JP2000151921A

JP2000151921A - 走行体の支持機構

Info

Publication number: JP2000151921A
Application number: JP10331927A
Authority: JP
Inventors: Yasumasa Tomita; 泰正富田
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1998-11-09
Filing date: 1998-11-09
Publication date: 2000-05-30

Abstract

(57)【要約】【課題】走査光学系の走行安定性を向上させるととも
に、簡易な手段により部品の交換が容易となりかつ走査
時の歪みを矯正可能な走行体の支持機構を提供する。【解決手段】本発明の走行体の支持機構は、走行体の
両端部の摺動部材をガイドレール面に摺動させる支持機
構であって、上記走行体２を支持するために支持部材４
を介して３方向に突設される複数のネジ７と、該ネジ７
の各先端部に回転自在に設けられた摺動部材８と、該摺
動部材８の滑動方向を規制するため上記ガイドレール５
の各面に設けられた案内溝５ａと、からなる規制手段を
有する構成である。この構成により上記走行体２の移動
方向に対する水平方向Ｘ、及び垂直方向Ｙの揺れ等を防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、原稿画像を読み取
る走査光学系の走行体としてのミラーユニット等を支持
する機構に関し、特に、複写機、プリンタ、ファクシミ
リ等の電子写真方式の画像形成装置に備えられる原稿画
像読取部のミラーユニットの支持機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、複写機等に装備されている走査
光学系の原稿読取部（通常、スキャナなどと呼ばれる）
は、露光ランプからの光を原稿面に照射し、この反射光
が複数のミラーユニットにより所定の光路に導かれ、そ
の光像がレンズを通ってＣＣＤセンサに結像するように
なっている。

【０００３】一般に光学系ユニットの走行体としては、
光源を有する第１ミラーユニットと、ミラーのみを有す
る第２ミラーユニットとがあり、透明な原稿載置板の下
に往復移動可能に支持されている。

【０００４】従来より、上記ミラーユニットの移動方向
を規制するガイド手段としては、画像読取部内の両サイ
ドに配置されたガイドレール面に沿って移動させる構成
が一般的となっている。例えば、このガイドレール面を
走行する走行体側に摩擦抵抗の少ない樹脂製の摺動部材
を複数固定し、各走行体が、各摺動部材を介してガイド
レール面上を滑動するように構成されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
走行体の支持機構では、上記摺動部材を備えたミラーユ
ニットが、単にガイドレール面の上に載置されているの
みに過ぎず、そのため、ミラーユニットの急激な加速・
減速時、特に高速での走行時において上下に飛び跳ねて
しまい、画像のブレが大きくなるとともに騒音の原因と
もなっていた。

【０００６】また、上記摺動部材は、経時的な摩耗や取
り付け時のガタによって異音が生じたり、走行体の走査
安定性が低下しやすく、画像の読取精度が悪化するとい
うおそれがある。これを解決するため、上記構成の従来
の支持機構では、定期的にガイドレール面を清掃した
り、摺動部材を交換したりする必要があった。

【０００７】また、その走行安定性の向上のため、ガイ
ドレール面に潤滑油を塗布するという対策も考えられる
が、これでは作業者の負担となり、メンテナンス性が悪
くなるという問題もあった。

【０００８】このように従来の支持機構の構成では、ミ
ラーユニットが、その走行時にガイドレール面に対して
上下、及び左右の方向に位置ずれが生じるという不具合
を回避できず、これにより画像不良が生じ、画像ブレの
みならず異音をも発生させていた。

【０００９】これらの不具合を防止するため、従来行わ
れてきた改良（例えば、特開平６−２３３０６７号）で
は支持機構の構成が複雑となるばかりか、装置の組み付
け性や経済性等が悪くなり、また、ユニットの大型化を
招くため、ミラーユニットの駆動モータのトルクアップ
が必要となるなど、同時に様々な欠点を伴うことが多か
った。

