオールAとは次のものを
いう。
【0046】ポリオールA:分子量約500のポリオキ
シプロピレントリオールをイニシエータとし、これに亜
鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒を添加し、プロピ
レンオキシドを供給して約120℃で反応させて得られ
た分子量10000のポリオキシプロピレントリオー
ル。触媒として、Znを130ppm、Coを60pp
mを含有していた。
【0047】[例1〜4] ポリオールAにカリウムメチラート(30%メタノール
溶液)0.6重量%を添加し、80℃で0.5時間混合
した後、脱メタノール反応を110℃、10Torrで
1時間行った。次に表1に示す重量%の水を添加し、9
0℃で0.5時間撹拌混合した。その後カリウム当り
1.2当量の濃硫酸を添加し、90℃で1.0時間混合
した。
【0048】ついでポリオールに対して0.3重量%の
合成ケイ酸マグネシウム(協和化学製KW−600S)
を添加し、120℃で10〜20Torrの圧力下で撹
拌しながら脱水して、硫酸カリウムと失活した複合金属
シアン化物錯体および合成ケイ酸マグネシウムを含む結
晶を析出させた。これら析出物を含むポリエーテルをN
o.5Cの濾紙で濾別処理することにより、純度の高い
ポリエーテルを得た。
【0049】次に得られたポリエーテルを評価した。ポ
リエーテルの濾過速度(kg/m・hr)、CPR、
ZnおよびCo量(ppm)、ポリエーテルの収率
(%)を表1に示す。ただし、CPRとはポリエーテル
中に存在する塩基性物質の量を表示する1つの方法であ
り、次式によって算出されるものである。 CPR=10×(A−B)×f [A:メタノール100cmに溶かした30gの試料
の滴定に要したN/100塩酸の量(cm)、B:空
試験(メタノール100cm)の滴定に要したN/1
00塩酸の量(cm)、f:N/100塩酸のファク
ター]
【0050】[例5] 脱メタノール反応までは例1〜4と同様にして得た失活
触媒を含むポリオールAを、水も濃硫酸も添加せずに、
5重量%の合成ケイ酸マグネシウム(協和化学製KW−
600S)を用いて120℃、10〜20Torrの条
件下、1.5時間、吸着脱水処理を行った後、No.5
Cの濾紙で濾別処理した。透明なポリオールが得られた
が、濾過速度、収率とも例1〜4より劣っていた。結果
を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】[例6〜9] 1500gのポリオールAにナトリウムメチラート(2
8%メタノール溶液)を0.8重量%添加し、脱メタノ
ール反応を110℃、10Torrで1時間行った後、
エチレンオキシド200gを導入し、100℃で3時間
反応させた。
【0053】反応後ポリオール当り2.0重量%の水を
添加し、70℃で0.5時間撹拌混合後、表2に示す各
種鉱酸をナトリウムメチラートに対して1.1当量添加
し、70℃で1.0時間混合した。
【0054】ついでポリオールに対して0.3重量%の
ヒドロタルサイト系吸着剤(協和化学製KW−100
0)を添加し、120℃で10〜20Torrの圧力下
で撹拌しながら脱水して、硫酸ナトリウム塩と失活した
複合金属シアン化物錯体およびヒドロタルサイト系吸着
剤を含む結晶を析出させた。
【0055】これら析出物を含むポリエーテルをNo.
5Cの濾紙で濾別処理することにより、純度の高いポリ
エーテルを得た。例1〜4と同様にポリエーテルの評価
結果を表2に示す。
【0056】[例10] 例6〜9と同様に1500gのポリオールAにエチレン
オキシド200gを反応させた後、5重量%の合成ケイ
酸マグネシウム(協和化学製KW−600S)を用いて
120℃、10〜20Torrの条件下、1.5時間、
吸着脱水処理を行い、No.5Cの濾紙で濾別処理し、
ポリエーテルを得た。濾過速度、収率とも、例6〜9と
比較して劣っていた。評価結果を表2に示す。
【0057】[例11] 例6〜9と同様に1500gのポリオールAにエチレン
オキシド200gを反応させた後、ポリエーテルに対し
て2倍量のn−ヘキサンを加え、80℃で2時間処理の
後、上澄液を分離した。上澄液よりn−ヘキサンを蒸留
により分離して、ポリエーテルを得た。得られたポリエ
ーテルはCPRが高かった。評価結果を表2に示す。
【0058】
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明の方法により、複合金属シアン化
物錯体触媒を容易に失活させることができ、しかもその
後失活した触媒成分と処理剤成分をポリエーテル類から
分離除去することも容易になる。さらに、複合金属シア
ン化物錯体触媒を失活させた後エチレンオキシドをポリ
エーテル類の水酸基に反応させることが可能となり、1
級水酸基の割合の高いポリエーテル類が容易に得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/00 - 65/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合金属シアン化物錯体触媒の存在下少な
    くとも1個の水酸基を有するイニシエータに炭素数3以
    上のモノエポキシドを開環付加反応させて得られた上記
    触媒を含むポリエーテル類をアルカリ金属アルコラート
    からなる処理剤で処理して上記触媒を失活させ、次いで
    ポリエーテル類に対し0.2〜5.0重量%の水の存在
    下で硫酸または塩酸からなる鉱酸で処理し、次いで濾過
    することなしに無機質吸着剤で処理し、その後失活した
    上記触媒成分と処理剤成分をポリエーテル類から除去す
    ることを特徴とするポリエーテル類の製造方法。
  2. 【請求項2】複合金属シアン化物錯体触媒の存在下少な
    くとも1個の水酸基を有するイニシエータに炭素数3以
    上のモノエポキシドを開環付加反応させて得られた上記
    触媒を含むポリエーテル類をアルカリ金属アルコラート
    からなる処理剤で処理して上記触媒を失活させ、次に上
    記ポリエーテル類をイニシエータとしてそれにエチレン
    オキシドを反応させ、さらにポリエーテル類に対し0.
    2〜5.0重量%の水の存在下で硫酸または塩酸からな
    る鉱酸で処理し、次いで濾過することなしに無機質吸着
    剤で処理し、その後得られたポリエーテル類から失活し
    た上記触媒成分と処理剤成分を除去することを特徴とす
    るポリエーテル類の製造方法。
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