JP2847711B2 - 原稿読み取り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は原稿読み取り装置の構造に関し、より詳しく
はキャリッジの移動構造に関する。

（従来の技術） 文字や写真等の原稿を読み取る原稿読み取り装置の代
表的なものに、フラットベッド型イメージスキャナと呼
ばれるものがある。これは一般に原稿の１ライン分を読
み取って電気信号に変換する光学系を、読み取りライン
と直角方向に順次移動させて原稿全体を読み取るもので
ある。第４図は従来の原稿読み取り装置のキャリッジ移
動構造を示す平面図で、第４図においてキャリッジ101
には図示はしないが読み取り光学系を搭載している。キ
ャリッジ101には軸受103が植設され、軸受103はその両
端を本体108に固定されたスライド軸受102と嵌合状態に
ある。また、キャリッジ101の一端には移動力を伝達す
るベルト104が係合しており、ベルト104は駆動用モータ
ー105とかみ合って、駆動信号によって矢印Ａ方向に駆
動できるように構成していた。一方キャリッジ101の他
端には、本体108に固着されたスライドレール107と摺動
する部分101aを配設している。第５図は第４図のＰ視図
で第４図を補完する従来のキャリッジ移動構造側面図で
ある。第５図において、読み取る原稿110を透明な原稿
載せ台109上にセットして、キャリッジ101はスライド軸
102をガイドに駆動用モーター105のステップ駆動によっ
て104を介して第４図の矢印Ａ方向に移動可能な構造と
なっていた。

（発明が解決しようとする課題） しかし、従来のキャリッジの移動構造ではスライド軸
102と軸受103とは若干ながらスキマを持たせた嵌合状態
であるため、また、駆動モーター105がステップ駆動の
ため、キャリッジ101を移動させるベルト104をスライド
軸102の最近傍に配設しても、軸受103を支点に矢印Ｃ方
向に微振動しながらキャリッジ101が移動する危険性が
あった。このことは、読み取り分解能が高くなるほど許
容できなくなるという重大な欠点があった。またレイア
ウト上にも大きな規制となり、装置の小型化が困難であ
るという欠点を有していた。さらには装置の組立時や、
キャリッジ101の交換時にはスライド軸102の取り付け、
取り外しが伴うため、組立工数増や保守面でも大きな課
題を有していた。

そこで本発明は従来のこのような課題を解決するため
に、キャリッジの移動時のぶれを極力抑え、高分解能時
にも安定した精度の高い読み取り動作ができて、小型化
への対応が容易で組み立て時や保守面でもキャリッジの
取り付け、取り外しが簡単にできる原稿読み取り装置を
提供することを目的としている。

（課題をを解決するための手段） 上記課題を解決するため、本発明の原稿読み取り装置
は、原稿載せ台上の原稿の像を光電変換素子に結像する
光学系を搭載したキャリッジを有する原稿読み取り装置
であって、キャリッジの副走査方向左右両端に設けられ
た摺動部材と、摺動部材の副走査方向への移動を支持す
る原稿読み取り装置本体に設けられた一対のレールと、
キャリッジを副走査方向に駆動する装置本体に固定され
たモーターと、副走査方向に沿って装置本体に設けられ
たガイド部材とキャリッジに設けられガイド部材を両側
から弾性的に挟み込む当接部材とからなるキャリッジ規
制手段と、当接部材に設けられた弾性的な挟み込みを解
除するキャリッジ規制解除手段とを備え、キャリッジ規
制手段によりキャリッジのぶれを規制しつつ、モータの
駆動力を摺動部材の略中央に作用させてキャリッジを副
走査させる構成としている。

（作用） 上記のように構成した本発明の原稿読み取り装置によ
れば、キャリッジ両端の摺動部材と中央付近の移動手段
によりキャリッジを装置本体に対して支持しながら移動
力を付勢するため、キャリッジを複数の点で支持しなが
ら副走査を行うように作用する。特に、キャリッジを副
走査方向に移動させる際に生じるキャリッジのぶれを規
制するためのキャリッジ規制手段を有することで、キャ
リッジの副走査方向への移動を精度良く実施することが
可能となる。さらに、キャリッジ規制解除手段を有する
ことで、キャリッジの取り付け、取り外しも簡単に実施
することが可能となる。