【００１０】そこで、本発明は、これらの不具合を解消
するために考えられたもので、上記原稿読取部におい
て、走査光学系を搭載する走行体の揺れ動きを阻止し、
走行時の振動や異音を低減し、その走行安定性の向上を
図るとともに、万が一にも経時的な摩耗により走行体の
走査安定性が悪化したときの部品の交換が容易であり、
さらにその上、簡素な構成により原稿画像に対する走査
光学系の歪みを矯正可能な手段を備えた走行体の支持機
構を提供することを目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の走行体の支持機構は、走行体の移動方向の左右にガ
イドレールを設け、走行体の両端に設けられた摺動部材
を各ガイドレールに沿って摺動させる走行体の支持機構
であって、複数の上記摺動部材が、１の上記ガイドレー
ルに対し、少なくとも異なる３方向から摺接することに
より、上記走行体の移動方向を上記ガイドレールに沿っ
て上下及び左右方向に規制する規制手段を有することを
特徴としている。

【００１２】上記規制手段が、上記走行体側に突設さ
れ、摩擦抵抗の小さい樹脂製の摺動部材を先端部に有す
る複数のネジと、上記ガイドレールの側面に設けられた
複数の案内溝とからなり、角棒状の上記ガイドレールの
長手側面のうちの３面に上記案内溝を設けるとともに、
該ガイドレールの外形に沿うようにその断面形状が
「コ」の字状に成形された上記支持部材が、上記ガイド
レールを水平方向に挟み各案内溝を覆うように走行体の
両端に配設され、上記支持部材に垂直方向の２方向、及
び水平方向の１方向から上記各ネジを螺入してその先端
部の各摺動部材を上記各案内溝に摺動自在に嵌め合わせ
る構成とすることができる。

【００１３】上記摺動部材が、上記ネジの先端部に嵌入
され上記ガイドレール面に摺動して回転されるボール状
のものであり、上記ネジが、その内部に潤滑油を収容す
るとともにその先端部の摺動部材の回転により上記ガイ
ドレールとの摺動面に潤滑油を供給可能である構成とす
ることができる。また、上記ガイドレールの案内溝の断
面が、Ｖ字形状に成形されている構成とすることができ
る。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、複写機の原稿読取部に備え
られた、走行体の支持機構の一実施例を図面に基づいて
説明する。図１は、原稿読取部を示す平面図であり、図
２は、図１の第２ミラーユニット２の支持部を示すＡ視
図である。

【００１５】一般に原稿読取部は、走行体として、光源
１０とミラー１１を有する第１ミラーユニット１と、２
枚のミラー１２を有する第２ミラーユニット２とを備え
ている。第１ミラーユニット１は支持部材３により、ま
た、第２ミラーユニット２は支持部材４により、各両端
部が２本のガイドレール５に支持され、ガイドレール５
に沿って往復移動可能である。モータ６を駆動源とし
て、第１および第２ミラーユニット２が、図１中の矢印
Ｂ方向（原稿の走査方向）に移動されると、これに伴っ
て第１ミラーユニット１の光源１０から露光が行われ、
図示しない透明な原稿載置板に置かれた原稿画像面を走
査する。この反射光は、第１ミラーユニット１に備えた
ミラー１１、第２ミラーユニット２に備えた２枚のミラ
ー１２を介してＣＣＤセンサ１３に結像するようになっ
ている。

【００１６】本発明に係るミラーユニットの支持機構の
具体的構成を、第２ミラーユニット２の一端部を例にと
って説明する。図２に示すように、第２ミラーユニット
２の移動方向Ｂ（走査方向）を規制する規制手段は、ガ
イドレール５の長手側面の３面に設けられた各案内溝５
ａと、このガイドレール５面に第２ミラーユニット２を
位置決めする複数のネジ７と、これらのネジ７をガイド
レール５に対する３方向に突設するための支持部材４
と、を有する構成である。ガイドレール５は角棒状の部
材であり、その案内溝５ａは、その上面、下面、及び一
側面の各長手方向（走査方向Ｂ）に「Ｖ」字状断面で成
形されている。

