JP2000153631A - サーマル紙の印字方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】印字イメージの作成時間を短縮し、且つ単純な
メモリー拡張によって印字可能なエリアを広げることが
できるサーマル紙の印字方法を提供する。 【解決手段】（ａ）は印字結果を示す模式図である。図
上各横方向のラインは、１０コのドットから構成され、
各ドットは１０コの発熱体に各々対応する。各ドットの
うち▲は赤で印字するドットを示し、■は黒で印字する
ドットを示す。また、□は印字を行わないドットを示
す。（ｂ）は（ａ）に示すように印字を行うために作成
する印字イメージの模式図である。同図において（ａ）
の各ラインは（ｂ）の２列に順番に対応し、例えば、
（ａ）の１ライン目は（ｂ）の上２列に対応する。同図
において■は発熱するドットを示し、□は発熱しないド
ットを示す。赤で印字するドットは２列のうち１列目の
みで発熱し、黒で印字するドットは更に２列目で発熱す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はサーマル紙の印字方
法に係り、特に発色の異なる２層の感熱発色剤層が形成
されたラベルに対しサーマルヘッドで発熱し、発熱量を
制御することによって２色印字を行うサーマル紙の印字
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】１つのサーマルヘッドで２色印字が行わ
れるサーマル紙としてのサーマルラベルには、熱量の違
いにより発色の異なる感熱紙を使用するものがあり、例
えば２色の感熱発色剤層が２層に塗布形成される。そし
て、赤の感熱発色剤層が表面側、黒の感熱発色剤層が前
記赤の下層に形成されたサーマルラベルでは、ある時間
サーマルヘッドで発熱すると赤で印字され、更にある時
間発熱すると下層の黒で印字される。

【０００３】従来、このサーマルラベルで２色印字を行
う際には、先ず、赤の印字を行う印字イメージと黒の印
字を行う印字イメージとを各々作成し、それぞれの印字
イメージに基づいて各色で印字を行っていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
印字方法では、２色の印字イメージを各々作成するのに
時間を要するという欠点があった。また、印字イメージ
のメモリーを２つ確保しているため、単純なメモリー拡
張によって印字可能なエリアを広げることができないと
いう欠点があった。

【０００５】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、印字イメージの作成時間を短縮し、且つ単純
なメモリー拡張によって印字可能なエリアを広げること
ができるサーマル紙の印字方法を提供することを目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
する為に、少なくとも第１の熱量によって第１の色が発
色し、第１の熱量よりも大きな第２の熱量によって第２
の色が発色するサーマル紙に第１及び第２の色の印字イ
メージを印字するサーマル紙の印字方法において、第１
及び第２の色に対応する印字データを印字イメージに対
応したドットデータとしてメモリに格納する際に、第１
の色に対応する印字イメージの１ライン分のドットデー
タは、前記メモリに１行置きに格納し、第２の色に対応
する印字イメージの１ライン分のドットデータは、前記
メモリに２行ずつ同一のドットデータとして格納し、前
記メモリから１行ずつ印字データを読み出し、該印字デ
ータに基づいて対応するサーマルヘッドの発熱体にパル
ス通電し、前記第２の色を発色させるパルス通電が終了
するごとに１ライン分だけサーマル紙とサーマルヘッド
とを相対的に移動させることを特徴とする。

【０００７】本発明によれば、第１及び第２の色に対応
する印字データを印字イメージに対応したドットデータ
としてメモリに格納する際に、第１の色に対応する印字
イメージの１ライン分のドットデータはメモリに１行置
きに格納し、第２の色に対応する印字イメージの１ライ
ン分のドットデータはメモリに２行ずつ同一のドットデ
ータとして格納する。メモリから１行ずつ印字データを
読み出し、該印字データに基づいて対応するサーマルヘ
ッドの発熱体にパルス通電し、前記第２の色を発色させ
るパルス通電が終了するごとに１ライン分だけサーマル
紙とサーマルヘッドとを相対的に移動させる。このよう
に、印字する色に応じて印字データをメモリの各行に格
納することによって、従来のように２色の印字イメージ
を別々に作成しなくともよく、印字イメージを短時間で
容易に作成することができる。また、印字領域を拡張す
る際には、アドレス進行方向に単純にメモリを追加する
ことで実現できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るサーマル紙の印字方法の好ましい実施の形態について
詳説する。本実施の形態ではサーマルラベルに赤と黒と
の２色印字を行う場合について説明する。図１は、サー
マルラベルの構造を示す断面図である。