（実施例） 以下に本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第１図は本発明の原稿読み取り装置のキャリッジ移動機
構の側面図である。第１図において、光学系を搭載した
キャリッジ１の両端に本体８と摺動する摺動部材を具備
し、キャリッジ１の底部には、本体８に配設されたキャ
リッジ移動方向を規制する凸部8aを挟むようにローラー
２、2aを植設してある。一方のローラー２はキャリッジ
１と一体的に構成し、他方のローラー2aはホルダー３の
弾性によって本体凸部8aに付勢している。またキャリッ
ジ１の略中央部にキャリッジ１を移動させるベルト４を
係止している。このように本体凸部8aをキャリッジ１の
一対のローラー２、2aで挟み込みながら原稿載せ台９の
上にセットされた原稿10を制御信号によって読み取って
いくことができるため、キャリッジ１はフラつくことな
く移動できる。

第２図は第１図のＱ視図で、第１図を補完する本発明
のキャリッジ移動機構の底面図である。第２図におい
て、ホルダー３にはローラー2aが回転自在に軸支され、
矢印Ｄ方向に付勢力を有し、ホルダー３をキャリッジ１
へネジ等で固着している。

キャリッジ１に具備した摺動部材11と本体８とは常に
摺動関係にあって、キャリッジ１の重量を摺動部材11で
支持しているため、ステップ駆動するモーターによっ
て、キャリッジ１の略中央部に係止させたベルト４を介
してキャリッジ１を移動させても、モーターの節動によ
る振動は摺動部材11と本体８の接触部で吸収され、滑ら
かなキャリッジ１の移動が得られる。また、摺動部材11
の材質を無潤滑系で構成することによって、長期にわた
って安定した摺動状態を確保できる。

また、キャリッジ１を副走査方向に移動させる際に生
じるキャリッジのぶれの規制は、副走査方向に沿って本
体側に配設された凸部8aのようなガイド板を、キャリッ
ジ側から所定の挟力を弾性的に作用させることで実現が
可能である。この所定の挟力は第２図に示す矢印Ｅ方向
にホルダー３を押すことで解除可能であり、光学系の点
検や交換等のためにキャリッジ１を取り外すことが容易
である。このことは組み立て性の向上と、保守性の向上
になり、装置のローコスト化に寄与できるものである。

第３図はローラーの他の具体例を示すもので、前述し
たローラー等の回転体を使用せずにスライダチップ12を
用いても同様な作用効果が得られる。

以上のような実施例において、キャリッジ１の両端に
摺動部材11を配設し、キャリッジ１の移動方向を規制し
ながら、キャリッジ１を副走査方向に移動させるための
移動力を伝達させる機構をキャリッジ１の底部略中央付
近に配設することによって、滑らかで精度の良いキャリ
ッジ移動を実現し、さらには小型化、ローコスト化にも
有効に作用する。

（発明の効果） 以上説明したように本発明の構成によれば、吸振効果
が高いため、たとえ駆動モーターがステップ駆動であっ
てもぶれが少なく滑らかで安定したキャリッジの走査を
実現でき、原稿の読み取り精度を上げ、高分解能を持っ
た原稿読み取り装置を実現することが可能となる。

また、キャリッジ両端の摺動部材は一対のレールによ
って支持され、キャリッジ規制解除手段を備えるため、
装置本体へのキャリッジの取り付けや取り外しが容易に
できるという効果も有する。

さらに、移動力をキャリッジの中央付近に作用させる
という移動手段を配設するため、装置全体を従来の方式
に比べて小型化できるという効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明にかかる原稿読み取り装置のキャリッ
ジ移動機構の側面図である。第２図は、第１図のＱ視図
で本発明にかかるキャリッジ移動機構の底面図である。
第３図は、本発明の他の具体例を示す図である。第４図
は、従来の原稿読み取り装置のキャリッジ移動機構の平
面図である。第５図は、従来の原稿読み取り装置のキャ
リッジ移動機構の側面図である。 １……キャリッジ ２……ローラー ３……ホルダー ４……ベルト ８……本体 11……摺動部材

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原稿載せ台上の原稿の像を光電変換素子に
   結像する光学系を搭載したキャリッジを有する原稿読み
   取り装置であって、 前記キャリッジの副走査方向左右両端に設けられた摺動
   部材と、 該摺動部材の副走査方向への移動を支持する前記原稿読
   み取り装置本体に設けられた一対のレールと、 前記キャリッジを副走査方向に駆動する前記装置本体に
   固定されたモーターと、 副走査方向に沿って前記装置本体に設けられたガイド部
   材と前記キャリッジに設けられ該ガイド部材を両側から
   弾性的に挟み込む当接部材とからなるキャリッジ規制手
   段と、 該当接部材に設けられた前記弾性的な挟み込みを解除す
   るキャリッジ規制解除手段とを備え、 前記キャリッジ規制手段により前記キャリッジのぶれを
   規制しつつ、前記モータの駆動力を前記摺動部材の略中
   央に作用させて前記キャリッジを副走査させる原稿読み
   取り装置。