【００１７】位置決め用のネジ７を設けるための支持部
材４は、ガイドレール５の断面形状より少し大き目の、
「コ」の字状断面形状であり、第２ミラーユニット２の
端面部のほぼ中心に取り付けられている。この支持部材
４は、ガイドレール５を水平方向Ｘ（側面方向）から挟
み込むように配置され、垂直方向Ｙの上下２方向、及び
水平方向Ｘの１方向から取り付けられた各ネジ７が、ガ
イドレール５の案内溝５ａを滑動自在に支持するように
なっている。

【００１８】ここで、上記ガイドレール５の案内溝５
ａを滑動するのは、各ネジ７の先端部に設けられた摩擦
抵抗の少ない樹脂製部材であるボール状の摺動部材８で
ある。図３に示すように、螺入により送られたネジ７先
端部の摺動部材８が、ガイドレール５のＶ字状の案内溝
５ａに嵌まることで、その滑動方向が単一方向のみに規
制される。また、１の支持部材４に合計６個のネジ７が
用いられ、図１の平面図に示すように、１の案内溝５ａ
に対して２箇所でネジ７が摺接する。これによりユニッ
トの安定性を向上させている。

【００１９】上記のような構成の支持機構は、第２ミラ
ーユニット２の他端部、及び第１ミラーユニット１の両
端部にも設けられている。各ミラーユニット１，２は、
ガイドレール５の上面だけでなく、下面及び側面を加え
た３方向で支持されているため、両ミラーユニット１，
２の走行時（原稿走査時）のガイドレール５に対する上
下方向Ｙの揺れ、及び左右方向Ｘの揺れを共に規制する
ことができる。

【００２０】さらに、各ネジ７を回してその突出量を微
調整することで、各ミラーユニット１，２のガイドレー
ル５面に対する平行度、及び垂直度を任意に変更するこ
とができる。こうして原稿画像面に対する走査位置の歪
みを容易に調整することが可能である。

【００２１】つぎに、上記ボール状の摺動部材８により
潤滑油を供給可能としたネジ７の具体的な構成を説明す
る。図４は、内部に潤滑油９を収容し、その先端部に摺
動部材８を設けたネジ７の構成を示す断面図である。ネ
ジ７は、その内部に潤滑油９を収容するための中空部が
穿設され、その先端部の開口に真球度の高いボール状の
摺動部材８が回転自在に嵌入されている。潤滑油９が封
入されたネジ７の摺動部材８は、ガイドレール５の案内
溝５ａに摺接しながら回転され、スムーズに滑動すると
同時にその摺動面に常時潤滑油を供給するようになって
いる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の走行体の
支持機構は、走行体の移動方向の左右にガイドレールを
設け、走行体の両端に設けられた摺動部材を各ガイドレ
ールに沿って摺動させる走行体の支持機構であって、複
数の上記摺動部材が、１の上記ガイドレールに対し、少
なくとも異なる３方向から摺接することにより、上記走
行体の移動方向を上記ガイドレールに沿って上下及び左
右方向に規制する規制手段を有する構成なので、上記走
行体が走行時に上下に飛び跳ねたり、左右に揺れたりす
ることがなく、走行時の振動を低減することができると
ともに騒音の発生を抑制することができる。

【００２３】また、上記規制手段が、上記走行体側に突
設され、摩擦抵抗の小さい樹脂製の摺動部材を先端部に
有する複数のネジと、上記ガイドレールの側面に設けら
れた複数の案内溝とからなり、角棒状の上記ガイドレー
ルの長手側面のうちの３面に上記案内溝を設けるととも
に、該ガイドレールの外形に沿うようにその断面形状が
「コ」の字状に成形された上記支持部材が、上記ガイド
レールを水平方向に挟み各案内溝を覆うように走行体の
両端に配設され、上記支持部材に垂直方向の２方向、及
び水平方向の１方向から上記各ネジを螺入してその先端
部の各摺動部材を上記各案内溝に摺動自在に嵌め合わせ
る構成によれば、上記走行体を、ネジ止め方法により位
置決めしているため、万一ネジの先端部に取り付けられ
た摺動部材が経時的な摩耗を生じたり、取り付けガタが
生じても、簡単に部品の交換を行うことが可能である。
さらに、ネジの突出量を調整することによって、ガイド
レール面に対しての平行度、垂直度を任意に変更するこ
とができ、画像に対する歪みを容易に調整することがで
きる。