【０００９】同図に示すように、サーマルラベル１０は
表面層１２と感熱発色剤層１４とから構成され、粘着剤
層１６を介して帯状台紙１８に仮着される。感熱発色剤
層１４の表面側には赤の感熱発色剤層２０、その下層に
は黒の感熱発色剤層２２が形成される。サーマルラベル
１０に対し表面からサーマルヘッドの発熱体である時間
発熱することによって、表面層１２と赤の感熱発色剤層
２０とが溶けて赤く印字される。更にある時間発熱する
ことによって、黒の感熱発色剤層２２が溶けて黒く印字
される。

【００１０】図２（ａ）は印字結果を示す模式図であ
る。図上各横方向のラインは、１０コのドットから構成
され、各ドットは１０コの発熱体に各々対応する。各ド
ットのうち▲は赤で印字するドットを示し、■は黒で印
字するドットを示す。また、□は印字を行わないドット
を示す。同図の例では、サーマルラベル１０の左半分に
赤で「Ａ」、右半分に黒で「Ｂ」と印字する。

【００１１】図２（ｂ）は図２（ａ）に示すように印字
を行うために作成する印字イメージの模式図である。同
図において図２（ａ）の各ラインは図２（ｂ）の２列に
順番に対応し、例えば、図２（ａ）の１ライン目は図２
（ｂ）の上２列に対応する。同図において■は発熱する
ドットを示し、□は発熱しないドットを示す。赤で印字
するドットは２列のうち１列目のみで発熱し、黒で印字
するドットは更に２列目で発熱する。このため、図２に
示す「Ａ」の各ドットは赤で印字するため１列目のみで
発熱し、「Ｂ」の各ドットは黒で印字するため更に２列
目で発熱する。

【００１２】図３は各ドットに対する発熱やステッピン
グモータの搬送のタイミングを示すタイミングチャート
である。同図に示すように、印字しないドットに対して
は常に発熱せず、赤く印字するドットに対しては各ライ
ンに対応する２列のうち１列目のみで発熱し、黒く印字
するドットに対しては１列目と２列目とで発熱される。
ステッピングモータは各ラインに対応する２列の発熱が
終了すると同時にラベルを搬送し、１ライン搬送したら
停止する。ステッピングモータの搬送が停止すると共
に、発熱体は次のラインの発熱を開始する。また、各ラ
インの１列目の発熱時間をＴ１、２列目の発熱時間をＴ
２とする。

【００１３】図４は、前記サーマルヘッドの構成を示す
ブロック図である。サーマルヘッド３０は、１列に配列
された複数の発熱体３２、３２、…と、各発熱体を駆動
するためのトランジスタアレー３４、３４、…と、１列
分の印字データをラッチするラッチ回路３６と、１列分
の印字データ（シリアルデータ）を入力しパラレルデー
タに変換するシリアル・パラレル変換器３８とを備えて
いる。

【００１４】印字を行う際には、先ず、１ライン目の１
行目の印字データをシリアル・パラレル変換器に入力
し、ここでパラレルデータに変換する。上記印字データ
の入力後、ラッチ信号によってシリアル・パラレル変換
器によって変換された１行目のパラレルデータを、ラッ
チ回路にラッチする。上記ラッチ信号による印字データ
のラッチ後、所定パルス幅のストローブ信号によって１
行目の印字データをトランジスタアレーのベースに加
え、印字データに対応するトランジスタをＯＮさせる。

【００１５】これにより、上記ストローブ信号のパルス
幅だけ印字データに対応するサーマルヘッドの発熱体に
基準電圧を印加し、１ライン目の赤での印字を行う。次
に、１ライン目の２行目の印字データをシリアル・パラ
レル変換器に入力し、ここでパラレルデータに変換す
る。上記印字データの入力後、ラッチ信号によってシリ
アル・パラレル変換器によって変換された２行目のパラ
レルデータを、ラッチ回路にラッチする。

【００１６】上記ラッチ信号による印字データのラッチ
後、所定パルス幅のストローブ信号によって２行目の印
字データをトランジスタアレーのベースに加え、印字デ
ータに対応するトランジスタをＯＮさせる。これによ
り、上記ストローブ信号のパルス幅だけ印字データに対
応するサーマルヘッドの発熱体に基準電圧を印加し、１
ライン目の黒での印字を行う。

【００１７】１ライン目の印字終了後、給紙装置のステ
ップモータによって用紙を１ライン相当だけ給紙する。
２ライン目以降についても同様の手順を繰り返し、全て
のラインの印字を行う。次に、上記の印字方法の作用に
ついて説明する。

【００１８】まず、印字するドットと色に応じて印字イ
メージを作成する。例えば、図２（ａ）に示すようにサ
ーマルラベル１０の左半分に赤で「Ａ」、右半分に黒で
「Ｂ」と印字する場合、図２（ｂ）に示すような各ライ
ンが２列に対応する印字イメージを作成する。この時、
赤で印字するドットに対しては各ラインに対応する１列
目のみで発熱するように設定し、黒で印字するドットに
対しては各ラインに対応する２列で発熱するように設定
する。このように、印字する色に応じて発熱する列を設
定することによって、本発明では２色の印字イメージを
別々に作成しなくともよく、印字イメージを短時間で容
易に作成することができる。

【００１９】印字イメージを作成したら、作成された印
字イメージに基づいて２色印字を行う。図２（ａ）の１
ライン目のドットの印字を行うには、先ず、印字イメー
ジの１列目のサーマルヘッドに指定し、発熱するように
設定されたドットは発熱され赤で印字される。赤の印字
が終了したら、印字イメージの２列目をサーマルヘッド
に指定し、発熱するように設定されたドットは発熱され
黒で印字される。

【００２０】１ライン目の印字が終了すると、ステッピ
ングモータで１ライン搬送し、２ライン目の印字を行
う。これを繰り返すことによって、全てのラインの印字
を行う。本発明では印字座標に応じたメモリーアドレス
の算出や印字するべき文字のパターンデータを求めるの
は一度だけで、後はフォント単位に基づいて１単位お
き、又は２単位続けてメモリー上に配置するのみで良
く、高速に処理することができる。

【００２１】また、従来のようにメモリー上に印字イメ
ージを２つ有する場合に、印字できる領域を拡張するに
は、それぞれのメモリー上の専有領域を拡張する必要が
あるが、本発明では発色の異なる印字イメージをサーマ
ルヘッド上の発熱体に対応するＮバイトのデータを１単
位として交互に配置することにより、印字できる領域の
拡張はアドレス進行方向に単純にメモリーを追加するこ
とで実現が可能である。

【００２２】尚、本実施の形態ではサーマルラベルに印
字する場合について説明したが、本発明はこれに限定さ
れず、少なくとも２色で印字できるサーマル紙であれば
よい。また、印字を行う色は赤と黒とに限定されない。
また、本実施の形態では１列目の発熱が終了してから２
列目の印字イメージをシリアル・パラレル変換器に転送
する方法で説明したが、制御時間を効率的に使用するた
め、１列目の発熱中に２列目の印字イメージをシリアル
・パラレル変換器に転送してもよい。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のサーマル
紙の印字方法によれば、印字する色に応じて印字データ
をメモリの各行に格納することによって、従来のように
２色の印字イメージを別々に作成しなくともよく、印字
イメージを短時間で容易に作成することができる。ま
た、印字領域を拡張する際には、アドレス進行方向に単
純にメモリを追加することで実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】サーマルラベルの構造を示す断面図

【図２】印字結果と印字イメージとを示す模式図

【図３】各ドットに対する発熱やステッピングモータの
搬送のタイミングを示すタイミングチャート

【図４】サーマルヘッドの構成を示すブロック図

【符号の説明】

１０…サーマルラベル １２…表面層 １４…感熱発色剤層 １６…粘着剤層 １８…帯状台紙 ２０…赤の感熱発色剤層 ２２…黒の感熱発色剤層 ３０…サーマルヘッド ３２…発熱体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも第１の熱量によって第１の色
   が発色し、第１の熱量よりも大きな第２の熱量によって
   第２の色が発色するサーマル紙に第１及び第２の色の印
   字イメージを印字するサーマル紙の印字方法において、 第１及び第２の色に対応する印字データを印字イメージ
   に対応したドットデータとしてメモリに格納する際に、
   第１の色に対応する印字イメージの１ライン分のドット
   データは、前記メモリに１行置きに格納し、第２の色に
   対応する印字イメージの１ライン分のドットデータは、
   前記メモリに２行ずつ同一のドットデータとして格納
   し、 前記メモリから１行ずつ印字データを読み出し、該印字
   データに基づいて対応するサーマルヘッドの発熱体にパ
   ルス通電し、 前記第２の色を発色させるパルス通電が終了するごとに
   １ライン分だけサーマル紙とサーマルヘッドとを相対的
   に移動させることを特徴とするサーマル紙の印字方法。