【００２４】また、上記摺動部材が、上記ネジの先端部
に嵌入され上記ガイドレール面に摺動して回転されるボ
ール状のものであり、上記ネジが、その内部に潤滑油を
収容するとともにその先端部の摺動部材の回転により上
記ガイドレールとの摺動面に潤滑油を供給可能である構
成によれば、上記摺動部材の回転により上記走行体の安
定した走行を可能とし、また、上記ガイドレール面との
接触面積が小さいため、上記摺動部材の経時的な摩耗を
低減することができる。さらに、常時潤滑油の供給が可
能なので、供給された潤滑油により摺動面上のスムーズ
な走行が可能となるとともに、定期的な潤滑油の補給作
業が不要となる。

【００２５】また、上記ガイドレールの案内溝の断面
が、Ｖ字形状に成形されている構成によれば、上記摺動
部材の動作を単一方向のみに規制することを可能として
いる。これにより走行方向に対して上下および左右方向
の位置ずれを確実に阻止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の走行体の支持機構を備えた原稿読取
部を示す平面図である。

【図２】図１の第２ミラーユニットの支持部を示すＡ視
図である

【図３】ネジの摺動部材がガイドレールのＶ字状案内溝
に摺接している状態を示す斜視図である。

【図４】ボール状の摺動部材を設け、潤滑剤を供給可能
としたネジの構成を示す断面図である。

【符号の説明】

１，２走行体Ｂ走行体の移動方向３，４支持部材５ガイドレール５ａＶ字形状の案内溝７ネジ８ボール状の摺動部材９潤滑油Ｘ水平方向Ｙ垂直方向

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】走行体の移動方向の左右にガイドレール
を設け、走行体の両端に設けられた摺動部材を各ガイド
レールに沿って摺動させる走行体の支持機構であって、
複数の上記摺動部材が、１の上記ガイドレールに対し、
少なくとも異なる３方向から摺接することにより、上記
走行体の移動方向を上記ガイドレールに沿って上下及び
左右方向に規制する規制手段を有することを特徴とする
走行体の支持機構。
【請求項２】上記規制手段が、上記走行体側に突設さ
れ、摩擦抵抗の小さい樹脂製の摺動部材を先端部に有す
る複数のネジと、上記ガイドレールの側面に設けられた
複数の案内溝とからなり、角棒状の上記ガイドレールの
長手側面のうちの３面に上記案内溝を設けるとともに、
該ガイドレールの外形に沿うようにその断面形状が
「コ」の字状に成形された上記支持部材が、上記ガイド
レールを水平方向に挟み各案内溝を覆うように走行体の
両端に配設され、上記支持部材に垂直方向の２方向、及
び水平方向の１方向から上記各ネジを螺入してその先端
部の各摺動部材を上記各案内溝に摺動自在に嵌め合わせ
ることを特徴とする請求項１記載の走行体の支持機構。
【請求項３】上記摺動部材が、上記ネジの先端部に嵌
入され上記ガイドレール面に摺動して回転されるボール
状のものであり、上記ネジが、その内部に潤滑油を収容
するとともにその先端部の摺動部材の回転により上記ガ
イドレールとの摺動面に潤滑油を供給可能であることを
特徴とする請求項２記載の走行体の支持機構。
【請求項４】上記ガイドレールの案内溝の断面が、Ｖ
字形状に成形されていることを特徴とする請求項２又は
３に記載の走行体の支持機構。